JP2002153719A - フィルタ装置及び環境制御装置 - Google Patents

フィルタ装置及び環境制御装置

Info

Publication number
JP2002153719A
JP2002153719A JP2001269892A JP2001269892A JP2002153719A JP 2002153719 A JP2002153719 A JP 2002153719A JP 2001269892 A JP2001269892 A JP 2001269892A JP 2001269892 A JP2001269892 A JP 2001269892A JP 2002153719 A JP2002153719 A JP 2002153719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
gas
temperature
passing
filter medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001269892A
Other languages
English (en)
Inventor
Michinori Hashimoto
道憲 橋本
Fumio Karibe
文夫 苅部
Kenji Udagawa
賢司 宇田川
Tomoyuki Yoshida
友之 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Nippon Puretec Co Ltd
Original Assignee
Nikon Corp
Nippon Puretec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp, Nippon Puretec Co Ltd filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2001269892A priority Critical patent/JP2002153719A/ja
Publication of JP2002153719A publication Critical patent/JP2002153719A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通過する気体中の化学物質の除去性能を維持
しつつ、通過の前後における気体の温度変動を抑制す
る。 【解決手段】 気体中から化学物質を除去する少なくと
も1つのフィルタ媒体24を有するフィルタ部26が、
通過前後における気体の温度変動を所定範囲内に抑制す
る性質を有している。したがって、フィルタ装置20を
構成するフィルタ媒体24により、通過中の気体に含ま
れる化学物質が除去されるとともに、フィルタ部26に
より通過する気体の温度が、その通過前後で所定範囲内
に抑制される。すなわち、通過する気体中に含まれる所
定の化学物質の除去性能を維持しつつ、通過の前後にお
ける気体の温度変動を従来のフィルタ装置に比べて抑制
することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルタ装置及び
環境制御装置に係り、更に詳しくは、通気経路を介して
所定の空間に供給される気体中に含まれる化学物質(除
去対象とする所定の化学物質)を、前記気体中から除去
するため、前記通気経路中に配置されるフィルタ装置、
及び該フィルタ装置を備えた環境制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体素子、液晶表示素子等を
製造するリソグラフィ工程では、ステップ・アンド・リ
ピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光
装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)などの露光装
置が用いられている。近年、これらの露光装置では、半
導体素子等の高集積化に応じて回路パターンが微細化
し、必然的に解像力の向上が要請されるようになったの
に伴い、露光波長が短波長化している。現在では、発振
波長248nmのKrFエキシマレーザや、更に短波長
の発振波長193nmのArFエキシマレーザが光源と
して使用されるに至っている。かかる短波長化した光源
を用いる露光装置では、各光源の輝度が不足するのにレ
ジストの高感度で対応すべく、基板上に塗布されるレジ
ストとして高感度な化学増幅型レジストが用いられるよ
うになっている。
【0003】例えば、ポジ型レジストの場合、雰囲気中
のppbレベルの微量な塩基性ガスが、当該ポジ型化学
増幅型レジストの表面に発生した酸触媒を中和して表面
難溶化層を形成し、露光して現像した後、矩形になるべ
きレジスト断面がTシェイプと呼ばれる、Tの字に似た
ひさしを形成してしまう現象が生じる。この場合、化学
増幅型レジストのオーバーコート等が必要となり、スル
ープットが低下することになる。
【0004】また、露光光の短波長化、高照度化に伴
い、雰囲気中の例えばアンモニアガス、硫黄酸化物、あ
るいは有機珪素化合物などが短波長紫外線による強いエ
ネルギを受けて光化学反応を起こし、露光装置内の光学
部品の表面に曇り物質として析出する。この析出が、あ
る程度の量になってくると光線の散乱や吸収の原因とな
り、照射面上での照度低下や照度の面内均一性悪化とい
う現象を生じさせることがわかってきた。そこで、雰囲
気中の化学汚染物質を低濃度に抑え込んでおくことが重
要になってきている。
【0005】このような理由により、現状の露光装置で
は、内部の環境を厳密に管理することが求められてい
る。
【0006】一方、露光装置は、非常に精密な装置であ
ることから各部に所望の性能を発揮させるため、内部の
温度状態が一定に制御されている必要がある。かかる温
度制御のため、従来の露光装置では、空調装置により温
度制御された気体を露光装置本体が収容された環境制御
チャンバ(エンバイロンメンタル・チャンバ)内に送り
込むことにより、その環境制御チャンバ内部の空間が均
一な温度分布となるようにしている。環境制御チャンバ
内部の前述したアンモニアその他の化学汚染物質の濃度
を低濃度にするためには、温度制御された気体が環境制
御チャンバ内部に送り込まれる前に化学汚染物質を除去
しておけば良い。このため、気体中の化学汚染物質を吸
着除去するフィルタ装置(以下、適宜「ケミカルフィル
タ装置」とも呼ぶ)が一般的に用いられている。
【0007】例えば、アンモニアは、フィルタ装置を構
成するフィルタ媒体として、アニオン成分が添着された
活性炭フィルタを用いて、中和反応にて吸着させてい
る。同様に、酸は、カチオン成分が添着された活性炭フ
ィルタを用いて、中和反応にて吸着させている。これら
の中和反応による吸着はいわゆる化学吸着と呼ばれてい
るものである。これに対して、有機物の除去には、フィ
ルタ媒体として、活性炭などの表面積の広い多孔質部材
を吸着材として用いたフィルタが用いられている。この
活性炭による有機物質の吸着は物理吸着と呼ばれている
ものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】半導体素子は将来的に
更なる高集積化の実現が要請されることは確実であり、
露光装置にもこれに応えるべく、より高精度な露光を実
現できることが要請される。このため、露光装置の構成
各部の更なる性能の向上が求められ、その1つとして、
環境制御チャンバ内部の温度制御性能の更なる向上があ
る。
【0009】しかしながら、最近になって、環境制御チ
ャンバ内の温度制御をより高精度に行うため、空調用気
体、例えば空気を、温度調整装置、例えば空調装置等に
よって目標温度に対する温度変動幅をより厳しくある値
以下に抑制した状態で、環境制御チャンバ内に送り込ん
だ場合には、環境制御チャンバ内ではその送り込まれた
空気の目標温度に対する温度変動の幅が増加することが
判明した。このままでは、要求される露光精度が厳しく
なると、温度変動がその実現の障害となりかねない。
【0010】発明者等は、上記の温度変動幅の増加は、
露光精度が厳しくなって初めて顕現するものであるか
ら、露光精度を向上させるための何らかの構成要素が、
その要因であろうと推測した。そして、かかる推測の
下、種々の実験等を繰り返した。その結果、前述したケ
ミカルフィルタ装置を通過する前より通過した後で空気
の温度変動の幅が増加することが判明した。
【0011】上述した温度制御における温度変動幅の増
加は、露光装置以外の半導体製造装置、その他の精密機
械でも同様に、精密な機械動作に対して影響を与える可
能性がある。
【0012】本発明は、上述した発明者等の得た新規知
見に基づいてなされたもので、その第1の目的は、通過
する気体中に含まれる所定の化学物質の除去性能を維持
しつつ、通過後における気体の温度変動を従来のフィル
タ装置に比べて抑制することができるフィルタ装置を提
供することにある。
【0013】本発明の第2の目的は、所定の空間に対し
て化学物質を十分に除去したケミカルクリーンな気体を
目標温度に対する温度誤差を十分に抑制した状態で供給
し、前記空間内の化学的環境条件及び温度条件を所望の
条件に制御することが可能な環境制御装置を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るフィルタ装置は、通気経路(19)を介して所定の
空間(12)に供給される気体中に含まれる化学物質
を、前記気体中から除去するため、前記通気経路中に配
置されるフィルタ装置であって、前記気体中から化学物
質を除去する少なくとも1つのフィルタ媒体(24)を
有するフィルタ部(26)と、前記フィルタ部を構成す
る前記フィルタ媒体を保持する保持枠(22)とを備
え、前記フィルタ部は、通過後における前記気体の温度
変動を所定範囲内に抑制するフィルタ装置である。
【0015】これによれば、フィルタ部を構成するフィ
ルタ媒体により、通過中の気体中に含まれる化学物質が
除去される。また、フィルタ部により通過する気体の温
度が、その通過後、所定範囲内に抑制される。従って、
通過する気体中に含まれる所定の化学物質の除去性能を
維持しつつ、通過後における気体の温度変動を従来のフ
ィルタ装置に比べて抑制することができる。
【0016】ここで、通過後における気体の温度変動を
より確実に抑制するという観点からは、保持枠は、通過
する気体の全量が必ずフィルタ媒体を通過するように、
フィルタ媒体を気密状態で保持するものであることが望
ましい。
【0017】ところで、前述の如く、発明者等は、ケミ
カルフィルタ装置が通過する気体の通過後における温度
変動幅を増加させる要因であるとの確信を得たが、気体
がフィルタ装置を通過した後における温度変動の要因を
追求すべく、発明者等は、更に鋭意研究を重ねた結果、
フィルタ装置を通過する前の湿度変動が、フィルタ装置
を通過した後の気体の温度に予想外の影響を与えている
ことを発見した。
【0018】フィルタ装置を通過する前の湿度変動が、
フィルタ装置を通過した後の気体の温度に影響を与える
理由は、次のようなものであると考えられる。すなわ
ち、気体がフィルタ部を通過する際には、フィルタ部と
気体との間で平衡となるまで、フィルタ部、気体間で水
分の受け渡しが行なわれる。このとき、気体からフィル
タ部に水分が移動する(吸着する)とフィルタ部(フィ
ルタ媒体)で吸着熱が発生するため、通過する気体の温
度が上昇する。また、フィルタ部から気体に水分が移動
する(蒸発する)と、フィルタ部(フィルタ媒体)から
蒸発熱が奪われるためフィルタ部の温度が下がり、通過
する気体の温度が下降する。従って、フィルタ部を通過
する気体の温度が、所定の温度範囲内で保たれていて
も、フィルタ装置を通過する前の空気中の湿度が変動す
ることにより、熱の与奪量も変動するので、フィルタ部
通過後の気体の温度が変動する。
【0019】従って、請求項1に記載のフィルタ装置で
は、例えば、請求項2に記載の発明の如く、前記フィル
タ部は、通過後の前記気体の目標温度に対する温度誤差
が所定範囲内に抑制されるように、前記気体中の水分の
吸着及び放出を行うものであることとすることができ
る。かかる場合には、フィルタ部における気体中の水分
の吸着及び放出が所定の範囲に抑えられるので、目標温
度からの温度誤差も小さくすることが可能となる。
【0020】上記請求項1及び2に記載の各フィルタ装
置において、請求項3に記載の発明の如く、前記フィル
タ部は、前記気体の通過方向に沿って所定間隔で配置さ
れた少なくとも2つのフィルタ媒体(24A,24B)
を有することとすることができる。かかる場合には、化
学物質の除去能力を低下させることなく、気体中の水分
の吸着及び放出を所定範囲に抑えることができ、気体の
温度変動を抑制することが可能となる。この理由は、次
の通りであると考えられる。
【0021】保持枠内には気体の通過方向に沿って少な
くとも2つのフィルタ媒体が所定の間隔で配置されるの
で、各フィルタ媒体の間隙にフィルタ媒体の存在しない
部分(中間空間層)が形成される。そして、気体の通過
方向1つ目(あるいは上流側のいくつか)のフィルタ媒
体を気体が通過することで、請求項2と同様の理由によ
り、気体中の湿度が高い場合は、気体中の湿度が低下す
るように、気体中の湿度が低い場合は、気体中の湿度が
上昇するようにフィルタ媒体との間で水分の受渡しが行
なわれる。すなわち、気体の湿度変動が一定の値に近づ
く。その一方で、それ以降のフィルタ媒体を気体が通過
するときには、湿度変動がほぼ一定とされていることか
ら、気体中の水分量は殆ど変化せず、気体中からは化学
物質のみが除去されることとなり、気体の温度も殆ど変
化しない。すなわち、化学物質の除去能力を低下させる
ことなく、気体の通過方向1つ目(あるいは上流側の幾
つか)のフィルタ媒体でのみ気体の温度変化が起こるこ
とから、気体中の水分の吸着及び放出を所定範囲に抑え
ることができ、気体の温度変動を抑制することが可能と
なる。
【0022】上記請求項1〜3に記載の各フィルタ装置
において、請求項4に記載の発明の如く、前記フィルタ
媒体の少なくとも1つは、その少なくとも一部の充填率
が他よりも低く設定されていることとしても良い。かか
る場合には、気体中の水分の吸着及び放出を抑制するこ
とが可能となるので、フィルタ装置通過後の目標温度に
対する温度誤差を小さくすることが可能となる。
【0023】ここで、「フィルタ媒体の少なくとも1つ
は、その少なくとも一部の充填率が他よりも低く設定さ
れている」とは、同一のフィルタ媒体の一部領域の充填
率が他の領域よりも低く設定されている場合は勿論、複
数のフィルタ媒体が存在する場合に、フィルタ媒体相互
間で充填率が異なる場合をも含む。
【0024】上記請求項1〜4に記載の各フィルタ装置
において、請求項5に記載の発明の如く、前記フィルタ
媒体は、酸性物質、アルカリ性物質、有機物の少なくと
も1つを除去する性質を有することとすることができ
る。
【0025】上記請求項1〜5に記載の各フィルタ装置
において、請求項6に記載の発明の如く、フィルタ媒体
は、カチオン成分及びアニオン成分の一方を活性炭、セ
ラミックなどの多孔質部材及びこれらに準ずる部材のい
ずれかに添着させた添着型であることとしても良いし、
請求項7に記載の発明の如く、イオン交換基を有する繊
維、樹脂シート及びこれらに準ずる部材のいずれかから
成るイオン交換型であることとしても良いし、請求項8
に記載の発明の如く、粒状活性炭、粉末状活性炭、セラ
ミックを含む多孔質部材、及びこれらに準ずる部材のい
ずれかから成る物質吸着型であることとしても良い。
【0026】上記請求項1〜5に記載の各フィルタ装置
において、請求項9に記載の発明の如く、前記フィルタ
媒体は炭素繊維から成り、その密度がほぼ0.043g
/cm3であり、前記気体の通過方向の総厚さが5cm
以下であることとすることができる。
【0027】請求項10に記載の発明は、所定の空間
(12)に気体を供給して、前記空間内の環境条件の制
御を行う環境制御装置であって、請求項1〜9のいずれ
か一項に記載のフィルタ装置(201、202)と;前記
フィルタ装置を介して前記空間に前記気体を供給する気
体供給用ファン(18)を有し、前記気体の温度を所定
範囲内に調整する温度調整装置(44)と;を備える環
境制御装置である。
【0028】これによれば、温度調整装置により所定範
囲内の温度に調整された気体が、気体供給用ファンによ
って所定の空間内に供給される。このとき、供給用ファ
ンから供給される気体は、請求項1〜9に記載の各発明
に係る通過後における温度変化の小さいフィルタ装置を
介して空間内に供給される。従って、所定の空間に対し
て化学物質を十分に除去したケミカルクリーンな気体を
目標温度に対する温度誤差を十分に抑制した状態で供給
し、前記空間内の化学的環境条件及び温度条件を所望の
条件に制御することが可能となる。
【0029】この場合において、請求項11に記載の発
明の如く、前記温度調整装置は、前記気体供給用ファン
によって供給される前記気体を冷却する冷却装置(1
5)を更に備えることとすることができる。かかる場合
には、例えば、目標温度以上に加熱された気体が外部か
ら供給された場合等に、冷却装置によりその気体を冷却
することで、フィルタ装置通過前の気体の温度を所定範
囲内に調整することが可能となる。
【0030】上記請求項10及び11に記載の各環境制
御装置において、請求項12に記載の発明の如く、前記
温度調整装置は、前記気体供給用ファンによって供給さ
れる前記気体を加熱する加熱装置(16)を更に備える
こととすることができる。かかる場合には、目標温度以
下に冷却された気体が外部から供給された場合等に、加
熱装置によりその気体を加熱することにより、フィルタ
装置通過前の気体の温度を所定範囲内に調整することが
可能となる。特に、温度調整装置が冷却装置及び加熱装
置を備える場合には、外部から供給された気体の温度に
かかわらず、フィルタ装置通過前の気体の温度を所定範
囲内に調整することが可能となる。
【0031】上記請求項10〜12に記載の各環境制御
装置において、請求項13に記載の発明の如く、前記フ
ィルタ装置を通過する前記気体の流量は、前記フィルタ
媒体の単位断面積(1cm2)当たり、1秒間に、50
cm3以上であることとしても良い。
【0032】上記請求項10〜13に記載の各環境制御
装置において、請求項14に記載の発明の如く、前記フ
ィルタ媒体を通過する気体は、湿度30〜70%の範囲
の任意の湿度、温度20〜30℃の範囲の任意の温度に
設定されていることとしても良い。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図4に基づいて説明する。
【0034】図1には、一実施形態に係る環境制御装置
10がその制御対象である所定の空間としての半密閉空
間(以下、単に「空間」と呼ぶ)13がその内部に形成
されたチャンバ12とともに概略的に示されている。こ
こで、半密閉空間と呼ぶのは、完全な意味での密閉空間
でもなく、開放された空間でもないと言う意味であり、
例えば、内部の圧力を外気圧に対して陽圧にすると、自
然と内部気体の一部が外部に漏れ出す程度の密閉状態の
空間が該当する。
【0035】環境制御装置10は、前記チャンバ12内
部の空間13に空調用の気体として空気を供給して、空
間13内の環境条件の制御を行うものである。この環境
制御装置10は、空間13内に供給される空気の温度を
所定範囲内に調整するための温度調整装置44と、該温
度調整装置44にその一端が接続され他端がチャンバ1
2に接続された給気ダクト19と、該給気ダクト19内
部のチャンバ12側の端部に配置されたフィルタ装置と
してのケミカルフィルタ20と、温度調整装置44を制
御する制御装置40とを備えている。
【0036】前記温度調整装置44は、筐体17と、該
筐体内に図1における上方から下方に順次配置された冷
却装置としてのクーラー15と、加熱装置としてのヒー
タ16と、気体供給用ファンとしての送風ファン18と
を備えている。
【0037】筐体17は、一端部(図1における上端
部)に外気取り入れ口14が形成されるとともに、他端
部の送風ファン18の送風口部分にこれに対応する開口
が形成され、その他の部分は閉塞されている。なお、図
示は省略されているが、筐体17の外気取り入れ口14
の内部側には、パーティクル除去用のULPAフィル
タ、HEPAフィルタ等のエアフィルタが装着されてい
る。
【0038】前記筐体17内のクーラー15とヒータ1
6との間には、第1温度センサ41が配置されている。
この第1温度センサ41は、外気取り入れ口14を介し
て取り入れられ、クーラー15で冷却された空気の温度
を検知するもので、この第1温度センサ41の検出値が
制御装置40に供給されるようになっている。
【0039】前記クーラー15としては、ここでは、結
露が生じないように、いわゆるドライコイルが用いられ
ている。このクーラー15は、制御装置40によって制
御される。ヒータ16は、クーラー15に比べて空気温
度の微調整が可能なものが用いられている。
【0040】前記送風ファン18としては、例えばター
ボファン、ラジアルファン等の遠心ファンやシロッコフ
ァンなどの種々の送風機を用いることができる。この送
風ファン18は、クーラー15及びヒータ16を通過す
ることで温度がほぼ一定とされた空気を給気ダクト19
内部の給気経路を介してケミカルフィルタ20に向け
て、圧送する機能を有する。なお、クーラー15及びヒ
ータ16を用いた空気の一定温度制御については後述す
る。
【0041】前記ケミカルフィルタ20は、通過する空
気中の所定の化学物質、例えばアンモニア、酸、あるい
は有機物などの少なくとも一種を除去するためのもの
で、ここでは、このケミカルフィルタ20として本発明
に係るフィルタ装置が用いられている。なお、ケミカル
フィルタ20の具体的構成例等については後に、詳述す
る。
【0042】前記給気ダクト19内部の送風ファン18
の送風口の近傍には、第2温度センサ42が配置されて
いる。この第2温度センサ42は、送風ファン18から
送り出される空気の温度を検知するもので、この第2温
度センサ42の検出値は制御装置40に供給されるよう
になっている。
【0043】さらに、空間13内部のケミカルフィルタ
20の出口側の近傍には、第3温度センサ43が配置さ
れている。この第3温度センサ43は、空間13内に供
給された空気の温度を検知するもので、この第3温度セ
ンサ43の検出値は制御装置40に供給されるようにな
っている。
【0044】ここで、上述のようにして構成された環境
制御装置10において、チャンバ12内部の空間13内
の環境を制御する仕組みについて簡単に説明する。
【0045】まず、制御装置40により、送風ファン1
8の運転が開始されると、送風ファン18よりも上流側
が負圧(陰圧)下流側が正圧(陽圧)となる。上流側の
負圧の発生により、外気取り入れ口14を介して筐体1
7の内部に外部から空気が取入れられる。そして、取入
れられた空気は、クーラー15、ヒータ16を介して送
風ファン18に取り込まれ、該送風ファン18によって
ケミカルフィルタ20に向けて圧送される。この場合に
おいて、外気取り入れ口14を介して筐体17の内部に
取り入れられた空気は、制御装置40の制御の下、クー
ラー15によって所定温度まで冷却される。この冷却後
の空気の温度が第1温度センサ41で検知されるととも
に、送風ファン18の出口の空気の温度が第2温度セン
サ42で検知される。そこで、制御装置40は、第1温
度センサ41の検出値と目標温度との差に基づいてヒー
タ16の加熱量をフィードフォワードにて制御するとと
もに、第2温度センサ42の検出値と目標温度との差に
基づいてヒータの加熱量をフィードバック制御する。こ
のようにして、本実施形態では、空気が、目標温度、例
えば23℃に対して±0.01℃の誤差範囲で高精度に
温度調整されて、ケミカルフィルタ20を介して空間1
3内に供給される。
【0046】このとき、空間13内への気体の吹き出し
流量は、制御装置40の指示の下、送風ファン18によ
り、例えば、ケミカルフィルタ20の後述するフィルタ
部の断面積(1cm2)当たり、1秒間に、50cm3
上の一定の流量となるように調節されている。
【0047】また、本実施形態の環境制御装置10で
は、前述の如く、空間13内に供給される空気の温度
は、ケミカルフィルタ20を通過する前に調整されてい
るが、この温度調整は、ドライコイルから成るクーラー
15を用いて結露が生じないようにして行われるので、
通過中の空気の湿度変動は、外気取り入れ口14から取
り入れられる空気中の湿度の変動に対して同様に変化す
る。また、絶対湿度が一定であっても空調機による温度
変化に応じて相対湿度が変化する。
【0048】次に、ケミカルフィルタ20の構成例等に
ついて説明するが、それに先立って、ケミカルフィルタ
を通過する際の気体の温度変動の原理等について説明す
る。
【0049】発明者等の得た知見によると、気体中の化
学物質を除去するフィルタ(ケミカルフィルタ)は、一
般に、気体の湿度と平衡する量の水分を含む性質があ
り、湿度が高いほど多くの水を含む性質がある。従っ
て、本実施形態においても、温度調整装置44が空気を
加熱してケミカルフィルタ20に送られる空気の湿度が
下がると、ケミカルフィルタ20が水分を空気に対して
補給するように放散し、ケミカルフィルタ20から蒸発
潜熱が奪われ、ケミカルフィルタ20の温度が低下す
る。その結果、ケミカルフィルタ20を通過する空気の
温度は、ケミカルフィルタ20に入る前よりも通過後の
方が低くなる。
【0050】上記と反対に、温度調整装置44が空気を
冷却して、ケミカルフィルタ20に送られる空気の湿度
が上がると、ケミカルフィルタ20が空気中から増加し
た水分を取り込むように吸着し、吸着熱(凝縮熱)がケ
ミカルフィルタ20に与えられ、ケミカルフィルタの温
度が上昇する。その結果、ケミカルフィルタ20を通過
する空気の温度は、ケミカルフィルタ20に入る前より
も通過後の方が高くなる。
【0051】このように、温度調整装置44によって一
定の温度に調整された空気であってもケミカルフィルタ
20を通過させると、ケミカルフィルタ20に入る前の
空気中の湿度変動のために、上述したケミカルフィルタ
20の性質により空気の温度変動が生じる。蒸発潜熱と
してフィルタが奪われる熱量や吸着熱としてフィルタが
与えられる熱量は、フィルタが吸着し、あるいは放出す
る水分量によって決まる。
【0052】また、気体の温度は、与えられる又は奪わ
れる熱量と、通過する気体の量とによって決まる。すな
わち、同量の気体が通過したとき、ケミカルフィルタが
放散あるいは吸着する水分の量が多いほど、与えられあ
るいは奪われる熱量も多くなり、気体の温度変化も大き
くなる。従って、ケミカルフィルタが放散あるいは吸着
する水分の量を減らすか、気体の通過量を大きくすれば
良い。気体の通過量を大きくするには、例えば送風ファ
ンとして、より大型のファンを用いたりすれば良いが、
ケミカルフィルタで時間当たり除去しなければならない
化学物質(化学的汚染物質)の量も増加するため、化学
的汚染物質の除去率低下の欠点が現れることから、気体
の通過量を大きくするには限界がある。
【0053】本実施形態では、上述のような事情に鑑み
て、ケミカルフィルタ20として、図2に示される第1
のケミカルフィルタ201や、図3に示される第2のケ
ミカルフィルタ202等が用いられる。
【0054】ここで、第1のケミカルフィルタ20
1と、第2のケミカルフィルタ202との特徴を明確にす
るために、比較例として、従来から用いられているケミ
カルフィルタ(以下、「従来のフィルタ」と呼ぶ)30
を、ケミカルフィルタ20に代えて用いた場合の例を説
明する。
【0055】図4に示されるように、従来のフィルタ3
0は、化学物質を除去する性質を有するフィルタ媒体3
4と、このフィルタ媒体34を保持する保持枠32とを
備えている。フィルタ媒体34は、例えばハニカム状の
構造を有する炭素繊維から成り、気体の通過方向の厚さ
がaで、炭素繊維の充填率(密度に対応)がdとされて
いるものとする。
【0056】第1のケミカルフィルタ201は、図2に
示されるように、フィルタ媒体(メディア)24と、該
フィルタ媒体24を保持する保持枠22とを備えてい
る。保持枠22は、空気の通過方向(図2中の矢印vで
示される方向)に垂直な断面が矩形の枠部材から成り、
空気の通過方向両側(図2における紙面左右方向)に開
口部が形成されている。一方の開口部が給気ダクト19
の内部に連通しており、他方の開口部が空間13に連通
している。また、この保持枠22は、フィルタ媒体24
の外周部を隙間無く保持しており、保持枠22の内部空
間に入り込んだ空気は全てフィルタ媒体24を通過する
ようになっている。また、図2のケミカルフィルタ20
1では、フィルタ媒体24のみによってフィルタ部26
が構成されている。
【0057】前記フィルタ媒体24は、図4に示される
従来のフィルタ30を構成するフィルタ媒体34と同様
にハニカム状の構造を有する炭素繊維から成るものが用
いられている。なお、このフィルタ媒体24として、ハ
ニカム状の構造を有する炭素繊維に限らず、酸性物質、
アルカリ性物質、有機物の少なくとも1つを除去する性
質を有する材料、具体的には、カチオン成分及びアニオ
ン成分の一方を活性炭やセラミック等の多孔質部材に添
着させた添着型や、イオン交換基を有する繊維、樹脂シ
ート等から成るイオン交換型、及び粒状活性炭、粉末状
活性炭、セラミック等の多孔質部材から成る物質吸着型
を用いることもできる。
【0058】フィルタ媒体24は、フィルタ媒体34と
同一面積、同一厚さaを有するが、充填率(密度に対
応)がフィルタ媒体34の約半分のd/2に設定されて
いる。
【0059】このため、同一条件下では、フィルタ媒体
24と通過する空気との間における水分のやりとりの絶
対量は、フィルタ媒体34と通過する空気との間におけ
る水分のやりとりの絶対量の約1/2となる。これによ
り、第1のケミカルフィルタ201を用いることによ
り、フィルタ媒体24が放散あるいは吸着する水分の量
を従来のフィルタ30よりも減らして、これに応じて通
過後における空気の温度変動を抑制することが可能とな
る。
【0060】なお、フィルタ媒体24を構成する炭素繊
維の充填率を低下させると、化学物質を吸着する能力も
低下することが懸念されるが、気体中に含まれる化学物
質は、含有率が数10%もある水分と比べると非常に微
量であるため、フィルタ媒体24を構成する炭素繊維の
充填率とフィルタ媒体24の化学物質を吸着する能力と
の間の関係は直線的な関係にはない(比例しない)。す
なわち、このようにフィルタ媒体24を構成する炭素繊
維の充填率を減らしても、化学物質を吸着する能力が極
端に低下することはない。従って、第1のケミカルフィ
ルタ201によれば、気体中の化学物質を除去する能力
をあまり低下させることなく、通過する気体の温度変動
を抑制することが可能となる。
【0061】次に、この第1のケミカルフィルタ201
の具体例とともに、これを用いた具体的な実験結果につ
いて説明する。なお、この実験に際しては、ケミカルフ
ィルタ通過後の空気の温度変化を確認するために、前述
した第3温度センサ43が用いられる。
【0062】なお、第1のケミカルフィルタ201を用
いた具体的な実験結果は、従来のフィルタ30との比較
例として示す。
【0063】図1に示される環境制御装置10及びチャ
ンバ12を含む装置と同様の実験装置を用い、約0.0
43g/cm3の密度をもつハニカム状の炭素繊維を充
填した厚さa(=50mm)のフィルタ媒体24を用い
て第1のケミカルフィルタ201を構成し、図2に示さ
れるように、速度v(=0.5m/sec)で空気を通
過させた。このとき、空気の目標温度を23℃とした。
また、第1のケミカルフィルタ201を通過する前の空
気中の湿度変動は、図4に示される従来のフィルタ30
を通過した後の温度変動幅が23℃±0.03℃と成る
ような変動幅をもつものとする。なお、この従来のフィ
ルタ30は、密度が約0.09g/cm 3のハニカム状
の炭素繊維を充填した厚さa(=50mm)のフィルタ
媒体34で構成されているものとする。
【0064】このような速度、及び湿度変動のもとで、
従来のフィルタ30から、本発明における第1のケミカ
ルフィルタ201に交換すると、第1のケミカルフィル
タ201を通過した直後の空気の温度(第3温度センサ
43で検出される)は、23℃±0.015℃となるこ
とが実験の結果分かった。
【0065】これより、フィルタ媒体24を通過した直
後の目標温度に対する温度誤差ΔT1と、従来のフィル
タ30を通過した直後の目標温度に対する温度誤差ΔT
2の間には、ΔT1/ΔT2=0.5の関係があること
が分かる。
【0066】これより、第1のケミカルフィルタ201
を用いる場合には、従来のフィルタ30を用いる場合に
比べて、通過後における空気の温度変動を約半分程度に
抑制できることが確認された。また、第1のケミカルフ
ィルタ201を用いることにより、通過後における空気
の温度誤差の増加は、十分に許容できる範囲にあり、チ
ャンバ12の内部空間13に露光装置などの精密機械を
設置しても精密機械の動作に殆ど悪影響を与えない。
【0067】なお、上述のように、ケミカルフィルタを
通過する気体の流量は、フィルタ媒体24の単位断面積
(1cm2)当たり、1秒間に、50cm3であったが、
送風ファン18の能力の範囲内で、送風ファン18から
の気体の流量をこれよりも多くすることで、同量の水分
の放出あるいは吸着が行われ、同じ熱の移動が生じて
も、単位体積当たりの熱の与奪量が小さくなるので、温
度変動をより小さくすることが可能となる。
【0068】なお、第1のケミカルフィルタ201の具
体的な例として、フィルタ媒体24の炭素繊維の充填率
を従来のフィルタの1/2とした場合について説明した
が、化学物質の除去能力の低下が許容できる範囲内で、
更にフィルタ媒体24の充填率を下げることも可能であ
る。
【0069】また、上記第1のケミカルフィルタ201
においては、フィルタ媒体24全体の充填率が低く設定
されていたが、これに限らず、フィルタ媒体24の一部
分の充填率をその他の部分よりも低く設定しても良い。
この場合、フィルタ媒体24を気体の通過方向に複数層
に区分し、少なくとも1つの層の充填率をその他の部分
よりも低く設定しても良い。いずれにしても、従来のフ
ィルタ媒体と同程度の充填率のフィルタ媒体を全体に用
いるケミカルフィルタと比べて、通過する気体の通過後
における温度変動を抑制することができる。
【0070】次に、図1におけるケミカルフィルタ20
として、第2のケミカルフィルタ202が用いられた場
合について、図3に基づいて説明する。ここで、前述し
た第1のケミカルフィルタ201と同一若しくは同等の
構成部分については同一の符号を用いるとともに、その
説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0071】第2のケミカルフィルタ202は、図3に
示されるように、保持枠22と、該保持枠22に前述し
たフィルタ媒体24と同様にしてその周囲の部分が保持
された2つのフィルタ媒体(メディア)24A、24B
とを備えている。
【0072】フィルタ媒体24A,24Bは、矢印vで
示される空気の通過方向に沿って間隔bを隔てて配置さ
れ、フィルタ媒体24Aとフィルタ媒体24Bとの間に
は、中間空間層28が形成されている。この第2のケミ
カルフィルタ202では、フィルタ媒体24A、24B
と中間空間層28とによってフィルタ部26が構成され
ている。フィルタ媒体24A,24Bは、前述と同様に
ハニカム状の構造を有する炭素繊維から成り、気体の通
過方向の厚さがa/2であって、図4に示される従来の
フィルタ30を構成するフィルタ媒体34の気体の通過
方向厚さの1/2とされている。また、各フィルタ媒体
24A,24Bの充填率は、図4に示される従来のフィ
ルタ30を構成するフィルタ媒体34の充填率と同一と
されている。
【0073】なお、このフィルタ媒体24A,24Bと
して、ハニカム状の構造を有する炭素繊維に限らず、酸
性物質、アルカリ性物質、有機物の少なくとも1つを除
去する性質を有する材料、具体的には、カチオン成分及
びアニオン成分の一方を活性炭やセラミック等の多孔質
部材に添着させた添着型や、イオン交換基を有する繊
維、樹脂シート等から成るイオン交換型、及び粒状活性
炭、粉末状活性炭、セラミック等の多孔質部材から成る
物質吸着型を用いることもできる。
【0074】ここで、この第2のケミカルフィルタ20
2を図1の環境制御装置10に用いた場合の作用につい
て、図4に示される従来のフィルタ30を環境制御装置
10に用いた場合と比較しつつ、図3に基づいて説明す
る。
【0075】前述のように、第2のケミカルフィルタ2
2を構成するフィルタ媒体24Aは、図4に示される
フィルタ媒体34の約1/2の厚さを有している。この
ため、第2のケミカルフィルタ202を構成するフィル
タ媒体24Aを通過し、中間空間層28に至る空気は、
フィルタ媒体34を通過する空気に比べて約1/2の水
分変化量となる。このように、フィルタ媒体24Aが放
散するあるいは吸着する水分の量を従来のフィルタ30
よりも減らしているので、これに応じてフィルタ媒体2
4Aの通過前後における空気の温度変動を抑制すること
が可能となる。従って、フィルタ媒体24Aを通過し、
中間空間層28に到達した気体は、フィルタ媒体24A
の通過前の湿度変動に対して、通過後の湿度変動が小さ
くなっている。
【0076】すなわち、フィルタ媒体24Aは、下流側
のフィルタ媒体24Bに送られる空気の湿度変動を小さ
く調整する役割を果たしている。
【0077】従って、中間空間層28に到達した気体
は、図4のフィルタ媒体34の約1/2の厚さで形成さ
れたフィルタ媒体24Aを通過することにより、図4の
フィルタ媒体34を通過した後の気体の温度変動に対し
て、約1/2の変動に抑制される。また、湿度変動もフ
ィルタ媒体24Aの通過前後では小さくなっている。こ
のため、下流側のフィルタ媒体24Bを中間空間層28
の気体が通過するときには、気体とフィルタ媒体24B
との間で、水分の放散あるいは吸収が行われるが、フィ
ルタ媒体24Bを通過した後の温度変動にはほとんど寄
与しない。
【0078】なお、第2のケミカルフィルタ202は、
フィルタ媒体24Aとフィルタ媒体24Bとに分割する
ことにより、温度変動が従来のフィルタ30よりも抑制
されているが、フィルタ媒体24Aとフィルタ媒体24
Bのトータルの厚さは、従来のフィルタ30と同等の厚
さになるので、気体中から化学物質を除去する能力は、
従来のフィルタ30と同等である。
【0079】次に、この第2のケミカルフィルタ202
の具体例とともに、これを用いた具体的な実験結果につ
いて説明する。なお、この実験に際しては、ケミカルフ
ィルタ通過後の空気の温度変化を確認するために、前述
した第3温度センサ43が用いられる。
【0080】なお、第2のケミカルフィルタ202を用
いた具体的な実験結果は、前述した第1のケミカルフィ
ルタ201の場合と同様、従来のフィルタ30との比較
例として示す。
【0081】図1に示される環境制御装置10及びチャ
ンバ12を含む装置と同様の実験装置を用い、気体の通
過方向の厚さがa/2(=25mm)であるフィルタ媒
体24A、24B(密度はそれぞれ約0.09g/cm
3)を間隔b(=10mm)の中間空間層28を介して
配置し、気体通過方向のフィルタ媒体の全幅を実質50
mmになるように第2のケミカルフィルタ202を構成
し、図3に示されるように、速度v(=0.5m/se
c)で空気を通過させた。このとき、空気の目標温度を
23℃とした。また、第2のケミカルフィルタ202
通過する前の空気の温度変動は、図4に示される従来の
フィルタ30を通過した後の温度変動幅が23℃±0.
03℃となるような変動幅をもつものとする。
【0082】このような速度、及び湿度変動のもとで、
従来のフィルタ30から、本発明における第2のケミカ
ルフィルタ202に交換すると、第2のケミカルフィル
タ202を通過した直後の空気の温度(第3温度センサ
43で検出される)は、23℃±0.015℃となるこ
とが実験の結果分かった。
【0083】これより、フィルタ部26を通過した直後
の目標温度に対する温度誤差ΔT1と、前述した従来の
フィルタ30を通過した直後の目標温度に対する温度誤
差ΔT2の間には、ΔT1/ΔT2=0.5の関係があ
ることがわかる。
【0084】これより、第2のケミカルフィルタ202
を用いる場合には、従来のフィルタ30を用いる場合に
比べて、通過後における空気の温度変動を約半分程度に
抑制できることが確認された。また、第2のケミカルフ
ィルタ202を用いることにより、通過後における空気
の温度誤差の増加は、十分に許容できる範囲にあり、チ
ャンバ12の内部空間13に露光装置などの精密機械を
設置しても精密機械の動作に殆ど悪影響を与えない。
【0085】なお、第1のケミカルフィルタ201と同
様に、このときの気体の通過量は、上述の如く、単位断
面積(1cm2)当たり、1秒間に50cm3であるが、
送風ファン18の能力の許容範囲内でこれよりも多量の
気体を通過させることにより、温度変動をより小さくす
ることが可能となる。
【0086】また、この場合、気体の通過方向のフィル
タ媒体の厚さの合計が従来のフィルタ30と同一で、か
つ充填率も同一であるフィルタ媒体を使用することがで
きるので、化学物質の除去能力を低下させることがな
い。
【0087】なお、上記の説明では、第2のケミカルフ
ィルタ202を構成するフィルタ部26は、従来のフィ
ルタ30を構成するフィルタ媒体34の1/2の厚さを
有する2つのフィルタ媒体24A,24Bを有するもの
としたが、これに限らず、気体の通過方向の厚さの合計
が一定であれば、フィルタ部を構成するフィルタ媒体の
数、及び各フィルタ媒体の厚さについては、任意とする
ことができる。例えば、フィルタ媒体の数が2つで、厚
さが従来のフィルタを構成するフィルタ媒体の1/3
(厚さa/3)と2/3(厚さ2a/3)としたり、フ
ィルタ媒体の数が3つで、それぞれの厚さをそれぞれ従
来のフィルタ30を構成するフィルタ媒体34の厚さの
1/3(厚さa/3)としても良い。
【0088】また、各フィルタ媒体24A,24Bの間
の中間空間層28の幅bも任意に設定可能であって、第
2のケミカルフィルタ202の気体通過方向の全幅と、
フィルタの化学物質を除去する性能を考慮して、設計
上、最適な幅(厚さ)とすることができる。
【0089】また、上記第2のケミカルフィルタ202
としては、従来のフィルタ30と同一の充填率を有する
フィルタ媒体を用いたが、これに限らず、一方のフィル
タ媒体の充填率を他方の充填率よりも低くしても良い
し、あるいは、一方のフィルタ媒体の一部の充填率を低
くしたり、両方のフィルタ媒体の一部の充填率を低くす
ることも可能である。このように、フィルタ媒体の一部
の充填率を低くすると、フィルタ媒体による気体中の水
分の吸着・放出をより抑制することが可能となるので、
ケミカルフィルタ通過後の目標温度に対する温度誤差を
より小さくすることが可能となる。
【0090】なお、気体の温度変動の所定範囲として
は、目標温度に対して±0.01℃程度であることが好
ましい。
【0091】以上詳細に説明したように、本実施形態に
係るフィルタ装置としてのケミカルフィルタによれば、
通過する気体中に含まれる所定の化学物質の除去性能を
維持しつつ、通過後における気体の温度変動を従来のフ
ィルタ装置に比べて抑制することができる。
【0092】また、本実施形態に係る第1のケミカルフ
ィルタ、第2のケミカルフィルタにおいては、フィルタ
部における気体中の水分の吸着及び放出が所定の範囲に
抑えられるので、目標温度からの温度誤差も小さくする
ことが可能となる。
【0093】また、第1、第2のケミカルフィルタいず
れにおいても、従来のフィルタとほぼ同等の大きさのケ
ミカルフィルタとされているため、フィルタ装置の大型
化、ひいては環境制御装置の大型化を招くことがない。
また、ケミカルフィルタに供給される気体の湿度を制御
するための大型の加湿器等を特に設ける必要もないの
で、この点においても装置の大型化を防止することがで
きる。
【0094】また、本実施形態に係る環境制御装置10
によると、温度調整装置44により所定範囲内の温度に
調整された気体が、送風ファン18によって所定の空間
13内に供給される。このとき、送風ファン18から供
給される気体は、通過後における温度変化の小さいフィ
ルタ装置20を介して空間13内に供給される。従っ
て、所定の空間に対して化学物質を十分に除去したケミ
カルクリーンな気体を目標温度に対する温度誤差を十分
に抑制した状態で供給し、前記空間内の化学的環境条件
及び温度条件を所望の条件に制御することが可能とな
る。
【0095】なお、上記実施形態で説明したケミカルフ
ィルタ20,201,202等で挙げた数値、例えばフィ
ルタ媒体を構成する炭素繊維の密度及び気体の通過方向
の総厚さ等の具体的な数値は、一例に過ぎず、その数値
に本発明が限定されるものではない。
【0096】また、上記実施形態ではフィルタ媒体とし
て炭素繊維を用いた場合の具体例にについて説明した
が、フィルタ媒体として炭素繊維以外の前述した各種の
材料から成るフィルタ媒体を用いた場合であっても、フ
ィルタ装置の水分吸着及び放出を抑制するために、フィ
ルタ媒体の充填率を低下させたり、複数のフィルタ媒体
の間に空間を設けるという概念を採用することにより、
上記と同等の効果を得ることができる。
【0097】また、特に、前述した第2のケミカルフィ
ルタにおいては、フィルタ部を構成する複数のフィルタ
媒体としては、それぞれ同じ材料から成るフィルタ媒体
である必要はなく、アルカリ性物質を除去するためのフ
ィルタ媒体、酸性物質を除去するためのフィルタ媒体、
有機物質を除去するためのフィルタ媒体を組合わせるこ
とも可能である。
【0098】なお、上記実施形態中に挙げた第1のケミ
カルフィルタ、第2のケミカルフィルタの実験例は、フ
ィルタ媒体として炭素繊維を用いた場合の実験結果であ
って、上記その他の材料から成るフィルタ媒体を用いる
場合には、フィルタ媒体の単位重量当たりの水分脱吸着
量が異なるため、実験結果は当然に異なり、フィルタを
設計する上での最適値(フィルタ媒体の充填率や気体の
通過方向の幅)も異なる。
【0099】なお、上記実施形態では、温度調整装置4
4がクーラー15及びヒータ16を備えるものとした
が、本発明に係る環境制御装置がこれに限定されるもの
ではない。例えば、チャンバ12の内部空間13内に熱
を発する機械が設置され、かつ、空間13から排出され
る気体がリターン部を介して再び温度調整装置44に戻
る循環系が構成されている場合には、温度調整装置44
に戻る気体の温度は、設定温度(目標温度)よりも必ず
高くなるので、冷却装置のみを備えることとしても良
い。かかる場合には、目標温度以上に加熱された気体を
冷却装置により冷却することで、フィルタ装置通過前の
気体の温度を所定範囲内に調整することができる。
【0100】同様に、目標温度以下に冷却された気体が
外部から供給される場合等には、その気体を加熱装置に
より加熱することで、フィルタ装置通過前の気体の温度
を目標温度に対して所定範囲内に調整することができる
ので、加熱装置のみが設けられていても良い。
【0101】また、上記実施形態では、フィルタ媒体を
通過する気体として、相対湿度50%程度で、温度が2
3℃前後の例を挙げたが、フィルタ媒体を通過する気体
としては、相対湿度30〜70%の範囲の任意の相対湿
度、温度20〜30℃の範囲の任意の温度に設定された
ものを用いることとすることができる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るフィ
ルタ装置によれば、通過する気体中に含まれる所定の化
学物質の除去性能を維持しつつ、通過後における気体の
温度変動を従来のフィルタ装置に比べて抑制することが
できるという効果がある。
【0103】また、本発明に係る環境制御装置によれ
ば、所定の空間に対して化学物質を十分に除去したケミ
カルクリーンな気体を目標温度に対する温度誤差を十分
に抑制した状態で供給し、前記空間内の化学的環境条件
及び温度条件を所望の条件に制御することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る環境制御装置を制御
対象である空間が内部に形成されたチャンバとともに概
略的に示す図である。
【図2】図1のフィルタ装置として用いられる第1のケ
ミカルフィルタの構成を概略的に示す図である。
【図3】図1のフィルタ装置として用いられる第2のケ
ミカルフィルタを概略的に示す図である。
【図4】従来のフィルタ装置を概略的に示す図である。
【符号の説明】
10…環境制御装置、12…半密閉空間(空間)、15
…クーラー(冷却装置、温度調整装置の一部)、16…
ヒータ(加熱装置、温度調整装置の一部)、18…送風
ファン(気体供給用ファン,温度調整装置の一部)、1
9…給気ダクト(通気経路)、20,201,202…ケ
ミカルフィルタ(フィルタ装置)、22…保持枠、24
…フィルタ媒体、26…フィルタ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 苅部 文夫 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本ピ ュアテック株式会社内 (72)発明者 宇田川 賢司 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 吉田 友之 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 3L051 BA01 BB00 4D012 CA01 CA09 CA10 CB02 CE01 CE02 CE03 CF04 CF05 CG01 CG04 CJ05 CK01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気経路を介して所定の空間に供給され
    る気体中に含まれる化学物質を、前記気体中から除去す
    るため、前記通気経路中に配置されるフィルタ装置であ
    って、 前記気体中から化学物質を除去する少なくとも1つのフ
    ィルタ媒体を有するフィルタ部と、前記フィルタ部を構
    成する前記フィルタ媒体を保持する保持枠とを備え、 前記フィルタ部は、通過後における前記気体の温度変動
    を所定範囲内に抑制することを特徴とするフィルタ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ部は、通過後の前記気体の
    目標温度に対する温度誤差が所定範囲内に抑制されるよ
    うに、前記気体中の水分の吸着及び放出を行うことを特
    徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ部は、前記気体の通過方向
    に沿って所定間隔で配置された少なくとも2つのフィル
    タ媒体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載
    のフィルタ装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ媒体の少なくとも1つは、
    その少なくとも一部の充填率が他よりも低く設定されて
    いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
    載のフィルタ装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタ媒体は、酸性物質、アルカ
    リ性物質、有機物の少なくとも1つを除去する性質を有
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記
    載のフィルタ装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルタ媒体は、カチオン成分及び
    アニオン成分の一方を活性炭、セラミック及びこれらに
    準ずる部材のいずれかに添着させた添着型であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィル
    タ装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ媒体は、イオン交換基を有
    する繊維、樹脂シート及びこれらに準ずる部材のいずれ
    かから成るイオン交換型であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルタ媒体は、粒状活性炭、粉末
    状活性炭、セラミック及びこれらに準ずる部材のいずれ
    かから成る物質吸着型であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
  9. 【請求項9】 前記フィルタ媒体は炭素繊維から成り、
    その密度がほぼ0.043g/cm3であり、前記気体
    の通過方向の総厚さが5cm以下であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
  10. 【請求項10】 所定の空間に気体を供給して、前記空
    間内の環境条件の制御を行う環境制御装置であって、 請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ装置と;
    前記フィルタ装置を介して前記空間に前記気体を供給す
    る気体供給用ファンを有し、前記気体の温度を所定範囲
    内に調整する温度調整装置と;を備える環境制御装置。
  11. 【請求項11】 前記温度調整装置は、前記気体供給用
    ファンによって供給される前記気体を冷却する冷却装置
    を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の環境
    制御装置。
  12. 【請求項12】 前記温度調整装置は、前記気体供給用
    ファンによって供給される前記気体を加熱する加熱装置
    を更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記
    載の環境制御装置。
  13. 【請求項13】 前記フィルタ装置を通過する前記気体
    の流量は、前記フィルタ媒体の単位断面積(1cm2
    当たり、1秒間に、50cm3以上であることを特徴と
    する請求項10〜12のいずれか一項に記載の環境制御
    装置。
  14. 【請求項14】 前記フィルタ媒体を通過する気体は、
    湿度30〜70%の範囲の任意の湿度、温度20〜30
    ℃の範囲の任意の温度に設定されていることを特徴とす
    る請求項10〜13のいずれか一項に記載の環境制御装
    置。
JP2001269892A 2000-09-08 2001-09-06 フィルタ装置及び環境制御装置 Pending JP2002153719A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001269892A JP2002153719A (ja) 2000-09-08 2001-09-06 フィルタ装置及び環境制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000274046 2000-09-08
JP2000-274046 2000-09-08
JP2001269892A JP2002153719A (ja) 2000-09-08 2001-09-06 フィルタ装置及び環境制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002153719A true JP2002153719A (ja) 2002-05-28

Family

ID=26599591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001269892A Pending JP2002153719A (ja) 2000-09-08 2001-09-06 フィルタ装置及び環境制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002153719A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004021418A1 (ja) * 2002-08-29 2004-03-11 Nikon Corporation 温度制御方法及び装置、並びに露光方法及び装置
JP2009291675A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Shimizu Corp ケミカルフィルタ及びクリーンルーム
JP4816080B2 (ja) * 2003-06-03 2011-11-16 株式会社ニコン フィルタ装置及び露光システム並びにデバイスの製造方法
JP2012030199A (ja) * 2010-08-03 2012-02-16 Japan Pionics Co Ltd 窒素酸化物を含むガスの処理方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10230117A (ja) * 1997-02-18 1998-09-02 Ebara Corp ケミカルフィルタ装置及びその制御方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10230117A (ja) * 1997-02-18 1998-09-02 Ebara Corp ケミカルフィルタ装置及びその制御方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004021418A1 (ja) * 2002-08-29 2004-03-11 Nikon Corporation 温度制御方法及び装置、並びに露光方法及び装置
JP4816080B2 (ja) * 2003-06-03 2011-11-16 株式会社ニコン フィルタ装置及び露光システム並びにデバイスの製造方法
JP2009291675A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Shimizu Corp ケミカルフィルタ及びクリーンルーム
JP2012030199A (ja) * 2010-08-03 2012-02-16 Japan Pionics Co Ltd 窒素酸化物を含むガスの処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6762820B2 (en) Exposure apparatus and device manufacturing method
US7416574B2 (en) Filter apparatus, exposure apparatus, and device-producing method
EP0897738B1 (en) Cleaning apparatus, filter and method of manufacturing the same
US20070119131A1 (en) Chemical filter arrangement for asemiconductor manufacturing apparatus
JP5574799B2 (ja) 露光装置、それを用いたデバイスの製造方法、並びに気体供給装置
US20070169628A1 (en) Gas purifier
JP4757884B2 (ja) 加湿装置、リソグラフィ装置、および加湿方法
JPH11204411A (ja) 塗布現像露光装置
US7145629B2 (en) Exposure technique
JPH09270385A (ja) 露光装置の環境制御装置
JP2002153719A (ja) フィルタ装置及び環境制御装置
JPH11219902A (ja) 露光装置及びデバイス製造装置
JP4166909B2 (ja) 高度清浄装置,局所清浄システム及びオゾン分解フィルタとその製造方法
JPH09275054A (ja) 半導体製造装置
WO2018088398A1 (ja) 空気調和装置
JP2005340513A (ja) フィルタ装置及び露光装置
WO2019181464A1 (ja) ガス供給装置及びその使用方法、並びに植物栽培システム
WO2002053267A1 (fr) Element de filtre de ventilateur, dispositif d'exposition et leur procede de fabrication
JPH10216466A (ja) 高度清浄空間
JP4883548B2 (ja) 空気浄化フィルタ及び高度清浄装置
JPH08327092A (ja) 空気調和方法および空気調和装置
TWI233148B (en) Method of making exposure device and equipment
JP2010067904A (ja) 露光装置
JPH04126513A (ja) クリーンルーム
JP3479791B2 (ja) 冷却装置および露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100917

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110216