JP2002151713A - 太陽電池素子基板及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池素子基板及びその製造方法

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JP2002151713A
JP2002151713A JP2001047609A JP2001047609A JP2002151713A JP 2002151713 A JP2002151713 A JP 2002151713A JP 2001047609 A JP2001047609 A JP 2001047609A JP 2001047609 A JP2001047609 A JP 2001047609A JP 2002151713 A JP2002151713 A JP 2002151713A
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cell element
powder
particles
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Nobuyuki Kitahara
暢之 北原
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Kyocera Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】多結晶シリコンの基板作製において、さらなる
低コスト化・少資源の有効利用を図りつつも、性能面で
の特性向上の要求事項を満足する太陽電池素子基板の製
造方法を提供する。 【解決手段】貫通孔を有する冶具に、この貫通孔の両端
より上パンチ9Aと下パンチ9Bを挿入するように成し
た焼成用具を用いて、上記貫通孔の内部にサンプル粉体
7を充填し、次いでパンチでもって粉体を加圧するとと
もに、その加圧軸方向にパルス電流を流して、貫通孔の
内部に放電プラズマを発生させる工程を経て、前記サン
プル粉体7より多結晶体として焼結する太陽電池素子基
板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池素子基板及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】次世代のエネルギーを賄うための一翼を
担う太陽電池は、性能面での効率、資源の有限性、環境
に対する負荷並びに製造のコストといった市場のニーズ
を鑑みた場合、いずれの課題に対しても解決策を備えた
ものであるのがよく、これによって市場のニーズにおい
て広く受け入れられる。
【0003】現在、研究開発されている太陽電池素子
は、多結晶シリコン、 アモルファス材料、 薄
膜の化合物半導体、 半導体粒子増感などに分類さ
れ、いずれの素子についても、製造コスト、変換効率、
資源、環境といった諸問題の解消が試みられている。
【0004】今日、総合的に見て、多結晶シリコン太陽
電池が製品化においてもっともバランスのとれた太陽電
池として注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多結晶
シリコン太陽電池素子に用いられる基板は、溶融炉によ
り溶解し、冷却結晶化させた後に切り出すという複雑な
工程を経ており、これにより、シリコン原料の利用率
(歩留まり)が低くなり、生産性の改善が望まれてい
る。
【0006】また、切り出しにおける物理的な基板厚み
の限界は約300μmであるが、これに対する特性上の
所要の厚みはせいぜい150μmであってもよく、これ
によって、余分な厚み部分があり、その結果、資源の有
効利用を図るという観点からも、さらに薄い厚みの基板
が得られればよいと言える。
【0007】さらに多結晶シリコンの結晶粒界が小数キ
ャリアの再結合中心として作用し、これによって太陽電
池素子の特性が低下するという点も問題である。
【0008】本発明者は、このような特性の低下の理由
について、多結晶の製造過程が溶融状態を介した、熱伝
導を伴った粘性流体からの粒成長によって合成され多結
晶化してきたことに起因すると考える。つまり、溶融状
態から熱伝導を伴う物質移動時に生成した複数の核をも
とに粒成長し多結晶化するという過程に起因すると考え
る。
【0009】即ち、生成した核をもとにした粒成長が溶
融状態である原料物質の移動と熱伝導により進み、十分
に粒成長した粒子間においては、形成される各結晶間の
境界(粒界)は、接合する2つの結晶粒子本来の持つ特
性を単に緩和してしまうような特異な境界として形成さ
れたことによる。そのため、このような粒界は太陽電池
素子のもっとも重要な少数キャリアの移動に関し、トラ
ップや再結合中心として働き、その寿命を著しく短くし
ている。したがって、多結晶基板には、できるだけ結晶
粒界を持たない程度の結晶粒子の大きさが求められてき
た。
【0010】一方、太陽電池素子には、高い変換効率が
求められ、そのためにテクスチャー構造などに代表され
る光閉じ込めや、BSF構造といったキャリア再結合の
防止という技術が開発されている。
【0011】さらに光吸収特性に優れた材料を用いて、
その積層構造にすることで特性を向上させることや、他
の素子構造と複合化することで光吸収をさらに向上させ
る技術も提案されている。
【0012】即ち、物理的な構造としては、入射光に対
する基板内部で多重反射を起させるためのテクスチャー
構造があり、これによって、実質的な光の入射量を増大
させるとともに、その通過距離を稼ぐことで、光の吸収
効率を向上させている。
【0013】一方、光学的な物性を用いるものとして、
入射光に対する反射防止膜や積層によるタンデム構造を
用いる技術も提示されており、実際に取り込むことので
きる光量を増大させたり、それぞれ吸収波長が異なる層
(たとえばSiC層/Si層/SiGe層)を順次積層
して、吸収可能な光の波長を広帯域化する技術である。
【0014】このように物理的もしくは光学的に光の吸
収効率を上げることで、セル全体の光吸収量を高めてき
た。
【0015】しかしながら、テクスチャー構造やタンデ
ム構造の双方とも、その作製段階では半導体プロセスが
必須であり、各工程が複雑になり、製造コストの増大が
懸念される。また、多結晶基板において、その積層構造
を形成することは、結晶成長の条件を設定することがむ
ずかしく、しかも、化学気相法による成長など半導体プ
ロセスを用いることで、同様に複雑な工程となってしま
うため製造コストが増大する。
【0016】別の技術として、柱状あるいは錘状の結晶
粒子からなる多結晶基板の間に化学気相成長による非晶
質材料を充填した構造の基板も開発されている(特公平
4−58193号及び特開平7−297428号参
照)。
【0017】即ち、非晶質の吸収係数の高さと、多結晶
材料の電気的特性であるキャリアの拡散距離長さが長い
ことの両方の特性を有効に利用するものとして提案され
ているが、しかし、この基板製造においても、気相成長
法による作製法を採用するという点において、従来の基
板作製方法と同様に高コスト化になっていた。
【0018】本発明は叙上に鑑みて完成されたものであ
り、その目的は、多結晶基板を従来とはまったく異なる
製造プロセスでもって作製することで、高い光吸収係数
を得ることによる高変換効率化、ならびに資源の有効利
用を伴った低コスト化を達成した太陽電池素子基板を提
供することにある。
【0019】また、本発明の他の目的は、かかる本発明
の太陽電池素子基板の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池素子基
板は、シリコン結晶粒子又はシリサイド結晶粒子の多結
晶焼結体から成るとともに、これら結晶粒子及び各結晶
粒子間の粒界にわたって微小な空孔を光散乱が生じるよ
う分散せしめたことを特徴とする。
【0021】また、本発明の太陽電池素子基板は、前記
結晶粒子の平均粒子径が0.1〜40μmであることを
特徴とする。
【0022】さらにまた、本発明の太陽電池素子基板
は、前記空孔の平均細孔径が2μm以下であることを特
徴とする。
【0023】本発明の太陽電池素子基板の製造方法は、
貫通孔を有する冶具に、この貫通孔の両端よりそれぞれ
パンチを挿入するように成した焼成用具を用いて、上記
貫通孔の内部にシリコン結晶粒子及び/又はシリサイド
結晶粒子を主成分とする粉体を充填し、次いでパンチで
もって粉体を加圧するとともに、その加圧軸方向にパル
ス電流を流して、貫通孔の内部に放電プラズマを発生さ
せる工程を経て、前記粉体より本発明に係る多結晶焼結
体として焼成せしめることを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明の太陽電池素子基板は、上記構成のよう
に、多結晶焼結体の結晶粒子及び各結晶粒子間の粒界に
わたって微小な空孔を光散乱が生じるよう分散せしめた
ことで、以下のように光の吸収を増大させている。
【0025】光は、そのスペクトルによって物質への吸
収効率が変わるとともに、その波長により物質の境界に
て屈折したり、波長程度の大きさの粒子あるいは空孔な
どによって散乱するが(これら粒子や空孔は、その機能
上散乱中心と呼ばれる)、本発明においては広範な波長
の分布をもつ太陽光に対し、その吸収効率を向上させる
べく、光を多重に散乱させ、これでもって光の透過経路
を稼ぎ、光吸収を増大させている。
【0026】即ち、本発明の太陽電池素子基板において
は、シリコン結晶粒子又はシリサイド結晶粒子の多結晶
焼結体から成るとともに、これら結晶粒子及び各結晶粒
子間の粒界に微小な空孔を光散乱が生じるよう分散さ
せ、これにより、光透過経路は、光散乱体としての空孔
によって複雑な散乱を受け、直線的に透過するスペクト
ルを変化減衰させるものである。そして、この結晶粒子
径による散乱や粒界内にある散乱中心としての気孔(空
孔)の大きさを、吸収対象とする光のスペクトルにあわ
せることで、結晶粒子や空孔により散乱を繰り返した光
は、その3次元の網目状構造に配置された結晶でもって
吸収され、電子―正孔対を発生し、太陽電池の発電部分
として効率的に光吸収・発電の機能するものである。
【0027】本発明によれば、この目的を達成するため
の最適な条件として、結晶粒子の平均粒子径が0.1〜
40μmにしたり、さらには空孔の平均細孔径が2μm
以下にするとよいことを見出している。
【0028】また、本発明の製造方法は、上記構成のよ
うに、貫通孔を有する冶具に、この貫通孔の両端よりそ
れぞれパンチを挿入するように成した焼成用具を用い
て、上記貫通孔の内部にシリコン結晶粒子及び/又はシ
リサイド結晶粒子を主成分とする粉体を充填し、次いで
パンチでもって粉体を加圧するとともに、その加圧軸方
向にパルス電流を流して、貫通孔の内部に放電プラズマ
を発生させる工程を経ることで、粉体より多結晶体とし
て焼結され、本発明の太陽電池素子基板が得られる。
【0029】このような工程であれば、従来のように複
雑な工程を経なくてもよく、工程数が従来に比べ少なく
なり、さらに基板の厚みを小さくすることができ、基板
の切出しの際に生じる切しろを必要とせず、その結果、
製造コストが下がる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図により詳細に説
明する。図1は本発明の製造方法に用いる放電プラズマ
焼結装置の概要構造を示す。図2は前記焼成用具として
の焼成用焼成型の分解斜視図であって、図3は焼成用焼
成型への試料充填の状態を示す。また、図4は放電プラ
ズマ焼結における電流の流れを示す模式図である。
【0031】(放電プラズマ焼結装置の概要構造)図1
に示す放電プラズマ焼結装置を説明するに、1は焼成型
であり、この焼成型1は加圧シリンダー2及び加圧シリ
ンダー3により挟み込まれてセットされている。そし
て、加圧シリンダー2には上側に配した電極が、加圧シ
リンダー3には下側に配した電極が、それぞれの内部に
設けられている。
【0032】加圧シリンダー2及び加圧シリンダー3に
は加圧機構が設けられ、その加圧機構でもって加圧シリ
ンダー2及び加圧シリンダー3の双方に対し、所要とお
りの加圧が与えられる。さらに各加圧シリンダー2、3
に設けた電極に対し、電流を流すための焼結電源が配設
されている。そして、これら加圧機構及び焼結電源をコ
ントロールするための制御装置も設けている。
【0033】これら焼成型1、加圧シリンダー2及び加
圧シリンダー3は真空チャンバー4内に設けられ、これ
によって密閉された構造になっている。真空チャンバー
4の壁には測温用窓5が設けられ、この測温用窓5の外
側に温度測定用の放射温度計6が配置され、そして、焼
成型1の温度が測温用窓5を通して放射温度計6でもっ
て検知され、その温度がモニターされている。真空チャ
ンバー4はガス雰囲気での焼成を行うことができるもの
である。
【0034】この焼成型1を真空チャンバー4内に設置
し、雰囲気調整のもと加圧シリンダー2及び加圧シリン
ダー3による加圧下でもって通電をおこない、焼結させ
る構造である。
【0035】このような焼成型1はホットプレスなどに
用いられるものと同等の型でもよく、それらを構成する
材質も、SiCやカーボンなどの材料でよく、特にカー
ボン製であれば、加工コストや消耗寿命などの点で好適
である。
【0036】次に焼結対象とする少なくともシリコン結
晶粒子あるいはシリサイド結晶粒子を主成分とする粉体
の充填について解説する。以下、かかる粉体をサンプル
粉体と称す。
【0037】(焼成型1の加圧構造)上記焼成型1の加
圧構成を図2と図3により説明する。図2にて焼成型1
の概略を示し、さらに図3によりサンプル粉体を充填し
た状態の焼成型1を示す。
【0038】焼成型1は前記貫通孔を有する冶具として
の型リング8と、その型リング8の中空に挿入される上
パンチ9Aと下パンチ9Bとから成る。上パンチ9Aは
加圧シリンダー2でもって下方に加圧し、下パンチ9B
は加圧シリンダー3でもって上方に加圧する。これらの
図において、焼成型1での加圧方向をZ軸とし、このZ
軸と垂直な方向の面をX−Y面でもって示す。
【0039】そして、焼成型1の中に充填されたサンプ
ル粉体7は型リング8のなかで上パンチ9Aと下パンチ
9Bの間に充填される。
【0040】サンプル粉体7と上パンチ9Aとの間、サ
ンプル粉体7と下パンチ9Bとの間には、スペーサーと
してグラファイトシート10が挿入されている。これに
よって、焼成時の加圧・パルス通電の均質化がはから
れ、さらにサンプル粉体7と上パンチ9Aとが、もしく
はサンプル粉体7と下パンチ9Bとが直接接触しなくな
り、反応を起きなくなり、これによって離型性が保持さ
れる。
【0041】このようなグラファイトシート10には、
たとえばユニオンカーバイド社製グラファイトシート
(GRAFOIL)がある。
【0042】なお、かかるグラファイトシート10の厚
さについては特に限定されるものではないが、厚すぎる
とサンプル粉体との接触面が荒れるなどを考慮し適宜選
択するとよい。
【0043】サンプル粉体7には、少なくともシリコン
結晶粒子及び/又はシリサイド結晶粒子を用いることが
できるものである。たとえば、Si、SiGe、SiF
e2などを成分としたものであって、半導体材料として
用いられるグレードが好適である。
【0044】(焼成型1の通電構造)次に焼成型1に対
する通電構造を図4に示す。
【0045】充填した焼成型1に対し、さらにその上に
電流供給上パンチ11A〜Cを配し、その下に電流供給
下パンチ12A〜Cを配している。
【0046】焼成型1において、放電プラズマを発生さ
せ、そして、焼結をおこなうという工程で使用するパル
ス通電は、電流の流れる方向が成形加圧され焼成される
サンプル粉体7への加圧軸方向、即ち図中Z軸方向の上
下パンチの方向に重畳する。
【0047】また、この通電構造においては、太陽電池
素子の受光面が加圧軸方向(Z軸)に対し垂直となるよ
うに成形するとよい。
【0048】サンプル粉体への電流供給は図4に示す電
流供給上パンチ11A〜Cと電流供給下パンチ12A〜
Cのように、成形サンプルに通電するパンチの大きさに
比して段階的に接触断面積を変化させるとよく、これに
よって、より効率的で均一な電流の重畳ができるという
点でよい。
【0049】即ち、電流の流れ方向に垂直な断面内での
不均一な電流の流れを避けるために、電流の入力側パン
チ11A、B、Cの順に、電流の出力側ではその逆の順
に出力側パンチ12A、B、Cの順に電流を流していく
ことで、電流密度が疎から密に、密から疎に徐々に変化
させるのがよい。これによって、加圧の上下パンチ内に
おける電流の集中による電流密度の偏りが解消でき、サ
ンプル粉体7へ流す電流密度の不均一を解消することが
できる。
【0050】このような通電用のパンチの材質は耐熱
性、導電性及び強度の点から、焼成型1の部材と同じ材
質を用いることが望ましい。
【0051】(放電プラズマ焼結装置による焼成方法)
最初に、サンプル粉体7を図3に示したように焼成型1
に充填したのち、大気雰囲気中で上パンチ9Aと下パン
チ9Bとを10MPaの加圧にてプレスを行い、充填し
たサンプル粉体7の流動を止めた。このプレスはサンプ
ル粉体7を構成している粒子の性状によって適宜使い分
ける必要があり、粒子が大きい状態で加圧しすぎると、
グラファイトシート10を突き破って上パンチ9Aや下
パンチ9B、リング型8に傷をつけてしまうので、焼成
前の段階では粒子の動きを止める役割を担うのみを目的
として行っている。
【0052】次に焼成型1を真空チャンバー4内にセッ
トした状態で真空引きによるサンプル粉体からの脱気を
行ない、これにより、均一に原料粉体を充填する。
【0053】この脱気は真空度10-2Torrまで真空
引きをし、その状態で上パンチ9Aと下パンチ9Bに対
し、所定の圧力にまで上げ、そして、一旦止め、その後
に下げるというプロセスを繰り返しながら、徐々に所定
の圧力まで段階的に加圧した。この加圧力は装置の性能
による制限に加え、型の耐圧により制限を考慮して50
0MPa以下がよい。
【0054】さらにサンプル粉体7の粒子間の接触を十
分にとり、パルス電流によるプラズマ発生の効果が著し
く損なわれれないためには10MPaでの加圧は最低限
必要である。
【0055】そして、加圧は低すぎると粒子間の接触が
確保できず十分に接合が進まなくなり、逆に高すぎると
カーボン自体の耐圧や型に傷がついてしまうことを考慮
して焼成対象とするサンプル粉体ごとに圧力を選択する
ことが望ましい。
【0056】なお、焼成を行う雰囲気については、均一
に原料粉体を充填する観点でもって真空雰囲気で行った
が、サンプル粒体7を構成するシリコン結晶粒子やシリ
サイド結晶粒子の酸化を防ぎ、十分なプラズマを発生さ
せるという点では、還元雰囲気や不活性雰囲気にて焼成
してもよい。このような還元雰囲気や不活性雰囲気での
焼成によれば、同一温度で焼結させる場合において、真
空雰囲気と比べて、焼結電流が小さくても十分な温度上
昇ができる。
【0057】かかる減圧の後に、上パンチ9Aと下パン
チ9Bとの間に流れる電流を2000A/cm2以下に
して、パルス電流の通電をおこない、これによって放電
プラズマ焼結をおこなった。
【0058】この電流値も材料によって適宜選択する
が、その判断の基準は粒子の溶解を起さない条件にて焼
結を制御することで決定する。たとえば、2000A/
cm2を超える電流密度は、サンプル粉体7自体が急激
な加熱により溶融が進行し、その制御が困難となる場合
がある。
【0059】また、パルス状の通電を行うことでプラズ
マ状態を作り出すものであり、パルスの条件は一般的な
放電プラズマ焼結装置の設定条件である通電時間と非通
電時間との比率を、たとえばON:12、OFF:2の
条件にて行うとよい。
【0060】本発明の製法によれば、焼結はパルス電流
の流れる方向にそって、粒子間にプラズマを発生させな
がら進むものであり、そのために太陽電池素子として用
いる場合には、発生したキャリアの流れる方向での伝搬
がすみやかに行われるように、太陽電池素子基板におけ
る受光面と垂直な方向に加圧し通電させるとよい。
【0061】このような工程において使用するサンプル
粉体7を構成する粒子の粒子径については、焼成後の基
板の厚みを左右するものであるということ、粒子同士の
接触面積を大きくすることから選択するものであるが、
さらには粒子の強度と形状、サイズという点と、吸収す
る光に対する散乱中心として作用する効果を考慮して最
適なサンプル粉体の粒子径を選択するのがよい。
【0062】かくして本発明の太陽電池素子基板の製造
方法によれば、上述した放電プラズマ焼結装置による焼
成を行うことで、即ち、シリコン結晶粒子及び/又はシ
リサイド結晶粒子を主成分とするサンプル粉体7を焼成
型1内に充填し、次いで上パンチ9Aと下パンチ9Bで
もってサンプル粉体7を加圧するとともに、その加圧軸
方向にパルス電流を流して、焼成型1の内部に放電プラ
ズマを発生させる工程を経ることで、サンプル粉体7よ
り多結晶体として焼結する。このような工程であれば、
工程数が従来に比べ少なくなり、さらに基板の切出しの
際に生じる切しろを必要としないため、その結果、製造
コストを下げられる。
【0063】また、かかる製法により得られた焼結体
は、従来の多結晶シリコン基板に比べ、その微細な結晶
状態や粒界は異なっている。
【0064】即ち、粒子表面に残留している酸素などの
不純物や吸着ガス、ひいては結晶粒子内の不純物といっ
たものが、プラズマの衝撃により除去されるとともに、
シリコンなどの原子に比べ活発に動く高温の電子や正孔
によって焼結が進行し、これによって粒界での阻害要
因、即ち太陽電池素子基板の特性を左右する少数キャリ
アに対しトラップや再結合中心といった特異な状態とな
ってキャリアの移動を阻害することがなくなり、光の吸
収に伴い発生するキャリアの伝導性が増大することで発
電効率が向上する。
【0065】本発明によれば、パルス電流の流れ方向、
即ち、キャリアの良導電を示す方向と太陽電池によって
生成されるキャリアの流れ方向を平行にすることで、良
好な多結晶太陽電池素子が作成できる。
【0066】また、本発明によれば、パルス電流の密度
を疎から密へと徐々に上げていきながら重畳したこと
で、サンプル粉体への不均一な電流の流れを抑止するこ
とができる。
【0067】そして、このような太陽電池素子基板の製
造方法により得られた多結晶体については、シリコン結
晶粒子又はシリサイド結晶粒子の多結晶焼結体から成る
が、これら結晶粒子及び各結晶粒子間の粒界に微小な空
孔を光散乱が生じるよう分散させた点が特徴である。
【0068】以下、この点を詳しく述べる。シリコン結
晶粒子又はシリサイド結晶粒子の多結晶焼結体から成る
とともに、これら結晶粒子及び各結晶粒子間に微小な空
孔を光散乱が生じるよう分散させ、これにより、光透過
経路は、光散乱体としての空孔によって複雑な散乱を受
け、直線的に透過するスペクトルも変化し、さらに内部
で散乱を繰り返した光を、基板を構成する結晶粒子並び
にこれら結晶粒子による3次元の網目状構造をとる活性
層が光吸収し、電子―正孔対を発生する太陽電池の発電
部分となり、もっとも効率的に吸収される。
【0069】その上、この結晶粒子径による散乱や粒子
間にある散乱中心としての気孔(空孔)の大きさを、目
的とする吸収光にあわせることで、基板に対する光の透
過をコントロールすることもできる。即ち、焼結基板の
内部は必ずしも均一な粒子径や細孔径の分布である必要
はなく、吸収する光のスペクトルに応じて基板内での粒
径あるいは細孔径の傾斜分布や、複数分布の複合化をす
ることによっても効果がある。
【0070】このような光散乱性の空孔の分散状態は、
焼結条件、たとえば、焼結時間や焼成温度、焼結雰囲気
並びに焼結粒子のサイズや分布、分散や混合比などによ
って決められるものである。
【0071】また、本発明によれば、結晶粒子は球状、
円錐状、涙状、粉砕形状、楕円状等があるが、その平均
粒子径が0.1〜40μm、好適には0.2〜20μm
にするとよく、その粒子径が0.1μm未満になると、
粒子自体が散乱中心として機能することや、ハンドリン
グがむずかしくなる場合があるという点で望ましくな
い。一方、40μmを超えると、基板焼結体としての空
隙の割合が大きくなりすぎて多孔体となり、これによっ
て基板形状として緻密化がむずかしくなり、また、その
ような大きさの空隙は散乱中心としての機能は小さくな
り、もしくは無くなるという点で望ましくない。
【0072】さらにまた、本発明においては、空孔の平
均細孔径が2μm以下、好適には1.5μm以下にする
とよく、その粒子径が2μmを超えると、太陽光スペク
トルのうち実質利用可能な波長より大きくなり、散乱中
心としての機能が小さくなったり、もしくはその必要が
なくなるというという点で望ましくない。
【0073】本発明においては、結晶粒子の平均粒子径
と空孔の平均細孔径を、次のようにして測定し、上述の
ように好適な範囲を規定した。
【0074】結晶粒子の平均粒子径については、レーザ
ー回折式の粒度分布測定器を用いて、被測定用の粒子約
0.5グラムを、ヘキサメタリ酸ナトリウムを含む溶媒
(水)100cc中に分散し懸濁させ、これによって粒
度分布を測定した。
【0075】空孔の平均細孔径については、被測定用の
焼結体を水銀中に入れ、加圧により、その焼結体に入っ
た水銀量を測定し、その体積と圧力(細孔径に比例する
が)から算出することで求めるという水銀圧入法を採用
している。
【0076】
【実施例】(例1)300μm以下の粒子径をもつ純度
6Nのn−Si結晶粒子5gをサンプル粉体7として用
いて、上述にしたがって放電プラズマ焼結により焼結し
た。
【0077】焼成型1は内径20mmφ(上下パンチ2
0mmφ)の構成であって、折り曲げ強度60MPa以
上の強度を有するカーボン型である。そして、焼成は全
加圧98MPaにて、焼成保持時の全電流1500Aに
て行った。このときの焼成温度は1200℃であった。
【0078】焼結時制御のための温度測定はカーボン型
を放射温度計にて測定した。チャンバーの覗き窓を通じ
てカーボン型の表面にフォーカスし、放射率をグラファ
イトの放射率を1.00に合わせ測温した。
【0079】焼成による加熱は次のタイムチャートにし
たがって行った。昇温は設定温度まで室温から5分で上
昇させ、保持を5分、保持を終えてからはパルス通電を
停止し、同時に焼成プログラムを終了し、同時に加圧力
を開放し炉冷により降温した。本発明者は、いまだ詳細
は不明であるが、加圧を焼成直後に解除することによ
り、焼成後のサンプルの型から取出しが容易になること
を見出した。十分に型が冷却したことを確認し、チャン
バー内を大気圧開放した。焼成型を取出してから型より
サンプルを取出した。
【0080】焼結終了したサンプル(試料)からは、上
下パンチによる加圧方向、即ち焼結の際に流れるパルス
電流の流れの方向に垂直な方向(X−Y面)に供試体を
切出して電極を形成した。
【0081】焼結後の試料の特性評価は次のように供試
体を作製し行った。まず、サンプルにはグラファイトシ
ートが付着しているため、サンドブラストによるグラフ
ァイト除去を行った。このときサンプルが破損しないよ
う耐磨耗性のセラミックスからなる板にホールドしてい
る。サンプル両面からグラファイトを除去した後、表面
をz軸方向に研磨した。5mm×5mm×0.3mmの
厚みにサンプルを加工した後、酸によるエッチングと純
水による洗浄を行い、清浄表面を出した。表面に200
0Åの厚さにAuを真空蒸着した後、真空中にて450
℃のアニール処理を行い、オーミックな電極を形成し
た。
【0082】このようにして電極を形成した厚み0.3
mmの供試体(試料)に対し、ホール測定によりキャリ
アの移動度とキャリア濃度の測定を行った。さらにレー
ザー照射による少数キャリアのライフタイムの測定によ
り評価を行ったところ、表1に示すような結果が得られ
た。
【0083】表1に試料No.1の電子移動度と濃度及
びキャリアライフの測定結果を示す。さらに試料No.
2〜4を下記のとおりに作製し、同様に電子移動度と濃
度及びキャリアライフの測定を行ったところ、表1に示
すような結果が得られた。
【0084】本発明の試料No.1とまったく同じに焼
成したサンプルから、カーボン型の上下パンチによる加
圧方向に平行な面(Z軸平行面)を切出し、試料No.
2とした。
【0085】また、試料No.1の作製にて用いたのと
同じサンプル粒子及びカーボン型にて、ホットプレスに
よる焼成を行った。このときの雰囲気、圧力、焼成温
度、保持時間は本実施例に同じ条件にて焼成した。そし
て、評価サンプルも実施例1と同様にして作製した。
【0086】このように作製して同様に電極形成した厚
み0.3mmの供試体(試料)については、加圧面に平
行な面(X−Y面)の切出したものを試料No.3と
し、加圧面に垂直な面(Z軸平行面)での切出したもの
を試料No.4とした。
【0087】
【表1】
【0088】表1に示したように、いずれも濃度には大
きな差が見られないが、本発明の試料No.1について
は、電子移動度に優れ、ライフタイムももっとも優れて
いることがわかる。
【0089】(例2)電流供給の上下のパンチ各A、
B、Cを成形型のパンチの面積に対し、次の比率にて組
み合わせた以外は(例1)の試料No1と同様にして焼
結試験を行った。電流供給上下パンチの成形型パンチ面
積に対する比について、それぞれA:B:C=4:6:
12にしたところ焼結体外観は、全体が均一に焼結し、
きわめて優れた焼結状態が得られた。
【0090】これに対しA:B:C=1:1:2にした
ところ、一部は溶け出し不均一となり、全体が焼結しな
かった。このように電流密度の急激な集中は、電流経路
の制御が難しく、焼成したサンプル粒子の一部のみが溶
解する不均一な焼成となる場合があり、均一な焼結品が
安定的に得られなかった。
【0091】(例3)本例では、(例1)にしたがって
作製した太陽電池素子基板(焼結体)の吸収係数を測定
した。
【0092】25μmの平均粒子径をもつ純度6Nのシ
リコン結晶粒子(サンプル粉体)を用いて、350μm
厚みのグラファイトシートで、サンプル粉体を挟みこん
で20mmφの内径の焼成型1に充填し、そして、焼結
電流1500A、全圧力98MPa、焼結温度1200
℃にて焼結を行なった。このとき、電流を流すためのパ
ンチ面積の比率は(例2)に示したA:B:C=4:
6:12の比率を採用した。(以下の実施例について
も、パンチ面積の比率にはいずれも同じこの比率を採用
した。)その後、冷却し、大気雰囲気へ戻し、焼成型よ
り取出した焼結体はグラファイトシートと強固に結合し
ていた。
【0093】この焼結体の厚みは150μmであった。
そして、グラファイトを除去しながら研磨した。この研
磨によれば、一方の面を研磨し、バフ仕上げにより鏡面
出しを行なった後、ガラス基板にこの鏡面側を貼りつ
け、もう一方の面を目的とする厚みまで研磨した後、最
終バフ仕上げまで行ない鏡面に仕上げた。
【0094】この基板を、剥離洗浄し透過率測定のサン
プルとした。透過率の測定は、波長430nm、760
nm、1100nm(それぞれのフォトンエネルギは
2.88eV、1.63eV、1.13eV)の各波長
にて積分球を用いて測定を行なった。透過率の結果を用
い、厚みに対する透過率の依存性からランバート・ベー
ルの法則に従い吸収係数を計算によって求めたところ、
表2に示すような結果が得られた。
【0095】また、比較例1〜2も作製し、同様に透過
率を測定し、その結果を表2に示す。比較例1 :単結晶シリコン基板を、本例と同様に同じ厚
みに同じ鏡面に加工し比較サンプルとして透過率の測定
を行なった。比較例2 :本例にて作製した吸収係数測定用の焼結体を
過酸化水素:フッ化アンモニウムの混酸によりエッチン
グを行ない、非晶質層の除去を行なった。純水による洗
浄を行ない乾燥の後、同様に吸収係数の測定を行った。
【0096】
【表2】
【0097】この表から明らかなとおり、比較例1で示
したように同じ厚みで研磨した基板と比べ、本発明の基
板によれば、広範な波長域において透過率の低下、即ち
吸収係数の増大が確認できた。
【0098】また、比較例2に示したように、非晶質部
分を取り除いた場合でもで、単結晶単独での場合に比
べ、短波長側での吸収係数が増大し、高フォトンエネル
ギー(短波長側)において、散乱中心として粒子と空孔
が作用し、これによって光の吸収度合が大きくなってい
る。
【0099】かくして本例によれば、散乱と吸収の各効
果の相乗でもって効率的に光吸収されるようになった。
【0100】(例3)(例2)にて得られた本発明の基
板について、断面SEM写真の撮影を行ったところ、図
5と図6に示すような結果が得られた。これら各図にお
いて、焼結時において上下方向にわたって電流を流して
得られたものである。
【0101】図5は焼結体の断面写真を示し、図6は粒
子間の部分の拡大写真を示す。ラマン散乱により、構成
部位を解析した結果、13の部位は結晶粒子であり、1
4の部位は界面であり、また、15の部位によれば、粒
子間には粒子間生成物である非晶質体および微結晶粒子
が形成されていた。
【0102】かくして、各結晶粒子間の粒界以外の部分
は、放電プラズマによる反応により生じた特異な構成で
あって、粒子間はその間に生成した微結晶及び/又は非
晶質相と空隙(空孔)とから成っていると考える。
【0103】ちなみに、本発明において、粒界とは結晶
粒子の接合をなしている境界のことを意味しており、粒
子と粒子の間に原子レベルの結合が形成されています。
そして、粒子間にある粒界以外の部分は微結晶/非晶質
/空隙からなっています。
【0104】(例4)本例では、結晶粒子の平均粒子径
(以下、粒子径と称する)と光吸収係数との関係を測定
したところ、下記のような結果が得られた。各試料はい
ずれも空孔の平均細孔径は1μmであった。
【0105】本例においても、結晶粒径を幾とおりに変
えた各種基板を、それぞれ樹脂などに埋め込み、そし
て、その状態でもって研磨により両表面を出しながら薄
く加工し、その後、測定を行なう面に対して分光光度計
により一定波長の光を用いて、光透過率の測定を行っ
た。その結果から基板厚みに対するランバートベールの
法則に基づく式でもって計算を行ない吸収係数を決定し
た。
【0106】なお、粒子径が0.1μm未満の場合に
は、その小さな粒により活性が高くなり、粉砕後、充填
して焼結することができなかった。
【0107】試料No.1粒子径0.1μmに設定し
た。そして、450nm、750nm、1050nm及
び1350nmの各波長において、それぞれ光吸収係数
を、シリコン単結晶と対比して、その比率でもってあら
わした。即ち、この光吸収率比は各試料の光吸収率/単
結晶の光吸収率であり、各波長での光吸収係数を、シリ
コンの重量当たり吸収率で、単結晶と比較した。 (450nm)・・・ 1.10 (750nm)・・・ 1.07 (1050nm)・・ 1.03 (1350nm)・・ 1.02 次に、粒子径を1.0μm〜42μmに変えた各試料を
作製し、同様に各波長における光吸収係数比を測定した
ところ、下記のような結果が得られた。
【0108】試料No.2(粒子径1.0μm) (450nm)・・・ 1.07 (750nm)・・・ 1.06 (1050nm)・・ 1.05 (1350nm)・・ 1.05試料No.3 (粒子径5.0μm) (450nm)・・・ 1.05 (750nm)・・・ 1.04 (1050nm)・・ 1.04 (1350nm)・・ 1.04試料No.4 (粒子径10μm) (450nm)・・・ 1.03 (750nm)・・・ 1.03 (1050nm)・・ 1.03 (1350nm)・・ 1.03試料No.5 (粒子径20μm) (450nm)・・・ 1.02 (750nm)・・・ 1.02 (1050nm)・・ 1.01 (1350nm)・・ 1.01試料No.6 (粒子径40μm) (450nm)・・・ 1.01 (750nm)・・・ 1.01 (1050nm)・・ 1.00 (1350nm)・・ 1.00試料No.7 (粒子径42μm) (450nm)・・・ 1.00 (750nm)・・・ 1.00 (1050nm)・・ 1.00 (1350nm)・・ 1.00 これらの結果から明かなとおり、粒子径を0.1〜40
μmにしたことで、光の吸収効率が向上したことがわか
る。
【0109】(例5)本例では、空孔の平均細孔径と光
吸収係数との関係を測定したところ、下記のような結果
が得られた。各試料はいずれも粒子径が10μmであっ
た。
【0110】本例においても、空孔の平均細孔径を幾と
おりに変えた各種基板を、それぞれ樹脂などに埋め込
み、そして、その状態でもって研磨により両表面を出し
ながら薄く加工し、その後、測定を行なう面に対して分
光光度計により一定波長の光を用いて、光透過率の測定
を行った。その結果から厚みに対してランバートベール
の法則に基づく式でもって計算を行ない吸収係数を決定
した。
【0111】試料No.1 空孔の平均細孔径を0.1μmに設定した。そして、4
50nm、750nm、1050nm及び1350nm
の各波長において、それぞれ光吸収係数を、シリコン単
結晶と対比して、その比率でもってあらわした。即ち、
この光吸収率比は各試料の光吸収率/単結晶の光吸収率
であり、各波長での光吸収係数を、シリコンの重量当た
り吸収率で、単結晶と比較した。 (450nm)・・・ 1.10 (750nm)・・・ 1.07 (1050nm)・・ 1.03 (1350nm)・・ 1.02 続けて、空孔の平均細孔径を0.2μm〜2.2μmに
変えた各試料を作製し、同様に各波長における光吸収係
数比を測定したところ、下記のような結果が得られた。
【0112】試料No.2(空孔の平均細孔径0.2μ
m) (450nm)・・・ 1.07 (750nm)・・・ 1.06 (1050nm)・・ 1.05 (1350nm)・・ 1.05試料No.3 (空孔の平均細孔径0.5μm) (450nm)・・・ 1.05 (750nm)・・・ 1.04 (1050nm)・・ 1.04 (1350nm)・・ 1.04試料No.4 (空孔の平均細孔径1.0μm) (450nm)・・・ 1.03 (750nm)・・・ 1.03 (1050nm)・・ 1.03 (1350nm)・・ 1.03試料No.5 (空孔の平均細孔径2.0μm) (450nm)・・・ 1.01 (750nm)・・・ 1.01 (1050nm)・・ 1.00 (1350nm)・・ 1.00試料No.6 (空孔の平均細孔径2.2μm) (450nm)・・・ 1.00 (750nm)・・・ 1.00 (1050nm)・・ 1.00 (1350nm)・・ 1.00 これらの結果から明かなとおり、空孔の平均細孔径2.
0μm以下にしたことで、光の吸収効率が向上したこと
がわかる。
【0113】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の太陽電池素子基
板の製造方法によれば、貫通孔を有する冶具に、この貫
通孔の両端よりそれぞれパンチを挿入するように成した
焼成用具を用いて、貫通孔の内部にシリコン結晶粒子及
び/又はシリサイド結晶粒子を主成分とする粉体を充填
し、次いでパンチでもって粉体を加圧するとともに、そ
の加圧軸方向にパルス電流を流し、貫通孔の内部に放電
プラズマを発生させる工程を経ることで、前記粉体より
多結晶体として焼結せしめたことで、粒界の特性改善が
図ることができた。
【0114】即ち、パルス電流の流れ方向を、キャリア
の流れ方向に一致させながら焼結すれば、その方向での
キャリアライフの延長を図ることができ、太陽電池の受
光面をパルス電流の流れに対し垂直な方向に合わせ作製
することで、キャリア移動が速やかになり、これによ
り、電池性能が向上し、太陽電池の基板として特性が顕
著に向上した。
【0115】また、本発明においては、原料として供給
する粉体の結晶粒子のままで成形し、同時に焼結するプ
ロセスを経ることで、焼結は数分程度の短時間にて完了
し、その製造時間の短縮化にともなって製造コストを下
げることができた。
【0116】しかも、太陽電池素子の基板の厚みを15
0μm程度にまで薄膜化できたことで、原料シリコンを
無駄に使用することもなく、その点でも製造コストを下
げることができた。
【0117】また、本発明の太陽電池素子基板によれ
ば、プラズマ放電焼結により粒子を焼結させることで、
粒子間の空隙を焼結により生成した微結晶及び/又は非
晶質相と微小な空隙(空孔)とから形成することで、光
散乱構造を取り入れ、光吸収が向上し、変換効率を高め
ることができた。
【0118】そして、本発明によれば、かかる高効率の
光変換を達成するためには、結晶粒子の平均粒子径が
0.1〜40μmにしたり、さらには空孔の平均細孔径
を2μm以下にするとよく、これによって、もっとも効
率的に光吸収することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法にて用いた放電プラズマ焼結装置
の概要図である。
【図2】本発明の製法に係る焼成用焼成型の概略図であ
る。
【図3】本発明の製法に係る焼成型への試料充填と加圧
軸方向を説明する図である。
【図4】本発明に係る放電プラズマ焼結における電流の
流れを示す模式図である。
【図5】本発明の焼結基板の断面SEM写真図である。
【図6】本発明の焼結基板の断面SEM写真図である。
【符号の説明】
1・・・焼成型 2・・・加圧シリンダー 3・・・加圧シリンダー 4・・・真空チャンバー 5・・・測温用窓 6・・・放射温度計 7・・・サンプル粉体 8・・・型リング 9A・・・上パンチ 9B・・・下パンチ 10・・・グラファイトシート 11A〜11C・・・電流供給上パンチ 12A〜12C・・・電流供給下パンチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン結晶粒子又はシリサイド結晶粒子
    の多結晶焼結体から成るとともに、これら結晶粒子及び
    各結晶粒子間の粒界にわたって微小な空孔を光散乱が生
    じるよう分散せしめたことを特徴とする太陽電池素子基
    板。
  2. 【請求項2】前記結晶粒子の平均粒子径が0.1〜40
    μmであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池
    素子基板。
  3. 【請求項3】前記空孔の平均細孔径が2μm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電
    池素子基板。
  4. 【請求項4】貫通孔を有する冶具に、この貫通孔の両端
    よりそれぞれパンチを挿入するように成した焼成用具を
    用いて、上記貫通孔の内部にシリコン結晶粒子及び/又
    はシリサイド結晶粒子を主成分とする粉体を充填し、次
    いでパンチでもって粉体を加圧するとともに、その加圧
    軸方向にパルス電流を流して、貫通孔の内部に放電プラ
    ズマを発生させる工程を経て、前記粉体より請求項1の
    多結晶焼結体に焼成せしめることを特徴とする太陽電池
    素子基板の製造方法。
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