JP2002151502A - 酸化膜形成方法及び装置並びに基体生産物 - Google Patents

酸化膜形成方法及び装置並びに基体生産物

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JP2002151502A JP2000332966A JP2000332966A JP2002151502A JP 2002151502 A JP2002151502 A JP 2002151502A JP 2000332966 A JP2000332966 A JP 2000332966A JP 2000332966 A JP2000332966 A JP 2000332966A JP 2002151502 A JP2002151502 A JP 2002151502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属酸化物から成る高誘電体膜と基体との界
面の特性劣化を十分に抑制できると共に、高誘電体膜と
して所望の組成比を確実に且つ簡易に得ることが可能な
酸化膜形成方法及び装置を提供する。 【解決手段】 本発明による酸化膜形成方法では、ま
ず、Si基層111を有するSiウェハWa上にPVD
法によりAl、Zr等の金属層112を形成する。次
に、金属層112上に水素ガス及び酸素ガスを未反応状
態で供給しながらSiウェハWbを加熱する。両ガス
は、SiウェハWb上で燃焼して水蒸気等の酸化性を有
する化学種が生じる(ISSG)。この化学種により金
属層112が酸化され、金属酸化膜113が形成され
る。更に酸化を継続すれば、Si基層111と金属酸化
膜113との界面部が酸化され極薄のSiO2膜111
aも形成され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化膜形成方法及
び装置並びに基体生産物に関し、詳しくは、基体上に金
属酸化膜を形成する方法及び装置、並びに、基体上に金
属酸化物が形成されて成る基体生産物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置等に用いる金属酸化物
系の高誘電体膜の形成方法としては、反応性スパッター
法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等による
方法が挙げられる。この反応性スパッター法において
は、半導体基板等の基体の周囲を酸化性雰囲気とし、そ
の基体上に金属のイオン等をスパッターすることにより
金属酸化物を堆積させて薄膜を形成する。一方、CVD
法においては、例えば、有機系金属の液体材料から発生
させたガスを原料ガスとして基体上に供給し、その活性
種を基体上で反応させ、更に酸化することにより金属酸
化物を堆積させて薄膜を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の反応性
スパッター法では、基体の表層部(Siウェハであれば
Si基層)をも不都合な程度に酸化してしまう傾向にあ
り、金属酸化物から成る高誘電体膜と基体との界面の特
性劣化や誘電率の低下を招くおそれがあった。また、従
来のCVD法では、原料の純度や成膜条件が膜質に与え
る影響が大きく、精製原料の準備、その貯蔵管理(原料
純度の保持)、成膜条件の微妙な合わせ込み等が必要で
あり、処理操作や工程管理上、手間が掛かる傾向にあっ
た。
【0004】しかも、CVD法では、高誘電体膜として
所望の化学量論的な組成比を得るために、成膜後に更に
酸化処理を施したり、或いは、膜中の不純物を膜外へ除
去するといった処理を必要とすることが多い。その結
果、工程が煩雑となり、処理効率が低下してしまうとい
う不都合があった。
【0005】そこで、本発明はこのような事情に鑑みて
なされたものであり、金属酸化物から成る高誘電体膜と
基体との界面の特性劣化を十分に抑制できると共に、高
誘電体膜として所望の組成比を確実に且つ簡易に得るこ
とができる酸化膜形成方法及び装置を提供することを目
的とする。また、本発明は、金属酸化物から成る高誘電
体膜と基体との界面の特性劣化が十分に抑制され、且
つ、高誘電体膜として所望の組成比を有する基体生産物
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による酸化膜形成方法は、基体上に金属酸化
膜を形成する方法であって、基体上に金属を堆積させて
金属層を形成する金属層形成工程と、金属層を有する基
体上に酸化性を有する化学種叉は化学種の活性種を供給
して金属を酸化する金属酸化工程とを備える。
【0007】このように構成された酸化膜形成方法で
は、金属層形成工程において、例えばPVD(Physical
Vapor Deposition)法により金属が堆積成長される。
これにより、純度の高い金属層が形成され得る。次い
で、金属酸化工程を実施し、酸化性を有する化学種叉は
その活性種(酸化性を有する活性種)を基体上に供給す
る。こうして、その化学種叉は活性種を基体上の金属層
と接触させる。
【0008】このとき、化学種にエネルギーを付与すれ
ば、例えば基体を加熱したり、化学種をプラズマ等によ
り電離させれば、化学種は励起叉は解離されて化学的な
活性種となる。或いは、活性種を供給する場合には、先
に電磁波の照射によって生じせしめた活性種を基体上に
供給する。これらの活性種は酸化性を有するので、金属
と反応し金属酸化膜が形成される。より具体的には、金
属酸化工程において、以下のような酸化形態(酸化手
法)が例示される。すなわち;
【0009】(1)O2等のO原子を含有して成る酸化
性ガスに紫外線、ガンマ線、マイクロ波、高周波等の電
磁波を照射して予め生成させたO(3P)、O21Δg
等の酸素活性種(O*)を基体上に供給するプラズマ酸
化、
【0010】(2)酸化性を有する第1のガスと、この
第1のガスとの反応によりエネルギーを放出する第2の
ガスを未反応状態で基体上に供給し、基体を加熱して基
体の直上で活性種を生成させるIn−Situ酸化、等
を用いることができる。
【0011】これらの方法のを用いると、形成される金
属酸化膜の均一性、膜厚の再現性、成膜速度が向上され
るので好ましい。特に、In−Situ酸化は、酸化力
(酸化性)がより高く、例えば、RTO(Rapid Therma
l Oxidation)法等のドライ酸化や外部燃焼方式のウェ
ット酸化に比しても、より低温での酸化が可能であるの
で特に好ましい。また、プラズマ酸化ではプラズマ発生
装置が必要であり、ウェット酸化では原料ガスを外部燃
焼させるための燃焼装置が必要であって、これらの方法
では装置構成が複雑化する傾向にある。これに対し、I
n−Situ酸化ではこのような外部装置が不要であ
る。また、プラズマ酸化では、金属による汚染が懸念さ
れることがあるのに対し、In−Situ酸化では、こ
のような金属汚染の発生を十分に抑制できる。
【0012】さらに、In−Situ酸化によれば、金
属層とその下地である基体の表層部との界面に、基層を
構成する物質の酸化物から成る極薄で且つ膜厚が十分に
均一な酸化膜を形成し得る。本発明者らの知見によれ
ば、このような薄膜が存在すると、界面において電子の
移動性(モビリティ)が向上され、その伝導特性が向上
される。このような薄膜としては、例えば、オングスト
ロームオーダー(0.1μmオーダー)の膜厚が有効で
あり、特に、In−Situ酸化では、このような極め
て薄い膜厚の制御を行い易い利点がある。
【0013】これに対し、従来の反応性スパッタ法等を
用いると、先述の如く、基体表層部まで酸化が進行し易
く、その膜厚は不都合な程に厚く、しかも十分な均一性
及び再現性が得られ難い傾向にある。こうなると、膜厚
の制御を十分に行えなず、却って誘電率が低下してしま
い、界面の特性劣化が生じ易い傾向にあった。
【0014】そこで、より具体的には、金属酸化工程
が、基体の周囲を減圧する減圧ステップと、基体上に、
分子内に水素原子を含有して成る第1のガス及び分子内
に酸素原子を含有して成る第2のガスを未反応状態で混
合するように供給するガス供給ステップと、基体を加熱
して第1のガス及び第2のガスを基体上で反応せしめる
加熱ステップとを有すると好ましい。
【0015】この場合には、ガス供給ステップにおい
て、第1のガスと第2のガスとを未反応の状態つまり単
に混合された状態で、或いは各々別々に基体上に供給
し、加熱ステップにおいて基体を加熱する。第1のガス
及び第2のガスは、加熱された基体と接触して熱エネル
ギーを付与され、基体の直上で励起叉は解離される。こ
れにより第1のガスの分子に含まれる水素原子と、第2
のガスの分子に含まれる酸化原子が反応して水(水蒸
気)等の酸化因子たる化学種叉は化学的な活性種が生成
し、化合による反応エネルギーが放出される。このよう
に生じた活性種等は、エネルギー的に高準位にある。
【0016】このとき、化学種等の酸化因子が有するエ
ネルギー叉は放出された反応エネルギーは、基体上の金
属に付与され、金属原子の励起、金属結合の解離等の反
応、更には、酸化因子との反応を促進させると考えられ
る。このように、基体上のIn−Situで水蒸気等が
発生し(In-Situ Steam Generation;ISSG)、これ
により金属層の酸化が行われる。このような酸化反応
は、水蒸気等の生成によって放出されるエネルギーが極
めて大きく、且つ、その生成反応が基体上で生起するた
め、金属層へのエネルギー付与量が増大され、金属酸化
反応の反応性が高められる。しかも、これにより金属酸
化膜の膜厚の制御性に優れる利点がある。
【0017】また、第1のガスとしてH2ガスを用い、
第2のガスとしてO2ガスを用いると、反応エネルギー
が極めて大きい点、酸化因子である水蒸気叉はO−H結
合を有する化学種以外の活性種が殆ど生成しない点、及
び、原料ガスとしての工業上の利用性、取扱性及び汎用
性等に優れる点で特に好ましい。
【0018】さらに、減圧ステップにおいては、基体の
周囲の圧力を0.5〜2kPa(約4〜15Torr)
とすると更に好ましい。基体の周囲の圧力つまり基体の
酸化雰囲気がこのような圧力範囲に調整されると、十分
な成膜速度が得られ、しかも、膜厚の均一性及び再現性
に優れた極めて薄い膜が形成される。
【0019】またさらに、ガス供給ステップが、基体上
に供給される第1のガス及び第2のガスの混合割合を変
化させるステップ、又は、第1のガス及び第2のガスの
うち少なくともいずれか一方の基体上への供給量を変化
させるステップを更に有すると好適である。
【0020】前者のステップを実行すれば、第1のガス
及び第2のガスの反応により生成する化学種叉はその活
性種の濃度や成分比が変化する一方、後者のステップ
は、両ガスの混合割合を一定にして圧力調整(濃度調
整)を行うのに適している。なお、後者のステップは、
実質的に前者のステップを兼ねることも可能である。
【0021】さらにまた、金属層形成工程においては、
基体として半導体基板を用い、その基体上に、金属層と
して主にアルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、ラ
ンタン、タンタル及びチタンのうち少なくともいずれか
一種の元素から成る層を物理的気相堆積により形成する
と有用である。
【0022】こうすれば、金属層形成工程で、半導体基
板上に主としてアルミニウム(Al)、ジルコニウム
(Zr)、ハフニウム(Hf)、ランタン(La)、タ
ンタル(Ta)叉はチタン(Ti)から成る金属層が形
成され、金属酸化工程において、Al23、ZrO2
HfO2、La23、TaO叉はTiO2等の高誘電性を
有する金属酸化膜が形成される。このとき、金属層の下
地である半導体基板の基層(例えばSi基層)が不都合
な程度の厚さまで酸化されることが十分に抑制される。
よって、高誘電体膜である金属酸化膜と基層との界面の
特性劣化が防止される。よって、メモリ素子等の半導体
装置に用いられる絶縁膜(例えばゲート絶縁膜)として
極めて有用な膜を得ることができる。
【0023】或いは、金属層形成工程においては、基体
として主にルテニウム、白金及びケイ素のうち少なくと
もいずれか一種の元素から成る電極叉は電極層が形成さ
れたものを用い、電極叉は電極層上に、金属層として主
にタンタルから成る層を物理的気相堆積により堆積させ
てもよい。
【0024】こうすれば、金属層形成工程で、基体上の
主としてルテニウム(Lu)、白金(Pt)叉はケイ素
(Si)から成る電極叉は電極層上にTaから成る金属
層が形成され、金属酸化工程において、TaO等の高誘
電性を有する金属酸化膜が形成される。この場合にも、
金属層の下地である電極叉は電極層の表層部が不都合な
程に酸化されるおそれが殆どないので、高誘電体膜であ
る金属酸化膜と電極層等との界面の特性劣化が防止され
る。よって、MIM(Metal Insulator Metal)型キャ
パシタ、MIS(Metal Insulator Semiconductor)型
キャパシタ、DRAM用キャパシタ等に用いられる絶縁
膜として極めて有用な膜が得られる。
【0025】または、金属層形成工程においては、基体
として、可視光透過性(透光性)を有し且つ電極叉は電
極層が形成されたものを用い、電極叉は電極層上に、金
属層として主にタンタル及びアルミニウムのうち少なく
ともいずれか一種の元素から成る層を物理的気相堆積に
より堆積させても好ましい。
【0026】このようにすると、金属層形成工程で、可
視光透過性(透光性)を有する基体に設けられた電極叉
は電極層上に、主としてTa叉はAlから成る金属層が
形成され、金属酸化工程において、TaO叉はAl23
等の高誘電性を有する金属酸化膜が形成される。この場
合にも、金属層及び電極叉は電極層の下地である基体の
表層部が不都合な厚さまで酸化されることが殆どないの
で、高誘電体膜である金属酸化膜と基体との界面の特性
劣化が防止される。よって、TFT(Thin Film Transi
stor)等の3端子素子、MIM等の2端子素子といった
アクティブ素子を備えるアクティブマトリックス駆動式
の液晶装置、STN(Super Twisted Nematic)素子等
を用いた単純マトリックス駆動式の液晶装置等に用いら
れる絶縁膜(例えばゲート絶縁膜)として極めて有用な
膜が得られる。
【0027】また、加熱ステップにおいては、基体の温
度が、その基体叉は電極若しくは電極層の構成物質と金
属層の金属とが反応する下限温度よりも低い温度となる
ように、基体を加熱することが望ましい。
【0028】こうすれば、基体叉は電極若しくは電極層
を構成する物質と金属層の金属との反応により、それら
の物質の共融混合物(共晶)が析出することを抑制でき
る。すなわち、基体の温度がこのような共晶化反応が生
じる下限温度を上回ると、両者が言わば融解状態叉はそ
れに近い状態となり、その反応系における極小融点に対
応する組成を有する固体相が生じ得る(ただし、作用は
これに限定されない。)。こうなると、金属層の少なく
とも一部が消滅し易くなり、所望の金属酸化膜が得られ
難い傾向となる。
【0029】これに対し、本発明によれば、共融混合物
(共晶)の生成が確実に防止されるので、金属層の消滅
を確実に抑制できる。また、このような共晶化温度は、
基体及び金属の構成物質及びそれらの組成比によって大
きく異なり、例えば、SiとAlとの共晶化温度は一般
に280℃以下であるが、このような低温においても、
本発明による方法では、十分に金属層の酸化反応を進行
させることができる。
【0030】さらに、金属酸化工程を、予め取得してお
いたプロセス時間と金属酸化膜の厚さとの関係に基づい
て決定した所定の時間実行すると好適である。こうすれ
ば、金属酸化工程の実施中叉はその工程を実施する毎
に、金属酸化膜の膜厚を測定することなく、所望の膜厚
を有する金属酸化膜を簡易に形成することが可能とな
る。とくに、ISSGによるIn−Situ酸化を用い
た場合には、オングストロームオーダー(0.1μmオ
ーダー)の膜厚再現性、換言すれば成膜における膜厚の
制御性に極めて優れるので、プロセス時間による膜厚の
制御を十分に且つ簡易に達成できる。
【0031】また、本発明による酸化膜形成装置は、本
発明の酸化膜形成方法を有効に実施するためのものであ
り、基体上に金属酸化膜が形成される装置であって、基
体上に金属を堆積させて金属層を形成する金属層形成部
と、金属層上に酸化性を有する化学種叉は化学種の活性
種を供給して金属を酸化する金属酸化部とを備えるもの
である。
【0032】さらに、金属酸化部は、基体が収容される
チャンバと、チャンバに接続されそのチャンバ内を減圧
する減圧部と、チャンバ内に配置され基体を支持する支
持部と、支持部に対向して設置され基体を加熱する加熱
部と、チャンバに接続されており且つ支持部に支持され
た基体と加熱部との間に、分子内に水素原子を含有して
成る第1のガス及びこの第1のガスとの反応によりエネ
ルギーを放出するような例えば分子内に酸素原子を含有
して成る第2のガスを供給するガス供給部とを備えるも
のであると好ましい。
【0033】ここで、第1のガスとしては、例えばH2
ガスが挙げられ、第2のガスとしてはO2ガスが挙げら
れる。また、減圧部が基体の周囲つまりチャンバ内の圧
力を0.5〜2kPaとするものであると好適である。
さらに、加熱部としては、基体の温度がこの基体と金属
層の金属とが反応する下限温度よりも低い温度となるよ
うに、その基体を加熱するものであることが望ましい。
このように構成された本発明による酸化膜形成装置にお
いては、ガス供給部によって第1のガス及び第2のガス
が未反応状態で基体上に供給される。
【0034】さらに、ガス供給部は、第1のガスのチャ
ンバ内への供給量を調整する第1の流量調整部と、第2
のガスのチャンバ内への供給量を調整する第2の流量調
整部とを有するとより好ましい。
【0035】また、本発明による基体生産物は、本発明
の酸化膜形成方法叉は酸化膜形成装置により有効に形成
される金属酸化膜を有するものであり、電極叉は電極層
を有する基体上に金属酸化膜が配置されて成るものであ
って、基体が半導体基板であり、金属酸化膜として主に
アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、ランタン、
タンタル及びチタンのうち少なくともいずれか一種の元
素の酸化物から成る膜が電極叉は電極層上に形成された
ものである。
【0036】或いは、電極叉は電極層を有する基体上に
金属酸化膜が配置されて成る基体生産物であって、電極
叉は電極層が主にルテニウム、白金及びケイ素のうち少
なくともいずれか一種の元素から成る層であり、金属酸
化膜として主にタンタルの酸化物から成る膜が電極叉は
電極層上に形成されたものであってもよい。
【0037】更には、電極叉は電極層を有する基体上に
金属酸化膜が配置されて成る基体生産物であって、基体
が可視光に対して透光性を有するものであり、金属酸化
膜として主にタンタル及びアルミニウムのうち少なくと
もいずれか一種の元素の酸化物から成る膜が電極叉は電
極層上に形成されたものであってもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要
素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省
略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない
限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、
図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0039】図1は、本発明による酸化膜形成装置の好
適な一実施形態の概略を示す構成図である。酸化膜形成
システム100(酸化膜形成装置)は、基体としてのS
iウェハ上に、一般的に用いられている真空蒸着、スパ
ッタリング等のPVD法によって所望の金属層を形成す
るPVD装置101(金属層形成部)と、その金属層を
酸化して金属酸化膜を形成する熱処理装置102(金属
酸化部)とを備えたものである。また、PVD装置10
1と熱処理装置102との間には、金属層が形成された
SiウェハをPVD装置101から熱処理装置102へ
搬送する搬送部103が設けられている。この搬送部1
03としては、Siウェハを外気から遮断した状態で移
動可能なものであればよく、通常のウェハ搬送機構を用
いることができる。
【0040】図2は、図1に示す熱処理装置102の一
部断面を示す斜視図である。また、図3は、その熱処理
装置102の要部を示す断面図である。熱処理装置10
2(酸化膜形成装置)は、基体としてのSiウェハWを
温度制御しながら熱処理を行う枚葉式急速加熱熱処理装
置であり、ベース部2a、側壁部2b及び蓋部2cで構
成されたチャンバ2を備えたものである。
【0041】このチャンバ2内には、SiウェハWを支
持するウェハ支持部材3(支持部)が設置されている。
ウェハ支持部材3は、ベース部2aにベアリング4を介
して回転自在に取り付けられた円筒フレーム5と、この
円筒フレーム5の上端に設けられたリングフレーム6と
から成っている。また、リングフレーム6の内側縁部に
は、SiウェハWのエッジ部が支持される支持用段部6
aが形成されている。ここで、SiウェハWがウェハ支
持部材3に支持された状態(図3参照)では、Siウェ
ハWの裏面側に、ベース部2aとウェハ支持部材3とS
iウェハWとで囲まれた空間Saが画成される。
【0042】また、ベース部2aの下部には、搬送部1
03に備わる搬送ロボット(図示せず)によりチャンバ
2内に搬送されたSiウェハWをウェハ支持部材3に支
持させるためのリフト部材7が設けられている。このリ
フト部材7は、ベース部2aを貫通してSiウェハWを
持ち上げる複数本の支持ピン8を有している。
【0043】さらに、チャンバ2の蓋部2cの上方に
は、ウェハ支持部材3に支持されたSiウェハWを加熱
する複数の加熱ランプ9(加熱部)からなるランプ群9
G(加熱部)が配置されている。蓋部2cには円形のラ
ンプ用窓部Lwが設けられており、加熱ランプ9の輻射
熱はそのランプ用窓部Lwを介してSiウェハWに伝え
られる。また、ベース部2aには、SiウェハWの温度
を光学的に検出する温度センサ10が設けられている。
この温度センサ10は、ベース部2aにおけるウェハ支
持部材3に囲まれた円形プレート11において、その中
心と周縁の一部を含み且つ所定の角度(例えば90度)
をもった略扇形のセンサ設置領域内に複数組み込まれて
いる。上述した空間Saは光学的な閉空間となってお
り、温度センサ10によるSiウェハWの温度検出が支
障なく行える。
【0044】また、チャンバ2の側壁部2bには、ガス
供給口12とガス排出口13とが対向して設けられてい
る。ガス供給口12には、チャンバ2内におけるSiウ
ェハW裏面側の空間Saの外部であるSiウェハW表面
側の空間Sbに水素ガスGh(H2ガス;第1のガス)
及び酸素ガスGo(O2ガス;第2のガス)を混合する
ように供給するための反応ガス供給系14(後述の図4
参照)が接続されている。一方、ガス排出口13には、
空間Sb内のガスをチャンバ2の外部に排出するための
反応ガス排出系15(後述の図4参照)を構成するポン
プ50が配管を介して接続されている。このポンプ50
はチャンバ2内の空間Sa,Sbを減圧するものであ
り、ガス排出口13に接続された配管すなわちガス排出
経路には、チャンバ2内の圧力を検出する圧力センサ6
0が取り付けられている。
【0045】さらに、ベース部2aの円形プレート11
には、ガス供給口16及びガス排出口17が設けられて
いる。ガス供給口16には、空間Sa内に、例えば、酸
素ガスと窒素ガスとの混合ガスGkを供給するための混
合ガス供給系18が接続され、ガス排出口17には、空
間Sa内のガスをチャンバ2の外部に排出するための混
合ガス排出系19が接続されている。
【0046】またさらに、円形プレート11の周縁にお
けるセンサ設置領域を含む部位には、断面L字型の突起
片20が設けられ、この突起片20の内側にガス供給口
16が形成されている。また、円形プレート11におい
てその中心からガス供給口16の反対側に僅かにずれた
位置にガス排出口17が形成され、ガス供給口16とガ
ス排出口17との間にセンサ設置領域が設けられた構成
とされている。これにより、ガス供給口16から導入さ
れた混合ガスGkは、円形プレート11におけるセンサ
設置領域の全範囲の上方を通ってガス排出口17から排
出される。
【0047】図4は、図1に示す熱処理装置102にお
けるガス供給系等の構成を示すブロック図である。反応
ガス供給系14(ガス供給部)は、水素ガス供給部14
aと酸素ガス供給部14bとを備えたものである。水素
ガス供給部14aは、水素ガス供給源21aと、チャン
バ2のガス供給口12と水素ガス供給源21aとの間に
設けられ、水素ガス供給源21aから空間Sb内に供給
される水素ガスGhの流れをオン・オフするバルブ22
aと、その水素ガスGhの流量を調整するマスフローコ
ントローラ(以下、「MFC」という)23a(第1の
流量調整部)とを有している。
【0048】また、酸素ガス供給部14bは、酸素ガス
供給源21bと、チャンバ2のガス供給口12と酸素ガ
ス供給源21bとの間に設けられ、酸素ガス供給源21
bから空間Sb内に供給される酸素ガスGoの流れをオ
ン・オフするバルブ22bと、その酸素ガスGoの流量
を調整するMFC23b(第2の流量調整部)とを有し
ている。そして、水素ガス供給部14aと酸素ガス供給
部14bとは、バルブ22a,22bとガス供給口12
との間で、例えば、T字管又はT字バルブ等により接合
されている。これにより、ガス供給口12の直前で水素
ガスGhと酸素ガスGoとが混合され、反応ガスXとし
て空間Sb内に供給されるようになっている。
【0049】一方、反応ガス排出系15(減圧部)は、
チャンバ2のガス排出口13に接続されたプレッシャコ
ントロールバルブ(以下、「PCV」という)24と、
このPCV24に接続されたポンプ50とを有してい
る。ポンプ50は、スクラバScに接続されており、空
間Sb内から排出されたガスはスクラバScへ送られ
る。
【0050】また、混合ガス供給系18は、酸素ガス供
給源25及び窒素ガス供給源26と、チャンバ2のガス
供給口16とこれらのガス供給源25,26との間に設
けられ、これらのガス供給源25,26から空間Sa内
に供給される混合ガスGkの流れをオン/オフするバル
ブ27と、空間Sa内に供給される酸素ガス及び窒素ガ
スの流量をそれぞれ制御するMFC28,29とを有し
ている。
【0051】他方、混合ガス排出系19は、チャンバ2
のガス排出口17に接続され、空間Sa内からチャンバ
2の外部に排出されるガスの流量を調整するニードルバ
ルブ等のバルブ30と、このバルブ30の二次側に接続
され、空間Sa内から排出されるガスの流れをオン/オ
フする主バルブ31と、この主バルブ31の二次側に並
列に接続された補助バルブ32,33と、補助バルブ3
3の二次側に粒子捕集用のフィルタ34を介して接続さ
れ、空間Sa内から排出されるガスの流量を検出するマ
スフローメータ(以下、「MFM」という)35とを有
している。補助バルブ32の二次側及びMFM35の下
流側はスクラバScとつながっており、空間Sa内から
排出されたガスはスクラバScへ送られる。
【0052】補助バルブ32及びMFM35とスクラバ
Scとの間のガス排出経路には、空間Sa内から排出さ
れるガス中の酸素濃度を検出する濃度センサ36が設け
られている。また、チャンバ2のガス排出口13とPC
V24との間のガス排出経路には、空間Sb内から排出
されるガス中の水素及び酸素濃度を検出する濃度センサ
37が設けられている。
【0053】上記のMFM35、濃度センサ36,37
及び圧力センサ60の検出値は、電気信号として制御装
置38へ送られる。この制御装置38には、補助バルブ
32,33の開閉を切り換えるためのオン/オフの入力
スイッチ39と、現在のプロセス状況を画面表示する表
示部40とが接続されている。制御装置38は、MFM
35、濃度センサ36,37の各検出信号及び入力スイ
ッチ39の指示信号が入力され、これらの信号に基いて
所定の処理を行い、その処理結果を電気信号としてMF
C23a,23b,28,29、補助バルブ32,33
及び表示部40に出力する。また、図示を省略したが、
制御装置38は、複数の温度センサ10の温度検出値に
基づいて複数の加熱ランプ9を制御し、SiウェハWの
温度制御を行う機能も有している。
【0054】このような制御装置38の処理機能(作
用)の一例について説明する。制御装置38は、反応ガ
ス供給量設定部38aと、補助バルブ切換設定部38b
と、混合ガス供給量設定部38cと、プロセス続行・中
止判断部38dとを有している。
【0055】反応ガス供給量設定部38aは、濃度セン
サ37及び/又は圧力センサ60の検出値に基いて、M
FC23a,23b及びポンプ50を制御し、空間Sb
内に供給される水素ガスGh及び酸素ガスGoの流量を
調整する。これにより、空間Sb内における水素ガスG
hと酸素ガスGoとの混合割合(両ガスのそれぞれの分
圧)、及び、反応ガスXの全圧が所定の値となるように
調整される。なお、反応ガス供給量設定部38aの機能
は、制御装置38ではなく、MFM23a,23b及び
/又はポンプ50に設けてもよい。
【0056】また、補助バルブ切換設定部38bは、入
力スイッチ39からの指示信号がオフのときには、補助
バルブ32を開状態、補助バルブ33を閉状態にするよ
うな設定信号を補助バルブ32,33に出力し、指示信
号がオンのときは、補助バルブ32を閉状態、補助バル
ブ33を開状態にするような設定信号を補助バルブ3
2,33に出力する。このように入力スイッチ39をオ
ン・オフにするだけで補助バルブ32,33の開閉が自
動的に切り換わる。
【0057】さらに、混合ガス供給量設定部38cは、
MFM35の検出値に基づいてMFC28,29を制御
し、空間Sa内に供給される酸素ガス及び窒素ガスの流
量を調整する。混合ガス供給量設定部38cは、空間S
a内に供給される混合ガスGkの流量と空間Sa内から
排出されるガスの流量との差分を所定値にするための設
定信号を生成してMFC28,29に出力する。なお、
混合ガス供給量設定部38cの機能は、制御装置38で
はなく、MFM35又はMFC28,29に設けてもよ
い。
【0058】またさらに、プロセス続行・中止判断部3
8dは、濃度センサ36,37及び圧力センサ60の各
検出値に基づき、空間Sa内から排出されるガス中の酸
素濃度、空間Sb内から排出されるガス中の酸素及び/
又は水素濃度(両ガスの混合割合若しくは分圧)、並び
に、反応ガス全圧が、それぞれ予め決められた設定値の
範囲内にあるか否かを判断する。そして、各量が設定値
の範囲を外れた時点で、SiウェハWの加熱処理を中止
すべく、プロセス中止信号をMFC23a,23b,2
8,29に出力し、チャンバ2内にガスが供給されない
ようにする。
【0059】加えて、プロセス続行・中止判断部38d
は、プロセスが中止されると、プロセス中止信号を表示
部40にも出力し、プロセス中止情報を表示部40に表
示させ、場合によっては警報を発生させる。なお、上記
のプロセス中止信号を各加熱ランプ9に送出し、全ての
加熱ランプ9の出力をオフにしてもよい。
【0060】次に、本発明による酸化膜形成方法に係る
好適な一実施形態として、以上のように構成された酸化
膜形成システム100を用いてSiウェハWa上に金属
酸化膜を形成する方法について説明する。図5(A)〜
(D)は、本発明による酸化膜形成方法に係る好適な一
実施形態によりSiウェハWa上に金属酸化膜を形成し
ている状態を示す工程図である。
【0061】まず、Si基層111を有するSiウェハ
WaをPVD装置101に収容し、PVD法によってS
i基層111上に所定の金属を所定時間堆積せしめ、S
i基層111上に金属層112が形成されたSiウェハ
Wbを得る(図5(B)参照;金属層形成工程)。Si
ウェハWaとしては、予め希フッ酸等の洗浄剤で表面を
洗浄したものを用いることが望ましい。次に、このSi
ウェハWbを、搬送部103により、内部が不活性ガス
等で置換又は未置換された熱処理装置102のチャンバ
2内に搬送する。このとき、搬送ロボット等を使用する
ことができる。
【0062】次に、チャンバ2を封止した状態、すなわ
ち、バルブ22a,22b,27及び主バルブ31を閉
じた状態でポンプ50を運転し、チャンバ2内を減圧す
る(減圧ステップ)。そして、以降の処理においては、
ポンプ50を常時運転して減圧状態を維持する。チャン
バ2内が所定の圧力となった時点で、リフト部材7によ
り複数の支持ピン8を上昇させてSiウェハWbを持ち
上げ、その後、支持ピン8を下降させてSiウェハWb
をウェハ支持部材3のリングフレーム6上に載置する。
【0063】次に、バルブ22a,22bを開き、制御
装置38からMFC23a,23bに所定の流量設定信
号を送出してチャンバ2内の空間Sbに水素ガスGh及
び酸素ガスGoを連続的に供給する(ガス供給ステッ
プ)。両者はチャンバ2のガス供給口12の直前で混合
され、反応ガスXとして未反応の状態で空間Sb内のS
iウェハWbの周辺を流通し、一部がガス排出口13か
ら排気される。このとき、反応ガスXは、外部から熱等
のエネルギーを付与されていないので未反応の状態で流
通する。
【0064】一方、バルブ27,30、主バルブ31及
び補助バルブ33を開き、補助バルブ32を閉じ、制御
装置38からMFC28,29に所定の流量設定信号を
送出してチャンバ2内の空間Saに酸素ガス及び窒素ガ
スの混合ガスGkを連続的に供給する。混合ガスGkは
ガス供給口16から空間Sa内を流通し、一部がガス排
出口17から排出される。このとき、空間Sa内は、S
iウェハWbの自重等により実質的に閉状態に維持され
ているため、空間Sa内の混合ガスGkが空間Sbに漏
れるおそれは殆ど無い。
【0065】そして、MFM35の検出値を監視しなが
ら、空間Sa内に供給されるガスの流量が空間Saから
排出されるガスの流量よりも少なくなるように、バルブ
30により空間Saからのガスの排出流量を調整する。
これにより、ウェハ支持部材3とSiウェハWbとの間
に形成された僅かな間隙を通って、空間Sb内の反応ガ
スXが空間Sa内に流れ込み、強制的な流体の閉空間が
形成される。
【0066】次いで、上述の水素ガスGh、酸素ガスG
o及び混合ガスGkの供給と略同時に、駆動手段(図示
せず)によりウェハ支持部材3を回転駆動させてSiウ
ェハWbを回転させると共に、複数の加熱ランプ9を点
灯させる。これにより、SiウェハWbの温度を室温か
ら徐々に且つ急速に上昇させる(加熱ステップ)。
【0067】SiウェハWbの温度が所定温度に達する
と、空間SbにおけるSiウェハWbの上方で反応ガス
XがSiウェハWbから熱エネルギーを付与されて燃焼
する。これにより、水(水蒸気)又は燃焼反応の素反応
生成物である種々の化学種若しくはその活性種が生成
し、SiウェハWb表面全体がこれらの化学種等によっ
て曝される。そして、金属層112の金属結合が励起叉
は解離され、金属が酸化されて金属酸化物が生じる。こ
のような酸化反応は金属層112の表層から内部へ進行
し、やがて金属酸化膜113が形成されたSiウェハW
c(基体生産物)を得る(図5(C)参照;金属酸化工
程)。このとき、SiウェハWbの温度が、金属層11
2を構成する金属とSiとの共晶化温度(反応温度)の
下限値よりも低い温度となるように制御する。
【0068】更に酸化を続けると、酸化因子たる水蒸気
等の化学種等が、拡散等によって金属酸化膜113とS
i基層111との界面部に達する。これらの化学種等は
極めて酸化力が高く、Si基層111の表層部と接触す
ることにより、Siが酸化されてSiO2膜111aが
生じ得る。こうすることにより、図5(D)に示すSi
ウェハWd(基体生産物)を得ることも可能である。
【0069】一方、空間SaにおけるSiウェハWa〜
Wdの裏面にも、自然酸化膜であるシリコン亜酸化物
(SiO)の昇華を抑えるSiO2膜が形成される。こ
のとき、定期的に入力スイッチ39をオンにして、空間
Sa内から排出されたガスがMFM35を通るようにす
る。これにより、バルブ30にガス中の粒子等が付着及
び堆積しても、空間Sa内から排出されるガスの流量と
空間Sa内に供給される混合ガスGkの流量との差が所
定値になるように混合ガスGkの供給流量が自動的に制
御され、空間Sa内のガスが空間Sbへ流入することが
十分に防止される。
【0070】その後、所定時間経過した時点で、Siウ
ェハWdの回転を停止させ、複数の加熱ランプ9の熱出
力を所定のウェハ搬出温度となるように制御すると共
に、制御装置38からMFC22a,22b,28,2
9に流量ゼロ信号が送出され、チャンバ2内への水素ガ
スGh,酸素ガスGo及び混合ガスGkの供給を停止す
る。SiウェハWc叉はWdの温度がウェハ搬出温度ま
で下降した後、図示しない搬送ロボットによりSiウェ
ハWc叉はWdをチャンバ2の外部に取り出す。
【0071】ここで、水素ガスGhと酸素ガスGoとの
混合割合としては、特に限定されるものではなく、水素
ガスGhが約30vol%以上含まれると金属酸化膜1
13の形成速度(酸化速度、成膜速度)が十分に高めら
れるので好ましい。ただし、極く薄い金属酸化膜を形成
させる場合には、成膜速度が大き過ぎて所望の膜厚を得
難くなる場合もあるので、あえて成膜速度を抑えるため
に、水素ガスGhの混合割合を好ましくは30vol%
未満、より好ましくは0.1〜20vol%、特に好ま
しくは0.5〜5vol%とすると好適である。こうす
れば、膜厚の均一性に優れた極薄膜の金属酸化膜11
3、更にはSiO2膜111aを形成し易い利点があ
る。
【0072】さらに、反応ガスXの全圧、すなわち、空
間Sb内の水素ガスGh及び酸素ガスGoの分圧の合計
としては、好ましくは0.5〜2kPa(約4〜15T
orr)、より好ましくは0.7〜1.7kPa(約5
〜13Torr)、特に好ましくは0.8〜1.5kP
a(約6〜11Torr)であると好適である。この圧
力が0.5kPa未満であると、十分な酸化速度(反応
効率)が得られないほどに水素ガスGh及び酸素ガスG
oの濃度、ひいては両者の燃焼で生成する化学種等の濃
度が低下する傾向にある。一方、上記圧力が2kPaを
超えても、酸化速度(反応効率)の低下が顕著となる傾
向にある。これは、化学種等の相互作用による失活が要
因の一つであると考えられる。ただし、作用はこれに限
定されるものではない。
【0073】図6〜11は、図1に示す酸化膜形成シス
テム100及び本発明による酸化膜形成方法により処理
(製造)された本発明による基体生産物の第1〜第6実
施形態の一部をそれぞれ模式的に示す断面図である。
【0074】図6に示す基体生産物K1は、まず、Si
基層121を有するSiウェハ(基体)上に、主として
Al、Zr、Hf、La、Ta叉はTiから成る金属層
がPVD法により形成され、次に、この金属層が上述の
ISSGにより酸化されて主にAl23、ZrO2、H
fO2、La23、TaO叉はTiO2等から成る金属酸
化膜122が形成され、更にその上にポリシリコン(多
結晶シリコン)層123(電極層)が通常の堆積方法に
より形成されたものである。この基体生産物K1は、例
えばCMOSデバイス等のゲート領域を形成するのに有
用なものであり、金属酸化膜122の高誘電率により反
転層領域を拡大できる。
【0075】また、図7に示す基体生産物K2は、まず
SiウェハのSi基層131上に、PVD法によって形
成されたTaから成る金属層が上述のISSGにより酸
化されて得られた主にTaOから成る金属酸化膜132
と、通常の堆積方法により形成されたポリシリコン層1
33(電極層)とが、交互に積層されたものである。こ
の基体生産物K2は、例えばDRAM用のキャパシタ等
を形成するのに有用なものである。
【0076】さらに、図8に示す基体生産物K3は、可
視光に対する透過性(透光性)を有するガラス基板叉は
アクリル樹脂若しくはポリカーボネート樹脂等の透明基
板141(基体)上に、まず、Ta等から成る電極14
2が形成され、その上にPVD法によって形成されたA
l叉はTaから成る金属層が形成され、これがISSG
により酸化されて主にAl23叉はTaO等から成る金
属酸化膜143が形成され、更にその上にアモルファス
シリコン(α−Si)、ポリシリコン等から成るシリコ
ン層が形成されたものである。
【0077】この基体生産物K3は、アモルファスSi
−TFT、高温多結晶Si−TFT、低温多結晶Si−
TFT等のTFTに代表される3端子素子で構成される
アクティブ素子を備える液晶装置等を構成するのに好適
なものである。なお、金属酸化膜143としてTaOか
ら成る膜を形成せしめるときには、Ta電極上へのTa
の堆積は省いてもよい(以下同様)。この場合、Ta電
極を形成する工程が金属層形成工程を兼ねる。
【0078】またさらに、図9に示す基体生産物K4
は、透明基板151(基体)上に設けられた主にTaか
ら成る電極152a上に、本発明の酸化膜形成方法によ
って主にTaOから成る金属酸化膜153が形成され、
更にその上に主としてTa叉はCr等から成る電極15
2bが形成されたものである。この基体生産物K4は、
MIM等の2端子素子で構成されるアクティブ素子を備
える液晶装置等を構成する際に好ましいものである。
【0079】一方、図10に示す基体生産物K5は、M
IM型キャパシタの構成を有するものであり、PVD法
等で堆積された主としてLu叉はPtから成る電極層1
61の間に、本発明によるISSGを用いた上述の酸化
膜形成方法によってTaから成る金属層が酸化されて得
られた主にTaOから成る金属酸化膜162が配置され
たものである。この基体生産物K5自体をMIM型の単
一キャパシタとして用いてもよい。
【0080】他方、図11に示す基体生産物K6は、M
IS型キャパシタの構成を有するものであり、Si基層
171を含むSiウェハ上にPVD法で堆積されたTa
金属層が先述のISSGによって酸化形成された主にT
aOから成る金属酸化膜172が形成され、更にその上
にPVD法等により主としてLu叉はPtから成る電極
層173が設けられたものである。
【0081】以上説明した酸化膜形成システム100、
及び、それを用いた酸化膜形成方法によれば、Siウェ
ハWa等や透明基板141等の上にPVD法によって金
属層112を形成し、その金属層112上に水素ガスG
h及び酸素ガスGoを混合するように供給し、加熱反応
させて生じた水蒸気といった酸化因子たる化学種等によ
って金属層112を酸化させ、金属酸化膜113等を得
る。よって、金属層112が通常のPVD法で形成され
るので、その際に下地に損傷を与えるおそれを十分に軽
減でき、しかも、純度が高く且つ平坦性に優れた膜が簡
易に得られる。
【0082】そして、そのような金属層112を酸化す
るので、所望の化学量論的な組成比を確実に得ることが
できる。また、金属酸化膜113等中の不純物濃度を十
分に低減できるので、不純物を膜外へ除去するといった
事後処理を不要とできる。よって、従来のCVD法に比
して、工程の簡略化及び処理効率の向上を図り得る。さ
らに、金属層112を化学種で酸化するので、Si基層
111と金属酸化膜113との界面を不都合な厚さまで
酸化してしまうことを十分に抑制できる。よって、界面
の特性劣化や誘電率の低下を防止できる。
【0083】このとき、図5(D)に示すように、例え
ば数オングストローム程度の極薄のSiO2膜111a
を形成できるので、界面部における電子のモビリティを
向上できると考えられる。これにより、導電特性の更な
る向上を達成し得る。加えて、高誘電体膜である金属酸
化膜113等の膜厚の均一性を向上できるので、いわゆ
るキャパシタ容量の増加度叉は生じる電界ベクトルの一
様性が格段に高められる。よって、例えばCMOS等の
ゲート領域における反転層領域の画成性が向上される。
このとき、SiO2膜111aが存在すれば、電気特性
をより改善できる。
【0084】これは、SiウェハWb等の直上(直上
方)での燃焼反応によって生じた化学種等(化学的な活
性種)が有する大きなエネルギーが、金属結合の励起叉
は解離反応に付与されると考えられ、その結果、励起叉
は解離反応が促進され、金属層112の表層付近の酸化
効率が高められる。すなわち、金属酸化膜113等が形
成される際の活性化エネルギーが見かけ上低減されると
推定される。
【0085】また、このように生じた酸化因子である化
学的な活性種は、金属層112の表層部から徐々に内部
へ拡散していき、金属酸化膜が界面から内部に向かって
成長する。この酸化因子たる化学的活性種の振る舞い
は、従来の反応性スパッタやCVD法のみならず、ドラ
イ酸化やウェット酸化とも異なると推測され、その拡散
性及び反応性が極めて高められると考えられる。これに
より、金属酸化膜の成膜速度が十分に向上されると共
に、酸化膜厚の制御性及び一様性を改善できる。
【0086】しかも、金属層112の上に未反応状態で
水素ガスGh及び酸素ガスGoを混合するように供給し
てその場(In−Situ)で燃焼を生じさせるISS
Gによると、プラズマ酸化等で懸念されるチャンバ2内
への金属不純物等の流入を確実に防止できる。このよう
に、チャンバ2内を清浄に保つことができるので、金属
酸化膜113等中への不純物の混入を一層防止できる。
【0087】また、SiウェハWb等の表面全体が、高
濃度の活性種に曝され、金属層112の金属との化学反
応の均質性及び反応確率が高められるので、成膜された
金属酸化膜113等の膜厚の均一性及び再現性を十分に
向上できる。さらに、SiウェハWbの直上つまりSi
ウェハWbの周囲近傍で水素ガスGhと酸素ガスGoと
を燃焼せしめるので、ウェット酸化のような燃焼炉が必
要ない。同様に、プラズマ酸化にようなプラズマ発生装
置が必要ない。よって、それらの方法及び装置に比し
て、装置構成を簡略化でき、経済性が向上される。
【0088】しかも、外部燃焼法によるウェット酸化や
プラズマ酸化のように、酸化因子である水蒸気等をSi
ウェハWb等から離れた場所で生成させてチャンバ2内
へ移送しないので、金属層112の酸化反応の均質性を
より向上できる。よって、膜厚均一性に優れた金属酸化
膜を形成する際の反応性御性を一層高めることが可能と
なる。
【0089】また、反応ガスXとして水素ガスGh及び
酸素ガスGoを用いるので、燃焼による反応エネルギー
を十分に得ることができ、酸化因子である水蒸気叉はO
−H結合を有する化学種以外の活性種が殆ど生成せず、
しかも、原料ガスとしての工業上の利用性、取扱性及び
汎用性等に優れる利点がある。
【0090】さらに、SiウェハWb等の温度が、Si
基層111等を構成するSiと金属層112を構成する
金属との共晶化温度(反応温度)の下限値よりも低い温
度となるように、加熱ランプ9によるSiウェハWb等
の加熱を制御するので、そのSiと金属との共融混合物
が析出することを十分に抑制できる。例えば、金属層1
12がAlである場合に、SiAlといった共晶が生じ
ることに起因する金属層112の消滅を防止できる。
【0091】またさらに、金属層112の酸化時間を予
め取得しておいたプロセス時間と金属酸化膜113等の
厚さとの関係に基づいて決定した所定の時間実行すれ
ば、この工程(金属酸化工程)の実施中叉は処理を実施
する毎に、金属酸化膜113等の膜厚を測定することな
く、所望の膜厚を有する金属酸化膜113等を簡易に形
成できる。とくに、酸化膜形成システム100を用いる
と、ISSGによるIn−Situ酸化によってオング
ストロームオーダー(0.1μmオーダー)の薄膜の膜
厚再現性、換言すれば成膜における膜厚の制御性に極め
て優れるので、プロセス時間による膜厚の制御をより十
分に且つより簡易に達成できる。
【0092】次に、本発明による酸化膜形成方法の他の
実施形態について説明する。本実施形態では、上述した
実施形態のガス供給工程における初期の段階において、
反応ガスX中の水素ガスGhの含有割合を約数vol%
として酸化速度を敢えて抑えた状態で金属層112の表
層部の酸化を行う。次いで、所定時間経過後、図4に示
すMFC23a,23bを制御し、空間Sb内の反応ガ
スXの全圧を一定に保持しつつ、水素ガスGhの含有割
合が約30〜35vol%となるように、水素ガスGh
及び酸素ガスGoの流量を変化させる。このとき、加熱
ランプ9によるSiウェハWの加熱は続行する。
【0093】このようにすれば、SiウェハWbの金属
層112の表層部を、均一性に一段と優れた金属酸化膜
にできるとともに、その表層部の金属酸化膜より内部の
酸化速度を増大させて全体の成膜を迅速に実施できる。
よって、生産効率の低下を招くことなく、更に優れた特
性を有する金属酸化膜113を得ることができる。ま
た、このような金属酸化膜113が形成された半導体デ
バイス等の基体生産物の生産性をも向上できる。さら
に、金属酸化膜113の形成終期に、反応ガスX中の水
素ガスGhの含有割合を、再び数vol%程度として酸
化速度を抑えてもよい。これにより、SiO2膜111
aの膜厚の制御をより確実に行い得る。
【0094】なお、上述した各実施形態においては、空
間Sbに供給する第1のガスとしてメタンガス等の分子
内に水素を含有する有機物ガスを用いてもよく、第1の
ガスと第2のガスの反応によってエネルギーが発生する
ガスであれば、基体及び金属層の種類や所望の金属酸化
膜の形成に適したガスを適宜選択可能である。また、水
素ガスGhと酸素ガスGoとをガス供給口12の直前で
混合せずに、両者のガスをガス供給口12から独立にチ
ャンバ2内へ導入してチャンバ2内で混合するようにし
てもよい。
【0095】さらに、空間Saに供給される混合ガスG
kとして、酸素ガス及び窒素ガスの代りに、酸素ガス等
と希ガスとの混合ガスを使用してもよく、空間Sbに供
給する第1のガス及び第2のガスと同様の混合ガスを用
いても構わない。またさらに、チャンバ2内に空間Sa
を形成すること、及び/又は、混合ガスGkを空間Sa
に供給して流通させることは必ずしも必要ない。この場
合、ウェハ支持部材3の代りに通常のサセプタを用いて
SiウェハWを支持してもよく、加熱ランプ9の代りに
このサセプタにヒーター等の加熱源を設けて加熱部とし
てもよい。このようなサセプタは支持部と加熱部とを兼
ねるものとなる。
【0096】また、バルブ30及びMFC28,29の
いずれか一方のみ設けてもよく、或いはSiウェハWの
自重等により空間Sa内の混合ガスGkが空間Sbに殆
ど漏れないような場合には、そのような手段は特に無く
ても構わない。さらに、入力スイッチ39を設けずに、
補助バルブ32,33の開閉を手動で個々に切り換える
ようにしてもよい。またさらに、混合ガス排出系19に
2本の排出ラインを設けたが、排出ラインは1本であっ
てもよい。さらにまた、濃度センサ36,37は、場合
によっては無くても構わない。
【0097】またさらに、本発明による酸化膜形成方法
は、図6〜11に示す基体生産物K1〜K6の製造に限
定されず、高誘電体膜が形成されて好適なデバイス用、
更には一般的な絶縁膜が形成されるデバイス用の基体生
産物に適用できる。加えて、本発明は、ホール、トレン
チ等の凹部が形成されたSiウェハ等の基体上に金属酸
化膜を形成する際にも好適である。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酸化膜形
成方法及び装置によれば、金属酸化物から成る高誘電体
膜と基体との界面の特性劣化を十分に抑制できると共
に、高誘電体膜として所望の組成比を確実に且つ簡易に
得ることができる。また、本発明の基体生産物によれ
ば、金属酸化物から成る高誘電体膜と基体との界面の特
性劣化が十分に抑制され、且つ、高誘電体膜として所望
の組成比を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による酸化膜形成装置の好適な一実施形
態の概略を示す構成図である。
【図2】図1に示す熱処理装置の一部断面を示す斜視図
である。
【図3】図1に示す熱処理装置の要部を示す断面図であ
る。
【図4】図1に示す熱処理装置におけるガス供給系等の
構成を示すブロック図である。
【図5】図5(A)〜(D)は、本発明による酸化膜形
成方法に係る好適な一実施形態によりSiウェハ上に金
属酸化膜を形成している状態を示す工程図である。
【図6】本発明による基体生産物の第1実施形態の一部
を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明による基体生産物の第2実施形態の一部
を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明による基体生産物の第3実施形態の一部
を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明による基体生産物の第4実施形態の一部
を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明による基体生産物の第5実施形態の一
部を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明による基体生産物の第6実施形態の一
部を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2…チャンバ、3…ウェハ支持部材(支持部)、9…加
熱ランプ(加熱部)、9G…ランプ群(加熱部)、14
…反応ガス供給系(ガス供給部)、15…反応ガス排出
系(減圧部)、23a…MFC(第1の流量調整部),
23b…MFC(第2の流量調整部)、100…酸化膜
形成システム(酸化膜形成装置)、101…PVD装置
(金属層形成部)、102…熱処理装置(金属酸化
部)、111,121,131,171…Si基層、1
12…金属層、113,122,132,143,15
3,162,172…金属酸化膜、…電極、123,1
33…ポリシリコン層(電極層)、141,151…透
明基板(基体)、142,152a,152b…電極、
161,173…電極層、Gh…水素ガス(第1のガ
ス)、Go…酸素ガス(第2のガス)、K1〜K6…基
体生産物、W,Wa,Wb…Siウェハ(基体)、W
c,Wd…Siウェハ(基体生産物)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/283 H01L 21/283 B 5F048 21/31 21/31 B 5F058 27/04 27/04 C 5F083 21/822 27/08 321D 5F103 21/8238 27/10 651 5F110 27/092 29/78 301G 27/108 617V 21/8242 29/78 29/786 21/336 (72)発明者 前田 祐二 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 (72)発明者 漆崎 清也 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA02 AA06 AA09 AA11 AA24 BA01 BA03 BA16 BA17 EA03 GA01 4M104 AA01 AA10 BB01 CC05 DD34 DD37 DD86 EE03 EE16 GG09 GG10 GG14 GG20 5F038 AC05 AC15 AC18 DF05 EZ16 5F040 EC04 EC07 ED03 5F045 AA20 AB31 AC11 AE15 AE17 AE19 AE21 AE23 BB02 BB16 DC63 DP04 EE04 EK12 EN04 GB05 GB07 5F048 AC03 BB04 BB11 5F058 BA11 BA20 BC03 BF11 BF63 BJ01 5F083 AD11 JA02 JA06 JA38 JA39 PR12 PR22 5F103 AA01 AA08 DD27 DD28 HH03 PP18 PP20 RR05 5F110 CC07 EE02 EE04 FF01 FF23 GG02 GG13 GG15

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に金属酸化膜を形成する成膜方法
    であって、 基体上に金属を堆積させて金属層を形成する金属層形成
    工程と、 前記金属層を有する前記基体上に酸化性を有する化学種
    叉は該化学種の活性種を供給して前記金属を酸化する金
    属酸化工程と、を備える酸化膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化工程は、 前記基体の周囲を減圧する減圧ステップと、 前記基体上に、分子内に水素原子を含有して成る第1の
    ガス及び分子内に酸素原子を含有して成る第2のガスを
    未反応状態で混合するように供給するガス供給ステップ
    と、 前記基体を加熱して前記第1のガス及び第2のガスを該
    基体上で反応せしめる加熱ステップと、を有することを
    特徴とする請求項1記載の酸化膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記減圧ステップにおいては、前記基体
    の周囲の圧力を0.5〜2kPaとする、ことを特徴と
    する請求項2記載の酸化膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記ガス供給ステップは、前記基体上に
    供給される前記第1のガス及び前記第2のガスの混合割
    合を変化させるステップ、又は、前記第1のガス及び前
    記第2のガスのうち少なくともいずれか一方の前記基体
    上への供給量を変化させるステップを、更に有する、こ
    とを特徴とする請求項2叉は3に記載の酸化膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 前記金属層形成工程においては、前記基
    体として半導体基板を用い、該基体上に、前記金属層と
    してアルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、ランタ
    ン、タンタル及びチタンのうち少なくともいずれか一種
    の元素から成る層を物理的気相堆積により形成する、こ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸
    化膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記金属層形成工程においては、前記基
    体として、ルテニウム及び白金のうち少なくともいずれ
    か一種の元素から成る電極叉は電極層が形成されたもの
    を用い、該電極叉は該電極層上に、前記金属層としてタ
    ンタルから成る層を物理的気相堆積により堆積させる、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    酸化膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記金属層形成工程においては、前記基
    体として、可視光透過性を有し且つ電極叉は電極層が形
    成されたものを用い、該電極叉は該電極層上に、前記金
    属層としてタンタル及びアルミニウムのうち少なくとも
    いずれか一種の元素から成る層を物理的気相堆積により
    堆積させる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の酸化膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱ステップにおいては、前記基体
    の温度が、該基体叉は前記電極若しくは前記電極層の構
    成物質と前記金属層の金属とが反応する下限温度よりも
    低い温度となるように、該基体を加熱する、ことを特徴
    とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の酸化膜形成
    方法。
  9. 【請求項9】 前記金属酸化工程を、予め取得しておい
    たプロセス時間と前記金属酸化膜の厚さとの関係に基づ
    いて決定した所定の時間実行する、ことを特徴とする請
    求項1〜8のいずれか一項に記載の酸化膜形成方法。
  10. 【請求項10】 基体上に金属酸化膜が形成される酸化
    膜形成装置であって、 前記基体上に金属を堆積させて金属層を形成する金属層
    形成部と、 前記金属層上に酸化性を有する化学種叉は該化学種の活
    性種を供給して前記金属を酸化する金属酸化部と、を備
    える酸化膜形成装置。
  11. 【請求項11】 前記金属酸化部は、 前記基体が収容されるチャンバと、 前記チャンバに接続され該チャンバ内を減圧する減圧部
    と、 前記チャンバ内に配置され前記基体を支持する支持部
    と、 前記支持部に対向して設置され前記基体を加熱する加熱
    部と、 前記チャンバに接続されており、且つ、前記支持部に支
    持された前記基体と前記加熱部との間に、分子内に水素
    原子を含有して成る第1のガス及び分子内に酸素原子を
    含有して成る第2のガスを供給するガス供給部と、を備
    えることを特徴とする請求項10記載の酸化膜形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記ガス供給部は、前記第1のガスの
    前記チャンバ内への供給量を調整する第1の流量調整部
    と、前記第2のガスの前記チャンバ内への供給量を調整
    する第2の流量調整部と、を有するものである、ことを
    特徴とする請求項11記載の酸化膜形成装置。
  13. 【請求項13】 電極叉は電極層を有する基体上に金属
    酸化膜が配置されて成る基体生産物であって、 前記基体が半導体基板であり、 前記金属酸化膜としてアルミニウム、ジルコニウム、ハ
    フニウム、ランタン、タンタル及びチタンのうち少なく
    ともいずれか一種の元素の酸化物から成る膜が前記電極
    叉は前記電極層上に形成されたものである、ことを特徴
    とする基体生産物。
  14. 【請求項14】 電極叉は電極層を有する基体上に金属
    酸化膜が配置されて成る基体生産物であって、 前記電極叉は電極層がルテニウム、白金及びケイ素のう
    ち少なくともいずれか一種の元素から成る層であり、 前記金属酸化膜としてタンタルの酸化物から成る膜が前
    記電極叉は前記電極層上に形成されたものである、こと
    を特徴とする基体生産物。
  15. 【請求項15】 電極叉は電極層を有する基体上に金属
    酸化膜が配置されて成る基体生産物であって、 前記基体が可視光に対して透光性を有するものであり、 前記金属酸化膜としてタンタル及びアルミニウムのうち
    少なくともいずれか一種の元素の酸化物から成る膜が前
    記電極叉は前記電極層上に形成されたものである、こと
    を特徴とする基体生産物。
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