JP2002151467A - 排ガス再利用装置及び排ガス再利用方法 - Google Patents

排ガス再利用装置及び排ガス再利用方法

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JP2002151467A
JP2002151467A JP2000348860A JP2000348860A JP2002151467A JP 2002151467 A JP2002151467 A JP 2002151467A JP 2000348860 A JP2000348860 A JP 2000348860A JP 2000348860 A JP2000348860 A JP 2000348860A JP 2002151467 A JP2002151467 A JP 2002151467A
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JP
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gas
etching
exhaust gas
etching gas
plasma chamber
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JP2000348860A
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Chiharu Shidara
千春 設楽
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化が容易であり、エッチング装置
毎に装着することができると共に、プラズマ反応に使用
した後の排ガス全てを再利用することができ、排ガス成
分を高効率で回収することができる排ガス再利用装置及
び排ガス再利用方法を提供する。 【解決手段】 プラズマチャンバ1にエッチングガスボ
ンベ4、5からエッチングガスA、B及びCが夫々流量
(a−a1)、(b−b1)及び(c−c1)で供給され
る。プラズマチャンバ1内は真空ポンプ6,7により排
気され、この排ガスは分離供給部9からの希釈ガスによ
り希釈された後、希釈排ガスとなって乾式精製部8に供
給される。乾式精製部8の精製ガス、即ち未反応のエッ
チングガスは分離供給部9に送られる。この分離供給部
9から、精製ガスの一部、即ち[a1A+b1B+c
1C](ガスA、B、Cを夫々流量a1、b1、c1で流し
た場合と同一組成で同一流量の混合ガスを示す)がプラ
ズマチャンバ1にエッチングガスとして供給され、残
部、即ちn[a1A+b1B+c1C]が真空ポンプ7に
希釈ガスとして供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体プロセスで
使用されるドライエッチング装置から排出される炭化フ
ッ素化合物及び水素化炭化フッ素化合物等を含有する排
ガスを再度ドライエッチング装置に供給して再利用する
排ガス再利用装置及び排ガス再利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の真空装置の排気システム
を示すブロック図である。半導体装置製造工程において
は、ウエハ表面に形成したSiO2膜及びSiN膜等を
選択的に除去するために、ドライエッチングプロセスが
使用されている。このドライエッチングプロセスにおい
ては、プラズマチャンバ100に、例えば2種類のエッ
チングガス(A,B)を供給する2個のエッチングガス
ボンベ110と、キャリアガス(C)を供給するキャリ
アガスボンベ115とが、夫々分岐配管130a、13
0b、130cと合流配管130とにより接続されてい
る。各分岐配管130a、130b、130cには、各
ガスボンベのガス流量を調節する流量調節器140a、
140b、140cが夫々設けられている。更に、プラ
ズマチャンバ100には配管131を介して真空ポンプ
(ターボポンプ)150及び真空ポンプ(ドライポン
プ)160が接続されている。真空ポンプ160には、
希釈ガスDを真空ポンプ160に供給する希釈ガスボン
ベ120が配管132により接続されている。配管13
2には希釈ガスDの流量を調節する流量調節器142が
設けられている。更に、真空ポンプ160から排出され
た排ガスは配管133により排ガス回収装置170に供
給されるようになっている。
【0003】このように構成された従来のドライエッチ
ング装置においては、SiO2又はSiN等が形成され
たウエハをプラズマチャンバ100内に設置し、プラズ
マチャンバ100内を真空ポンプ150及び真空ポンプ
160により排気して減圧状態に保ち、プラズマチャン
バ100内にエッチングガスボンベ110から炭化フッ
素化合物、水素化炭化フッ素化合物、チッ化フッ素化合
物及び珪素化フッ素化合物等のエッチングガス(以下、
エッチングガスA、Bという)を供給する。この際、必
要ならばキャリアガスボンベ115からAr等のキャリ
アガス(以下、キャリアガスCという)も同時にプラズ
マチャンバ100に供給する。なお、以下、エッチング
ガスボンベ110及びキャリアガスボンベ115からプ
ラズマチャンバに供給する混合ガスをエッチングガスと
いう。即ち、エッチングガスA、Bの他に、キャリアガ
スCも含めてエッチングガスという。
【0004】そして、プラズマチャンバ100内で交流
電圧を印加することによりプラズマを発生させ、プラズ
マチャンバ100内のイオン化したFと除去対象である
固体状のSi化合物とを反応させ、Si化合物をSiF
4として気化させて除去する。このプラズマ反応では、
SiF4だけでなく、HF、CF、CF2及びCF3等の
多種多様の化学種も同時に副生する。従って、プラズマ
チャンバ100から排出される排ガスには、SiF
4と、副生したHF、CF、CF2及びCF3等の化学種
(以下、不純物という)と、プラズマ反応で使用されな
かった未反応のエッチングガスとが含まれる。
【0005】このプラズマチャンバ100から排出され
る排ガスには、通常、N2ガスのような不活性ガス(希
釈ガス)が希釈ガスボンベ120から供給されて添加さ
れ、プラズマチャンバ100の排ガスが希釈される。以
下、希釈された排ガスを希釈排ガスという。このよう
に、排ガスを希釈するのは、プラズマチャンバ100か
ら排出される排ガスに含まれるCF、CF2及びCF3
の活性種が重合してポンプ等の内部に析出することを防
止すると共に、HF等による金属材料の腐食を防止し、
更に、例えばSiO2微粉末等の微粒子がポンプ及び配
管内部に沈着することを防止するため、ポンプを通過す
るガスには一定以上の線速度を必要とするからである。
従って、排ガスの線速度を所定値以上とするために、排
ガスを希釈ガスにより希釈することが広く行われてい
る。例えば特開平10−122178号公報において
は、ターボ型分子ポンプ(図5の真空ポンプ150に相
当する)においては、ポンプ内部の磁気軸受け、モータ
及びセンサ等を腐食ガスから保護し、更に、ルーツ型真
空ポンプ(図5の真空ポンプ160に相当する)におい
ては、重合物の析出防止、腐食防止又は収支沈着防止の
他に潤滑油のシールを目的として、窒素ガスパージが実
施されている。
【0006】次に、エッチングガス、不純物及び希釈ガ
スの物質収支関係について説明する。図6は、図5に示
す従来のドライエッチング装置の排気システムにおける
物質収支関係を示す模式図である。
【0007】図6において、エッチングガスA、Bとキ
ャリアガスCとからなるエッチングガスはプラズマチャ
ンバ100に供給されるが、これらのエッチングガスの
プラズマ反応に必要な量(流量)を夫々a、b及びc、
プラズマチャンバ100から排出される排ガスの中に含
まれる未反応のエッチングガスA、B、Cの量(流量)
を夫々a1、b1及びc1とする。また、Xは副生したガ
ス状不純物、Yは副生した固体状不純物、及びDは希釈
ガスを示し、夫々x、y及びdはその量(流量)を示
す。また、[]で囲まれた式は混合ガスの組成及び流量
を示す。例えば、[γ(αP+βQ)+δR]とは、化
学種P、Q及びRの混合ガスであって、夫々ガス流量γ
α、γβ及びδで混合した混合ガスを意味する。
【0008】具体的な化学種及び量を挙げれば、例え
ば、エッチングガスAはCF4、エッチングガスBはC
HF3、エッチングガスCはAr、ガス状不純物XはS
iF4、HF、CF、CF2、及びCF3等、固体状不純
物YはSiO2等、希釈ガスDはN2であり、a=500
cm3/分、b=500cm3/分、c=1000cm3
/分、d=48000cm3/分(但し、0℃、1気
圧、以下同条件での流量を示す)である。なお、排ガス
に対する希釈排ガスの比を希釈倍率nとすると、希釈倍
率nはn=(a+b+c+d)/(a+b+c)で近似
される。エッチングガスA、B、Cの各流量が上記の場
合、希釈倍率n=25である。
【0009】このようにして、プラズマチャンバ100
から排出される排ガスは、希釈されて希釈排ガスとな
る。しかし、希釈排ガスに含まれるエッチングガスは、
比較的高価であり、更に、地球温暖化係数が大きいた
め、そのまま大気に放出することなく回収して再利用す
ることが望まれる。
【0010】そこで、エッチングガスを再利用する技術
として、従来、チャンバから排出される排ガスの一部を
そのままチャンバへ循環供給し、排ガスに含まれるエッ
チングガスを最大限利用する方法が開示されている(IE
EE International Symposiumon Semiconductor Manufac
turing Conference Proceedings (1999) 259-262頁)。
循環供給しない残りの排ガスは、従来と同様にN2ガス
で希釈され、排出される(従来例1)。図7は、この従
来例1の排ガス処理装置を示す模式図である。
【0011】図7に示すように、エッチングガスA、
B、及びキャリアガスCを供給するエッチングガスボン
ベ210、215が分岐配管230a、230b、23
0c及び合流配管230によりプラズマチャンバ200
に接続されている。プラズマチャンバ200には、プラ
ズマチャンバ200内を排気して減圧状態に保つ真空ポ
ンプ250及び260が配管231を介して接続され、
真空ポンプ260には排ガスを希釈する希釈ガスDを供
給する希釈ガスボンベ220が配管232により接続さ
れている。エッチングガスA、B、キャリアガスC及び
希釈ガスDが夫々流れる配管230a、230b、23
0c及び232には、夫々流量調節器240a、240
b、240c、及び242が設けられている。また、配
管231における真空ポンプ250の下流側であって真
空ポンプ260の上流側の位置と、配管230における
プラズマチャンバ200の入口側の位置との間には、配
管234が接続されており、この配管234には流量調
節バルブ235が具備されている。これにより真空ポン
プ250からの排ガスをそのまま再びプラズマチャンバ
200に循環させるようになっている。
【0012】このように構成された従来例1の排ガス再
利用装置においては、真空ポンプ250から排出された
排ガスの一部がそのままプラズマチャンバ200に供給
され、前記排ガスの残部が真空ポンプ260に運ばれ、
希釈ガスにより希釈されて排ガス回収装置270に供給
される。プラズマチャンバ200には、ボンベ210、
215から供給されるエッチングガスA、B、C及び循
環供給された排ガスが導入される。これにより、排ガス
の一部が再利用されている。
【0013】また、エッチング装置の外側、即ち真空ポ
ンプ260以降の大気圧環境に排気回収装置を設けて排
ガスを回収する技術がある。例えば、米国特許第550
2969に記載の回収方法においては、予めHF等の不
純物を前処理して除去し、その後、希釈排ガスを冷却す
ることによりエッチングガスを液体又は固体とし、これ
によりエッチングガス成分を希釈ガスのN2から分離し
て回収する方法が開示されている(従来例2)。
【0014】また、例えば電子材料(1998年4月
号)第79乃至84頁においては、気体分離膜によりエ
ッチングガスを希釈ガスのN2と分離し、濃縮して回収
する技術が開示されている(従来例3)。
【0015】更に、特開平6−252095号公報に
は、排ガスを未反応のエッチングガスと固形物とに分離
し、この未反応エッチングガスを次のエッチング処理に
再使用するエッチング方法及び装置が開示されている
(従来例4)。
【0016】更にまた、特開2000−68212号公
報には、排ガスから未反応の三フッ化塩素を分離・回収
し、精製した後、再度加工に使用するために循環させる
ガス循環機構を有する半導体装置製造方法及び装置が開
示されている(従来例5)。この従来例5においては、
未反応エッチングガスを分離・回収する方法として、温
度差による分離法、膜による分離法及び吸着剤を使用し
た分離法が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1においては、上述した如く、排ガスには不純物と未反
応のエッチングガスとが含まれているため、排ガスを循
環させると、プラズマチャンバに供給するエッチングガ
スの組成は循環させない場合の組成と異なってしまい、
所望のエッチング反応が得られなくなる。即ち、循環さ
せない場合は、エッチングガスは化学種A、B、Cの濃
度がa/(a+b+c)、b/(a+b+c)、c/
(a+b+c)である混合ガス[aA+bB+cC]
(以下、望ましいエッチングガスという)であるのに対
し、排ガスの組成はこの望ましいエッチングガス組成と
は異なるため、排ガスを循環させるとエッチングチャン
バ内のエッチングガス組成は望ましいエッチングガス組
成から外れてしまうという問題点がある。
【0018】循環する際に、不純物を除去し、不足分の
エッチングガスを補給してエッチングガスの組成を望ま
しいエッチングガスと同一にできれば、所望のエッチン
グ反応が可能となる。しかし、循環しているループ(配
管231、234、230及びポンプ250で構成され
た部分)はプラズマチャンバと同程度の減圧環境を維持
する必要があり、効率よく不純物を除去すること、及び
エッチングガスの組成比をモニターし不足分を補給する
ことは困難である。従って、所望のエッチングを行うに
は、望ましいエッチングガスの組成から外れないように
循環する排ガス量をなるべく少なく制限する必要があ
る。このように、従来例1においては、循環できる排ガ
ス、即ち再利用できるエッチングガスは、排ガスの極め
て一部であり、循環できない排ガスは未利用のままエッ
チング装置外に排出されてしまうという問題点がある。
【0019】また、従来例2のように、冷却により排ガ
スからエッチングガスを回収する場合、エッチングガス
を液化させるための極低温環境を作る必要がある。更
に、従来例3のように、膜により排ガスからエッチング
ガスを濃縮分離する場合、濃縮率を上げるには膜分離操
作を多段にする必要がある。このため、従来例2及び従
来例3は、いずれも、装置が大型になるという欠点を有
し、これらの回収装置をエッチング装置が置かれたクリ
ーンルーム内に設置することは極めて困難である。この
ため、これらの回収装置はクリーンルーム外に設置し、
クリーンルーム内にある複数のエッチング装置の排気を
集約してクリーンルーム外の回収装置へ移送することに
なる。
【0020】従って、回収装置で回収されるエッチング
排ガスは、複数のエッチング装置で利用したエッチング
ガスの排ガスが混合された状態となり、回収したガスを
そのままエッチング装置に供給することはできず、エッ
チングガス毎に精製分離する操作が必要となる。
【0021】例えば、第1の装置でA1、B1及びC1
からなるガスを利用し、第2の装置ではA2、B2及び
C2からなるガスを利用していると、回収ガスは化学種
A1、B1、C1、A2、B2及びC2の混合状態とな
り、このまま第1の装置又は第2の装置で再利用するこ
とはできない。これらの排ガスを再利用するには、少な
くともA1、B1及びC1と、A2、B2及びC2とに
分離する必要がある。従って、装置が大型化してしまう
という問題点がある。
【0022】また、従来例4においては、パージガス
(希釈ガス)を流していないため、重合物の析出、腐食
及び収支沈着等が生じるという問題点がある。上述した
如く、ポンプの構造上パージガスを完全に停止して運転
することは不可能である。また、この問題を解決するた
めに、希釈ガスを流した場合には、フィルタ又はサイク
ロン等の分離手段を施してもエッチングガスとパージガ
スとは分離することができないため、所定濃度のエッチ
ングガスを得ることができないという問題点がある。
【0023】更に、従来例5に記載の三フッ化塩素を使
用する装置においては、パージガス(希釈ガス)が使用
されていない。従って、従来例4と同様の問題を生じ
る。また、温度差による分離法は、エッチングガスとし
て、三フッ化塩素(沸点11.75℃)という比較的沸
点が高いガスであって、パージガスで希釈されていない
高濃度のガスには適用できるが、沸点が低いガスには適
用できないという問題点がある。例えば、CF4(沸点
−128℃)又はCH3(沸点−83℃)等の沸点が低
いエッチングガスを使用した場合には、従来例2のよう
に、エッチングガスを分離・回収するための装置が大型
化するという問題点がある。
【0024】このように、従来例1、4及び5のように
個々のエッチング装置で排ガスを循環させる場合は、排
ガス中のエッチングガスの一部しか再利用できないか、
又は特殊なエッチングガスしか再利用できないという問
題点がある。また、これらの全ての装置において、希釈
ガスにより排ガスを希釈して、重合物の析出、腐食及び
収支沈着等を防止したとした場合、温度差を利用した方
法では希釈ガスの量が多くなると、エッチングガスの回
収率が低くなってしまう。いま、エッチングガスRの濃
度がr、その他気体(希釈ガス)の濃度が(1−r)で
あり、全体積がQの希釈排ガスを、エッチングガスのみ
が液化する冷却温度で冷却する場合を考える。この冷却
温度で、エッチングガスが一部液化して平衡に達したと
きの気相に残ったエッチングガスの量をNR(その他は
液化しないので、Q・(1−r)が気相に残ってい
る。)とすると、Q・k:Q(1−k)=NR:Q・
(1−r)である。但し、kはエッチングガスの冷却温
度での[飽和蒸気圧/全圧]に近似できる。このため、
エッチングガスの回収率は、回収率=(Q・r−NR
/(Q・r)=1−k(1−r)/{r(1−k)}と
なる。従って、希釈排ガス(1−r)の量が多くなる
と、回収率は低くなってしまう。
【0025】一方、従来例2及び従来例3のように、排
ガスに含まれるエッチングガスの大部分を再利用する場
合は、排ガスを回収した後に、未反応エッチングガスと
希釈ガスとを精製分離する必要があるため、装置が大型
化するという問題点がある。
【0026】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、装置の小型化が容易であり、エッチング装
置毎に装着することができると共に、プラズマ反応に使
用した後の排ガス全てを再利用することができ、排ガス
成分を高効率で回収することができる排ガス再利用装置
及び排ガス再利用方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明に係る排ガス再利
用装置は、プラズマ反応を行うプラズマチャンバと、こ
のプラズマチャンバにエッチングガスを供給するエッチ
ングガス供給部と、前記プラズマチャンバ内のガスを排
気する真空ポンプ部と、この真空ポンプ部の排ガスを希
釈ガスにより希釈して希釈排ガスを生成する希釈排ガス
生成部と、前記希釈排ガスを精製して不純物が除去され
た精製ガスを生成する精製部と、前記精製ガスを分配し
て前記プラズマチャンバ及び前記希釈ガス生成部に夫々
エッチングガス及び希釈ガスとして供給する精製ガス分
配供給部と、を有し、前記プラズマチャンバにおけるプ
ラズマ反応に必要なエッチングガスが前記エッチングガ
ス供給部及び前記精製ガス分配供給部の双方から供給さ
れることを特徴とする。
【0028】この場合に、前記精製ガス、前記希釈排ガ
ス及び前記プラズマチャンバに供給される総エッチング
ガスに含まれる各エッチングガスの濃度を測定する濃度
測定装置を有することが好ましい。
【0029】また、例えば、前記精製ガス分配供給部か
ら前記プラズマチャンバに供給される精製ガス中のエッ
チングガスAの流量をa1、前記エッチングガス供給部
から前記プラズマチャンバに供給されるエッチングガス
Aの流量をa−a1、前記希釈ガスとして精製ガスでは
なく窒素ガス又はアルゴンガスからなる不活性ガスを使
用しこれを流量dで希釈ガス生成部に供給した場合に前
記濃度測定装置により測定された希釈排ガス中のエッチ
ングガスAの濃度をCADとしたとき、前記プラズマチャ
ンバに供給されるエッチングガスAの総流量はaであ
り、a1はa1=(a+d)×CADである。
【0030】更に、例えば、エッチング開始からT=t
1時間後の精製ガス中のエッチングガスAの濃度をCA
T=t1、T=t2時間後の精製ガス中のエッチングガスA
の濃度をCA T=t2とし、前記精製ガスの総量をGとした
とき、エッチングガスAの補正量Δaは、G(CA T=t2
−CA T=t1)であり、エッチングガス供給部から前記プ
ラズマチャンバに供給するエッチングガスAの流量をa
−(a1+Δa/(t2−t1))とし、前記プラズマ
チャンバに供給される精製ガス中のエッチングガスの流
量をa1+Δa/(t2−t1)とする。
【0031】本発明に係る排ガス再利用方法は、プラズ
マ反応を行うプラズマチャンバにエッチングガス供給部
からエッチングガスを供給する工程と、希釈排ガス生成
部にて前記プラズマチャンバの排ガスを希釈ガスにより
希釈して希釈排ガスを生成する工程と、前記希釈排ガス
から不純物を除去して精製ガスを生成する工程と、前記
精製ガスを精製ガス分配供給部に供給する工程と、前記
精製ガス分配供給部から精製ガスの一部をエッチングガ
スとして前記プラズマチャンバに供給すると共に、残部
を希釈ガスとして前記希釈排ガス生成部に供給する工程
とを有することを特徴とする。
【0032】この場合に、前記希釈排ガスに含まれる各
エッチングガス濃度、前記精製ガスに含まれる各エッチ
ングガス濃度、及び/又は前記プラズマチャンバに供給
される総エッチングガスに含まれる各エッチングガス濃
度を測定する工程を有し、各エッチングガス濃度から前
記エッチングガス供給部からのエッチングガス供給量を
算出することができる。
【0033】本発明においては、精製部で得られた精製
ガスをプラズマチャンバに戻す量を、プラズマ反応で未
反応であった量とし、プラズマ反応に必要なエッチング
ガスの量のうち不足するエッチングガス、即ちプラズマ
反応に使用され消費された量のエッチングガスのみエッ
チングガス供給部から供給することができる。これによ
り、エッチングチャンバ内のエッチングガス組成を変化
させることなく排ガスを再利用できる。そして、精製ガ
スの内、エッチングガスとして使用されなかった残部を
希釈ガスとして使用することにより、排ガスから不純物
を取り除いた精製ガスの全てを再利用することができ
る。また、希釈ガスは、プラズマ反応に使用されるエッ
チングガスと同一の化学種から構成されているため、精
製ガスから希釈ガスを分離する必要がない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について添
付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の
第1実施例に係る排ガス再利用装置を示すブロック図で
ある。エッチングガスA、B及びキャリアガスCを貯留
したエッチングガス供給部としてのエッチングガスボン
ベ4,5から、分岐配管10a、10b、10c及び合
流配管10を介してエッチングガスがプラズマチャンバ
1に供給される。プラズマチャンバ1には配管11を介
して真空ポンプ6,7が接続されており、真空ポンプ
6,7により排気されたプラズマチャンバ1の排ガスは
配管11を介して乾式精製部8に供給される。プラズマ
チャンバ1側の真空ポンプ6は、例えばターボポンプで
あり、プラズマチャンバ1内を高真空に排気するもので
ある。一方、乾式精製部8側の真空ポンプ7はルーツポ
ンプ(ドライポンプ)であり、プラズマチャンバ1内を
荒引きするものである。真空ポンプ6は大気圧環境では
使用できず、荒引き用の真空ポンプ7が必要であるが、
真空ポンプ7はそれ単独でも使用することができる。但
し、排気速度及び真空度を上げるためには真空ポンプ6
を使用した方が好ましい。
【0035】乾式精製部8は排ガス(後述する希釈排ガ
ス)を精製して排ガスから、ガス状不純物X及び固体状
不純物Yを取り除いて系外に排出し、未反応のエッチン
グガスのみが通過する。乾式精製部8と分配供給部9と
の間には配管12が接続されており、この配管12には
移送ポンプ16が設けられていて、この移送ポンプ16
により、排ガスから精製された未反応のエッチングガス
が配管12を介して分配供給部9に供給される。この分
配供給部9から未反応のエッチングガス(精製ガス)の
一部が配管13を介して真空ポンプ7に供給され、残部
は配管14を介して配管10に返戻され、プラズマチャ
ンバ1に供給される。配管10a、10b、10c、1
3、14には夫々流量調整器15a、15b、15c、
15d、15eが設けられている。
【0036】次に、上述の如く構成された本実施例の排
ガス再利用装置の動作について説明する。エッチングガ
ス供給部4、5からエッチングガスA、B及びキャリア
ガスCがプラズマチャンバ1に供給され、プラズマチャ
ンバ1から排ガスが真空ポンプ6,7により排気され、
乾式精製部8にて排ガス(希釈排ガス)中の未反応のエ
ッチングガス成分が精製されて分配供給部9に供給され
る。この未反応のエッチングガス(精製ガス)は分配供
給部9からその一部が希釈ガスとして真空ポンプ7に供
給され、残部がエッチングガスとしてプラズマチャンバ
1に返戻される。分配供給部9から供給された希釈ガス
は真空ポンプ7にてプラズマチャンバ1からの排ガスに
添加され、この排ガスを希釈し希釈排ガスとなって乾式
精製部8に供給される。
【0037】プラズマチャンバ1内で生じる全体の反応
は下記数式1で表される。
【0038】
【数1】aA+bB+cC→a1A+b1B+c1C+x
X+yY
【0039】なお、各記号の意味は、図6について説明
したものと同様である。即ち、A、B及びCはエッチン
グガスを示し、これらのエッチングガスA、B及びCの
プラズマチャンバ1に供給される流量が夫々a,b及び
cである。また、このエッチングガスがプラズマ反応に
供された後、プラズマチャンバ1から排出される排ガス
の中に含まれる未反応のエッチングガスA、B及びCの
量(流量)を夫々a1、b1及びc1とする。また、Xは
副生したガス状不純物、Yは副生した固体状不純物、及
び後述するDは希釈ガスを示し、夫々x、y、及びdは
その量(流量)を示す。また、希釈倍率nは任意の値を
とるが、上述した従来例と同様の流量の場合、n=25
となる。
【0040】先ず、分配供給部9からプラズマチャンバ
1に[a1A+b1B+c1C](エッチングガスA、B
及びCを夫々流量a1、b1及びc1で流した場合と同一
組成で同一流量の混合ガスを示す:以下同じ)を供給す
ると共に、エッチングガス供給部4,5からエッチング
ガスA、B及びCを夫々(a−a1)、(b−b1)及び
(c−c1)の流量で補給する。これにより、プラズマ
チャンバ1の入口では、プラズマ反応に必要な所定量の
エッチング混合ガス[aA+bB+cC]が得られる。
【0041】プラズマチャンバ1内では、エッチング反
応が生じ、プラズマチャンバ1からは、上記数式1に示
すように、[a1A+b1B+c1C+xX+yY]の排
ガスが排出される。そして、真空ポンプ7に対し、ガス
状不純物X及び固体状不純物Yによるポンプ及び配管内
部の腐食防止、析出防止及び微粉末の沈着防止のため、
分配供給部9から[(n−1)(a1A+b1B+c1C)]
の希釈ガスを供給して排ガスを希釈する。よって、希釈
排ガスは、[(a1A+b1B+c1C+xX+yY)+
(n−1)(a1A+b1B+c1C)]=[n(a1A+
1B+c1C)+xX+yY]となる。この希釈された
希釈排ガス[n(a1A+b1B+c1C)+xX+y
Y]は、排ガス精製部8により精製されて[n(a1A+
1B+c1C)]の精製ガスが生成される。そして、こ
の精製ガスは、分配供給部9に供給されて、再び循環利
用される。これらの一連の操作により、排ガスの不純物
を除去して、エッチングガス及び希釈ガスとして使用す
ることにより、所定の組成のエッチングガスをプラズマ
チャンバ1に供給することができると共に、排ガスをほ
ぼ全量、循環再利用することが可能となる。未反応のエ
ッチングガスA、B、Cの流量a1,b1,c1は化学反
応の理論値又は経験則等により決めることができる。
【0042】次に、図2を参照して本発明の第2実施例
に係る排ガスの再利用装置について説明する。図2にお
いて、図1と同一構成物には同一符号を付してその詳細
な説明は省略する。エッチングガス供給部としてのエッ
チングガスボンベ4,5から供給されるエッチングガス
A、B、Cのガス流量が夫々流量調節器15a、15
b、15cにより流量qA、qB、qCに調節されるよう
になっている。また、流量調整器15d、15eによ
り、真空ポンプ7及びプラズマチャンバ1に夫々希釈ガ
ス及びエッチングガスとして分配供給される精製ガスの
流量が夫々qD及びqRに調整されるようになっている。
【0043】また、本実施例においては、プラズマチャ
ンバ1内に装着するウエハを交換するために使用する予
備室20がプラズマチャンバ1に隣接して仕切り板21
を介して設けられている。図2において、一点鎖線は大
気開放時に使用される配管系を示し、予備室20,配管
14,配管11及び配管12が夫々配管24,25,2
6,27を介して排気ポンプ31に接続されており、排
気ポンプ31を作動させると、配管24,25,26,
27を介して、夫々予備室20,配管14,配管11及
び配管12内が排気されるようになっている。これによ
り、エッチングガス系の排気とは独立して、大気開放時
の排気系が形成されており、予備室20、分配供給部
9、真空ポンプ7の後段及び乾式精製部8の排気を独立
して行うことができる。
【0044】また、図2において、破線はガス成分の分
析に使用される配管系を示し、配管10,配管11及び
分配供給部9と、分析装置22との間が、夫々配管2
8,29,30により接続されている。これにより、配
管10,11内のガス及び分配供給部9内のガスの成分
濃度が分析装置22により分析されるようになってい
る。
【0045】なお、分配供給部9の容積は、本実施例の
排ガス再利用装置で循環している精製ガスの総量Gとほ
ぼ等しく、循環時の圧力及び濃度変動を抑えるため、こ
の総量Gは、(qD×1分)以上の量が望ましい。ま
た、移送ポンプ16から分配供給部9までの配管12を
含む区間をポンプ16により加圧した状態にし、分配供
給部9の容積を小さくすることも可能である。但し、分
配供給部9内部のガス流量は、1気圧、0℃の状態でq
D×1分以上とすることが望ましい。
【0046】分析装置22は、配管10内のエッチング
ガス、配管11内の希釈排ガス及び分配供給部9内の精
製ガス中の各エッチングガスA、B及びCの濃度を分析
し、測定する。この分析装置22としては、例えば赤外
分光光度計(FT−IR)、四重極形質量分析装置、又
はガスクロマトグラフ等を使用することができる。
【0047】なお、本実施例のエッチングガス及びキャ
リアガスの化学種及び量は、例えば、エッチングガスA
はCF4、エッチングガスBはCHF3、キャリアガスC
はArである。また、上記数式1により生成されるガス
状不純物XはSiF4、HF、CF、CF2、及びCF3
等、固体状不純物YはSiO2等、希釈ガスDはN2等で
あり、a1=500cm3/分、b1=500cm3/分、
1=1000cm3/分、d=48000cm3/分
(但し、0℃、1気圧での流量を示す。以下、流量は同
一条件での流量である)である。
【0048】次に、上述の如く構成された本実施例の排
ガス再利用装置の動作について説明する。本実施例の排
ガス再利用装置においては、エッチング装置の運転を開
始した直後の初期状態における流量調整過程と、エッチ
ング装置が通常運転になった後の定常状態における流量
調整過程とがある。なお、本実施例のプラズマチャンバ
では、上記数式1に示す反応が生じているものとする。
【0049】先ず、初期状態における流量調整過程につ
いて説明する。 ステップ1 予め、真空ポンプ7に対し、従来と同様に、N2等の希
釈ガスDを流量dで供給する。 ステップ2 プラズマチャンバ1に対し、エッチングガスボンベ4,
5から、プラズマ反応に必要な所定流量のエッチングガ
ス[aA]、[bB]、[cC]を供給し、プラズマチ
ャンバ1内でエッチングを行う。 ステップ3 真空ポンプ7から排出された希釈排ガスについて、分析
装置22によりエッチングガスA、B、Cの濃度を分析
する。 ステップ4 希釈ガスとしてN2ガスが使用されたときに、希釈排ガ
ス中のエッチングガスA,B,Cの各濃度をCAD
BD,CCDとすると、これらの濃度CAD,CBD,C
CDは、下記数式2で近似できる。従って、下記数式3か
らa1、b1、c1が求まる。
【0050】
【数2】 CAD=a1/(a1+b1+c1+x+y+d)≒a1/(a+b+c+d) CBD=b1/(a1+b1+c1+x+y+d)≒b2/(a+b+c+d) CCD=c1/(a1+b1+c1+x+y+d)≒c2/(a+b+c+d)
【0051】
【数3】a1=(a+b+c+d)CAD1=(a+b+c+d)CBD1=(a+b+c+d)CCD
【0052】ステップ5 後述する装置運転開始時の手順に従って、装置内の大気
及びN2等の希釈ガスDを、エッチングガスA、B、C
がa1:b1:c1の割合で混合されたガスで置換する。 ステップ6 流量調節器15e、15a、15b、15cの各流量q
R、qA、qB、qCをq R=a1+b1+c1、qA=a−
1、qB=b−b1、qC=c−c1になるように調整し
て、定常状態のエッチング工程に移る。
【0053】次に、エッチング装置が定常運転している
ときのエッチングガス調整方法について説明する。上述
の方法でa1、b1、c1を求めることができるが、分析
誤差及び近似計算による誤差等により、長期運転を行う
と、循環しているエッチングガスの組成が想定した濃度
から外れていくことが予想される。このため、定期的に
分配供給部9の精製ガス、プラズマチャンバ1の入口の
エッチングガス、又は真空ポンプ7の出口の希釈排ガス
に含まれる各エッチングガス濃度を分析し、以下の手順
で調整を行う。 ステップ1 装置内で循環利用している精製ガスの総量Gを見積も
る。 ステップ2 前回流量を調整した時点をT=t1とし、T=t1から
T=t2までのエッチング延べ時間T=t2―t1を見
積もる。 ステップ3 T=t2時間後の分配供給部9の精製ガスを分析装置2
2により分析し、エッチングガスA、B及びCの各濃度
A T=t2、CB T=t2及びCC T=t2を求める。 ステップ4 単位時間あたりの各エッチングガスA、B及びCの各補
正量Δa/(t2−t1)、Δb/(t2−t1)及び
Δc/(t2−t1)を後述するようにして求める。 ステップ5 各補正量に基づいて各流量調節器を調整する。即ち、各
流量調節器15e、15a、15b及び15cの流量
は、夫々下記数式4にて示す量に調整する。
【0054】
【数4】qR=(a1+Δa/(t2−t1))+(b1
+Δb/(t2−t1))+(c1+Δc/(t2−t
1)) qA=a−(a1+Δa/(t2−t1)) qB=b−(b1+Δb/(t2−t1)) qC=c−(c1+Δc/(t2−t1))
【0055】上述の如く流量を調整して、エッチングを
実施する。このようにして、定期的な分析と流量調整と
を行うことで、エッチング反応の物質収支により一層近
づけた制御が可能になる。
【0056】次に、単位時間あたりの補正量Δa/(t
2−t1)、Δb/(t2−t1)及びΔc/(t2−
t1)の求め方について説明する。上記数式1が過不足
なく進行した場合、本来調整すべき流量は、qR=a1
1+c1である。この場合、T=(t2−t1)の時間
にa1、b1、c1に夫々Δa、Δb、Δcの誤差があっ
たとする。これを数式1に代入すると、 (a−Δa)A+(b−Δb)B+(c−Δc)C→a
1A+b1B+c1C+xX+yY+ΔaA+ΔbB+Δ
cC であるから、整理して下記数式5が得られる。
【0057】
【数5】{a−(a1−Δa)}A+{b−(b1−Δ
b)}B+{c−(c1−Δc)}C→xX+yY+Δ
aA+ΔbB+ΔcC
【0058】右辺の副生したガス状不純物X及び副生し
た固体状不純物Yは乾式精製部8により除去されるの
で、循環しているエッチングガスには、T=(t2−t
1)の時間にΔaA+ΔbB+ΔcCの誤差が蓄積され
ることになる。
【0059】また、分配供給部9内のT=t1直後の化
学種の濃度は、 CA T=t1=a1/(a1+b1+c1) となる。なお、エッチングガスAの総量は、約a1G/
(a1+b1+c1)であり、T=t2時間後には CA T=t2={a1G/(a1+b1+c1)+Δa}/(G
+Δa+Δb+Δc)≒{a1G/(a1+b1+c1)+
Δa}/G である。
【0060】従って、補正量Δaは下記数式6により求
められる。
【0061】
【数6】Δa=G{CA T=t2−a1/(a1+b1
1)}=G(CA T=t2−CA T=t1
【0062】化学種B及びCについても同様に求められ
る。これにより、各エッチングガスの補正量を求めるこ
とができる。
【0063】例えば、望ましいエッチングガスの供給量
をa=500cm3/分、b=500cm3/分、c=1
000cm3/分とし、初期状態(N2で希釈したとき)
でd=4800cm3/分としたときに、CAD=0.9
%,CBD=0.8%,CCD=1.9%であれば、 A:a1≒0.9%×50000cm3/分=450cm3/分 a−a1≒50cm3/分 B:b1≒0.8%×50000cm3/分=400cm3/分 b−b1≒100cm3/分 C:c1≒1.9%×50000cm3/分=950cm3/分 c−c1≒50cm3/分 となる。また、循環運転をした場合、例えば、G=10
0000cm3、t1=0、t2=10000分、CA
T=t2=24%、CB T=t2=21%、CC T=t2=55%とす
ると、 CA T=t1=450/(450+400+950)=25.0% CB T=t1=400/(450+400+950)=22.2% CC T=t1=950/(450+400+950)=52.8% Δa/t2=100000/10000×(0.25−0.24)=0.1cm 3 /分 Δb/t2=100000/10000×(0.222−0.21)=0.12 cm3/分 Δc/t2=100000/10000×(0.528−0.55)=−0.2 2cm3/分 となる。
【0064】従って、qA、qB、及びqCの流量を夫々
2=451.1、b2=400.12、及びc2=94
9.78cm3と新たに設定して、各流量調節器15
a、15b、15cを調整すればよい。
【0065】次に、エッチングガスを循環させている配
管、プラズマチャンバ1、精製部8及び分配供給部9を
大気に開放する必要がある装置運転開始時、メンテナン
ス時、及びウエハ交換時の各動作について説明する。
【0066】装置運転開始時においては、先ず、装置を
立ち上げる際、エッチングガスが供給される装置の内
部、即ちプラズマチャンバ、配管、ポンプ、乾式精製装
置、分配容器の大気又は希釈ガスDを、ボンベ10、1
5のエッチングガスを供給して置換する。このときの各
成分の流量比は、A:B:C=a1:b1:c1である。
なお、大気が混入する置換時のエッチングガス排気は、
循環利用することは好ましくないため、ポンプ31によ
り、別の排気に排出する。充分置換が終わった時点で、
ポンプ31の排気を停止し、エッチングガスの循環を開
始する。また、流量調節器15dの流量qDを調節し、
約(n−1)(a1+b1+c1)の流量にする。なお、
この流量qDは、希釈ガスの流量であるので、(n−
1)(a1+b1+c1)ではなく、(n−1)(a+b
+c)であっても問題はない。
【0067】メンテナンス時の手順においては、先ず、
メンテナンスする部分と隣接した部分を遮断する。例え
ば、メンテナンスする部分がプラズマチャンバ1であれ
ば、プラズマチャンバ1の入口及び出口のバルブ(図示
せず)を閉じる。次に、メンテナンスする部分のガスを
ポンプ31により排出し、必要に応じて大気をメンテナ
ンスする部分に供給する。
【0068】次に、メンテナンスのために開放する。そ
して、メンテナンスの終了後は、大気をポンプ31によ
り排出し、エッチングガス供給部4,5からエッチング
ガスを供給して置換する。このときの各エッチングガス
成分の流量比は、A:B:C=a1:b1:c1である。
なお、エッチングガスのうち、例えばキャリアガスにA
r等の不活性で温暖化係数が小さいガスを利用している
場合は、キャリアガスボンベのエッチングガス供給部5
からメンテナンスした部分にキャリアガスを供給し、再
度ポンプ31によりキャリアガスを排出してからエッチ
ングガスで置換することが望ましい。次に、バルブを開
け、プラズマチャンバ1に隣接した部分とプラズマチャ
ンバ1とを接続し、エッチングガスの循環を開始する。
【0069】ウエハ交換においては、予備室20を介し
てウエハ交換する以下の手順により、大気の混入を防ぐ
ことができる。 ステップ1 大気で置換された予備室20にウエハを入れ、予備室2
0をポンプ31により真空にする。 ステップ2 分配供給部9のガスを予備室20に供給し、プラズマチ
ャンバ1と同じ圧力にする。 ステップ3 プラズマチャンバ1と予備室20とを仕切る仕切り板2
1を開け、ウエハを交換する。 ステップ4 仕切り板21を閉め、予備室20をポンプ31により排
気して真空にする。 ステップ5 予備室20に大気を導入し、ウエハを交換する。以上の
手順により、大気の混入を防ぐことが可能になる。
【0070】なお、エッチングガスのうち、例えばキャ
リアガスにAr等の不活性で温暖化係数が小さいガスを
利用している場合は、ステップ1において、予備室20
をポンプ31により真空にした後、エッチングガスボン
ベ5から予備室20にキャリアガスを供給し、その後再
度予備室20をポンプ31により真空にすることが望ま
しい。
【0071】次に、本発明の実施例において使用する希
釈排ガス精製部8の構成について更に詳細に説明する。
図3は、本実施例の希釈排ガス精製部8を構成する乾式
精製装置90を示す模式的断面図である。
【0072】図3に示すように、乾式精製装置90は、
前段に例えばCaO、ソーダライム、活性炭及びシリカ
ゲル等の吸着剤41を充填した吸着塔42と、後段にミ
クロフィルタ43を具備したフィルタ塔44とから構成
されている。真空ポンプ7からの希釈排ガスが吸着塔4
2に導入されてガス状不純物が除去され、更に後段のフ
ィルタ塔44に導入されることにより、水分及び固体状
不純物等が吸着される。こうして精製された精製ガスが
ポンプ16へと運ばれる。
【0073】なお、図4に示す加圧冷却処理装置を、図
3等により構成される希釈ガス精製部8の前段に配置す
ることもできる。この加圧冷却装置91は、冷却塔62
にガスを加圧して供給するポンプ61、冷媒62aによ
りガスを冷却する冷却塔62及び冷却されたガスを常温
に加熱する温度調節器63により構成されている。真空
ポンプ7からの希釈排ガスが乾式精製部8の乾式精製装
置90に導入される前に、この加圧冷却装置91に導入
され、加圧冷却処理される。これにより、例えば、水
分、CF2及びCF3等のラジカル等を液化又は固体化し
た不純物62bとしてエッチングガスから分離すること
が可能になり、この不純物62bを除去した後の希釈排
ガスを乾式精製部8の乾式精製装置90に供給すること
により、乾式精製装置90の吸着剤41の寿命を延ばす
ことができる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明において
は、従来は部分的にしか再利用できなかったエッチング
ガスの全量を再利用することが可能になり、且つ従来大
型でクリーンルームに導入できなかったエッチングガス
回収装置が不要となる。また、個々のエッチング装置で
利用しているエッチングガスに対応できるため、個々の
エッチング装置に順次導入が可能である。不純物を除去
する精製手段は、エッチング装置の後段にあるため、減
圧環境を維持する必要がなく、効率よく不純物を除去で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る排ガス再利用装置を
示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る排ガス再利用装置を
示す模式図である。
【図3】本発明の実施例の乾式精製装置を示す模式的断
面図である。
【図4】本発明の実施例の加圧冷却処理装置を示す模式
的断面図である。
【図5】従来の真空装置の排気システムを示すブロック
図である。
【図6】図5に示す従来の真空装置の排気システムにお
ける物質収支関係を示す模式図である。
【図7】従来例1の排ガス処理装置を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1;プラズマチャンバ 4、5;エッチングガスボンベ 6、7;真空ポンプ 8;乾式精製部 9;分配供給部 10、10a、10b、10c、11、12、13、1
4、24、25、26、27;配管 15a、15b、15c、15d、15e;流量調節器 16;移送ポンプ 20;予備室 21;仕切り板 22;分析装置 31;排気ポンプ 90;乾式精製装置 115;キャリアガスボンベ qA、qB、qC、qD、qR;流量 X;ガス状不純物 Y;固体状不純物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ反応を行うプラズマチャンバ
    と、このプラズマチャンバにエッチングガスを供給する
    エッチングガス供給部と、前記プラズマチャンバ内のガ
    スを排気する真空ポンプ部と、この真空ポンプ部の排ガ
    スを希釈ガスにより希釈して希釈排ガスを生成する希釈
    排ガス生成部と、前記希釈排ガスを精製して不純物が除
    去された精製ガスを生成する精製部と、前記精製ガスを
    分配して前記プラズマチャンバ及び前記希釈ガス生成部
    に夫々エッチングガス及び希釈ガスとして供給する精製
    ガス分配供給部と、を有し、前記プラズマチャンバにお
    けるプラズマ反応に必要なエッチングガスが前記エッチ
    ングガス供給部及び前記精製ガス分配供給部の双方から
    供給されることを特徴とする排ガス再利用装置。
  2. 【請求項2】 前記精製ガス、前記希釈排ガス及び前記
    プラズマチャンバに供給される総エッチングガスに含ま
    れる各エッチングガスの濃度を測定する濃度測定装置を
    有することを特徴とする請求項1に記載の排ガス再利用
    装置。
  3. 【請求項3】 前記精製ガス分配供給部から前記プラズ
    マチャンバに供給される精製ガス中のエッチングガスA
    の流量をa1、前記エッチングガス供給部から前記プラ
    ズマチャンバに供給されるエッチングガスAの流量をa
    −a1、前記希釈ガスとして精製ガスではなく窒素ガス
    又はアルゴンガスからなる不活性ガスを使用しこれを流
    量dで希釈ガス生成部に供給した場合に前記濃度測定装
    置により測定された希釈排ガス中のエッチングガスAの
    濃度をCADとしたとき、前記プラズマチャンバに供給さ
    れるエッチングガスAの総流量はaであり、a1はa1
    (a+d)×CADであることを特徴とする請求項2に記
    載の排ガス再利用装置。
  4. 【請求項4】 エッチング開始からT=t1時間後の精
    製ガス中のエッチングガスAの濃度をCA T=t1、T=t
    2時間後の精製ガス中のエッチングガスAの濃度をCA
    T=t2とし、前記精製ガスの総量をGとしたとき、エッチ
    ングガスAの補正量Δaは、G(CA T=t2−CA T=t1)で
    あり、エッチングガス供給部から前記プラズマチャンバ
    に供給するエッチングガスAの流量をa−(a1+Δa
    /(t2−t1))とし、前記プラズマチャンバに供給
    される精製ガス中のエッチングガスの流量をa1+Δa
    /(t2−t1)とすることを特徴とする請求項2又は
    3に記載の排ガス再利用装置。
  5. 【請求項5】 プラズマ反応を行うプラズマチャンバに
    エッチングガス供給部からエッチングガスを供給する工
    程と、希釈排ガス生成部にて前記プラズマチャンバの排
    ガスを希釈ガスにより希釈して希釈排ガスを生成する工
    程と、前記希釈排ガスから不純物を除去して精製ガスを
    生成する工程と、前記精製ガスを精製ガス分配供給部に
    供給する工程と、前記精製ガス分配供給部から精製ガス
    の一部をエッチングガスとして前記プラズマチャンバに
    供給すると共に、残部を希釈ガスとして前記希釈排ガス
    生成部に供給する工程とを有することを特徴とする排ガ
    ス再利用方法。
  6. 【請求項6】 前記希釈排ガスに含まれる各エッチング
    ガス濃度を測定する工程を有し、前記希釈排ガス中の各
    エッチングガス濃度から前記エッチングガス供給部から
    のエッチングガス供給量を算出することを特徴とする請
    求項5に記載の排ガス再利用方法。
  7. 【請求項7】 前記精製ガスに含まれる各エッチングガ
    ス濃度を測定する工程を有し、前記精製ガス中の各エッ
    チングガス濃度から前記エッチングガス供給部からのエ
    ッチングガス供給量を算出することを特徴とする請求項
    6に記載の排ガス再利用方法。
  8. 【請求項8】 前記プラズマチャンバに供給される総エ
    ッチングガスに含まれる各エッチングガス濃度を測定す
    る工程を有し、前記総エッチングガス中の各エッチング
    ガス濃度から前記エッチングガス供給部からのエッチン
    グガス供給量を算出することを特徴とする請求項7に記
    載の排ガス再利用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008124216A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Tokyo Electron Ltd 基板処理装置及び該装置の分析方法

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