JP2002151123A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2002151123A
JP2002151123A JP2000347110A JP2000347110A JP2002151123A JP 2002151123 A JP2002151123 A JP 2002151123A JP 2000347110 A JP2000347110 A JP 2000347110A JP 2000347110 A JP2000347110 A JP 2000347110A JP 2002151123 A JP2002151123 A JP 2002151123A
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Japan
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gas
fuel
fuel cell
fuel gas
reformer
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Application number
JP2000347110A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Danno
喜朗 団野
Hiroyasu Suzuki
浩恭 鈴木
Akio Shiratori
彰男 白鳥
Takahiro Nakajima
隆裕 中島
Hiroshi Konuma
浩 小沼
Hidetoshi Yoshinari
秀稔 吉成
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池システム内で燃料ガスの生成量と消
費量とのバランスが崩れても、資源をロスしないように
システムを構築する。 【解決手段】 燃料電池システムはガス供給路36とガ
ス回収路60とにそれぞれ水素センサ90,92を有し
ており、これら水素センサ90,92からECU10に
水素濃度信号Ds,Deが入力されている。また燃料電
池システムはガス供給路36とガス回収路60とに接続
されたガス貯蔵タンク66を有しており、ガスポンプ6
8,70や制御弁72の作動はECU10により制御さ
れている。ECU10は水素濃度信号Ds,Deに基づ
いて燃料ガスの生成量と消費量を求め、これらを互いに
比較した結果、過渡的に生成量の方が多くなった場合は
ガス貯蔵タンク66に燃料ガスを貯蔵させる一方、生成
量の方が少なくなった場合はガス貯蔵タンク66から燃
料ガスを排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料を改質して燃料
ガスを生成し、この燃料ガスを反応させて発電すること
ができる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の燃料電池システムに関する従来
技術は、例えば特開平9−306531号公報に記載さ
れている。この公知の燃料電池システムはその内部に緩
衝用タンクを備えており、その緩衝用タンクは改質器か
ら燃料電池本体に向かうガス供給通路に介在して設けら
れている。そして、公知の燃料電池システムはその燃料
電池の負荷が一時的に増大して必要な燃料ガス量が不足
すると、緩衝用タンク内の燃料ガスを利用して一時的に
ガス供給量を増加させるものとしている。この場合、燃
料電池のガス要求量が増加したのに対し、改質器のガス
生成能力の立ち上げが間に合わない状況にあっても、燃
料ガスの不足分は緩衝用タンクから補償されるものと認
められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の燃
料電池システムの目的は発電に要する資源効率を高め、
また資源の消費により生じる環境負荷を低減することに
ある。このためシステム内で生成された燃料ガスはより
効率的に発電に使用され、またシステム外への燃料ガス
の排出は可能な限り低減されていることが望ましい。
【0004】しかしながら、上述した公知の燃料電池シ
ステムは一時的な電池負荷の増加に伴うガス不足を補償
できる点では有効であるものの、システム内で燃料ガス
が余剰となった場合、これを無駄に排出するおそれがあ
る。具体的には、改質器の過渡特性はガス生成能力の立
ち上がりに応答遅れを有する反面、その低下の場合にも
同様の応答遅れを示す。このため例えば燃料電池の負荷
が急激に低下した場合、改質器のガス生成能力が充分に
低下するまでの間は燃料ガスの供給が過剰となり、多量
の余剰ガスが配管内に排出されることになる。このとき
公知の燃料電池システムは配管内の燃料ガスを還流させ
てガス不足を補うための機能しか有しないため、燃料ガ
スが余剰のときはこの機能が使えず、そのまま配管内の
燃料ガスを改質器に戻す以外に方法がない。一方、改質
器ではガス生成能力を低下させる過程にあるため、多量
の燃料ガスが戻されてきてもこれを燃焼させて熱エネル
ギに利用することができず、単に燃焼または大気に放出
して処分するしかない。
【0005】そこで本発明はシステム内での燃料ガスの
供給が過渡的に過剰となったり、あるいは不足となる場
合にあっても燃料ガスを有効に活用することができる燃
料電池システムの構築を課題としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池システ
ム(請求項1)は、改質装置と燃料電池との間をつなぐ
ガスの供給経路または回収経路に接続されたガス貯蔵装
置を備えており、このガス貯蔵装置はその接続先から燃
料ガスを導入して貯蔵する一方、貯蔵したガスを接続先
に向けて排出することができる。また燃料電池システム
は、改質装置および燃料電池の各作動状態を検出するた
めの手段を備えており、これら検出した各作動状態を互
いに比較した結果に基づいて燃料ガスの貯蔵および排出
を制御するものとしている。なお好ましいシステムの態
様としては、上述したガス貯蔵装置はタンクを含むもの
であってもよい。
【0007】燃料電池はその負荷が増減すると発電量も
同時に増減する特性を有しているが、改質装置における
ガス生成能力の変化には上述のように過渡特性がある。
このため改質装置のガス生成能力が安定化するまでの過
渡期間には、システム内で生成される燃料ガス量と発電
に消費される燃料ガス量との間に過渡的な不均衡が生じ
る。このような不均衡は改質装置におけるガス生成量と
燃料電池におけるガス消費量との差として現れるから、
改質装置の作動状態として例えばガス生成量を検出する
一方、燃料電池の作動状態として例えばガス消費量を検
出し、これらを互いに比較すれば両者間の大小関係とと
もにその差もまた明らかとなる。
【0008】この比較結果に基づいて、例えばガス生成
量の方が大である場合はガス貯蔵装置に燃料ガスを貯蔵
させ、逆にガス消費量の方が大である場合は燃料ガスを
排出させるべく制御すれば、システム内で燃料ガスが余
剰のときはその余剰分を貯蔵しておき、燃料ガスが不足
したときに不足分の燃料ガスを補償することができる。
また両者間の差に応じて燃料ガスの貯蔵量または排出量
を決定すれば、システムの過渡特性に合わせて適切な制
御が可能となる。
【0009】上述したガス貯蔵装置は、燃料ガスの回収
経路に接続されている態様が好ましい(請求項2)。こ
の回収経路には燃料電池での発電に寄与することなく未
反応のまま排出された燃料ガスが流れているため、これ
を貯蔵する態様であれば、システム内での積極的な貯蔵
を目的とした余分な改質作業を行う必要がない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態として
は、例えば電気自動車用の電源に燃料電池システムを適
用したものを挙げることができる。ただし本発明の適用
が車両のみに限定されるものではない。図1は、本発明
の燃料電池システムを搭載した燃料電池車1を示してい
る。この燃料電池車1は走行用モータ2の駆動力により
走行し、その電力を主に燃料電池システムから得ること
ができる。
【0011】具体的には、燃料電池車1のフロア下には
改質装置4や燃料電池スタック6,燃料タンク8,電子
制御ユニット(ECU)10等の機器類が搭載されてお
り、これら機器類を有機的に結合して本発明の燃料電池
システムの構成が具現されている。また燃料電池車1は
燃料電池システムの他に出力補助用として二次電池12
を装備しており、この二次電池12は充電制御装置13
を備えている。
【0012】上述した走行用モータ2の出力はモータ制
御装置14により制御されており、燃料電池スタック6
と二次電池12とはそれぞれコンタクタ15,16を介
してモータ制御装置14に接続されている。また燃料電
池車1はそのフロントノーズ部にラジエータ18を備え
ており、このラジエータ18は主に燃料電池スタック6
の冷却に使用される。その他、燃料電池車1は補器19
をも装備している。
【0013】図2は燃料電池車1における燃料電池シス
テムの構成をより具体的に示している。改質装置4は蒸
発部20と改質部22とCO処理部24とを一体的に備
えており、その蒸発部20に対し燃料タンク8から燃料
供給路26を通じて改質用燃料(例えばメタノール)が
供給される。なお燃料供給路26の途中には燃料供給ポ
ンプ28が介挿されており、その出口には燃料噴射弁
(図示していない)が設けられている。また蒸発部20
にはプロセス水供給路30を通じてプロセス水が供給さ
れており、このプロセス供給路30の出口にも水噴射弁
(図示していない)が設けられている。
【0014】蒸発部20で蒸発された燃料およびプロセ
ス水は改質部22で改質反応に供され、ここで燃料ガス
としての水素が生成される。なお改質部22には空気供
給路32を通じて空気(酸素)が供給されており、その
空気は例えば、外気からエアポンプ34により圧送され
ている。また改質部22で生成された燃料ガスはCO処
理部24にて一酸化炭素分を取り除く処理を受けた後、
ガス供給路36を通じて燃料電池スタック6に供給され
る。
【0015】燃料電池スタック6はその燃料極38に燃
料ガスの供給を受ける一方、空気極40には空気の供給
を受ける。上述した空気供給路32中、空気極40の手
前には加湿器42が介挿されており、この加湿器42に
もプロセス水供給路30が分配して接続されている。燃
料電池スタック6により発電された電力は、その両極3
8,40から上述したコンタクタ15を通じてモータ制
御装置14や二次電池12等の電機系に向けて出力され
る。各セルで水素と酸素との反応により生成された水は
水回収路46を通じて集められ、水タンク48に回収さ
れる。回収された水は水タンク48から水ポンプ50に
より圧送され、イオン交換樹脂52を介して上述したプ
ロセス水供給路30に送出される。また燃料電池スタッ
ク6には上述したラジエータ18を含む冷却水路54が
接続されており、冷却水は冷却水ポンプ56により冷却
水路54を通じて循環されている。
【0016】燃料電池スタック6の両極38,40には
それぞれガス回収路60a,60bが接続されており、
これらガス回収路60a,60bは例えば一系統に合流
し、集合のガス回収路60を形成して改質装置4まで延
びている。改質装置4には回収された燃料ガスを燃焼さ
せるための燃焼部62が一体的に形成されており、この
燃焼部62は燃焼触媒を有している。
【0017】燃料電池スタック6において各セルでの反
応に供されず、燃料極38から未反応のまま排出された
燃料ガスはガス回収路60aを通じて回収される。同様
に空気極40を通過した酸素もまたガス回収路60bを
通じて回収される。本実施形態の燃料電池システムで
は、例えば燃料電池スタック6から回収した応燃料ガス
を燃焼部62に供給して燃焼させることにより、改質装
置4でのガス生成に必要となる熱量を発生させるガス処
理を行っている(ガス処理装置)。なお燃料ガスの処理
方法は燃焼のみに限られるものではない。
【0018】またガス供給路36およびガス回収路60
にはそれぞれ途中に分岐通路64,65を介してガス貯
蔵タンク66が接続されている。分岐通路64,65に
はそれぞれガスポンプ68,70が介挿されており、ま
たこれらガスポンプ68,70とガス貯蔵タンク66と
の間にそれぞれ制御弁72,74が介挿されている。ガ
スポンプ68,70は分岐通路64,65の接続先であ
るガス供給路36またはガス回収路60内を流れる燃料
ガスを引き込み、これをガス貯蔵タンク66に向けて圧
送する。ガス貯蔵タンク66は圧送された燃料ガスをそ
の内部に圧縮して貯蔵することができる。
【0019】更にガス貯蔵タンク66には複数の吐き出
し先が用意されており、具体的にはガス貯蔵タンク66
にはガス供給路36およびガス回収路60にそれぞれ繋
がる排出通路80,82が接続されている。また、これ
ら排出通路80,82にはそれぞれ制御弁84が介挿さ
れており、個々の制御弁84により排出通路80,82
の開閉が切り換え可能となっている。個々の制御弁84
が開かれると、ガス貯蔵タンク66はその接続先である
ガス供給路36やガス回収路60に向けて燃料ガスを排
出することができる。
【0020】ガス供給路36への排出通路80に代えて
改質装置4の改質部22にガスを排出するための通路7
8を用いてもよく、この場合も同様にガス貯蔵タンク6
6から排出された未反応水素はガス供給路36に導かれ
て燃料電池スタック6に供給される。このプロセスには
水素が改質装置4内を通ることでその温度や湿度が最適
化されるという利点がある。
【0021】なおガス貯蔵タンク66やガスポンプ6
8,70等は、例えば上述した補器19のためのスペー
スに収容することができる。またガス供給路36とガス
回収路60とに繋がる排出通路80,82はそれぞれ分
岐通路64,65よりも下流側に接続されている。また
本実施形態ではガス回収路60中に燃料電池スタック6
の空気極40から排出された空気(酸素)もまた混入し
ているため、その中から水素のみを分離するための水素
分離装置86が分岐通路65の途中に介挿されている。
水素分離装置86は例えば水素分離膜を備えており、水
素分離膜はガスポンプ70により圧送される燃料ガス中
の水素のみを通過させ、このとき燃料ガスを純水素化す
る。水素分離装置86は水素を取り除いた後のガスを通
路86a内に排出し、この排出ガスは通路86aを経て
ガス回収路60に戻される。なお水素分離装置86は分
岐通路65ではなく、その上流のガス回収路60に介挿
されていてもよい。
【0022】また、分岐通路65はガス回収路60aに
接続されていてもよく、この場合、水素分離装置を設け
なくてもよい。ただし水素分離装置を設けた場合はCO
2などが除去できるのでガス貯蔵タンク66の効率的な
利用ができる。燃料電池システムの電子制御ユニット
(ECU)10はシステム内のガスポンプ68,70お
よび制御弁72,74,84の作動を制御する機能を有
している。また図2には示されていないが、ECU10
は燃料供給ポンプ28やエアポンプ34,水ポンプ50
等の作動を制御することもでき、また燃料噴射弁および
水噴射弁の駆動を制御して蒸発部22への燃料供給量お
よび水供給量を正確に制御することができる。
【0023】燃料電池システムには各種のセンサ類が設
けられている。センサ類には例えば燃料電池スタック6
の発電電流値を検出する電流センサ88があり、この電
流センサ88は検出した発電電流値信号AbをECU1
0に出力する。またガス供給路36および燃料電池スタ
ック6には、それぞれ水素センサ90,92が設けられ
ている。より詳しくは、一方の水素センサ90は改質装
置4の出口近傍に設けられており、この水素センサ90
はガス供給路36を流れる燃料ガス中の水素濃度を検出
し、その水素濃度信号DsをECU10に出力する。他
方の水素センサ92は、燃料電池スタック6の燃料極3
8に繋がるガス回収路60に設けられており、この水素
センサ92は排出ガス中の水素濃度を検出し、その水素
濃度信号DeをECU10に出力する。
【0024】以上が本発明の燃料電池システムを燃料電
池車1に搭載した場合の実施形態である。燃料電池シス
テムのECU10は、燃料電池車1の運転中において燃
料ガスのガス貯蔵タンク66への貯蔵とそこからの排出
を行う作動を制御することができる。
【0025】
【実施例】以下に燃料電池システムにおけるECU10
の制御機能について具体的な実施例を挙げて説明する。
図3は燃料電池車1の運転中にECU10が実行するこ
とができるガス制御ルーチンのフローチャートを示して
いる。
【0026】先ずガス制御ルーチンのステップS1でE
CU10は、上述した各種センサ類から入力されるセン
サ信号等の情報を読み込む。そしてECU10は次にス
テップS2に進み、ここで読み込み済みの情報に基づい
て改質装置4および燃料電池スタック6の作動状態をそ
れぞれ検出する。具体的には、ECU10は水素センサ
90からの水素濃度信号Dsに基づいて燃料ガスの生成
量を算出する(改質作動状態検出手段)。またECU1
0は発電センサ88からの発電電流値信号Abに基づい
て燃料電池スタック6の発電量を求め、その発電に要し
た燃料ガスの消費量を算出する。あるいはECU10
は、2つの水素センサ90,92からの水素濃度信号D
s,Deの出力差に基づいて燃料ガスの消費量を算出す
ることもできる(燃料電池作動検出手段)。
【0027】ECU10は次にステップS3に進み、こ
こで各作動状態を互いに比較する。本実施例の場合、E
CU10は燃料ガスの生成量と消費量とを大小比較し、
例えば生成量が消費量よりも大きいか否かを判断する。
いま、燃料電池車1の定常走行中に運転者がアクセルペ
ダルの踏み込みを解除して車両を減速走行に移行させた
とき、その時点で燃料電池スタック6は無負荷となり、
燃料ガスの消費量は急減(=0)する。このとき改質装
置4は制御上、ガス生成量の目標値を低下させているも
のの、実際の応答が遅れている分だけ燃料ガスの生成量
はその消費量を上回る。この場合、ECU10はステッ
プS3での判断を肯定(Yes)し、次にステップS4
に進む。ステップS4以降の手順では、ECU10はシ
ステム内の燃料ガスをガス貯蔵タンク66に貯蔵させる
制御を実行する。
【0028】先ずステップS4でECU10は燃料ガス
の貯蔵時間を決定する。この貯蔵時間は、改質装置4の
ガス生成能力が低下するまでガス貯蔵タンク66に燃料
ガスを取り込むための時間として規定されている。具体
的には、ECU10はこれまでに検出した燃料ガスの生
成量と消費量との差に応じて貯蔵時間を決定することが
できる。このとき両者の差が大きければ、余剰ガスの量
も多いと考えられるため、それだけ貯蔵時間を延長する
必要がある。逆に差が小さければ貯蔵時間を短縮しても
よい。なお、ECU10は予め改質装置4において改質
反応が定常化するまでの所要時間(例えば30秒程度)
を記憶しておくことができ、この所要時間を基礎として
具体的に貯蔵時間を決定することが好ましい。
【0029】ステップS4で貯蔵時間を決定するとEC
U10はステップS5に進み、ここでガスポンプ68,
70を作動させるとともに制御弁72,74を開弁させ
る。この結果、ガス供給路36とガス回収路60からガ
ス貯蔵タンク66に燃料ガスが取り込まれる。なお、こ
のときECU10はガスポンプ70のみを作動させ、ガ
ス回収路60内の燃料ガスだけを取り込ませる態様であ
ってもよい。
【0030】次にECU10はステップS6に進み、上
述の貯蔵時間が経過するまで(No)ステップS5を繰
り返す。ステップS6で貯蔵時間が経過すると(Ye
s)、ECU10はステップS6からステップS7に進
み、燃料ガスの貯蔵を停止する。具体的には、ECU1
0はガスポンプ68,70の作動を停止させ、また制御
弁72,74を閉弁させる。
【0031】減速による発電負荷の変化発生後、改質装
置4の水素生成能力が充分に低下するまでの間、すなわ
ち燃料ガスの貯蔵時間内は改質装置4の水素発生量が時
間とともに変化するので、より望ましくはガスポンプ6
8,70を可変能力型のものとし、時間の経過とともに
これらの能力を変化させてもよい。このときポンプ能力
の変化は予めプログラムされたパターンに従って制御さ
れるものでもよいし、改質装置4の運転状態と燃料電池
スタック6の発電負荷状態とを比較した結果に応じて制
御されるものでもよい。
【0032】以上のように車両を減速走行へ移行させる
場合は通常、ステップS3の判断が肯定(Yes)とな
り、ECU10はシステム内で余剰の燃料ガスを貯蔵さ
せる制御を行う。これに対し加速走行への移行の場合は
ステップS3の判断が否定(No)となり、貯蔵させた
燃料ガスを排出させる制御を行う。以下にその具体的な
制御手順を説明する。
【0033】例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込
んで車両の加速を要求すると、燃料電池スタック6への
負荷が急増する。図1には示されていないが、燃料電池
車1にはアクセルポジションセンサが設けられており、
そのセンサ信号APSはECU10にも入力されてい
る。この場合、ガス制御ルーチンのステップS1でEC
U10はセンサ信号APSを読み込み、次のステップS
2でセンサ信号APSに基づいて燃料電池スタック6に
対する負荷を検出することができる。
【0034】なおステップS2では、ECU10は減速
の場合と同様に水素濃度信号Dsに基づいて燃料ガスの
生成量を検出する。一方、燃料電池スタック6の負荷と
そのとき必要な燃料ガスの消費量との関係は予め明らか
であるから、ECU10は検出した負荷に基づいて燃料
ガスの必要消費量を求めることができる(燃料電池作動
検出手段)。
【0035】ECU10がステップS3で燃料ガスの生
成量と必要消費量とを互いに比較すると、改質装置4の
ガス生成能力が充分に立ち上がるまで過渡的に生成量が
必要消費量を下回る。従ってステップS3での判定が否
定(No)となり、ECU10はステップS8に進む。
ステップS8に進むと、ECU10は燃料ガスの排出時
間を決定する。この排出時間は改質装置4のガス生成能
力が立ち上がるまでガス貯蔵タンク66から燃料ガスを
排出するための時間として規定されている。上述した貯
蔵時間の場合と同様に、排出時間は例えば生成量と必要
消費量との差に基づいて決定することができる。
【0036】改質装置4の能力の立ち上がりの経過に伴
って改質装置4のガス生成量が変化するので、より望ま
しくはガス貯蔵時と同様に制御弁84を可変流量型のも
のとし、時間の経過ととともに時間あたりの排出量を変
化させてもよい。このとき制御弁84による排出流量の
変化は予めプログラムされたパターンに従って制御され
るものでもよいし、あるいは改質装置4の運転状態と燃
料電池スタック6の発電負荷状態とを比較した結果に応
じて制御されるものでもよい。
【0037】ステップS8で排出時間を決定するとEC
U10はステップS9に進み、ここで制御弁84を開弁
させる。制御弁84が開かれると、ガス貯蔵タンク66
から各排出通路80,82を通じて燃料ガスが排出され
る。この結果、排出された燃料ガスは燃料電池スタック
6,燃焼部62に供給される。なお、このときECU1
0が燃料電池スタック6か燃焼部62かの何れに燃料ガ
スを供給するべきかを個別に判断し、対応する制御弁8
4のみを選択的に開弁させる態様も好ましい。その個別
に具体的な態様としては、例えば以下の例が挙げられ
る。
【0038】燃料ガスを燃焼部62に供給すれば、改質
装置4での改質反応に利用される熱量を増大させてその
生成能力の立ち上げを促進することができる。また、加
速時により多くの燃料ガスを燃料電池スタック6に供給
すれば、改質装置4でのガス生成能力が立ち上がるまで
の間に発電に必要な燃料ガスを補償することができる。
【0039】従って、上記の何れかの状況が認められる
とECU10が判断したとき、ECU10が各個別に対
応する制御弁84を開弁させてもよい。ECU10はス
テップS10に進み、上述の排出時間が経過するまで
(No)ステップS9を繰り返す。ステップS10で貯
蔵時間が経過すると(Yes)、ECU10はステップ
S10からステップS11に進み、燃料ガスの排出を停
止する。この場合、ECU10はステップS9で開かせ
た制御弁84を閉弁させる。
【0040】上述のように燃料電池車1の走行状態の変
化に応じて改質装置4と燃料電池スタック6の作動状態
がそれぞれ変動すると、ECU10は検出した各作動状
態を比較し、その結果に基づいて燃料ガスの貯蔵・排出
を制御する(ガス制御手段)。その結果、システム内で
の燃料ガスの生成量と消費量とが過渡的にバランスしな
い状況にあっては、余剰ガスが生じた場合はこれをガス
貯蔵タンク66に貯蔵し、一方、ガス不足が生じるとガ
ス貯蔵タンク66から燃料ガスを排出させて速やかに不
足分を補償することができる。また、本実施例のように
各作動状態を比較した結果に基づいて貯蔵時間または排
出時間、更に望ましくは時間あたりの貯蔵量や排出量を
決定して制御していれば(ステップS4〜S7,ステッ
プS8〜S11)、改質装置4の作動が定常化するまで
システムが不安定となるのを有効に防止することができ
る。
【0041】なお本実施形態では燃料電池スタック6の
下流側、つまりガス回収路60から分岐通路65を通じ
て燃料ガスを貯蔵しているため、システム内で余剰とな
る燃料ガスを効率的に貯蔵することができる。すなわ
ち、燃料電池システム内では通常、燃料電池スタック6
の故障を防止するため電池負荷に対応した必要量よりも
多めに燃料ガスが供給されている。このため、供給され
た燃料ガスの一部は燃料電池スタック6での反応に供さ
れることなく排出されるので、特にシステム内で積極的
に貯蔵を目的とした余分な改質作業を行う必要がなく、
回収した余剰ガスを蓄えておくことで容易にガス不足の
補償に備えることができる。
【0042】なお、図3のガス制御ルーチンは一例とし
て挙げたものであり、適宜にそのステップの内容や手順
を書き換えてECU10の制御機能を発揮させることも
可能である。例えば、ガス制御ルーチンのステップS3
での判断は水素濃度信号Deに基づいて行う態様であっ
てもよい。この場合、ガス回収路60内での水素濃度が
ある上限値を超えるとECU10はステップS3の判断
を肯定(Yes)し、逆に水素濃度が下限値を下回ると
ステップS3の判断を否定(No)する。また貯蔵・排
出時間や時間あたりの貯蔵量・排出量は水素濃度に基づ
いて決定される態様であってもよい。また貯蔵時間や排
出時間を決定するのではなく、単位時間毎にガス生成量
とガス消費量とにより貯蔵または排出を行うようにして
もよい。
【0043】その他、ガス回収路60内で水素濃度を検
出する代わりに、ガス流速を検出してガス生成量を求め
ることもできる。あるいは、改質装置4に対して既に供
給された燃料およびプロセス水の量を計測しておき、そ
の供給量に基づいてガス生成量を求めることもできる。
なお、図2の一実施形態では、ガス貯蔵装置として容積
圧縮型のガス貯蔵タンク66を例示しているが、これに
代えて例えば水素吸蔵合金を用いたり、あるいは、蓄圧
容器中に活性炭等の水素吸着剤を備えたものを用いるこ
ともできる。
【0044】また、一実施形態では未反応燃料ガスを純
水素化するために水素分離装置86を使用しているが、
例えば、回収したガスを燃料電池スタック6に供給しな
い態様の場合、特に水素分離装置86は不要である。そ
の他、本発明の燃料電池システムは一実施形態に限られ
ず、個々の構成要素は各種の均等手段等で置き換え可能
であることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】本発明の燃料電池システム(請求項1)
によれば、燃料ガスの生成と消費に関し、これらの間の
量的な不均衡を解消させる方向にシステムは安定とな
る。また燃料電池の下流側で燃料ガスを貯蔵しているた
め(請求項2)、余剰ガスの貯蔵が効率的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムを燃料電池車に搭載
した実施形態を表す概略図である。
【図2】燃料電池システムの具体的な構成を示した概略
図である。
【図3】一実施例として実行されるガス制御ルーチンの
フローチャートである。
【符号の説明】
4 改質装置 6 燃料電池スタック 8 燃料タンク 10 ECU 36 ガス供給路(供給経路) 60 ガス回収路(回収経路) 62 燃焼部 66 ガス貯蔵タンク 68,70 ガスポンプ 78,80,82 排出通路(排出経路) 84 制御弁 88 電流センサ 90,92 水素センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩恭 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 白鳥 彰男 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 中島 隆裕 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 小沼 浩 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社汎用機・特車事業本部内 (72)発明者 吉成 秀稔 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社汎用機・特車事業本部内 Fターム(参考) 5H027 AA02 BA01 BA13 MM08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改質装置により生成した燃料ガスを燃料
    電池に供給し、前記燃料ガスの反応を通じて電力を発生
    させる燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池から排出された燃料ガスを回収し、その処
    理を行うガス処理装置と、 前記改質装置から前記燃料電池へ燃料ガスを供給する供
    給経路および前記燃料電池から排出された燃料ガスを前
    記ガス処理装置へ送る回収経路の少なくとも一方に接続
    され、その接続先から燃料ガスを導入して貯蔵する一
    方、この貯蔵した燃料ガスを前記接続先に向けて排出可
    能なガス貯蔵装置と、 前記改質装置の作動状態を検出する改質装置作動検出手
    段と、 前記燃料電池の作動状態を検出する燃料電池作動検出手
    段と、 前記改質装置作動検出手段および前記燃料電池作動検出
    手段により検出された前記各作動状態を互いに比較し、
    その結果に基づいて前記ガス貯蔵装置による燃料ガスの
    貯蔵および排出を制御するガス制御手段とを具備したこ
    とを特徴とする燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記ガス貯蔵装置は前記回収経路に接続
    されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池
    システム。
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