JP2002150988A - パターン検査装置 - Google Patents

パターン検査装置

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JP2002150988A
JP2002150988A JP2000339405A JP2000339405A JP2002150988A JP 2002150988 A JP2002150988 A JP 2002150988A JP 2000339405 A JP2000339405 A JP 2000339405A JP 2000339405 A JP2000339405 A JP 2000339405A JP 2002150988 A JP2002150988 A JP 2002150988A
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irradiation
charged particle
particle beam
pattern
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English (en)
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Chie Shishido
千絵 宍戸
Maki Tanaka
麻紀 田中
Tomohiro Kuni
朝宏 久邇
Masahiro Watanabe
正浩 渡辺
Takashi Hiroi
高志 広井
Yasushi Miyai
裕史 宮井
Yasuhiko Nara
安彦 奈良
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャージアップの影響を受ける虞れがなく、
常に高精度の検査結果が容易に得られるようにしたパタ
ーン検査装置を提供すること。 【解決手段】 荷電粒子線によるパターン検査の前準備
の過程で、各検査対象物別に荷電粒子線の照射済み位置
情報を含む照射履歴を既照射情報として記憶し、前準備
の後に実行される本番のパターン検査に際して、前記既
照射情報を用いることにより、検査対象物の検査領域の
中で既に荷電粒子線の照射を受けていた領域と、そうで
ない領域とが明確に区別できるように、例えば図示のよ
うに、×印を付すようにして、チャージアップの影響が
避けられるようにしたもの。 【効果】 ユーザーはチャージアップ箇所を容易かつ正
確に把握できるようになり、チャージアップ箇所を別扱
いするための手間が大幅に低減できることとなり、ひい
ては、検査結果の信頼性が向上する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハや
配線回路基板、液晶基板、磁気ヘッドなどにおける回路
パターンを検査する装置に係り、特に荷電粒子線により
検査対象物の画像を得、その画像と参照画像の比較によ
り欠陥検出を行うパターン検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェーハ(ウエハ)、回路基板、液
晶基板、磁気ヘッドなどパターン(回路パターン)を有す
る素子や装置の製造プロセスにおいては、それらに形成
したパターンを検査する工程が必要であるが、このとき
の検査装置として、近年、電子線を用いたパターン比較
検査装置が使用されるようになっている。
【0003】例えば特開平5−258703号公報で
は、通常の走査型電子顕微鏡(SEM)の100倍以上
(10nA以上)の電子線電流値をもった電子線を基板に
照射し、これにより発生する二次電子・反射電子・透過
電子のいずれかを検出して信号を取り出し、その信号に
よって形成させた画像を比較検査することにより、欠陥
を自動検出する方法について開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、荷電
粒子線の照射による検査対象物のチャージアップについ
て配慮がされておらず、検査の信頼性向上に問題があっ
た。以下、この点について説明すると、まず、ここでい
う対象物(検査対象物)のチャージアップ(帯電化)とは、
荷電粒子線を用いたパターン検査装置に固有な問題であ
るといえる。
【0005】例えば対象物に電子線を照射し、そこから
発生する二次電子を検出してパターンを検査する場合、
電子線の照射により対象物がチャージアップするが、こ
のとき、対象物に与えられる電荷よりも、対象物から放
出される二次電子の方が少なければ、対象物は負にチャ
ージアップし、反対に、対象物が発生する二次電子の方
が多ければ、対象物は正にチャージアップする。
【0006】ここで、対象物が導電体の場合は、それが
固定されたホルダーなどを介して電荷を逃がすことがで
きるから、チャージアップは起こらず、従って、このこ
とは特に問題にならない。しかし、対象物が絶縁体の場
合は電荷の逃げ場がなく、チャージアップが不可避で、
しかも、対象物としては、一般的に絶縁体の場合の方が
多い。
【0007】このときのチャージアップの程度は、電子
光学系の条件や、対象物の材質などによって異なるが、
何れにしろチャージアップが起こると、二次電子の発生
量が変化してしまう。この結果、取得される画像の明る
さが変動したり、電子線が正しい位置に照射されなくな
るので、画像に幾何学的な歪みが生じ、実際の形状とは
異なった電子線画像が得られたりしてしまうことにな
る。
【0008】しかも、ここで対象としている比較検査の
場合、基本的には、検査対象の画像を基準画像と比較
し、画像間で差異が大きな箇所を欠陥と判定するもので
あるから、このとき一方の画像の明るさが変動したり、
形状が異なっていれば、直ちに欠陥ありと誤判定されて
しまう事態の発生が避けられず、結果として、検査結果
には、真の欠陥以外にもチャージアップに起因する虚報
が大量に含まれてしまうことになる。
【0009】一方、このようなチャージアップに起因す
る虚報を避けるため、検査感度を下げたとすると、今度
は、真の欠陥までも検出不可能になってしまう事態とな
り、何れにしろ信頼性の高い検査は望めなくなる。
【0010】ところで、このような荷電粒子線を用いた
検査装置の場合、実際の検査(本番の検査という)に先立
って、予め電子光学系の調整や条件設定、画像処理の条
件出しを行なう必要があるが、このとき、これらの条件
設定が適正になされていることを確認するため、検査対
象である基板の極く一部の領域を検査してみるという、
いわゆる試し検査と呼ばれる処理を行なうのが一般的で
ある。この試し検査も含めて、本番の検査に移行する前
に必要な処理のことを、ここでは前準備と呼ぶ。
【0011】そして、この前準備により、電子光学系や
画像処理の条件が適正であると確認された後、本番の検
査を開始するのであるが、しかし、チャージアップが激
しい対象物の場合、電子光学系の調整や条件設定、画像
処理の条件出し、試し検査という一連の作業中、電子線
が照射された箇所は既にチャージアップしている可能性
が高く、こうした箇所を含めて本番の検査を行えば、虚
報が大量に発生してしまう。
【0012】しかるに、従来技術では、このようなチャ
ージアップによって発生する事態にについて配慮がされ
ておらず、従って、検査の信頼性向上に問題が生じてし
まうのである。本発明の目的は、チャージアップの影響
を受ける虞れがなく、常に高精度の検査結果が容易に得
られるようにしたパターン検査装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子線式回路
パターン検査チャージアップしている箇所とチャージア
ップしていない箇所とを同等に扱うのには無理があり、
これらを分けて扱うのが現実的である点に鑑みて成され
たものである。
【0014】従って、本発明によれば、まず、上記目的
は、検査対象物に荷電粒子線を照射し、当該検査対象物
に形成されているパターンを各検査対象領域毎に検査す
る方式のパターン検査装置において、本番のパターン検
査に先立って実行される前準備段階で、前記検査対象領
域毎の荷電粒子線による照射履歴を既照射情報として記
憶し、本番のパターン検査に際して、前記検査対象領の
中で既に荷電粒子線が照射された領域と照射を受けなか
った領域の区別が、前記既照射情報に基づいて与えられ
るようにして達成される。
【0015】このとき、前記前準備段階が、焦点調整処
理、非点収差調整処理、位置決めマークの検出処理、荷
電粒子線照射強度の調整処理、検査感度の調整処理、検
査領域の設定処理、試し検査処理の中の少なくとも1の
処理を含むようにしてもよい。
【0016】次に、上記目的は、検査対象物に荷電粒子
線を照射し、当該検査対象物に形成されているパターン
を各検査対象領域毎に検査する方式のパターン検査装置
において、本番のパターン検査に先立って実行される前
準備段階で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照
射履歴を既照射情報として記憶し、前記検査対象領域の
中で既に荷電粒子線が照射された領域と照射を受けなか
った領域が、前記既照射情報に基づいて区別され、ユー
ザーインターフェース画面上で区別された状態で表示さ
れるようにしても達成される。
【0017】このとき、前記ユーザーインターフェース
画面上での表示が、検査対象物である基板別の表示と照
射日時別の表示、照射目的別の表示、照射回数別の表
示、照射強度別の表示、基板のドーズ量別の表示、ディ
スチャージ処理別の表示、プリチャージ処理別の表示の
中のすくなくとも1の表示であり、前記ユーザーインタ
ーフェース画面上での表示の形態が、基板上の位置を示
すマップ上での表示形態と一覧表による表示形態の少な
くとも一方であるようにしてもよい。
【0018】また、上記目的は、検査対象物に荷電粒子
線を照射し、当該検査対象物に形成されているパターン
を各検査対象領域毎に検査する方式のパターン検査装置
において、本番のパターン検査に先立って実行される前
準備段階で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照
射履歴を既照射情報として記憶し、前記検査対象領域の
中で既に荷電粒子線が照射された領域と照射を受けなか
った領域が前記既照射情報に基づいて区別され、区別さ
れた領域毎に異なった検出感度に調整されるようにして
も達成される。
【0019】このとき、前記異なった検出感度の調整
が、前記荷電粒子線の照射強度或いは前記検査対象物か
ら発生する信号の検出感度を検査箇所のチャージアップ
の程度ないし検査箇所への荷電粒子線の照射がn回目で
あるかm回目であるかに応じて変化させる方法と、前記
画像を比較する際の画像間の差異に対する許容限度を検
査箇所のチャージアップの程度ないし検査箇所への荷電
粒子線の照射がn回目であるかm回目であるかに応じて
変化させる方法、それに前記比較結果から回路パターン
の欠陥を判別する際の判別レベルを検査箇所のチャージ
アップの程度ないし検査箇所への荷電粒子線の照射がn
回目であるかm回目であるかに応じて変化させる方法、
の少なくとも1の方法であるようにしてもよい。
【0020】同じく、上記目的は、検査対象物に荷電粒
子線を照射し、当該検査対象物に形成されているパター
ンを各検査対象領域毎に検査する方式のパターン検査装
置において、本番のパターン検査に先立って実行される
前準備段階で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による
照射履歴を既照射情報として記憶し、前記検査対象領の
中で既に荷電粒子線が照射された領域での検査結果と照
射を受けなかった領域での検査結果が前記既照射情報に
基づいて区別され、区別された各検査結果が独立して出
力されるようにしても達成される。
【0021】このとき、前記検査結果は、前記荷電粒子
線の照射回数別に分けられているようにしてもよい。
【0022】また、上記目的は、検査対象物に荷電粒子
線を照射し、当該検査対象物に形成されているパターン
を各検査対象領域毎に検査する方式のパターン検査装置
において、本番のパターン検査に先立って実行される前
準備段階で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照
射履歴を既照射情報として記憶し、前記検査対象領の中
で既に荷電粒子線が照射された領域と照射を受けなかっ
た領域が、前記本番のパターン検査における検査領域の
指定に際して、前記既照射情報に基づいて相互に区別し
て指定されるようにしても達成される。
【0023】このとき、前記検査領域の指定における区
別が、前記検査領域を指定をする画面上に、当該検査対
象物、或いは他の対象物のチャージアップ箇所ないし既
走査箇所を表示する方法と、前記既表示箇所と同一箇所
或いは等価な箇所を検査対象物の検査領域として指定す
るユーザーインターフェースを提供する方法、前記表示
箇所と同一箇所或いは等価な箇所を検査対象物の検査領
域から排除するユーザーインターフェースを提供する方
法、指定した検査領域に検査対象基板のチャージアップ
箇所或いは既走査箇所が含まれているときにアラームを
出す方法、少なくとも1の方法であるようにしてもよ
い。
【0024】更に、上記目的は、検査対象物に荷電粒子
線を照射し、当該検査対象物に形成されているパターン
を各検査対象領域毎に検査する方式のパターン検査装置
において、本番のパターン検査に先立って実行される前
準備段階で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照
射履歴を既照射情報として記憶し、前記検査対象領域の
中で既に荷電粒子線が照射された領域と照射を受けなか
った領域が、前記既照射情報に基づいて区別され、本番
のパターン検査における前記荷電粒子線の照射位置が、
前記区別された領域毎に調整されるようにしても達成さ
れる。
【0025】このとき、前記照射位置の調整は、前記荷
電粒子線の照射によるチャージアップの大きさから予測
される荷電粒子線の照射位置のずれをうち消すように与
えらえるようにしてもよい。
【0026】上記手段によれば、基板上のどの位置が既
に電子線が照射された箇所でチャージアップしている可
能性があるということを検査装置の操作画面上に表示
し、どの領域がチャージアップ箇所として扱うべきかを
装置ユーザーに知らしめることができる。
【0027】同じく上記手段によれば、既に電子線を照
射された箇所、すなわちチャージアップしている可能性
がある箇所とそうでない箇所とを異なった検査感度で検
査することができる。
【0028】また、上記手段によれば、既に電子線を照
射された箇所、すなわちチャージアップしている可能性
がある箇所とそうでない箇所の検査結果を別々に出力す
ることができる。
【0029】更に、上記手段によれば、検査装置のユー
ザーが検査対象基板の検査領域を指定する際に、既に電
子線を照射された箇所、すなわちチャージアップしてい
る可能性がある箇所を表示するとともに、既に電子線を
照射された箇所とそうでない箇所とを別扱いしやすくす
るためのユーザーインターフェースを提供することがで
きる。
【0030】同じく、上記手段によれば、既に電子線を
照射された箇所、すなわちチャージアップしている可能
性がある箇所については、チャージアップによる電子線
の照射位置のずれを予測し、このずれをうち消すように
照射位置を制御することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるパターン検査
装置について、図示の実施の形態により詳細に説明す
る。図1は、本発明の実施形態が対象としているパター
ン検査装置の一例で、図において、10は荷電粒子光学
系(荷電粒子線鏡筒)で、この中に荷電粒子線源14が設
けてあり、これから放射された荷電粒子線は、非点収差
補正器60と磁界形のビーム偏向器15、磁界形の対物
レンズ18を通って試料20上に焦点を結ぶように構成
されている。
【0032】試料20は検査対象となる基板のことで、
試料台21上に載置されるが、この試料台21は更にス
テージ46上に設置され、X−Y(縦軸−横軸)方向に移
動可能に保持されている。そして、このステージ46
は、全体制御部26により、ステージ制御手段50を介
して制御されるが、このとき、高さ検出センサ13によ
り試料20の高さ(表面の位置)が検出される。
【0033】そこで、焦点制御装置22は、この高さ検
出センサ13から与えられる高さ信号に基づいて対物レ
ンズ18による磁界の強さを制御し、荷電粒子線の焦点
が試料20上に結ばれるように、焦点合わせをする。
【0034】このとき、ステージ46として、X−Y方
向だけではなく、さらにZ(高さ)方向にも移動可能なス
テージを用い、焦点位置制御手段22による焦点位置の
直接制御に代えて、ステージ46の高さを制御するよう
にしてもよい。
【0035】偏向制御手段47は、偏向器15に供給す
るための偏向信号を発生するが、このとき偏向信号に補
正を加え、試料20の高さの変動に起因する結像倍率の
変動と、対物レンズ18の制御に起因する像回転の補償
が与えられるようにする。
【0036】ここで試料20に荷電粒子線が照射される
と、表面から2次荷電粒子が放出されるので、これを二
次粒子検出器16により検出する。二次粒子検出器16
から出力された信号は、A/D変換器24によりディジ
タルデータに変換された上で画像メモリ52と画像処理
回路53に入力され、表示装置(画像モニタ)54により
デジタル画像として表示することができるように処理さ
れる。
【0037】全体制御部26は、図示してないが、所定
のプログラムにより動作するコンピュータを備え、上記
したステージ46の制御も含め、試料20のパターン検
査のための所望の画質の2次粒子線像を得るのに必要な
装置全体の動作を総合的に制御する働きをする。
【0038】具体的には、荷電粒子線源14の電位を調
整する線源電位調整手段51と、試料20の上にあるグ
リッド19の電位を調整するグリッド電位調整手段4
8、試料台21の電位を調節する試料台電位調整手段4
9、荷電粒子線源14の電位を調節する線源電位調整手
段51、画像処理回路53、それに非点収差調整手段6
4が、この全体制御部26により制御されることにな
る。
【0039】荷電粒子光学系10には、上記した各種の
機器の外、非点収差補正器60が設けられているが、こ
れは非点収差補正回路61によって駆動され、更にこの
非点収差補正回路61は非点収差調整手段64によって
制御されるが、このとき、この非点収差調整手段64は
同時に焦点位置制御手段22も制御し、これにより常に
正しく非点収差が補正され、正しい焦点位置に調整され
た状態で二次粒子線画像が検出できるようになってい
る。
【0040】このとき試料に照射される荷電粒子線とし
ては、電子線、イオンビームが挙げられ、これに応じ
て、二次粒子としても、二次電子、反射電子、二次イオ
ンが挙げられ、本発明では、何れを用いて実施してもよ
いものである。
【0041】以下、このパターン検査装置の動作につい
て、SEM(走査型電子顕微鏡)と同じく二次電子画像を
利用した場合を例にとって説明する。但し、これは一例
であって、上記したように、本発明は、他の荷電粒子線
を用いたパターン検査にも適用可能なことは明らかであ
る。
【0042】画像処理回路53には表示装置54が接続
されていて、検出された画像をモニタすることができ
る。さらに、全体制御部26にも表示装置56が接続さ
れていて、装置の操作状態や検出結果の確認など必要な
情報が、表示装置56に表示されるGUI(グラフィカ
ルユーザーインターフェース)画面によって得られるよ
うになっている。
【0043】次に、検査対象となる試料20が半導体ウ
ェーハの場合を例にし、欠陥検出に用いる画像について
説明する。この場合、試料20となる半導体ウェーハに
は、図3に示すように、最終的に同一の製品となるチッ
プが多数配列されている。
【0044】そして、図1に示したパターン検査装置で
は、任意のチップ、例えば図3のチップ100の検出画
像と、これに隣接した別のチップ101の検出画像を比
較することにより欠陥を認識するようになっている。
【0045】但し、このとき、比較相手として用いる参
照画像は、必ずしも隣接チップの画像である必要はな
く、任意のチップ、或いは予め取得してある別のウェハ
上のチップの画像を用いてもよいし、更には設計データ
から作成した基準画像を用いてもよい。
【0046】また、図3のチップ102のように、半導
体メモリ部のような繰り返しパターンが並んでいる個所
(拡大図参照)では、隣接したパターンのくりかえし間
隔、或いは、その整数倍だけ位置をずらした個所の画像
を参照画像として用いるようにしてもよい。
【0047】なお、ここでは、半導体ウェーハを例にと
って説明したが、同一の基板上に繰り返して形成される
パターンを持つ検査対象であれば、同じように参照画像
を選んで検査を行うことができるのはいうまでもない。
【0048】次に、画像処理回路53の構成について、
図2を用いて説明すると、まず、SEM画像は、A/D
変換器24により、デジタルの画像データに変換され、
検査画像90として画像処理回路53に入力される。
【0049】同時に、この検査画像90は画像メモリ5
2にも入力され、隣接メモリセルパターン検査時、隣接
チップ検査時など、比較処理に必要な時間だけ遅らせて
出力され、参照画像91となる。
【0050】このとき、上述のように、参照画像91と
しては、設計データから合成され画像メモリ52に記憶
されていた画像を用いてもよいし、予め検出して記憶し
ておいた別ウェーハ上、或いは同一ウェーハ上の基準チ
ップによる画像でもよい。
【0051】ここで、画像処理回路53は、図2に示す
ように、位置ずれ検出手段80と欠陥検出手段81、特
徴量計算手段82、欠陥画像メモリ84、処理装置8
3、それに記憶装置85で構成されている。
【0052】そして、まず位置ずれ検出手段80は、検
査画像90と参照画像91の間にある位置ずれ量92を
検出する。このときの位置ずれの検出方法としては、相
互相関値が最大となる位置を用いる方法、差画像の二乗
和又は絶対値の和が最小となる位置を用いる方法、FF
Tを用いる方法などが知られているが、このとき、補間
によって位置ずれ量を画素以下の精度で求めることも可
能である。
【0053】こうして検出された位置ずれ量92は欠陥
検出手段81に供給され、検査画像90と参照画像91
を比較して欠陥を検出するときに使用される。欠陥検出
手段81では、検査画像90と参照画像91の差異を画
素毎に逐次算出し、差異が許容範囲を越えたとき、その
画素を欠陥画素として出力する。
【0054】このとき、位置ずれ量92は、画像間の差
異の許容範囲に対する補正量を求めるために用いるが、
検査画像90と参照画像91を相対的にずらして位置補
正を行うために用いてもよい。
【0055】ここで、この欠陥検出手段81により検出
された欠陥画像は、欠陥位置にフラグがたてられた画
像、例えば正常な画素では0で、欠陥がある画素では1
になっている画像であり、これだけでは使用しにくい。
【0056】そこで、欠陥画像93と検査画像90と参
照画像91が特徴量計算手段82に入力され、ここで、
欠陥を表わす各種の特徴量94が計算される。なお、こ
の特徴量計算手段82による特徴量94の計算に先立っ
て、微小な欠陥候補を取り除く処理や、隣接する欠陥候
補を一つにまとめる処理を行なうようにしてもよい。
【0057】特徴量94としては、欠陥の面積、幅、高
さ、座標といった基本的な特徴量のほか、処理装置83
において欠陥を分類するときのための付加情報として、
信号量の欠陥内平均値、差画像の欠陥内平均値、差画像
の欠陥内最大値、欠陥に対応する領域中の参照画像91
のテキスチャー特徴量などを算出するようにしてもよ
い。
【0058】特徴量計算手段82で計算された特徴量9
4は、次に、プログラムによって動作が制御される処理
装置83に送られる。このとき、欠陥は検査画像90中
にある場合と、参照画像91中にある場合の2回検出さ
れる。そこで、ここでは、2回の検出が得られたたか否
かを、欠陥の照合によって見付け出す。そして、1回し
か検出されなかった場合は虚報として除去し、2回検出
された場合、何れの画像に真の欠陥が存在するのかを判
定するのである。
【0059】この後、更に特徴量94を用いて欠陥の分
類を行い、結果を記憶装置85に蓄積する。そして、こ
の後、全体制御手段26に送られ、表示装置56にグラ
フィカルユーザインターフェースとして表示される。こ
のとき、処理装置83では、欠陥と特徴量のデータを全
体制御手段26に送るだけの処理を行ない、上記処理
は、全体制御手段26側で行なうようにしてもよいこと
は言うまでもない。
【0060】次に、この図1のパターン検査装置を用い
て、半導体ウェーハを検査するための処理について、図
4のフローチャートにより説明する。まず、このときの
処理に必要な操作は、全て表示装置56のGUI画面上
で行われる。図5は、このときのGUI画面を示したも
ので、このときのGUI画面は、基本的に第1領域から
第5領域までの5種の表示領域からなる。
【0061】ここで、第1領域は次の操作のための指示
メッセージ部で、第2領域はウェーハマップ部、第
3領域は画像表示部、第4領域は処理内容選択部、
第5領域は処理内容に応じた表示部である。半導体ウ
ェーハを検査する手順は次の通りで、ここで、括弧付き
数字は、図4の各処理に対応する。
【0062】(1) ウェーハをロードする。つまり、図1
の試料台21の上に試料20として検査対象となるウェ
ーハを載置するのである。 (2) 試料室内に取り付けられている標準試料を用い、電
子線の焦点合わせと非点収差補正のための調整を行う。
【0063】(3) 載置されたウェーハに形成されている
ダイの配列を入力する。具体的には、図5に示すGUI
画面上で、ダイの縦横ピッチと、ダイ配列の行数と列数
を入力し、図5の第2領域に表示されるウェーハマッ
プ上で確認するのである。ここで、ダイとは、ウェーハ
上でのセルエリア(1個又は複数個のチップ領域)のこと
である。
【0064】(4) 電子線をウェーハに照射し、画像を観
察しながらウェーハに対する焦点合わせと非点収差の補
正を行なう。このときの調整操作は手動で行っても、自
動調整機能を用いても良い。 (5) ウェーハ上の適当な位置決めマークを検出し、ウェ
ーハのx方向とy方向のずれ及び回転を求め、アライメ
ントをとる。ここで、アライメントとは、ウェーハの位
置と向きを所望の状態に調整することである。
【0065】(6) セルエリアを設定する。ここでのセル
エリアの設定は、具体的には次のようにして行なう。 (6-1) ウェーハマップ上で指示した位置の電子線画像を
取得する。 (6-2) 電子線画像上でセルエリアの位置を確認する。 (6-3) ウェーハマップ上にセルエリアを描画し、これに
よるセルエリアの設定を繰り返えす。
【0066】(7) ウェーハ上に指定した複数箇所の電子
線画像を取得し、それらの画像が暗すぎたり、明るすぎ
たりすることのないよう、A/D変換器24(図1)のレ
ベルを調整するためのキャリブレーション(較正)を行
う。このとき、A/D変換器24による調整範囲では、
適切な明るさの画像が得られなかったり、コントラスト
が不十分な場合には、次の(8)による電子線の照射条件
の調整が必要である。
【0067】(8) 電子線の加速電圧、ビーム電流、更に
は信号取得の際の信号加算数、画素寸法などを入力し、
これらに応じて電子線の照射条件が変更され、調整され
るようにする。具体的には、GUI画面の第4領域に
あるオプションの中から照射条件を選択し、図6に示す
画面上で調整することになる。
【0068】そして、この電子線の照射条件の調整後、
再度、上記の(7)によるキャリブレーション処理を実行
し、電子線の照射条件が決まったら、次に、以下の(9)
以降の処理に進む。 (9) 試し検査をする領域をウェーハマップ上で指定す
る。 (10) しきい値などの画像処理条件を設定する。 (11) 試し検査を行う。
【0069】この試し検査は、既に説明したように、適
切な画像処理条件を見出すための処理で、画像メモリ5
2に、上記(9)の処理で設定した領域の電子線画像を取
り込んでおき、このメモリ上の画像を用いた検査を、画
像処理条件を様々に変えて実施することによって行な
う。
【0070】前述のように、電子線を照射すると、試料
がチャージアップしてしまうので、同一箇所でも画像取
得を繰り返すと画像が変化してしまう。そこで、画像処
理条件を変えたときの結果の違いを比較するには、この
ようにメモリ上の画像を使うことが必須なのである。
【0071】また、この試し検査は、1箇所ではなく、
ダイの中の複数箇所について行うことが望ましく、従っ
て、この場合は、上記した(9)、(10)、(11)の各処理が
繰り返し実行されることになる。
【0072】一方、画像処理条件をどのように設定して
も、良好な検査結果が得られない場合には、再度、(8)
の処理、つまり照射条件の見直しが必要であり、従っ
て、このときは(7)の処理以降の処理が繰り返されるこ
とになる。
【0073】こうして、試し検査処理(11)の後、条件O
Kとなるまでが前準備で、ここで、ようやく本番検査が
可能になる。そこで、このときは、まず(12)の処理とし
て、本番の検査で検査すべき領域を設定した後、(13)の
処理として、本番の検査に移行することになる。
【0074】このとき、既に繰返し説明したように、電
子線を照射してしまうと、対象物がチャージアップして
しまい、正確な検査ができない領域になってしまう虞れ
があり、従って、このことを考慮すると、本番の検査に
進むまでの前準備段階での電子線の照射は、極力避けた
いところである。
【0075】しかし、既に説明したように、この前準備
は、荷電粒子線(電子線も含む)によるパターン検査には
必須で省くことができない。しかも、このとき検査対象
となるウェーハに対して電子線を照射する必要がある操
作は、図4の処理の中で、アスタリスク*を付して示し
てあるように、本番検査処理(13)を除いてもかなり多く
なっており、従って対象物のチャージアップは避けられ
ない。
【0076】そこで、本発明では、以下に説明する幾つ
かの方法を実施形態として、上記したパターン検査装置
に適用することにより、対象物のチャージアップによる
影響が確実に排除できるようにし、これにより正しい検
査処理と、高精度の検査結果が容易に得られるようにし
たものである。
【0077】そして、このため、まず、この実施形態で
は、図4に示したパターン検査の前準備処理において得
られたアライメント結果、ステージ操作の来歴、電子線
(荷電粒子線)の照射条件などから、電子線の照射済み位
置を知るのに必要な各種の情報を求め、これらからなる
照射履歴を既照射情報として全体制御部26(図1)が備
えているコンピュータ上に記憶しておくように構成して
ある。
【0078】そこで、まず、この既照射情報(照射履歴)
について説明すると、この情報は、アライメント結果、
ウェーハのレイアウト情報、及びステージ走査や電子線
走査のためのコマンド発行来歴に基づいて、ウェーハ座
標系における電子線照射位置と照射日時を個々のウェー
ハ毎に求め、更に、電子線の照射目的、例えばキャリブ
レーションに使用したとか、試し検査に使用したなどの
照射目的を、これも個々のウェーハ毎に求め、これらを
各ウェーハ毎に記憶したものである。
【0079】また、これ以外にも、電子線の照射強度
と、ディスチャージ処理又はプリチャージ処理を行って
いればその内容も、それぞれ記憶しておいてもよく、更
に、一旦、検査したウェーハについて、それが再度検査
される場合が想定されるなら、それらをローディングし
た日時と、アンローディングした日時も記憶しておくこ
とが望ましい。次に、上記既照射情報を用いた実施形態
について、順次説明する。
【0080】<第1の実施形態> (既照射箇所を表示するようにした実施形態)既照射情報
を用いれば、検査すべき領域の中で、既に前準備の段階
で電子線が照射されてしまっていた箇所と、そうでない
箇所が確実に識別できる。そこで、この第1の実施形態
では、既照射情報を用いて、電子線が既に照射されてい
る箇所を、ウェーハマップ上に表示させるように構成し
たものである。
【0081】図7は、この実施形態において、全体制御
部26により、表示装置56に表示されるGUI画面の
一例で、ここでは図5で説明した第4領域、つまり処理
内容選択部において、オプションの中の既照射箇所が
選択された状態を示したものである。
【0082】この場合、第5領域、つまり表示部に
は、電子線の照射時刻について“過去90分”と指定さ
れた時刻が表示され、電子線が照射された箇所について
は、それが“ダイ”で、照射した部分が“試し検査箇
所”と指定されている状態が示されている。
【0083】また、これと同時に、この図7では、過去
に電子線を照射されたことのあるダイがウェーハ面上で
第1行の第1列にあるダイであることを、第2領域、つ
まりウェーハマップ部に、ウェーハの画像の中に×印
を付して表示されるようになっている。
【0084】しかも、このとき、更に、図8に示すよう
に、より詳細に電子線の走査軌跡が表示されるように構
成することもできる。ここで、この図8は、第1行、第
1列のダイ(図7で×印を付したダイ)上に既に照射され
た電子線の走査軌跡を拡大表示させたものである。
【0085】従って、この第1の実施形態によれば、既
に前準備の段階で、電子線が照射されてしまっていた箇
所が容易に、且つ正確に識別でき、認識できることにな
り、この結果、図4のフローに従ってパターン検査を行
なう際、既にチャージアップしている箇所を予め知った
上で操作し、処理を進めることができる。
【0086】そして、この結果、この実施形態によれ
ば、試し検査領域を再度指定したり、キャリブレーショ
ン箇所を指定するなどの処理操作に際して、既にチャー
ジアップしている箇所を選択してしまう虞れがなくなる
ので、高精度を保持しながら容易に作業効率の向上を図
ることができ、高い信頼性のパターン検査を常に確実に
得ることができる。
【0087】なお、このとき、上記のように、電子線照
射済みか否かという2種類に区別するのではなく、更に
電子線強度の情報も併用して、電子線のドーズ量別に区
別した表示を得るようにしてもよい。
【0088】また、ディスチャージ処理やプリチャージ
処理を途中で行った場合には、その処理が施された日時
情報と電子線の照射位置情報を用いて、その処理以降の
電子線照射箇所を表示するような使い方も可能である。
【0089】<第2の実施形態> (検査感度を調整するようにした実施形態)電子線が既に
照射された箇所は、チャージアップの影響で明るさのむ
らや像の歪みがでてしまったとしても、それが甚だしく
ないときは、検査感度を下げることによりパターン検査
が可能な場合がある。
【0090】そこで、この第2の実施形態では、この場
合、既照射情報を用いて未照射箇所と照射済み箇所を識
別し、それぞれに対して独立に、異なった検査感度を設
定してパターン検査を行なうように構成したものであ
る。
【0091】図9は、この第2の実施形態において、表
示装置56に表示されるGUI画面の一例を示したもの
で、ここでは、図5の第5領域に表示される、未照射
箇所と照射済み箇所に対して、別々の検査感度を設定し
た場合の画面を示したものである。
【0092】そして、このとき、検査感度として、検査
画像と参照画像を比較して差異の大きい箇所を欠陥と判
定するときの、差異に対するしきい値(閾値)を用い、こ
れを未照射箇所と照射済み箇所とで別々に設定するので
ある。
【0093】ここで、この図9では、未照射箇所のしき
い値は100と150に設定され、照射済み箇所でのし
きい値は200と300に設定してあり、この結果、照
射済み箇所では、検査感度が低くされているので、チャ
ージアップによる虚報を抑えることができる。
【0094】従って、この第2の実施形態によれば、未
照射箇所と照射済み箇所を容易かつ正確に、それぞれに
適した検査感度で検査することができるので、チャージ
アップによる影響を受けることなく、パターンを検査す
ることができる。
【0095】また、この実施形態によれば、検査領域を
設定する際、照射済み箇所を逐一避ける手間が不要な
上、照射済み箇所も、低感度ではあるが検査が可能にな
るという利点がある。
【0096】なお、上記したように、画像間の差異に対
するしきい値により検査感度を調整する代わりに、前述
した欠陥の特徴量94(図2)に対してしきい値を設け、
このしきい値を未照射箇所と照射済み箇所における検査
感度を調整するようにしてもよい。
【0097】<第3の実施形態> (検査結果を出力するようにした実施形態)既照射情報を
用いれば、検出された欠陥の全てについて、それぞれが
未照射箇所で検出されたものか、照射済み箇所で検出さ
れたものかに分類することができる。そこで、この第3
の実施形態では、未照射箇所における検査結果と、照射
済み箇所における検査結果が、それぞれ別個に識別でき
るようにしたものである。
【0098】図10は、この実施形態において、全体制
御部26により、表示装置56に表示されるGUI画面
の一例で、このとき、欠陥の表示内容を、この画面のプ
ルダウンメニューP上で選択することにより任意に変え
ることができるように構成してある。
【0099】このときの欠陥の表示内容は、図示のよう
に、未照射箇所で検出された欠陥だけ、又は反対に、既
に照射済み箇所で検出された欠陥だけに、それぞれ限定
することができ、同時にウェーハマップ部にも、それ
に対応する欠陥だけがセルエリアに表示される。
【0100】従って、この第3の実施形態によれば、未
照射箇所における検査結果と、照射済み箇所における検
査結果を別々に確認することができるため、例えば、未
照射箇所と照射済み箇所の欠陥密度を比較するなどの手
法により、照射済み箇所における検査の信憑性を判断す
ることができる。
【0101】そして、この結果、ユーザーは、信憑性あ
りと判断されたときだけ、その検査結果を採用すればよ
いことになり、従って、この実施形態によれば、作業性
の改善と信頼性の向上を充分に得ることができる。
【0102】なお、このとき、上記したように、電子線
照射済み箇所か、未照射箇所かの2種類に分類するので
はなく、照射回数別、又は電子線ドーズ量別など、より
詳細に分類して表示するようにしてもよい <第4の実施形態> (検査領域を指定する際の補助を得るようにした実施形
態)パターン検査における検査領域の指定は、ウェーハ
マップ上でポインティングデバイスを用いて矩形を描
き、その矩形に含まれる領域を検査領域とすることによ
って行なう。
【0103】ここで、このとき、既照射情報を用いれ
ば、その矩形領域内に既に電子線が照射されていた箇所
が含まれているか否かが判定できる。そこで、この第4
の実施形態では、この場合、その矩形領域に所定のマー
クが付され、更に必要に応じて警告が報知されるなどの
アラーム機能が働くように構成したものである。
【0104】図11は、この第4の実施形態において、
表示装置56に表示されるGUI画面の一例で、図示の
ように、その旨のアラームメッセージMが現れ、ウェー
ハマップ上には、既に電子線が照射された箇所にマーク
☆が付されて表示されるようになっている。
【0105】従って、この第4の実施形態によれば、検
査領域の指定に際して、既に電子線が照射されていた箇
所を検査領域として指定してしまう虞れがなくなるの
で、パターン検査の作業効率を大きく向上させることが
できる。
【0106】また、このアラーム機能を常に有効な状態
にしておけば、無意識のうちに同一箇所に何度も電子線
を照射してしまう虞れがなくなる。従って、この実施形
態によれば、ウェーハの静電破壊(同じ箇所に何度も電
子線が照射されたとき起こり得る)を防ぐ意味でも大き
な利点が得られる。
【0107】更に、このとき、ウェーハーマップ上に電
子線の照射済み箇所を表示させておき、この画面上で、
当該照射済み箇所を含む矩形を描き、検査領域に指定し
ようとした場合、その領域が自動的に排除されてしまう
ように構成してもよく、反対に、矩形内に照射済み箇所
が含まれている領域だけが自動的に検査領域として残さ
れるように構成してもよい。
【0108】また、別のウェーハの電子線照射済み箇所
を表示させた上で、ポインティングデバイスで描画した
矩形内に含まれる照射済み箇所のみを検査領域とすれ
ば、別のウェーハにおいて明らかになった重要箇所の検
査を、容易に実施することも可能である。
【0109】<第5の実施形態> (荷電粒子線照射位置を補正するようにした実施形態)検
査対象領域でのチャージアップの有無は、荷電粒子線の
照射位置に影響を与え、照射位置がずれる。このとき、
既照射情報を用いれば、その検査対象領域でのチャージ
アップの有無が判定できる。
【0110】そこで、この第5の実施形態では、各検査
対象領域でのチャージアップの有無に応じて、荷電粒子
線の照射位置を制御し、ずれが補正されるように構成し
たものである。
【0111】具体的には、既照射情報から当該検査対象
領域毎に、チャージアップの有無に応じて偏向器15に
よる電子線の偏向位置を調整し、照射位置のずれが補正
されるようにすればよい。このとき、焦点調整にも影響
が現われることがあるので、焦点位置制御手段22を介
して対物レンズ18の焦点位置を調整するようにするの
が望ましい。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、荷電粒子線が照射され
ていた領域が識別できるようにしたので、荷電粒子線を
用いたターン検査装置固有の問題である検査対象のチャ
ージアップに容易に、しかも的確に対応することができ
る。
【0113】この結果、チャージアップ箇所を別扱いす
るための手間が大幅に低減できるので、作業効率が大き
く改善され、ひいては、高精度の検査結果が確実に得ら
れるようにした信頼性の高いパターン検査装置が容易に
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用されたパターン検査装
置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態が適用されたパターン検査装
置の一例における画像処理部の詳細な構成図である。
【図3】パターンの比較検査における比較画像の選択の
一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態が適用されたパターン検査装
置の一例における操作手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】本発明の実施形態が適用されたパターン検査装
置の一例におけるGUI画面の説明図である。
【図6】本発明の実施形態が適用されたパターン検査装
置の一例における照射条件入力画面の説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における電子線照射済
み箇所の表示例を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における電子線照射済
み箇所の他の表示例を示す説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における検査条件入力
画面の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における検査結果の
表示例を示す説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるアラームメ
ッセージ表示例の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 荷電粒子光学系 14 荷電粒子線源 15 ビーム偏向器 18 対物レンズ 16 二次粒子検出器 19 グリッド 20 試料 21 試料台 22 焦点位置制御手段 24 A/D変換器 26 全体制御手段 46 ステージ 47 偏向制御手段 48 グリッド電位調整手段 49 試料台電位調整手段 50 ステージ制御手段 51 線源電位調整手段 52 画像メモリ 53 画像処理回路 54 表示装置 59 表示装置 61 非点収差補正回路 62 校正用ターゲット 64 非点収差調整手段 80 位置ずれ検出手段 81 欠陥検出手段 82 特徴量計算手段 83 処理装置 85 記憶装置 101 ウェーハ上の互いにとなり合うダイ 102 ウェーハ上の繰り返しパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久邇 朝宏 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 渡辺 正浩 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 広井 高志 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 宮井 裕史 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 奈良 安彦 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2H088 FA11 FA24 FA30 MA20 4M106 AA01 BA02 CA39 DB20 DB21 DB30 DJ04 DJ05 DJ11 DJ21 DJ23 5C033 UU03 UU06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物に荷電粒子線を照射し、当該
    検査対象物に形成されているパターンを各検査対象領域
    毎に検査する方式のパターン検査装置において、 本番のパターン検査に先立って実行される前準備段階
    で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照射履歴を
    既照射情報として記憶し、 本番のパターン検査に際して、前記検査対象領の中で既
    に荷電粒子線が照射された領域と照射を受けなかった領
    域の区別が、 前記既照射情報に基づいて与えられるように構成したこ
    とを特徴とするパターン検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記前準備段階が、焦点調整処理、非点収差調整処理、
    位置決めマークの検出処理、荷電粒子線照射強度の調整
    処理、検査感度の調整処理、検査領域の設定処理、試し
    検査処理の中の少なくとも1の処理を含むことを特徴と
    するパターン検査装置。
  3. 【請求項3】 検査対象物に荷電粒子線を照射し、当該
    検査対象物に形成されているパターンを各検査対象領域
    毎に検査する方式のパターン検査装置において、 本番のパターン検査に先立って実行される前準備段階
    で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照射履歴を
    既照射情報として記憶し、 前記検査対象領域の中で既に荷電粒子線が照射された領
    域と照射を受けなかった領域が、前記既照射情報に基づ
    いて区別され、 ユーザーインターフェース画面上で区別された状態で表
    示されるように構成したことを特徴とするパターン検査
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の発明において、 前記ユーザーインターフェース画面上での表示が、 検査対象物である基板別の表示と照射日時別の表示、照
    射目的別の表示、照射回数別の表示、照射強度別の表
    示、基板のドーズ量別の表示、ディスチャージ処理別の
    表示、プリチャージ処理別の表示の中のすくなくとも1
    の表示であり、 前記ユーザーインターフェース画面上での表示の形態
    が、 基板上の位置を示すマップ上での表示形態と一覧表によ
    る表示形態の少なくとも一方であることを特徴とするパ
    ターン検査装置。
  5. 【請求項5】 検査対象物に荷電粒子線を照射し、当該
    検査対象物に形成されているパターンを各検査対象領域
    毎に検査する方式のパターン検査装置において、 本番のパターン検査に先立って実行される前準備段階
    で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照射履歴を
    既照射情報として記憶し、 前記検査対象領域の中で既に荷電粒子線が照射された領
    域と照射を受けなかった領域が前記既照射情報に基づい
    て区別され、 区別された領域毎に異なった検出感度に調整されるよう
    に構成したことを特徴とするパターン検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の発明において、 前記異なった検出感度の調整が、 前記荷電粒子線の照射強度或いは前記検査対象物から発
    生する信号の検出感度を検査箇所のチャージアップの程
    度ないし検査箇所への荷電粒子線の照射がn回目である
    かm回目であるかに応じて変化させる方法と、 前記画像を比較する際の画像間の差異に対する許容限度
    を検査箇所のチャージアップの程度ないし検査箇所への
    荷電粒子線の照射がn回目であるかm回目であるかに応
    じて変化させる方法、 それに前記比較結果から回路パターンの欠陥を判別する
    際の判別レベルを検査箇所のチャージアップの程度ない
    し検査箇所への荷電粒子線の照射がn回目であるかm回
    目であるかに応じて変化させる方法、の少なくとも1の
    方法であることを特徴とするパターン検査装置。
  7. 【請求項7】 検査対象物に荷電粒子線を照射し、当該
    検査対象物に形成されているパターンを各検査対象領域
    毎に検査する方式のパターン検査装置において、 本番のパターン検査に先立って実行される前準備段階
    で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照射履歴を
    既照射情報として記憶し、 前記検査対象領の中で既に荷電粒子線が照射された領域
    での検査結果と照射を受けなかった領域での検査結果が
    前記既照射情報に基づいて区別され、 区別された各検査結果が独立して出力されるように構成
    したことを特徴とするパターン検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の発明において、 前記検査結果は、前記荷電粒子線の照射回数別に分けら
    れていることを特徴とするパターン検査装置。
  9. 【請求項9】 検査対象物に荷電粒子線を照射し、当該
    検査対象物に形成されているパターンを各検査対象領域
    毎に検査する方式のパターン検査装置において、 本番のパターン検査に先立って実行される前準備段階
    で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照射履歴を
    既照射情報として記憶し、 前記検査対象領の中で既に荷電粒子線が照射された領域
    と照射を受けなかった領域が、前記本番のパターン検査
    における検査領域の指定に際して、前記既照射情報に基
    づいて相互に区別して指定されるように構成したことを
    特徴とするパターン検査装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の発明において、 前記検査領域の指定における区別が、 前記検査領域を指定をする画面上に、当該検査対象物、
    或いは他の対象物のチャージアップ箇所ないし既走査箇
    所を表示する方法と、 前記既表示箇所と同一箇所或いは等価な箇所を検査対象
    物の検査領域として指定するユーザーインターフェース
    を提供する方法、 前記表示箇所と同一箇所或いは等価な箇所を検査対象物
    の検査領域から排除するユーザーインターフェースを提
    供する方法、 指定した検査領域に検査対象基板のチャージアップ箇所
    或いは既走査箇所が含まれているときにアラームを出す
    方法、の少なくとも1の方法であることを特徴とするパ
    ターン検査装置。
  11. 【請求項11】 検査対象物に荷電粒子線を照射し、当
    該検査対象物に形成されているパターンを各検査対象領
    域毎に検査する方式のパターン検査装置において、 本番のパターン検査に先立って実行される前準備段階
    で、前記検査対象領域毎の荷電粒子線による照射履歴を
    既照射情報として記憶し、 前記検査対象領域の中で既に荷電粒子線が照射された領
    域と照射を受けなかった領域が、前記既照射情報に基づ
    いて区別され、 本番のパターン検査における前記荷電粒子線の照射位置
    が、前記区別された領域毎に調整されるように構成した
    ことを特徴とするパターン検査装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の発明において、 前記照射位置の調整は、 前記荷電粒子線の照射によるチャージアップの大きさか
    ら予測される荷電粒子線の照射位置のずれをうち消すよ
    うに与えらえることを特徴とするパターン検査装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008218167A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子線装置
JP2009036552A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Hitachi High-Technologies Corp 電子顕微鏡、及び試料管理方法
JP2010182549A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Hitachi High-Technologies Corp 走査形電子顕微鏡及びその画像保存フォーマットと画像再編集方法

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