JP2002150919A - ヒューズ素子 - Google Patents

ヒューズ素子

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JP2002150919A
JP2002150919A JP2000339668A JP2000339668A JP2002150919A JP 2002150919 A JP2002150919 A JP 2002150919A JP 2000339668 A JP2000339668 A JP 2000339668A JP 2000339668 A JP2000339668 A JP 2000339668A JP 2002150919 A JP2002150919 A JP 2002150919A
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fluoromica
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Itsuki Murakami
巖 村上
Hideki Ando
英樹 安藤
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Pacific Engineering Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H85/00Protective devices in which the current flows through a part of fusible material and this current is interrupted by displacement of the fusible material when this current becomes excessive
    • H01H85/02Details
    • H01H85/04Fuses, i.e. expendable parts of the protective device, e.g. cartridges
    • H01H85/05Component parts thereof
    • H01H85/165Casings
    • H01H85/17Casings characterised by the casing material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H85/00Protective devices in which the current flows through a part of fusible material and this current is interrupted by displacement of the fusible material when this current becomes excessive
    • H01H85/02Details
    • H01H85/04Fuses, i.e. expendable parts of the protective device, e.g. cartridges
    • H01H85/041Fuses, i.e. expendable parts of the protective device, e.g. cartridges characterised by the type
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    • H01H85/0415Miniature fuses cartridge type
    • H01H85/0417Miniature fuses cartridge type with parallel side contacts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐アーク性を向上させることができるヒューズ
素子を提供する。 【解決手段】ヒューズ素子10はハウジング12と、そ
の所定平面から突出して並列状態に並ぶ一対の端子1
3,14と、両端子13,14の基端側間に接続されハ
ウジング12内に収納された可溶体15とを備えてい
る。ハウジング12を、ポリアミド100重量部を形成
するモノマー量に対してフッ素雲母系鉱物を0.2〜2
0重量部存在せしめた状態でモノマーを重合して得られ
る強化ポリアミド樹脂組成物にて形成した。このため、
ヒューズ素子10の耐アーク性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用電
気回路等に用いられるヒューズ素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車内における各種電装品の
配線はヒューズボックスに集められ、各種電装品はそれ
らに流れる電流の大きさ及び使用頻度等に応じた定格電
流値を有したヒューズ素子を介してバッテリに接続され
ている。ヒューズ素子はハウジングと、その所定平面か
ら突出して並列状態に並ぶ一対の端子とを備え、両端子
の基端側間に接続された可溶体をハウジング内に収納し
た構成となっている。そして、回路短絡時には、ヒュー
ズ素子の可溶体が溶断することで入力端子と出力端子と
の間の導通が遮断され、各種電装品に過電流が流れる続
けることが防止される。ヒューズ素子のハウジングは、
例えばポリサルフォン及びポリエーテルサルフォン等の
耐熱性及び絶縁性を有する透明樹脂にて形成されてお
り、可溶体が溶断しているか否かを外部から容易に判別
できるようになっている。
【0003】従来より、自動車には14V発電(12V
蓄電)システムのバッテリシステムが多く搭載されてお
り、前記ヒューズ素子はこのバッテリシステムに対応す
るように設けられていた。即ち、ヒューズ素子は定格電
圧32V、遮断特性32V×1000A(定格電圧×定
格遮断容量)とされていた。しかしながら、近来、車載
電装品及びエレクトロニクス制御装置の搭載量増大及び
大型化に伴って車両全体の電気使用量は増大の一途を辿
っている。このため、バッテリオルタネータの大型化及
びワイヤハーネスの太線化等の問題が生じており、車両
電圧の昇圧化(42Vシステム化)が検討され始めてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように車両電圧
が例えば42Vに昇圧化されたシステムにおいては、可
溶体溶断時(図6参照)、ハウジング内部には従来の1
4Vシステムにおける可溶体溶断時(図5参照)よりも
電圧値の大きなアークが長時間発生する。前記従来のハ
ウジングを構成するポリサルフォン及びポリエーテルサ
ルフォンの耐トラッキング性は42Vバッテリシステム
に対応できるほど高くはない。これは、芳香族系の樹脂
グループにおける構造上の特徴によるものである。この
ため、従来のハウジングでは42Vバッテリシステムに
おける可溶体溶断時に発生するアークに耐えきれず、ハ
ウジング内面の電気的な絶縁性が損なわれてリーク電流
が発生する。
【0005】具体的には、ポリサルフォン及びポリエー
テルサルフォンは芳香環を有するパラフェニレン基がス
ルフォン基とエーテル基とで交互に結合した構造となっ
ている。ポリエーテルサルフォンの構造を化学式(1)
に示す。
【0006】
【化1】
【0007】そして、ハウジング内でアークが発生する
と、アーク熱によりハウジング内面におけるポリサルフ
ォン及びポリエーテルサルフォンのスルフォン基が分解
し二酸化硫黄等に変わって放出されると共に芳香族のC
−H結合が解裂し芳香環の環数が増し、炭化に至る現象
が瞬時に発生する。このハウジング内面の炭化がリーク
電流を発生させる。従って、可溶体が溶断したにもかか
わらず、リーク電流がハウジングの内面を流れて両端子
間の導通が継続し、ハウジング及び端子の溶損が発生す
るおそれがあった。
【0008】前記問題点を解決するために、発生したア
ークに対して、構造上、炭化に至るプロセスが前記ポリ
サルフォン及びポリエーテルサルフォンよりも長いポリ
アミド樹脂にフッ素雲母系鉱物を添加した樹脂組成物に
てヒューズ素子のハウジングを形成することが考えられ
る。ポリアミド樹脂は脂肪族系の樹脂グループであり、
一般に芳香族系の樹脂グループに比べて耐アーク性が高
く、更にフッ素雲母系鉱物を添加することにより耐アー
ク性が向上するからである。ポリアミド樹脂の構造を化
学式(2)に示す。
【0009】
【化2】
【0010】このポリアミド樹脂にて形成したハウジン
グ内でアークが発生すると、ハウジング内面はアーク熱
により熱分解し、窒素化合物、水及び炭化水素が発生し
一部散逸する。残留した炭化水素は不飽和炭化水素、更
に芳香族化合物に変化する。フッ素雲母系鉱物はこれ自
身が耐熱性を有し、樹脂の耐アーク性を更に向上させる
のに役立つ。この際、アークは発生からせいぜい十数ミ
リ秒前後で消滅し炭化には至らない。本発明は、この点
に着目し、幾多の実験を重ねてなされたものである。
【0011】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、耐アーク性を向上させ
ることができるヒューズ素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ハウジングと、その所定平面から突出して並列状態
に並ぶ一対の端子とを備え、両端子の基端側間に接続さ
れた可溶体を前記ハウジング内に収納したヒューズ素子
において、前記ハウジングは、ポリアミド100重量部
を形成するモノマー量に対してフッ素雲母系鉱物を0.
2〜20重量部存在させた状態でモノマーを重合して得
られる強化ポリアミド樹脂組成物にて形成されているこ
とをその要旨とする。
【0013】このような、フッ素雲母系鉱物の配合量は
強化ポリアミド樹脂組成物の耐アーク性を向上させる上
で好適である。請求項2に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、前記ハウジングは、フッ素雲母系鉱
物の微粒子厚さを0.1μm以下とした強化ポリアミド
樹脂組成物にて形成されていることをその要旨とする。
【0014】このようなフッ素雲母系鉱物の微粒子厚さ
は強化ポリアミド樹脂組成物の透明度を大きくする上で
好適である。 (ポリアミド)本明細書において、ポリアミドとはアミ
ノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから
形成されるアミド結合を有する重合体を意味する。この
ようなポリアミドを形成するモノマーの例を挙げると、
次のようなものがある。
【0015】アミノ酸としては6−アミノカプロン酸、
11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、
パラアミノメチル安息香酸などがある。ラクタムとして
はε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどがあ
る。ジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカ
メチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレン
ジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−ア
ミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ
デカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビ
ス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、
2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、
ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペ
ラジンなどがある。
【0016】ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2
−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−
メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ジグリコール酸などがある。
【0017】(フッ素雲母系鉱物)本明細書において、
フッ素雲母系鉱物は、タルクとナトリウムおよび/また
はリチウムの珪フッ化物もしくはフッ化物の混合物を加
熱処理して得られる。その具体的方法としては特開平2
−149415号公報に開示された方法がある。すなわ
ち、タルクを出発物質として用い、これにナトリウムイ
オンおよび/またはリチウムイオンをインターカレーシ
ョンしてフッ素雲母系鉱物を得る方法である。この方法
ではタルクに珪フッ化物および/またはフッ化物を混合
し、磁製ルツボ内で約700〜1200℃で短時間加熱
処理することによってフッ素雲母系鉱物が得られる。
【0018】フッ素雲母系鉱物を得るためには、珪フッ
化物あるいはフッ化物を構成する金属はアルカリ金属の
うち、ナトリウムあるいはリチウムとすることが必要で
ある。これらのアルカリ金属は単独で用いてもよいし併
用してもよい。また、タルクと混合する珪フッ化物およ
び/またはフッ化物の量は混合物全体の10〜35重量
%の範囲が好ましく、この範囲を外れる場合はフッ素雲
母系鉱物の生成率が低下する。
【0019】本明細書において、フッ素雲母系鉱物の好
ましいサイズは1辺が10μm以下で、厚みは0.1μ
m以下である。また本明細書におけるフッ素雲母系鉱物
は、X線粉末法で測定してC軸方向の層厚みが9〜20
Åである。ポリアミド100重量部あるいはそれを形成
するモノマー量に対するフッ素雲母系鉱物の配合量の採
り得る範囲は0.15〜30重量部、望ましい範囲は
0.2〜25重量部、最適な範囲は0.2〜20重量部
である。0.15重量部未満では本発明の目的とする耐
アーク性等の改良効果が得られず、30重量部を越える
場合には靱性の低下が大きくなるので好ましくない。
【0020】(添加剤)本発明の強化ポリアミド樹脂組
成物にはその特性を大きく損なわない限りにおいて顔
料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、
離型剤、他の強化材などを添加することも可能である。
【0021】熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえば
ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミ
ン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン
化物あるいはこれらの混合体を使用することができる。
特に銅化合物やアルカリ金属のハロゲン化物が最も効果
的である。これら熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤などの
添加剤は一般に溶融混練時あるいは重合時に加えられ
る。
【0022】強化材としては、たとえばクレー、タル
ク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリ
カ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、
アスベスト、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシ
ウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガ
ラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化ア
ンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊
維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸
カリウム、チッカホウ素、グラファイト、ガラス繊維、
炭素繊維などが挙げられる。
【0023】さらに必要に応じて他の重合体を本発明の
樹脂組成物に配合することも可能である。このような重
合体としてはポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共
重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴ
ム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのエラ
ストマー、及びこれらの無水マレイン酸などによる酸変
性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
フェニルマレイミド共重合体、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレン
エーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケ
トン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテトラ
フルオロエチレンなどがある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を例えば自動車の4
2Vバッテリシステムに使用されるブレード型のヒュー
ズ素子に具体化した一実施形態を図1及び図2(a),
(b)に従って説明する。 (ヒューズ素子)図1に示すように、ヒューズ素子10
は自動車内において各種電装品の配線が集められるヒュ
ーズボックス11に装着される。図2(a)に示すよう
に、ヒューズ素子10はハウジング12、入力端子1
3、出力端子14及び両端子13,14間を接続する可
溶体としての可溶体15を備えている。
【0025】(ハウジング)図2(a), (b)に示す
ように、ハウジング12は耐アーク性、耐熱性、絶縁性
及び透明性を有する後述の合成樹脂材料にて直方体状に
形成されている。ハウジング12内には一対の端子収納
部12a, 12a及び両端子収納部12a,12a間に
配置された可溶体収納部12bが形成されている。ハウ
ジング12の可溶体15に面した互いに対向する側壁
は、外部からハウジング12内部の可溶体15が透けて
見える程度の肉厚とされている。
【0026】(入力・出力端子)両端子収納部12a,
12aには入力端子13及び出力端子14の基端部側が
それぞれ嵌合されており、両端子13, 14の先端部は
ハウジング12の所定平面(図2(a)における下面)
から外部に突出して並列状態に並んでいる。両端子1
3, 14はそれぞれ板状に形成されており、それらの先
端部にはテーパ部13a, 14aが形成されている。両
テーパ部13a, 14aは先端に向かうほど端子幅が小
さくなるように形成されている。
【0027】(可溶体)前記可溶体収納部12bには可
溶体15が収納されている。可溶体15はヒューズ用金
属(例えば亜鉛合金)にて板状に且つ放物線状(図2
(a)において、下側に凸)に形成されている。可溶体
15の両端部はそれぞれ入力端子13及び出力端子14
の基端部に接続されている。
【0028】(ハウジング材質)次に、前記ハウジング
12の材質について説明する。前記ハウジング12はポ
リアミド樹脂にフッ素雲母系鉱物を所定の割合で配合し
た強化ポリアミド樹脂にて形成されている。本実施形態
において、フッ素雲母系鉱物はタルクに対して珪フッ化
ナトリウムを全量の20重量%となるように混合し、所
定時間加熱することにより得られたものが使用されてい
る。そして、ハウジング12の材質を決定するために、
表1に示す実施例1〜3、比較例1〜3及び従来例の各
種供試材でそれぞれハウジング12を形成し、42Vバ
ッテリシステム用のヒューズ素子10として各種の性能
評価をおこなった。その結果を表2に示す。
【0029】(供試材の構成)表1に示すように、実施
例1はポリアミド6に対して粒厚さ0.1μmのフッ素
雲母系鉱物を全量の0.5%となるように配合したもの
である。実施例2はポリアミド6に対して粒厚さ0.0
5μmのフッ素雲母系鉱物を全量の5%となるように配
合したものである。実施例3はポリアミド6に対して粒
厚さ0.15μmのフッ素雲母系鉱物を全量の5%とな
るように配合したものである。比較例1はポリアミド6
6とポリアミド6とを60:40の比率でブレンドした
ものである。比較例2はポリアミド66単体である。比
較例3はポリアミド6単体である。従来例は14Vバッ
テリシステムにおけるハウジング材質であるポリエーテ
ルサルフォン単体である。
【0030】
【表1】
【0031】(測定方法)実施例1〜3、従来例及び比
較例1〜3の各種物性の測定方法は次の通りである。即
ち、引張強度はASTM D638に基づいて測定し
た。熱変形温度(HDT)はASTM D648に基づ
いて測定し、荷重は0.45MPaで行った。吸湿処理
は吸湿処理試験片を24℃、95%RHの条件で24時
間処理した。寸法変化は厚さ2mm、一辺50mmの正
方形の試験片を用い、その厚みと縦横の寸法変化を測定
し、その平均値を寸法変化とした。吸水率は前記寸法変
化測定用の試験片を用いて吸湿処理後の重量変化から求
めた。透明度は、ASTM D1003及びD1746
−1970に基づいて測定した。
【0032】
【表2】
【0033】(ヒューズ使用可否)次に、表1に示す各
種物性の測定結果と42Vヒューズ素子10に要求され
る要件(本実施形態では透明度及び遮断後の絶縁抵抗)
とから各種供試材のハウジング12の材質としての使用
可否を検討した。その結果を表3に示す。
【0034】(透明度)透明度の点でヒューズ素子10
のハウジング12に適しているか否かは次のようにして
判断した。即ち、ヒューズ素子10を所定距離(本実施
形態では30cm)だけ離して見たときのハウジング1
2内の可溶体15の見え具合により「○」、「△」、
「×」の3段階で評価した。一般に、ヒューズ素子10
はその定格電流値によりハウジング12の色が例えばピ
ンク、紫、灰、茶、こげ茶、赤、青、黄、緑、無着色等
とされる。そこで、各供試材にてそれぞれ複数色のハウ
ジング12を形成し、全色において可溶体15が確認可
能である場合には「○」、一部の色(例えばピンク、
紫、赤及び黄等、半分位の色)についてのみ可溶体15
が確認可能である場合には「△」、無着色ハウジング以
外、可溶体15が確認不能である場合には「×」とし
た。尚、本実施形態ではハウジング12の肉厚を0.5
mmとした。
【0035】表1及び表3から着色されていないときの
透明度が大きいほど着色したときの透明度も大きくなる
ことが分かる。図3にフッ素雲母系鉱物の粒厚さと強化
ポリアミド樹脂の透明度との関係を示したグラフを示
す。従来例及び比較例1〜3はフッ素雲母系鉱物の粒厚
さに関係ないため単に透明度での位置づけを表す。本実
施形態において、ヒューズ素子10のハウジング12と
して望ましい透明度は20%以上とされており、透明度
が20%未満の場合には可溶体15が溶断しているか否
かをハウジング12の外部から確認し難くなる。図3の
グラフから透明度はフッ素雲母系鉱物の粒厚さが小さく
なるにつれて向上することが分かる。フッ素雲母系鉱物
の粒厚さは0.1μm以下が望ましく、鉱物粒厚さが
0.1μmよりも大きくなると透明度が20%よりも小
さくなる。
【0036】(遮断後の絶縁抵抗)遮断後の絶縁抵抗の
点でヒューズ素子10のハウジング12として適してい
るか否かは、遮断後の絶縁抵抗が1MΩ以上であるかな
いかで判断する。表3に示すように、実施例1〜3及び
比較例1〜3の遮断後の絶縁抵抗はいずれも1MΩ以上
である。
【0037】図4は、実施例1〜3及び従来例におい
て、両端子13,14間に32Vの電圧を印加したとき
の遮断時電圧とヒューズ遮断後のリーク電流との関係を
示したグラフである。従来例においては、印加電圧が3
2V近辺以上になるとリーク電流が発生する。しかしな
がら、実施例1〜3においては印加電圧が32Vを越え
てもリーク電流はほとんど発生しない。
【0038】
【表3】
【0039】(実施形態の効果)従って、本実施形態に
よれば以下の効果を得ることができる。 (1)ポリアミド6に対して粒厚さ0.1μmのフッ素
雲母系鉱物を全量の0.5%となるように配合した強化
ポリアミド樹脂、ポリアミド6に対して粒厚さ0.05
μmのフッ素雲母系鉱物を全量の5%となるように配合
した強化ポリアミド樹脂、及びポリアミド6に対して粒
厚さ0.15μmのフッ素雲母系鉱物を全量の5%とな
るように配合した強化ポリアミド樹脂のうちいずれかの
強化ポリアミド樹脂にてハウジング12を形成した。即
ち、ハウジング12を、ポリアミド6の100重量部を
形成するモノマー量に対してフッ素雲母系鉱物を0.5
又は5.2重量部存在させた状態でモノマーを重合して
得られる強化ポリアミド樹脂組成物にて形成した。この
ため、耐アーク性が向上する。また、例えばヒューズ素
子10の可溶体15の溶断時において、ハウジング12
の汚損が小さく、アーク発生後のヒューズ素子10の入
出力端子13, 14間の絶縁性が確保される。このた
め、リーク電流がほとんど発生することがなく、ハウジ
ング12及び両端子13, 14が損傷することもない。
従って、短絡等の異常に対する遮断保護性能が向上し、
車両電圧の昇圧化に十分対応できる。
【0040】(2)ハウジング12を、フッ素雲母系鉱
物の粒厚さを望ましくは0.1μm以下とした強化ポリ
アミド樹脂組成物にて形成した。即ち、透明度が望まし
くは20%以上になるようにフッ素雲母系鉱物の粒厚さ
を設定した。このため、透明度についても、従来のポリ
エーテルサルフォン等の耐熱透明樹脂と比べても遜色な
く、実用に耐えることができる。
【0041】尚、前記実施形態は、以下のように変更し
て実施してもよい。 ・本実施形態では、ハウジング12を、ポリアミド6の
100重量部を形成するモノマー量に対するフッ素雲母
系鉱物を0.5又は5.2重量部存在させた状態でモノ
マーを重合して得られる強化ポリアミド樹脂組成物(実
施例1〜3)にて形成したが、ポリアミド6の100重
量部を形成するモノマー量に対するフッ素雲母系鉱物の
存在割合を次の範囲内において変更してもよい。即ち、
フッ素雲母系鉱物の配合量の採り得る範囲は0.15〜
30重量部、望ましい範囲は0.2〜25重量部、最適
な範囲は0.2〜20重量部である。0.15重量部未
満では本発明の目的とする耐アーク性の改良効果が得ら
れず、30重量部を越える場合には靱性の低下が大きく
なるので好ましくない。
【0042】・本実施形態では、フッ素雲母系鉱物はタ
ルクに対して珪フッ化ナトリウムを全量の20重量%と
なるように混合し、所定時間加熱することにより得られ
たものを使用したが、タルクに対して珪フッ化リチウム
を全量の20重量%となるように混合し、所定時間加熱
することにより得られたものを使用してもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、車両電圧の昇圧化(例
えば42Vシステム化)に際して充分な耐アーク性を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒューズ素子のヒューズボックスへの取付を
示す斜視図。
【図2】 (a)は、第1実施形態におけるヒューズ素
子の縦断面図。(b)は、図2(a)における1−1線
断面図。
【図3】 フッ素雲母系鉱物の粒厚さと強化ポリアミド
樹脂の透明度との関係を示したグラフ。
【図4】 本発明に係る強化ポリアミド樹脂及びポリエ
ーテルサルフォンにおける遮断時の電圧とヒューズ遮断
後のリーク電流との関係を示したグラフ。
【図5】 従来のハウジングの14V遮断時の電流挙動
を示すグラフ。
【図6】 従来のハウジングの42V遮断時の電流挙動
を示すグラフ。
【符号の説明】
10…ヒューズ素子、11…ヒューズボックス、12…
ハウジング、13…入力端子、14…出力端子、15…
ヒューズエレメント。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、その所定平面から突出し
    て並列状態に並ぶ一対の端子とを備え、両端子の基端側
    間に接続された可溶体を前記ハウジング内に収納したヒ
    ューズ素子において、 前記ハウジングは、ポリアミド100重量部を形成する
    モノマー量に対してフッ素雲母系鉱物を0.2〜20重
    量部存在させた状態でモノマーを重合して得られる強化
    ポリアミド樹脂組成物にて形成されているヒューズ素
    子。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングは、フッ素雲母系鉱物の
    微粒子厚さを0.1μm以下とした強化ポリアミド樹脂
    組成物にて形成されている請求項1に記載のヒューズ素
    子。
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