JP2002150857A - 透明導電膜の処理方法および透明導電膜を備える基体 - Google Patents

透明導電膜の処理方法および透明導電膜を備える基体

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JP2002150857A
JP2002150857A JP2000348601A JP2000348601A JP2002150857A JP 2002150857 A JP2002150857 A JP 2002150857A JP 2000348601 A JP2000348601 A JP 2000348601A JP 2000348601 A JP2000348601 A JP 2000348601A JP 2002150857 A JP2002150857 A JP 2002150857A
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Yasunari Seto
康徳 瀬戸
Masahiro Hirata
昌宏 平田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明導電膜成膜後の高温加熱が本質的に不要
であり、かつ、透明導電膜の導電率と透過率に関して、
どちらかの特性を著しく劣化させることなく、少なくと
も一方の特性を改善できる処理方法、ならびにその方法
で処理された透明導電膜を備えた基体を提供する。 【解決手段】 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
を含有する溶液、または酸性溶液を用いる透明導電膜の
処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示素子や
光電変換素子の電極などに使用される透明導電膜の処理
方法およびその透明導電膜を備える基体に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜は、液晶表示素子もしくはプ
ラズマディスプレイなどの画像表示装置または光電変換
装置の電極、建築用ガラスの赤外反射膜、あるいは店舗
用冷蔵庫ガラスのくもり止め用発熱体など様々な用途で
利用されている。
【0003】その材料としては、フッ素やアンチモンを
ドープした酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO2)またはイン
ジウムをドープした酸化スズ(ITO)などが一般的であ
る。
【0004】透明導電膜の形成方法としては、スプレー
法もしくは化学気相法(CVD法)などの熱分解反応を
伴う化学蒸着法、スパッタリング法または真空蒸着法な
どが挙げられる。これらの方法で形成された透明導電膜
は、上記各用途で利用可能であるが、製品性能改善のた
めの要求特性の向上に伴い、透明導電膜の諸特性を改善
し、または新たな機能を付与するために、別途新たな加
工処理が施されるようになってきている。たとえば、透
明導電膜の導電率または透過率を向上させるため、特開
平8−319138号公報には、H,He,N,OまたはNeなど
のイオンガスをガラス基板まで貫通する程度に加速して
イオン注入する方法が記載されている。また、特開昭6
3−170813号公報には、常圧熱分解法で成膜した
酸化スズなどからなる透明導電膜を、成膜後も温度を下
げることなく、さらに大気中で高温加熱する方法が記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透明導
電膜の導電率と透過率は密接不可分の関係にあり、これ
らを共に改善することは困難であると一般に考えられて
いる。たとえば、上記特開平8−319138号公報の
方法では、注入イオンガスがガラス基板を貫通するほど
に加速されるため、透明導電膜の結晶構造がダメージを
受け、透過率が向上するほど導電率が低下する。また、
このようなイオン注入法は、小面積の処理に適した方法
であり、工業的に大量生産する製品の加工処理方法とし
ては不適である。一方、特開昭63−170813号公
報の方法では、透過率は向上するもののまだ十分とはい
えない。また、透明導電膜成膜後に高温加熱が必要であ
ることから、製造コストが上昇し、さらに耐熱性の低い
基材に利用できない点も問題である。
【0006】この発明は、このような問題点に着目して
なされたものである。その目的とするところは、透明導
電膜成膜後の高温加熱が本質的に不要であり、かつ、透
明導電膜の導電率と透過率に関して、どちらかの特性を
著しく劣化させることなく、少なくとも一方の特性を改
善できる処理方法、ならびにその方法で処理された透明
導電膜を備えた基体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の透明導電膜の処理方法
は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含有する
溶液、または酸性溶液を用いるものである。
【0008】請求項2に記載の発明の透明導電膜の処理
方法は、請求項1に記載の発明において、アルカリ金属
もしくはアルカリ土類金属を含有する溶液がアルカリ性
であるものである。
【0009】請求項3に記載の発明の透明導電膜の処理
方法は、請求項2に記載の発明において、溶液のpHが
10以上であるものである。
【0010】請求項4に記載の発明の透明導電膜の処理
方法は、請求項2または3に記載の発明において、溶液
がカルシウムを含有するものである。
【0011】請求項5に記載の発明の透明導電膜の処理
方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明にお
いて、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含有す
る溶液が濃度0.001〜0.05Nの水酸化カルシウ
ム溶液であるものである。
【0012】請求項6に記載の発明の透明導電膜の処理
方法は、請求項1に記載の発明において、酸性溶液がp
H2以下の塩酸溶液であるものである。
【0013】請求項7に記載の発明の透明導電膜の処理
方法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明にお
いて、透明導電膜が酸化スズを主成分とするものであ
る。
【0014】請求項8に記載の発明の基体は、請求項1
〜7のいずれか1項の方法で処理した透明導電膜を備え
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、詳細に説明する。なお、以下の実施の形態に限定
するものではない。
【0016】この発明は、基体表面に形成された透明導
電膜を、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含有
する溶液または酸性溶液を用いて表面処理するものであ
る。これらの溶液を用いて表面処理を行うことにより、
透明導電膜の導電率と透過率に関し、一方の特性が著し
く低下することなく他方の特性が改善される。このよう
な効果が発揮される技術的な理由は明らかでないが、本
発明者らは、前記溶液に含まれるアルカリ金属、アルカ
リ土類金属または酸が透明導電膜の表面および膜中に存
在する粒界すなわち不純物を除去するため、導電率また
は透過率が向上するものと思量している。
【0017】透明導電膜は、その種類をとくに限定され
るものではなく、従来と同様にITO、酸化スズ(SnO2)ま
たは酸化亜鉛(ZnO2)を主成分とするものが利用可能であ
る。とくに酸化スズ(SnO2)を主成分とするものは、強酸
や強アルカリに対してもエッチングされ難いことから、
この発明の透明導電膜として好適である。透明導電膜
は、従来同様に基体表面に形成され、その形成手段はと
くに限定されるものではない。たとえば、スプレー法も
しくは化学気相法(CVD法)などの熱分解反応を伴う
化学蒸着法、スパッタリング法または真空蒸着法などが
挙げられる。
【0018】アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を
含有する溶液は、これらの化合物を公知の溶媒に溶解さ
せたものである。アルカリ金属化合物としては、たとえ
ば水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、シ
ュウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化カリウム、
フタル酸水素カリウム、塩化カリウム、酢酸カリウム、
ギ酸カリウム、硝酸カリウムまたはシュウ酸カリウムな
どが挙げられる。また、アルカリ土類金属化合物として
は、たとえば水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸
カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、炭酸マ
グネシウムまたはリン酸マグネシウムなどが挙げられ
る。
【0019】これらの溶質の中では、カルシウムを含有
するものがとくに好ましい。カルシウムを含有する溶液
は、後述の実施例から明らかなように、透明導電膜の透
過性を向上させる能力が特異的に高く、かつ、その導電
率を殆ど変化させない。このカルシウムの特異的作用の
技術的理由は明らかではないが、溶液が強アルカリ性の
場合にこの効果が発揮され易いことから、カルシウムイ
オンが酸化還元反応系に何らかの影響を与えているもの
と推測される。
【0020】アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を
含有する溶液の溶媒は、とくに限定されるものではな
く、水、エタノールまたはアセトンなどの有機溶剤、あ
るいはそれらの混合溶媒を用いることができる。また、
溶媒には、上記アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類
金属酸化物以外の溶質を適宜添加してもよい。
【0021】アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を
含有する溶液のpHは、とくに限定されるものではない
が、pH10以上のアルカリ性であるが好ましい。本発
明者らが行った多くの実験によれば、pHが高いすなわ
ち強アルカリ性であるほど透過率が向上する傾向にある
ことが明らかになった。一方で、この溶液が弱アルカリ
性であると、透過率に変化はあまり現れないが、導電率
が向上すなわち表面抵抗値が低下することが確認され
た。
【0022】アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を
含有する溶液は、その濃度が0.001〜0.05Nの
水酸化カルシウム溶液であることが好ましい。この濃度
が0.001N未満では、溶液中のカルシウムイオンが
十分でないため、処理前後での透明導電膜の透過率の変
化が小さく、その変化が発明の効果であるのか測定誤差
であるのか区別し難くなる。また、この濃度では、溶液
をpH10以上にするために、別途の添加剤が必要にな
る。一方で、水酸化カルシウム飽和水溶液の濃度は、
0.05N程度である。
【0023】また、アルカリ金属もしくはアルカリ土類
金属を含有する溶液の代わりに、酸性溶液を使用するこ
ともできる。酸性溶液を使用した場合、酸成分がアルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属と同様の働きをすると
考えられる。酸性溶液としては、塩酸、硫酸または硝酸
などの無機酸が好ましい。有機酸を使用することもでき
るが、有機酸はほとんどが弱酸性であるため、透明導電
膜に対する粒界除去能力が低い。また、有機物は処理後
に透明導電膜に残存し易く、それを除去するための加熱
処理が必要になるなど、製造コスト上の問題がある。
【0024】無機酸溶液はpHが低いすなわち強酸であ
るほど透明導電膜の粒界除去能力が高くなることを本発
明者らは実験結果から確認した。したがって、無機酸溶
液は、処理装置の耐酸性が許す限り、強酸であることが
好ましい。具体的には、pH2以下であることが好適で
ある。
【0025】透明導電膜の処理方法は、上述の各溶液を
透明導電膜に接触させるものであれば、とくに限定され
ない。たとえば、ディップ法、噴霧法、スピンコート法
またはフローコート法などが挙げられる。これらの溶液
は、透明導電膜との反応性が高いため、処理温度が常温
でも十分に処理反応が進行する。したがって、この処理
方法は、耐熱性の低い基板に対してとくに有効である。
この処理温度は、透明導電膜と溶液の接する部分におい
て10〜300℃が好ましく、さらに50〜200℃が
好適である。この好適温度範囲を確実に維持するために
は、ディップ法やフローコート法など大量の溶液を使用
する場合は溶液温度で、噴霧法やスピンコート法など溶
液の使用量の少ない場合は基材の温度で管理する方が好
ましい。処理温度が10℃より低い場合は、溶液の反応
性が低下し処理に時間が掛かるため、実用性が損なわれ
る。一方、300℃を越えると、溶媒の蒸発が激しくな
り、透明導電膜と溶液の接触時間が十分に確保されず、
却って処理が進行しなくなる。
【0026】表面処理の時間は、各処理方法により好ま
しい範囲が異なるため、試行錯誤的に適宜選定する必要
がある。ちなみに、酸化スズ(SnO2)を主成分とする透明
導電膜に対して、60℃、pH14の水酸化カルシウム
飽和水溶液を使用する場合は、7〜15hrが好適であ
る。
【0027】基体の種類は、とくに限定されるものでは
なく、ガラスやプラスチックなど従来から使用されてい
るものを用いることができる。中でもガラスは、化学的
耐久性が高く、溶液処理が必須であるこの発明の基材と
して好適である。また、その形状は、平面や曲面であっ
てもよく、さらにフィルムなどの薄皮状であってもよ
い。
【0028】このような透明導電膜への処理は、透明導
電膜の成膜工程とは別途の工程で行われてもよいし、成
膜工程中またはその後の製品への組み込み工程の中にお
ける他の処理工程と組み合わせて行われてもよい。たと
えば、透明導電膜の成膜工程または製品への組み込み工
程で溶液洗浄を行う工程が存在する場合は、その溶液洗
浄工程中に組み込んでもよい。この処理方法を従来の工
程中に組み込む例として、透明導電膜のパターニング工
程におけるレジスト剥離工程に組み込むことが挙げられ
る。
【0029】このような方法で処理された透明導電膜を
有する基材は、公知の手段により製品に加工され、高い
導電率と透過率に基づく種々の機能を製品に付与するこ
とができる。たとえば、この基材が光電変換素子に利用
された場合は、その高い透過率により光電変換層に達す
る光量が増加して、光電変換効率が上昇する。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、この発明をさらに具体
的に説明する。下記の条件で処理した透明導電膜につい
て、そのシート抵抗、透過率およびヘイズ率を測定し
た。各測定方法は、以下のとおりである。なお、シート
抵抗値が低いほど導電率が高いことを示す。また、ヘイ
ズ率は透明導電膜の表面状態を表す指標であり、この値
が大きいほどその表面が凸凹であることを示す。
【0031】[シート抵抗]JIS K7194(導電
性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準
拠した四端子式シート抵抗測定器(三菱化学社製 ロレ
スタ)を用いて測定した。
【0032】[透過率]積分球式光線透過率測定装置
(スガ試験機社製 HGM−2DP)を用いて全光線透
過率を測定した。
【0033】[ヘイズ率]プラスチックの光学特性試験
法(JIS K7105(1981))における曇価測
定法にしたがい測定した。
【0034】つぎに、下記実施例1〜5に使用した透明
導電膜の成膜方法を示す。厚さ3mm、大きさ100×1
00mmのソーダライムガラスを洗浄、乾燥して、これを
基体として使用した。この基体を550℃に加熱し、表
面にケイ素および酸素を含む調整済みの原料ガスを供給
して、膜厚約30nmの二酸化ケイ素薄膜を成形した。引
き続き、スズ(Sn)、酸素およびフッ素を含む調整済みの
原料ガスを供給し、二酸化ケイ素薄膜上に膜厚約750
nmのフッ素含有酸化スズ薄膜(透明導電膜)を成膜し
た。その後、この基体を室温まで冷却し、洗浄、乾燥し
て、上記測定方法にしたがい透明導電膜の特性を測定し
た。その結果、シート抵抗:10.5Ω/□、透過率:
88.9%およびヘイズ率:10.2%であった。これ
らの値は、この発明を実施する前のものであり、下記実
施例1〜5の発明の効果を算定する基準となる。これら
の値を、下記「表1」に「処理前」として記載する。
【0035】(実施例1)イオン交換水1Lに水酸化カ
ルシウム2gを添加し、十分に撹拌して、水酸化カルシ
ウム飽和水溶液を製造した。この水酸化カルシウム飽和
水溶液はpH約14であった。この飽和水溶液を60℃
に維持しつつ、その中に上記透明導電膜を備えた基体を
10時間浸漬した。浸漬処理後、基体をイオン交換水で
十分水洗し、系内温度80℃の乾燥器で3時間保持し、
付着水を除去した。この基体の透明導電膜の特性を測定
したところ、シート抵抗:10.7Ω/□、透過率:9
2.3%およびヘイズ率:9.8%であった。
【0036】(実施例2)pH約14の1N−水酸化ナ
トリウム水溶液を使用する以外は、実施例1と同様にし
て基体を処理した。その結果、透明導電膜は、シート抵
抗:11.2Ω/□、透過率:89.9%およびヘイズ
率:10.9%であった。
【0037】(実施例3)pH約1である1N−塩化水
素水溶液を使用する以外は、実施例1と同様にして基体
を処理した。その結果、透明導電膜は、シート抵抗:1
0.3Ω/□、透過率:89.1%およびヘイズ率:
9.82%であった。
【0038】(実施例4)イオン交換水1Lに炭酸カル
シウム1gを添加し十分撹拌して、炭酸カルシウム飽和
水溶液を製造した。この炭酸カルシウム飽和水溶液は、
pH約8であった。この炭酸カルシウム飽和水溶液を使
用する以外は、実施例1と同様にして基体を処理した。
その結果、透明導電膜は、シート抵抗:10.0Ω/
□、透過率:89.2%およびヘイズ率:10.1%で
あった。
【0039】(実施例5)イオン交換水1Lに水酸化カ
ルシウム2gを添加し十分撹拌して、水酸化カルシウム
飽和水溶液を製造した。この水酸化カルシウム飽和水溶
液は、pH約14であった。上記透明導電膜を備えた基
体を予め200℃に加熱しておき、その表面にスプレー
ガンを用いて飽和水溶液を1分間噴霧した。それ以外は
実施例1と同様にして処理した。その結果、透明導電膜
は、シート抵抗:10.6Ω/□、透過率:90.2%
およびヘイズ率:10.5%であった。
【0040】実施例1〜5における処理条件と透明導電
膜の特性を下記「表1」に記載する。
【0041】
【表1】
【0042】処理前後ならびに各実施例の透明導電膜の
特性の変化を対比することにより、つぎのことが判る。
【0043】実施例1と実施例2を対比することによ
り、カルシウムを含有する溶液で処理すると、透明導電
膜の導電率は変化することなく、その透過性が特異的に
向上することが判る。
【0044】実施例1、実施例4および実施例5をそれ
ぞれ対比することにより、アルカリ金属もしくはアルカ
リ土類金属を含有する溶液は、pHが高いすなわち強ア
ルカリ性の場合は透明導電膜の透過率の向上に有効であ
り、一方弱アルカリ性であると導電率の向上に有効であ
ることが判る。
【0045】実施例3より、酸性溶液で処理すると、透
明導電膜の導電率が向上することが判る。
【0046】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、つぎの効果を奏する。請求項1に記載の発明に
よれば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含有
する溶液または酸性溶液を用いるので、透明導電膜の導
電率または透過率のいずれかを著しく劣化させることな
く、少なくとも一方を改善することができる。
【0047】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、アルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属を含有する溶液がアルカリ性であるので、透明
導電膜の透過率を効果的に向上させることができる。
【0048】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
の発明の効果に加えて、溶液のpHが10以上であるの
で、透明導電膜の透過率をさらに有効に向上させること
ができる。
【0049】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
または3の発明の効果に加えて、溶液がカルシウムを含
有するものであるので、透明導電膜の導電率を維持しつ
つ、その透過率を特異的に向上させることができる。
【0050】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜4の発明の効果に加えて、アルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属を含有する溶液が濃度0.001〜0.0
5Nの水酸化カルシウム溶液であるので、透明導電膜の
透過率を確実に向上させることができる。
【0051】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、酸性溶液がpH2以下の塩酸溶
液であるので、処理装置を損傷することなく、透明導電
膜の粒界を確実に除去することができる。
【0052】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
〜6の発明の効果に加えて、透明導電膜が酸化スズを主
成分とするものであるので、溶液処理により透明導電膜
が不要にエッチングされることを防止できる。
【0053】請求項8に記載の発明によれば、請求項1
〜7の方法で処理した透明導電膜を備えるので、導電率
または透過率の少なくとも一方が向上した基体が得られ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
    を含有する溶液、または酸性溶液を用いる透明導電膜の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 上記アルカリ金属もしくはアルカリ土類
    金属を含有する溶液がアルカリ性である請求項1に記載
    の透明導電膜の処理方法。
  3. 【請求項3】 上記溶液のpHが10以上である請求項
    2に記載の透明導電膜の処理方法。
  4. 【請求項4】 上記溶液がカルシウムを含有するもので
    ある請求項2または3に記載の透明導電膜の処理方法。
  5. 【請求項5】 上記アルカリ金属もしくはアルカリ土類
    金属を含有する溶液が濃度0.001〜0.05Nの水
    酸化カルシウム溶液である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の透明導電膜の処理方法。
  6. 【請求項6】 上記酸性溶液は、pH2以下の塩酸溶液
    である請求項1に記載の透明導電膜の処理方法。
  7. 【請求項7】 上記透明導電膜が酸化スズを主成分とす
    るものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明
    導電膜の処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項の方法で処
    理した透明導電膜を備える基体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006082879A1 (ja) * 2005-02-02 2006-08-10 Matsubo Corporation 酸化物透明導電膜およびアルカリ金属含有酸化物透明導電膜の成膜方法ならびにその酸化物透明導電膜を利用した有機光装置

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WO2006082879A1 (ja) * 2005-02-02 2006-08-10 Matsubo Corporation 酸化物透明導電膜およびアルカリ金属含有酸化物透明導電膜の成膜方法ならびにその酸化物透明導電膜を利用した有機光装置

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