JP2002150738A - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents

磁気ディスクカートリッジ

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JP2002150738A
JP2002150738A JP2000346752A JP2000346752A JP2002150738A JP 2002150738 A JP2002150738 A JP 2002150738A JP 2000346752 A JP2000346752 A JP 2000346752A JP 2000346752 A JP2000346752 A JP 2000346752A JP 2002150738 A JP2002150738 A JP 2002150738A
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liner
magnetic disk
welding
disk medium
slidability
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English (en)
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Hideyuki Kubota
秀幸 久保田
Tadashi Yasunaga
正 安永
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスクメディアの上下に配置するライ
ナーによるライナー摺動性および保存性と落下信頼性と
の両立を図る。 【解決手段】 上シェル1に対する上ライナー5の溶着
面積を、少なくとも磁気ヘッド挿入用窓部10のメディア
回転方向Dに対し上流側のクリーニング部7で他の部分
より少なくし、S1面の除塵性を高めて落下信頼性を改
善しつつライナー摺動性および保存性を確保する。クリ
ーニング部7の形成角度θは30〜90゜が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下シェルの接合
によるカートリッジケース内に磁気ディスクメディアを
収容し、この磁気ディスクメディアを回転させて磁気記
録再生に利用する磁気ディスクカートリッジに関し、特
に、上下シェル内面へのライナーの溶着に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】下面にスピンドル孔を有する下ケースに
上ケースを接合したカートリッジケース内に円盤状の磁
気ディスクメディアを回転自在に収容してなる磁気ディ
スクカートリッジにおいては、上下シェルの内面に不織
布等によるライナーを固着することが一般に行われてい
る。
【0003】上記ライナーは、磁気ディスクメディアの
表面に付着した塵埃を除去する機能、磁気ディスクメデ
ィアの保護機能等を有し、このライナーは下シェルおよ
び上シェルの内面に対して溶着によって取り付けられ
る。
【0004】磁気ディスクメディア表面に異物が付着す
るのは次のような原因による。まず、磁気ヘッドと磁気
ディスクメディアが接触し、磁気ヘッドもしくは磁気デ
ィスクメディアの一部が欠落し、それによって発生する
異物(塵埃)が磁気ディスクメディア表面に付着する。
また、磁気ディスクカートリッジの落下等により衝撃が
作用した際に、ライナーおよび磁気ディスクカートリッ
ジ内部に保持されている異物が遊離して磁気ディスクメ
ディア表面に付着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ディス
クカートリッジにおけるライナー摺動性、保存性および
落下信頼性は、磁気ディスクメディアに対するライナー
の接触状態に大きく依存する。ライナー摺動性は、磁気
ディスクメディアが回転する際にライナーとの接触によ
り受けるダメージの程度であり、保存性は保存時におけ
る磁気ディスクメディアがライナーとの接触により受け
るダメージの程度であり、落下信頼性は落下衝撃などに
より磁気ディスクメディアに付着した異物の除去性能
(エラー発生率)である。
【0006】例えば、ライナーの接触面積が少ないまた
は接触程度が軽微である場合には、磁気ディスクメディ
アへのダメージが軽減されるため、摺動性、保存性は良
化する。しかし、接触面積が小さくなると、磁気ディス
クメディア表面の異物を除去する能力が低下するため、
異物が磁気ヘッドに衝突してヘッドクラッシュを引き起
こす可能性が高くなる。つまり、除塵性の低下によりエ
ラーの発生率が増加して落下信頼性が低下する傾向にあ
る。
【0007】上記のようなライナーによる除塵性を高め
る方法としては、ケースの内部空間を狭くする、ライナ
ーの起毛量を高める、リフターを使用する、などが考え
られる。しかし、これらの方法ではライナー摺動性およ
び保存性と落下信頼性との両立が困難である。すなわ
ち、上記のようにしてライナーと磁気ディスクメディア
との接触程度を高めて除塵作用により落下信頼性を向上
すると、その接触抵抗の増加に応じて磁気ディスクメデ
ィアの回転トルクが増大し、転送レートを高めるために
高速回転化している高記録密度の磁気ディスクメディア
では、その駆動トルクの安定性の確保やモーターのトル
ク容量アップを抑える点で好ましくないと共に、ライナ
ー摺動性、保存性が低下する。
【0008】また、一般に磁気ディスクカートリッジは
通常スピンドル孔を下方にした状態すなわち磁気ディス
クメディアのS1面を上にして使用する場合が多く、落
下衝撃等に応じて異物が磁気ディスクメディアに付着し
た際に、上面となるS1面側に付着した異物は自重が加
わるため、下面側のS0面と比較して異物が除去されに
くい(後述の落下信頼性評価参照)。
【0009】従来より、シェル内面へのライナーの溶着
は、上下のライナー共に同じパターンで行っており、そ
の溶着面積は上下で同一である。そのため、高速回転に
適した回転トルク値となるように上下ライナーの溶着面
積を同一に設定すると、上面側のS1面では除塵性すな
わち落下信頼性が不足する傾向となる。換言すると、回
転トルクを低下させてライナー摺動性、保存性を得るた
めに、上下ライナー共に溶着面積を増加させてライナー
と磁気ディスクメディアとの接触を軽減させると、除塵
性の低下により落下信頼性が劣化し、読み取り・書き込
み時のエラー発生率が増大することになる。
【0010】本発明は上記点に鑑みなされたもので、ラ
イナー摺動性および保存性と落下信頼性とを両立させる
ようにした磁気ディスクカートリッジを提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスクカ
ートリッジは、下面にスピンドル孔を有する下ケースに
上ケースを接合したカートリッジケース内に、円盤状の
磁気ディスクメディアを回転可能に収容すると共に、前
記カートリッジケースに磁気ヘッド挿入用窓部を有し、
前記磁気ディスクメディアに対向する前記上シェルおよ
び下シェルの内面にそれぞれ上ライナーおよび下ライナ
ーを溶着してなる磁気ディスクカートリッジにおいて、
前記上シェルに対する上ライナーの溶着面積を、少なく
とも前記窓部のメディア回転方向に対し上流側のクリー
ニング部で他の部分より少なくしたことを特徴とするも
のである。
【0012】また、前記クリーニング部は、磁気ディス
クメディアの回転角で30゜〜90゜の範囲、好ましく
は30゜〜60゜の範囲に形成するのが好適である。こ
のクリーニング部の溶着面積は、他の部分の溶着面積の
1/2〜1/5、好ましくは2/5〜1/4である。
【0013】前記クリーニング部を形成する部位は、上
ライナーの磁気ヘッド挿入用窓部のメディア回転方向の
上流側部分が、磁気ヘッドの直前であることで好ましい
が、これに加えて他の回転位相位置に設けるようにして
もよい。このクリーニング部には、起毛が施されたもの
が好適である。
【0014】前記磁気ディスクメディアの回転トルク値
は、0.4〜0.8mN・m(約4〜8g・cm)、好
ましくは0.5〜0.7mN・m(約5〜7g・cm)
が好適である。
【0015】なお、前記ライナーの上シェルまたは下シ
ェルに対する溶着パターンとしては、周縁溶着、ストラ
イプ状溶着、放射状溶着、点状溶着、など任意のパター
ンで行うことが可能である。上ライナーにおけるクリー
ニング部の形成は、上ライナーの溶着パターンと下ライ
ナーの溶着パターンとを変更することによって得るほ
か、溶着線の太さまたは間隔、溶着点の大きさまたは間
隔を変更することによって得ることができる。例えば、
上ライナーの一部の溶着パターンを周縁溶着として溶着
面積の少ないクリーニング部とし、その他の部分の上ラ
イナーおよび下ライナーの溶着パターンを周縁溶着に加
えてストライプ状溶着または/および放射状溶着を付加
したものとする。
【0016】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、少なくと
も磁気ヘッド挿入用窓部のメディア回転方向に対し上流
側のクリーニング部における上ライナーの溶着面積を他
の部分より少なくしたことにより、ライナー摺動性およ
び保存性と落下信頼性との両立が図れる。
【0017】すなわち、S1面側の上ライナーの溶着面
積を窓部の上流側のクリーニング部で部分的に少なくし
たことにより、異物が付着しやすいS1面では上記クリ
ーニング部でライナーと磁気ディスクメディアとの接触
が高まり、除塵性が向上しエラー発生率を低下させて落
下信頼性が改善できる。また、その他の部分の溶着面積
を多くすることにより、異物が付着し難いS0面ではラ
イナーと磁気ディスクメディアとの接触を低減し、全体
としての磁気ディスクメディアの回転トルク値を所定
値、例えば0.4〜0.8mN・m(好ましくは0.5
〜0.7mN・m)と低くして高速回転の安定性を確保
すると共に、上下ライナーの接触により発生するダメー
ジを軽減してライナー摺動性および保存性が良好とな
り、上記落下信頼性の改善との両立を図ることができ
る。
【0018】また、前記クリーニング部は、磁気ディス
クメディアの回転角において30゜〜90゜、好ましく
は30゜〜60゜の範囲に設けると、ライナー摺動性お
よび保存性の低下抑制と、落下信頼性の向上との両立が
図れる。つまり、ライナー摺動性、保存性の点からは9
0゜以下特に60゜以下が好ましく、落下信頼性の点か
らは30゜以上が好ましいものである。このクリーニン
グ部の溶着面積は、他の部分の溶着面積の1/2〜1/
5、好ましくは2/5〜1/4とすると、除塵性の向上
が良好に得られる。
【0019】クリーニング部には、起毛を施して除塵性
を高めたものが好適であり、小さい面積で高い除塵性が
確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は一つの実施の形
態の磁気ディスクカートリッジの上下シェルの分解斜視
図である。
【0021】磁気ディスクカートリッジは、例えばアク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体のような
合成樹脂から形成された上シェル1と下シェル2の接合
で扁平なカートリッジケースC(ハードケース)が構成
され、このカートリッジケースC内に、中央部がセンタ
ーコア部材3に取り付けられて保持された円盤状の磁気
ディスクメディア4が回転自在に収容される。
【0022】前記磁気ディスクメディア4は、フレキシ
ブルなポリエステルシート等からなる円盤状のベースの
両面に磁性体層が形成されたものであり、外周部と内周
部とを除く円環状に記録領域4aが設定され、この記録
領域4aの内外縁部が非記録領域4bとなっている。こ
の磁気ディスクメディア4の回転方向D(反時計回り方
向)への回転数は、3.5インチサイズの場合、300
0〜5000rpm、例えば3600rpmである。磁
気ディスクメディア4は、センターコア部材3の突出し
た保持面側のS0面が使用状態で下面となり、その反対
側のS1面(図示の面)が使用状態で上面となる。
【0023】前記上シェル1および下シェル2はほぼ矩
形状の扁平形状であり、外周には側壁を形成する外周リ
ブ1a,2aが設けられ、隅角部には略斜めに内側リブ
1b,2bが設けられ、長方形の磁気ヘッド挿入用の窓
部10,11が設けられ、下シェル2の下面中心部分に
はセンターコア部材3の底面が臨む大きさに円形状のス
ピンドル孔2cが開口されている。上シェル1の内面の
中心部には、センターコア部材3より内側位置に環状突
起12が突設され、この環状突起12はセンターコア部
材3の内周側に嵌入して磁気ディスクメディア4の半径
方向への移動を規制する。また、図示していないが、前
記窓部10,11を開閉するために、図中左右方向に滑
動自在とされたシャッター部材が組み付けられる。
【0024】磁気ディスクメディア4の上面(S1面)
側に上ライナー5が、下面(S0面)側に下ライナー6
が設置される。つまり、上シェル1および下シェル2の
内面に、不織布シート等が略八角形状(丸形状でもよ
い)に切断形成された上下のライナー5,6が超音波溶
着、加熱溶着等により溶着されている。上下のライナー
5,6は同一形状(対称形状)で、窓部10,11と重
なる部分は切除されており、中心部には環状突起12ま
たはスピンドル孔2cの外径より大きい円孔が開口され
ている。
【0025】そして、磁気ディスクメディア4のS1面
側の上ライナー5の溶着において、磁気ディスクメディ
ア4の回転中心から窓部10の中心を通る0゜位相から
メディア回転方向Dの上流側に角度θの範囲にクリーニ
ング部7が設けられ、このクリーニング部7の溶着面積
(単位面積当たりの溶着面積)が上ライナー5の他の部
分および下ライナー6の溶着面積より少ない。
【0026】上記クリーニング部7の形成範囲は、前記
角度θが30゜〜90゜、好ましくは30゜〜60゜と
する。クリーニング部7には、起毛処理を施して多い起
毛により除塵性を高めている。また、クリーニング部7
における溶着面積(単位面積当たりの溶着面積)が、そ
の他の部分の溶着面積に対して1/2〜1/5好ましく
は2/5〜1/4に設定されている。
【0027】前記クリーニング部7を形成する部位は、
上ライナー5の磁気ヘッド挿入用窓部10のメディア回
転方向Dの上流側部分が、磁気ヘッドの直前であるため
に好ましいが、これに加えて他の回転位相位置に設けて
もよい。なお、ライナー5,6における切断端部には、
接着剤塗布、熱融着などによる繊維固定処理を施しても
よい。
【0028】また、磁気ディスクメディア4と上下ライ
ナー5,6の全体としての接触に伴う磁気ディスクメデ
ィア4の回転トルク値が、0.4〜0.8mN・m(好
ましくは0.5〜0.7mN・m)となるように接触状
態が調整されている。
【0029】例えば、ライナー5,6の溶着は、溶着ホ
ーン(図示せず)を使用した超音波溶着によって行う。
溶着ホーンの先端面はライナー5,6の固定部分と同形
状であり、この先端面に凹凸形状による溶着パターン
(溶着線、溶着点等)が形成されている。
【0030】図1の溶着パターン例では、上ライナー5
における溶着面積の少ないクリーニング部7は周縁溶着
パターンであり、上ライナー5のその他の部分および下
ライナー6は周縁溶着とストライプ状溶着とを組み合わ
せた全面溶着パターンである。上ライナー5および下ラ
イナー6は、外側形状および除去された内側形状に沿う
周縁部5a,6aが、密なピッチの短い放射線状または
斜線状の溶着線で溶着される。上ライナー5のクリーニ
ング部7は、内部が溶着されずに少ない溶着面積で上シ
ェル1に溶着される。上ライナー5のクリーニング部7
以外の内部5bおよび下ライナー6の内部6bは、全面
がストライプ状の平行縦線状の溶着線(破線でもよい)
で溶着され、クリーニング部7の溶着面積より多い溶着
面積で溶着されている。例えば、下ライナー6の単位面
積当たりの溶着面積を1とすると、クリーニング部7の
単位面積当たりの溶着面積は1/4である。
【0031】なお、上記ストライプ形状は横線または斜
め線としてもよく、その他溶着パターンは連続線または
破線による放射形状、縦線および横線が交差する格子形
状、多数の溶着点が配置されたドットパターンに形成し
てもよい。さらに溶着面積を大きくする場合には溶着線
を太くまたは溶着点を大きくするか、その間隔を密にす
るか、ストライプ形状と放射形状とを組み合わせてもよ
い。
【0032】また、上ライナー5のクリーニング部7の
内部においても、その他の内部5b,6bより粗な間隔
でストライプ状、放射状、格子状の溶着線、または溶着
点で全面的に溶着してもよく、溶着面積が他の部分より
少なく、溶着面積比および全体としての回転トルク値が
前述の範囲となるように設定される。
【0033】ここで、クリーニング部7の形成と、ライ
ナー摺動性、保存性、落下信頼性の関係を説明する。
【0034】表1には、クリーニング部7の形成範囲
(角度θ)を変化させてその大きさを変更したときの特
性を示している。サンプルAは、角度θが0゜でクリー
ニング部7を形成していない場合で、サンプルB〜サン
プルFは、角度θが30゜〜120゜に大きくなり、順
に広いクリーニング部7を形成している。
【0035】
【表1】
【0036】サンプルAではクリーニング部7がなくて
上ライナー5の接触が少なく、ライナー摺動性および保
存性は良好(○)で、エラー発生率は15〜40%と大き
く落下信頼性が不良(×)となる。サンプルBでは角度θ
が30゜でライナーの接触が増加するが、ライナー摺動
性および保存性は良好(○)で、エラー発生率は15〜3
0%と低下して落下信頼性が可(△)となる。サンプルC
およびDではθが45゜および60゜でライナーの接触
がさらに増加し、ライナー摺動性および保存性は良好
(○)であると共に、エラー発生率は10〜25%とさら
に低下して落下信頼性が良好(○)となる。一方、サンプ
ルEではθが90゜でライナーの接触がさらに増加する
と、ライナー摺動性および保存性は可(△)となり、エラ
ー発生率は5〜10%とさらに低下して落下信頼性がさ
らに良好(◎)となる。サンプルFではθが120゜でラ
イナーの接触がさらに増加し、ライナー摺動性および保
存性は不良(×)となり、エラー発生率は5〜10%で落
下信頼性は良好(◎)である。なお、落下信頼性評価は、
90cm高さから、サンプルを床面に落下させ、訂正不
能エラー数を調べた結果である。このエラー発生率は3
0%を越えると実害レベルとなり好ましくない。
【0037】上記の結果、クリーニング部7の角度θ
は、ライナー摺動性および保存性の点からは90゜以
下、特に60゜以下が好ましく、落下信頼性の点からは
30゜以上、特に45゜以上が好ましく、両者の点から
は30゜〜90゜、特に30゜〜60゜、さらには45
゜〜60゜が好ましいものである。これにより、ライナ
ー摺動性および保存性の劣化抑制と、落下信頼性の向上
との両立が図れる。
【0038】つまり、上ライナー5の溶着面積の少ない
クリーニング部7は、回転トルクが適正値となる範囲に
おいて大きくして除塵性を高める反面、その他の溶着面
積の多い部分によってライナー摺動性、保存性を確保す
るものである。クリーニング部7の角度θが30゜より
小さいと、異物が付着しやすいS1面側が除塵性不足と
なって落下信頼性が低下し、摺動性および保存性との両
立が困難となる。一方、角度θが90゜より大きくなる
と、クリーニング部7による接触が過多となってダメー
ジを与えてライナー摺動性および保存性が低下する。
【0039】また、表2にはサンプル落下方向と落下信
頼性(エラー発生率)の関係を示し、前記サンプルAを
使用している。S1面を上として落下させたときも、S
1面を下として落下させたときも、エラー発生率はS1
面側で大きい。すなわち、訂正不能エラーはいずれの面
を上にして落下させた場合にも、全てS1面で発生して
いる。訂正可能エラー発生率は、S1面を上として落下
させたときにはS0面で14%、S1面で86%であ
り、S1面を下として落下させてもS0面で29%、S
1面で71%であった。この点から、落下信頼性を改善
するためには、S1面側の上ライナー5に溶着面積の少
ないクリーニング部7を部分的に設けて除塵性を高め、
S1面のエラー発生率を30%以下とするものである。
【0040】
【表2】
【0041】次に、回転トルクとエラー発生率との関係
を図2により説明する。クリーニング部7の大きさは回
転トルクの大きさと比例(溶着面積の大きさとは反比
例)する関係にあり、クリーニング部7が大きくなると
エラー発生率が低下して落下信頼性が良好となるが、回
転トルクは増大しライナー摺動性および保存性が低下す
る。回転トルクが0.8mN・mを越えると保存性実害
レベルとなり、この点から回転トルクは0.8mN・m
以下に、好ましくは0.7mN・m以下に設定し、ライ
ナー摺動性および保存性を確保する必要がある。一方、
クリーニング部7が小さくなると回転トルクは低減し、
ライナー摺動性および保存性は良好となるが、エラー発
生率が増大して落下信頼性が劣化する。このエラー発生
率は30%が限度で、それを越えると落下信頼性実害レ
ベルとなり、そのためには回転トルクは0.4mN・m
以上に、好ましくは0.5mN・m以上に設定して落下
信頼性を確保する必要がある。これらに基づき、適正な
回転トルクの範囲を得つつ、上ライナー5の一部にクリ
ーニング部7を形成する。
【0042】上記のような実施の形態の磁気ディスクカ
ートリッジによれば、クリーニング部7の形成によりラ
イナー摺動性および保存性と落下信頼性との両立を図る
ことができた。磁気ディスクカートリッジをドライブ装
置に挿入して磁気ディスクメディア4が回転駆動される
と、上下ライナー5,6の表面が磁気ディスクメディア
4の表面に接触し、特に溶着面積の少ないクリーニング
部7により、異物が付着しやすいS1面で良好な除塵性
を得て付着した異物を除去し、落下信頼性を改善するこ
とができた。この磁気ディスクメディア4の表面に付着
している塵埃は、自重等により軽度の付着性を有してい
るが、ライナー5,6の起毛先端が接触して塵埃にその
静的付着力を越える移動エネルギーを与えることによ
り、塵埃は移動を開始し、磁気ディスクメディア4の高
速回転に伴う塵埃が有する遠心力で外周方向に移動する
と共に、磁気ディスクメディア4の回転によりその表面
には外側に向けて流れるエア流が発生しており、このエ
ア流によっても外周方向に移動し、浮上して上下ライナ
ー5,6に付着吸収されるか、記録領域4aより外側に
排除されてクリーニングが行われ、塵埃が磁気ヘッドと
の接触部分に侵入するのを阻止してエラーの発生原因と
ならない。また、クリーニング部7以外の上下ライナー
5,6の溶着面積を多くすることにより、上下ライナー
5,6と磁気ディスクメディア4との接触を低減し、全
体としての接触により発生するダメージを軽減してライ
ナー摺動性および保存性が良好となる。
【0043】特にクリーニング部7を窓部10の直前に
形成したために、磁気ヘッドに対する直前において磁気
ディスクメディア4の除塵を行って、有効にヘッドクラ
ッシュの発生を低減でき、クリーニング部7の大きさを
小さく形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る磁気ディスク
カートリッジの上下シェルと磁気ディスクメディアの分
解斜視図
【図2】回転トルクとエラー発生率との関係を示す図
【符号の説明】
1 上シェル 2 下シェル C カートリッジケース D メディア回転方向 3 センターコア部材 4 磁気ディスクメディア 4a 記録領域 4b 非記録領域 5 上ライナー 6 下ライナー 7 クリーニング部 10,11 磁気ヘッド挿入用の窓部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面にスピンドル孔を有する下ケースに
    上ケースを接合したカートリッジケース内に、円盤状の
    磁気ディスクメディアを回転可能に収容すると共に、前
    記カートリッジケースに磁気ヘッド挿入用窓部を有し、
    前記磁気ディスクメディアに対向する前記上シェルおよ
    び下シェルの内面にそれぞれ上ライナーおよび下ライナ
    ーを溶着してなる磁気ディスクカートリッジにおいて、 前記上シェルに対する上ライナーの溶着面積を、少なく
    とも前記窓部のメディア回転方向に対し上流側のクリー
    ニング部で他の部分より少なくしたことを特徴とする磁
    気ディスクカートリッジ。
JP2000346752A 2000-11-14 2000-11-14 磁気ディスクカートリッジ Withdrawn JP2002150738A (ja)

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