JP2002148276A - 加速度センサの製造方法 - Google Patents

加速度センサの製造方法

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JP2002148276A
JP2002148276A JP2000341787A JP2000341787A JP2002148276A JP 2002148276 A JP2002148276 A JP 2002148276A JP 2000341787 A JP2000341787 A JP 2000341787A JP 2000341787 A JP2000341787 A JP 2000341787A JP 2002148276 A JP2002148276 A JP 2002148276A
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Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
Masahito Sugimoto
雅人 杉本
Fumihiko Taniguchi
文彦 谷口
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの接合体から2つの軸方向に感度を有す
る多数のバイモルフ型振動子を作成することができ、ひ
いては加速度センサを小型化することができる、加速度
センサの製造方法を提供する 【解決手段】 2枚の圧電体(ニオブ酸リチウム基板)
1a、1bを、分極軸が反転するように接合して接合体
10を形成する。続いて、接合体10を構成する一方の
圧電体1aを所定の厚みに薄板化する。次に、接合体1
0の、薄板化されていない方の圧電体1bの主面に溝を
形成して振動子部を形成する。さらに、砥石6を用い
て、上記溝の伸びる方向と垂直な方向に伸びるレ字形の
溝5を形成し、接合体10を切断して複数のバイモルフ
型振動子を製作する。この後、バイモルフ型振動子の傾
斜面をパッケージに固定することにより、2つの軸方向
に感度を有する小型の加速度センサを製作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度の測定およ
び振動の検知などに用いられる加速度センサの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化が進み、ノート
型パソコン等の携帯用情報機器が急速に普及している。
これらの電子機器の衝撃に対する信頼性を確保・向上す
るために、小型で表面実装可能な高性能の加速度センサ
の需要が高まっている。例えば、高密度のハードディス
クへの書き込み動作中に衝撃が加わると、ヘッドの位置
ずれが生じる。その結果、データの書き込みエラーやヘ
ッドの破損を引き起こす可能性がある。そこで、ハード
ディスクに加わった衝撃を検出し、書き込み動作を停止
したり、ヘッドを安全な位置に退避させる必要がある。
このような衝撃を検出するために加速度センサが用いら
れる。また、自動車の衝突時の衝撃から搭乗者を保護す
るためのエアバック装置の衝撃検知用加速度センサなど
としての需要も高まっている。
【0003】従来、加速度センサとしては圧電セラミッ
ク等の圧電材料を用いたものが知られている。これらの
加速度センサは、圧電材料の電気−機械変換特性を利用
することにより、高い検出感度を実現することができ
る。圧電型の加速度センサは、加速度や振動による力を
圧電効果によって電圧に変換し、出力する。このような
加速度センサの1つとして、片持ち梁型構造の矩形状バ
イモルフ型振動子が知られている。
【0004】かかるバイモルフ型振動子の1つとして、
2枚の圧電体を分極方向が逆方向になるように貼り合わ
せて、その片端に支持体を設けたものが知られている。
この種のバイモルフ型振動子の両面には、それぞれ、電
荷を取り出すための電極が形成されている。そして、こ
のバイモルフ型振動子をパッケージ内に実装し、電極と
パッケージの外部電極とを導電層で接続して、加速度セ
ンサを形成している。このような構造のバイモルフ型振
動子は、例えば特開平10−96742に開示されてい
る。
【0005】ところで、先に述べたハードディスクで
は、加速度センサの取り付け基板に対して平行な方向の
加速度と垂直な方向の加速度とを1つの加速度センサで
検出できるよう、主感度軸を傾けた加速度センサを用い
る場合がある。このような加速度センサにおいては、主
感度軸が垂直方向に対して、角度θだけ傾くよう実装さ
れている(図5参照)。
【0006】このような加速度センサの製造方法は、例
えば特開平11−118823号公報に開示されてい
る。図9(a)に示すように、この従来の加速度センサ
の製造方法においては、まず、2枚の圧電体1a、1b
が貼り合わされてなる接合体10の一方の主面(広がり
面)に溝2を切ってバイモルフ型振動子を形成する。な
お、圧電体1aの下面(溝側とは反対側の面)には電極
3aが取り付けられ、圧電体1bの上面(溝側の面)に
は電極3bが取り付けられている。
【0007】次に、図9(b)に示すように、先端角が
2θのV字型の砥石36を用いて、溝2の伸びる方向と
直角な方向、すなわち面Aと垂直な方向に伸びるV字溝
35を切り、支持体を形成する。さらに、図9(c)に
示すように、複数の破線で示す位置、すなわちV字溝3
5の中心位置と、隣り合うV字溝35にはさまれた中間
部の中心位置とで、砥石37を用いて、バイモルフ型振
動子を切断する。
【0008】これにより、図9(d)に示すような、傾
斜面(V字溝の側面)を有する支持体(圧電体1bの一
部)を備えたバイモルフ型振動子が形成される。かくし
て、支持体の傾斜面をパッケージの底面に実装すること
により、2つの軸方向に感度を有する加速度センサを製
造することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た加速度センサの製造方法では、各V字溝35の両側に
形成される2つのバイモルフ型振動子は、互いに対称な
もの(右手型と左手側)となる。つまり、図9(d)に
示すように、これらの2つのバイモルフ型振動子を同一
のパッケージに実装すると、バイモルフ型振動子の傾き
の方向が異なることになる。ここで、図9(d)に示す
2つのバイモルフ型振動子に、矢印方向の加速度が加わ
った場合、両バイモルフ型振動子の出力電圧の極性は逆
となる。しかしながら、加速度センサとしては、出力電
圧の極性を同一にする必要がある。
【0010】このため、もしパッケージが1種類のみで
あれば、1つの接合体(圧電体)から製作される複数の
バイモルフ型振動子の半数は、該パッケージの部品とし
て用いることができない。つまり、バイモルフ型振動子
の取れ数は1/2になるといった問題がある。ここで、
すべてのバイモルフ型振動子を用いようとすれば、支持
部の位置が外部電極に対して逆方向になるような2種類
のパッケージを用意せざるをえない。
【0011】なお、図10に示すように、1つの接合体
(圧電体)から、右手型と左手型とが生じない形状(左
右対称型)の支持体を備えた複数のバイモルフ型振動子
を製作すれば、すべてのバイモルフ型振動子を同一の形
態で配置することができる。したがって、パッケージが
1種類のみであっても、すべてのバイモルフ型振動子を
有効に用いることができる。なお、このような左右対称
型のバイモルフ型振動子は、例えば、図9(c)におい
て、各V字溝35の中心位置のみで、砥石37を用い
て、接合体10を切断することにより製作することがで
きる。
【0012】しかしながら、図10に示すような左右対
称型のバイモルフ型振動子では、パッケージが1種類の
みであってもすべてのバイモルフ型振動子を使用するこ
とは可能であるが、台形である支持体の底辺が長くなる
ので、このバイモルフ型振動子を実装すると、加速度セ
ンサ全体の高さが高くなってしまうといった問題があ
る。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、1つの接合体(圧電体)から
2つの軸方向に感度を有する多数のバイモルフ型振動子
を作成することができ、ひいては加速度センサを小型化
することができる、加速度センサの製造方法を提供する
ことを目的ないしは解決すべき課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の第1の態様にかかる加速度センサの
製造方法は、(i)複数の圧電体が接合されてなる接合
体を用いた加速度センサの製造方法であって、(ii)少
なくとも2つの分極された圧電体を、分極軸が反転する
(逆向きとなる)ように接合して接合体を形成する圧電
体接合工程と、(iii)接合体の少なくとも一方の主面
側の圧電体を、あらかじめ定めた厚みに薄板化する薄板
化工程と、(iv)接合体の、より多く薄板化された主面
側とは反対側の主面(すなわち、薄板化されていない方
の主面、または薄板化の程度が少ない方の主面)に溝を
形成する溝形成工程と、(v)該溝の伸びる方向と垂直
な方向に切断経路が伸び、切断面の一方が圧電体の接合
面に対して垂直となり他方が該接合面に対して傾斜する
(垂直でない角度をもつ)ように、接合体を切断する切
断工程とを含むことを特徴とするものである。この加速
度センサの製造方法によれば、1種類のパッケージに、
切り出されたどのバイモルフ型振動子を実装しても、出
力電圧の極性が同じになる2軸対応の加速度センサを得
ることができる。
【0015】本発明の第2の態様にかかる加速度センサ
の製造方法は、(i)複数の圧電体が接合されてなる接
合体を用いた加速度センサの製造方法であって、(ii)
少なくとも2つの分極された圧電体を、分極軸が反転す
る(逆向きとなる)ように接合して接合体を形成する圧
電体接合工程と、(iii)接合体の少なくとも一方の主
面側の圧電体を、あらかじめ定めた厚みに薄板化する薄
板化工程と、(iv)接合体の、より多く薄板化された主
面側とは反対側の主面(すなわち、薄板化されていない
方の主面、または薄板化の程度が少ない方の主面)に溝
を形成する溝形成工程と、(v)該溝の伸びる方向と垂
直な方向に切除経路が伸びるように、接合体をV字形
(V字谷状)に切除(切断)するV字形切除工程と、
(vi)V字形切除面の一方の側のみを、圧電体の接合面
に対して略垂直になるよう切断する切断工程とを含むこ
とを特徴とするものである。この加速度センサの製造方
法によれば、非対称な切断面を有する切断ジグを用いな
くとも、1種類のパッケージに、切り出されたどのバイ
モルフ型振動子を実装しても、出力電圧の極性が同じに
なる2軸対応の加速度センサを得ることができる。
【0016】本発明の第3の態様にかかる加速度センサ
の製造方法は、本発明の第1または第2の態様にかかる
加速度センサの製造方法において、圧電体接合工程で、
圧電体を直接接合により接合することを特徴とするもの
である。この加速度センサの製造方法によれば、圧電体
を直接接合により接合するので、製造された加速度セン
サの圧電体間には接着層が存在しない。このため、圧電
体の貼りむらによる厚みのばらつきが小さくなり、圧電
体が均一に薄層化され、該加速度センサの精度が高めら
れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ具体的に説明する。 (第1の実施の形態)まず、第1の実施の形態を説明す
る。図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態にかかる
加速度センサの製造方法を示す図である。以下、図1〜
図3を参照しつつ、この加速度センサの製造方法を説明
する。
【0018】まず、図1(a)に示すように、バイモル
フ型振動子の母材となる圧電板として、それぞれ、厚さ
が約500μmであり両面が鏡面研磨されたニオブ酸リ
チウム基板(以下、「LN基板」という。)1a、1b
を用意する。そして、これらの2枚のLN基板1a、1
bを、これらの結晶のZ軸(分極軸)が互いに反転する
(逆向きとなる)ような形態で直接接合し、接合体10
を形成する。図1(a)において、矢印X1は一方のL
N基板1aの分極方向を示し、矢印X2は他方のLN基
板1bの分極方向を示している。なお、両LN基板1
a、1bを直接接合する方法は、後で詳しく説明する。
【0019】次に、図1(b)に示すように、接合体1
0の一方の広がり面側、すなわち一方のLN基板1a
を、研削あるいは研磨により、その厚さが50μmにな
るまで薄層化(薄板化)する。その際、直接接合された
両LN基板1a、1b間には接着層が存在しないので、
貼りむらによる厚みのばらつきが小さくなり、均一な薄
層化が可能である。この後、図1(c)に示すように、
接合体10を裏返して、これに溝加工を行う。この溝加
工には、矩形の砥石(図示せず)が用いられる。この溝
加工工程では、研削加工により、面Aと平行な深さ45
0μmの溝2を形成し、振動子部の厚さが100μmと
なるようにする。この溝加工により、薄くなった部分が
バイモルフ型振動子の振動子部となり、残った部分が支
持体となる。溝2の幅は、バイモルフ型振動子の振動子
部の長さと、切断の切りしろとを考慮して決定される
が、振動子部の長さよりわずかに大きめにするのが好ま
しい。
【0020】次に、図2(a)に示すように、接合体1
0の両面に、それぞれ、電荷取り出し用の電極3a、3
bを形成する。少なくとも振動子部となる部分の両主面
の全部または一部に相対するように、Ni層を下地にし
て金電極を形成する。なお、金電極の形成にはメッキ法
を用いる。次に、図2(b)に示すように、例えばダイ
シングソーなどを用いて、接合体10の振動子部を、溝
2の伸びる方向と平行な方向に、すなわち面Aと平行な
方向に切断する。このとき、切断位置は、破線Y1、Y2
で示すように、支持体の端部からの距離が振動子部の長
さとなるように決定する。
【0021】この後、図3(a)に示すように、溝2の
伸びる方向と垂直な方向、すなわち面Aと垂直な方向に
伸びる溝5を形成する。この溝5は、その底部で角度θ
で交わる2つの側壁で形成され、その一方(図3(a)
中では右側の側壁)は圧電体接合面(接合体広がり面)
に対して垂直であり、他方(図3(a)中では左側の側
壁)は圧電体接合面に対して傾斜している(垂直でない
角度を有する)。すなわち、溝5は、「レ」字形の断面
をもつ溝である。このレ字形の溝5は、先端角がθであ
るレ字形の断面をもつ砥石6、例えばダイヤモンドカッ
ターなどを用いてレ字溝加工を行うことにより形成され
る。
【0022】さらに、図3(b)に示すように、細い
(薄い)矩形の砥石7を用いて、レ字形の溝5の先端部
を切断し、接合体10をバイモルフ型振動子ごとに分離
する。なお、この第1の実施の形態において、レ字形の
断面をもつ溝5を形成する工程で使用するレ字形の断面
をもつ砥石6等の先端角θは、最終的に製作される加速
度センサ(バイモルフ型振動子)の傾斜させたい角度θ
と一致させることが必要である。この第1の実施の形態
では、砥石6等の先端角θすなわち加速度センサの傾斜
角は、例えば25°に設定される。
【0023】溝5の切り込み深さは、深い浅いにかかわ
らず、最終的に製作される加速度センサの傾斜角度には
影響を与えない。したがって、切り込み深さについての
管理を厳密に行わなくてもよいので、量産上も都合がよ
い。ここで、レ字形の溝5の切り込み深さを深くして、
レ字形の溝5を形成するための加工のみで、接合体10
を完全に切断・分離し、図3(b)の工程を省略するこ
ともできる。以上の工程により、図4に示すようなバイ
モルフ型振動子30が形成される。このバイモルフ型振
動子30においては、梁部20及び支持体部21の両方
とも、その両面に電極3a、3bが形成されているの
で、支持体部21上の電極3a、3bからも電荷を引き
出すことができる。
【0024】図5(a)は、この第1の実施の形態にか
かる加速度センサの分解斜視図であり、図5(b)はこ
の加速度センサの側面図である。図5(a)に示すよう
に、この加速度センサ11は、下側のパッケージ12a
と上側のパッケージ12bとで構成されている。この加
速度センサ11では、図4に示すバイモルフ型振動子3
0の支持体部21の傾斜面(すなわち、レ字形の溝5の
傾斜している方の側面から形成された面)が、下側のパ
ッケージ12aの底面に固定されている。
【0025】これにより、バイモルフ型振動子30の振
動子部は、水平方向に対して角度θだけ傾いた姿勢で配
置されることになり、実装面に対して平行方向及び垂直
方向の2つの方向に感度をもつ(感応する)ことができ
る。バイモルフ型振動子30の両面の電極3a、3b
と、パッケージの外部電極13a、13bとの電気的接
続は、バイモルフ型振動子30の支持体部21上の電極
3a、3bと、パッケージの各導電層14とを、それぞ
れ導電ペースト15で接続することにより実現される。
【0026】以下、図6を参照しつつ、この第1の実施
の形態における両LN基板1a、1bの直接接合法を説
明する。両LN基板1a、1bの直接接合に際しては、
まず、圧電体である各LN基板1a、1b(ニオブ酸リ
チウム基板)の両面を鏡面研磨する。次に、これらのL
N基板1a、1bを洗浄した後、アンモニアと過酸化水
素と水との混合液(アンモニア水:過酸化水素水:水=
1:1:6(容量比))に浸漬し、親水化処理を施す。
【0027】図6(a)に示すように、洗浄され親水化
された各LN基板1a、1bの表面は、それぞれ−OH
基で終端される。ここで、図6(b)に示すように、両
LN基板1a、1b(ニオブ酸リチウム基板)を、分極
方向が互いに反対となるようにして接触させると、両L
N基板1a、1bは水素結合などの引力で引き合い、接
合される。さらに、図6(c)に示すように、両LN基
板1a、1bに熱処理を施すことにより、両LN基板1
a、1b(ニオブ酸リチウム基板)間が、酸素原子など
を介して原子レベルで強固に接合される。ニオブ酸リチ
ウムは、キュリー点が1210℃であり、これに近い温
度履歴により特性が劣化する。このため、熱処理は、キ
ュリー点以下で施されるのが好ましい。
【0028】このように、接合しようとする2つの材料
の鏡面研磨された面に表面処理を施し、これらの面を接
触させて加熱することにより、接着剤などの接着層を介
さず、直接界面間に接合を生じさせる接合手法は、一般
に「直接接合」と呼ばれる。このように直接接合された
材料は、その接合界面に、共有結合やイオン結合などを
含む原子レベルの強力な結合をもつ。この直接接合法に
より接合された基板は、前述したような後加工に十分耐
えうる強度をもち、かつ任意の形状に形成することがで
きる。
【0029】図7は、接合体10にレ字形の溝を形成す
るための切断加工を施す際に用いられるもう1つの砥石
26と、該砥石26によって形成されるレ字形の溝25
の切断面とを示している。図7に示すように、この砥石
26は、先端部近傍(下端部近傍)では幅が狭くかつ両
側とも角度がなく圧電体接合面(接合体広がり面)に対
して垂直であり、上部では一方の側のみが傾斜する(角
度がついた)形状を有している。この砥石26を用いて
形成(切断)された溝25の断面は、接合体下部では細
く垂直に切断され、上部では片側のみが傾斜する(角度
をもつ)形状を有している。
【0030】バイモルフ型振動子を大きく傾けて実装す
る場合、すなわち角度θが大きい場合、または振動子部
の幅が狭い場合、この砥石26を用いれば、削られずに
残る上辺部の長さが長くなる。このため、支持体の体積
を十分な大きさにすることができ、振動子部を安定に支
持することができる。また、上辺部とパッケージの導電
層部とを導電性ペーストなどで接続する際も、上辺の面
積が大きいので、該接続を容易に行うことができる。ま
た、図3(b)に示す切断工程を省略することができ、
工程数を削減することができる。
【0031】第1の実施の形態では、図2(a)に示す
溝2を形成(加工)する工程と、図2(b)に示す振動
子部の長さを決定して切断する工程と、図3(a)に示
す溝5を形成(加工)する工程とを、この順に実行する
ようにしているが、これらの工程を実行する順序は、こ
れに限定されるものではなく、どのような順序でもよ
い。
【0032】第1の実施の形態では、圧電体の材料とし
てニオブ酸リチウムを用いているが、圧電体の材料はこ
れに限定されるものではない。例えば、タンタル酸リチ
ウム、水晶、KNbO3、ランガサイトなどの圧電単結
晶を用いてもよく、また圧電セラミックを用いてもよ
い。また、圧電体の数は2枚に限定されるものではな
く、3枚以上であってもよい。
【0033】第1の実施の形態では、分極反転構造を有
する接合体の形成方法として、直接接合法を用いている
が、接合体の形成方法は直接接合法に限定されるもので
はない。例えば、接着や陽極接合を用いてもよい。ま
た、積層グリーンシートを焼成するなどといった工法を
用いてもよい。第1の実施の形態では、電極はNiと金
とで形成されているが、電極材料はこれに限定されるも
のではない。例えば、Cr、アルミ、銅などを単独で用
い、あるいはこれらを複数の層として用い、またはこれ
らを合金として用いてもよい。電極の形成方法は、メッ
キに限定されるものではなく、真空蒸着法、CVD法、
スパッタ法、印刷法などを用いてもよい。また、電極形
成は、個々のバイモルフ型振動子を切り出した後に行っ
てもよい。
【0034】また、LN基板1a、1b(ニオブ酸リチ
ウム基板)での各溝部の形成方法(加工方法)は、研削
に限定さえっるものではない。例えば、ドライエッチン
グ、ウエットエッチング、レーザ加工、ダイシングソー
やワイヤーソーなどの機械加工、ウオータージェット加
工、放電加工などを用いてもよい。切断についても同様
である。
【0035】以上、第1の実施の形態にかかる加速度セ
ンサの製造方法によれば、同一の接合体(圧電体)から
製作されるすべてのバイモルフ型振動子を同一の形態で
配置することができる。したがって、パッケージが1種
類のみであっても、すべてのバイモルフ型振動子を有効
に用いることができる。つまり、1種類のパッケージ
に、切り出されたどのバイモルフ型振動子を実装して
も、出力電圧の極性が同じになる2軸対応の加速度セン
サを得ることができる。
【0036】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図8は、
第2の実施の形態にかかる加速度センサの製造方法の概
略を示す図である。第2の実施の形態における加速度セ
ンサの製造方法において、溝2の形成工程までの各工程
(ずなわち、図2の(b)までの工程)は、前述した第
1の実施の形態の場合と同様であるので、説明の重複を
避けるため、この第2の実施の形態では、その説明を省
略する。
【0037】第2の実施の形態においても、第1の実施
の形態の場合と同様に、図2(b)に示すような、溝2
が形成された接合体10を形成する。次に、図8(a)
に示すように、先端部近傍の断面がV字形の砥石36、
例えばダイヤモンドカッターなどを用いてV字溝加工を
行い、溝2(図2(b)参照)の伸びる方向と垂直な方
向に伸びるV字溝35を形成する。
【0038】この後、図8(b)に示すように、通常の
切断加工法、例えば矩形状の砥石37を用いたダイシン
グソーなどを用いて、直線Z1で示す位置で、V字溝3
5の一方の側面に対応する接合体10を切断・除去す
る。この切断の幅は、V字溝35の片側の傾斜面が切り
取られるように設定すればよい。また、V字溝35の加
工の間隔は、1個のバイモルフ型振動子の幅と、傾斜面
の幅とを考慮して設定すればよい。
【0039】第2の実施の形態においては、V字溝形成
工程で使用する先端部近傍の断面がV字形の砥石36の
先端角は、加速度センサを傾斜させたい角度θに対して
2θとすることが必要である。以上のような工程によ
り、第1の実施の形態の場合と同様に、図4に示すよう
なバイモルフ型振動子を作成することができる。第2の
実施の形態では、V字型の溝切断を行っているのにもか
かわらず、加速度センサの高さを低く押さえて、2つの
軸方向に感度をもつ(感応する)小型の加速度センサを
製造することができる。
【0040】第2の実施の形態においては、V字溝35
を再度切断するという工程が必要であるが、砥石36の
形状が対称であるので、砥石36の作成が容易である。
このため、砥石36が安価であり、また非対称の砥石
(図3参照)を用いる場合よりも、切断精度に優れると
いった利点がある。
【0041】なお、LN基板1a、1b(ニオブ酸リチ
ウム基板)の各溝部の加工方法は、研削に限定されるも
のではなく、ドライエッチング、ウエットエッチング、
レーザ加工、ダイシングソーやワイヤーソーなどの機械
加工、ウオータージェット加工、放電加工などを用いて
もよいのは、第1の実施の形態の場合と同様である。ま
た、切断についても、第1の実施の形態の場合と同様
に、種々の手法を用いることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の第1の態様にかかる加速度セン
サの製造方法によれば、同一の接合体(圧電体)から製
作されるすべてのバイモルフ型振動子を同一の形態で配
置することができる。したがって、パッケージが1種類
のみであっても、すべてのバイモルフ型振動子を有効に
用いることができる。つまり、1種類のパッケージに、
切り出されたどのバイモルフ型振動子を実装しても、出
力電圧の極性が同じになる2軸対応の加速度センサを得
ることができる。
【0043】本発明の第2の態様にかかる加速度センサ
の製造方法によれば、本発明の第1の態様にかかる効果
に加えて、さらに、砥石の作成を容易化することがで
き、切断精度の高い小型の2軸対応の加速度センサを製
造することができるといった効果が得られる。
【0044】本発明の第3の態様にかかる加速度センサ
の製造方法によれば、本発明の第1又は第2の態様にか
かる効果に加えて、さらに、圧電体の貼りむらによる厚
みのばらつきを小さくすることができ、圧電体を均一に
薄層化することができ、加速度センサの精度を高めるこ
とができるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(c)は、それぞれ、製造途上にあ
る加速度センサの中間体の斜視図であり、本発明の第1
の実施の形態にかかる加速度センサの製造方法を示して
いる。
【図2】 (a)、(b)は、それぞれ、製造途上にあ
る加速度センサの中間体の斜視図であり、第1の実施の
形態にかかる加速度センサの製造方法を示している。
【図3】 (a)、(b)は、それぞれ、製造途上にあ
る加速度センサの中間体の断面図であり、第1の実施の
形態にかかる加速度センサの製造方法を示している。
【図4】 第1の実施の形態にかかる製造方法で製造さ
れた、加速度センサに用いられるバイモルフ型振動子の
斜視図である。
【図5】 (a)は第1の実施の形態にかかる製造方法
で製造された加速度センサの斜視図であり、(b)は
(a)に示す加速度センサの側面図である。
【図6】 (a)〜(c)は、それぞれ、第1の実施の
形態にかかる加速度センサの製造工程における直接接合
の接合態様を示す説明図である。
【図7】 製造途上にある加速度センサの中間体の断面
図であり、第1の実施の形態にかかる加速度センサの製
造方法を示している。
【図8】 (a)、(b)は、それぞれ、製造途上にあ
る加速度センサの中間体の断面図であり、本発明の第2
の実施の形態にかかる加速度センサの製造方法を示して
いる。
【図9】 (a)は製造途上にある加速度センサの中間
体の斜視図であり、(b)〜(c)はそれぞれ製造途上
にある加速度センサの中間体の断面図であり、(d)は
実装面に実装された加速度センサの側面図であり、これ
らは従来の加速度センサの製造方法ないしは実装方法を
示している。
【図10】 従来の製造方法で製造された加速度センサ
の側面図である。
【符号の説明】
1a…ニオブ酸リチウム基板(圧電体)、1b…ニオブ
酸リチウム基板(圧電体)、2…溝、3a…電極、3b
…電極、5…レ字型溝、6…砥石、7…砥石、10…圧
電接合体、11…加速度センサ、12a…パッケージ、
12b…パッケージ、13a…外部電極、13b…外部
電極、14…導電層、15…導電ペースト、20…梁、
21…支持体、25…レ字型溝、26…砥石、30…バ
イモルフ型振動子、35…V字溝、36…砥石、37…
砥石。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧電体が接合されてなる接合体を
    用いた加速度センサの製造方法であって、 少なくとも2つの分極された圧電体を、分極軸が反転す
    るように接合して接合体を形成する圧電体接合工程と、 前記接合体の少なくとも一方の主面側の圧電体を、あら
    かじめ定めた厚みに薄板化する薄板化工程と、 前記接合体の、より多く薄板化された主面側とは反対側
    の主面に溝を形成する溝形成工程と、 前記溝の伸びる方向と垂直な方向に切断経路が伸び、切
    断面の一方が前記圧電体の接合面に対して垂直となり他
    方が該接合面に対して傾斜するように、前記接合体を切
    断する切断工程とを含むことを特徴とする加速度センサ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の圧電体が接合されてなる接合体を
    用いた加速度センサの製造方法であって、 少なくとも2つの分極された圧電体を、分極軸が反転す
    るように接合して接合体を形成する圧電体接合工程と、 前記接合体の少なくとも一方の主面側の圧電体を、あら
    かじめ定めた厚みに薄板化する薄板化工程と、 前記接合体の、より多く薄板化された主面側とは反対側
    の主面に溝を形成する溝形成工程と、 前記溝の伸びる方向と垂直な方向に切除経路が伸びるよ
    うに、前記接合体をV字形に切除するV字形切除工程
    と、 V字形切除面の一方の側のみを、前記圧電体の接合面に
    対して略垂直になるよう切断する切断工程とを含むこと
    を特徴とする加速度センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記圧電体接合工程において、前記圧電
    体を直接接合により接合することを特徴とする請求項1
    または2に記載の加速度センサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017514439A (ja) * 2014-04-15 2017-06-01 ニューポート・コーポレイションNewport Corporation 圧電アクチュエータのための一体型前負荷機構
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