JP2002148247A - 光学異性体用分離剤及びその製造方法 - Google Patents

光学異性体用分離剤及びその製造方法

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JP2002148247A
JP2002148247A JP2000341432A JP2000341432A JP2002148247A JP 2002148247 A JP2002148247 A JP 2002148247A JP 2000341432 A JP2000341432 A JP 2000341432A JP 2000341432 A JP2000341432 A JP 2000341432A JP 2002148247 A JP2002148247 A JP 2002148247A
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Yoshio Okamoto
佳男 岡本
Eiji Yashima
栄次 八島
Tomoyo Yamamoto
智代 山本
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Nagoya Industrial Science Research Institute
Original Assignee
Nagoya Industrial Science Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多糖誘導体の優れた光学分割能を確保しつ
つ、そのような多糖誘導体を担体に担持せしめてなる光
学異性体用分離剤の耐溶媒性能を向上せしめてHPLC
の汎用性を高める。またそのような分離剤の充填される
カラムの耐久性を向上せしめること。更には、そのよう
な優れた特性を有する光学異性体用分離剤を有利に製造
し得る手法の提供。 【解決手段】 シリカゲル等の多孔性の担体に対して、
セルロース等をベースとする多糖誘導体を担持せしめ、
目的とする光学異性体用分離剤を製造するに際して、該
多糖誘導体に重合性不飽和基を導入して、重合性多糖誘
導体と為す一方、該重合性多糖誘導体及び前記担体と共
に、該重合性多糖誘導体とは異なる他の重合性不飽和モ
ノマーを共存せしめた状態下において、ラジカル共重合
を行ない、該重合性多糖誘導体を前記担体に固定せしめ
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、光学異性体用分離剤及びその製
造方法に係り、特に、高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)に好適に用いられる、耐溶媒性に優れた光学異
性体用分離剤と、それを有利に製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【背景技術】従来から、光学異性体を光学分割する手法
は、μgオーダーの微量分析以外にも、kgオーダーの
工業的規模での光学異性体の分取に応用されてきてお
り、また、そのような光学分割のために、多糖類やその
誘導体、例えばセルロースやアミロースのエステルまた
はカルバメート誘導体の高い光学分割能力を利用して、
それをシリカゲル等の多孔性の担体上に物理的に吸着、
担持せしめてなる分離剤が好適に用いられ得ることは、
よく知られているところである。
【0003】しかしながら、そのような分離剤は、所定
の多糖誘導体をシリカゲル(担体)に物理的な吸着によ
って担持させたものであるところから、それをHPLC
の分離剤として使用する場合にあっては、移動相として
多糖誘導体を溶解せしめる溶媒は使用することが出来
ず、シリカゲル(担体)に対する安定性(耐溶媒性)に
おいて、問題を内在するものであった。要するに、多糖
誘導体を溶解せしめる溶媒は、最早、移動相等としては
使用することが出来ず、分離条件の選択に制約があった
のであり、また試料を溶解する溶媒にも制限があり、移
動相として使用可能な溶媒に対して、溶解性の小さな試
料では、HPLCによる分離作用にも劣るものであった
のである。
【0004】このため、そのような多糖誘導体の担体に
対する安定性を向上せしめるべく、各種の手法が、これ
までに提案されてきており、例えば、特開平4ー202
141号公報においては、多糖類の水酸基部位にエステ
ル結合若しくはウレタン結合を介してビニル基を導入し
た多糖類誘導体を、ビニル基を導入した多孔性担体に対
して直接に共重合せしめて、光学分割剤を構成するよう
にした技術が明らかにされているが、そこでは、それら
の間における共重合による化学的結合の形成が効果的に
為され得ず、そのために、多糖類誘導体の担体に対する
固定化率が低く、多糖類誘導体の損失の問題に加えて、
光学分割作用にも劣るようになる等という問題があっ
た。
【0005】また、本発明者らにあっても、先に、特公
平7−30122号公報において、イソシアネート誘導
体を介して多糖誘導体をシリカゲルに化学的に結合さ
せ、以て両者の安定性を確保する技術を明らかにし、更
に、特開平11−171800号公報においては、セル
ロース誘導体を担持したシリカゲル上でスチレン、ジビ
ニルベンゼンをラジカル共重合させて網掛けして固定化
するようにすることにより、その安定性の向上を図る技
術を提案しているが、これらの手法にあっても、特別の
イソシアネート誘導体を準備する必要があったり、また
多工程の製造工程が必要である等という問題が内在する
他、多糖誘導体の固定化率が未だ充分でなく、それ故
に、多糖誘導体を溶解するような溶媒を移動相として用
いた光学分割手法の採用は、望むべくもなかったのであ
る。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、多糖誘導体の優れた光学分割能を確保しつつ、
そのような多糖誘導体を担体に担持せしめてなる光学異
性体用分離剤の耐溶媒性能を向上せしめ、以てHPLC
の汎用性を高めることにあり、また、そのような分離剤
の充填されるカラムの耐久性を向上せしめることにもあ
り、更には、そのような優れた特性を有する光学異性体
用分離剤を有利に製造し得る手法を提供することをも、
その課題とするものである。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かくの如き課
題を解決するために、シリカゲル等の多孔性の担体に対
して、セルロース等をベースとする多糖誘導体を担持せ
しめて、目的とする光学異性体用分離剤を製造するに際
して、該多糖誘導体に重合性不飽和基を導入して、重合
性多糖誘導体と為す一方、該重合性多糖誘導体及び前記
担体と共に、該重合性多糖誘導体とは異なる他の重合性
不飽和モノマーを共存せしめた状態下において、ラジカ
ル共重合を行ない、該重合性多糖誘導体を前記担体に固
定せしめるようにしたことを特徴とする光学異性体用分
離剤の製造方法を、その要旨とするものである。
【0008】また、このような製造手法にて得られた光
学異性体用分離剤は、セルロース等をベースとする多糖
誘導体に重合性不飽和基を導入してなる重合性多糖誘導
体と、それとは異なる他の重合性不飽和モノマーとをラ
ジカル共重合せしめ、生成する共重合体を、シリカゲル
等の多孔性の担体上に固定してなることを特徴としてい
る。
【0009】このような本発明に従う光学異性体用分離
剤の製造方法及びそれによって得られる光学異性体用分
離剤にあっては、重合性多糖誘導体が、その有効な光学
分割能を維持しつつ、それとは異なる他の重合性不飽和
モノマーとの間において、効果的にラジカル共重合せし
められ、以てそのような重合性多糖誘導体が、それ単独
で重合せしめられる場合とは異なり、他の重合性不飽和
モノマーを介して重合体を構成して(共重合体となっ
て)、所定の担体(粒子)表面を覆うようになるところ
から、かかる重合性多糖誘導体の固定化率を効果的に向
上せしめ得ることとなったのであり、これにより、得ら
れる光学異性体用分離剤の安定性乃至は耐溶媒性が効果
的に向上せしめられ得て、カラムの耐久性の向上を有利
に図り得るのである。
【0010】特に、そのような光学異性体用分離剤の安
定性(耐溶媒性能)の向上は、本発明に従う製造方法の
望ましい一つの態様に従って、前記担体に重合性不飽和
基を導入し、該担体に対して重合性多糖誘導体とそれと
は異なる他の重合性不飽和モノマーとを共重合せしめ
て、それら三成分を相互に化学結合せしめてなる形態の
光学異性体用分離剤とすることにより、より一層有利に
高めることが出来るのである。要するに、所定の重合性
多糖誘導体が、他の重合性不飽和モノマーとの共重合体
の形態において、担体に導入された重合性不飽和基に対
して、更に、共重合することにより、それら重合性多糖
誘導体と他の重合性不飽和モノマーと担体とが効果的に
化学結合することとなるのであり、以てそのような重合
性多糖誘導体の固定化率が有利に高められ得ることとな
るのであって、これにより、分離剤の安定性の向上が達
成され得るのである。
【0011】そして、このようにして得られる光学異性
体用分離剤は、重合性不飽和基が導入されたシリカゲル
等の多孔性の担体に対して、セルロース等をベースとす
る多糖誘導体に重合性不飽和基を導入してなる重合性多
糖誘導体と、それとは異なる他の重合性不飽和モノマー
とが、ラジカル共重合せしめられ、それら担体と重合性
多糖誘導体と他の重合性不飽和モノマーとが化学的に結
合されていることを特徴としている。
【0012】なお、上記した本発明の望ましい態様の一
つによれば、前記多糖誘導体のヒドロキシ基の一部が、
カルバメート基に変換されていると共に、該カルバメー
ト基に対して、所定の重合性不飽和基が結合せしめられ
ているものが、前記重合性多糖誘導体として有利に用い
られるのであり、更に、本発明の他の望ましい態様によ
れば、前記重合性多糖誘導体は、セルロースの6位のヒ
ドロキシ基の一部に対して、前記重合性不飽和基を導入
することによって構成されていることが望ましく、これ
によって、セルロース本来の光学分割能を有利に維持せ
しめ得るのである。
【0013】また、本発明において、重合性多糖誘導体
の担体に対する効率よい固定化に際して重要な役割を為
す、該重合性多糖誘導体とは異なる他の重合性不飽和モ
ノマーとしては、有利には、不飽和炭化水素モノマー、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル
酸誘導体、及びメタクリル酸誘導体からなる群より選ば
れた少なくとも1種のモノマーが用いられ、このような
重合性不飽和モノマーとの共重合によって、前記した本
発明の課題がよりよく解決され得ることとなるのであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、かくの如き本発明にお
いて、多孔性の担体としては、公知のものの中から適宜
に選択され、例えばポリスチレン、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリレート等の高分子物質からなる多孔質有
機担体や、シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カ
オリン、酸化チタン、珪酸塩、ヒドロキシアパタイト等
の多孔質無機担体を挙げることが出来るが、その中で
も、シリカゲルが、有利に用いられることとなる。ま
た、担体の粒径は、一般に、0.1μm〜10mm程
度、好ましくは1μm〜300μm程度であり、平均孔
径は、1nm〜100μm、好ましくは5nm〜5μm
程度である。なお、担体としてシリカゲルを用いる場合
において、その表面は、残存シラノール基の影響を排除
するために、表面処理が施されていることが望ましい
が、勿論、そのような表面処理が施されていないもので
あっても、使用可能であることは言うまでもないところ
である。
【0015】そして、本発明にあっては、そのような多
孔性担体が、そのままで用いられる他、重合性多糖誘導
体をより一層効果的に固定化せしめるべく、そのような
多孔性担体にも、ビニル基で代表される如き重合性不飽
和基(エチレン性不飽和結合)が導入せしめられる。な
お、この多孔性担体に重合性不飽和基を導入するに際し
ては、公知の各種の手法が採用され、共重合機能に影響
を与えない程度において、複数の重合性不飽和基や各種
結合位置に重合性不飽和基を有する不飽和化合物を用い
て、そのような不飽和化合物を、所定の多孔性担体に対
して、好ましくはシリカゲル等の化学修飾可能な担体に
対して反応せしめて、化学的に結合することにより、目
的とする重合性不飽和基が導入せしめられることとな
る。
【0016】なお、かかる担体に対する重合性不飽和基
の更に具体的な導入方式については、特開平4−202
141号公報に指摘されているところであり、本発明に
おいても、そこで指摘されている具体的な方式を適宜に
選択して、目的とする重合性不飽和基の導入された担体
が形成されることとなるが、特に、本発明において、シ
リカゲル表面上への重合性不飽和基の導入に際しては、
シリカゲル表面のヒドロキシ基(シラノール基)に対し
て、長鎖の有機基を介して、重合性不飽和基を導入せし
めることが望ましく、例えば、アミノアルキルシランを
用いて、シリカゲル表面のアミノアルキル化を行なった
後、そのアミノ基に対して、(メタ)アクリロイロキシ
アルキルイソシアナートを反応せしめて、重合性不飽和
基としてアクリル基乃至はメタクリル基を長鎖の有機基
を介して導入することにより、反応性(共重合性)のよ
い重合性担体を得ることが出来る。
【0017】一方、本発明において、重合性多糖誘導体
のベースとなる多糖としては、合成多糖、天然多糖及び
天然物変性多糖の何れも問わず、光学活性であれば如何
なるものも用いられ得るが、好ましくは、結合様式の規
則性の高いものが、好適に用いられることとなる。具体
的には、セルロースが代表的なものであるが、その他
に、デンプン、デキストラン、アミロース、アミロペク
チン、ブスツラン、カードラン、グルカン、ガラクタ
ン、マンナン、イヌリン、レバン、キシラン、キトサ
ン、キチン、プルラン、アガロース、アルギン酸等があ
り、またアミロースを含有する澱粉も用いることが可能
である。それらの中でも、高純度の多糖として容易に入
手することの出来るセルロース、アミロース、キシラ
ン、キトサン、キチン、マンナン、イヌリン、カードラ
ン等が好ましく、特にセルロース、アミロースが有利に
用いられることとなる。また、これらの多糖の数平均重
合度(1分子中に含まれるピラロース或いはフラロース
環の平均数)は、5以上、好ましくは10以上であり、
その上限は、取り扱いの容易さ等の点から、一般に50
0以下であることが望ましい。
【0018】ところで、本発明で用いられる多糖誘導体
は、上記のような多糖のヒドロキシ基(水酸基)の一部
に、該ヒドロキシ基と反応し得る官能基を有する化合物
を、従来から公知の手法に従って、エステル結合、ウレ
タン結合或いはエーテル結合等させることにより、誘導
体化して得られる化合物であって、そのような誘導体化
によって、優れた光学分割能が発揮せしめられ得るよう
になっているものである。ここで、ヒドロキシ基と反応
し得る官能基を有する化合物としては、イソシアン酸誘
導体、カルボン酸、エステル、酸ハライド、酸アミド、
ハロゲン化物、エポキシ化合物、アルデヒド、アルコー
ル或いはその他脱離基を有する化合物であれば、如何な
るものでもよく、これらの脂肪族、脂環族、芳香族、ヘ
テロ芳香族化合物を用いることが出来るが、それらの化
合物の中でも、特に、ハロゲン原子又は炭素数1〜3の
アルキル基で置換されたフェニルイソシアナート化合物
が有利に用いられる。そして、本発明にあっては、多糖
誘導体として、1単糖当たり0.1個以上のエステル結
合又はウレタン結合を有する多糖のエステル又はカルバ
メート誘導体が有利に用いられるのである。
【0019】そして、本発明において用いられる重合性
多糖誘導体は、上述せる如き多糖誘導体の形成に際し
て、ビニル基の如き重合性不飽和基を有する上記と同様
な化合物を用いて、前記した多糖の化学修飾を行なうこ
とにより、製造され得るものであって、具体的には、多
糖のヒドロキシ基と反応してエステル結合若しくはウレ
タン結合を生じる公知のビニル化合物が適宜に選択さ
れ、例えば塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、塩
化ビニルベンゾイル等の不飽和酸ハロゲン化物類や、ビ
ニルフェニルイソシアナート等の不飽和イソシアナート
類を挙げることが出来、更にそのような分子中に一つの
ビニル基(重合性不飽和基)を有する化合物ばかりでな
く、複数のビニル基を有する化合物をも、必要に応じて
用いることが出来る。
【0020】また、そのようなビニル基の如き重合性不
飽和基を有する化合物にて多糖を化学修飾するに際し
て、多糖構成単位への重合性不飽和基の導入数について
は、そのような重合性不飽和基を有する化合物にて多糖
の構成単位に存在する全てのヒドロキシ基(水酸基)、
例えばセルロースの場合においては、3つのヒドロキシ
基を完全に化学修飾する必要はなく、部分的な化学修飾
で充分であり、またセルロース(多糖)の分子全体にお
いて、部分的に重合性不飽和基が導入されていることで
充分である。
【0021】そして、本発明にあっては、特に有利に
は、前記した多糖誘導体のヒドロキシ基の一部がカルバ
メート(−OCONH−R)基に変換され、そしてその
ような置換基におけるRが所定の重合性不飽和基とされ
てなる形態が、有利に採用されることとなるのであり、
更に有利には、前記した重合性多糖誘導体は、セルロー
スの6位のヒドロキシ基の一部に対して、所定の重合性
不飽和基を導入することによって構成されている。この
ような構造の重合性多糖誘導体の採用によって、優れた
光学分割能を確保しつつ、それの多孔性担体への固定を
効果的に行ない、光学異性体用分離剤の耐溶媒特性乃至
は安定性を有利に高め得るのである。
【0022】また、本発明にあっては、かくの如き重合
性多糖誘導体と共に、それとは異なる他の重合性不飽和
モノマーを用い、それら重合性成分をラジカル共重合せ
しめることにより生成する共重合体にて、担体(粒子)
表面を覆うようにして、かかる重合性多糖誘導体の固定
化率を高め、以て耐溶剤特性を向上せしめるようにした
ものであるが、ここで用いられる他の重合性不飽和モノ
マーとしては、エチレン性二重結合を有する公知の各種
の低分子量のモノマーを用いることが出来、例えばスチ
レン、ジビニルベンゼン、イソプレン等の不飽和炭化水
素モノマー;t−ブチルアクリレート等のアクリル酸エ
ステル類;t−ブチルメタクリレート等のメタクリル酸
エステル類;アクリル酸アミド等のアクリル酸誘導体
類;メタクリル酸アミド等のメタクリル酸誘導体類、更
に珪素を含有する不飽和化合物等を挙げることが出来、
それらの1種または2種以上を組み合わせて、用いられ
ることとなる。
【0023】さらに、このような重合性不飽和モノマー
は、その共重合の対象となる重合性多糖誘導体の有する
有効な光学分割能に悪影響をもたらさない程度におい
て、適宜の割合において用いられることとなるが、一般
に、重合性多糖誘導体の100重量部に対して、1重量
部〜50重量部程度の割合において用いられることとな
る。尤も、そのような重合性不飽和モノマーの使用量
は、多孔性の担体に重合性不飽和基が導入されている場
合と、されていない場合とにおいても異なり、前者の場
合においては、より少ない使用量において、充分な固定
化率を得ることが可能である。
【0024】ところで、本発明に従って、所定の重合性
多糖誘導体を、それとは異なる他の重合性不飽和モノマ
ー、或いはそのような重合性不飽和モノマー及び重合性
不飽和基の導入された多孔性担体と、ラジカル共重合せ
しめるに際しては、一般的な懸濁重合等の重合手法に従
って、公知の通常の重合条件を採用して実施されること
となるが、有利には、多孔性担体に対して重合性多糖誘
導体を含浸乃至は塗布して、担持せしめた後、所定の重
合性不飽和モノマーをラジカル開始剤と共に含有する溶
液を接触させて、該溶液を担体表面に充分に付着せしめ
た後、重合を進行させることにより、目的とする重合性
多糖誘導体と重合性不飽和モノマーとの共重合、或いは
それら重合性多糖誘導体と重合性不飽和モノマーと、更
には重合性不飽和基の導入された担体との共重合が行な
われ、以て重合性多糖誘導体の担体に対する有効な固定
化が実現され得ることとなるのである。
【0025】要するに、このようなラジカル共重合操作
によって、多孔性担体の表面には、重合性多糖誘導体と
重合性不飽和モノマーとの共重合体が効果的に形成せし
められ得て、そのような共重合体にて覆われる(被覆さ
れる)ようになるのであり、またそれら重合性多糖誘導
体と重合性不飽和モノマーとが、担体の重合性不飽和基
と共重合して、それら三成分が化学的に結合してなる構
造の重合体構造として存在するようになるところから、
かかる重合性多糖誘導体の安定化乃至は耐溶媒特性が効
果的に高められ得て、HPLCに際してのカラム耐久性
が著しく向上せしめられ得ることとなったのであり、ま
た、重合性多糖誘導体が、それとは異なる、分子量の小
さな他の重合性不飽和モノマーを介して重合(共重合)
せしめられることによって、そのような重合性多糖誘導
体の固定化が有効に行なわれ得、更には、そのような重
合性多糖誘導体が、重合性不飽和モノマーを介して、多
孔性担体の重合性不飽和基に対して、有利に重合せしめ
られ得て、その固定化率を効果的に高め得たのである。
【0026】なお、このようにして、本発明に従って得
られた光学異性体用分離剤は、HPLCにのみ適用され
るものでは決してなく、他の液体クロマトグラフィーや
ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等の
クロマトグラフィー用の分離剤として有用であるが、特
に液体クロマトグラフィー用の分離剤として用いるの
が、その有利な特徴を最大限に発揮し得るところから、
好ましいのである。そして、そのような本発明に従う分
離剤を、前記のようなクロマトグラフィー用の分離剤と
して用いることにより、各種の光学異性体を効率よく分
離することが出来ることとなったのである。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を更に具体的に明らかにする
ために、本発明の代表的な実施例を挙げるが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが理解されるべき
である。
【0028】a)セルロース2,3−O−ビス(3,5
−ジメチルフェニルカルバメート)の合成 先ず、セルロース(メルク社製ミクロクリスタリンアビ
セル)6.02gと塩化リチウム4.06gとを乾燥さ
せた後、乾燥N,N−ジメチルアセトアミド60mLを
加え、80℃で12時間、加熱攪拌することにより、セ
ルロースを膨潤させた。次いで、トリフェニルメチルク
ロライド20.6g及び乾燥ピリジン120mLを加
え、再び80℃で12時間、加熱攪拌することにより、
セルロースの6位の保護を行なった後、3,5−ジメチ
ルフェニルイソシアナート21.9gを加え、そのまま
12時間、加熱攪拌することにより、セルロースの2位
及び3位のヒドロキシ基のカルバメート化を行なった。
【0029】その後、かかる得られたセルロースのカル
バメート化物を回収し、メタノールで洗浄した後、1%
HCl−メタノール800mL中で攪拌することによ
り、脱保護を行ない、6位のヒドロキシ基を再生するこ
とにより、目的とするセルロース2,3−O−ビス
(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)の17.5
gを得た。
【0030】b)6位の一部にビニル基を有するセルロ
ースフェニルカルバメート誘導体(CVDMPC)の合
先に合成したセルロース2,3−O−ビス(3,5−ジ
メチルフェニルカルバメート)の4.46gに乾燥ピリ
ジン90mLを加え、90℃で加熱攪拌することによ
り、かかる多糖誘導体を溶解した後、4−ビニルフェニ
ルイソシアナート0.85gを加え、続いて、3,5−
ジメチルフェニルイソシアナート2.01gを加えて、
12時間、加熱攪拌することにより、6位のヒドロキシ
基が3,5−ジメチルフェニルカルバメート基及び4−
ビニルフェニルカルバメート基にて置換された、セルロ
ース2,3−O−ビス(3,5−ジメチルフェニルカル
バメート)−6−O−(3,5−ジメチルフェニルカル
バメート)/(4−ビニルフェニルカルバメート)(C
VDMPC)2.97gを得た。なお、この生成物を、
1H−NMRにて分析した結果、6位に導入されたビニ
ル基の割合は、27.6%であった。
【0031】c)6位の一部にメタクリレート残基を有
するセルロースフェニルカルバメート誘導体(CMDM
PC)の合成 先に合成したセルロース2,3−O−ビス(3,5−ジ
メチルフェニルカルバメート)2.00gに乾燥ピリジ
ン14mLを加え、90℃で加熱攪拌して、かかる多糖
誘導体を溶解させた後、2−メタクリロイロキシエチル
イソシアナート0.31gを加え、加熱攪拌し、その加
えたイソシアナートが完全に反応して、消費されたこと
を確認した後、3,5−ジメチルフェニルイソシアナー
ト0.71gを加え、12時間、加熱攪拌することによ
り、残った6位のヒドロキシ基のカルバメート化を行な
い、目的とするセルロース2,3−O−ビス(3,5−
ジメチルフェニルカルバメート)−6−O−(2−メタ
クリロイロキシエチルカルバメート)/(3,5−ジメ
チルフェニルカルバメート)(CMDMPC)1.90
gを得た。また、1H−NMRにより、その6位に導入
されたビニル基の割合が27%であることを認めた。
【0032】d)シリカゲル表面上へのメタクリレート
残基の導入 先ず、シリカゲル(孔径:1000Å、粒子サイズ:7
μm)50gを用い、その表面のヒドロキシ基に対し
て、3−アミノプロピルトリエトキシシラン20mL
を、従来と同様にして反応せしめて、その表面のアミノ
プロピル化を行なった。
【0033】次いで、かかる得られたアミノプロピル化
シリカゲルの3.5gを用い、乾燥トルエン10mLを
反応媒体として、これに、2−メタクリロイロキシエチ
ルイソシアナート0.187gを加え、90〜100℃
で5時間、加熱還流させることにより、シリカゲル表面
のアミノプロピル基におけるアミノ基と2−メタクリロ
イロキシエチルイソシアナートのNCO基とを反応せし
めて、重合性不飽和基としてビニル基、具体的には2−
メタクリロイロキシエチル基の導入された不飽和シリカ
ゲルの3.50gを得た。
【0034】e)セルロース誘導体の固定化 先に合成した各種の多糖誘導体を用い、それぞれ、通常
の担持型固定相を調製する手法により、前述の如くメタ
クリレート残基を導入した、或いは導入していないシリ
カゲル上に、25重量%担持させた後、真空処理して酸
素を除去し、次いで、窒素雰囲気下において、重合系の
ビニル基の1/50に相当するモル数のα,α′−アゾ
ビスイソブチロニトリル(AIBN)を蒸留ヘキサンに
溶解し、更に所要量の重合性不飽和モノマー(スチレ
ン、t−ブチルアクリレート等)を添加、溶解せしめた
溶液を少しづつ滴下して、シリカゲル全体に均一に行き
渡るように、よく振り、これを繰り返し、シリカゲルが
溶媒で緩いペースト状になるようにした後、60℃で2
0時間、ラジカル重合を行なった。
【0035】その後、通常のラジカル重合と同様にして
重合を停止し、得られたシリカゲルをTHF(テトラヒ
ドロフラン)20mLで洗い、遠心分離により回収して
から、更に、THF20mLで洗い、その洗浄されたシ
リカゲルを乾燥に付す一方、かかる洗浄に寄与したTH
F溶液を回収し、その蒸発残差から、シリカゲルより溶
け出したセルロース誘導体量を求め、その固定化率[=
(セルロース誘導体使用量−溶出セルロース誘導体量)
×100/セルロース誘導体の使用量]を算出した。
【0036】f)セルロース誘導体固定化シリカゲルの
カラム充填・光学分割能評価 先のe)において調製されたセルロース誘導体固定化シ
リカゲルを用い、通常の担持型固定相と同様の方法によ
って、粒径分別とカラム充填を行ない、光学分割能評価
用カラム(内径:2mm×長さ:250mm)を作製し
た。
【0037】次いで、このようにして作製された各種の
分離カラムを用い、液体クロマトグラフィー法により、
図1及び図2に示される各種のラセミ体化合物の光学分
割を行なった。分析条件は、移動相として、H(ヘキサ
ン)/I(イソプロパノール)=90/10、またはH
/C(クロロホルム)/I=90/10/1を用い、流
速:0.1mL/min、温度:25℃、検出:254
nmで行なった。
【0038】先ず、下記表1には、6位の一部の芳香環
上にビニル基を有するセルロースフェニルカルバメート
誘導体:CVDMPC(ビニル基6位の30%)の光学
分割能を、物理的にセルロース誘導体を吸着せしめただ
けの担持型固定相とした形態において、セルローストリ
ス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)(OD)
との間において比較した結果が示されている。そこで
は、CVDMPCを用いた場合に、ODと比較して、個
々のラセミ体においては、分離係数:αの上昇、下降が
観察され、特に、ベンゾイン及びコバルト(III )トリ
ス(アセチルアセトネート)では、ODで分割出来なか
ったものが、CVDMPCでは分割出来、或いはその逆
の挙動が認められたが、全体として、CVDMPCは、
ODと略同等の光学分割能を有しているものと、考えら
れるのである。
【0039】
【表1】
【0040】また、かかるCVDMPCに対して、それ
とは異なる他の重合性不飽和モノマーとしてのスチレン
(St)を、10重量%の割合で用いて、ラジカル共重
合を行なうことにより、生成する共重合体をシリカゲル
表面に固定せしめてなる分離剤について、その評価を行
ない、その結果を、担持型CVDMPCの場合と比べ
て、下記表2に示した。そこでは、CVDMPCに共重
合させる重合性不飽和モノマーとして、10重量%のス
チレンを用いただけで、CVDMPCの固定化を略完全
に行なうことが出来ることが示されている。また、移動
相(溶離液)にクロロホルムが含まれるような条件で光
学分割を試みても、全く問題なく、そのような溶離液を
使用することが出来、更に幾つかのラセミ体で、α値の
上昇が認められた。
【0041】これに対して、重合系にスチレンを存在さ
せず、CVDMPCのみの重合を行ない、生じた重合体
のシリカゲル表面上への固定化を行なったところ、固定
化率は50%に過ぎないものであった。
【0042】
【表2】
【0043】さらに、CVDMPCに共重合せしめる重
合性不飽和モノマー(スチレン)の量を種々異ならしめ
て得られた分離剤についての評価を行ない、その結果
を、下記表3に示す。この表3の結果から明らかなよう
に、スチレンの共重合割合をある程度減らしても、CV
DMPCの固定化率を充分に確保することが出来、また
分離係数:αも充分なものであると認められた。
【0044】
【表3】
【0045】次に、重合性不飽和モノマーとしてのスチ
レンに代えて、t−ブチルアクリレート(tBuA)又
はt−ブチルメタクリレート(tBuMA)を用い、そ
れらとCVDMPCとを共重合せしめることにより得ら
れた分離剤についての評価を行ない、その結果を、下記
表4に示した。この表4から明らかなように、スチレン
に代えて、tBuA又はtBuMAを用いた場合にあっ
ても、CVDMPCの固定化率を約90%とすることが
出来、その得られた固定相についても、溶離液にクロロ
ホルムが含まれるような条件での使用が可能であること
が認められた。また、ここで得られた固定相では、ラセ
ミ体によっては、スチレンを用いた場合よりもα値が上
昇しており、同重量のスチレンを用いて固定化を行なっ
た場合には光学分割出来なかったトランス−スチルベン
オキサイドでは、光学分割が達成されることを認めた。
【0046】
【表4】
【0047】さらに、シリカゲル上にメタクリレート残
基を導入したことによる光学分割能への影響を調べ、そ
の結果を、下記表5に示した。なお、その合成スキーム
からも理解されるように、本実施例において調製された
メタクリレート残基を有するシリカゲルには、極性の高
い尿素結合が含まれており、この尿素結合が、光学分割
に影響を及ぼす可能性があることから、その影響を調べ
るために、通常用いられる、表面をアミノプロピル化し
たシリカゲルにODを担持した固定相と、先に調製され
たメタクリレート残基を有するシリカゲルにODを担持
した固定相とを、それぞれ、調製し、それらの光学分割
能の比較を行なった結果、後者の方が、光学分割能が高
いことが分かった。
【0048】
【表5】
【0049】また、重合性不飽和モノマーとしてスチレ
ンを用い、上記のメタクリレート残基を導入したシリカ
ゲルに対して、CVDMPCの固定化を行なったとこ
ろ、下記表6に示される如く、シリカゲル上にビニル基
が存在しない場合に比べ、CVDMPCに対して、5重
量%という、より少ない使用量において、効率よくCV
DMPCを固定化することが出来ることが明らかとなっ
た。また、ここで得られた固定相についても、溶離液に
クロロホロムが含まれるような条件での使用が可能であ
ることも明らかとなった。更に、スチレンに代えて、t
−ブチルメタクリレートを用いて、CVDMPCをメタ
クリレート残基を導入したシリカゲル上での固定化を行
なった結果、同様に、少ない重合性不飽和モノマーの使
用量において、CVDMPCの固定化を行なうことが出
来、加えて、クロロホルムが含まれる溶離液を用いた分
離操作も可能であることが明らかとなった。
【0050】
【表6】
【0051】先に調製した6位の一部のみにメタクリレ
ート残基を導入したセルロースフェニルカルバメート誘
導体(CMDMPC)を用い、それとCVDMPCにつ
いて、担持型の分離剤を調製し、その特性を評価した結
果、下記の表7に示される如く、CMDMPCは、CV
DMPCと略同等の光学分割能を有していることを認め
た。
【0052】
【表7】
【0053】そして、上記で評価されたCMDMPCを
用い、それに対して10重量%のスチレンを重合性不飽
和モノマーとして用いて、シリカゲル上に固定化を試み
た結果、下記表8に示される如く、CVDMPCの場合
と同様に、略完全にCMDMPCを固定化することが出
来た。このことから、セルロース誘導体の光学分割能を
損なうことなく、より安価に且つ簡便に固定化を行ない
得ることが理解され、またここで得られた固定相につい
ても、溶離液にクロロホルムが含まれるような条件での
使用が可能であり、一部のラセミ体では、α値の上昇も
認められた。
【0054】
【表8】
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、多糖誘導体の光学分割能を有利に確保しつ
つ、そのような多糖誘導体の多孔性担体に対する固定化
率を著しく高め、固定相としての安定性乃至は耐溶媒性
能を向上して、カラムの耐久性を有利に向上せしめ得る
こととなったのであり、また、従来では使用が困難であ
った移動相の使用も可能ならしめ、以て光学異性体の分
離操作をより有利に行ない得ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において光学分割用試料として用いたラ
セミ体A〜Eの構造を示す図である。
【図2】実施例において光学分割用試料として用いたラ
セミ体F〜Jの構造を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/30 B01J 20/30 C07B 57/00 310 C07B 57/00 310 340 340 343 343 350 350 370 370 C07C 29/74 C07C 29/74 33/24 33/24 33/46 33/46 37/68 37/68 39/15 39/15 45/78 45/78 49/657 49/657 49/83 49/83 Z 49/92 49/92 231/20 231/20 233/58 233/58 // C08B 37/00 C08B 37/00 K C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4C090 AA05 AA07 AA10 BA34 BB53 BB62 BB73 BB99 DA40 4G066 AA22C AC01B AC02B BA09 BA20 BA23 BA28 CA19 EA01 FA07 4H006 AA05 AC83 AD17 BJ20 BJ50 BV64 FC52 FE11 FE13 FE71 FE74

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカゲル等の多孔性の担体に対して、
    セルロース等をベースとする多糖誘導体を担持せしめ
    て、目的とする光学異性体用分離剤を製造するに際し
    て、該多糖誘導体に重合性不飽和基を導入して、重合性
    多糖誘導体と為す一方、該重合性多糖誘導体及び前記担
    体と共に、該重合性多糖誘導体とは異なる他の重合性不
    飽和モノマーを共存せしめた状態下において、ラジカル
    共重合を行ない、該重合性多糖誘導体を前記担体に固定
    せしめるようにしたことを特徴とする光学異性体用分離
    剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記担体が重合性不飽和基を有してお
    り、該担体に対して前記重合性多糖誘導体と前記他の重
    合性不飽和モノマーとが共重合せしめられて、相互に化
    学結合せしめられている請求項1に記載の光学異性体用
    分離剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多糖誘導体のヒドロキシ基の一部が
    カルバメート基に変換されていると共に、該カルバメー
    ト基に対して前記重合性不飽和基が結合せしめられてい
    る請求項1又は請求項2に記載の光学異性体用分離剤の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記重合性多糖誘導体が、セルロースの
    6位のヒドロキシ基の一部に対して前記重合性不飽和基
    を導入することによって構成されている請求項1乃至請
    求項3の何れかに記載の光学異性体用分離剤の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記他の重合性不飽和モノマーが、不飽
    和炭化水素モノマー、アクリル酸エステル、メタクリル
    酸エステル、アクリル酸誘導体、及びメタクリル酸誘導
    体からなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーで
    ある請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光学異性体
    用分離剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 セルロース等をベースとする多糖誘導体
    に重合性不飽和基を導入してなる重合性多糖誘導体と、
    それとは異なる他の重合性不飽和モノマーとをラジカル
    共重合せしめ、生成する共重合体を、シリカゲル等の多
    孔性の担体上に固定してなることを特徴とする光学異性
    体用分離剤。
  7. 【請求項7】 重合性不飽和基が導入されたシリカゲル
    等の多孔性の担体に対して、セルロース等をベースとす
    る多糖誘導体に重合性不飽和基を導入してなる重合性多
    糖誘導体と、それとは異なる他の重合性不飽和モノマー
    とが、ラジカル共重合せしめられ、それら担体と重合性
    多糖誘導体と他の重合性不飽和モノマーとが化学的に結
    合されていることを特徴とする光学異性体用分離剤。
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