JP2002147907A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2002147907A
JP2002147907A JP2000345819A JP2000345819A JP2002147907A JP 2002147907 A JP2002147907 A JP 2002147907A JP 2000345819 A JP2000345819 A JP 2000345819A JP 2000345819 A JP2000345819 A JP 2000345819A JP 2002147907 A JP2002147907 A JP 2002147907A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器の汚れ状態に応じて適切な時期に洗
浄を行うことができるように、熱交換器の汚れ状態を正
確に検出する。 【解決手段】 圧縮機(41,42)の特性から室外熱交換
器(22)の熱交換量Qを算出する。外気温度Taと冷媒
蒸発温度Teとを検出し、室外熱交換器(22)の熱通過
率κと伝熱面積Aとを乗じた値κA=Q/(Ta−T
e)を算出する。κAが据付初期の値κ0Aの80%以
下に低下すると、洗浄を促す表示または信号を発する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】冷媒と流体(空気等)とを熱交換させる
熱交換器を備えた冷凍装置においては、流体に含まれる
不純物(例えば空気に含まれる塵や埃など)等が長期間
にわたって熱交換器に付着すると、それらの不純物等が
堆積し、熱交換器にいわゆる汚れが生じる場合がある。
汚れが生じると熱交換器の伝熱性能は低下する。そのた
め、熱交換器の汚れをそのまま放置しておくと、冷凍装
置の効率は徐々に低下していくことになる。そこで、冷
凍装置の効率低下を防止するためには、熱交換器の洗浄
を行う必要がある。
【0003】例えば、都市部のビルディングに設置され
た空気調和装置などでは、室外熱交換器は汚れやすいた
め、洗浄を行わないと空気調和装置の効率は徐々に低下
していき、やがては所定の能力を発揮できなくなる。そ
こで従来は、一定期間毎に熱交換器の洗浄を行ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱交換器の汚
れ状態は設置環境に大きく影響される。つまり、同一の
熱交換器であっても、例えば空気のきれいな場所に設置
されると長期間にわたって汚れることがないが、その逆
に、粉塵の多い場所などに設置されると、短期間のうち
に汚れることになる。
【0005】従来は設置環境にかかわりなく一定期間毎
に洗浄を行っていたため、清浄な環境下に設置された熱
交換器にとっては、未だ汚れていない状態であるにも拘
わらず洗浄が行われることとなり、洗浄作業の無駄が生
じていた。一方、粉塵の多い環境下に設置された熱交換
器にとっては、洗浄が行われるよりも相当以前に既に定
格能力を発揮できなくなっており、比較的長期間にわた
って低効率の運転を行う結果を招いていた。つまり、従
来は、熱交換器の設置環境に応じた適切な時期に洗浄を
行うことができなかったため、洗浄作業の無駄または装
置の運転効率の低下といった問題を避けることができな
かった。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、熱交換器の汚れ状態
に応じた適切な時期に洗浄を行うことを可能にすること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、熱交換器の熱通過率に基づいて汚れ状態
を検出することとした。
【0008】第1の発明に係る冷凍装置は、流体と冷媒
とを熱交換させる熱交換器を有する冷媒回路を備えた冷
凍装置であって、上記熱交換器の熱交換量を検出する熱
交換量検出手段と、上記熱交換器によって熱交換される
流体の温度を検出する流体温度検出手段と、上記熱交換
器の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段と、上記熱交
換量と上記流体温度と上記冷媒温度と上記熱交換器の伝
熱面積とから該熱交換器の熱通過率を算出する熱通過率
算出手段と、上記熱交換器の熱通過率に基づいて該熱交
換器の汚れ状態を検出する汚れ検出手段とを備えている
ものである。
【0009】上記第1の発明によれば、まず熱交換器の
熱交換量Qと、流体温度Taと、冷媒温度Trと、熱交
換器の伝熱面積Aとから、熱通過率κ=Q/A(|Ta
−Tr|)を算出する。次に、この熱通過率κの経時変
化を検出し、熱通過率κが低下すると汚れが生じたもの
と判断する。このことにより、熱交換器の汚れ状態が正
確に検出され、熱交換器の設置環境に拘わらず適切な時
期に洗浄を行うことが容易になる。
【0010】なお、上記および下記において「熱通過率
の算出」とは、上記のような熱通過率κの値自体の算出
だけを意味するのではなく、熱通過率κの大小に相関関
係のある値(例えば、熱通過率κに伝熱面積Aを乗じた
値κA等)を算出することも含まれる。つまり、実質的
に熱通過率の算出と見なし得ること全般を意味するもの
とする。
【0011】また、上記および下記において、熱交換量
検出手段、熱通過率算出手段および汚れ検出手段のうち
の1または2以上の手段は、冷媒回路の近傍に設けられ
ていてもよく、冷媒回路から離れた場所(例えば、サー
ビスセンター等)に設けられていてもよい。つまり、上
記手段は、冷媒回路等と一体的に設けられていてもよ
く、また、有線または無線の信号を介して情報伝達が自
在な遠隔地に設けられていてもよい。
【0012】第2の発明に係る冷凍装置は、前記第1の
発明に係る冷凍装置において、圧縮機(41,42)と、冷
媒回路(15)の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検出す
るための冷媒状態検出手段(74,76)とを備え、熱交換
量検出手段(91)は、上記冷媒状態検出手段(74,76)
の検出値と上記圧縮機(41,42)の特性とに基づいて熱
交換量を算出するように構成されているものである。
【0013】なお、上記および下記において、冷媒の凝
縮温度および蒸発温度の検出には、温度センサ等の検出
器によって直接検出することの他、冷媒回路の高圧側圧
力および低圧側圧力等から算出することも含まれる。
【0014】また、圧縮機の特性には、例えば圧縮機の
運転特性、冷媒の凝縮温度と蒸発温度に対する能力の特
性、冷媒の凝縮温度と蒸発温度に対する圧縮機入力の特
性、凝縮温度と蒸発温度に対する圧縮機入力電流の特性
等、様々な特性が含まれる。
【0015】第3の発明に係る冷凍装置は、前記第1の
発明に係る冷凍装置において、圧縮機と、冷媒回路の冷
媒の凝縮温度および蒸発温度を検出するための冷媒状態
検出手段とを備え、熱交換量検出手段は、上記圧縮機の
特性に応じて冷媒の凝縮温度および蒸発温度を用いて定
式化された所定の関数を記憶しており、上記冷媒状態検
出手段によって検出された凝縮温度および蒸発温度の値
を上記関数に代入することによって熱交換量を算出する
ように構成されているものである。
【0016】上記第2および第3の各発明によれば、熱
交換器の熱交換量は、冷媒の凝縮温度および蒸発温度に
基づいて算出されることになり、熱交換量を直接検出す
る必要がなくなる。
【0017】第4の発明に係る冷凍装置は、前記第1〜
第3のいずれか一の発明に係る冷凍装置において、熱交
換器の熱通過率が所定値以下になると、該熱交換器の洗
浄を促す表示または信号を発生する通知手段を備えてい
るものである。
【0018】上記第4の発明によれば、熱交換器の熱通
過率が所定値以下になると、熱交換器は汚れたものと判
断され、熱交換器の洗浄を促す表示または信号が発せら
れる。その結果、冷凍装置の保守点検等を行う者(いわ
ゆるサービスマン)は当該表示または信号により、熱交
換器の汚れ状態を早期かつ簡便に検知することになる。
その後、サービスマンが上記熱交換器の洗浄を行うこと
により、熱交換器は再び本来の能力を発揮することにな
り、冷凍装置の効率低下は抑制される。
【0019】第5の発明に係る冷凍装置は、流体と冷媒
とを熱交換させる熱交換器を有する冷媒回路を備え、該
熱交換器の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通
信自在な冷凍装置であって、上記熱交換器の熱交換量を
検出する熱交換量検出手段と、上記熱交換器によって熱
交換される流体の温度を検出する流体温度検出手段と、
上記熱交換器の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段
と、上記熱交換器の汚れ状態を検出するために上記監視
制御手段に対して上記熱交換量、上記流体温度および上
記冷媒温度のデータを出力するデータ出力手段とを備え
ているものである。
【0020】第6の発明に係る冷凍装置は、流体と冷媒
とを熱交換させる熱交換器を有する冷媒回路を備え、該
熱交換器の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通
信自在な圧縮式冷凍装置であって、上記熱交換器によっ
て熱交換される流体の温度を検出する流体温度検出手段
と、上記冷媒回路の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を検
出するための冷媒状態検出手段と、上記熱交換器の汚れ
状態を検出するために上記監視制御手段に対して上記流
体温度および上記冷媒温度のデータを出力するデータ出
力手段とを備えているものである。
【0021】上記第5および第6の各発明によれば、熱
交換器の汚れ検出は外部の監視制御手段(例えばサービ
スセンター等)によって行われるので、装置側において
汚れ検出を行わなくてもよい。そのため、装置の機器構
成を簡単化することができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、熱交換
器の熱通過率を算出し、当該熱通過率に基づいて汚れ状
態を検出することとしたので、熱交換器の汚れ状態を正
確に検出することができる。したがって、熱交換器の設
置環境に拘わらず適切な時期に熱交換器の洗浄を実行す
ることができる。そのため、無駄な洗浄作業を防止する
ことができる。また、冷凍装置の運転効率を長期間にわ
たって高効率に維持することができる。
【0023】特に、第2および第3の各発明によれば、
熱交換器の熱交換量を冷媒の凝縮温度および蒸発温度に
基づいて算出するので、熱交換量を特別な検出装置を用
いて直接検出する必要はなくなる。したがって、冷凍装
置の部品点数の増加や製造コストの上昇を招くことな
く、汚れ状態の検出を行うことができる。
【0024】また、第4の発明によれば、熱交換器の汚
れを検出したときに洗浄を促す表示または信号を発する
こととしたので、サービスマンは適切な洗浄時期を迅速
かつ簡便に認識することができる。
【0025】第5および第6の各発明によれば、汚れ検
出が外部の監視制御手段によって行われるので、装置の
構成を簡単化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施形態に係る冷凍装置は、ヒ
ートポンプ式の空調機(10)である。この空調機(10)
は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0027】−空調機の構成− 図1に示すように、上記空調機(10)は、1台の室外機
(11)と2台の室内機(12,13)とを備え、いわゆるマ
ルチ型に構成されている。また、上記空調機(10)は、
冷媒回路(15)とコントローラ(90)とを備えている。
尚、本実施形態では室内機(12,13)を2台としたが、
これは一例であり、室外機(11)の能力や用途に応じて
室内機(12,13)の台数を適宜定めればよい。
【0028】上記冷媒回路(15)は、1つの室外回路
(20)と、2つの室内回路(60,65)と、液側連絡管(1
6)と、ガス側連絡管(17)とにより構成されている。
室外回路(20)には、液側連絡管(16)及びガス側連絡
管(17)を介して、2つの室内回路(60,65)が並列に
接続されている。
【0029】上記室外回路(20)は、室外機(11)に収
納されている。室外回路(20)には、圧縮機ユニット
(40)、四路切換弁(21)、室外熱交換器(22)、室外
膨張弁(24)、レシーバ(23)、液側閉鎖弁(25)、及
びガス側閉鎖弁(26)が設けられている。
【0030】上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機
(41)と第2圧縮機(42)を並列に接続したものであ
る。これら圧縮機(41,42)は、何れも密閉型のスクロ
ール圧縮機である。つまり、これら圧縮機(41,42)
は、圧縮機構と該圧縮機構を駆動する電動機とを、円筒
状のハウジングに収納して構成されている。尚、圧縮機
構及び電動機については、図示を省略する。第1圧縮機
(41)は、電動機が常に一定回転数で駆動される一定容
量のものである。第2圧縮機(42)は、電動機の回転数
が段階的に又は連続的に変更される容量可変のものであ
る。そして、上記圧縮機ユニット(40)は、第1圧縮機
(41)の発停や第2圧縮機(42)の容量変更によって、
ユニット全体の容量が可変となっている。
【0031】上記圧縮機ユニット(40)は、吸入管(4
3)及び吐出管(44)を備えている。吸入管(43)は、
その端が四路切換弁(21)の第1のポートに接続され、
その出口端が2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吸
入側に接続されている。吐出管(44)は、その入口端が
2つに分岐されて各圧縮機(41,42)の吐出側に接続さ
れ、その出口端が四路切換弁(21)の第2のポートに接
続されている。また、第1圧縮機(41)に接続する吐出
管(44)の分岐管には、吐出側逆止弁(45)が設けられ
ている。この吐出側逆止弁(45)は、第1圧縮機(41)
から流出する方向への冷媒の流通のみを許容する。
【0032】また、上記圧縮機ユニット(40)は、油分
離器(51)、油戻し管(52)、及び均油管(54)を備え
ている。油分離器(51)は、吐出管(44)の途中に設け
られている。この油分離器(51)は、圧縮機(41,42)
の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのものである。
油戻し管(52)は、その一端が油分離器(51)に接続さ
れ、その他端が吸入管(43)に接続されている。この油
戻し管(52)は、油分離器(51)で分離された冷凍機油
を、圧縮機(41,42)の吸入側へ戻すためのものであっ
て、油戻し電磁弁(53)を備えている。均油管(54)
は、その一端が第1圧縮機(41)に接続され、その他端
が吸入管(43)における第2圧縮機(42)の吸入側近傍
に接続されている。この均油管(54)は、各圧縮機(4
1,42)のハウジング内に貯留される冷凍機油の量を平均
化するためのものであって、均油電磁弁(55)を備えて
いる。
【0033】上記四路切換弁(21)は、その第3のポー
トがガス側閉鎖弁(26)と配管接続され、その第4のポ
ートが室外熱交換器(22)の上端部と配管接続されてい
る。四路切換弁(21)は、第1のポートと第3のポート
が連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する状
態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4の
ポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通
する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。こ
の四路切換弁(21)の切換動作によって、冷媒回路(1
5)における冷媒の循環方向が反転する。
【0034】上記レシーバ(23)は、円筒状の容器であ
って、冷媒を貯留するためのものである。このレシーバ
(23)は、流入管(30)及び流出管(33)を介して、室
外熱交換器(22)と液側閉鎖弁(25)とに接続されてい
る。
【0035】流入管(30)は、その入口端側が2つの分
岐管(30a,30b)に分岐され、その出口端がレシーバ(2
3)の上端部に接続されている。流入管(30)の第1分
岐管(30a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続さ
れている。この第1分岐管(30a)には、第1流入逆止
弁(31)が設けられている。第1流入逆止弁(31)は、
室外熱交換器(22)からレシーバ(23)へ向かう冷媒の
流通のみを許容する。流入管(30)の第2分岐管(30
b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。この第2
分岐管(30b)には、第2流入逆止弁(32)が設けられ
ている。第2流入逆止弁(32)は、液側閉鎖弁(25)か
らレシーバ(23)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0036】流出管(33)は、その入口端がレシーバ
(23)の下端部に接続され、その出口端側が2つの分岐
管(33a,33b)に分岐されている。流出管(33)の第1
分岐管(33a)は、室外熱交換器(22)の下端部に接続
されている。この第1分岐管(33a)には、上記室外膨
張弁(24)が設けられている。流出管(33)の第2分岐
管(33b)は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。こ
の第2分岐管(33b)には、流出逆止弁(34)が設けら
れている。流出逆止弁(34)は、レシーバ(23)から液
側閉鎖弁(25)へ向かう冷媒の流通のみを許容する。
【0037】室外熱交換器(22)は、クロスフィン式の
フィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されて
いる。この室外熱交換器(22)では、冷媒回路(15)を
循環する冷媒と室外空気とが熱交換を行う。
【0038】上記室外回路(20)には、更にガス抜き管
(35)と均圧管(37)とが設けられている。
【0039】ガス抜き管(35)は、その一端がレシーバ
(23)の上端部に接続され、その他端が吸入管(43)に
接続されている。このガス抜き管(35)は、レシーバ
(23)のガス冷媒を各圧縮機(41,42)の吸入側へ導入
するための連通路を構成している。また、ガス抜き管
(35)には、ガス抜き電磁弁(36)が設けられている。
このガス抜き電磁弁(36)は、ガス抜き管(35)におけ
るガス冷媒の流れを断続するための開閉機構を構成して
いる。
【0040】上記均圧管(37)は、その一端がガス抜き
管(35)におけるガス抜き電磁弁(36)とレシーバ(2
3)の間に接続され、その他端が吐出管(44)に接続さ
れている。また、均圧管(37)には、その一端から他端
に向かう冷媒の流通のみを許容する均圧用逆止弁(38)
が設けられている。この均圧管(37)は、空調機(10)
の停止中に外気温が異常に上昇してレシーバ(23)の圧
力が高くなりすぎた場合に、ガス冷媒を逃がしてレシー
バ(23)が破裂するのを防止するためのものである。従
って、空調機(10)の運転中において、均圧管(37)を
冷媒が流れることは無い。
【0041】上記室内回路(60,65)は、各室内機(12,
13)に1つずつ設けられている。具体的には、第1室内
回路(60)が第1室内機(12)に収納され、第2室内回
路(65)が第2室内機(13)に収納されている。
【0042】第1室内回路(60)は、第1室内熱交換器
(61)と第1室内膨張弁(62)とを直列に接続したもの
である。第1室内膨張弁(62)は、第1室内熱交換器
(61)の下端部に配管接続されている。第2室内回路
(65)は、第2室内熱交換器(66)と第2室内膨張弁
(67)とを直列に接続したものである。第2室内膨張弁
(67)は、第2室内熱交換器(66)の下端部に配管接続
されている。
【0043】第1及び第2室内熱交換器(61,66)は、
クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器
により構成されている。各室内熱交換器(61,66)で
は、冷媒回路(15)を循環する冷媒と室内空気とが熱交
換を行う。
【0044】上記液側連絡管(16)は、その一端が液側
閉鎖弁(25)に接続されている。この液側連絡管(16)
は、他端側で2つに分岐されており、その一方が第1室
内回路(60)における第1室内膨張弁(62)側の端部に
接続され、他方が第2室内回路(65)における第2室内
膨張弁(67)側の端部に接続されている。上記ガス側連
絡管(17)は、その一端がガス側閉鎖弁(26)に接続さ
れている。このガス側連絡管(17)は、他端側で2つに
分岐されており、その一方が第1室内回路(60)におけ
る第1室内熱交換器(61)側の端部に接続され、他方が
第2室内回路(65)における第2室内熱交換器(66)側
の端部に接続されている。
【0045】上記室外機(11)には、室外ファン(70)
が設けられている。この室外ファン(70)は、室外熱交
換器(22)へ室外空気を送るためのものである。一方、
第1,第2室内機(12,13)には、それぞれ室内ファン
(80)が設けられている。この室内ファン(80)は、室
内熱交換器(61,66)へ室内空気を送るためのものであ
る。
【0046】上記空調機(10)には、温度や圧力のセン
サ等が設けられている。具体的に、室外機(11)には、
室外空気の温度を検出するための外気温センサ(71)が
設けられている。室外熱交換器(22)には、その伝熱管
温度を検出するための室外熱交換器温度センサ(72)が
設けられている。吸入管(43)には、圧縮機(41,42)
の吸入冷媒温度を検出するための吸入管温度センサ(7
3)と、圧縮機(41,42)の吸入冷媒圧力を検出するため
の低圧圧力センサ(74)とが設けられている。吐出管
(44)には、圧縮機(41,42)の吐出冷媒温度を検出す
るための吐出管温度センサ(75)と、圧縮機(41,42)
の吐出冷媒圧力を検出するための高圧圧力センサ(76)
と、高圧圧力スイッチ(77)とが設けられている。各室
内機(12,13)には、室内空気の温度を検出するための
内気温センサ(81)が1つずつ設けられている。各室内
熱交換器(61,66)には、その伝熱管温度を検出するた
めの室内熱交換器温度センサ(82)が1つずつ設けられ
ている。各室内回路(60,65)における室内熱交換器(6
1,66)の上端近傍には、室内回路(60,65)を流れるガ
ス冷媒温度を検出するためのガス側温度センサ(83)が
1つずつ設けられている。
【0047】上記コントローラ(90)は、上記のセンサ
類からの信号やリモコン等からの指令信号を受けて空調
機(10)の運転制御を行うものである。具体的に、コン
トローラ(90)は、室外膨張弁(24)及び室内膨張弁
(62,67)の開度調節や、四路切換弁(21)の切換、更
にはガス抜き電磁弁(36)、油戻し電磁弁(53)、及び
均油電磁弁(55)の開閉操作、圧縮機ユニット(40)の
容量制御を行う。また、コントローラ(90)は、後述す
るように、室外熱交換器(22)の汚れ検出を行い、室外
熱交換器(22)が汚れると洗浄を促す表示および信号を
送信するものでもある。
【0048】図2に示すように、コントローラ(90)
は、室外熱交換器(22)の熱交換量を検出する熱交換量
検出部(91)と、室外熱交換器(22)の熱通過率κを算
出する熱通過率算出部(92)と、熱通過率κの値を記憶
する熱通過率記憶部(93)と、熱通過率κに基づいて室
外熱交換器(22)の汚れを検出する汚れ検出部(94)
と、室外熱交換器(22)の汚れを検出すると所定の表示
または信号を発生させる通知部(95)を備えている。た
だし、これらの要素(91,92,93,94,95)は便宜上、機能
的に分離して図示しているだけに過ぎず、これらの要素
(91,92,93,94,95)が物理的に分離されている必要がな
いことは勿論である。例えば、これらの要素(91,92,9
3,94,95)の一部または全部が一つの物理的構成要素
(半導体等)によって構成されていてもよい。また、上
記要素(91,92,93,94,95)をソフトウェア的に構築する
ことも可能である。
【0049】熱交換量検出部(91)は、室外熱交換器
(22)の熱交換量Qをいわゆるコンプレッサカーブ法と
同様の手法により算出するように構成されている。この
熱交換量検出部(91)は、圧縮機(41,42)の特性に基
づいて定められる熱交換量算出用の関数を予め記憶して
いる。また、熱交換量検出部(93)は、冷媒状態検出手
段を構成する低圧圧力センサ(74)および高圧圧力セン
サ(76)の検出値が入力されるように構成されている。
そして、熱交換量検出部(93)は、低圧圧力センサ(7
4)の検出値(低圧側圧力)Peに対する冷媒の相当飽
和温度を冷媒の蒸発温度Teとする一方、高圧圧力セン
サ(76)の検出値(高圧側圧力)Pcに対する冷媒の相
当飽和温度を冷媒の凝縮温度Tcとし、これら検出値か
ら得られる冷媒の蒸発温度Teおよび凝縮温度Tcを上
記関数に代入することによって、室外熱交換器(22)の
熱交換量を算出する。
【0050】熱交換量検出部(91)に記憶されている関
数について、図3を参照しながら説明する。まず、蒸発
器出口の冷媒の過熱度SH及び凝縮器出口の冷媒の過冷却
度SCを、適当な値に固定しておく。このことにより、冷
媒の蒸発温度Teが分かれば、過熱度SHが固定されてい
ることから、蒸発器出口の冷媒の状態を特定することが
できる。また、冷媒の凝縮温度Tcが分かれば、蒸発器
入口の冷媒の状態を特定することができる。従って、蒸
発器の出入口における冷媒状態(エンタルピ差)を特定
することができる。また、圧縮機について予め行った性
能試験の結果より、圧縮機から吐出される冷媒の流量が
求められる。つまり、冷媒の過熱度SH及び過冷却度SCを
固定すれば、式に示すように、蒸発器の熱交換量Qe
は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度Tcおよび蒸
発温度Teの関数として定式化される。
【0051】Qe=f(Tc,Te) … Qe:蒸発器の熱交換量 Tc:冷媒の凝縮温度 Te:冷媒の蒸発温度 なお、圧縮機の電動機の消費電力Wiも同様に、冷凍サ
イクルにおける冷媒の凝縮温度Tc及び蒸発温度Teの
関数として表される。したがって、消費電力Wiに相当
する熱量をQwとすると、凝縮器の熱交換量QcはQc
=Qe+Qwと表すことができるので、凝縮器の熱交換
量Qcも、冷媒の凝縮温度Tcおよび蒸発温度Teの関
数として定式化することができる。
【0052】上記式で示される関数の具体例として
は、式で示されるようなものが挙げられる。この式
で示される関数は、圧縮機(41,42)として採用される
機種について予め行った性能試験の結果を二次近似式と
して表したものである。
【0053】 Wi=R(1)+R(2)Tc+R(3)Te+R(4)Tc2+R(5)TcTe+R(6)Te2 … R(i),i=1〜6:係数 本実施形態に係るコントローラ(90)の熱交換量検出部
(91)は、上記式で示される関数と係数R(i)とを予め
記憶している。
【0054】ここで、係数R(i)の値は、第2圧縮機(4
2)の電動機の回転速度(1秒間あたりの回転数)によ
って異なっている。このため、熱交換量検出部(91)
は、下記の表1に示すように、3つの回転速度30,6
0,90[1/s]ごとに6つの係数R(i)を記憶している。具
体的には、回転速度30[1/s]の場合の係数R(i)として
11,…,r61を、回転速度60[1/s]の場合の係数R(i)
としてr12,…,r62を、回転速度90[1/s]の場合の係
数R(i)としてr13,…,r63をそれぞれ記憶している。
【0055】
【表1】 そして、室外熱交換器(22)の熱交換量Qを算出する場
合、熱交換量検出部(91)は、その時の電動機の回転速
度に対応する係数R(i)を補完により求め、得られた係数
R(i)の値を用いて熱交換量Qを算出する。尚、冷媒の凝
縮温度Tc及び蒸発温度Teだけでなく、電動機の回転
速度をも変数として含む関数に基づいて、熱交換量Qを
算出するようにしてもよい。
【0056】次に、空調機(10)の運転動作を説明し、
その後に室外熱交換器(22)の汚れ検出について説明す
る。
【0057】−運転動作− 上記空調機(10)の運転時には、冷媒回路(15)におい
て冷媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイク
ルが形成される。また、空調機(10)は、冷房運転と暖
房運転とを切り換えて行う。
【0058】《冷房運転》冷房運転時には、室内熱交換
器(61,66)が蒸発器となる冷却動作が行われる。この
冷房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に実線
で示す状態となる。室外膨張弁(24)は全閉とされ、第
1,第2室内膨張弁(62,67)はそれぞれ所定の開度に
調節される。ガス抜き電磁弁(36)は閉鎖状態に保持さ
れ、油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は適宜開
閉される。これら弁の操作は、コントローラ(90)によ
り行われる。
【0059】圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)
を運転すると、これら圧縮機(41,42)で圧縮された冷
媒が吐出管(44)へ吐出される。この冷媒は、四路切換
弁(21)を通って室外熱交換器(22)へ流入する。室外
熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮す
る。室外熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、流入管(3
0)の第1分岐管(30a)へ流入し、第1流入逆止弁(3
1)を通過してレシーバ(23)へ流入する。その後、冷
媒は、レシーバ(23)から流出管(33)へ流入し、流出
逆止弁(34)を通過して液側連絡管(16)へ流入する。
【0060】液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、二手
に分流されて、一方が第1室内回路(60)へ流入し、他
方が第2室内回路(65)へ流入する。各室内回路(60,6
5)では、流入した冷媒が室内膨張弁(62,67)で減圧さ
れた後に室内熱交換器(61,66)へ流入する。室内熱交
換器(61,66)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発
する。つまり、室内熱交換器(61,66)では、室内空気
が冷却される。
【0061】各室内熱交換器(61,66)で蒸発した冷媒
は、ガス側連絡管(17)へ流入し、合流した後に室外回
路(20)へ流入する。その後、冷媒は、四路切換弁(2
1)を通過し、吸入管(43)を通って圧縮機ユニット(4
0)の圧縮機(41,42)に吸入される。これら圧縮機(4
1,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐出する。冷媒
回路(15)では、このような冷媒の循環が繰り返され
る。
【0062】《暖房運転》暖房運転時には、室内熱交換
器(61,66)が凝縮器となる加熱動作が行われる。この
暖房運転時において、四路切換弁(21)は、図1に破線
で示す状態となる。室外膨張弁(24)、及び第1,第2
室内膨張弁(62,67)は、それぞれ所定の開度に調節さ
れる。油戻し電磁弁(53)及び均油電磁弁(55)は、適
宜開閉される。ガス抜き電磁弁(36)は、加熱動作が行
われている間は常に開放状態に保持される。これら弁の
操作は、コントローラ(90)により行われる。
【0063】圧縮機ユニット(40)の圧縮機(41,42)
を運転すると、圧縮された冷媒が圧縮機(41,42)から
吐出管(44)へ吐出される。吐出管(44)を流れる冷媒
は、四路切換弁(21)を通過してガス側連絡管(17)へ
流入し、各室内回路(60,65)へ分配される。
【0064】第1室内機(12)の第1室内回路(60)へ
流入した冷媒は、第1室内熱交換器(61)で室内空気に
放熱して凝縮する。第1室内熱交換器(61)では、冷媒
の放熱により室内空気が加熱される。第1室内熱交換器
(61)で凝縮した冷媒は、第1室内膨張弁(62)で減圧
された後に液側連絡管(16)へ流入する。
【0065】第2室内機(13)の第2室内回路(65)へ
流入した冷媒は、第2室内熱交換器(66)で室内空気に
放熱して凝縮する。第2室内熱交換器(66)では、冷媒
の放熱により室内空気が加熱される。第2室内熱交換器
(66)で凝縮した冷媒は、第2室内膨張弁(67)で減圧
された後に液側連絡管(16)へ流入する。
【0066】第1室内回路(60)及び第2室内回路(6
5)から液側連絡管(16)へ流入した冷媒は、合流した
後に室外回路(20)へ流入する。室外回路(20)へ流入
した冷媒は、流入管(30)の第2分岐管(30b)を流
れ、第2流入逆止弁(32)を通過してレシーバ(23)へ
流入する。レシーバ(23)へ流入する冷媒は気液二相状
態であり、この冷媒のうち液冷媒がレシーバ(23)の下
部に溜まり、ガス冷媒がレシーバ(23)の上部に溜ま
る。つまり、レシーバ(23)では、流入した気液二相状
態の冷媒が、液冷媒とガス冷媒とに分離される。
【0067】レシーバ(23)に貯留する液冷媒は、流出
管(33)を通って室外膨張弁(24)で減圧される。減圧
された冷媒は、室外熱交換器(22)へ送られ、室外空気
から吸熱して蒸発する。この蒸発した冷媒は、四路切換
弁(21)を通過して吸入管(43)へ流入する。一方、レ
シーバ(23)に貯留するガス冷媒は、ガス抜き管(35)
へ流入する。ガス抜き管(35)を流れる冷媒は、ガス抜
き電磁弁(36)を通過する際に減圧され、その後に吸入
管(43)へ流入する。吸入管(43)では、室外熱交換器
(22)からのガス冷媒とガス抜き管(35)からのガス冷
媒とが合流する。そして、合流後のガス冷媒が、圧縮機
ユニット(40)の圧縮機(41,42)に吸入される。これ
ら圧縮機(41,42)は、吸入した冷媒を圧縮して再び吐
出する。冷媒回路(15)では、このような冷媒の循環が
繰り返される。
【0068】−汚れ検出− 次に、汚れ検出方法の一例として、冬期における室外熱
交換器(22)の汚れ検出について説明する。つまり、室
外熱交換器(22)が蒸発器として使用される場合につい
て説明する。
【0069】図4に示すように、まず圧縮機(41,42)
の特性に基づいて、室外熱交換器(22)の熱交換量Qを
算出する(ステップST1)。熱交換量Qの算出方法
は、前述した通りである。ただし、前記式の関数にお
ける係数R(i)を定めるときに仮定した冷媒の過熱度SHお
よび過冷却度SCの値と、実際に行われている冷凍サイク
ルでの冷媒の過熱度SHおよび過冷却度SCの値とが異なる
場合もある。そこで、このような場合には、冷媒の蒸発
温度および凝縮温度を上記式に代入して得られた値
を、実際の冷媒の過熱度SHおよび過冷却度SCの値を用い
て補正するようにしてもよい。
【0070】次に、室外空気の温度Taと、室外熱交換
器(22)の冷媒温度、すなわち冷媒の蒸発温度Teとを
検出する(ステップST2)。なお、冷媒蒸発温度Te
は、上記の熱交換量Qの算出過程において導出された値
を用いればよい。ただし、室外熱交換器温度センサ(7
2)によって、冷媒蒸発温度Teを直接検出することも
可能である。
【0071】次に、熱交換器についての一般式Q=κA
(Ta−Te)から、κAの値を逆算する(ステップS
T3)。すなわち、κA=Q/(Ta−Te)を算出す
る。なお、ここでκは室外熱交換器(22)の熱通過率、
Aは室外熱交換器(22)の伝熱面積である。伝熱面積A
は一定の値をとるので、ここでは取り扱いの容易のため
に、熱通過率κの代わりに、熱通過率κに伝熱面積Aを
乗じた値であるκAを用いることとした。ただし、熱通
過率κに基づいて汚れ判定を行うことも勿論可能であ
る。
【0072】次に、現在の運転が、室外熱交換器(22)
に汚れが生じていない据付初期の運転であるか否かを判
定する(ステップST4)。判定結果がYesの場合に
は、上記κAを初期値κ0Aとして記憶する(ステップ
ST5)。この初期値κ0Aは、室外熱交換器(22)に
汚れが生じていないときのκAの値であり、後の汚れ判
定の基準となる値である。
【0073】ステップST4の判定結果がNoの場合に
は、上記κAが所定値以下か否かを判定する。本実施形
態では、上記κAが初期値κ0Aの80%以下であるか
否かを判定することとした(ステップST6)。
【0074】ステップST6の判定結果がNoの場合に
は、室外熱交換器(22)は汚れていないと判断し、ステ
ップST1に戻る。一方、ステップST6の判定結果が
Yesの場合には、室外熱交換器(22)は汚れていると
判断し、所定の表示または信号を発生させ、室外熱交換
器(22)が汚れていることおよび洗浄が必要であること
をサービスマンまたはサービスセンター等に通知する
(ステップST7)。なお、汚れ状態等の表示は、例え
ばモニター画面への表示、または表示ランプの点灯等で
あってもよい。汚れ状態等を表す信号には、有線信号、
無線信号、または音声信号等の各種の信号を利用するこ
とができる。
【0075】その後は、汚れ状態に基づいて、メンテナ
ンス時期が判断される。メンテナンスの際には、サービ
スマン等が洗浄を行うことにより、室外熱交換器(22)
の汚れは除去され、室外熱交換器(22)は再び初期の性
能を発揮するようになる。
【0076】−実施形態の効果− 本実施形態によれば、室外熱交換器(22)の熱通過率に
基づいて汚れ状態を検出することとしたので、図5に示
すように、汚れによって室外熱交換器(22)の性能が低
下したときに合わせて洗浄を行うことができる。そのた
め、室外熱交換器(22)の設置環境の如何に拘わらず、
常に適切な時期に洗浄を実行することが可能となる。し
たがって、無駄な洗浄作業はなくなる。また、汚れによ
って熱交換器の性能が低下しているにも拘わらず長期間
にわたって低効率の運転を継続するようなことを回避す
ることができる。その結果、長期間にわたって装置の運
転効率を高いレベルに維持することができる。
【0077】また、本実施形態では、低圧圧力センサ
(74)及び高圧圧力センサ(76)の検出値を利用するこ
とで、熱交換量検出部(91)において室外熱交換器(2
2)の熱交換量を算出している。ここで、低圧圧力セン
サ(74)や高圧圧力センサ(76)は、熱交換量の算出を
行わない従来の空調機においても、通常その運転制御の
ために設けられているセンサである。従って、本実施形
態によれば、従来から設けられているセンサの検出値を
利用して、室外熱交換器(22)の熱交換量を算出するこ
とができる。このため、空調機(10)の部品点数の増加
や製造コストの上昇を招くことなく、室外熱交換器(2
2)の熱交換量を検出することができる。
【0078】なお、上記実施形態では冬期の汚れ判定に
ついて説明したが、本発明に係る汚れ判定方法は、室外
熱交換器(22)が凝縮器として使用される場合、つまり
夏期の場合にも適用できることは勿論である。その場合
には、冷媒温度として冷媒凝縮温度Tcを算出し、熱通
過率κはκ=Qc/A(Tc−Ta)によって算出すれ
ばよい。前述したように、室外熱交換器(22)の熱交換
量Qcは、室内熱交換器(61,66)の熱交換量Qeに圧
縮機(41,42)の消費電力Wiに相当する熱量Qwを加
算した量として算出することもできる。つまり、Qc=
Qe+Qwとして算出してもよい。冬期には前記冬期の
汚れ判定方法を用い、夏期には上記夏期の汚れ判定方法
を用いることにより、一年を通じて汚れ判定を行うこと
ができる。もちろん、汚れ判定を複数年にわたって継続
的に行うこともできる。
【0079】なお、本実施形態では室外熱交換器(22)
の汚れ検出および洗浄について説明したが、室内熱交換
器(61,65)の汚れ検出に本発明を適用することも勿論
可能である。
【0080】汚れ検出は、冷凍装置と通信自在に構成さ
れた外部の監視制御手段(例えばサービスセンター等)
で行ってもよい。熱交換量検出部(91)、熱通過率算出
部(92)、熱通過率記憶部(93)、汚れ検出部(94)、
通知部(95)のうちの1または2以上は、外部の監視制
御手段に含まれていてもよい。
【0081】本発明の適用対象は空気調和装置に限定さ
れず、冷媒と空気とを熱交換させる熱交換器を備えた冷
凍装置の全般が適用対象となる。ここでいう冷凍装置
は、広義の冷凍装置であり、狭義の冷凍装置はもちろ
ん、空気調和装置、冷蔵装置、除湿機等を含むものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調機の冷媒回路図である。
【図2】コントローラのブロック図である。
【図3】熱交換量算出用の関数を説明するためのモリエ
ル線図である。
【図4】汚れ検出方法のフローチャートである。
【図5】熱交換器の熱通過率の経時変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
(10) 空調機(冷凍装置) (15) 冷媒回路 (16) 液側連絡管 (17) ガス側連絡管 (22) 室外熱交換器(熱交換器) (23) レシーバ (24) 室外膨張弁 (41) 第1圧縮機 (42) 第2圧縮機 (61) 第1室内熱交換器 (62) 第1室内膨張弁 (66) 第2室内熱交換器 (67) 第2室内膨張弁 (71) 外気温センサ(空気温度検出手段) (72) 室外熱交換器温度センサ(冷媒温度検出手段) (90) コントローラ (91) 熱交換量検出部(熱交換量検出手段) (92) 熱通過率算出部(熱通過率算出手段) (93) 熱通過率記憶部 (94) 汚れ検出部(汚れ検出手段) (95) 通知部(通知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 剛 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体と冷媒とを熱交換させる熱交換器
    (22)を有する冷媒回路(15)を備えた冷凍装置であっ
    て、 上記熱交換器(22)の熱交換量を検出する熱交換量検出
    手段(91)と、 上記熱交換器(22)によって熱交換される流体の温度を
    検出する流体温度検出手段(71)と、 上記熱交換器(22)の冷媒温度を検出する冷媒温度検出
    手段(72)と、 上記熱交換量と上記流体温度と上記冷媒温度と上記熱交
    換器(22)の伝熱面積とから該熱交換器(22)の熱通過
    率を算出する熱通過率算出手段(92)と、 上記熱交換器(22)の熱通過率に基づいて該熱交換器
    (22)の汚れ状態を検出する汚れ検出手段(94)とを備
    えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷凍装置において、 圧縮機(41,42)と、冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度
    および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段(7
    4,76)とを備え、 熱交換量検出手段(91)は、上記冷媒状態検出手段(7
    4,76)の検出値と上記圧縮機(41,42)の特性とに基づ
    いて熱交換量を算出するように構成されていることを特
    徴とする冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の冷凍装置において、 圧縮機(41,42)と、冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度
    および蒸発温度を検出するための冷媒状態検出手段(7
    4,76)とを備え、 熱交換量検出手段(91)は、上記圧縮機(41,42)の特
    性に応じて冷媒の凝縮温度および蒸発温度を用いて定式
    化された所定の関数を記憶しており、上記冷媒状態検出
    手段(74,76)によって検出された凝縮温度および蒸発
    温度の値を上記関数に代入することによって熱交換量を
    算出するように構成されていることを特徴とする冷凍装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷
    凍装置において、 熱交換器(22)の熱通過率が所定値以下になると、該熱
    交換器(22)の洗浄を促す表示または信号を発生する通
    知手段(95)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
  5. 【請求項5】 流体と冷媒とを熱交換させる熱交換器
    (22)を有する冷媒回路(15)を備え、該熱交換器(2
    2)の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通信自
    在な冷凍装置であって、 上記熱交換器(22)の熱交換量を検出する熱交換量検出
    手段(91)と、 上記熱交換器(22)によって熱交換される流体の温度を
    検出する流体温度検出手段(71)と、 上記熱交換器(22)の冷媒温度を検出する冷媒温度検出
    手段(72)と、 上記熱交換器(22)の汚れ状態を検出するために上記監
    視制御手段に対して上記熱交換量、上記流体温度および
    上記冷媒温度のデータを出力するデータ出力手段とを備
    えていることを特徴とする冷凍装置。
  6. 【請求項6】 流体と冷媒とを熱交換させる熱交換器
    (22)を有する冷媒回路(15)を備え、該熱交換器(2
    2)の汚れ状態を検出する外部の監視制御手段と通信自
    在な圧縮式冷凍装置であって、 上記熱交換器(22)によって熱交換される流体の温度を
    検出する流体温度検出手段(71)と、 上記冷媒回路(15)の冷媒の凝縮温度および蒸発温度を
    検出するための冷媒状態検出手段(74,76)と、 上記熱交換器(22)の汚れ状態を検出するために上記監
    視制御手段に対して上記流体温度および上記冷媒温度の
    データを出力するデータ出力手段とを備えていることを
    特徴とする冷凍装置。
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