JP2002147737A - 溶融スラグの深さ計測方法 - Google Patents
溶融スラグの深さ計測方法Info
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Abstract
の量を知ること。 【解決手段】 溶融炉本体2の炉室6内の焼却灰及び該
焼却灰に含まれるメタル成分をプラズマアークにより加
熱して溶融することにより溶融スラグ23及び溶融メタ
ル24を生成している。プラズマアークのアーク長を赤
外線カメラ17で測定すれば、プラズマアークの抵抗値
を求めることができる。よって、プラズマ電極4,7間
の電流値及び抵抗値とプラズマアークの抵抗値から溶融
スラグ23の抵抗を求め、溶融スラグ23の抵抗値と溶
融スラグ23層の厚さの関係より溶融スラグ23層の厚
さを求め、これにより溶融メタル24の溶融面を求め
る。
Description
溜まっている溶融スラグ及び溶融メタルの量を知ること
ができる溶融スラグの深さ計測方法に関する。
有効利用を図るためのものであり、灰溶融炉により溶融
した焼却灰は、低沸点の揮散物や、金属類及びその他成
分のスラグに分け、無害化するとともに、そのリサイク
ルを図っている。こうした焼却灰の溶融炉のニーズが増
加してきている。これらの灰溶融炉には、焼却灰の溶融
のための重油等を燃料にするバーナ式灰溶融炉や、アー
ク式灰溶融炉及びプラズマ式灰溶融炉等のように電気を
熱源として灰を溶融するものが知られている。
灰は溶融スラグとなり、焼却灰に含まれるメタル成分が
溶融すると溶融メタルとなり、両者は灰溶融炉の炉底に
溜まる。溶融スラグは、炉底に溜まると溶融スラグの排
出口である出滓口からオーバーフローすることにより炉
室外に排出される。一方、溶融スラグよりも比重の大き
い溶融メタルは、溶融スラグ層の下に沈殿し、灰溶融炉
の運転を長時間継続すると溶融メタル層が厚くなり、反
対に溶融スラグ層の割合が低くなる。スラグ層が薄くな
ると電源電圧が変動し、運転に支障をもたらしたりする
ため、溶融メタルの沈殿層が灰溶融炉の炉底にどの程度
溜まっているか運転中に把握する必要がある。また、有
効利用のため溶融メタルには有害な重金属等が含まれて
おり、溶融スラグとは分離して処理する必要があり、溶
融メタルの排出時の時期を誤ると装置の稼働率に影響す
る。従来では、灰溶融炉の運転者の経験により溶融メタ
ルの排出を行っていたが、炉底の溶融メタルの溶融面の
高さを知るための技術が、特開平7−1461678号
公報に開示されている。
51の炉本体52の炉蓋53に、電極62が垂下され、
炉蓋53の中央部には孔54が穿設され、この孔54に
は横断面積が一定である耐火性のある棒状部材55が昇
降装置56により、上下動できるような構成になってい
る。また、棒状部材55を吊すワイヤロープ57には、
重量計58が取付けられ、棒状部材の55の重量を計る
ことができる。
転すると、炉本体52の炉底59に溶融スラグ60が溜
まり、溶融スラグ60の下部に溶融メタル61が沈殿す
る。そこで、図3に示すように、棒状部材55の先端6
3を溶融スラグ60層に挿入すると、棒状部材55が溶
融スラグ60の浮力により、見かけの重量が軽くなる。
この見かけの重量は棒状部材55の挿入長さに比例して
軽くなり、また棒状部材55が溶融メタル61の沈殿層
に挿入されると、溶融メタル61によりより大きな浮力
を受けて、それまでとは別の比率によって棒状部材55
の重量が軽くなる。よって、棒状部材55が浮力を受け
た位置と、溶融スラグ60の浮力が変わる位置を調べる
ことにより、溶融スラグ60及び溶融メタル61の溶融
面の高さが分かり、溶融メタル61が所定量溜まると溶
融メタル61を炉本体52から排出するようにしてい
る。
材を灰溶融炉内に入れて、溶融スラグ若しくは溶融メタ
ルに浸漬させると、棒状部材の耐久性に問題があり溶融
メタルの溶融面の連続監視が困難である。また、溶融ス
ラグ等から棒状部材が受ける浮力も正確に計ることは困
難であり、安全性にも問題がある。本発明は、このよう
な事情に鑑みてなされたもので、プラズマ式灰溶融炉の
炉底に沈殿する溶融スラグ及び溶融メタルの溶融面の高
さを、従来よりも正確に知ることができる溶融スラグの
深さ計測方法を提供することを目的とする。
測方法は、上記目的を達成するために、焼却灰を溶融炉
本体の炉室内に投入し、該焼却灰及び該焼却灰に含まれ
るメタル成分をプラズマアークにより加熱して溶融する
ことにより溶融スラグ及び溶融メタルを生成し、上記溶
融炉本体の炉底部に沈む溶融メタルを上記炉室外に排出
するプラズマ灰溶融炉の運転方法において、プラズマ電
極間の電流値と電圧値からプラズマ電極間の全抵抗値を
求めるとともに上記プラズマアークの抵抗値を求め、上
記プラズマ電極間の全抵抗値からプラズマアークの抵抗
値を差し引いて溶融スラグの抵抗値を求め、該溶融スラ
グの抵抗値と溶融スラグ層の厚さの関係よって溶融スラ
グの深さを導き出すことにより、上記溶融メタルの溶融
面の高さを導き出し、溶融メタルの溶融面が所定高さに
達すると該溶融メタルを炉室外に排出するようにした。
上記発明は、上記プラズマアークの抵抗値は、上記プラ
ズマ電極の先端部と溶融スラグ間のアーク長により求め
ることができ、上記プラズマアークのアーク長を赤外線
カメラで測定することができる。また、上記発明は、上
記溶融スラグの温度を測定することにより、上記溶融ス
ラグの温度による抵抗値の変動を加味して、溶融スラグ
の深さを求めるようにすることができ、上記溶融スラグ
の温度は2波長の赤外線温度計により測定することがで
きる。
溶融スラグの深さ計測方法について図面を参照しながら
説明する。図1は、本発明に係るプラズマアーク式灰溶
融炉1を示し、この灰溶融炉1は内壁11に囲まれた炉
室6を設け、内壁11は耐熱レンガ等の耐熱材により形
成されている。また、灰溶融炉1には、炉室6側に配設
される主電極4、炉室6の炉底壁5に配設される炉底電
極7及び直流電源8等を備えたプラズマ装置が設けられ
ている。主電極4は、溶融炉本体2の天井壁3を貫通し
て垂下されて配設されるとともに、昇降装置15に支持
されることにより炉室6内を上下動できるように構成さ
れている。主電極4は、金属または黒鉛製であり、内部
にプラズマ用ガスを発生させる通路を形成した円筒形状
のものを用いている。主電極4の下端部には、その先端
と対向する炉底壁5に炉底電極7を設置し、これらの電
極4,7間に、プラズマ発生用の直流電源8を接続して
いる。直流電源8は、炉底電極7側に+を接続し、主電
極4側に−を接続している。
設けられ、覗き窓12は、ほぼ出滓口18の入口側上部
の直上方に配設されている。覗き窓12の上部には、放
射温度計13が配設され、波長が3μm以上の長波長の
ものが使用でき、本実施の形態では、2波長で温度を検
出する2色式放射温度計を用いている。この放射温度計
13は、溶融スラグ23の温度を計測することができ
る。また、溶融炉本体2には内壁11及び鉄皮10を貫
通する覗き窓16を設け、覗き窓16の外側には、赤外
線カメラ17を配設している。赤外線カメラ17の波長
は、3μm以上のものが使用できるが、8μm以上のも
のが好ましい。この赤外線カメラ17は、主電極4の先
端(下端)部を観察できるように配設され、覗き窓16
を介してプラズマアークのアーク長をモニターにより観
察することができる。
説明する。図1に示すように、灰溶融炉1の炉室6に
は、図示しない灰投入口から炉底壁上に焼却灰が投入さ
れ、灰溶融炉1の炉室6を還元雰囲気にした状態で、直
流電源8により電圧を電極4,7間に印加する。する
と、該電極4,7間にプラズマアークが発生し、炉室6
内が1000℃以上の雰囲気となり、焼却灰が溶融す
る。焼却灰は溶融してスラグ23となり、焼却灰中に含
まれているメタル成分が溶融して溶融スラグ23の下に
沈む溶融メタル24となる。溶融スラグ23及び溶融メ
タル24が炉底に溜まり、溶融スラグ23の溶融面が出
滓口18の高さに達すると、スラグ23が出滓口18か
ら溢れでて出滓樋19を通って、次工程におけるスラグ
の空冷処理または水砕処理により冷却がなされる。
抵抗値を求める方法について説明する。図1に示す赤外
線カメラ17が、プラズマ電極の主電極4の先端部を撮
影している。赤外線カメラ17はプラズマアークの形状
を撮影するものであり、プラズマアークの形状をモニタ
ーで視ることができる。よって、赤外線カメラ17が撮
影した映像をモニターが写し出し、そのアーク形状を画
像解析して、アーク長を導き出すことができる。アーク
長が分かればプラズマアークの抵抗値が分かるので、プ
ラズマ回路の全抵抗値からプラズマアークの抵抗値を差
し引けば、溶融スラグ23の抵抗値を導くことができ
る。
おりである。溶融メタル24の溶融面の高さを導き出す
のに、溶融スラグ23の厚さを求めることにより導き出
す。図1に示すスラグ抵抗RSは溶融スラグ23の厚さ
と比例し、スラグ抵抗に対するスラグ厚さは分かってい
るので、抵抗RSの値が分かれば、溶融スラグ層の厚さ
が分かる。ここで、プラズマ装置の全抵抗をR,全電流
をI,全電圧をVとし、プラズマアークの抵抗をRP,
電流をIP,電圧をVPとし、溶融スラグ23の抵抗を
RSとする。なお、プラズマ装置の全電圧はプラズマ電
極4,7の直流電源8であるので、直流電源8の電圧と
なる。直流電源8を流れる電流は電流計で測定できるの
で、プラズマ装置の全電流Iと全電流Vは、分かってい
る。したがって、プラズマ装置の全抵抗Rは、R=V/
Iで導きだすことができ、プラズマアークの電流I
Pは、プラズマ回路が直列回路であるので全電流Iに等
しい。また、プラズマ装置の全抵抗Rは、図1に示すプ
ラズマアークRPと溶融スラグRSの和であるので、R
=RP+RSである。したがって、プラズマアークの抵
抗RPが分かると溶融スラグの抵抗RSが分かる。溶融
スラグの抵抗RSは、以下の方法で導き出すことができ
る。 (1)赤外線カメラよりアーク長LPが分かると、アー
ク長LPと電圧の関係が、VP=0.8LP(mm)の
関係にあるので、アーク電圧VPが分かる。なお、アー
ク長LPは、主電極4の下端と溶融スラグ23の溶融面
までの距離である。なお、主電極4は消耗するので、ア
ーク長LPは一定値ではないので、連続運転では、連続
的に観察が必要である。 (2)プラズマアークの抵抗RPは、RP=VP/I
(なお、IP=I、VP=0.8LP)であるので、こ
の式よりRPが導かれる。 (3)RPが分かると、スラグ抵抗RSは、RS=R−
RPにより導かれる。
例するので、スラグ抵抗RSによって溶融スラグ23の
厚さが分かる。溶融スラグ23の溶融面は、オーバフロ
ーする出滓口18の高さであるので、溶融スラグ23の
厚さ(深さ)が分かると、溶融スラグ23の厚さがその
まま溶融メタル24の出滓口18までの距離になり、溶
融スラグ23の下に沈んでいる溶融メタル24の溶融面
高さが分かる。なお、厳密には、溶融スラグ23の抵抗
値RSは、図2に示すように、溶融スラグ23の温度差
によって変動する。図2のグラフの縦線はスラグの抵抗
値RSを示し、横線は溶融スラグの厚さLSを示し、T
1、T2は温度である。T1、T2によるスラグ抵抗
は、予め実験により測定することができる(図中ではT
1<T2)。よって、より正確な溶融メタル24の溶融
面を知るときは、図1に示す放射温度計13を用いて溶
融スラグ23の温度を計測し、その温度から溶融スラグ
23の抵抗値を換算して溶融メタル24の溶融面の高さ
を知ることができる。これにより、より正確な溶融メタ
ル24の溶融面の高さを求めることができる。
却灰の灰成分中に混入されている溶融メタル24を、炉
室6内から排出するのに、運転者の経験等に基づいて行
っていた。本実施の形態では、溶融メタル24の溶融面
高さを知ることができるので、溶融メタル24の溶融面
が一定水準の高さに達したら、溶融メタル24を炉室6
外に排出することができる。溶融メタル24の排出につ
いては、傾倒式のプラズマ灰溶融炉であれば出滓口から
排出すればよいし、マッドガン方式であれば、炉壁に孔
を開けて溶融メタルを排出すればよい。
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。例え
ば、上記実施の形態では、室内側に配設される主電極及
び炉底に配設される炉底電極を備えたプラズマ灰溶融炉
に適用したが、正電極及び負電極が共に炉室内に配設さ
れるプラズマ灰溶融炉にも片方の電極を溶融メタルまで
挿入しておくことにより勿論適用が可能である。
ズマ電極間の電流値及び抵抗値とプラズマアークの抵抗
値から溶融スラグの抵抗値を求め、該溶融スラグの抵抗
と溶融スラグ層の厚さの関係より溶融スラグの深さを求
めるようにした。したがって、溶融スラグの深さを知る
ことにより溶融メタルの溶融面を知ることができ、溶融
メタルの排出を的確なタイミングで行うことができるよ
うになった。よって、プラズマ灰溶融炉の稼働率の向上
を図ることができ、運転コストの軽減を図ることができ
る。また、プラズマアークのアーク長を赤外線カメラで
測定することにより、正確なアーク長を測定することが
できる。溶融スラグの温度を測定することにより、溶融
スラグの温度による抵抗値の変動を加味して、溶融スラ
グの深さを求めるようにしたので、正確な溶融スラグの
厚さを測定することができる。また、溶融スラグの温度
を2波長の赤外線温度計により測定することにより、よ
り正確な溶融メタルの溶融面の高さを測定することがで
きる。
灰溶融炉の概略断面図である。
価図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 焼却灰を溶融炉本体の炉室内に投入し、
該焼却灰及び該焼却灰に含まれるメタル成分を含む溶融
対象物をプラズマアークにより加熱して溶融することに
より溶融スラグを生成するプラズマ灰溶融炉において、 プラズマ電極間の電流値と電圧値からプラズマ電極間の
全抵抗値を求めるとともに上記プラズマアークの抵抗値
を求め、上記プラズマ電極間の全抵抗値からプラズマア
ークの抵抗値を差し引いて溶融スラグの抵抗値を求め、
該溶融スラグの抵抗値と溶融スラグ層の厚さの関係よっ
て溶融スラグの深さを導き出すようにしたことを特徴と
する溶融スラグの深さ計測方法。 - 【請求項2】 上記プラズマアークの抵抗値は、上記プ
ラズマ電極の先端部及び上記溶融スラグ面間のアーク長
の長さと抵抗の関係により求めることを特徴とする請求
項1に記載の溶融スラグの深さ計測方法。 - 【請求項3】 上記プラズマアークのアーク長は赤外線
カメラを用いて測定したことを特徴とする請求項2に記
載の溶融スラグの深さ計測方法。 - 【請求項4】 上記溶融スラグの温度を測定することに
より、上記溶融スラグの温度に対する抵抗値の変動を加
味して、溶融スラグ層の厚さを求めるようにしたことを
特徴とする請求項1に記載の溶融スラグの深さ計測方
法。 - 【請求項5】 上記溶融スラグの温度を2波長の赤外線
温度計により測定したことを特徴とする請求項4に記載
の溶融スラグの深さ計測方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000336921A JP3611299B2 (ja) | 2000-11-06 | 2000-11-06 | 溶融スラグの深さ計測方法 |
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Publications (2)
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JP2002147737A true JP2002147737A (ja) | 2002-05-22 |
JP3611299B2 JP3611299B2 (ja) | 2005-01-19 |
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008209040A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | プラズマ式溶融炉の運転制御方法及び装置 |
CN113587118A (zh) * | 2021-07-20 | 2021-11-02 | 光大环保技术研究院(深圳)有限公司 | 一种等离子灰渣熔融炉的电弧控制系统及方法 |
-
2000
- 2000-11-06 JP JP2000336921A patent/JP3611299B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN113587118A (zh) * | 2021-07-20 | 2021-11-02 | 光大环保技术研究院(深圳)有限公司 | 一种等离子灰渣熔融炉的电弧控制系统及方法 |
CN113587118B (zh) * | 2021-07-20 | 2023-08-25 | 光大环保技术研究院(深圳)有限公司 | 一种等离子灰渣熔融炉的电弧控制系统及方法 |
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