JP2002147369A - 回転式ポンプ - Google Patents

回転式ポンプ

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JP2002147369A JP2000348559A JP2000348559A JP2002147369A JP 2002147369 A JP2002147369 A JP 2002147369A JP 2000348559 A JP2000348559 A JP 2000348559A JP 2000348559 A JP2000348559 A JP 2000348559A JP 2002147369 A JP2002147369 A JP 2002147369A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸のトルクがピンを介してロータに伝達
される回転式ポンプにおいて、トルク伝達時にロータに
偏荷重が作用しないようにして、吐出量低下や脈圧発生
を防止ないしは抑制する。 【解決手段】 ロータキー溝52cにおける軸孔52b
側の端部52fよりもロータキー溝52cにおける底部
52g側にて、ピン66がロータキー溝52cに当接し
て、トルクが伝達されるようにしている。これによる
と、偏荷重がロータ52に対して作用しなくなるため、
偏荷重に起因する吐出量低下や脈圧発生を防止ないしは
抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を吸入・吐出
する回転式ポンプに関し、特に、内接歯車式または外接
歯車式のポンプに好適である。
【0002】
【従来の技術】従来の内接歯車式の回転式ポンプは、2
つのサイドプレート部間に1つの中央プレート部を配
し、それらのプレート部によって形成された空間に、イ
ンナーロータおよびアウターロータが偏芯して配置され
ている。外周に外歯部を備えたインナーロータと内周に
内歯部を備えたアウターロータは、内歯部と外歯部とが
互いに噛み合わさり、これら互いの歯によって複数の空
隙部が形成されている。インナーロータとアウターロー
タの両回転中心軸を通る線をポンプの中心線とすると、
この中心線を挟んだ両側には、上記複数の空隙部と連通
する吸入口や吐出口が備えられている。
【0003】そして、図6は、従来の回転式ポンプにお
いて駆動軸のトルクをインナーロータに伝達する部位の
構成を示す断面図であって、インナーロータ52の軸孔
52bに駆動軸65が挿入され、駆動軸65のキー溝6
5aとインナーロータ52のキー溝52cとに円柱状の
ピン66が挿入された構成となっている。
【0004】そして、このピン66を介して駆動軸65
のトルクがインナーロータ52に伝達されるようになっ
ており、インナーロータ52の回転運動に伴って外歯部
と内歯部の噛合によりアウターロータ(図示せず)も同
方向へ回転する。このときに、アウターロータおよびイ
ンナーロータ52が1回転する間にそれぞれの空隙部の
容積が変化して吸入口から流体を吸入し、吐出口で流体
を吐出するようになっている。
【0005】また、軸孔52bには、軸孔52bの両端
が駆動軸65と接触しないようにするための逃がし部と
して、図6のI−I断面図である図7に示すように軸方
向両端にテーパ部52xが形成されており、あるいは図
6のI−I断面に相当する図である図8に示すように断
面R形状の座ぐり部52yが形成されている。そして、
軸孔52bにおいて軸方向中間部に形成された支持部5
2zにて、駆動軸65に対するインナーロータ52の径
方向の位置決めがなされるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、駆動軸
65のトルクをインナーロータ52に伝達する際には、
駆動軸65のキー溝65aとピン66との間にがたがあ
ってピン66が傾くため、インナーロータ側キー溝52
cの側面52dにはピン66が当接せず、キー溝52c
において軸孔52b側の端部(エッジ部)52fのみに
ピン66が当接(点接触)してしまう。
【0007】そして、ピン66が軸孔52b側の端部5
2fにおいてテーパ部52xまたは座ぐり部52yに当
接すると、図7、図8に矢印で示すようなインナーロー
タ52をサイドプレート部71側に押し付ける向きの偏
荷重がインナーロータ52に作用する。このため、イン
ナーロータ52がサイドプレート部71に押し付けられ
てそれらが摩耗し、インナーロータ52とサイドプレー
ト部71間の隙間が増加して吐出流体の漏れ量が増加
し、その結果、吐出量が低下してしまうという問題があ
った。
【0008】また、インナーロータ52は高圧の空隙部
側から低圧の空隙部側に常時押されており、この空隙部
の圧力差にてインナーロータ52を押す力と上記偏荷重
との合力により、インナーロータ52が駆動軸65の軸
線に対して傾く現象が発生する。このインナーロータ5
2の傾き度合は、空隙部の圧力差にてインナーロータ5
2を押す力の向きとピン66を介してインナーロータ5
2に伝達される力の向きとが逆向きであるときに最も大
きくなり、それらの力の向きが同じであるときに最も小
さくなる。すなわち、インナーロータ52の1回転を1
周期としてインナーロータ52の傾き度合が周期的に変
化する。
【0009】そして、インナーロータ52とサイドプレ
ート部71間の隙間からの流体漏れ量、および内歯部と
外歯部との間の隙間からの流体漏れ量が、インナーロー
タ52の傾き度合に応じて周期的に変化し、この流体漏
れ量の変化によって吐出圧が変動(脈圧発生)し、この
脈圧により音や振動が発生してしまうという問題があっ
た。
【0010】同様に、共に外周に外歯部を有する駆動側
ロータと従動側ロータとを備える外接歯車式の回転式ポ
ンプにおいても、駆動軸のトルクがピンを介して伝達さ
れる駆動側ロータに偏荷重が作用し、駆動側ロータがサ
イドプレート部に押し付けられてそれらが摩耗し、吐出
量が低下してしまうという問題があった。また、偏荷重
の影響によって駆動側ロータの傾き度合が周期的に変化
してしまい、それにより脈圧が発生して音や振動が発生
してしまうという問題があった。
【0011】さらに、駆動軸のトルクがピンを介して伝
達されるロータのみを備える(すなわち、上記の従動側
ロータを備えていない)回転式ポンプにおいても、ロー
タに偏荷重が作用し、ロータがサイドプレート部に押し
付けられてそれらが摩耗し、吐出量が低下してしまうと
いう問題があった。また、偏荷重の影響によってロータ
の傾き度合が周期的に変化してしまい、それにより脈圧
が発生して音や振動が発生してしまうという問題があっ
た。
【0012】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、駆動軸のトルクがピンを介してロータに伝達される
回転式ポンプにおいて、トルク伝達時にロータに偏荷重
が作用しないようにして、吐出量低下や脈圧発生を防止
ないしは抑制することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、駆動軸(65)と、外
周に形成された外歯部(52a)および駆動軸(65)
が挿入される軸孔(52b)を有するロータ(52)
と、駆動軸(65)に形成した駆動軸キー溝(65a)
およびロータ(52)に形成したロータキー溝(52
c)に挿入されたピン(66)とを備え、駆動軸(6
5)のトルクがピン(66)を介してロータ(52)に
伝達される回転式ポンプにおいて、ロータキー溝(52
c)における軸孔(52b)側の端部(52f)よりも
ロータキー溝(52c)における底部(52g)側に
て、ピン(66)がロータキー溝(52c)に当接し
て、トルクが伝達されることを特徴とする。
【0014】これによると、軸孔側の端部よりも底部側
にてピンがロータキー溝に当接してトルクが伝達される
ため、上記した偏荷重がロータに対して作用しなくな
り、従って、偏荷重に起因する吐出量低下や脈圧発生を
防止ないしは抑制することができる。
【0015】請求項2に記載の発明のように、ピン(6
6)のうちトルクが伝達される際にロータキー溝(52
c)に当接する側の面をピン当接面(66a)とし、ピ
ン当接面(66a)と平行で、かつ駆動軸(65)の回
転中心を通る径方向の線を基準線(G)とし、ピン当接
面(66a)から基準線(G)までのオフセット量をL
とし、ロータキー溝(52c)の幅をWとしたとき、W
≧2Lにすることにより、軸孔側の端部よりも底部側に
てピンをロータキー溝に当接させてトルクを伝達するこ
とができる。
【0016】また、請求項3に記載の発明のように、ロ
ータキー溝(52c)の幅を、軸孔(52b)側の端部
(52f)から底部(52g)側に向かって狭くするこ
とにより、軸孔側の端部よりも底部側にてピンをロータ
キー溝に当接させてトルクを伝達することができる。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
に基づいて説明する。
【0019】(第1実施形態)図1に、回転式ポンプと
して内接歯車式ポンプの1つであるトロコイドポンプを
適用した車両用ブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示
す。以下、ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて
説明する。本例では前輪駆動の4輪車において、右前輪
−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管
の油圧回路を構成する車両に本発明によるブレーキ装置
を適用した例について説明する。
【0020】図1に示すように、ブレーキペダル1は倍
力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレ
ーキ踏力等が倍力される。
【0021】そして、倍力装置2は、倍力された踏力を
マスタシリンダ3に伝達するプッシュロッド等を有して
おり、このプッシュロッドがマスタシリンダ3に配設さ
れたマスタピストンを押圧することによりマスタシリン
ダ圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力
装置2及びマスタシリンダ3がブレーキ液圧発生手段に
相当する。
【0022】また、このマスタシリンダ3には、マスタ
シリンダ3内にブレーキ液を供給したり、マスタシリン
ダ3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3a
が接続されている。
【0023】そして、マスタシリンダ圧は、アンチロッ
クブレーキ装置(以下、ABSという)を介して右前輪
FR用のホイールシリンダ4及び左後輪RL用のホイー
ルシリンダ5へ伝達されている。以下の説明は、右前輪
FR及び左後輪RL側について行うが、第2の配管系統
である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様
であるため、説明は省略する。
【0024】そして、このブレーキ装置はマスタシリン
ダ3に接続する管路(主管路)Aを備えており、この管
路Aには制御弁40が備えられている。そして、この制
御弁40によって管路Aは2部位に分けられている。す
なわち管路Aは、マスタシリンダ3から制御弁40まで
の間においてマスタシリンダ圧を受ける管路A1と、制
御弁40から各ホイールシリンダ4、5までの間の管路
A2に分けられる。
【0025】なお、制御弁40は通常は連通状態にされ
ている2位置弁であり、マスタシリンダ圧が所定圧より
も低いときにホイールシリンダ4、5に急ブレーキをか
ける時、或いはTRC時に遮断され、マスタシリンダ側
とホイールシリンダ側との差圧を保つようになってい
る。
【0026】また、管路A2において、管路Aは2つに
分岐しており、開口する一方にはホイールシリンダ4へ
のブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備え
られ、他方にはホイールシリンダ5へのブレーキ液圧の
増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
【0027】これら増圧制御弁30、31は、ABS用
の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮
断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そ
して、この2位置弁が連通状態に制御されているときに
は、マスタシリンダ圧あるいはポンプのブレーキ液の吐
出によるブレーキ液圧を各ホイールシリンダ4、5に加
えることができる。
【0028】なお、ABS制御が実行されていないノー
マルブレーキ時には、これら第1、第2の増圧制御弁3
0、31は常時連通状態に制御されている。なお、増圧
制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31a
が並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてA
BS制御が終了したときにおいてホイールシリンダ4、
5側からブレーキ液を排除するようになっている。
【0029】また、第1、第2の増圧制御弁30、31
と各ホイールシリンダ4、5との間における管路Aとリ
ザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Bには、A
BS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧
制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの
減圧制御弁32、33はノーマルブレーキ状態(ABS
非作動時)では、常時遮断状態とされている。
【0030】管路Aの制御弁40と増圧制御弁30、3
1とリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Cに
は回転式ポンプ10と安全弁10bが配設されている。
また、この回転式ポンプ10にはモータ11が接続され
ており、このモータ11によって回転式ポンプ10は駆
動される。なお、この回転式ポンプ10についての詳細
な説明は後述する。
【0031】また、回転式ポンプ10が吐出したブレー
キ液の脈動を緩和するために、管路Cのうち回転式ポン
プ10の吐出側にはダンパ12が配設されている。そし
て、リザーバ20と回転式ポンプ10の間と、マスタシ
リンダ3とを接続するように管路(補助管路)Dが設け
られており、回転式ポンプ10はこの管路Dを介して管
路A1のブレーキ液を汲み取り、管路A2へ吐出するこ
とによってホイールシリンダ4、5におけるホイールシ
リンダ圧をマスタシリンダ圧よりも高くして車輪制動力
を高める。なお、制御弁40はこの際のマスタシリンダ
圧とホイールシリンダ圧との差圧を保持する。
【0032】そして、この管路Dには制御弁34が設け
られており、この制御弁34はブレーキ非作動時には連
通しており、ノーマルブレーキ時には常時遮断状態とさ
れている。
【0033】次に、図2、図3に基づき回転式ポンプ1
0の構造について説明する。なお、図2は回転式ポンプ
10の構成を示す断面図、図3は図2のE−E矢視断面
図である。
【0034】回転式ポンプ10は、ブレーキ装置の第1
の配管系統用の第1ポンプ10Aと、第2の配管系統用
の第2ポンプ10Bとを備えている。なお、両ポンプ1
0A、10Bは同一構成であるため、以下第1ポンプ1
0Aについて説明し、第2ポンプ10Bについては第1
ポンプ10Aと同一部分に同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0035】この回転式ポンプ10におけるケーシング
50のロータ室50a内には、アウターロータ(従動側
ロータ)51及びインナーロータ(駆動側ロータ)52
が、それぞれの回転中心軸(図中の点Xと点Y)が偏心
した状態で組付けられて収納されている。アウターロー
タ51は内周に内歯部51aを備えており、インナーロ
ータ52は外周に外歯部52aを備えている。そして、
これらアウターロータ51とインナーロータ52とが互
いの歯部51a、52aによって複数の空隙部53を形
成して噛み合わさっている。
【0036】なお、図2からも判るように、本実施形態
の回転式ポンプ10は、アウターロータ51の内歯部5
1aとインナーロータ52の外歯部52aとで空隙部5
3を形成する、仕切り板(クレセント)なしの多数歯ト
ロコイドタイプのポンプである。また、インナーロータ
52のトルクをアウターロータ51に伝えるために、イ
ンナーロータ52とアウターロータ51とは複数の接触
点を有している。
【0037】インナーロータ52の中心部に貫通して形
成された軸孔52b内には、モータ11(図1参照)と
結合されて矢印R方向に回転する駆動軸65が挿入され
ており、この駆動軸65に形成された駆動軸キー溝65
a内にピン66の一端が挿入されるとともに、インナー
ロータ52に形成されたロータキー溝52c内にピン6
6の他端が挿入されている。そして、ピン66を介して
駆動軸65からインナーロータ52へのトルク伝達がな
され、インナーロータ52の回転運動に伴って外歯部5
2aと内歯部51aの噛合によりアウターロータ51も
同方向へ回転する。
【0038】なお、アウターロータ51、インナーロー
タ52、駆動軸65およびピン66は、SUJ2(高炭
素クロム軸受鋼)よりなり、焼き入れ焼き戻しがなされ
ている。
【0039】図3に示されるように、ケーシング50
は、両ロータ51、52を両側から挟むように配置され
る第1のサイドプレート部71及び第2のサイドプレー
ト部72と、これら第1、第2のサイドプレート部7
1、72間に配設され、アウターロータ51及びインナ
ーロータ52を収容する孔が設けられた中央プレート部
73とから構成されており、これらによってロータ室5
0aが形成される。
【0040】アウターロータ51及びインナーロータ5
2で構成される回転部は、このロータ室50a内に回転
自在に組み込まれ、アウターロータ51は点Xを軸とし
て回転し、インナーロータ52は点Yを軸として回転す
ることになる。
【0041】さらに、アウターロータ51及びインナー
ロータ52のそれぞれの回転軸となる点Xと点Yを通る
線を回転式ポンプ10の中心線Zとすると、第1のサイ
ドプレート部71のうち中心線Zを挟んだ左右には、ロ
ータ室50aへ連通する吸入口60と吐出口61が形成
されている。この吸入口60及び吐出口61は、複数の
空隙部53に連通する位置に配設されている。そして、
吸入口60を介して外部からのブレーキ液を空隙部53
内に吸入して、吐出口61を介して空隙部53内のブレ
ーキ液を外部へ吐出することができるようになってい
る。
【0042】複数の空隙部53のうち、体積が最大とな
る側の閉じ込み部53a、及び体積が最小となる側の閉
じ込み部53bは、吸入口60及び吐出口61のいずれ
にも連通しないようになっており、この閉じ込み部53
a、53bによって吸入口60における吸入圧と吐出口
61における吐出圧との差圧を保持している。
【0043】なお、第2の配管系統用の第2ポンプ10
Bは、図3に示されるように、第2のサイドプレート部
72と第3のサイドプレート部74と第2の中央プレー
ト部75とによって形成されたロータ室に配置されてい
る。そして、両ポンプ10A、10Bは同一構成である
が、第2ポンプ10Bは駆動軸65を中心として第1ポ
ンプ10Aを180°回転させた配置となっている。
【0044】次に、図4に基づきピン66および各キー
溝52c、65aの構造について説明する。なお、図4
は図2のF部(ピン66の係合部周辺)の拡大図であ
る。
【0045】図4において、ピン66は柱状であり、よ
り詳細には円柱状になっている。駆動軸キー溝65aは
穴形状であり、より詳細には円柱状の穴形状になってい
る。
【0046】ロータキー溝52cは、インナーロータ5
2の軸方向一端側の側面から他端側の側面まで貫通して
おり、対向する第1、第2の側面52d、52eが、軸
孔52b側の端部(エッジ部)52fから径外方に向か
って底部52gまで延びている。また、第1、第2の側
面52d、52eは互いに平行で、かつインナーロータ
52と駆動軸65とを組み付けた状態では駆動軸65の
軸線に対しても平行になっている。
【0047】ここで、トルクが伝達される際にはピン6
6の外周面の一部が第1の側面52dに当接するが、こ
の第1の側面52dに当接する側のピン66の面66a
をピン当接面とする。また、このピン当接面66aと平
行で、かつ駆動軸65の回転中心(インナーロータ52
の回転中心軸Yと共通)を通る径方向の線Gを基準線と
し、さらに、ピン当接面66aから基準線Gまでのオフ
セット量(ピン当接面66aと基準線G間の、基準線G
に対して垂直方向の長さ)をLとする。
【0048】そして、ロータキー溝52cの幅(第1、
第2の側面52d、52e間の、基準線Gに対して垂直
方向の長さ)Wが、W≧2Lとなるようにしている。
【0049】なお、図示しないが、インナーロータ52
の軸孔52bの軸方向両端には、駆動軸65と接触しな
いようにするための逃がし部として、テーパ部52x
(図7参照)あるいは断面R形状の座ぐり部52y(図
8参照)が形成されている。さらに、軸孔52bにおい
て軸方向中間部には、駆動軸65に対するインナーロー
タ52の径方向の位置決めを行うための支持部52z
(図7、図8参照)が形成されている。
【0050】次に、このように構成されたブレーキ装置
及び回転式ポンプ10の作動について説明する。
【0051】回転式ポンプ10は、モータ11の駆動に
より駆動軸65の回転に応じてインナーロータ52が回
転運動し、それに伴って内歯部51aと外歯部52aの
噛合によりアウターロータ51も同方向へ回転する。こ
のとき、それぞれの空隙部53の容積がアウターロータ
51及びインナーロータ52が1回転する間に大小に変
化するため、吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出
口61から管路A2に向けてブレーキ液を吐き出す。こ
の吐出されたブレーキ液によってホイールシリンダ圧を
増圧する。
【0052】このように、回転式ポンプ10はロータ5
1、52が回転することによって吸入口60からブレー
キ液を吸入し、吐出口61からブレーキ液を吐出すると
いう基本的なポンプ動作を行うことができる。
【0053】このポンプ動作の際に、駆動軸キー溝65
aとピン66との直径寸法差により、駆動軸キー溝65
aの径方向中心線Hに対してピン66のピン当接面66
aが傾斜角θ1だけ傾き、ピン66はこのように傾いた
状態で駆動軸65のトルクをインナーロータ52に伝達
する。
【0054】このとき、従来のポンプ(図6参照)のよ
うに、ロータキー溝52cの幅Wとオフセット量Lの関
係が、W<2Lの場合、駆動軸キー溝65aの径方向中
心線Hに対するロータキー溝52cの第1の側面52d
の傾斜角θ2が、ピン当接面66aの傾斜角θ1よりも
小さくなるため、ロータキー溝52cの端部52fのみ
にピン66が当接し、インナーロータ52をサイドプレ
ート部側に押し付ける向きの偏荷重がインナーロータ5
2に作用する。
【0055】これに対し、W=2Lの場合ロータキー溝
52cの第1の側面52dとピン当接面66aが平行
(すなわち、θ1=θ2)になるため、ピン66は、ロ
ータキー溝52cの端部52fからピン66の径方向先
端部までの範囲で第1の側面52dと当接する。
【0056】また、W>2Lの場合、第1の側面52d
の傾斜角θ2がピン当接面66aの傾斜角θ1よりも大
きくなるため、ピン66はロータキー溝52cの端部5
2fには当接せず、ピン66はその径方向先端部が第1
の側面52dと当接する。
【0057】そして、本実施形態ではW≧2Lとしてい
るため、駆動軸65のトルクをインナーロータ52に伝
達する際には、ピン66はロータキー溝52cの端部5
2fよりも底部52g側の第1の側面52dと必ず当接
する。
【0058】このように、ピン66が第1の側面52d
と必ず当接した状態で駆動軸65のトルクがインナーロ
ータ52に伝達されると、インナーロータ52をサイド
プレート部側に押し付ける向きの偏荷重はインナーロー
タ52に対して作用しなくなる。
【0059】従って、本実施形態ではインナーロータ5
2に対して偏荷重が作用しないので、インナーロータ5
2およびサイドプレート部の摩耗による吐出量低下や、
各部の隙間からの液漏れ量の周期的変化による脈圧発生
を、防止ないしは抑制することができる。
【0060】(第2実施形態)次に、図5に示す第2実
施形態について説明する。なお、図5はピン66の係合
部周辺の構成を示す断面図である。
【0061】上記第1実施形態では、駆動軸65のトル
クをインナーロータ52に伝達する際に、ピン66をロ
ータキー溝52cの端部52fよりも底部52g側の第
1の側面52dに必ず当接させるために、W≧2Lとし
たのに対し、本実施形態では、ロータキー溝52cに勾
配を付けた点が異なる。なお、その他の点は第1実施形
態と同一である。
【0062】ところで、W<2Lの場合、従来のポンプ
(図6参照)ではロータキー溝52cの端部52fのみ
にピン66が当接し、ロータキー溝52cの第1の側面
52dとピン当接面66aとの間に角度αの隙間が生じ
る。
【0063】そこで本実施形態では、図5に示すよう
に、ロータキー溝52cは、端部52fから底部52g
側に向かって幅が狭くなるように、角度θ3の勾配が付
けられている。ここで、ロータキー溝52cの径方向中
心線Jと平行で、かつ端部52fを通る線を基準線Kと
すると、この角度θ3は、基準線Kとロータキー溝52
cの各側面52d、52eとのなす角度である。
【0064】そして、勾配角度θ3を隙間角度α以上
(すなわち、θ3≧α)に設定することにより、駆動軸
65のトルクをインナーロータ52に伝達する際に、ピ
ン66がロータキー溝52cの端部52fよりも底部5
2g側の第1の側面52dと必ず当接するようになって
いる。
【0065】従って、インナーロータ52をサイドプレ
ート部側に押し付ける向きの偏荷重はインナーロータ5
2に対して作用しなくなり、よって、第1実施形態と同
様に吐出量低下や脈圧発生を防止ないしは抑制すること
ができる。
【0066】(他の実施形態)上記実施形態では、車両
用ブレーキ装置のABSアクチュエータに本発明の回転
式ポンプを適用した例を示したが、本発明の回転式ポン
プは他の用途にも適用可能である。
【0067】また、上記実施形態では内接歯車式の回転
式ポンプを示したが、外接歯車式の回転式ポンプ、さら
にはロータ(歯車)を1つだけ用いる回転式ポンプに
も、本発明は適用可能である。
【0068】また、上記実施形態では駆動軸キー溝65
aを穴形状としたが、駆動軸キー溝65aは、駆動軸6
5の軸方向に延びる溝であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における回転式ポンプを
備えたブレーキ装置の管路構成図である。
【図2】図1における回転式ポンプの具体的構成を示す
断面図である。
【図3】図2のE−E断面図である。
【図4】図2のF部拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図6】従来のポンプの要部を示す断面図である。
【図7】図6のI−I断面図である。
【図8】従来ポンプの他の例を示すもので、図6のI−
I断面相当の図である。
【符号の説明】
52…ロータ、52a…外歯部、52b…軸孔、52c
…ロータキー溝、52f…端部、52g…底部、65…
駆動軸、66…ピン、65a…駆動軸キー溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H041 AA02 BB04 CC11 CC20 DD05 DD08 DD36 DD38 3H044 AA02 BB03 CC11 CC19 DD05 DD07 DD26 DD28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸(65)と、外周に形成された外
    歯部(52a)および前記駆動軸(65)が挿入される
    軸孔(52b)を有するロータ(52)と、前記駆動軸
    (65)に形成した駆動軸キー溝(65a)および前記
    ロータ(52)に形成したロータキー溝(52c)に挿
    入されたピン(66)とを備え、前記駆動軸(65)の
    トルクが前記ピン(66)を介して前記ロータ(52)
    に伝達される回転式ポンプにおいて、 前記ロータキー溝(52c)における前記軸孔(52
    b)側の端部(52f)よりも前記ロータキー溝(52
    c)における底部(52g)側にて、前記ピン(66)
    が前記ロータキー溝(52c)に当接して、前記トルク
    が伝達されることを特徴とする回転式ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ピン(66)のうち前記トルクが伝
    達される際に前記ロータキー溝(52c)に当接する側
    の面をピン当接面(66a)とし、 前記ピン当接面(66a)と平行で、かつ前記駆動軸
    (65)の回転中心を通る径方向の線を基準線(G)と
    し、 前記ピン当接面(66a)から前記基準線(G)までの
    オフセット量をLとし、 前記ロータキー溝(52c)の幅をWとしたとき、 W≧2Lであることを特徴とする請求項1に記載の回転
    式ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記ロータキー溝(52c)の幅は、前
    記軸孔(52b)側の端部(52f)から前記底部(5
    2g)側に向かって狭くなっていることを特徴とする請
    求項1に記載の回転式ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ロータ(52)の外歯部(52a)
    と噛み合う歯部(51a)を有すると共に前記ロータ
    (52)に追従して回転する従動側ロータ(51)を備
    えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つ
    に記載の回転式ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記従動側ロータ(51)は内周に前記
    歯部(51a)を有し、前記従動側ロータ(51)の内
    部に前記ロータ(52)が配置されていることを特徴と
    する請求項4に記載の回転式ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記軸孔(52b)は、前記駆動軸(6
    5)に対する前記ロータ(52)の径方向の位置決めを
    行う支持部(52z)と、前記駆動軸(65)と接触し
    ないようにするための逃がし部(52x、52y)とを
    有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1
    つに記載の回転式ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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