JP2002146243A - メタリック塗料着色用カーボンブラック分散体、メタリック塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

メタリック塗料着色用カーボンブラック分散体、メタリック塗料組成物及び塗膜形成方法

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JP2002146243A
JP2002146243A JP2000345065A JP2000345065A JP2002146243A JP 2002146243 A JP2002146243 A JP 2002146243A JP 2000345065 A JP2000345065 A JP 2000345065A JP 2000345065 A JP2000345065 A JP 2000345065A JP 2002146243 A JP2002146243 A JP 2002146243A
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JP
Japan
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carbon black
metallic
coating film
paint
dispersion
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JP2000345065A
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English (en)
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Yoshinori Hashimoto
良範 橋本
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタリック塗料着色用カーボンブラック分散
体であって、これを用いて着色されたメタリック塗料が
サーキュレーション過程の前後でフリップフロップ性が
安定化されるカーボンブラック分散体を提供すること。 【解決手段】 揮発性有機溶媒中にカーボンブラック及
びセルロース誘導体を含むメタリック塗料着色用カーボ
ンブラック分散体において、該カーボンブラックの含有
量が1〜15重量%であり、該セルロース誘導体とカー
ボンブラックとの重量比が1/1〜9/1である、メタ
リック塗料着色用カーボンブラック分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメタリック塗料着色
用カーボンブラック分散体に関し、特に、そのカーボン
ブラック分散体を含有するメタリック塗料組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは遮光性や黒色を得る
ために加える顔料として塗料等に広く使用されている。
カーボンブラックの粉体としての性質は製法や種類によ
って表面官能基、表面積等の表面特性が異なっている。
カーボンブラックの分散体については、カーボンブラッ
クの分散安定性が着色材としての性能に大きな影響を与
える。
【0003】一般にカーボンブラックを有機溶媒に分散
させる際には、分散安定性を良くするために分散剤を使
用する。分散剤としては、通常、アミン基含有アクリル
共重合体、イミノ基含有樹脂等の顔料表面調製剤が用い
られる。
【0004】カーボンブラックを有機溶媒に分散させた
カーボンブラック分散体は、メタリック塗料の着色剤と
しても通常使用される。メタリック塗料とは、アルミニ
ウム片(以下「アルミ片」という。)のような光輝性顔
料を含有し、その塗膜がメタリック感に富む外観を与え
る塗料をいう。メタリック塗料にカーボンブラック分散
体を含有させるのは、塗膜の色調を調整するためであ
る。色調とは明度、彩度、光輝感のことを示す。
【0005】メタリック塗料には優れたメタリック感と
フリップフロップ性とを有する塗膜を形成することが強
く望まれている。フリップフロップ性とは、メタリック
塗面を光の入射角に対してほぼ正反射角度(浅い角度)
でみたとき(ハイライト色)とそれ以外の深い角度で見
た場合(シェード色)とにおけるそれぞれのメタリック
感のことであり、両者間でメタリック感が異なれば「フ
リップフロップ性がある」と言う。したがって、フリッ
プフロップ性があるメタリック塗膜は、見る角度によっ
てメタリック感が刻々変化するので、高度な美粧を有す
る塗膜と言える。
【0006】ところで、メタリック塗料においては、顔
料の沈降を防止するためにライン塗料をポンプにより循
環させるサーキュレーションが実施されている。しかし
このサーキュレーション過程が長時間に及ぶと塗料のフ
リップフロップ性が低下するため、品質の安定性という
面から問題となっており、また塗装ラインにおける生産
性を低下させる大きな原因となっている。
【0007】このフリップフロップ性の低下は、主とし
て、塗料中の着色顔料、特にカーボンブラックの分散状
態の変化が原因と考えられている。塗料が長時間サーキ
ュレーションにかけられると、アルミ片の表面にも長時
間シェアーがかかることになるが、これによりアルミ片
の表面保護層を形成している成分が剥がされて徐々に脱
離していくために、活性な金属アルミ面が露出すること
になる。
【0008】一方で空気との接触のため塗料中において
は水分量が徐々に増加してくる。このように水分の存在
下アルミ片の活性面が露出してくると、これが塗料中に
含まれるカーボンブラックに作用して分散状態を変化さ
せるために、塗膜にしたときフリップフロップ性が低下
するというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、メ
タリック塗料着色用カーボンブラック分散体であって、
これを用いて着色されたメタリック塗料がサーキュレー
ション過程の前後でフリップフロップ性が低下しないカ
ーボンブラック分散体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、揮発性有機溶
媒中にカーボンブラック及びセルロース誘導体を含むメ
タリック塗料着色用カーボンブラック分散体において、
該カーボンブラックの含有量が1〜15重量%であり、
該セルロース誘導体とカーボンブラックとの重量比が1
/1〜9/1である、メタリック塗料着色用カーボンブ
ラック分散体を提供するものであり、そのことにより上
記目的が達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】メタリック塗料着色用カーボンブ
ラック分散体 本発明のカーボンブラック分散体は有機溶媒中にカーボ
ンブラックを分散させた分散体である。有機溶媒は、塗
料組成物に含有させた場合に適当な相溶性及び揮発性を
示すものであればよい。通常は、塗料組成物の調製及び
希釈に用いる有機溶媒と同じものを用いる。これらにつ
いては以下に説明する。
【0012】カーボンブラック分散体に含まれるカーボ
ンブラックの量は1〜15重量%、好ましくは2〜8重
量%とする。この含有量が1重量%未満であると、分散
体の低粘度化により分散時間がより長くなり、15重量
%を越えると、分散時に粘度が高くなりすぎ分散不可能
となる。
【0013】カーボンブラックを有機溶媒に分散させる
際の分散剤としては、セルロース誘導体を用いる。カー
ボンブラックの分散安定性が良好になり、メタリック塗
料のサーキュレーション過程によるフリップフロップ性
の低下が防止されるからである。
【0014】セルロース誘導体にはセルロースアセテー
トブチレート、セルロースアセテート、セルロースアセ
テートプロピオネートなどのエステル類が含まれる。塗
料組成物の樹脂との溶解性、粘性の発現等の観点からセ
ルロースアセテートブチレートであることが好ましく、
ASTM−D−817に記載された測定法によるアセチ
ル化度が1〜34重量%、ブチリル化度が16〜60重
量%、ASTM−D−1343に記載された測定法によ
る粘度が0.005〜20ポイズの範囲に入るものが好
ましい。
【0015】具体的には、イーストマンケミカルプロダ
クト社の、例えば、CAB−551−0.01、CAB
−551−0.2、CAB−531−1、CAB−50
0−1、CAB−381−0.1、CAB−381−
0.5、CAB−381−2、CAB−321−0.1
等が挙げられる。
【0016】カーボンブラック分散体に含まれるセルロ
ース誘導体の量は、カーボンブラック分散体に含まれる
セルロース誘導体とカーボンブラックとの重量比が1/
1〜9/1となる量で使用されるのが好ましく、1.5
/1〜5/1となる量がより好ましく、2/1〜4/1
となる量がさらに好ましい。
【0017】セルロース誘導体の使用量が上記重量比1
/1となる量未満であるとカーボンブラックへのセルロ
ース誘導体樹脂吸着量が減少するため、分散安定性が低
下し、経時凝集や漆黒性低下がおこり、9/1となる量
を超えると、分散時に高粘度となり分散できなくなる。
【0018】カーボンブラックを有機溶媒に分散させる
には、次のような方法を行なう。まず、適量の有機溶媒
に分散剤であるセルロース誘導体を溶解させる。ここに
粉体状のカーボンブラックを添加し、ディスパーのよう
な高速撹拌型分散機で粗分散する。粗分散の時間は10
〜20分程度である。カーボンブラックの分散性が良い
場合、粗分散の工程は省略してもよい。
【0019】続いて、サンドグラインダー、ホモジナイ
ザー、コロイドミル、及びSGミルのような細分散機で
細分散し、平均粒径が5μm以下のカーボンブラック分
散体とする。細分散の時間は2〜3時間程度である。
【0020】必要に応じて、分散剤として、アミン基含
有アクリル共重合体やイミノ基含有樹脂等を併用しても
よい。また、分散過程で適宜有機溶媒を加えて良く、ま
た、分散終了後に有機溶媒を加えて分散体の濃度を調節
しても良い。
【0021】メタリック塗料組成物 メタリック塗料着色用カーボンブラック分散体は原料と
なるメタリック塗料(以下「原料メタリック塗料」とい
う。)に添加されて、本発明のメタリック塗料組成物が
提供される。メタリック塗料とは、鱗片状の光輝性顔料
を含有し、その塗膜がメタリック感に富む外観を与える
塗料をいう。メタリック塗料の光輝性顔料の含有量はP
WCで、通常1〜15%、好ましくは5〜13%であ
る。
【0022】本発明のカーボンブラック分散体によっ
て、サーキュレーション過程において、メタリック塗料
組成物のフリップフロップ性が安定する理由は明確でな
い。しかしながら、カーボンブラック分散体の分散剤で
あるセルロース誘導体がカーボンブラックの分散状態を
安定化し、アルミ片等の活性面から受ける影響を緩和す
るためと考えられる。
【0023】本発明のカーボンブラック分散体を添加す
る原料メタリック塗料としては、従来から用いられてい
るものを用いることができる。一般的な樹脂成分として
は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹
脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物など
の架橋剤が用いられる。上記架橋剤の含有量は塗膜形成
性樹脂の固形分に対して、20〜100重量%であるこ
とが好ましい。含有量が20重量%を下回ると硬化性が
不十分となり、100重量%を上回ると硬化膜が硬くな
りすぎ脆くなる。
【0024】顔料のような着色材としては、従来から使
用されるものを用いることができる。例えば、有機系で
はアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系
顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロ
ン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリ
ノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナ
クリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔
料等が挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガ
ラ、二酸化チタン等が挙げられる。また、体質顔料とし
ては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク
等が挙げられる。但し、原料メタリック塗料はカーボン
ブラックを含有していないことが好ましい。従来のカー
ボンブラック分散体はサーキュレーション過程で分散状
態が変化し、塗膜にしたときフリップフロップ性が低下
する怖れがあるからである。
【0025】光輝性顔料としては、アルミ片、アルミナ
片、ブロンズ片、錫片、金片、銀片、チタン金属片、ス
テンレス鋼片、ニッケル−銅片などの金属フレークやマ
イカ粉を用いることができる。マイカ粉としては、具体
的には、パールマイカ(ホワイトマイカ)、干渉マイ
カ、着色マイカなどを用いることができる。好ましい光
輝性顔料はアルミ片である。
【0026】原料メタリック塗料中の好ましい固形分含
有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重
量%の範囲である。
【0027】カーボンブラック分散体の添加量は、メタ
リック塗料組成物中のカーボンブラック分散体に由来す
るカーボンブラックと光輝性顔料との重量比が0.1/
100〜30/100、好ましくは0.5/100〜2
0/100、より好ましくは1/100〜15/100
となる量とする。カーボンブラック分散体の添加量が、
上記重量比0.1/100となる量未満であると、塗膜
の色調でカーボンブラック添加の効果となる黒味が少な
くなり、フリップフロップ性を向上させることができな
い。上記重量比が30/100となる量を超えると、塗
膜の色調でハイライト色とシェード色との明るさ(明
度)の差が小さくなり、結果としてフリップフロップ性
が低下する。
【0028】また、本発明のメタリック塗料組成物に
は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸触媒、垂れ止め剤、
フロー剤など、一般に用いられている塗料用添加剤を必
要に応じて必要量添加することができる。また、クリヤ
ー塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保するために、
メタリック塗料には粘性制御剤を添加することが好まし
い。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示
すものを使用できる。
【0029】このようなものとしては例えば、脂肪酸ア
マイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミ
ノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポ
リエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系
等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト
等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バ
リウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する
偏平顔料等、極性基の相互作用を利用する非架橋あるい
は架橋型の樹脂あるいは粒子を粘性制御剤として挙げる
ことができる。
【0030】但し、塗膜化した場合に光沢に影響を及ぼ
さないものが特に好ましく、特に好ましい粘性制御剤と
しては、極性基の相互作用を利用する非架橋あるいは架
橋型の樹脂あるいは粒子を、粘性制御剤として用いるこ
とができる。
【0031】本発明に用いられる塗料(後述するものを
含める。)の製造方法は特に限定されず、顔料等の配合
物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散する等
の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
【0032】また、本発明に用いられる塗料では、希釈
剤として、塗装粘度、塗装作業性などに合わせて各種有
機溶媒を種々選択して用いることができる。一般に使用
される有機溶媒の例には、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0033】また場合によっては水を含んでいてもよ
い。更に、本発明で用いる塗料の塗料形態としては、有
機溶媒型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョ
ン)、非水分散型のいずれでもよい。
【0034】塗膜形成方法 本発明のメタリック塗料組成物を用いて塗膜を形成する
には、被塗物の上にメタリック塗膜を形成し、形成した
メタリック塗膜の上にクリヤー塗膜を形成する。メタリ
ック塗膜及びクリヤー塗膜は、対応する各塗料組成物を
ウェット・オン・ウェット方式で塗布し、両塗膜を同時
に硬化させる2コート1ベーク方式で形成してもよい。
【0035】クリヤー塗膜の形成に用いるクリヤー塗料
は特に限定されず、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含
有するクリヤー塗料を利用できる。
【0036】上記クリヤー塗料に含まれる塗膜形成性樹
脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹
脂及び/またはブロックポリイソシーネート化合物など
の架橋剤からなる樹脂組成物や、酸基を有するアクリル
樹脂とエポキシ化合物からなる酸−エポキシ系のアクリ
ル塗料などを用いることができる。
【0037】塗料中の好ましい固形分含有量は、製造時
30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲であ
る。
【0038】顔料成分は用いられないのが通常である
が、場合によっては各種顔料を微量用いることもでき
る。添加剤成分は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、垂れ止
め剤、フロー剤など、一般に用いられている塗料用添加
剤を必要に応じて適量用いることができる。
【0039】本発明のメタリック塗料組成物は種々の被
塗物、例えば金属、プラスチック、発泡体等、特に金属
表面、および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着
塗装可能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
【0040】金属製品としては、例えば、鉄、銅、アル
ミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金
が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オート
バイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。こ
れらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理さ
れたものが特に好ましい。
【0041】自動車外板について本発明の塗膜形成方法
を行なうには、予め金属素材上に電着塗膜及び中塗り塗
膜を形成しておく。塗膜の形成に用いる塗料、及び塗膜
形成方法は従来使用されているものを用いればよい。
【0042】中塗り塗膜の上に、まず、ベース塗料とし
てカーボンブラック分散体を添加したメタリック塗料組
成物を塗布し、セッティングさせる。塗布方法は塗膜形
成に通常用いられる方法であればよく、例えば「リアク
トガン」等と言われるエアー静電スプレー塗装、あるい
は、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マ
イクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる回転
霧化式の静電塗装機が挙げられる。これらによる多ステ
ージ塗装、好ましくは2〜3ステージ塗装が挙げられ、
エアー静電スプレー塗装と、回転霧化式の静電塗装機等
とを組み合わせた塗装方法等により塗膜を形成すること
もできる。セッティング時間は塗膜の厚さや周囲温度等
に依存して変動するが、通常は1〜10分程度である。
【0043】このベース塗膜の膜厚は用途により変化す
るが、乾燥状態で10〜30μmが好ましい。上限を越
えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流
れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下
地が隠蔽できず膜切れが発生する。
【0044】次いで、この塗膜を硬化させないで、その
上にクリヤー塗料を塗布する。クリヤー塗膜の膜厚は所
望の用途により変化するが、乾燥状態で30〜60μm
程度が好ましい。上限を越えると、鮮映性が低下した
り、塗装時にムラ、ピンホールあるいは流れ等の不具合
が起こることがあり、下限を下回ると膜切れが発生す
る。
【0045】その後、塗布したベース塗膜とクリヤー塗
膜とを加熱して一体的に硬化させる。塗膜を硬化させる
硬化温度は100〜180℃、好ましくは120〜16
0℃で高い架橋度の硬化塗膜を得られる。上限を越える
と、塗膜が固く脆くなり、下限以下では硬化が不充分と
なる。硬化時間は硬化温度により変化するが、120℃
〜160℃で10〜30分が適当である。
【0046】
【発明の効果】本発明のメタリック塗料組成物の着色に
使用するカーボンブラック分散体は、系中にアルミ片等
が存在していても、カーボンブラックの分散性が影響を
受け難い。その結果、このカーボンブラック分散体を用
いて着色されたメタリック塗料は、サーキュレーション
過程の前後でフリップフロップ性の低下が少なくなる。
【0047】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中
「部」及び「%」は、特に断らない限り、重量基準であ
る。
【0048】製造例 架橋型樹脂粒子の調製 攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管及びデカン
ターを備えた反応容器に、ビスヒドロキシエチルタウリ
ン213部、ネオペンチルグリコール208部、無水フ
タル酸296部、アゼライン酸376部及びキシレン3
0部を仕込み昇温した。反応により生成した水はキシレ
ンと共沸させて除去した。還流開始より約3時間かけて
反応液温を210℃とし、カルボン酸相当の酸価が13
5mgKOH/gになるまで攪拌と脱水とを継続して反
応させた。
【0049】液温を140℃まで冷却した後、「カージ
ュラE10」(シェル社製のバーサティック酸グリシジ
ルエステル)500部を30分で滴下し、その後、2時
間攪拌を継続して反応を終了した。酸価55mgKOH
/g、水酸基価91mgKOH/g及び数平均分子量1
250の両性イオン基含有ポリエステル樹脂を得た。
【0050】この両性イオン基含有ポリエステル樹脂1
0部、脱イオン水140部、ジメチルエタノールアミン
1部、スチレン50部及びエチレングリコールジメタク
リレート50部をステンレス製ビーカー中で激しく攪拌
することによりモノマー懸濁液を調製した。また、アゾ
ビスシアノ吉草酸0.5部、脱イオン水40部及びジメ
チルエタノールアミン0.32部を混合することにより
開始剤水溶液を調製した。
【0051】攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管及び冷
却管を備えた反応容器に上記両性イオン基含有ポリエス
テル樹脂5部、脱イオン水280部及びジメチルエタノ
ールアミン0.5部を仕込み、80℃に昇温した。ここ
に、モノマー懸濁液251部と開始剤水溶液40.82
部とを同時に60分かけて滴下し、さらに60分反応を
継続した後、反応を終了させた。動的光散乱法で測定し
た粒子径55nmを有する架橋型樹脂粒子エマルジョン
が得られた。
【0052】このエマルジョンにキシレンを加え、減圧
下共沸蒸留により水を除去し、媒体をキシレンに置換し
て、固形分含有量20重量%の架橋型樹脂粒子のキシレ
ン溶液を得た。
【0053】実施例1 カーボンブラック分散体の調製 トルエン40.9部にセルロースアセテートブチレート
10.9部を溶解させ、ここにカーボンブラック4.2
部を加え撹拌した。この混合物を卓上SGミルでカーボ
ンブラックの粒径が5μm以下になるまで約2時間細分
散させた。ついで、表1に示す残りの溶媒成分を添加し
撹拌してカーボンブラック分散体を得た。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2 メタリック塗料組成物の調製 表2に示す成分をディスパー撹拌しながら配合して、原
料メタリック塗料を得た。ついで、この原料メタリック
塗料100部と実施例1で得たカーボンブラック分散体
1.6部とをディスパー撹拌しながら配合して、メタリ
ック塗料組成物を得た(カーボンブラックと光輝性顔料
との重量比=2/100)。
【0056】
【表2】原料メタリック塗料組成物(ブラウン色) a括弧内は固形分量を示すb 日本ペイント社製、水酸基価50、酸価15、数平均
分子量15000、固形分60%
【0057】塗膜の形成 リン酸処理鋼板(厚さ0.8mm、20cm×30cm
のダル鋼板)に日本ペイント社製カチオン電着塗料「パ
ワートップU−50」を、乾燥膜厚が20μmとなるよ
うに電着塗装し、160℃で30分間加熱硬化させた。
【0058】次に、この電着塗膜の上にグレー色の中塗
り塗料(商品名「オルガP−2グレー」、日本ペイント
社製、ポリエステル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜
厚が約30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃
で30分間加熱硬化させた。
【0059】次に、この中塗り塗膜の上に、調製したメ
タリック塗料を、乾燥膜厚が18μmとなるようにスプ
レー塗布し、7分間乾燥させた。ついで、その上に、日
本ペイント社製酸エポキシ樹脂系クリヤー塗料「マック
フローO−600クリヤー」を、乾燥膜厚が35μmと
なるようにスプレー塗布し、10分間乾燥させた。その
後、塗装板をオーブンに入れ、140℃で20分間焼付
け処理した。
【0060】形成した塗膜のフリップフロップ値を測定
した。測定条件はミノルタ社製の変角色差計「CR35
4」を用いて、正反射光から15度(L1)、45度
(L2)及び110(L3)度の位置におけるL*値強
度を測定し、下記の式に代入しフリップフロップ値(F
F値)を算出した。
【0061】
【数1】 FF値=2.69(L1−L3)1.11/(L2)0.85
【0062】結果は表3に示す。
【0063】評価 調製したメタリック塗料組成物にサーキュレーション過
程に相当する負荷を与えるために、これをSGミルに入
れ、2時間分散させた。次いで、分散したメタリック塗
料組成物を用いること以外は上記と同様にして塗膜を形
成し、塗膜のフリップフロップ値を測定した。結果は表
3に示す。
【0064】実施例3 実施例1で得たカーボンブラック分散体7.9部と実施
例2で得た原料メタリック塗料100部とをディスパー
撹拌しながら配合して、メタリック塗料組成物を得た
(カーボンブラックと光輝性顔料との重量比=10/1
00)。得られたメタリック塗料組成物を用いること以
外は実施例2と同様にして塗膜を形成し、評価した。結
果は表3に示す。
【0065】比較例 カーボンブラック分散体としてデグサ社製「デグサカー
ボンFW200P」(分散剤としてアクリル樹脂を使
用、カーボンブラック含有量4%)を準備した。このカ
ーボンブラック分散体7.9部と実施例2で得た原料メ
タリック塗料100部とをディスパー撹拌しながら配合
して、メタリック塗料組成物を得た(カーボンブラック
と光輝性顔料との重量比=10/100)。得られたメ
タリック塗料組成物を用いること以外は実施例2と同様
にして塗膜を形成し、評価した。結果は表3に示す。
【0066】
【表3】塗膜のフリップフロップ値(FF値)
【0067】本発明のメタリック塗料組成物では分散の
前後でFF値の低下(ΔFF値)は、本発明の実施例で
は−0.5以内であった。これに対し、比較例のメタリ
ック塗料組成物ではFF値の低下は−2.5にもなっ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機溶媒中にカーボンブラック及
    びセルロース誘導体を含むメタリック塗料着色用カーボ
    ンブラック分散体において、 該カーボンブラックの含有量が1〜15重量%であり、 該セルロース誘導体とカーボンブラックとの重量比が1
    /1〜9/1である、メタリック塗料着色用カーボンブ
    ラック分散体。
  2. 【請求項2】 光輝性顔料、バインダー樹脂、揮発性有
    機溶媒、及び請求項1記載のカーボンブラック分散体を
    含むメタリック塗料組成物において、 該カーボンブラック分散体に由来するカーボンブラック
    と光輝性顔料との重量比が0.1/100〜30/10
    0であるメタリック塗料組成物。
  3. 【請求項3】 被塗物の上にベース塗料及びクリヤー塗
    料をウェット・オン・ウェット方式で塗布する工程;及
    び焼き付け処理を行いベース塗膜及びクリヤー塗膜を硬
    化させる工程;を包含する2コート1ベーク方式の塗膜
    形成方法において、 該ベース塗料として請求項2記載のメタリック塗料組成
    物を用いることを特徴とする塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の塗膜形成方法により形成
    された塗膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005313168A (ja) * 2004-04-26 2005-11-10 E I Du Pont De Nemours & Co 特殊効果多層被覆方法

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