JP2002146068A - ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2002146068A
JP2002146068A JP2000350336A JP2000350336A JP2002146068A JP 2002146068 A JP2002146068 A JP 2002146068A JP 2000350336 A JP2000350336 A JP 2000350336A JP 2000350336 A JP2000350336 A JP 2000350336A JP 2002146068 A JP2002146068 A JP 2002146068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide resin
molded product
measured
molding
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000350336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3462849B2 (ja
Inventor
Makoto Nakabayashi
誠 中林
Masaru Okamoto
勝 岡本
Shunji Sato
俊二 佐藤
Makoto Iwahashi
誠 岩橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
Toray Industries Inc
Original Assignee
Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Fine Polymer Inc, Toray Industries Inc filed Critical Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
Priority to JP2000350336A priority Critical patent/JP3462849B2/ja
Publication of JP2002146068A publication Critical patent/JP2002146068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3462849B2 publication Critical patent/JP3462849B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性や精度にも優れ,耐薬品性(耐油
性)、曲げ弾性率、耐衝撃性、耐摩耗性、耐久性、摺動
性などが顕著に優れた成形品が得られるポリアミド樹脂
と、それを用いたポリアミド樹脂成形品、および、該成
形品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液
を用いて25℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上で
あり、かつ、理論末端アミノ基量が2×10-5〜6×1
-5mol/gの照射加工用ポリアミド樹脂。98%硫
酸の1.0重量%濃度試料溶液を用いて25℃で測定し
た相対粘度ηrが2.2以上のポリアミド樹脂(A)と
少なくとも2個の重合性官能基を有する有機化合物
(B)とを含有する樹脂組成物を、所望の形状に射出成
形した後、照射架橋する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂、
ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法に関する
ものである。さらに詳しくは、成形加工性や精度にも優
れ、耐薬品性(耐油性)、曲げ弾性率、耐衝撃性、耐摩
耗性、耐久性、摺動性などが顕著に優れた成形品が得ら
れるポリアミド樹脂、それを用いた成形品、及び、該成
形品の製造方法に関するものである。本発明のポリアミ
ド樹脂成形品は、自動車分野、産業機械分野などにおけ
る高耐久性の樹脂ギア、軸受け、摺動部材等として好適
に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】ナイロンに代表されるポリアミド樹脂
は、融点が比較的高く、機械的特性に優れ、表面硬度が
大きく耐摩擦摩耗性に優れ、自己潤滑性があり、耐薬品
性が良好であるなどの特徴を有している。また、ポリア
ミド樹脂は、ガラス繊維で強化すると、熱変形温度が飛
躍的に向上し、機械的強度も増大し、さらには、吸水率
が低下する。そのため、ポリアミド樹脂は、自動車部
品、電気・電子部品、機械部品などとして広範な分野で
使用されている。
【0003】近年、自動車のクランクケース内部のクラ
ンクシャフトギアなどの金属製部品をポリアミド樹脂の
射出成形品で代替することが提案されている。クランク
シャフトケース内部では、潤滑油が満たされた中で、ク
ランクシャフトギアとタイミングギア(カムギア)とが
組み合わされて使用されている。これらのギアがいずれ
も金属製であると、金属同士の噛み合い音やギアのバッ
クラッシュのためにギア同士が衝突して発生する衝撃音
が大きく、騒音問題があった。
【0004】ポリアミド樹脂を用いて作製したギアや摺
動部品などの機械部品は、金属製部品のような騒音を発
生することがなく、静粛性に優れている。また、ポリア
ミド樹脂製の機械部品は、一般に、耐熱性、機械的強
度、耐摩耗性、耐薬品性(特に耐油性)、摺動性などが
良好である。しかし、ポリアミド樹脂製の機械部品は、
自動車用ギアなどのように、過酷な条件下で長期間にわ
たって使用される用途に適用するには、靭性(曲げ弾性
率や耐衝撃性)、耐摩耗性、耐久性などが未だ不充分で
あった。
【0005】ギアなどの機械部品は、ポリアミド樹脂の
射出成形により、切削加工などの煩雑な工程を経ること
なく、簡単かつ安価に製造することができる。しかし、
射出成形用グレードのポリアミド樹脂は、一般に、分子
量が低いため、分子間の相互作用が小さく、得られる成
形品の耐摩耗性、曲げ弾性率、耐衝撃性などの物性が充
分ではない。したがって、通常の射出成形用ポリアミド
樹脂を用いた射出成形品は、自動車用ギアなどの高負荷
下で使用する用途には、耐久性の点で実用的ではない。
【0006】ポリアミド樹脂にガラス繊維や無機充填剤
などの強化用補強材を配合した樹脂組成物を用いると、
一般に、機械的強度や剛性などの物性が向上した成形品
を得ることができる(特開昭57−137762号公
報)。しかし、これらの補強用充填材を含有する樹脂組
成物を用いて成形したギヤや摺動部材などは、それらと
組み合わせて使用する相手材を摩耗してしまうという問
題があった。例えば、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂製
ギアと炭素鋼製ギアとを組み合わせて使用すると、ガラ
ス繊維が炭素鋼を摩耗してしまう。また、機械的強度を
向上させるために、ポリアミド樹脂に多量の補強用充填
材を配合すると、耐衝撃性が低下することがある。その
ため、ギアや摺動部材などの用途において、ガラス繊維
などの補強用充填材を配合する方法は、必ずしも有効な
方法ではなかった。
【0007】ガラス繊維などの補強用充填材を用いるこ
となく、高い強度を有するポリアミド樹脂材料を得る方
法として、モノマー注型が知られている。しかし、モノ
マー注型により得られるポリアミド樹脂(モノマーキャ
ストナイロン)は、高粘度であるため、射出成形が困難
であり、実際には、丸棒や輪状材料から歯切加工などの
切削加工を行ってギア等を作製する必要がある。そのた
め、この方法は、生産性や加工コストに問題がある。
【0008】特開平9−89081号公報には、ポリア
ミド樹脂を所望のギア形状に射出成形した後、真空中も
しくは不活性ガス中で熱処理して、相対粘度を高めた汎
用エンジンの射出成形ギアを製造する方法が提案されて
いる。より具体的に、この方法では、ポリアミド樹脂の
射出成形終了後、98%硫酸の1.0%濃度試料溶液で
測定した相対粘度ηrが3.5以上となるように、真空
中もしくは不活性ガス中で、ポリアミド樹脂の融点の1
/2より高くかつ融点より10℃低い温度に保ちながら
熱処理を行う。しかし、この方法で、射出成形ギアが実
用に供することができる程度まで相対粘度を上げるに
は、24時間以上の熱処理時間を要する。しかも、この
方法は、バッチ処理であるため、連続生産ができない。
さらに、高温で長時間の熱処理を行うと、ギアの寸法変
化が起こり易く、高精度のギアを得ることが困難であ
る。
【0009】特開昭59−12936号公報には、架橋
助剤を配合したポリアミド樹脂を放射線照射により架橋
せしめた架橋ポリアミド樹脂組成物が開示されている。
この方法によれば、ポリアミド樹脂の半田耐熱性を向上
させることができる。しかし、該公報に具体的に開示さ
れているのは、電子線またはγ線照射を行ったナイロン
12の薄い押出フィルムだけであり、そして、このフィ
ルムを適度に照射架橋することにより、350℃の半田
浴に5秒間浸漬した場合に形状変化がなかったという半
田耐熱性が示されているだけである。本発明者らの研究
結果によれば、ポリアミド樹脂に照射架橋法を適用して
も、分子量(粘度)が充分に高いポリアミド樹脂を用い
ないと、得られる成形品の耐衝撃性が低下する傾向を示
す。また、照射架橋の程度が不充分で架橋密度が低い
と、耐熱性の改善も不充分である。そのため、従来、ポ
リアミド樹脂の照射架橋法は、機械部品などの射出成形
品には適用されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、成形
加工性や精度にも優れ、耐薬品性(耐油性)、曲げ弾性
率、耐衝撃性、耐摩耗性、耐久性、摺動性などが顕著に
優れた成形品が得られるポリアミド樹脂、それを用いた
ポリアミド樹脂成形品、及び、その製造方法を提供する
ことにある。
【0011】本発明者らは、前記課題を解決するために
鋭意研究した結果、射出成形が可能な範囲で一定以上の
高い相対粘度を有するポリアミド樹脂を選択して用い、
そして、これに特定の架橋助剤を配合した樹脂組成物
を、所望の形状に射出成形した後、98%硫酸に実質的
に不溶解となるまで照射架橋することにより、高温での
靭性が顕著に改善され、耐摩耗性が極めて良好で、ギア
や摺動部材として好適で、かつ、耐久性に優れたポリア
ミド樹脂成形品の得られることを見出した。
【0012】本発明のポリアミド樹脂成形品は、信頼性
が高く、高靭性を有し、高精度であり、切削加工が不必
要のため低コストで製造することができる。また、本発
明のポリアミド樹脂成形品は、射出成形により量産する
ことができ、しかも常温で比較的短時間の照射架橋を行
うことにより、連続生産が可能である。本発明は、これ
らの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、98%
硫酸の1.0重量%濃度試料溶液を用いて25℃で測定
した相対粘度ηrが2.2以上のポリアミド樹脂(A)
と少なくとも2個の重合性官能基を有する有機化合物
(B)とを含有する樹脂組成物を、所望の形状に射出成
形した後、照射架橋して得られる、25℃の98%硫酸
に実質的に不溶解で、かつ、23℃で測定したアイゾッ
ト衝撃強度が、前記のポリアミド樹脂(A)単体による
成形品の衝撃強度以上で、かつ、60J/m以上である
ポリアミド樹脂成形品が提供される。
【0014】また、本発明によれば、98%硫酸の1.
0重量%濃度試料溶液を用いて25℃で測定した相対粘
度ηrが2.2以上のポリアミド樹脂(A)と少なくと
も2個の重合性官能基を有する有機化合物(B)とを含
有する樹脂組成物を、所望の形状に射出成形した後、照
射架橋させて、25℃の98%硫酸に実質的に不溶解
で、かつ、23℃で測定したアイゾット衝撃強度が、前
記のポリアミド樹脂(A)単体による成形品の衝撃強度
以上で、かつ、60J/m以上の成形品を得るポリアミ
ド樹脂成形品の製造方法が提供される。
【0015】さらに、本発明によれば、98%硫酸の
1.0重量%濃度試料溶液を用いて25℃で測定した相
対粘度ηrが2.2以上であり、かつ、理論末端アミノ
基量が2×10-5〜6×10-5mol/gのポリアミド
樹脂(A)と少なくとも2個の重合性官能基を有する有
機化合物(B)とを含有する照射架橋加工用ポリアミド
樹脂組成物が提供される。また、さらに、本発明によれ
ば、98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液を用いて2
5℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上であり、か
つ、理論末端アミノ基量が2×10-5〜6×10-5mo
l/gの照射架橋加工用ポリアミド樹脂が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】1.ポリアミド樹脂 本発明で使用するポリアミド樹脂の種類は、特に限定さ
れないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン66/6I、ナイロン6
6/6Tなどを挙げることができる。これらのポリアミ
ド樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。また、必要に応じて、こ
れらのポリアミド樹脂と他のポリマーとのアロイや共重
合体を用いることができる。これらのポリアミド樹脂の
中でも、ナイロン6及びナイロン66が好ましく、ナイ
ロン66が特に好ましい。
【0017】特にナイロン66は、ナイロン6、ナイロ
ン11、ナイロン12などと比べて、弾性率や機械的強
度が高い一方、ナイロン46、ナイロン66/6Tなど
と比べて成形温度が低いため、分解温度より充分に低い
温度で成形することが可能であり、成形時の熱分解によ
る分子量の低下が比較的少ない。また、ナイロン66
は、結晶化度がナイロン46、ナイロン66/6Tなど
と比べて低いために、照射架橋しやすい特徴を有してい
る。これらの特徴点もあって、ナイロン66を用いて得
られる照射架橋成形品は、高温での耐摩耗性が顕著に優
れている。
【0018】本発明で使用するポリアミド樹脂(A)
は、98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液を用いて2
5℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上の高分子量ポ
リマーである。相対粘度が2.2未満であると、充分に
照射架橋した場合であっても、高温での耐衝撃性や耐摩
耗性が顕著に優れたポリアミド樹脂成形品を得ることが
できない。特に相対粘度が低すぎるポリアミド樹脂を用
いると、照射架橋により、かえって耐衝撃性が低下する
ことがある。
【0019】ポリアミド樹脂の相対粘度ηrは、好まし
くは2.5以上、より好ましくは3.0以上である。ポ
リアミド樹脂の相対粘度ηrの上限は、射出成形可能な
範囲内で適宜定めることができるが、通常は5.0、多
くの場合4.5程度である。また、本発明で使用するポ
リアミド樹脂(A)は、理論末端アミノ基量が2×10
-5〜6×10-5mol/gの範囲内にあることが、照射
架橋による物性改善の点で好ましい。
【0020】2.少なくとも2個の重合性官能基を有す
る有機化合物 本発明で使用する少なくとも2個の重合性官能基を有す
る有機化合物(B)としては、例えば、ポリマーの照射
架橋の技術分野で一般に架橋助剤として知られている各
種多官能モノマーを使用できる。その具体例としては、
ジエチレングルコールなどのジアクリレート系化合物、
エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリ
レート系化合物、トリメチロールプロパントリアクリレ
ートなどのトリアクリレート系化合物、トリメチロール
プロパントリメタクリレートなどのトリメタクリレート
系化合物、トリアリルイソシアヌレートやトリアリルシ
アヌレートなどのトリアリルシアヌレート系化合物、ジ
アリルマレート、ジアリルフマレートなどが挙げられ
る。これらの中でも、架橋密度の高い成形品を得ること
ができ易い点で、トリアリルイソシアヌレートが特に好
ましい。これらの有機化合物(B)は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0021】少なくとも2個の重合性官能基を有する有
機化合物(B)の使用割合は、特に限定されず、所望の
架橋の程度などに応じて適宜定めることができるが、ポ
リアミド樹脂(A)100重量部に対して、通常0.1
〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部であり、
多くの場合1〜5重量部程度で良好な結果を得ることが
できる。
【0022】3.樹脂組成物 ポリアミド樹脂(A)と少なくとも2個の重合性官能基
を有する有機化合物(B)とを含む樹脂組成物は、これ
らの各成分を単軸混合機や2軸混合機などの通常の混合
機を用いて混合することにより調製することができる。
なお、必要に応じて、重合性官能基を有する有機化合物
をポリアミド樹脂の主鎖に導入することにより、目的と
する樹脂組成物を調製してもよい。
【0023】本発明で使用する樹脂組成物には、必要に
応じて、例えば、重合禁止剤、充填材、顔料、安定剤、
滑剤、軟化剤、増感剤などの各種添加剤を含有させるこ
とができる。ただし、本発明のポリアミド樹脂成形品を
ギアや摺動部材などとして使用する場合であって、相手
材の摩耗防止が強く要求される用途に適用する場合に
は、樹脂組成物中に、ガラス繊維などの繊維状強化材、
粒状、粉末状もしくはフレーク状などの無機充填材等の
補強用充填材は、実質的に含有させないことが好まし
い。ここで、樹脂組成物が補強用充填材を実質的に含有
しないこととは、樹脂組成物が補強用充填材をまったく
含有しないこと以外に、相手材を摩耗させない程度のご
く僅かに(例えば、数重量%程度以下の割合で)含有す
る場合を意味する。
【0024】4.射出成形 樹脂組成物は、一般の熱可塑性樹脂の射出成形法に従っ
て、所望の形状に射出成形される。射出成形に際し、金
型内に金属部品を配置しておくと、インサート成形品を
得ることができる。本発明では、射出成形により得られ
た射出成形品を照射架橋する。照射工程は、常温で実施
することできるため、寸法変化の少ない成形品を得るこ
とができる。
【0025】5.照射架橋 照射法としては、加速電子線、X線、α線、β線、イオ
ン、コバルト60を線源とするγ線等を照射する方法が
利用可能である。これらの中でも、電子線照射は、大気
雰囲気下で、数秒単位の短時間で成形品の架橋をするこ
とができるため、加工性に優れている。照射線量は、通
常1〜1000kGy、好ましくは10〜500kG
y、より好ましくは50〜300kGyである。
【0026】本発明における照射架橋は、ポリアミド樹
脂成形品が常温(25℃)で98%硫酸に実質的に不溶
解となるまで行う。ここで、98%硫酸に実質的に不溶
解であるとは、相対粘度の測定に必要な1.0重量%濃
度の試料溶液を調製できない程度にまで溶解しないこと
を意味しており、多くの場合、照射架橋成形品は、98
%硫酸に対してまったく溶解性を示さない程度にまで架
橋されている。
【0027】より具体的に、ポリアミド樹脂成形品の耐
久性を飛躍的に向上させるためには、ポリアミド樹脂の
分子鎖間が充分に架橋するまで照射することが必要であ
り、25℃で98%硫酸に不溶解、すなわち相対粘度η
rが測定不能となるまで照射を行う。照射線量が高すぎ
る場合には、ポリアミド樹脂の主鎖の分解が進行し、架
橋分子間に形成される分子鎖の網目構造が小さくなるた
め、靭性が低下する。
【0028】照射の際には、射出成形品が吸湿しないよ
うに乾燥状態を維持したままで照射することが、吸湿に
よる寸法変化を抑制する上で望ましい。小規模生産の場
合には、例えば、射出成形品をポリエチレン袋等に封入
し、乾燥状態を維持したまま照射する方法がある。大規
模生産の場合には、射出成形工程から照射工程の間を乾
燥雰囲気に調整する方法が挙げられる。
【0029】照射架橋工程の後、必要に応じて、真空下
または不活性ガス雰囲気下で熱処理を行うことができ
る。熱処理条件は、特開平9−89081号公報に記載
の条件を採用することができる。照射架橋では、主とし
てポリアミド樹脂の分子鎖末端以外の部位が架橋する
が、熱処理では、分子鎖末端が反応して架橋するため、
照射架橋と熱処理を併用すると、ポリアミド樹脂成形品
の耐久性がさらに増大する。しかも、照射架橋後に熱処
理するため、熱処理に伴う寸法変化を抑制することがで
きる。熱処理を併用する方法は、ポリアミド樹脂成形品
を摺動部材等の寸法精度が厳しくない用途に適用する場
合に特に好適である。
【0030】6.ポリアミド樹脂成形品の特性 本発明のポリアミド樹脂成形品は、以下の如き各特性の
それぞれ、もしくは各特性の組み合わせを有している。 (1)25℃の98%硫酸に実質的に不溶解である。 (2)23℃で測定したアイゾット衝撃強度が、前記の
ポリアミド樹脂(A)単体による成形品の衝撃強度以上
で、かつ、60J/m以上、好ましくは70J/m以上
である。アイゾット衝撃強度の上限は、ポリアミド樹脂
成形品が補強用充填材を含有していない場合、通常12
0J/m程度である。
【0031】(3)80℃で測定した曲げ弾性率が好ま
しくは、前記のポリアミド樹脂(A)単体による成形品
の曲げ弾性率以上で、かつ、0.4GPa以上、より好
ましくは0.45GPa以上、特に好ましくは0.5G
Pa以上である。この曲げ弾性率の上限は、ポリアミド
樹脂成形品が補強用充填材を含有しない場合、通常1.
3程度である。
【0032】(4)滑り摩擦試験機(鈴木式)を用い
て、速度V=0.5m/sec、荷重P=60N、滑り
距離L=3km、温度80℃の条件で測定した比摩耗量
が好ましくは、前記のポリアミド樹脂(A)単体による
成形品の比摩耗量以下で、かつ、0.05mm3/N・
km以下、より好ましくは0.03mm3/N・km以
下である。特に、ポリアミド樹脂として、相対粘度ηr
が2.5以上のナイロン66を用いると、80℃での比
摩耗量が0.03mm3/N・km以下のポリアミド樹
脂成形品を容易に得ることができる。比摩耗量の下限
は、通常0.005mm 3/N・km程度である。
【0033】(5)80℃で測定した曲げ弾性率値と2
3℃で測定したアイゾット衝撃強度値との積が好ましく
は40(GPa・J/m)以上、より好ましくは45以
上であり、多くの場合50以上となる。この積は、アイ
ゾット衝撃強度と共に、ポリアミド樹脂成形品の靭性を
表わす指標とすることができる。この積の上限は、ポリ
アミド樹脂成形品が補強用充填材を含有していない場
合、通常150前後である。
【0034】(6)照射架橋により、未架橋ポリアミド
樹脂成形品に比べて、23℃で測定したアイゾット衝撃
強度、80℃で測定した曲げ弾性率、及び80℃で測定
した比摩耗量のすべての特性が改善されている。特に、
本発明のポリアミド樹脂成形品は、射出成形後の照射架
橋により、アイゾット衝撃強度と曲げ弾性率が共に向上
している点に特徴を有している。これに対して、ポリア
ミド樹脂をギア形状に射出成形した後、真空中で熱処理
する方法では、曲げ弾性率は向上するものの、アイゾッ
ト衝撃強度が低下し易い。
【0035】本発明のポリアミド樹脂成形品は、上記の
如き特性に加えて、耐薬品性(特に耐油性)、耐熱性、
自己潤滑性、摺動性などに優れている。また、本発明の
ポリアミド樹脂成形品は、ギアや摺動部材として用いた
場合、静粛性に優れている。
【0036】7.ポリアミド樹脂成形品の種類 本発明のポリアミド樹脂成形品は、射出成形可能な範囲
で一定以上分子量の高いポリアミド樹脂とトリアリルイ
ソシアヌレートなどの重合性官能基を有する有機化合物
とを含む樹脂組成物を、所望のギア形状等に射出成形し
た後、照射架橋したものである。このようにして製造し
た成形品は、強度と高靭性が確保されるため、耐久性に
優れたギア等の機械部品に好適な成形品が得られる。本
発明のポリアミド樹脂成形品の種類や形状などは特に限
定されないが、例えば、ギア(gear)、ウォーム
(worm)、ランナ(runner)、軸受け(be
aring)、その他の各種歯車や摺動部材などとして
好適に使用することができる。本発明のポリアミド樹脂
成形品は、優れた耐薬品性(耐油性)、曲げ弾性率、耐
衝撃性、耐摩耗性、耐久性、摺動性などの特性を活かし
て、自動車や産業機械などにおける各種ギアとして特に
好適に使用することができる。
【0037】本発明のポリアミド樹脂成形品は、所望の
ギア等の形状にポリアミド樹脂を射出成形した後、照射
架橋して製造されるため、加工の際に歯切加工等は不要
である。また、98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液
で測定した相対粘度ηrが2.2以上のポリアミド樹脂
からなる成形品を架橋することにより、乾燥状態(好ま
しくは絶乾状態)で測定した80℃での曲げ弾性率が
0.4GPa以上で、かつ、室温でのアイゾット衝撃強
度が60J/m以上の架橋成形品が得られるため、未架
橋のポリアミド樹脂成形品と比べて、靭性と強度が向上
するので、ギアなどの用途に必要とされる実用上の耐久
性を有する。
【0038】本発明のポリアミド樹脂成形品は、ガラス
繊維や無機充填材などの補強用充填材を含有していない
か、または架橋効果により最小限度の充填量で充分な特
性を示すものであるため、ギアの用途に適用した場合、
相手材の摩耗を防止すつことができ、ポリアミド樹脂本
来の柔軟性も損なわれることがなく、耐久性向上をより
効果的に図ることができる。
【0039】特にポリアミド樹脂ギアの強度設定では、
歯の折損が曲げ疲労により起こるので、曲げ弾性率が重
要な要素となる。例えば、自動車分野で用いられている
ウォームギア装置では、ウォームを金属で形成し、金属
製シャフトに嵌合したウォームホイールを例えばモノマ
ーキャスト等のポリアミド樹脂で成形したものが実用化
されている。このウォームホイールは、歯の部分でウォ
ームと噛み合う。運転中、ウォームホイールの表面温度
は約60℃から約80℃の高温になっている。このよう
に、樹脂ギアは、高温条件下で用いられることが多いの
で、80℃における曲げ弾性率が耐久性の観点からに重
要である。80℃は、ポリアミド樹脂のガラス転移温度
を少し上回る領域での曲げ弾性率であるが、本発明のポ
リアミド樹脂ギアでは、分子鎖間を架橋した効果が大き
く現れ、照射架橋による曲げ弾性率の向上効果が著し
い。
【0040】さらに、ポリアミド樹脂ギアの耐久性に
は、ポリアミド樹脂の粘り強さ、すなわち靭性が大きな
役割を果たしており、靭性の一つの指標であるアイゾッ
ト衝撃強度が重要な要素となる。アイゾット衝撃強度を
80℃で測定するのは容易でないため、室温での測定値
を示すが、本発明のポリアミド樹脂成形品のアイゾット
衝撃強度は、60J/m以上、好ましくは70J/m以
上と大きい。アイゾット衝撃強度は、分子量の低いポリ
アミド樹脂成形品を照射架橋した場合には、未架橋成形
品と同等かそれよりも低下するが、一定以上高分子量の
ポリアミド樹脂を用いた成形品の場合には、照射架橋に
よりむしろ向上することがわかった。ポリアミド樹脂の
分子鎖が充分に長い場合には、架橋度が低い場合でも分
子鎖間が架橋される確率がほぼ100%近くなるためと
推定される。また、ポリアミド樹脂の分子量が高くなる
と、結晶が大きく成長するが、照射により結晶サイズが
小さくなる効果も耐衝撃性の向上に寄与していると推定
される。
【0041】乾燥状態(好ましくは絶乾状態)で測定し
た80℃での曲げ弾性率値と室温でのアイゾット衝撃強
度値との積は、ポリアミド樹脂ギアの耐久試験結果と相
関があることが判明した。特に、相対粘度ηrが2.2
以上のポリアミド樹脂を用いたギアの場合に顕著な効果
があった。
【0042】また、本発明のポリアミド樹脂成形品にシ
ャフト等の金属部品を組み込む方法としては、インサー
ト成形、または穴あけ、ねじ切り後に高周波溶着で接合
する等の既知の方法が使用できる。これらの中でも、加
工性、切削による樹脂屑発生を回避できることから、イ
ンサート成形が好ましい。
【0043】本発明のインサート成形品は、照射架橋す
ると、ポリアミド樹脂単体を成形した部品に比べて、シ
ャフトの引き抜き強度が高くなる効果が見られる。これ
は、架橋により、樹脂の曲げ弾性率とアイゾット衝撃強
度が共に向上することにより、強度が向上する効果と架
橋による一種の形状記憶効果が付与されたためであると
推定される。このため、ポリアミド樹脂成形品を金属部
品との複合部品として製造する方法としても、照射架橋
法は優れている。
【0044】本発明のポリアミド樹脂成形品は、靭性、
強度、摺動特性、耐久性などに優れているため、前述し
たとおり、ギア、ウォーム、ランナ、軸受けなどの機械
部品として好適である。
【0045】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。物性等の測定法は、以下のと
おりである。物性等の測定は、サンプルを乾燥状態(通
常は、いわゆる絶乾状態)に維持して行った。 (1)相対粘度 JIS K6810に準拠し、98%硫酸を用いてポリ
アミド樹脂の1.0重量%濃度の試料溶液を作成し、2
5℃で相対粘度を測定した。具体的には、25℃で、試
料溶液の粘度ηと、98%硫酸の粘度η0 を測定し、次
式により相対粘度ηrを求めた。 ηr=η/η0
【0046】(2)曲げ弾性率 曲げ弾性率は、ASTM D790により、23℃と8
0℃の各温度で、曲げ速度1mm/min、支点間距離
50mmの条件で評価を行った。 (3)アイゾット衝撃強度 アイゾット衝撃強度は、ASTM D256により、2
3℃で測定した。
【0047】(4)比摩耗量 比摩耗量は、鈴木式(JIS K7218と同等の滑り
摩耗試験)に従って測定した。サンプルは、中空円筒と
し、相手材料の金属角板は、S25Cで、表面#60サ
ンドペーパー仕上げのものを用い、荷重P=60N、速
度V=0.5m/sec、滑り距離L=3kmの条件で
測定した。
【0048】(5)摩擦係数 摩擦係数は、滑り摩耗試験に用いられる試験機を用いて
測定した。ナイロン単体と照射架橋サンプルとの間の摩
擦係数の差は、5〜10%の範囲内であった。 (6)98%硫酸に対する溶解性 相対粘度の測定で用いたのと同じ98%硫酸を溶媒とし
て使用し、照射架橋したポリアミド樹脂成形品サンプル
の溶解性を調べた。25℃において、細かく切断したサ
ンプルが相対粘度を測定し得ない程度に溶解しない場合
を不溶解と判定した。
【0049】(7)耐久試験 金属ギア(平歯)とポリアミド樹脂ギア(平歯)との組
み合わせ使用による耐久試験を行なった。金属ギアは、
S45C製で、直径30mm、肉厚10mmであった。
ポリアミド樹脂ギアは、直径100mm、肉厚10mm
であった。耐久試験は、潤滑油存在下、フロント軸重8
40kgf、入力トルク6N・mまでで行い、左右5回
転ずつ交互に回転させた。ポリアミド樹脂ギアの破壊時
点までの回転数で耐久性を評価した。
【0050】[実施例1〜2、及び比較例1〜4]ポリ
アミド樹脂として、ナイロン6(ηr=3.4、理論ア
ミノ基量=4.44×10-5 mol/g)、ナイロン
6(ηr=2.1、理論アミノ基量=1.90×10-5
mol/g)、及びナイロン66(ηr=3.8、理
論アミノ基量=3.16×10-5 mol/g)をそれ
ぞれ用いて、表1に示す配合処方により、2軸混合機で
混合して、ペレットを作製した。
【0051】このペレットを、射出成形機を用いて、テ
ストピースとギアの形状にそれぞれ成形した。得られた
サンプルは、直ちにアルミニウムパックに封入し、乾燥
状態を保ったまま、加速電圧10MeVの電子線を照射
した。照射線量は、ポリアミド樹脂がナイロン6の場合
は120kGyとし、ナイロン66の場合は240kG
yとした。樹脂組成物の組成及び物性の測定結果を表1
に一括して示す。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1と比較例1、実施例2と比較例2
とをそれぞれ対比すると、実施例1及び2の場合、ポリ
アミド樹脂の相対粘度ηrが照射により測定不能になっ
ていることから、充分に架橋されていることがわかる。
実施例1及び2の成形品は、いずれも照射架橋により8
0℃での曲げ弾性率及び23℃でのアイゾット衝撃強度
が大幅に向上しており、実機での耐久試験回数が大幅に
向上する効果のあることが分かる。
【0054】ポリアミド樹脂として、相対粘度が本発明
で規定する範囲より低い、または、理論末端アミノ基量
が2×10-5〜6×10-5mol/gの範囲外のポリア
ミド樹脂を用いた場合(比較例3)には、照射架橋によ
り80℃での曲げ弾性率は向上するものの、アイゾット
衝撃値は低下する傾向にあることが分かる。また、この
場合、架橋効果により、未架橋ポリアミド樹脂成形品の
場合(比較例4)に比べて、ギアの耐久性は向上する
が、それほど高い値を示さない。
【0055】実施例2のナイロン66照射架橋成形品
は、特に優れた摺動特性を示した。この成形品は、室温
と80℃との比摩耗量に10%しか差がなく、温度に対
する依存性が低いことを示し、かつ、比摩耗量が0.0
11mm3/N・kmと極めて低い値を示した。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、成形加工性や精度にも
優れ、耐薬品性(耐油性)、曲げ弾性率、耐衝撃性、耐
摩耗性、耐久性、摺動性などが顕著に優れたポリアミド
樹脂成形品が得られるポリアミド樹脂、それを用いた成
形品、および、該成形品の製造方法が提供される。本発
明のポリアミド樹脂成形品は、ギアや摺動部材などの機
械部品として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/00 C08L 77/00 4J002 F16C 33/20 F16C 33/20 A F16H 55/06 F16H 55/06 // B29K 77:00 B29K 77:00 B29L 15:00 B29L 15:00 (72)発明者 岡本 勝 大阪府大阪市北区堂島1丁目6番20号 東 レ株式会社大阪事業場内 (72)発明者 佐藤 俊二 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 (72)発明者 岩橋 誠 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東 レ株式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 3J011 DA02 SC03 3J030 AC10 BA03 BC01 BC08 4F071 AA54 AA80 AA81 AA88 AC10 AE02 AF22Y AF23Y AH17 AH18 BA01 BB05 BC06 BC07 4F073 AA05 BA29 BA48 BB05 CA41 CA42 CA51 CA72 FA02 FA03 FA04 FA09 4F206 AA29 AB11 AB19 AD03 AH12 AH14 JA07 JB12 JW33 4J002 CL001 EH076 EH106 EU196 GM00 GM02 GM05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液
    を用いて25℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上の
    ポリアミド樹脂(A)と少なくとも2個の重合性官能基
    を有する有機化合物(B)とを含有する樹脂組成物を、
    所望の形状に射出成形した後、照射架橋して得られる、
    25℃の98%硫酸に実質的に不溶解で、かつ、23℃
    で測定したアイゾット衝撃強度が、前記のポリアミド樹
    脂(A)単体による成形品の衝撃強度以上で、かつ、6
    0J/m以上であるポリアミド樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 80℃で測定した曲げ弾性率が、前記の
    ポリアミド樹脂(A)単体による成形品の曲げ弾性率以
    上で、かつ、0.4GPa以上である請求項1に記載の
    ポリアミド樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 速度V=0.5m/sec、荷重P=6
    0N、滑り距離L=3km、温度80℃の条件で測定し
    た比摩耗量が、前記のポリアミド樹脂(A)単体による
    成形品の比摩耗量以下で、かつ、0.05mm3/N・
    km以下である請求項1または2に記載のポリアミド樹
    脂成形品。
  4. 【請求項4】 比摩耗量が0.03mm3/N・km以
    下である請求項3に記載のポリアミド樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物が補強用充填材を実質的に含
    有しないものである請求項1乃至4のいずれか1項に記
    載のポリアミド樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物を所望の形状に射出成形する
    際、金属部品をインサート成形してなるインサート成形
    品である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリア
    ミド樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 ギア、ウォーム、ランナ、または軸受け
    である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリアミ
    ド樹脂成形品。
  8. 【請求項8】 98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液
    を用いて25℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上で
    あり、かつ、理論末端アミノ基量が2×10 -5〜6×1
    -5mol/gのポリアミド樹脂(A)と少なくとも2
    個の重合性官能基を有する有機化合物(B)とを含有す
    る照射架橋加工用ポリアミド樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶液
    を用いて25℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上で
    あり、かつ、理論末端アミノ基量が2×10 -5〜6×1
    -5mol/gの照射架橋加工用ポリアミド樹脂。
  10. 【請求項10】 98%硫酸の1.0重量%濃度試料溶
    液を用いて25℃で測定した相対粘度ηrが2.2以上
    のポリアミド樹脂(A)と少なくとも2個の重合性官能
    基を有する有機化合物(B)とを含有する樹脂組成物
    を、所望の形状に射出成形した後、照射架橋させて、2
    5℃の98%硫酸に実質的に不溶解で、かつ、23℃で
    測定したアイゾット衝撃強度が、前記のポリアミド樹脂
    (A)単体による成形品の衝撃強度以上で、かつ、60
    J/m以上の成形品を得るポリアミド樹脂成形品の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 照射架橋により、80℃で測定した曲
    げ弾性率が、前記のポリアミド樹脂(A)単体による成
    形品の曲げ弾性率以上で、かつ、0.4GPa以上の成
    形品を得る請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 照射架橋により、速度V=0.5m/
    sec、荷重P=60N、滑り距離L=3km、温度8
    0℃で測定した比摩耗量が、前記のポリアミド樹脂
    (A)単体による成形品の比摩耗量以下で、かつ、0.
    05mm3/N・km以下の成形品を得る請求項10ま
    たは11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 樹脂組成物が補強用充填材を実質的に
    含有しないものである請求項10乃至12のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 樹脂組成物を所望の形状に射出成形す
    る際、金属部品をインサート成形してインサート成形品
    を得る請求項10乃至13のいずれか1項に記載の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 樹脂組成物を所望の形状に射出成形し
    た後、乾燥状態を維持しながら照射架橋させる請求項1
    0乃至14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 樹脂組成物をギア、ウォーム、ラン
    ナ、または軸受けの形状に射出成形した後、照射架橋す
    る請求項10乃至15のいずれか1項に記載の製造方
    法。
JP2000350336A 2000-11-17 2000-11-17 ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法 Expired - Lifetime JP3462849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000350336A JP3462849B2 (ja) 2000-11-17 2000-11-17 ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000350336A JP3462849B2 (ja) 2000-11-17 2000-11-17 ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002146068A true JP2002146068A (ja) 2002-05-22
JP3462849B2 JP3462849B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=18823581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000350336A Expired - Lifetime JP3462849B2 (ja) 2000-11-17 2000-11-17 ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3462849B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037968A1 (fr) * 2001-10-30 2003-05-08 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Resine thermoplastique cristalline moulee
EP1424361A1 (de) * 2002-11-26 2004-06-02 Bayer Aktiengesellschaft Verwendung von Polykondensatmischungen zur Herstellung von Formteilen mit verbesserter Hydrolysebeständigkeit
JP2005330314A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Toyobo Co Ltd 耐熱性ポリアミド系フィルム及び電子部品、銅張積層板用離型フィルム
JP2007246561A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド樹脂成形品
JP2010037475A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc 透明樹脂成形体及び光学レンズ
JP2011090341A (ja) * 2007-12-28 2011-05-06 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc 光学レンズ
JP2016211598A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 住友電工ファインポリマー株式会社 ギア、及びギアの製造方法
JP2018017268A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 住友電工ファインポリマー株式会社 摺動部材、及び摺動部材の製造方法
JP2018021097A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 住友電工ファインポリマー株式会社 摺動部材、及び摺動部材の製造方法
JP2018035242A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 住友電工ファインポリマー株式会社 摺動部材及び摺動部材の製造方法
WO2024084733A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 Dic株式会社 ギヤ、ギヤボックス、移動体、及びロボット用アーム機構

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037968A1 (fr) * 2001-10-30 2003-05-08 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Resine thermoplastique cristalline moulee
JPWO2003037968A1 (ja) * 2001-10-30 2005-03-03 東洋紡績株式会社 結晶性熱可塑性樹脂成形体
EP1424361A1 (de) * 2002-11-26 2004-06-02 Bayer Aktiengesellschaft Verwendung von Polykondensatmischungen zur Herstellung von Formteilen mit verbesserter Hydrolysebeständigkeit
JP2005330314A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Toyobo Co Ltd 耐熱性ポリアミド系フィルム及び電子部品、銅張積層板用離型フィルム
JP2007246561A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアミド樹脂成形品
JP2011090341A (ja) * 2007-12-28 2011-05-06 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc 光学レンズ
US8854733B2 (en) 2007-12-28 2014-10-07 Sumitomo Electric Fine Polymer, Inc. Optical lens
JP2010037475A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc 透明樹脂成形体及び光学レンズ
JP2016211598A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 住友電工ファインポリマー株式会社 ギア、及びギアの製造方法
JP2018017268A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 住友電工ファインポリマー株式会社 摺動部材、及び摺動部材の製造方法
JP2018021097A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 住友電工ファインポリマー株式会社 摺動部材、及び摺動部材の製造方法
JP2018035242A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 住友電工ファインポリマー株式会社 摺動部材及び摺動部材の製造方法
WO2024084733A1 (ja) * 2022-10-19 2024-04-25 Dic株式会社 ギヤ、ギヤボックス、移動体、及びロボット用アーム機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP3462849B2 (ja) 2003-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1826242B1 (en) Polyamide resin composition containing glass fiber
JP6871236B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びこれから製造された成形品
JP3462849B2 (ja) ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂成形品及び該成形品の製造方法
CN101175820A (zh) 聚酰胺树脂组合物
US20100227972A1 (en) Material for sliding component
CA2014243A1 (en) Polyamide resin composition
CN106232727B (zh) 聚酰胺树脂组合物、聚酰胺树脂组合物颗粒群、成型体和聚酰胺树脂组合物的制造方法
JPS6088067A (ja) ガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物
JP2003201398A (ja) 樹脂製歯車
JP2004107525A (ja) ポリアミド組成物
JP4401391B2 (ja) 耐燃料性に優れたポリオキシメチレン組成物とそれからの成形品
CN106893319B (zh) 具有高耐热性和耐氧化性的聚酰胺树脂组合物
KR102452073B1 (ko) 유리섬유 보강 폴리아마이드 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품
US20040010094A1 (en) Injection moldable polyamide resin compositions containing poly carbo-di-imides and articles made therefrom
JP4461357B2 (ja) 摺動性と耐熱性に優れたポリアミド系樹脂成形品
WO2003037968A1 (fr) Resine thermoplastique cristalline moulee
US20020019471A1 (en) Injection moldable polyamide resin compositions and articles made therefrom
KR101795675B1 (ko) 고리형 화합물이 첨가된 폴리아미드계 고분자 조성물 및 이를 이용한 폴리아미드계 복합소재
JP2007515539A6 (ja) 耐燃料性に優れたポリオキシメチレン組成物とそれからの成形品
JPS62223262A (ja) 成形材料用ポリアミド樹脂組成物
KR102292133B1 (ko) 폴리아미드 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품
JP3419529B2 (ja) 耐衝撃性ポリアミド組成物
KR20210052072A (ko) 폴리아미드 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JP2000186202A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH05239345A (ja) ポリアミド樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3462849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080815

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080815

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090815

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term