JP2016211598A - ギア、及びギアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れるギア、及びこのギアの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアである。本発明の一実施形態に係るギアの製造方法は、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を射出成形する工程と、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程とを備え、電離放射線照射後の成形体の下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアの製造方法である。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
【選択図】なし
【解決手段】本発明の一実施形態に係るギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアである。本発明の一実施形態に係るギアの製造方法は、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を射出成形する工程と、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程とを備え、電離放射線照射後の成形体の下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアの製造方法である。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
【選択図】なし
Description
本発明は、ギア、及びギアの製造方法に関する。
ポリアミド66は、機械的特性、耐摩擦摩耗性、耐薬品性等に優れることから、産業機械分野の摺動部材向けに幅広く用いられている。例えばポリアミド66を成形することにより得られるギア、カム、ワッシャー、軸受け等は、自動車部品、機械部品、電気電子部品等に広く利用される。
さらに、摺動効果の向上の点より、成形体の成形に用いられる樹脂組成物としてポリアミド66及び摺動剤を含む樹脂組成物が提案されている(例えば特開平5−93129号公報、特開2013−64420号公報参照)。
従来のポリアミド66及び摺動剤を含む樹脂組成物により得られるギアは、動摩擦係数が比較的小さい。しかし、ギアにおいて摺動中の物理的劣化を抑制するためには、摺動中のギアが高温となることを防ぐ必要があるところ、上記従来の樹脂組成物により得られるギアは摺動中に80℃以上の高温となり、摺動中における物理的劣化の抑制が十分とはいえない。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、ポリアミド66を含み、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れるギア、及びこのようなギアの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアである。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
上記課題を解決するためになされた別の本発明の一態様に係るギアの製造方法は、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を射出成形する工程と、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程とを備え、電離放射線照射後の成形体の下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアの製造方法である。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
本発明のギアは、ポリアミド66を含み、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れる。本発明のギアの製造方法は、ポリアミド66を含み、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れるギアを容易に製造できる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係るギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下である。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
本発明の一態様に係るギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下である。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
当該ギアは、式(1)で規定される質量減少率が特定の値以下であるので、摺動中における物理的劣化抑制効果に優れる。これは、式(1)で規定される質量減少率が特定の値以下であると、ギアが変形しにくく、摺動中のギアにおいてかみ合わせの良好な状態が維持されることにより摺動中の温度上昇が抑制されるためと推測される。
260℃における動的粘弾性率としては、1MPa以上が好ましい。このように260℃における動的粘弾性率を上記値以上とすることで、摺動中における物理的劣化抑制効果をさらに促進できる。なお、上記「動的粘弾性率」とは、JIS−K−7244−1(1998年)に準拠して測定される値である。
上記架橋助剤は、トリアリルイソシアヌレートを含むことが好ましい。このように架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを含むことで、ギアの架橋密度をより高められるので、摺動中における物理的劣化抑制効果をさらに促進できる。
上記架橋助剤の含有量としては、ポリアミド66の100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下が好ましい。このように架橋助剤の含有量を上記範囲内とすることで、摺動中における物理的劣化抑制効果をさらに促進できる。
本発明の別の態様に係るギアの製造方法は、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を射出成形する工程と、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程とを備え、電離放射線照射後の成形体の下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアを製造する。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
当該ギアの製造方法は、式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアを製造できるので、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れるギアを容易に得ることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るギア、及びギアの製造方法について説明する。
以下、本発明に係るギア、及びギアの製造方法について説明する。
<ギア>
当該ギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアである。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
当該ギアは、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアである。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
当該ギアは、式(1)で規定される質量減少率が特定の値以下であるので、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れる。
(樹脂組成物)
当該ギアは、ポリアミド66及び上記架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成される。
当該ギアは、ポリアミド66及び上記架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成される。
上記樹脂組成物は、ポリアミド66及び架橋助剤を含有する。上記樹脂組成物は、ポリアミド66を主成分として含有することが好ましい。上記樹脂組成物はポリアミド66を主成分として含有することで、当該ギアの機械的特性、耐摩擦摩耗特性、耐薬品性等を高めることができる。
上記樹脂組成物中のポリアミド66の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
上記樹脂組成物は、ポリアミド66以外の樹脂(その他の樹脂)を含んでもよい。その他の樹脂としては、例えばポリアミド66以外のポリアミド、ポリアミド以外の樹脂が挙げられる。なお、その他の樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリアミド66以外のポリアミドとしては、例えばポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド66/6I、ポリアミド66/6T、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6T/6I/66、ポリアミド6T−5MT、ポリアミド6T/6、ポリアミドMXD−6、ポリアミド9T、全芳香族ポリアミド等が挙げられる。
また、上記ポリアミド以外の樹脂としては、例えばポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、天然又は合成ゴム、シリコーン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリアセタール等が挙げられる。
上記樹脂組成物が樹脂成分としてポリアミド66及び上記その他の樹脂を含有する場合、上記樹脂組成物の全樹脂成分中の上記その他の樹脂の割合の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。
上記樹脂組成物は、樹脂成分として、ポリアミド66のみを含むことが好ましい。
さらに、上記樹脂組成物は、架橋助剤を含有する。このため、上記樹脂組成物は、当該ギアの架橋密度を高めることができ、摺動中における物理的劣化抑制効果に優れるギアを形成できる。
上記架橋助剤としては、例えばオキシム化合物、アクリレート又はメタクリレート化合物、ビニル化合物、アリル化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。なお、架橋助剤は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記オキシム化合物としては、例えばp−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等が挙げられる。
上記アクリレート又はメタクリレート化合物としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル酸/酸化亜鉛混合物、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリメタクリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記ビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等が挙げられる。
上記アリル化合物としては、例えばヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記マレイミド化合物としては、例えばN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−メチレンジフェニレン)ジマレイミド等が挙げられる。
中でも、上記架橋助剤としては、当該ギアの架橋密度をより大きくできることから、アリル化合物が好ましく、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
上記樹脂組成物中の上記架橋助剤の含有量の下限としては、ポリアミド66の100質量部に対し、1質量部が好ましく、1.5質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、上記ポリアミド100質量部に対し、10質量部が好ましく、9質量部がより好ましく、8質量部がさらに好ましい。上記含有量が上記下限未満である場合、当該ギアの架橋密度を十分に大きくすることができず、摺動中における物理的劣化抑制効果が不十分となるおそれがある。また、上記含有量が上記上限を超える場合、上記樹脂組成物の成形性が低下するおそれがある。
また、上記樹脂組成物は、摺動剤を含有することが好ましい。上記樹脂組成物が摺動剤を含有すると、当該ギアの動摩擦係数を小さくすることができるので、摺動中における物理的劣化抑制効果をより高めることができる。
上記摺動剤としては、例えば超高分子量ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;
ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・ポリヘキサフルオロプロピレンなどのフッ素樹脂;
ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン等のシリコーン;
グラファイト等の層状無機化合物;
ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ボロン酸ウィスカ等の無機繊維;
LCP繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等の有機繊維;
アルミナ、シリカ、タルク等の無機粒子;
メタリン酸塩、ピロリン酸塩、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カリウム、リン酸バリウム、リン酸リチウム、メタリン酸カルシウム、ピロリン酸亜鉛等のリン酸塩;
スピンドル油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱物油;
モンタン酸カルシウム等のモンタン酸塩;
二酸化モリブテンなどが挙げられる。なお、上記摺動剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン・ポリヘキサフルオロプロピレンなどのフッ素樹脂;
ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン等のシリコーン;
グラファイト等の層状無機化合物;
ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ボロン酸ウィスカ等の無機繊維;
LCP繊維、アラミド繊維、カーボン繊維等の有機繊維;
アルミナ、シリカ、タルク等の無機粒子;
メタリン酸塩、ピロリン酸塩、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カリウム、リン酸バリウム、リン酸リチウム、メタリン酸カルシウム、ピロリン酸亜鉛等のリン酸塩;
スピンドル油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱物油;
モンタン酸カルシウム等のモンタン酸塩;
二酸化モリブテンなどが挙げられる。なお、上記摺動剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、上記摺動剤としては、当該ギアの耐摩耗性をより高められる点より、ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。
上記樹脂組成物中の上記摺動剤の含有量の下限としては、ポリアミド66の100質量部に対し、1質量部が好ましく、1.5質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、上記ポリアミド100質量部に対し、10質量部が好ましく、9.5質量部がより好ましく、9質量部がさらに好ましい。上記含有量が上記下限未満である場合、当該ギアの耐摩耗性を十分に大きくすることができず、摺動中における物理的劣化抑制効果が不十分となるおそれがある。また、上記含有量が上記上限を超える場合、上記樹脂組成物の成形性が低下するおそれがある。
上記樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含んでもよい。上記添加剤としては、例えば重合禁止剤、充填剤(但し、上記摺動剤は除く。)、可塑剤、顔料、安定剤、滑材、軟化剤、増感剤、酸化防止剤、難燃剤、離型剤、耐候剤、帯電防止剤、シランカップリング剤等が挙げられる。なお、添加剤は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記樹脂組成物は、各構成成分を混合することにより得ることができる。上記樹脂組成物は、例えばポリアミド66及び上記架橋助剤を混合することにより得ることができる。上記混合の際には、単軸混合機、2軸混合機等の混合機を用いることができる。また、混合の際には加熱してもよい。
(質量減少率)
当該ギアの下記式(1)で規定される質量減少率の上限としては、0.5%であり、0.3%がより好ましく、0.1%がさらに好ましい。上記質量減少率が上記上限以下であると、摺動中における物理的劣化抑制効果を促進できる。これは、式(1)で規定される質量減少率が特定の値以下であると、ギアが変形しにくく、摺動中のギアにおいてかみ合わせの良好な状態が維持されることにより摺動中の温度上昇が抑制されるためと推測される。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
当該ギアの下記式(1)で規定される質量減少率の上限としては、0.5%であり、0.3%がより好ましく、0.1%がさらに好ましい。上記質量減少率が上記上限以下であると、摺動中における物理的劣化抑制効果を促進できる。これは、式(1)で規定される質量減少率が特定の値以下であると、ギアが変形しにくく、摺動中のギアにおいてかみ合わせの良好な状態が維持されることにより摺動中の温度上昇が抑制されるためと推測される。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
(またぎ歯厚の減少率)
当該ギアの下記式(2)で規定されるまたぎ歯厚の減少率の上限としては、0.3%が好ましく、0.2%がより好ましく、0.1%がさらに好ましい。上記またぎ歯厚の減少率が上記上限以下であると、ギアの強度、耐久性、耐熱性等を高め、摺動中における物理的劣化抑制効果を促進できる。
またぎ歯厚の減少率[%]=(P−Q)/P×100 ・・・(2)
P:歯車Aのまたぎ歯厚[μm]
Q:歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験を行った後の歯車Aのまたぎ歯厚[μm]
当該ギアの下記式(2)で規定されるまたぎ歯厚の減少率の上限としては、0.3%が好ましく、0.2%がより好ましく、0.1%がさらに好ましい。上記またぎ歯厚の減少率が上記上限以下であると、ギアの強度、耐久性、耐熱性等を高め、摺動中における物理的劣化抑制効果を促進できる。
またぎ歯厚の減少率[%]=(P−Q)/P×100 ・・・(2)
P:歯車Aのまたぎ歯厚[μm]
Q:歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験を行った後の歯車Aのまたぎ歯厚[μm]
上記またぎ歯厚は、JIS−B−0102(2013年)に準拠して測定される値である。
(最大温度)
当該ギアの下記の摺動試験中の最大温度の上限としては、75℃が好ましく、70℃がより好ましく、50℃がさらに好ましい。上記最大温度が上記上限以下であると、摺動中における物理的劣化抑制効果を促進できる。上記摺動試験は、当該ギアの形成に用いた樹脂組成物から歯幅5mm、モジュール1、歯数30の平歯車である歯車Aと歯幅5mm、モジュール1、歯数31の平歯車である歯車Bとを作製し、歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、25℃雰囲気下、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で歯車同士を100時間回転させて行う。
当該ギアの下記の摺動試験中の最大温度の上限としては、75℃が好ましく、70℃がより好ましく、50℃がさらに好ましい。上記最大温度が上記上限以下であると、摺動中における物理的劣化抑制効果を促進できる。上記摺動試験は、当該ギアの形成に用いた樹脂組成物から歯幅5mm、モジュール1、歯数30の平歯車である歯車Aと歯幅5mm、モジュール1、歯数31の平歯車である歯車Bとを作製し、歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、25℃雰囲気下、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で歯車同士を100時間回転させて行う。
(260℃における動的粘弾性率)
当該ギアの260℃における動的粘弾性率の下限としては、1MPaが好ましく、1.5MPaがより好ましく、2MPaがさらに好ましい。上記動的粘弾性率が上記下限未満である場合、ギアが十分な架橋密度を得ることができず、摺動中における物理的劣化抑制効果を十分に得られないおそれがある。
当該ギアの260℃における動的粘弾性率の下限としては、1MPaが好ましく、1.5MPaがより好ましく、2MPaがさらに好ましい。上記動的粘弾性率が上記下限未満である場合、ギアが十分な架橋密度を得ることができず、摺動中における物理的劣化抑制効果を十分に得られないおそれがある。
当該ギアの形態としては、例えば平歯車、はすば歯車、やまば歯車、かさ歯車、冠歯車、ねじ歯車、ウォームギア等が挙げられる。
当該ギアの歯幅としては、例えば1mm以上20mm以下である。また、当該ギアのモジュールとしては、例えば0.3以上1.5以下である。さらに、当該ギアの歯数としては、例えば5以上100以下である。
<ギアの製造方法>
当該ギアの製造方法は、ポリアミド66及び上記架橋助剤を含有する上記樹脂組成物を射出成形する工程と、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程とを備える。当該ギアの製造方法によれば、当該ギアを容易に得ることができる。
当該ギアの製造方法は、ポリアミド66及び上記架橋助剤を含有する上記樹脂組成物を射出成形する工程と、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程とを備える。当該ギアの製造方法によれば、当該ギアを容易に得ることができる。
(射出成形工程)
射出成形工程では、上記樹脂組成物を射出成形し、所望のギア形状を有する成形体を得る。
射出成形工程では、上記樹脂組成物を射出成形し、所望のギア形状を有する成形体を得る。
射出成形工程の上記樹脂組成物の温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方上記温度の上限としては、320℃が好ましく、300℃がより好ましい。上記温度が上記下限未満である場合、上記樹脂組成物の流動性が不十分となり、十分な射出成形速度が得られないおそれがある。また、上記温度が上記上限を超える場合、ポリアミド66の熱分解を生じるおそれがある。
射出成形工程の射出圧の下限としては、70kg/cm2が好ましく、80kg/cm2がより好ましい。一方、上記射出圧の上限としては、130kg/cm2が好ましく、120kg/cm2がより好ましい。上記射出圧が上記下限未満である場合、充填不良が生じて所望の形状やサイズを有する成形体を得ることができないおそれがある。また、上記射出圧が上記上限を超える場合、成形体の周囲にバリを生じるおそれや生産性の低下を招くおそれがある。
射出成形工程における金型温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。一方、上記金型温度の上限としては、120℃が好ましく、100℃がより好ましい。上記金型温度が上記下限未満である場合、急激な冷却により結晶化が生じ、成形体の表面平滑性や寸法精度に悪影響を与えるおそれがある。また、上記金型温度が上記上限を超える場合、成形体の周囲にバリを生じるおそれや寸法精度に悪影響を与えるおそれがある。
(照射架橋工程)
照射架橋工程では、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射し、成形体を架橋する。
照射架橋工程では、上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射し、成形体を架橋する。
上記電離放射線としては、例えばα線、β線、γ線、電子線、X線等が挙げられる。中でも、上記電離放射線としては、制御の容易さ、安全性等の点より電子線が好ましい。
上記電離放射線の照射量は、特に限定されないが、十分な架橋密度を得つつ照射による樹脂の劣化を抑制する点より1kGy以上1000kGy以下が好ましい。
例えば上記電離放射線として電子線を照射する場合、その照射量の下限としては、5kGyが好ましく、10kGyがより好ましい。一方、上記照射量の上限としては、960kGyが好ましく、480kGyがより好ましい。電子線の照射量が上記下限未満である場合、電子線照射後の成形体において十分な架橋密度が得られないおそれがある。また、上記照射量が上記上限を超える場合、電子線の照射による成形体の分解や劣化を生じるおそれがある。
上記電離放射線の照射は、常温で行うことができる。また、上記電離放射線の照射は、低酸素又は無酸素の雰囲気下において行うことが好ましい。
[その他の実施形態]
上記開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該ギアを製造するに際しては、例えば押出成形法、プレス成形法、ブロー成形法、真空成型法等の上記射出成形法以外の成形法を用いて上記樹脂組成物を所望の形状に成形してもよい。
また当該ギアを製造するに際しては、化学架橋法により上記樹脂組成物を架橋してもよい。
さらに当該ギアは、シャフト等の金属部品が組み込まれてもよい。
当該ギアの製造方法は、樹脂組成物を射出成形する工程及び成形体に電離放射線を照射する工程以外の工程を備えてもよい。例えば射出成形工程の後に成形体を乾燥する乾燥工程を設けてもよいし、電離放射線を照射する工程の後に熱処理工程を設けてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
試験例で用いた各成分の詳細は以下の通りである。
ポリアミド66:旭化成せんい社の「レオナ 1402S」
摺動剤:三井化学社の「ミペロン XM220」(超高分子量ポリエチレン粒子)
架橋助剤:エボニックデグサ社の「TAICROS」(トリアリルイソシアヌレート)
ポリアミド66:旭化成せんい社の「レオナ 1402S」
摺動剤:三井化学社の「ミペロン XM220」(超高分子量ポリエチレン粒子)
架橋助剤:エボニックデグサ社の「TAICROS」(トリアリルイソシアヌレート)
[試験例1]
まず、100質量部のポリアミド66、及び5質量部の架橋助剤を混合し、樹脂組成物を得た。次に、この樹脂組成物を2軸混合機に投入し、240℃で溶融混合した。溶融混合後、2軸混合機から樹脂組成物を吐出し、その吐出物を水冷し細断して、ペレット状の樹脂組成物を得た。次に、ペレット状の樹脂組成物を射出成形機に投入し、射出成形機による射出成形を行い、ギア状成形体(歯幅5mm、モジュール1、歯数30、またぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)10.7mmの平歯車形状)を得た。なお、射出成形の条件は、射出温度240℃、金型温度80℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒とした。
まず、100質量部のポリアミド66、及び5質量部の架橋助剤を混合し、樹脂組成物を得た。次に、この樹脂組成物を2軸混合機に投入し、240℃で溶融混合した。溶融混合後、2軸混合機から樹脂組成物を吐出し、その吐出物を水冷し細断して、ペレット状の樹脂組成物を得た。次に、ペレット状の樹脂組成物を射出成形機に投入し、射出成形機による射出成形を行い、ギア状成形体(歯幅5mm、モジュール1、歯数30、またぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)10.7mmの平歯車形状)を得た。なお、射出成形の条件は、射出温度240℃、金型温度80℃、射出圧100kg/cm2、保圧時間10秒とした。
次に、上記ギア状成形体に照射量が120kGyとなるよう電子線を照射して、試験例1のギアを得た。
[試験例2〜4]
樹脂組成物の組成を下記表1に示す組成としたこと以外は上記試験例1と同様にして、ギア状成形体(歯幅5mm、モジュール1、歯数30、またぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)10.7mmの平歯車形状)を得た。
樹脂組成物の組成を下記表1に示す組成としたこと以外は上記試験例1と同様にして、ギア状成形体(歯幅5mm、モジュール1、歯数30、またぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)10.7mmの平歯車形状)を得た。
次に、試験例2については、上記試験例1と同様の電子線照射を行い、試験例のギアを得た。また、試験例3及び4については、上記試験例1のような電子線照射を行わず、上記ギア状成形体を試験例のギアとした。
[評価]
得られた試験例1〜4のギアについて、下記項目の評価を行った。
得られた試験例1〜4のギアについて、下記項目の評価を行った。
(摺動試験中の最大温度)
上記試験例1〜4のギアを各試験例の歯車Aとした。さらに歯数31の平歯車形状としたこと以外は上記試験例1〜4と同様のギアをそれぞれ作製し、これらのギアを相手材としての各試験例の歯車Bとした。次に、歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、25℃雰囲気下、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で歯車同士を回転させる摺動試験を100時間行った。摺動試験中の歯車Aの温度変化を測定し、到達した最高温度を「摺動試験中の最大温度」とした。この最大温度を表1の「最大温度」の欄に示す。なお、歯車の摺動部の温度測定には、非接触温度計を用いた。
上記試験例1〜4のギアを各試験例の歯車Aとした。さらに歯数31の平歯車形状としたこと以外は上記試験例1〜4と同様のギアをそれぞれ作製し、これらのギアを相手材としての各試験例の歯車Bとした。次に、歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、25℃雰囲気下、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で歯車同士を回転させる摺動試験を100時間行った。摺動試験中の歯車Aの温度変化を測定し、到達した最高温度を「摺動試験中の最大温度」とした。この最大温度を表1の「最大温度」の欄に示す。なお、歯車の摺動部の温度測定には、非接触温度計を用いた。
(質量減少率)
上記試験例1〜4のギアを各試験例の歯車Aとした。さらに歯数31の平歯車形状としたこと以外は上記試験例1〜4と同様のギアをそれぞれ作製し、これらのギアを相手材としての各試験例の歯車Bとした。次に、下記式(1)に基づき質量減少率を求めた。その結果を表1の「質量減少率」の欄に示す。
質量減少率[%]=(X−Y)/X×100 ・・・(1)
X:歯車Aの初期質量[g]
Y:歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験を行った後の歯車Aの質量[g]
上記試験例1〜4のギアを各試験例の歯車Aとした。さらに歯数31の平歯車形状としたこと以外は上記試験例1〜4と同様のギアをそれぞれ作製し、これらのギアを相手材としての各試験例の歯車Bとした。次に、下記式(1)に基づき質量減少率を求めた。その結果を表1の「質量減少率」の欄に示す。
質量減少率[%]=(X−Y)/X×100 ・・・(1)
X:歯車Aの初期質量[g]
Y:歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験を行った後の歯車Aの質量[g]
(またぎ歯厚の減少率)
上記試験例1〜4のギアを各試験例の歯車Aとした。さらに歯数31の平歯車形状としたこと以外は上記試験例1〜4と同様のギアをそれぞれ作製し、これらのギアを相手材としての各試験例の歯車Bとした。次に、下記式(2)に基づきまたぎ歯厚の減少率を求めた。その結果を表1の「またぎ歯厚の減少率」の欄に示す。
またぎ歯厚の減少率[%]=(P−Q)/P×100 ・・・(2)
P:歯車Aのまたぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)[μm]
Q:歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験を行った後の歯車Aのまたぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)[μm]
上記試験例1〜4のギアを各試験例の歯車Aとした。さらに歯数31の平歯車形状としたこと以外は上記試験例1〜4と同様のギアをそれぞれ作製し、これらのギアを相手材としての各試験例の歯車Bとした。次に、下記式(2)に基づきまたぎ歯厚の減少率を求めた。その結果を表1の「またぎ歯厚の減少率」の欄に示す。
またぎ歯厚の減少率[%]=(P−Q)/P×100 ・・・(2)
P:歯車Aのまたぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)[μm]
Q:歯車Aと歯車Bとをかみ合わせ、歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験を行った後の歯車Aのまたぎ歯厚(連続する8枚の歯のまたぎ歯厚)[μm]
(260℃における動的粘弾性率)
JIS−K−7244−1(1998年)に準拠し、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製の「DVA−200」)を用いて、260℃における動的粘弾性率を測定した。その結果を表1の「動的粘弾性率」の欄に示す。
JIS−K−7244−1(1998年)に準拠し、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製の「DVA−200」)を用いて、260℃における動的粘弾性率を測定した。その結果を表1の「動的粘弾性率」の欄に示す。
上記表1中の「−」の記載は、測定できなかったことを示す。
表1に示すように、試験例1及び2では質量減少率が0であった。このため、試験例1及び2では、試験例3及び4と比べて摺動試験中の最大温度が低くなり、またぎ歯厚の減少率が0となった。すなわち、試験例1及び2は、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れると評価できる。
一方、試験例3及び4では、試験例1及び2と比べて摺動中の温度上昇が抑制されず、摺動中における物理的な劣化が試験例1及び2より生じていると評価できる。この理由は、試験例3及び4に関しては、質量減少率が0.5%を超えたためと推測される。
本発明の一形態に係るギアは、摺動中の温度上昇の抑制により摺動中における物理的劣化抑制効果に優れる。このギアは、自動車部品、機械部品、電気電子部品等に幅広く利用できる。
Claims (5)
- ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を架橋することで形成されるギアであって、
下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギア。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g] - 260℃における動的粘弾性率が1MPa以上である請求項1に記載のギア。
- 上記架橋助剤が、トリアリルイソシアヌレートを含む請求項1又は請求項2に記載のギア。
- 上記架橋助剤の含有量が、ポリアミド66の100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のギア。
- ポリアミド66及び架橋助剤を含有する樹脂組成物を射出成形する工程と、
上記射出成形工程で得られた成形体に電離放射線を照射する工程と
を備え、
電離放射線照射後の成形体の下記式(1)で規定される質量減少率が0.5%以下であるギアの製造方法。
質量減少率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(1)
A:歯車の初期質量[g]
B:歯面荷重4.5N/mm、回転数616rpmの条件で100時間歯車同士を回転させる疲労試験後の歯車の質量[g]
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-
2015
- 2015-04-30 JP JP2015092745A patent/JP2016211598A/ja active Pending
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