JP2002145894A - 3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体および3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法 - Google Patents

3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体および3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法

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JP2002145894A
JP2002145894A JP2000343552A JP2000343552A JP2002145894A JP 2002145894 A JP2002145894 A JP 2002145894A JP 2000343552 A JP2000343552 A JP 2000343552A JP 2000343552 A JP2000343552 A JP 2000343552A JP 2002145894 A JP2002145894 A JP 2002145894A
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JP2000343552A
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Toyokichi Yoshizawa
澤 豊 吉 吉
Masanori Yamaura
浦 政 則 山
Katsuhiko Suzuki
木 克 彦 鈴
Nobuyuki Suzuki
木 信 之 鈴
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SEIWA YAKUHIN KK
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SEIWA YAKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物である金線蓮の抽出成分中に見出され
た、特定の構造を有する3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導
体と3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン誘導体との効
率的な合成方法を提供することにある。 【解決手段】 下記工程(A)、(B)、および(C)
を含んでなる、下式(I)の3,4−ジヒドロキシ酪酸誘
導体の製造方法。 【化1】 [式中、RおよびRは、独立して、水素、炭素数1
〜6の低級アルキル基、または炭素数7〜12のアラル
キル基を表し、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基
またはベンジル基を表す]、(A) 下式(V)のブタン
トリオール誘導体を用意し、(B) 得られた式(V)の
ブタントリオール誘導体中の−OR基を、脱保護剤を
用いることにより、選択的に−OH基に置換し、(C)
前記工程より得られた化合物中のアルコール型部位
を、酸化剤を用いて酸化することによって、カルボキシ
ル基に転換して、式(I)の化合物を得る。 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、医薬用途に有用である、特定の構造を有する
3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体および3−ヒドロキシ
−γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法に関する。
【0002】背景技術 最近の食生活の欧米化に伴って、脂肪およびコレステロ
ールの過剰摂取によって引き起こされる高脂血症の患者
の増加には著しいものがある。高脂血症とは、血清脂
質、即ちコレステロール、トリグリセリド(中性脂
肪)、リン脂質および遊離脂肪酸などの濃度が高くなる
疾患のことであり、動脈硬化症の重要な成因ともなる。
また、高脂血症は、高血圧症、狭心症および心筋梗塞の
ような冠動脈硬化症、さらには脳梗塞等ようなの各種合
併症を引き起こす危険性が高い。さらに、高脂血症によ
る脂質代謝の異常が、脂肪肝を代表とする肝障害の原因
にもなり、肝機能の低下をもたらすこととなることも一
般的に知られている。
【0003】また、最近の食生活の変化および向上に伴
い、糖尿病を発症する患者も依然として増加傾向にあ
る。糖尿病は、膵臓にあるランゲルハンス氏島のベータ
細胞から分泌されるインスリンという血糖値降下作用を
もつホルモンが不足することによるか、または糖の吸収
が抑制されて血中の糖濃度が上昇することによって、発
症する疾患である。糖尿病が、種々の合併症、即ち、網
膜症、腎不全、神経症、および動脈硬化症などを併発す
ることは周知の通りである。
【0004】前記したような食生活の欧米化に加えて、
運動不足や精神的ストレスの増加などによって、脳血管
性疾患や心疾患、肝臓病、糖尿病、高血圧などの成人病
は増加の一途をたどっており、現在の日本における死亡
原因の約6割までは、このような成人病疾患に起因する
とされている。これらの成人病患者の多くには共通し
て、太りすぎ、即ち肥満症の症状が見られ、成人病の成
因として一般的に認識されている。したがって、このよ
うな肥満の症状を防ぐことは、これらの成人病を予防す
る上での重要な要素の一つであるといわれている。
【0005】今日まで、成人病の予防および治療等を目
的として、脂質代謝改善作用、肝機能改善作用、血糖上
昇抑制作用、血糖降下作用および抗肥満作用を示す数多
くの化合物が報告されている。これらの内、化学的手法
により合成された既存の化合物に関しては、その連続的
使用に伴う様々の副作用が問題となっていた。このた
め、副作用の問題が少ないとされる植物成分を利用する
ことが検討され、その結果、台湾を原産地とするラン科
植物である金線蓮(Anoectochilus formosanus)中に、
脂質代謝改善作用、血糖上昇抑制作用、血糖降下作用、
肝機能改善作用および抗肥満作用を有する成分が存在す
ることが見出されている。そして、この植物の抽出エキ
スを有効成分とする薬剤が既に検討されている(特開平
6−293655号公報、特開平10−130159号
公報および特許第2746079号)。
【0006】
【発明の概要】本発明者等は、今般、ラン科植物である
金線蓮の抽出成分中に見出される、特定の構造を有する
3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体および3−ヒドロキシ
−γ−ブチロラクトン誘導体が、優れた脂質代謝改善作
用、血糖上昇抑制作用、血糖降下作用、肝機能改善作用
および抗肥満作用を示すとの知見を得た。そして、これ
らの誘導体は、特定の合成方法を適用することにより効
率的に製造することができるとの知見も本発明者等は得
た。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0007】よって、本発明は、前記植物抽出成分中に
見出された下式(I)の3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導
体または下式(II)の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラク
トン誘導体の合成方法の提供をその目的とする。
【化1】 [式中、RおよびRは、独立して、水素、炭素数1
〜6の低級アルキル基(好ましくは、メチル、エチルま
たはイソプロピル)、または炭素数7〜12のアラルキ
ル基(好ましくは、ベンジルまたはフェネチル)を表
し、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基(好ましく
は、アセチル基、ベンゾイル基またはピバロイル基)ま
たはベンジル基を表す]。
【化5】 [式中、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基(好ま
しくは、アセチル基、ベンゾイル基またはピバロイル
基)、またはベンジル基を表す]。
【0008】したがって、本発明による式(I)の3,4
−ジヒドロキシ酪酸誘導体の製造方法は、下記工程
(A)、(B)、および(C)を含んでなるものであ
る。 (A) 下式(V)のブタントリオール誘導体を用意し、
(B) 得られた式(V)のブタントリオール誘導体中の
−OR基を、脱保護剤を用いることにより、選択的に
−OH基に置換し、(C) 前記工程より得られた化合
物中のアルコール型部位を、酸化剤を用いて酸化するこ
とによって、カルボキシル基に転換して、式(I)の化合
物を得る、
【化2】 [式中、Rは、水素、炭素数1〜6の低級アルキル
基、または炭素数7〜12のアラルキル基を表し、R
は、アリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、また
はtert−ブチルジアルキルシリル基(ここでアルキルは
炭素数1〜6の低級アルキルを示す)を表し、Rは、
炭素数2〜8のアシル基(好ましくは、アセチル基、ベ
ンゾイル基またはピバロイル基)またはベンジル基を表
す]。
【0009】また、本発明よる式(II)の3−ヒドロキ
シ−γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法は、前記工程
(C)の後に、環化触媒を用いて式(I)の化合物中の酪
酸骨格部位を環化反応させる工程をさらに含んでなるも
のである。
【0010】本発明のより好ましい態様による式(I)お
よび(II)の誘導体の製造方法は、前記工程(A)が、下
記工程(a)を含んでなるものである。 (a) 下式(III)で表わされるブタントリオール誘導
体と、下式(IV)で表される化合物とを、縮合剤存在下、
縮合させることによって、式(V)で表されるブタントリ
オール誘導体を得る、
【化3】 [式中、Rは、水素、炭素数1〜6の低級アルキル基
(好ましくは、メチル、エチルまたはイソプロピル)、
または炭素数7〜12のアラルキル基(好ましくは、ベ
ンジルまたはフェネチル)を表し、Rは、アリル基、
tert−ブチルジフェニルシリル基、またはtert−ブチル
ジアルキルシリル基(ここでアルキルは炭素数1〜6の
低級アルキル(好ましくはメチル)を示す)を表す]、
【化4】 [式中、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基(好ま
しくは、アセチル基、ベンゾイル基またはピバロイル
基)、またはベンジル基を表し、Xは、−P(=O)(O
Ph)基、−Br基、−SPh基、または−OC(=N
H)CCl基を表す(ここでPhはフェニルを意味す
る)]。
【0011】また本発明の別の態様によれば、下式(VI)
の(3R)−または(3S)−ヒドロキシブチロラクトンと、前
記式(IV)の化合物とを、縮合剤存在下、縮合させ、得
られた化合物中の−OR基を、脱保護剤を用いること
によって、選択的に−OH基に置換することを含んでな
る、前記式(II)で表される誘導体の製造方法が提供さ
れる。
【化6】
【0012】さらに、本発明の他の態様によれば、目的
生成物である式(I)または式(II)の誘導体の製造のため
の中間体である、後述する式(V)で表されるブタントリ
オール誘導体の製造方法であって、式(III)で表わされ
るブタントリオール誘導体と、式(IV)で表される化合物
とを、縮合剤存在下、縮合させることを含んでなる方法
が提供される。また、本発明のさらに別の態様によれ
ば、目的生成物である式(I)または式(II)の誘導体の製
造のための中間体である、後述する式(V)で表されるブ
タントリオール誘導体も提供される。
【0013】本発明の方法により製造された式(I)また
は式(II)の誘導体は、優れた血糖上昇抑制作用、血糖降
下作用、脂質代謝改善作用、抗肥満作用および肝機能改
善作用を有しているため、これら誘導体を有効成分とし
て使用することにより、優れた成人病の予防もしくは治
療剤、例えば血糖上昇抑制剤、血糖降下作用剤、脂質代
謝改善作用剤、抗肥満作用剤および/または肝機能改善
作用剤、を製造することができる。また、本発明の方法
により製造された前記誘導体は、副作用の殆どない植物
の抽出成分から見出されたものであるため、同様の作用
を有する既存の合成化合物において問題となっていた副
作用の問題も顕著に軽減することができる。また、本発
明の方法によれば、前記植物の抽出エキスを単に使用す
る場合に比べ、他の不純物を含まないため、効率的によ
り優れた薬剤を製造することが可能となる。本発明の方
法によれば、このような誘導体を効率的に製造すること
ができる。
【0014】
【発明の具体的説明】式(I)および式(II)の誘導体の製
造方法 本発明による式(I)の3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体
の製造方法は、前記したように次の工程(A)、
(B)、および(C)を含んでなるものである。 (A) 前記した式(V)のブタントリオール誘導体を用
意し、(B) 得られた式(V)のブタントリオール誘導
体中の−OR基を、脱保護剤を用いることにより、選
択的に−OH基に置換し、(C) 前記工程より得られ
た化合物中のアルコール型部位を、酸化剤を用いて酸化
することによって、カルボキシル基に転換して、式(I)
の化合物を得る。
【0015】本発明による前記誘導体の製造方法におい
ては、必要に応じて、工程(C)の後に、工程(C)よ
り得られた式(I)の化合物中のカルボキシル基と、炭素
数1〜6の飽和低級アルコールまたは炭素数7〜12の
芳香族アルコールとを、酸触媒下においてエステル化す
ることによって、エステル化合物を形成させる工程(以
下においてこの工程は「工程(D)」ということがあ
る)、をさらに含んでなることができる。
【0016】さらに、本発明による前記誘導体の製造方
法においては、必要に応じて、工程(C)または(D)
の後に、前記工程より得られた式(I)の化合物中の−O
基を、脱保護剤を用いることによって、選択的に−
OH基に置換して、式(I)の3,4−ジヒドロキシ酪酸
誘導体を得る工程(以下においてこの工程(b)は「工
程(E)」ということがある)をさらに含んでなること
ができる。なお、ここで得られる誘導体は、具体的に
は、例えば、4−O−アルキル−3−O−(β−D−グル
コピラノシル)−3、4−ジヒドロキシ酪酸誘導体また
は4−O−アラルキル−3−O−(β−D−グルコピラノ
シル)−3、4−ジヒドロキシ酪酸誘導体と表すことが
できるものである。
【0017】そして、本発明による誘導体の製造方法
は、好ましくは、前記工程(A)が前述した工程(a)
を含んでなるものである。
【0018】したがって、本発明のより好ましい態様に
よる誘導体の製造方法は、下記のような下記のような工
程(a)〜(E)を含んでなるものであることができ
る。 (a) 式(III)で表わされるブタントリオール誘導体
と、式(IV)で表される化合物とを、縮合剤存在下、縮合
させることによって、式(V)で表されるブタントリオー
ル誘導体を得、(B) 得られた式(V)のブタントリオ
ール誘導体中の−OR基を、脱保護剤を用いることに
より、選択的に−OH基に置換し、(C) 前記工程よ
り得られた化合物中のアルコール型部位を、酸化剤を用
いて酸化することによって、カルボキシル基に転換し
て、式(I)の化合物を得、(D) 必要に応じて、前記
工程(C)より得られた式(I)の化合物中のカルボキシ
ル基と、炭素数1〜6の飽和低級アルコールまたは炭素
数7〜12の芳香族アルコールとを、酸触媒下において
エステル化することによって、エステル化合物(式(I)
の化合物)を形成させ、(E) 必要に応じて、前記工
程より得られた式(I)の化合物中の−OR基を、脱保
護剤を用いることによって、選択的に−OH基に置換し
て式(I)の化合物を得る。
【0019】前記した製造方法のプロセスを模式的に示
すと、下記プロセス(α)および(β)として表すこと
ができる。
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】以下、本発明の方法に包含される前記各工
程を順にさらに説明する。工程(A) 本発明の方法における工程(A)は、前記したように式
(V)のブタントリオール誘導体を用意する工程であり、
好ましくは前記工程(a)を含んでなるものである。そ
してこの工程(A)は、原料化合物である式(III)の化
合物と式(IV)の化合物を用意し、これらを縮合剤存在下
縮合させ、中間体を製造する工程である。この工程は、
前記したプロセス(α)として表すことができるもので
ある。すなわちこの工程(a)では、式(III)で表わされ
るブタントリオール誘導体と、式(IV)で表される化合物
とを、縮合剤存在下、縮合させることによって、本発明
における中間体である式(V)で表されるブタントリオー
ル誘導体が得られる。
【0022】この工程において使用される縮合剤として
は、前記式(III)の化合物と式(IV)の化合物とを縮合さ
せて式(V)の化合物を生成することができるものであれ
ば特に限定されるものではないが、式(IV)の化合物中の
X基の種類にしたがって適宜選択することが普通であ
る。したがって、該X基が−P(=O)(OPh)基また
は−OC(=NH)NCCl基である場合には、使用す
る縮合剤としては、トリメチルシリルトリフラートが好
ましく、該X基が−Br基である場合には、使用する縮
合剤は、シルバートリフラートが好ましく、さらに、該
X基が−SPh基である場合には、使用する縮合剤は、
N−ヨードコハク酸イミド、トリフルオロメタンスルホ
ン酸(トリフラート)が好ましい。
【0023】本発明においては、工程(A)、特に工程
(a)において使用される式(III)の化合物と式(IV)の
化合物との間の使用量比(モル比)は特に限定されない
が、一般的には、式(III)の化合物1モルに対して式(I
V)の化合物が、1.0〜3.0モルの範囲であり、好ま
しくは1.5〜2.0モルの範囲である。また、このと
き使用される縮合剤の使用量は、式(III)の化合物1モ
ルに対して、好ましくは1.0〜2.0モルの範囲であ
り、より好ましくは1.0〜1.2モルの範囲である。
【0024】本発明においては、工程(A)、特に工程
(a)における縮合反応は、通常有機溶媒中で行われ
る。工程(a)において使用可能な有機溶媒としては、
式(III)の化合物および(IV)の化合物を溶解させること
ができるものであれば特に限定されないが、例えば、塩
化メチレン、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような
溶媒が好適なものとして使用可能である。
【0025】工程(a)のプロセスを実施することによ
り、本発明の目的生成物である式(I)の誘導体および式
(II)の誘導体を製造するための中間体である式(V)のブ
タントリオール誘導体が製造されるため、したがって本
発明の他の態様によれば、前記したように式(V)のブタ
ントリオール誘導体の製造方法が提供される。また本発
明の別の態様によれば、前記したように、式(I)の誘導
体および式(II)の誘導体を製造するための中間体である
式(V)のブタントリオール誘導体も提供される。
【0026】工程(B) 本発明の方法における工程(B)は、先行する工程より
得られた式(V)のブタントリオール誘導体中の−OR
基を、脱保護剤を用いることにより選択的に−OH基
に置換する工程である。すなわち、この工程(B)は前
記プロセス(β)において式(V)の化合物を式(V')
の化合物に転換する工程に相当し、式(V)の1,2,4-ブ
タントリオール誘導体中に保護基として存在する4位に
ある−OR基が脱保護されて−OH基に置換される。
【0027】一般的に、化学反応を行なう際に、これを
妨害したりまたはその条件下で変化を起こして欲しくな
い官能基がある場合、そのような官能基を予め特定の保
護化剤で反応させることにより不活性化しておき、目的
とする反応の終了後、改めて脱保護剤による反応により
最初の官能基を復活させることが行なわれる。そして、
この際導入される原子または基は保護基と呼び、その保
護基を外すことは脱保護と呼ばれている。本発明におけ
る「脱保護」という語も、前記と同様の意味で使用され
る。本発明においては、原料化合物である式(III)の化
合物および式(IV)の化合物は予め官能基が保護化されて
いるものを使用するため、本発明の方法においては脱保
護反応のみが行われる。
【0028】本発明の工程(B)において使用される脱
保護剤としては、官能基を保護している保護基を外すこ
とができるものであれば特に限定はされないが、一般的
には、保護基の種類にしたがって適宜選択される。保護
基に応じて使用できる脱保護剤に関しては、公知の当該
技術分野の教科書(例えば、有機化学、有機合成化学、
天然物化学、天然物合成化学、および応用化学における
一般的な教科書)を参照することにより適宜選択するこ
とができる。使用可能な脱保護剤の具体例を挙げれば、
例えば、前記R基がアリル基である場合には、塩化パ
ラジウム、t−ブチルジアルキル等が好ましいものとし
て使用可能であり、また前記R基がシリル基である場
合、t−ブチルフェニルシリル、フッ化テトラブチルア
ンモニウム等の使用が好ましい。
【0029】工程(C) 本発明の方法における工程(C)は、先行する工程より
得られた化合物中のアルコール型部位を、酸化剤を用い
て酸化することによって、カルボキシル基に転換して、
式(I)の化合物を得る工程であり、前記プロセス(β)
において、式(V')の化合物を式(I')の化合物(す
なわち式(I)の化合物においてR=Hに相当するも
の)に転換する工程に相当する。
【0030】ここで使用される酸化剤としては、式
(V')の化合物中のアルコール型部位をカルボキシル
基に酸化することができるものであれば特に限定されて
ないが、本発明においては、例えば、酸化ルテニウム、
または過ヨウ素酸ナトリウムと三塩化ルテニウム水和物
の組み合わせ、過マンガン酸カリウム、無水クロム酸、
過ギ酸、過酢酸等を使用することができる。本発明にお
いては、酸化剤として、過ヨウ素酸ナトリウムと三塩化
ルテニウムの組み合わせを使用することが好ましい。
【0031】工程(D) 本発明の方法における工程(D)は、先行する工程
(C)により得られた化合物と、炭素数1〜6の飽和低
級アルコール(好ましくは、メタノール、エタノールま
たはイソプロパノール)または炭素数7〜12の芳香族
アルコール(好ましくは、ベンジルアルコールまたは2
−フェニルエチルアルコール)とを酸触媒下においてエ
ステル化することによって、エステル化合物を形成させ
る工程であり、前記プロセス(β)において、式(I')
の化合物を式(I)の化合物に転換する任意の工程であ
る。この工程(D)により、式(I')の化合物中のカル
ボキシル基と前記アルコール類とからエステルが形成さ
れ、その結果、目的生成物である式(I)の化合物中に水
素以外の基についてR基として導入することができ
る。したがって、目的とする式(I)の化合物中のR
が水素であることが望ましい場合には、この工程(D)
を実施することなく製造を行っても良い。
【0032】本発明において、これらエステル化反応を
進行させるために使用される酸触媒としては、エステル
化反応を進行させることができるものであれば特に制限
はなく、慣用のものから適宜選択することができる。例
えば、硫酸、p−トルエンスルホン酸、塩化水素、カチ
オン交換樹脂などを酸触媒として使用することができ
る。
【0033】工程(E) 本発明の方法における工程(E)は、先行する工程(す
なわち工程(C)または(D))より得られた化合物中
の−OR基を、脱保護剤を用いることによって選択的
に−OH基に置換して、式(I)(場合により(II))で表
される誘導体を得る工程である。この工程は、式(I)
(場合により(II))の誘導体におけるR基をそれぞれ
H基に転換する工程であり、該化合物中に保護基として
存在する−OR基がそれぞれ脱保護されて−OH基に
置換されるものである。本発明の工程(E)において使
用される脱保護剤は、前記工程(B)と同様の群から、
対象となる保護基の種類にしたがって適宜選択すること
ができる。
【0034】本発明による誘導体の製造方法において
は、この工程(E)は任意工程であり、目的とする化合
物に応じて、適宜実施することができる。
【0035】本発明の一つの態様によれば、前記した工
程(C)(場合により、工程(D)または(E))の後
に、環化触媒を用いて化合物中の酪酸骨格部位を環化反
応させる工程をさらに含んでなる、式(II)の3−ヒドロ
キシ−γ−ブチロラクトン誘導体(具体的には、例えば
3−O−(β−D−グルコピラノシル)−3−ヒドロキシ
ブチロラクトンと表すことができる)の製造方法が提供
される。なお、この工程は、工程(E)が存在する場合
には、該工程(E)の前または工程(E)と同時に行わ
れても良い。このとき、環化反応を促進させるために使
用される触媒としては、酪酸骨格部位を環化することが
できるものであれば特に制限されるものではないが、具
体例を挙げれば、例えば、p−トルエンスルホン酸、硫
酸、塩化水素等が挙げられる。また、反応の温度条件お
よび触媒使用量に関しては、使用される触媒の種類、化
合物の量、および溶媒の種類等に応じて、適宜選択する
ことができる。
【0036】本発明の別の態様によれば、式(VI)の(3R)
−または(3S)−ヒドロキシブチロラクトンと、前記式(I
V)の化合物とを、縮合剤存在下において、縮合さるこ
とにより、式(II)の化合物(ここで、Rは炭素数2〜
8のアルキル基、またはベンジル基である)を得ること
ができる。さらに、得られた化合物中の−OR基を、
脱保護剤を用いることによって、選択的に−OH基に置
換することを含んでなる、前記式(II)(Rは水素)で
表される誘導体の製造方法が提供される。
【0037】ここで使用される縮合剤としては、前記方
法における工程(A)で示したものと同様のものを使用
することができる。また、脱保護剤についても、前記工
程(B)において示したものと同様のものを使用するこ
とができる。
【0038】本発明においては、使用される式(VI)のヒ
ドロキシブチロラクトンと式(IV)の化合物との間の使用
量比(モル比)は特に限定されないが、一般的には、式
(VI)の化合物1モルに対して式(IV)の化合物が、1.0
〜1.2モルの範囲であり、好ましくは1.5〜2.0
モルの範囲である。また、このとき使用される縮合剤の
使用量は、式(VI)の化合物1モルに対して、好ましくは
1.0〜2.0モルの範囲であり、より好ましくは1.
0〜1.2モルの範囲である。
【0039】また前記縮合反応は、有機溶媒中で行われ
ることが普通であるが、ここで使用可能な有機溶媒とし
ては、式(VI)のヒドロキシブチロラクトンおよび(IV)の
化合物を溶解させることができるものであれば特に限定
されない。したがって、例えば、塩化メチレン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンのような溶媒が好適なものと
して使用可能である。
【0040】本発明の方法には、前記各工程の前、後ま
たはその工程と同時に、必要に応じて、前記各工程にお
いて生成された化合物を分離、濃縮、精製等を行う任意
の工程を含んでいても良い。
【0041】
【実施例】以下は本発明を諸例によって詳細に説明する
ものであるが、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。
【0042】例1 1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-1,2,4-ブタントリオール O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノシ
ル)トリクロロアセトイミデート(式(IV)の化合物) 2.
2g(2.97 mmol)を塩化メチレン 50 mlに溶かし、(±)-
4-O-アリル-1-O-ベンジル-1,2,4-ブタントリオール(式
(III)の化合物) 0.78g(5.94 mmol)とモレキュラーシ
ーブス4A(AW-300) 1 gを加え、室温で2時間攪拌し
た。溶液を0℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン
酸トリメチルシリル(縮合剤) 0.66 g(2.97 mmol)を
加え10分間攪拌した。薄層クロマトグラフィーにより原
料(ドナー)の消失を確認後、トリエチルアミン 3 g
(29.7mmol)を加え反応を停止した。セライト濾過によ
りAW-300を除去し、溶液を濃縮して、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製(ヘキサン:酢酸エチ
ル=5:1)すると、4-O-アリル-1-O-ベンジル-2-O-(2,3,
4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-1,
2,4-ブタントリオール 2.3 g(95%)が得られた(式
(V)の化合物)。なお、アグリコン部位の異性体(Rお
よびS体)の分離は不可能であった。
【0043】次に、得られた4-O-アリル-1-O-ベンジル-
2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノ
シル)-1,2,4-ブタントリオール 105 mg(0.129 mmol)
を1,4-ジオキサン 2 mlに溶かし、酢酸-酢酸ナトリウム
緩衝液(pH 4.5)2 mlと塩化パラジウム 46 mg(0.257
mmol)を加え室温で24時間攪拌した。反応液に飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止し、塩化メチレ
ンで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過
後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製(ヘキサン:酢酸エチル = 9:1〜4:6)す
ると、1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイ
ル-β-D-グルコピラノシル)-1,2,4-ブタントリオール 5
4.1 mg(54%)が得られた(式(V')の化合物)。なお、
アグリコン部位の異性体(RおよびS体)の分離は可能で
あり、同精製条件においてS体(Rf = 0.3;ヘキサン:
酢酸エチル=6:4)27.3 mgと、R体(Rf = 0.2;ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:4)26.8 mgがそれぞれ単離され
た。
【0044】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。 3-S体:1 H-NMR(CDCl3)δ: 8.13-7.18(m, 25H, Ph), 5.96(dd, J
= 9.5, J = 9.9 Hz, H-3'), 5.69(dd, 1H, J = 9.9 H
z, H-4'), 5.54(dd, 1H, J = 7.7 Hz, H-2'), 5.24(d,
1H, H-1'), 4.89(dd, 1H, J = 12.5 Hz, H-6'a), 4.39
(dd, 1H, J = 5.5 Hz, H-6'b), 4.32, 4.21(each d, 2
H, J = 12.1 Hz, benzyl), 4.24-4.15(m, 2H,H-3, 5'),
3.86(m, 1H, H-1b), 3.40(dd, 1H, J = 3.3, J = 10.3
Hz, H-4a),3.35(dd, 1H, J = 7.3 Hz, H-4b), 2.84(br
s, 1H, OH), 1.69(m, 1H, H-2a), 1.56(m, 1H, H-2b)13 C-NMR(CDCl3)δ:166.3, 165.7, 165.2, 165.1, 137.
9, 133.3, 133.2, 133.1,129.8-127.2, 101.1(C-1'), 7
5.6(C-3), 74.2(C-4), 73.3(benzyl), 72.8(C-3'), 72.
4(C-5'), 72.0(C-2'), 69.5(C-4'), 62.5(C-6'), 58.1
(C-1), 34.0(C-2) 旋光度:[α]D 16 +3.8゜(c = 0.49, CH2Cl2)
【0045】3-R体:1 H-NMR(CDCl3)δ: 8.03-7.23(m, 25H, Ph), 5.89(dd, 1
H, J = 9.9 Hz, H-3'),5.65(dd, 1H, J = 9.5 Hz, H-
4'), 5.52(dd, 1H, J = 7.9 Hz, H-2'), 5.03(d,1H, H-
1'), 4.61(dd,1H, J = 3.3,12.1 Hz, H-6'a), 4.46(dd,
1H, J = 5.1 Hz, H-6'b), 4.47, 4.43(each d, 2H,J =
11.7 Hz, benzyl), 4.12(ddd, 1H, H-5'), 4.02(m, 1
H, H-3), 3.71(dd, 1H, J = 4.8, 10.1 Hz, H-4a), 3.5
5(dd, 1H, J = 5.9 Hz, H-4b), 3.51(m, 2H,H-1a, 1b),
1.77(m, 2H, H-2a, 2b), 1.54(br s, 1H, OH)13 C-NMR(CDCl3)δ: 166.1, 165.8, 165.2, 165.1, 138.
0, 133.4, 133.2, 133.2, 129.7-127.6, 101.6(C-1'),
78.3(C-3), 73.4(benzyl), 72.9(C-3'), 72.7(C-4), 7
2.2(C-2'), 72.2(C-5'), 69.7(C-4'), 63.1(C-6'), 58.
7(C-1), 34.9(C-2) 旋光度:[α]D 16 +27.2゜(c = 0.47, CH2Cl2) 融 点:152〜154℃
【0046】例2 4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸 1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-1,2,4-ブタントリオール(式(V')
の化合物) 0.343g (0.44 mmol)を四塩化炭素1.2 ml、
アセトニトリル 1.2 mlに溶解し、さらに水 1.8 mlを加
えた(このとき、四塩化炭素:アセトニトリル:水=
2:2:3、基質に対して4 ml/0.1 gになるように調
製)。ここに過ヨウ素酸ナトリウム 0.284 g(1.33 mmo
l)と三塩化ルテニウム水和物 0.002 g(0.01 mmol)を加
え、室温で16時間反応させた。重曹により反応を停止し
た後、反応液を塩酸で酸性にし、抽出、乾燥、濃縮、シ
リカゲルカラムクロマトによる精製(溶出溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=4:6)を行ない、4-O-ベンジル-3-O
-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシ
ル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸 0.209g(収率: 60%)を得
た(式(I)の化合物)。
【0047】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR (ppm, CDCl3)δ: 8.07〜7.81(8H, dd x 4), 7.5
7〜7.22(17H, m), 5.98(1H, t, J = 9.9, 9.4 Hz), 5.6
6(1H, t, J = 9.9, 9.4 Hz), 5.49(1H, dd, J =9.9, 7.
9 Hz), 5.11(1H, d, J = 7.9 Hz), 4.65(1H, dd, J = 1
1.9, 3.0 Hz), 4.50(1H, dd, J = 11.9, 5.4 Hz), 4.46
(2H, s), 4.30〜4.19(2H, m), 3.77(1H,dd, J = 9.7,
7.42 Hz), 3.47(1H, dd, J = 9.7, 7.4 Hz), 2.68(1H,
dd, J = 17.3, 3.0 Hz), 2.45(1H, dd, J = 17.3, 9.4
Hz)13 C-NMR (CDCl3)δ: 176.1, 166.0〜165.0, 137.8〜13
3.1, 129.8〜127.6, 102.0, 76.2, 73.3, 72.69, 72.0,
71.6, 69.6, 37.3
【0048】例3 3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノ
シル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸 4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-3,4-ジヒドロキシ-酪酸(式(I)の化
合物) 0.264g (0.33 mmol)を乾燥エタノールに溶解
し、水素雰囲気下で触媒量の水酸化パラジウムを加え、
室温で12時間攪拌した。その後、パラジウムを濾過によ
り取り除き、濃縮、引き続きシリカゲルカラムクロマト
(溶出溶媒;クロロホルム:メタノール=9:1)にて
精製し、3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グ
ルコピラノシル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸 0.196g(収
率:85%)を得た。
【0049】例4 3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノ
シル)-3-ヒドロキシブチロラクトン 4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸(式(I)の化
合物) 0.264g (0.33 mmol)を乾燥エタノールに溶解
し、水素雰囲気下で触媒量の水酸化パラジウムと触媒量
のp-トルエンスルホン酸を加え酸性条件とし、室温で12
時間攪拌した。その後、パラジウムを濾過により取り除
き、濃縮、引き続きシリカゲルカラムクロマト(溶出溶
媒;クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し、
3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノ
シル)-3-ヒドロキシブチロラクトン 0.191g(収率:85
%)を得た。
【0050】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR (CDCl3)δ: 8.05〜7.81(8H, m), 7.62〜7.29(12
H, m), 5.91(1H, t, J =9.9, 9.4 Hz), 5.67(1H, t, J
= 9.9, 9.9 Hz), 5.51(1H, dd, J = 9.9, 7.9 Hz), 4.9
4(1H, d, J = 7.9 Hz), 4.69(1H, dd, J = 11.9, 3.0 H
z), 4.69〜4.62(1H, m), 4.48(1H, dd, J = 11.9, 5.4
Hz), 4.42(2H, m), 4.17(1H, ddd, J = 9.9, 3.0, 5.44
Hz), 2.70(1H, dd, J = 18.3, 6.9 Hz), 2.52(1H, dd,
J = 18.3, 3.5 Hz),
【0051】例5 3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノ
シル)-3-ヒドロキシブチロラクトン 例1の(±)-4-O-アリル-1-O-ベンジル-1,2,4-ブタント
リオールの代わりに、3-ヒドロキシブチロラクトン 0.6
1g(5.94mmol)を用いることにより、3-O-(2,3,4,6-テ
トラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-3-ヒドロ
キシブチロラクトン 202mg(90%)を得た。得られた化
合物の理化学的性質は例4で得られたものと全て一致し
た。
【0052】例6 1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-1,2,4-ブタントリオール 1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-1,2,4-ブタントリオール(式(V')
の化合物)0.525g (0.68 mmol)を乾燥ジメチルホルムア
ミドに溶解し、イミダゾール 0.1g (1.36 mmol)と塩化t
ert-ブチルジメチルシリル 0.2g (1.36 mmol)を加え、
室温で18時間攪拌した。薄層クロマトグラフィーにより
原料の消失を確認した後、常法により洗浄、抽出、乾
燥、濃縮、引き続きシリカゲルカラムクロマト(溶出溶
媒;クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し、
1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-4-O-tert-ブチルジメチルシリル-
1,2,4-ブタントリオール 0.564g (収率:94%)を得
た。
【0053】ここで得られた1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,
6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-4-O-t
ert-ブチルジメチルシリル-1,2,4-ブタントリオール 0.
556g (0.625 mmol)を乾燥ジメチルホルムアミドに溶解
し、水素化ナトリウム 0.125g (3.13 mmol)を加え、0℃
で30分攪拌した。次に、塩化ベンジル 0.22 ml (3.13mm
ol)およびハロゲン交換剤として触媒量のヨウ化カリウ
ムを加え、0℃で12時間攪拌した。薄層クロマトグラフ
ィーにより原料の消失を確認した後、常法により塩化ア
ンモニウムによる洗浄、抽出、濃縮、引き続きシリカゲ
ルカラムクロマト(溶出溶媒;クロロホルム:メタノー
ル=9:1)にて精製し、1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6
-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノシル)-4-O-ter
t-ブチルジメチルシリル-1,2,4-ブタントリオール 0.27
5g (収率:53%)を得た。
【0054】1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベ
ンジル-β-D-グルコピラノシル)-4-O-tert-ブチルジメ
チルシリル-1,2,4-ブタントリオール 0.204g (0.245 mm
ol)を乾燥テトラヒドロフランに溶解し、フッ化テトラ
ブチルアンモニウム 0.27 mlを加え室温で12時間攪拌し
た。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し
た後、常法により水洗、抽出、乾燥、濃縮、引き続きシ
リカゲルカラムクロマト(溶出溶媒;クロロホルム:メ
タノール=9:1)にて精製し、1-O-ベンジル-2-O-
(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノシ
ル)-1,2,4-ブタントリオール 0.144g(収率:82%)を
得た(式(V')の化合物)。
【0055】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR (CDCl3)δ: 7.33〜7.15(2H, m), 4.90(1H, d, J
= 10.9 Hz), 4.85(1H,d, J = 13.4 Hz), 4.81(1H, d,
J = 11.4 Hz), 4.77(1H, d, J = 11.4 Hz), 4.57(1H,
d, J = 11.9 Hz), 4.54(1H, d, J = 10.9 Hz), 4.53(1
H, d, J = 7.9 Hz), 4.50(1H, d, J = 11.9 Hz), 4.50
(1H, d, J = 12.4 Hz), 4.01(1H, m), 3.77(1H, dd, J
= 9.9, 4.0 Hz), 3.65(1H, t, J = 8.9, 8.9 Hz), 3.58
(1H, t, J =8.9, 7.9 Hz), 3.45(1H, t, J = 7.9, 7.9
Hz), 3.81〜3.42(6H, m), 2.03〜1.81(2H, m), 1.63(1
H, brs)13 C-NMR (CDCl3)δ: 138.0, 128.4〜127.6, 103.2, 84.
9, 82.0, 77.9, 77.4, 75.7, 75.0, 74.98, 74.8, 73.
4, 73.4, 72.7, 69.0, 59.3, 35.2
【0056】例7 4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸 1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-1,2,4-ブタントリオール(式(V')
の化合物) 0.400g (0.56 mmol)を四塩化炭素:アセト
ニトリル:水=2:2:3の混合溶媒 16 mlに溶解し、
ここに過ヨウ素酸ナトリウム 0.360 g(0.168 mmol)と三
塩化ルテニウム水和物 0.004 g(0.02 mmol)を加え、室
温で12時間反応させた。薄層クロマトグラフィーにより
原料の消失を確認した後、常法により、抽出、乾燥、濃
縮、シリカゲルカラムクロマトによる精製(溶出溶媒;
クロロホルム:メタノール=9:1)を行ない、4-O-ベ
ンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコ
ピラノシル)-3,4-ジヒドロキシ酪酸 0.265g(収率:65
%)を得た(式(I)の化合物)。
【0057】例8 3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3R)-4-ジヒドロキシ酪
4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-(3R)-4-ジヒドロキシ酪酸(式(I)の
化合物) 220 mg (0.30 mmol)を乾燥エタノールに溶解
し、水素雰囲気下で触媒量の水酸化パラジウムを加え、
室温で12時間攪拌した。その後、パラジウムを濾過によ
り取り除き、濃縮、引き続きシリカゲルカラムクロマト
(溶出溶媒;クロロホルム:エタノール=7:3)にて
精製し、3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3R)-4-ジヒド
ロキシ酪酸 0.068g(収率:80%)を得た(式(I)の化合
物(このときR=H))。
【0058】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR (CD3OD)δ: 4.44(1H, d, J = 7.9 Hz), 4.12(1
H, dddd, J = 7.3, 5.9,5.9, 4.3 Hz), 3.85(1H, dd, J
= 11.9, 1.7 Hz), 3.65(1H, dd, J = 11.9, 6.1Hz),
3.64(1H, dd, J = 12.5, 4.3 Hz), 3.59(1H, dd, J = 1
2.5, 5.9 Hz), 3.37(1H, dd, J = 8.9, 8.9 Hz), 3.30
(1H, dd, J = 8.9, 8.9 Hz), 3.36(1H, m),3.19(1H, d
d, J = 8.9, 7.9 Hz), 2.47(1H, dd, J = 14.9, 7.3 H
z), 2.38(1H,dd, J = 14.9, 5.9 Hz)13 C-NMR (CD3OD)δ: 179.6, 104.1, 80.8, 78.0, 77.9,
75.4, 71.4, 66.0, 62.7, 41.3 旋光度:[α]D −5.8゜(c = 1.2、MeOH) FAB-MS :m/z 283 [M+H]+
【0059】例9 3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3S)-4-ジヒドロキシ酪
4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-(3S)-4-ジヒドロキシ酪酸(式(I)の
化合物) 220 mg (0.30 mmol)を乾燥エタノールに溶解
し、以下例7と同様に処理したところ、3-O-(β-D-グル
コピラノシル)-(3S)-4-ジヒドロキシ酪酸0.06 g(収率7
1%)を得た(式(I)の化合物(このときR=H))。
【0060】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR (CD3OD)δ: 4.44(1H, d, J = 7.9 Hz), 4.12(1
H, dddd, J = 7.3, 5.9,5.9, 4.3 Hz), 3.85(1H, dd, J
= 11.9, 1.7 Hz), 3.65(1H, dd, J = 11.9, 6.1Hz),
3.64(1H, dd, J = 12.5, 4.3 Hz), 3.59(1H, dd, J = 1
2.5, 5.9 Hz), 3.37(1H, dd, J = 8.9, 8.9 Hz), 3.30
(1H, dd, J = 8.9, 8.9 Hz), 3.36(1H, m),3.19(1H, d
d, J = 8.9, 7.9 Hz), 2.47(1H, dd, J = 14.9, 7.3 H
z), 2.38(1H,dd, J = 14.9, 5.9 Hz)13 C-NMR (CD3OD)δ: 177.2, 104.1, 79.7, 78.0, 75.2,
71.6, 65.6, 62.7, 38.9
【0061】例10 3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3R)-ヒドロキシブチロ
ラクトン 1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンゾイル-β-D
-グルコピラノシル)-(2R)-1,2,4-ブタントリオール(式
(V')の化合物)28 mg (0.0361 mmol)を四塩化炭素 2 m
l-アセトニトリル 2 mlの混合溶媒に溶かし、これにメ
タ過ヨウ素酸ナトリウム23 mg (0.108 mmol)を水3 mlに
溶かしたものと、三塩化ルテニウム水和物0.4 mg(0.001
08 mmol)を加え室温で3時間攪拌した。反応混合物を塩
化メチレンで希釈し、1M塩酸水溶液、次いで飽和食塩水
で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜0:1)す
るとカルボン酸が26 mg(0.033 mmol)得られた。これを
メタノール6 mlに溶かし、ナトリウムメトキシド18mg
(0.33 mmol)を加え室温で2時間攪拌した。反応混合物を
濃縮後、水で希釈して塩化メチレンで洗浄した。水層を
強酸性イオン交換樹脂(Dowex50wx1)で中和して、濾
過、濃縮すると、脱ベンゾイル体が得られた。これをメ
タノール6 mlに溶かし、約100 mgの5%パラジウム含有活
性炭を加え、水素ガス雰囲気下、室温で17時間攪拌し
た。反応液をセライト濾過後、濃縮すると脱ベンジル体
が得られた。これを水5 mlに溶かし、強酸性イオン交換
樹脂(Dowex50wx1)約30 mgを加え室温で 15時間攪拌
後、濾過、濃縮すると3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3
R)-ヒドロキシブチロラクトンが7.5 mg(86%)得られた
(式(II)の化合物)。
【0062】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR(D2O, HDO=4.81 ppm)δ: 4.61(d, 2H, J = 2.9 H
z, H-4a, 4b), 4.56(d,1H, J = 7.7 Hz, H-1'), 3.92(d
d, 1H, J = 12.5, 2.2 Hz, H-6'a), 3.73(dd, 1H, J =
5.5 Hz, H-6'b), 3.50(dd, 1H, J = 9.2, 9.2 Hz, H-
3'), 3.47(m, 1H,J = 9.5 Hz, H-5'), 3.40(dd,1H, H-
4'), 3.28(dd, 1H, H-2'), 3.01(dd, 1H, J= 18.3, 6.2
Hz, H-2a), 2.73(d, 1H, H-2b) 旋光度:[α]D +48.4゜(c = 2.0, EtOH)
【0063】例11 3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3S)-ヒドロキシブチロ
ラクトン 例10において、1-O-ベンジル-2-O-(2,3,4,6-テトラ-O
-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-(2S)-1,2,4-ブタ
ントリオール(式(V')の化合物)43 mg(0.0555 mmol)
を原料とした場合、3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3R)
-ヒドロキシブチロラクトンの異性体(ジアステレオマ
ー)である3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3S)-ヒドロ
キシブチロラクトンが10 mg(71%)得られた(式(II)の化
合物)。
【0064】得られた化合物の理化学的な性質は下記に
示される通りであった。1 H-NMR(D2O, HDO=4.81 ppm)δ: 4.62(d, 1H, J = 7.7 H
z, H-1'), 4.59(br s, 2H, H-4a, 4b), 3.95(d, 1H, J
= 12.8 Hz, H-6'a), 3.76(dd, 1H, J = 5.5 Hz,H-6'b),
3.54(dd, 1H, J = 9.2, 9.2 Hz, H-3'), 3.50(m, 1H,
J = 9.2 Hz, H-5'), 3.43(dd,1H, H-4'), 3.31(dd, 1H,
H-2'), 3.07(dd, 1H, J = 18.3, 6.2 Hz, H-2a), 2.83
(d, 1H, H-2b) 旋光度:[α]D -71.0゜(c = 0.5, H2O)
【0065】例12 3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3R)-ヒドロキシブチロ
ラクトン 4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-(3R)-4-ジヒドロキシ酪酸(式(I)の
化合物) 220 mg (0.30 mmol)を乾燥エタノールに溶解
し、水素雰囲気下で触媒量の水酸化パラジウムと触媒量
のp-トルエンスルホン酸を加え酸性条件とし、室温で12
時間攪拌した。その後、パラジウムを濾過により取り除
き、濃縮、引き続きシリカゲルカラムクロマト(溶出溶
媒;クロロホルム:エタノール=7:3)にて精製し、3-
O-(β-D-グルコピラノシル)-(3R)-ヒドロキシブチロラ
クトン0.068g(収率:86%)を得た(式(II)の化合
物)。ここで得られた化合物の理化学的性質は例10で
得られた化合物とすべての点で一致した。
【0066】例13 3-O-(β-D-グルコピラノシル)-(3S)-ヒドロキシブチロ
ラクトン 4-O-ベンジル-3-O-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-
グルコピラノシル)-(3S)-4-ジヒドロキシ酪酸(式(I)の
化合物) 220 mg (0.30 mmol)を乾燥エタノールに溶解
し、以下例11と同様に処理したところ、3-O-(β-D-グル
コピラノシル)-(3S)-ヒドロキシブチロラクトン0.063 g
(収率80%)を得た(式(II)の化合物)。ここで得られ
た化合物の理化学的性質は例11で得られた化合物とす
べての点で一致した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/16 A61P 1/16 3/04 3/04 3/06 3/06 3/10 3/10 (72)発明者 鈴 木 信 之 埼玉県越谷市東越谷2−7−18−203 Fターム(参考) 4C057 AA17 AA30 BB01 DD01 JJ05 KK02 4C086 AA03 AA04 EA05 EA11 NA14 ZA70 ZA75 ZC33 ZC35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記工程(A)、(B)、および(C)を
    含んでなる、下式(I)の3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導
    体の製造方法。 【化1】 [式中、RおよびRは、独立して、水素、炭素数1
    〜6の低級アルキル基、または炭素数7〜12のアラル
    キル基を表し、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基
    またはベンジル基を表す]、 (A) 下式(V)のブタントリオール誘導体を用意し、 (B) 得られた式(V)のブタントリオール誘導体中の
    −OR基を、脱保護剤を用いることにより、選択的に
    −OH基に置換し、 (C) 前記工程より得られた化合物中のアルコール型
    部位を、酸化剤を用いて酸化することによって、カルボ
    キシル基に転換して、式(I)の化合物を得る、 【化2】 [式中、Rは、水素、炭素数1〜6の低級アルキル
    基、または炭素数7〜12のアラルキル基を表し、R
    は、アリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、また
    はtert−ブチルジアルキルシリル基(ここでアルキルは
    炭素数1〜6の低級アルキルを示す)を表し、Rは、
    炭素数2〜8のアシル基またはベンジル基を表す]。
  2. 【請求項2】工程(C)の後に、下記工程(D)をさら
    に含んでなる、請求項1に記載の3,4−ジヒドロキシ
    酪酸誘導体の製造方法。 (D) 前記工程(C)より得られた化合物中の前記カ
    ルボキシル基と、炭素数1〜6の飽和低級アルコールま
    たは炭素数7〜12の芳香族アルコールとを、酸触媒下
    においてエステル化する工程。
  3. 【請求項3】工程(C)または(D)の後に、下記工程
    (E)をさらに含んでなる、請求項1または2に記載の
    3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体の製造方法。 (E) 前記工程より得られた式(I)の化合物中の−
    OR基を、脱保護剤を用いることによって、選択的に
    −OH基に置換する工程。
  4. 【請求項4】工程(A)が、下記工程(a)を含んでな
    るものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体の製造方法。 (a) 下式(III)で表わされるブタントリオール誘導
    体と、下式(IV)で表される化合物とを、縮合剤存在下、
    縮合させることによって、式(V)で表されるブタントリ
    オール誘導体を得る、 【化3】 [式中、Rは、水素、炭素数1〜6の低級アルキル
    基、または炭素数7〜12のアラルキル基を表し、R
    は、アリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、また
    はtert−ブチルジアルキルシリル基(ここでアルキルは
    炭素数1〜6の低級アルキルを示す)を表す]、 【化4】 [式中、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基、また
    はベンジル基を表し、Xは、−P(=O)(OPh)基、
    −Br基、−SPh基、または−OC(=NH)CCl
    基を表す(ここでPhはフェニルを意味する)]。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一項に記載の工程
    (C)、(D)または(E)の後に、環化触媒を用いて
    式(I)の化合物中の酪酸骨格部位を環化反応させる工程
    をさらに含んでなる、下式(II)の3−ヒドロキシ−γ−
    ブチロラクトン誘導体の製造方法。 【化5】 [式中、Rは、水素、炭素数2〜8のアシル基、また
    はベンジル基を表す]。
  6. 【請求項6】下式(VI)の(3R)−または(3S)−ヒドロキシ
    ブチロラクトンと、請求項4に記載の式(IV)の化合物
    とを、縮合剤存在下、縮合させ、得られた化合物中の−
    OR基を、脱保護剤を用いることによって、選択的に
    −OH基に置換することを含んでなる、請求項5に記載
    の式(II)の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン誘導体
    の製造方法。 【化6】
  7. 【請求項7】請求項4に記載の工程(a)からなる、下
    式(V)で表されるブタントリオール誘導体の製造方
    法。 【化2】 [式中、Rは、水素、炭素数1〜6の低級アルキル
    基、または炭素数7〜12のアラルキル基を表し、R
    は、アリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、また
    はtert−ブチルジアルキルシリル基(ここでアルキルは
    炭素数1〜6の低級アルキルを示す)を表し、Rは、
    炭素数2〜8のアシル基またはベンジル基を表す]。
  8. 【請求項8】下式(V)で表される、ブタントリオール
    誘導体。 【化2】 [式中、Rは、水素、炭素数1〜6の低級アルキル
    基、または炭素数7〜12のアラルキル基を表し、R
    は、アリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、また
    はtert−ブチルジアルキルシリル基(ここでアルキルは
    炭素数1〜6の低級アルキルを示す)を表し、Rは、
    炭素数2〜8のアシル基またはベンジル基を表す]。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004331576A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Noevir Co Ltd 急激な血糖値の上昇を抑制する血糖値上昇抑制剤及び食品
JP2010155821A (ja) * 2008-12-31 2010-07-15 China Medical Univ 破骨細胞形成の抑制、破骨細胞機能の抑制および/または骨芽細胞の活性化に使用できるキンセノシド含有医薬組成物および抽出液
JP2015080477A (ja) * 2013-10-24 2015-04-27 東海大学Tunghai University 金線連発酵産物、その製造方法および用途

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