JP2002144565A - インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ

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JP2002144565A
JP2002144565A JP2000349541A JP2000349541A JP2002144565A JP 2002144565 A JP2002144565 A JP 2002144565A JP 2000349541 A JP2000349541 A JP 2000349541A JP 2000349541 A JP2000349541 A JP 2000349541A JP 2002144565 A JP2002144565 A JP 2002144565A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットヘッドの駆動部に磁歪材料を
用い、振動板に生じる変形量、発生力を大きくし、制御
性,省消費電力性,生産性等を向上する。 【構成】 インクジェットヘッドは、基板1,振動板
2,ノズル3,磁歪素子4,磁界印加手段,加熱手段等
からなる。磁歪素子4には磁界が印加されており、磁歪
素子4は縮み、振動板2はインク室5の容積を小さくす
るように変形している。加熱手段によって磁歪素子4を
キュリー温度以上に加熱すると、磁歪素子4は変形がな
い元の状態に戻り、振動板2がインク室5の容積を大き
くするように変形し、インクをインク室5に吸引する。
ここで、磁歪素子4がキュリー温度以下に下がると、イ
ンク室5の容積が小さくなり、この時インク滴7を射出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びインクジェットプリンタに関し、さらに詳しく
は、磁歪素子の変形を利用してインクをノズルから射出
させるインクジェットヘッド、及びそのインクジェット
ヘッドを用いることにより、制御性良くインクを射出す
るオンデマンド方式のインクジェットプリンタに関す
る。また、本発明はインクに限らずノズル穴から制御性
良く液体を噴射する素子、及びその素子を用いた装置に
応用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、パソコン等の情報処理装置からの
出力用プリンタとしてインパクトドットプリンタ等が多
く使用されたが、その後レーザープリンタに変わり、最
近では、低価格,カラー化の要求のもとにオンデマンド
方式のインクジェットプリンタが多く使用されるように
なっている。オンデマンド方式のインクジェットプリン
タとして代表的なものは、インクを急激に加熱し、イン
クの体積変化の圧力によりインクを吐き出させる方式
(例えば、特公昭61−59911号公報等)と、また
電圧を印加することにより変形する性質を有する圧電体
を用いてインクを吐き出させる方式がある(例えば、特
公平2−51734号公報等)。
【0003】圧電方式はインクの噴出の制御性が良いこ
とが特徴としてあげられ、そのヘッドとしては圧電材料
が用いられており、その構成も種々のものが周知であ
る。例えば、振動子円筒缶のように円筒状の圧電素子を
取り付け、その圧電素子に電圧をかけたときの体積変化
によりインクを噴出させる方式や、平板振動子をインク
室の外側に配置し、電圧を印加した際のインク室の体積
変化によりインクを吐き出させる方式等がある。従来の
圧電素子を用いたインクジェットヘッドは、先端にノズ
ルを有するインク室があり、そのなかにインクが充填さ
れている。インク室の外側に振動板が設けられ、その上
部に圧電素子が設けられる構成となっている。圧電素子
の両面には電極が設けられ、その電極に印加した電圧を
入切することにより圧電素子が変形し、圧電素子と振動
板とのバイメタル効果によりたわみ変形が起き、その体
積変化でインクが吐き出される。
【0004】圧電素子に代えて磁歪素子を用いた従来技
術もあるが、単に圧電素子を置き換えできるというもの
で、詳しい具体的な報告はない。また、静電気力を利用
したものも報告されている(例えば、特開平7−810
88号公報等)。この原理は、2つの平板に電圧をかけ
たとき、平板間に静電気力が働き、引き合ったり、反発
したりする現象を利用したものである。静電気力を利用
したものは構造を簡単化しやすく、半導体などの微細加
工プロセスを利用して製造することができ、小型化に有
利という面があるが、2つの電極間にごみがつまる等で
短絡が起こり、素子が壊れてしまうという現象が起こり
やすいため、電極間隔を広げたり、精密な制御が必要と
なるといった欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、圧電素
子や静電気力を利用したインクジェットヘッドが報告さ
れているが、圧電素子においては一般に圧電素子の材質
がセラミックであるため、素子を作製する際に高温での
焼結が必要となり、振動子以外の材料に制約があるとい
う問題点があった。また、焼結体であるため、半導体加
工のような薄膜プロセスにはなじみにくく、作製が煩雑
になるという問題があった。また、静電気力を利用した
インクジェットヘッドの場合、静電気力は電極間隔が狭
くなるほど力が大きくなるため、電極間隔が狭いほうが
有利であるが、狭くすることによりほこり等に対して弱
くなり、精密な電極間隔の制御が必要となるといった問
題点があった。
【0006】以上のような従来のインクジェットヘッド
が有する問題点は、駆動部に磁歪材料を用いることで解
決され、大きな変形量,発生力を有する駆動部を備えた
インクジェットヘッドを実現することができる。しか
し、磁歪材料は励磁する必要があるため、コイルなどの
励磁部が大きくなってしまうといった問題点があった。
したがって、本発明は、駆動部の変形量、発生力が大き
いとともに、従来例に比較し、制御性、省消費電力性、
生産性等に優れたインクジェットヘッド、及びインクジ
ェットプリンタを実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであって、その第1の技術手
段は、インクを射出する駆動部に磁歪素子を用い、該磁
歪素子に磁界を印加し該磁歪素子を変形しておき、前記
変形した磁歪素子に熱を加え前記変形を戻す変形を起こ
させることによりインクを射出するインクジェットヘッ
ドであることを特徴とする。
【0008】第2の技術手段は、第1の技術手段のイン
クジェットヘッドにおいて、前記磁歪素子は、磁界を印
加することにより磁界と平行方向に伸びる性質を持つ材
料と磁界と平行方向に縮む性質を持つ材料の積層体であ
ることを特徴とする。
【0009】本発明の第3の技術手段は、第1,第2の
技術手段のインクジェットヘッドにおいて、前記磁歪素
子は、Tb及びFeを含む化合物及び/またはSm及び
Feを含む化合物からなることを特徴とする。
【0010】本発明の第4の技術手段は、第1〜第3の
技術手段のインクジェットヘッドにおいて、前記磁歪素
子に磁界を印加する手段は、永久磁石であることを特徴
とする。
【0011】本発明の第5の技術手段は、第4の技術手
段のインクジェットヘッドにおいて、前記永久磁石は、
SmCo系合金、またはNdFeB系合金からなること
を特徴とする。
【0012】本発明の第6の技術手段は、第1〜第5の
技術手段のインクジェットヘッドにおいて、前記磁歪素
子及び/または永久磁石は、薄膜で作製することを特徴
とする。
【0013】本発明の第7の技術手段は、第1〜第6の
技術手段のインクジェットヘッドにおいて、前記磁歪素
子に熱を加える手段は、発熱体であることを特徴とす
る。
【0014】本発明の第8の技術手段は、第1〜第6の
技術手段のインクジェットヘッドにおいて、前記磁歪素
子に熱を加える手段は、光または電磁波であることを特
徴とする。
【0015】本発明の第9の技術手段は、インクを射出
するインクジェットヘッドに第1〜第8の技術手段のイ
ンクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタで
あることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1〜図13に示す実施例に基づいて説明する。な
お、本発明の技術的範囲は、実施例の記載によって何ら
限定されて解釈されるものではない。 (第1実施例)第1実施例は請求項1の発明に対応し、
インクを射出させるための駆動部として磁歪素子を用
い、その磁歪素子を励磁するために磁歪素子に磁界を印
加し磁歪素子を変形させておき、磁歪素子に熱を加える
ことにより変形を戻す変化を起こさせることによりイン
クを射出するインクジェットヘッドに関する。
【0017】ここで、磁歪とは磁性体が磁界印加される
ことにより伸びるまたは縮むといった変形を起こす性質
であり、磁性材料は程度の差はあるが、この性質を持っ
ている。特にその変形量が大きいものを磁歪材料と呼
び、古くから超音波発生用の振動子等に用いられてい
る。磁歪材料の例としては、Ni,FeAl,FeC
o,NiFe,NiCo,FeSi,FeB,FeSi
B,FeCoSiB,FePd等の合金系のほか、F
e,Ni,Co,Cu等を1種類以上混合し焼結などで
作製するNiCoフェライト、NiCuCoフェライト
等のフェライト材料もある。FeB,FeSiB,Fe
CoSiB等の合金は、歪み量は比較的小さな値である
が、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変えるため
の変換効率の良さを示す電気機械結合係数が圧電素子よ
りも高い値を示すものがあり、これらの材料を用いるこ
とは効果が大きい。フェライト材料の中でマグネタイト
系の材料は、材料に強い圧力がかかった状態でも良好な
動作をするという性質がある。また、磁歪材料には印加
磁界と平行な方向に伸びる性質を持つ材料と縮む性質を
持つ材料がある。
【0018】図1は、本発明の第1実施例によるインク
ジェットヘッドの磁歪素子周辺の概略を示す断面図であ
り、磁界が印加することにより縮む性質を有する磁歪素
子を用いた例である。インクジェットヘッドは、基板
1,振動板2,ノズル3,磁歪素子4,磁界印加手段
(図示せず),加熱手段(図示せず)を主な構成要素と
し、磁歪素子4に磁界を印加することにより変形するこ
とと、その変形が加熱手段による加熱により元の状態に
戻る変化に基づいて、インク室5内のインクがノズル3
より押し出されて射出される。図1の状態では、磁歪素
子4に磁界が印加されておらず、磁歪素子4は変形して
いないので、インク室5は大きな容積を占めている。第
1実施例のインクジェットヘッドの使用時、磁歪素子4
には常時磁界Hが印加されているので、磁歪素子4は磁
界方向の長さが縮むように変形しており、それに伴い図
2に示すように振動板2もインク室5の容積が小さくな
るように変形している。この状態で、磁歪素子4を加熱
手段により加熱しキュリー点以上の温度に加熱すると、
変形がない図1の状態に戻る。なお、加熱手段の具体例
については後述する。
【0019】次に、インクが射出される原理を説明す
る。図2は、図1に示すインクジェットヘッドの状態か
ら磁歪素子4に磁界Hを印加した状態を示す図で、磁界
Hの印加に伴う磁歪素子4の変形により振動板2が変形
し、インクが射出され、その直後の磁歪素子4は収縮し
た状態である。次に、その状態から磁歪素子4に熱を加
え、磁歪素子4をキュリー温度以上に加熱すると、磁歪
素子4は変形前の状態に戻り、磁歪素子4と振動板2は
図1のような変形前の平面の状態に戻る。この時インク
は供給口6よりインク室5内へ供給されてインク室5は
インクで満たされる。インク室5がインクで満たされた
時点で、磁歪素子4の温度が下がると磁歪素子4と振動
板2は、再び図2のように変形してインク室5のインク
を押し出しノズル3よりインク滴7となって射出され
る。磁界の印加方法は特に限定されるものではない。ま
た、振動板2の代わりに磁歪素子4を単体で用いること
も可能である。その場合は、変形をより大きくすること
ができ素子の小型化が可能となる。またその場合、磁歪
素子4とインクが接する面に薄い保護層等を構成すると
さらに好ましい。
【0020】(第2実施例)第2実施例は請求項2の発
明に対応し、磁歪素子4として磁界Hを印加することに
より磁界と平行方向に伸びる性質を持つ材料と磁界と平
行方向に縮む性質を持つ材料とを積層して用いたインク
ジェットヘッドに関する。磁界Hと平行方向に伸びる性
質を持つ材料と磁界Hと平行方向に縮む性質を持つ材料
とを積層することにより磁歪素子の変形量を大きくする
ことが可能である。図5,図6は、第2実施例のインク
ジェットヘッドに用いる磁歪素子4の構成を示す図で、
例えばTbFeとSmFeを積層することにより、図5
のように磁界を印加しない状態では平行であるが、図6
のように磁界Hを印加することによりTbFeは伸び、
SmFeは縮むため変形が生じる。それぞれの磁歪素子
を単独で用いた場合に比べ大きな変形が得られるためイ
ンクの射出を制御し易くなる。
【0021】(第3実施例)第3実施例は請求項3の発
明に対応し、磁歪素子4としてTb及びFeを含む化合
物、またはSm及びFeを含む化合物を用いるインクジ
ェットヘッドに関する。TbFe,SmFe合金等のい
わゆるレーベス相を有するTbFe2合金等では、長さ
Lの磁性体の長さ方向に磁界を印加した場合の磁性体の
伸び、または縮み量をΔLとすると、ΔL/L=200
0×10-6程度とかなり大きな変位量を示すことが知ら
れている。TbFeは磁界印加により伸びる性質を持
ち、SmFeは縮む性質を持つ。本発明の磁歪素子に用
いられる化合物としてTbDyFe,TbDyHoF
e,TbFeB,SmFeB等の合金系が例示できる。
大きな磁歪を保ったまま結晶磁気異方性を小さくしたよ
うな材料が好ましい。
【0022】図1,図2のインクジェットヘッドは、磁
歪素子4が磁界Hの印加により磁界Hと平行方向に縮む
性質の材料からなるものであったが、図3,図4の例
は、磁歪素子4が磁界Hの印加により磁界Hと平行方向
に伸びる性質の材料からなるものを用いたインクジェッ
トヘッドの例を示すものである。磁歪素子4に磁界Hを
印加した図3の状態では、磁歪素子4は伸び変形してお
り、それに伴い振動板2も変形し、容積が大きくなった
インク室5にはインクが満たされている。インクが射出
される原理は、図1,図2の第1実施例で示したものと
ほぼ同じであり、磁歪素子4が変形することにより振動
板2が変形し、図示しない加熱手段により変形した磁歪
素子4がキュリー温度以上に加熱されることにより、イ
ンク室5内のインクがノズル3より押し出されて射出さ
れる。
【0023】Tb及びFeを含む化合物としてTbFe
2合金を用いた場合、インクが射出される原理を説明す
る。図3に示すようにインクを射出した直後の状態で
は、磁歪素子4は磁界Hを印加され伸びて変形してい
る。この状態ではインクは供給口6より供給されてイン
ク室5はインクで満たされている。次に、その状態から
磁歪素子4に熱を加えキュリー温度以上にすると、図4
のように磁歪素子2と振動板4は変形前の平面の状態に
戻る。この時インク室7のインクを押し出しノズル3よ
りインク滴7となって射出される。磁界の印加方法は特
に限定されるものではない。また、振動板4を無くし磁
歪素子2を単体で振動板と兼用として用いることも可能
である。その場合はより変形を大きくすることができ素
子の小型化が可能となる。またその場合,磁歪素子2と
インクが接する面に薄い保護層などを構成するとさらに
好ましい。Sm及びFeを含む化合物としてSmFeB
を用いた場合は実施例1で説明したように図1と図2の
変形を繰り返すことによりインクが射出される。
【0024】(第4実施例)第4実施例は請求項4の発
明に対応し、磁歪素子に磁界を印加する手段として永久
磁石を用いるインクジェットヘッドに関する。磁歪素子
4に印加する磁界Hを発生する手段としてコイルを用い
磁界を発生させることができるが、より省消費電力化を
するために永久磁石を用い、そこから発生する磁界を磁
歪素子の駆動に利用する。図7は磁歪素子4を上から見
た平面図であるが、磁歪素子4をはさむようにその両側
に永久磁石8,8を配置し磁界Hを印加する。また、図
8に示すように磁歪素子4の上面または横面等に軟磁性
材料9を配置することにより磁気回路が閉じるように構
成でき、効率良く磁歪素子4に磁界Hを印加することが
できるようになり好ましい。
【0025】(第5実施例)第5実施例は請求項5の発
明に対応し、磁歪素子の励磁用の永久磁石8,8として
SmCo系合金、またはNdFeB系合金を用いるイン
クジェットヘッドに関する。SmCo系合金は、磁石の
強度が強く、キュリー温度が高いため、温度にも強いと
いう利点がある。また、NdFeB系合金は、磁石とし
て磁力の強度が最強であるため、強い磁界を印加でき
る。また、これらの合金に元素を添加したものも開発さ
れている。最近ではSmFeNなどの窒化物、炭化物な
ども強力な磁力を有することが明らかとなり、それらの
合金系も適用可能である。また、磁石の腐食等による性
能劣化を防ぐため、保護膜等で覆う等しても良い。
【0026】ここでは、SmCo5合金を用いた例を示
す。図9は、第5実施例のインクジェットヘッドに用い
る磁歪素子4の概略の平面図であるが、SmFe2から
なる磁歪素子4aの両側に永久磁石8a,8aとしてS
mCo5合金を配置し、永久磁石8a,8aと磁歪素子
4aに効率良く磁界が印加されるように軟磁性材料9a
としてNiFe合金等を用いて閉磁路が形成されるよう
に各素子を構成した。
【0027】(第6実施例)第6実施例は請求項6の発
明に対応し、磁歪素子及び/または永久磁石を薄膜で作
製するインクジェットヘッドに関する。図10は、第6
実施例のインクジェットヘッドの概略の断面を示す図で
あるが、磁歪素子4または永久磁石8b,8bを、また
は磁歪素子4b,永久磁石8b,8bの両方を薄膜で作
製する。磁歪素子、永久磁石を薄膜で作製することによ
りフォトリソグラフィ等のプロセス技術を応用すること
ができ、作成法が容易になる。
【0028】(第7実施例)第7実施例は請求項7の発
明に対応し、磁歪素子に熱を加える加熱手段として発熱
体を用いたインクジェットヘッドに関する。図11は、
第7実施例のインクジェットヘッドに用いる磁歪素子4
の概略の平面図であるが、磁歪素子4の近傍に発熱体1
0を設け、発熱体10に電流を流すことにより温度を上
昇させ、磁歪素子4の温度をキュリー温度以上にするこ
とにより駆動する。磁歪素子4としてTbDyFeBア
モルファス合金を用いる。発熱体10はヒータ線だけで
構成できるため、簡単な構成のインクジェットヘッドを
形成することができる。
【0029】(第8実施例)第8実施例は請求項8の発
明に対応し、磁歪素子に熱を加える手段として光または
電磁波を用いたインクジェットヘッドに関する。磁歪素
子4にレーザ等の光を照射することにより光のエネルギ
ーを熱に変換させ磁歪素子をキュリー温度以上にする。
光により磁歪素子4の温度を制御し駆動を行う。図12
は、第8実施例のインクジェットヘッドの概略の断面を
示す図であるが、磁歪素子4にレーザーダイオード11
が発光したレーザ光を照射し、そのエネルギを熱に変え
ることにより磁歪素子4を駆動する。レーザ等の光を用
いることにより、磁歪素子4から離れて駆動手段を構成
することができ、また光は応答が速く、高速駆動に適す
る。
【0030】(第9実施例)第9実施例は請求項9の発
明に対応し、インクを射出するインクジェットヘッドと
して第1〜第9実施例のインクジェットヘッドを用いた
インクジェットプリンタに関する。図13は、インクジ
ェットプリンタの概略の構成を示す側断面図である。こ
のインクジェットプリンタは、給紙カセット21から送
り出した用紙22を給紙ローラ23で搬送し、更に搬送
部24で用紙22を搬送しながらインクジェットヘッド
からなる記録ヘッド25によって用紙22上に画像を記
録して排紙トレイ26に排紙する構成である。そして、
給紙ローラ23の下流側に用紙22の有無を検知したり
用紙22の種別を検出するセンサ27,センサ28を配
置している。ここで、センサ27,センサ28は透過型
フォトセンサを用いることができるが、これに限るもの
ではなく、その他の光学式,メカ式等種々の検知手段を
用いることができる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次のような効果を奏する。 (1)請求項1の発明によれば、インクジェットヘッド
の駆動部を磁歪素子により形成し、磁歪素子に磁界を印
加し、また磁歪素子を加熱することにより駆動するの
で、従来にない新規な構成で、制御性,省消費電力性,
生産性に優れたインクジェットヘッドが実現可能とな
る。
【0032】(2)請求項2の発明によれば、磁歪素子
として、磁界を印加することにより磁界と平行方向に伸
びる磁歪素子材料と磁界と平行方向に縮む磁歪素子材料
の積層体を用いるので、いずれかの磁歪素子材料を単独
で用いた場合に比べ大きな変形が得られるため、インク
の射出制御が容易である。
【0033】(3)請求項3の発明によれば、磁歪素子
として、Tb及びFeを含む化合物、またはSm及びF
eを含む化合物を用いるので、インクジェットヘッドの
インク室の体積変化が大きくでき、インクの射出量の制
御性が向上する。
【0034】(4)請求項4の発明によれば、磁歪素子
に磁界を印加する手段が永久磁石であるので、省消費電
力化が可能となる。
【0035】(5)請求項5の発明によれば、永久磁石
はSmCo系合金、またはNdFeB系合金からなるの
で、より大きな駆動力が得られる。
【0036】(6)請求項6の発明によれば、磁歪素
子,永久磁石は、薄膜で作製するので、インクジェット
ヘッドの作製にあたってより簡便なプロセスを適用する
ことが可能となる。
【0037】(7)請求項7の発明によれば、磁歪素子
の加熱手段が発熱体であるので、比較的単純な素子の構
成にすることができ、その簡単な構成でも大きな駆動力
が得られる。
【0038】(8)請求項8の発明によれば、磁歪素子
の加熱手段が光または電磁波であるので、素子の駆動に
関して制御性が良くなりインクの射出量などの制御性も
向上する。
【0039】(9)請求項9の発明によれば、駆動部が
磁歪素子よりなるインクジェットヘッドを用いたので、
従来とは異なる新規な構成で、制御性,省消費電力性,
生産性に優れたインクジェットプリンタが実現可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のインクジェットヘッドにおい
て、駆動部の磁歪素子が磁界を印加することにより縮む
性質を持つ材料である場合の構成を示す概略断面図であ
る。
【図2】 図1に示すインクジェットヘッドがインクを
射出する時の概略断面図である。
【図3】 第1実施例のインクジェットヘッドにおい
て、駆動部の磁歪素子が磁界を印加することにより伸び
る性質を持つ材料である場合の構成を示す概略断面図で
ある。
【図4】 図2に示すインクジェットヘッドがインクを
射出する時の概略断面図である。
【図5】 第2及び第3実施例のインクジェットヘッド
における、SmFeとTbFe合金の積層体からなる磁
歪素子の積層状態を示す模式図である。
【図6】 図5に示す磁歪素子に磁界を印加した時のS
mFeとTbFe合金の積層状態を示す模式図である。
【図7】 第4実施例のインクジェットヘッドにおけ
る、永久磁石を用いた磁界印加手段を示す概略平面図で
ある。
【図8】 図7に示す永久磁石に磁気回路を形成した磁
界印加手段を示す概略平面図である。
【図9】 第5実施例のインクジェットヘッドにおけ
る、SmCo系合金またはNdFeB系合金からなる永
久磁石を用いた磁界印加手段を示す概略平面図である。
【図10】 第6実施例のインクジェットヘッドにおい
て、薄膜で作成された磁歪素子、永久磁石を用いたイン
クジェットヘッドの断面の概略図である。
【図11】 第7実施例のインクジェットヘッドにおけ
る、発熱体からなる加熱手段を備えた磁界印加手段を示
す概略平面図である。
【図12】 第8実施例のインクジェットヘッドにおい
て、光を用いた加熱手段を備えたインクジェットヘッド
を示す概略断面図である。
【図13】 第9実施例のインクジェットプリンタの概
略断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…振動板、3…ノズル、4,4a,4b…
磁歪素子、5…インク室、6…供給口、7…インク滴、
8,8a,8b…永久磁石、9,9a…軟磁性材料、1
0…発熱体、11…レーザーダイオード、21…給紙カ
セット、22…用紙、23…ローラ、24…搬送部、2
5…記録ヘッド、26…排紙トレイ、27…センサ、2
8…センサ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを射出する駆動部に磁歪素子を用
    い、該磁歪素子に磁界を印加し該磁歪素子を変形してお
    き、前記変形した磁歪素子に熱を加え前記変形を戻す変
    化を起こさせることによりインクを射出することを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記磁歪素子は、磁界を印加することに
    より磁界と平行方向に伸びる性質を持つ材料と磁界と平
    行方向に縮む性質を持つ材料の積層体であることを特徴
    とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁歪素子は、Tb及びFeを含む化
    合物及び/またはSm及びFeを含む化合物からなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁歪素子に磁界を印加する手段は、
    永久磁石であることを特徴とする請求項1乃至3いずれ
    か記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記永久磁石は、SmCo系合金、また
    はNdFeB系合金からなることを特徴とする請求項4
    記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 前記磁歪素子及び/または永久磁石は、
    薄膜で作製することを特徴とする請求項1乃至5いずれ
    か記載のインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 前記磁歪素子に熱を加える手段は、発熱
    体であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載
    のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁歪素子に熱を加える手段は、光ま
    たは電磁波であることを特徴とする請求項1乃至6いず
    れか記載のインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 インクを射出するインクジェットヘッド
    は、請求項1乃至8いずれか記載のインクジェットヘッ
    ドであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104827773A (zh) * 2014-02-12 2015-08-12 精工爱普生株式会社 液体喷射头以及液体喷射装置

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