JP2002144399A - 木材・プラスチック複合材の製造方法および製造装置 - Google Patents

木材・プラスチック複合材の製造方法および製造装置

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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木材を乾燥する処理工程をできるだけ省略で
き、たとえば含水率が7%前後でも複合材の引張強さ、
曲げ強さおよび曲げ弾性率などの機械的強度を充分に高
めることのできる複合材の製造方法を提供することであ
る。 【解決手段】 ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合
物とグラフト重合開始剤を150〜250℃で加熱混合
して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを
生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、前記重
合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンとポリオ
レフィンと粉粒体状の木質材(含水率が、1〜13%)
を100〜200℃で加熱混合する第2の加熱混合工程
を行ない、次いで成形することからなる木材・プラスチ
ック複合材の製造方法とする。単軸または二軸の押出成
形機からなり、第1原料供給口3は、ポリオレフィンと
重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口
とし、第2供給口4は、ポリオレフィンと粉粒体状の木
質材の供給口として、加熱混合および押出成形を連続さ
せる木材・プラスチック複合材の製造装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリオレフィン
と木質材を複合して成形された素材を製造する木材・プ
ラスチック複合材の製造方法およびその製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、木質材の吸水性や微生物などに
よる分解性を抑制し、または木質材加工中に副生した木
粉の再利用(リサイクル)をするために、木粉と熱可塑
性樹脂を混練した木粉コンパウンドを製造し、これを押
出成形や射出成形して複合材を製造することが知られて
いる。
【0003】複合材を素材として適用できる製品として
は、家具、窓枠、ドアパネル、内装パネルなどの建築用
半製品、貯蔵用または輸送用コンテナ、パレット、フェ
ンス、家庭用家具、外壁化粧材などが挙げられる。
【0004】前記木粉コンパウンドの材料の熱可塑性樹
脂としては、木粉と混ざりやすく接着性の良いものが望
ましく、例えば極性の大きい樹脂である塩化ビニル樹
脂、ポリビニルアルコールと酢酸ビニル樹脂との混合物
などが採用されることが多い。
【0005】実際、木材パーチクルと、ポリスチレンや
ポリメタクリル酸メチル微粒子とをそのまま室温で混ぜ
て加熱プレスする場合は、得られた木質ボードに実用性
のある強度がなく、容易に崩れてしまう。
【0006】また、近年では樹脂のリサイクル性や焼却
処理時の環境問題に配慮する観点から、塩化ビニル樹脂
などの塩素含有樹脂よりもポリオレフィンの利用が望ま
れるようになり、通常、疎水性である樹脂と木質材との
親和性を高めるために、木質材とポリオレフィンを混練
する工程において、界面改良の働きをするカップリング
剤を添加する方法や、重合性カルボン酸化合物とグラフ
ト重合開始剤を添加し、ポリオレフィンに対しグラフト
重合させ、カップリング剤として機能する重合性カルボ
ン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する方法など
が開発されている。
【0007】混練中にポリオレフィンをグラフト重合し
た木材・プラスチック複合材の例は、特開平9−316
247号公報に記載されている。この複合材は、ポリオ
レフィン30〜50重量部とリグノセルロース系・セル
ロース系物質70〜50重量部の合計100重量部に対
して多塩基酸無水物1〜20重量部、有機過酸化物0.01
〜1重量部を加熱混練して反応させた組成物であり、押
出成形機や射出成形機により所定の工業用部品材料や建
築材料などに成形可能な木材・プラスチック複合材であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の木材・プラスチック複合材は、木質材を強制的に乾燥
させて含水率を1%未満、好ましくは0.1%以下の低含
水率にしなければ、重合性カルボン酸化合物のポリオレ
フィンに対するグラフト重合率が低下し、結果として複
合材の引張強さや曲げ強さなどの機械的物性を充分に高
められないという問題があった。
【0009】また、木質材を木粉の状態として含水率が
1%未満になるまで工業的に大量に乾燥処理すると、木
質材が劣化するだけでなく、強力な乾燥装置および莫大
な乾燥費用が必要となるので、このような乾燥処理は技
術的にも実用上も困難であった。
【0010】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、木質材を乾燥する処理工程をできるだけ
簡略化でき、たとえば含水率が7%程度(木質材が常態
で有する平均的な含水率)でも複合材の引張強さや曲げ
強さなどの機械的強度を充分に高めることのできる複合
材の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の複合材の製造方法では、ポリオレフィン
と重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤を加熱
混合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィ
ンを生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、前
記重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンとポ
リオレフィンと粉粒体状の木質材を加熱混合する第2の
加熱混合工程を行ない、次いで成形することからなる木
材・プラスチック複合材の製造方法としたのである。
【0012】上記したように、この発明の複合材の製造
方法で第1の加熱混合工程を行うとき、グラフト重合は
木質材の水分に接触しないため、カップリング剤として
機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィ
ンが効率よく所要量生成する。
【0013】そして、第2工程では、第1工程で生成し
た重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンに、
主原料の木質材とポリオレフィンを加えて混練すること
により、そのままでは界面接着性の弱い木質材とポリオ
レフィンとの界面接着性は大きく向上する。このように
して木質材の含有水分量に殆ど関係なく、一定した品質
および強度を有する木材・プラスチック複合材が製造で
きる。
【0014】上記の木材・プラスチック複合材の製造方
法で、第1の加熱混合工程における加熱温度が150〜
250℃であれば、いわゆる樹脂変性が充分に行なわ
れ、重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが
熱処理の効率よく生成する。
【0015】また、上記の木材・プラスチック複合材の
製造方法で、第2の加熱混合工程における加熱温度が1
00〜200℃であれば、木粉が熱分解せず、すなわち
強度を低下させずに効率よく均一混練されたコンパウン
ドになる。
【0016】この発明の木材・プラスチック複合材の製
造方法は、木質材の含水率、すなわち乾燥の程度にあま
り関わりなく機械的強度に優れた複合材を製造すること
ができ、特に木質材の含水率が1〜13%である場合に
も採用できる木材・プラスチック複合材の製造方法であ
る。
【0017】また、前記同様の課題を解決するために本
願の製造装置に係る発明では、加熱可能なシリンダ内に
混合・押出兼用のスクリューを備えた押出成形機からな
り、前記シリンダの原料移動方向の上流側に第1原料供
給口および下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口を
設け、第1原料供給口はポリオレフィンと重合性カルボ
ン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口とし、第2供
給口はポリオレフィンと粉粒体状の木質材の供給口とし
て、加熱混合および押出成形を連続させる装置からなる
木材・プラスチック複合材の製造装置としたのである。
【0018】上記したように構成されるこの発明の製造
装置では、ヒータなどで加熱されるシリンダ内でスクリ
ューが一方向に回転するとき、シリンダ内に第1原料供
給口から供給されたポリオレフィンと重合性カルボン酸
化合物とグラフト重合開始剤は、加熱および混合されて
ポリオレフィンが重合性カルボン酸化合物とグラフト重
合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィン
が効率よく生成し、さらに下流側の第2原料供給口の方
向へ移動する。
【0019】そして、第2原料供給口からポリオレフィ
ンと粉粒体状の木質材が供給されると、前記生成した重
合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが木質材
とポリオレフィンとのカップリング剤として作用し、疎
水性のポリオレフィンと木質材が一体となって、機械的
強度に優れかつ均質の木材・プラスチック複合材が製造
される。
【0020】
【発明の実施の形態】本願の木材・プラスチック複合材
の製造方法に係る発明に用いるポリオレフィンは、周知
のものであってよく、例えばポリエチレンやポリプロピ
レンその他のポリオレフィン系樹脂である。
【0021】このようなポリオレフィンは、実際にはペ
レットまたは粉状の市販樹脂を使用することができ、好
ましい物性としてメルトインデックスが0.1〜200
g/10minであり、より好ましくは0.5〜50g
/10minである。上記範囲未満の低値では混練機に
負荷が大きくなって混練を充分に行なえなくなり、上記
範囲を超える高値では機械的強度が低下して好ましくな
い。
【0022】この発明に用いる重合性カルボン酸化合物
は、不飽和ポリカルボン酸またはカルボキシル基以外に
不飽和結合のある不飽和カルボン酸からなる一群の重合
性を有するカルボン酸化合物であり、エチレン性不飽和
基を有する有機カルボン酸化合物や有機無水カルボン酸
化合物も含まれる。不飽和ポリカルボン酸の例として
は、マレイン酸、シトラコン酸などが挙げられ、カルボ
キシル基以外に不飽和結合を有する不飽和カルボン酸と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが
挙げられ、無水カルボン酸化合物の例としては、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙
げられる。この発明に用いる重合性カルボン酸化合物の
うち、代表例は(CHCO)2Oの式で示される無水マ
レイン酸であり、このものは結晶粒の大きさによって粉
体、顆粒、ペレット状などの形態で一般工業用に市販さ
れている。
【0023】無水マレイン酸などの重合性カルボン酸化
合物の配合量は、効率よくグラフト反応を行なわせるた
めに、ポリオレフィン100重量部に対して0.1〜1
2重量部程度(すなわち、0.1〜12phr)である
ことが好ましい。
【0024】この発明に用いるグラフト重合開始剤は、
重合性カルボン酸化合物とポリオレフィンのグラフト変
性反応を開始させるものであればよく、例えばジクミル
ペルオキシドのような過酸化物(パーオキサイド)が挙
げられる。
【0025】上記以外のパーオキサイドとしては、α,
α´−ビス(t−ブチルペルオキシジイソプロピル)ベ
ンゼン、2,5−ジメチル−(t−ブチルペルオキシ)
ヘキサン、t−ブチルペルオキシクメン、ジ−t−ブチ
ルペルオキシドが挙げられる。上記のパーオキサイドの
うち、粉末で作業の容易なものとしては、ジクミルペル
オキシドおよびα,α´−ビス(t−ブチルペルオキシ
ジイソプロピル)ベンゼンである。
【0026】このようなグラフト重合開始剤の好ましい
配合割合は、効率よく反応を行なわせるために、ポリオ
レフィン100重量部に対して0.005〜1重量部程
度(すなわち、0.005〜1phr)であることが好
ましい。
【0027】第1の加熱混合工程における加熱温度は、
グラフト重合を効率よく行なわせるために150〜25
0℃であることが好ましい。
【0028】第2の加熱混合工程に用いる粉粒体状の木
質材は、木質ボードをリサイクルするために切断、切削
または粉砕した際に得られる粉状または粒状のものや、
製材された木材の粉粒体のいずれであってもよい。木質
ボードの例としては、合板、パーティクルボード、MD
F、OSBその他のエンジニアリングウッドなどが挙げ
られる。また、木材の種類としては、針葉樹、広葉樹の
いずれであってもよく、竹や籾殻などを採用することも
できる。
【0029】粉粒体状の木質材の大きさは、特に限定さ
れるものではないが、1mm以下の切断粉もしくは切削
粉、またはそれらを粉砕した300μm以下の粉などは
適切なものである。木質材は、その表面を周知の物理的
処理または化学的処理(表面化学処理)によって分散性
または親和性を改善したものであっても問題はない。
【0030】また、この発明でいう木質材の含水率は、
JIS Z 2101(木材の試験方法)で測定された
値(%)であり、この発明に用いることができる木質材
の含水率は、通常、1〜13%程度である。
【0031】因みに、粉粒体状の木質材を工業的に大量
に乾燥させる場合、含水率を1%未満にしようとする
と、木質材を劣化させるだけでなく、強力な乾燥装置が
必要となり、また莫大な費用を要する。木質材を劣化さ
せないで最もよく乾燥させた場合でも1%以上になると
考えられる。また、この発明では、木質材の含水率が多
くても重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィン
の生成効率は低下しないが、常態の含水率範囲を超えて
13%以上になった場合、木質材から発生する水蒸気の
ために混練効率が著しく低下することになり好ましくな
い。
【0032】粉粒体状の木質材の配合割合は、ポリオレ
フィン100重量部に対して25〜150重量部であ
る。上記所定範囲未満の少量を配合した複合材を成形し
た場合、充分な木質感を得ることができないため好まし
くない。また、上記所定範囲を超えて多量に配合する
と、流動性が悪くなり、混練効率が著しく低下するので
好ましくない。
【0033】第2の加熱混合工程における加熱温度は、
100〜200℃とすることが好ましい。なぜなら、2
00℃を超えると木質材は縮合反応などによる分解を急
激に始めるので劣化する。また、100℃未満の低温で
は、ポリオレフィンは充分に溶融軟化せず、効率よく混
練することが困難になるからである。
【0034】第2の加熱混合工程を終了した後のコンパ
ウンドの成形方法は、押出成形に限定されるものではな
く、射出成形や圧縮成形を採用することもできる。成形
体の形態についても特に限定されるものではないのは勿
論である。
【0035】なお、木材・プラスチック複合材には、周
知の添加材を含有していてもよく、例えば木酢ガス吸着
剤として生石灰(粉体)、耐熱顔料の酸化チタン(粉
体)、滑剤のステアリン酸カルシウム(粉体)などが挙
げられる。
【0036】図1に示すように、実施形態の木材・プラ
スチック複合材の製造装置は、ヒータで加熱可能なシリ
ンダ1内に混合・押出兼用のスクリュー2を備えた単軸
または二軸の押出成形機であり、シリンダ1の原料移動
方向の上流側に第1原料供給口(第1のホッパー)3を
設け、下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口(第2
のホッパー)4を設け、第1原料供給口3は、ポリオレ
フィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤
の供給口とし、第2原料供給口4は、ポリオレフィンと
粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合および押出
成形を連続させる装置である。
【0037】なお、図中の符号5はヘッド、符号6はダ
イを示し、範囲を示すAは、第1の加熱混合工程を行な
う部分であり、Bは、第2の加熱混合工程を行なう部分
である。第1原料供給口3からのポリオレフィンの投入
量は、使用するポリオレフィンの全量のうち、5〜10
0%を設定することが可能であるが、通常、5〜50%
程度が好ましい範囲であるといえる。
【0038】上記の製造装置では、第1の加熱混合工程
と第2の加熱混合工程において、それぞれ最適な温度条
件に設定することができ、原材料の種類によって最適な
条件にすることにより、機械的強度をさらに高めること
のできる複合材の製造装置である。
【0039】
【実施例および比較例】〔実施例1〜3、比較例1〜
6〕二軸混練押出機(プラスチック工学研究所社製:B
T−30−S2−42L、直径30mm、L/D=4
2、二軸同方向回転)を用いて、下記の材料(1)〜
(4)を表1に示す割合で第1供給口(シリンダ後部)
または第2供給口(シリンダ前部)からそれぞれ投入
し、押出成形によって性能試験用の試験片を形成した。
なお、シリンダ内のスクリューの回転速度は、100r
pmとし、第1の加熱混合工程(変性反応工程)の温度
は200℃、第2の加熱混合工程(混練工程)の温度は
150〜180℃とした。 (1)ポリプロピレン(グランドポリマー社製:グラン
ドポリプロ) (2)木粉(パーティクルボード切断粉、粒径1mm以
下、JIS Z 2101による含水率1%、7%または1
3%) (3)無水マレイン酸(三菱化学社製:一般工業用顆
粒) (4)ジクミルペルオキシド(グラフト重合開始剤) 得られた試験片に対して行なった性能試験は、(a)引
張強さ、(b)曲げ強さ、(c)曲げ弾性率であり、い
ずれもJIS K 7203に準拠して行なった。これ
らの試験結果を表1中に併記し、さらに(a)(b)
(c)の試験結果については、木粉の含水率の違いと、
第1または第2の供給口の選択使用によるポリオレフィ
ンのグラフト重合のタイミングの違いから見た強度の評
価を図2(引張強さ)、図3(曲げ強さ)および図4
(曲げ弾性率)の図表に示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1、図2、図3および図4の結果からも
明らかなように、製造工程において、無水マレイン酸と
ポリオレフィンのグラフト重合と混練を同一工程とした
比較例1〜3は、ポリオレフィンをグラフト重合させず
に製造した比較例4〜6に比べて引張強さ、曲げ強さお
よび曲げ弾性率は高いが、含水率が7%以上の木粉を用
いた場合には充分に改良されているとはいえない。
【0042】これに対して、グラフト重合専用の製造工
程で得られた実施例1〜3は、含水率7%(非乾燥状
態)の木粉を原料とする場合でも含水率1%(乾燥状
態)の木粉を用いた場合と同等の引張強さおよび曲げ強
さがあった。従って、この発明の複合材の製造方法であ
れば、木質材を乾燥する処理工程を省略することも可能
であり、さらに通常より加湿された状態である含水率が
7%を越える木質材を用いても複合材の機械的強度を充
分に高められる製造方法であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本願の木材・プラスチック複合材の製造
方法は、以上説明したように、重合性カルボン酸化合物
グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱混合工程
を行ない、その後、木質材を加熱混合する第2の加熱混
合工程を行ない、次いで成形するので、第1の加熱混合
工程で、グラフト重合は木質材の有する水分に接触する
ことがないため、カップリング剤として機能する重合性
カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを効率よく生
成し、第2の加熱混合工程では重合性カルボン酸化合物
グラフトポリオレフィンが、界面改良剤として機能し、
主原料であるポリオレフィンと木質材の界面接着強度を
向上させるので、木質材の強制乾燥の処理工程を省略で
き、たとえば常態に保管されていた場合などのように含
水率が7%前後の木質材を使用しても複合材の引張強
さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率などの機械的強度を充分
に高めることができる。
【0044】また、この発明の製造装置によれば、上記
製造方法によって奏される効果が確実に得られ、生成し
た重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが木
質材とポリオレフィンのカップリング剤として効率よく
作用して、引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率などの
機械的強度を充分に高めることのできる木材・プラスチ
ック複合材の製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材・プラスチック複合材の製造装置の実施形
態を示す断面図
【図2】実施例および比較例における含水率の違いと引
張強さとの関係を示す図表
【図3】実施例および比較例における含水率の違いと曲
げ強さとの関係を示す図表
【図4】実施例および比較例における含水率の違いと曲
げ弾性率との関係を示す図表
【符号の説明】
1 シリンダ 2 スクリュー 3 第1原料供給口 4 第2原料供給口 5 ヘッド 6 ダイ A 第1の加熱混合工程 B 第2の加熱混合工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/06 C08L 51/06 97/02 97/02 // B29K 1:00 B29K 1:00 23:00 23:00 35:00 35:00 B29L 31:10 B29L 31:10 Fターム(参考) 2B260 BA01 BA15 BA18 CD02 CD04 CD06 CD30 DA07 DA18 DC01 DD03 EA13 EB02 EB08 EC18 4F071 AA14 AA14X AA32X AA36X AA73 AA77 BB06 BC07 4F207 AA01 AA03 AA11 AA20 AC04 AF08 AH01 AH46 AH51 KA01 KA17 KF12 KK13 4J002 AH00Y BB12X BN05W GL00 4J026 AA13 BA25 BA34 BA35 DB05 DB13 GA06 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合
    物とグラフト重合開始剤を加熱混合して重合性カルボン
    酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱
    混合工程を行ない、その後、前記重合性カルボン酸化合
    物グラフトポリオレフィンとポリオレフィンと粉粒体状
    の木質材を加熱混合する第2の加熱混合工程を行ない、
    次いで成形することからなる木材・プラスチック複合材
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の加熱混合工程における加熱温度が
    150〜250℃である請求項1記載の木材・プラスチ
    ック複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の加熱混合工程における加熱温度が
    100〜200℃である請求項1記載の木材・プラスチ
    ック複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 木質材の含水率が、1〜13%である請
    求項1〜3のいずれかに記載の木材・プラスチック複合
    材の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱可能なシリンダ内に混合・押出兼用
    のスクリューを備えた押出成形機からなり、前記シリン
    ダの原料移動方向の上流側に第1原料供給口および下流
    側に所定間隔を開けて第2原料供給口を設け、第1原料
    供給口はポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグ
    ラフト重合開始剤の供給口とし、第2供給口はポリオレ
    フィンと粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合お
    よび押出成形を連続させる装置からなる木材・プラスチ
    ック複合材の製造装置。
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