JP3641202B2 - 木材・プラスチック複合材の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポリオレフィンと木質材を複合して成形された素材を製造する木材・プラスチック複合材の製造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、木質材の吸水性や微生物などによる分解性を抑制し、または木質材加工中に副生した木粉の再利用(リサイクル)をするために、木粉と熱可塑性樹脂を混練した木粉コンパウンドを製造し、これを押出成形や射出成形して複合材を製造することが知られている。
【0003】
複合材を素材として適用できる製品としては、家具、窓枠、ドアパネル、内装パネルなどの建築用半製品、貯蔵用または輸送用コンテナ、パレット、フェンス、家庭用家具、外壁化粧材などが挙げられる。
【0004】
前記木粉コンパウンドの材料の熱可塑性樹脂としては、木粉と混ざりやすく接着性の良いものが望ましく、例えば極性の大きい樹脂である塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールと酢酸ビニル樹脂との混合物などが採用されることが多い。
【0005】
実際、木材パーチクルと、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル微粒子とをそのまま室温で混ぜて加熱プレスする場合は、得られた木質ボードに実用性のある強度がなく、容易に崩れてしまう。
【0006】
また、近年では樹脂のリサイクル性や焼却処理時の環境問題に配慮する観点から、塩化ビニル樹脂などの塩素含有樹脂よりもポリオレフィンの利用が望まれるようになり、通常、疎水性である樹脂と木質材との親和性を高めるために、木質材とポリオレフィンを混練する工程において、界面改良の働きをするカップリング剤を添加する方法や、重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤を添加し、ポリオレフィンに対しグラフト重合させ、カップリング剤として機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する方法などが開発されている。
【0007】
混練中にポリオレフィンをグラフト重合した木材・プラスチック複合材の例は、特開平9−316247号公報に記載されている。この複合材は、ポリオレフィン30〜50重量部とリグノセルロース系・セルロース系物質70〜50重量部の合計100重量部に対して多塩基酸無水物1〜20重量部、有機過酸化物0.01〜1重量部を加熱混練して反応させた組成物であり、押出成形機や射出成形機により所定の工業用部品材料や建築材料などに成形可能な木材・プラスチック複合材である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の木材・プラスチック複合材は、木質材を強制的に乾燥させて含水率を1%未満、好ましくは0.1%以下の低含水率にしなければ、重合性カルボン酸化合物のポリオレフィンに対するグラフト重合率が低下し、結果として複合材の引張強さや曲げ強さなどの機械的物性を充分に高められないという問題があった。
【0009】
また、木質材を木粉の状態として含水率が1%未満になるまで工業的に大量に乾燥処理すると、木質材が劣化するだけでなく、強力な乾燥装置および莫大な乾燥費用が必要となるので、このような乾燥処理は技術的にも実用上も困難であった。
【0010】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、木質材を乾燥する処理工程をできるだけ簡略化でき、たとえば含水率が7%程度(木質材が常態で有する平均的な含水率)でも複合材の引張強さや曲げ強さなどの機械的強度を充分に高めることのできる複合材の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の複合材の製造方法では、ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤を加熱混合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、前記重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンとポリオレフィンと粉粒体状の木質材を加熱混合する第2の加熱混合工程を行ない、次いで成形することからなる木材・プラスチック複合材の製造方法としたのである。
【0012】
上記したように、この発明の複合材の製造方法で第1の加熱混合工程を行うとき、グラフト重合は木質材の水分に接触しないため、カップリング剤として機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが効率よく所要量生成する。
【0013】
そして、第2工程では、第1工程で生成した重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンに、主原料の木質材とポリオレフィンを加えて混練することにより、そのままでは界面接着性の弱い木質材とポリオレフィンとの界面接着性は大きく向上する。このようにして木質材の含有水分量に殆ど関係なく、一定した品質および強度を有する木材・プラスチック複合材が製造できる。
【0014】
上記の木材・プラスチック複合材の製造方法で、第1の加熱混合工程における加熱温度が150〜250℃であれば、いわゆる樹脂変性が充分に行なわれ、重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが熱処理の効率よく生成する。
【0015】
また、上記の木材・プラスチック複合材の製造方法で、第2の加熱混合工程における加熱温度が100〜200℃であれば、木粉が熱分解せず、すなわち強度を低下させずに効率よく均一混練されたコンパウンドになる。
【0016】
この発明の木材・プラスチック複合材の製造方法は、木質材の含水率、すなわち乾燥の程度にあまり関わりなく機械的強度に優れた複合材を製造することができ、特に木質材の含水率が1〜13%である場合にも採用できる木材・プラスチック複合材の製造方法である。
【0017】
また、前記同様の課題を解決するために本願の製造装置に係る発明では、加熱可能なシリンダ内に混合・押出兼用のスクリューを備えた押出成形機からなり、前記シリンダの原料移動方向の上流側に第1原料供給口および下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口を設け、第1原料供給口はポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口とし、第2供給口はポリオレフィンと粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合および押出成形を連続させる装置からなる木材・プラスチック複合材の製造装置としたのである。
【0018】
上記したように構成されるこの発明の製造装置では、ヒータなどで加熱されるシリンダ内でスクリューが一方向に回転するとき、シリンダ内に第1原料供給口から供給されたポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤は、加熱および混合されてポリオレフィンが重合性カルボン酸化合物とグラフト重合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが効率よく生成し、さらに下流側の第2原料供給口の方向へ移動する。
【0019】
そして、第2原料供給口からポリオレフィンと粉粒体状の木質材が供給されると、前記生成した重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが木質材とポリオレフィンとのカップリング剤として作用し、疎水性のポリオレフィンと木質材が一体となって、機械的強度に優れかつ均質の木材・プラスチック複合材が製造される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本願の木材・プラスチック複合材の製造方法に係る発明に用いるポリオレフィンは、周知のものであってよく、例えばポリエチレンやポリプロピレンその他のポリオレフィン系樹脂である。
【0021】
このようなポリオレフィンは、実際にはペレットまたは粉状の市販樹脂を使用することができ、好ましい物性としてメルトインデックスが0.1〜200g/10minであり、より好ましくは0.5〜50g/10minである。上記範囲未満の低値では混練機に負荷が大きくなって混練を充分に行なえなくなり、上記範囲を超える高値では機械的強度が低下して好ましくない。
【0022】
この発明に用いる重合性カルボン酸化合物は、不飽和ポリカルボン酸またはカルボキシル基以外に不飽和結合のある不飽和カルボン酸からなる一群の重合性を有するカルボン酸化合物であり、エチレン性不飽和基を有する有機カルボン酸化合物や有機無水カルボン酸化合物も含まれる。不飽和ポリカルボン酸の例としては、マレイン酸、シトラコン酸などが挙げられ、カルボキシル基以外に不飽和結合を有する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられ、無水カルボン酸化合物の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。この発明に用いる重合性カルボン酸化合物のうち、代表例は(CHCO)2Oの式で示される無水マレイン酸であり、このものは結晶粒の大きさによって粉体、顆粒、ペレット状などの形態で一般工業用に市販されている。
【0023】
無水マレイン酸などの重合性カルボン酸化合物の配合量は、効率よくグラフト反応を行なわせるために、ポリオレフィン100重量部に対して0.1〜12重量部程度(すなわち、0.1〜12phr)であることが好ましい。
【0024】
この発明に用いるグラフト重合開始剤は、重合性カルボン酸化合物とポリオレフィンのグラフト変性反応を開始させるものであればよく、例えばジクミルペルオキシドのような過酸化物(パーオキサイド)が挙げられる。
【0025】
上記以外のパーオキサイドとしては、α,α´−ビス(t−ブチルペルオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシクメン、ジ−t−ブチルペルオキシドが挙げられる。上記のパーオキサイドのうち、粉末で作業の容易なものとしては、ジクミルペルオキシドおよびα,α´−ビス(t−ブチルペルオキシ ジイソプロピル)ベンゼンである。
【0026】
このようなグラフト重合開始剤の好ましい配合割合は、効率よく反応を行なわせるために、ポリオレフィン100重量部に対して0.005〜1重量部程度(すなわち、0.005〜1phr)であることが好ましい。
【0027】
第1の加熱混合工程における加熱温度は、グラフト重合を効率よく行なわせるために150〜250℃であることが好ましい。
【0028】
第2の加熱混合工程に用いる粉粒体状の木質材は、木質ボードをリサイクルするために切断、切削または粉砕した際に得られる粉状または粒状のものや、製材された木材の粉粒体のいずれであってもよい。木質ボードの例としては、合板、パーティクルボード、MDF、OSBその他のエンジニアリングウッドなどが挙げられる。また、木材の種類としては、針葉樹、広葉樹のいずれであってもよく、竹や籾殻などを採用することもできる。
【0029】
粉粒体状の木質材の大きさは、特に限定されるものではないが、1mm以下の切断粉もしくは切削粉、またはそれらを粉砕した300μm以下の粉などは適切なものである。木質材は、その表面を周知の物理的処理または化学的処理(表面化学処理)によって分散性または親和性を改善したものであっても問題はない。
【0030】
また、この発明でいう木質材の含水率は、JIS Z 2101(木材の試験方法)で測定された値(%)であり、この発明に用いることができる木質材の含水率は、通常、1〜13%程度である。
【0031】
因みに、粉粒体状の木質材を工業的に大量に乾燥させる場合、含水率を1%未満にしようとすると、木質材を劣化させるだけでなく、強力な乾燥装置が必要となり、また莫大な費用を要する。木質材を劣化させないで最もよく乾燥させた場合でも1%以上になると考えられる。また、この発明では、木質材の含水率が多くても重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンの生成効率は低下しないが、常態の含水率範囲を超えて13%以上になった場合、木質材から発生する水蒸気のために混練効率が著しく低下することになり好ましくない。
【0032】
粉粒体状の木質材の配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して25〜150重量部である。上記所定範囲未満の少量を配合した複合材を成形した場合、充分な木質感を得ることができないため好ましくない。また、上記所定範囲を超えて多量に配合すると、流動性が悪くなり、混練効率が著しく低下するので好ましくない。
【0033】
第2の加熱混合工程における加熱温度は、100〜200℃とすることが好ましい。なぜなら、200℃を超えると木質材は縮合反応などによる分解を急激に始めるので劣化する。また、100℃未満の低温では、ポリオレフィンは充分に溶融軟化せず、効率よく混練することが困難になるからである。
【0034】
第2の加熱混合工程を終了した後のコンパウンドの成形方法は、押出成形に限定されるものではなく、射出成形や圧縮成形を採用することもできる。成形体の形態についても特に限定されるものではないのは勿論である。
【0035】
なお、木材・プラスチック複合材には、周知の添加材を含有していてもよく、例えば木酢ガス吸着剤として生石灰(粉体)、耐熱顔料の酸化チタン(粉体)、滑剤のステアリン酸カルシウム(粉体)などが挙げられる。
【0036】
図1に示すように、実施形態の木材・プラスチック複合材の製造装置は、ヒータで加熱可能なシリンダ1内に混合・押出兼用のスクリュー2を備えた単軸または二軸の押出成形機であり、シリンダ1の原料移動方向の上流側に第1原料供給口(第1のホッパー)3を設け、下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口(第2のホッパー)4を設け、第1原料供給口3は、ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口とし、第2原料供給口4は、ポリオレフィンと粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合および押出成形を連続させる装置である。
【0037】
なお、図中の符号5はヘッド、符号6はダイを示し、範囲を示すAは、第1の加熱混合工程を行なう部分であり、Bは、第2の加熱混合工程を行なう部分である。第1原料供給口3からのポリオレフィンの投入量は、使用するポリオレフィンの全量のうち、5〜100%を設定することが可能であるが、通常、5〜50%程度が好ましい範囲であるといえる。
【0038】
上記の製造装置では、第1の加熱混合工程と第2の加熱混合工程において、それぞれ最適な温度条件に設定することができ、原材料の種類によって最適な条件にすることにより、機械的強度をさらに高めることのできる複合材の製造装置である。
【0039】
【実施例および比較例】
〔実施例1〜3、比較例1〜6〕
二軸混練押出機(プラスチック工学研究所社製:BT−30−S2−42L、直径30mm、L/D=42、二軸同方向回転)を用いて、下記の材料(1)〜(4)を表1に示す割合で第1供給口(シリンダ後部)または第2供給口(シリンダ前部)からそれぞれ投入し、押出成形によって性能試験用の試験片を形成した。なお、シリンダ内のスクリューの回転速度は、100rpmとし、第1の加熱混合工程(変性反応工程)の温度は200℃、第2の加熱混合工程(混練工程)の温度は150〜180℃とした。
(1)ポリプロピレン(グランドポリマー社製:グランドポリプロ)
(2)木粉(パーティクルボード切断粉、粒径1mm以下、JIS Z 2101による含水率1%、7%または13%)
(3)無水マレイン酸(三菱化学社製:一般工業用顆粒)
(4)ジクミルペルオキシド(グラフト重合開始剤)
得られた試験片に対して行なった性能試験は、(a)引張強さ、(b)曲げ強さ、(c)曲げ弾性率であり、いずれもJIS K 7203に準拠して行なった。これらの試験結果を表1中に併記し、さらに(a)(b)(c)の試験結果については、木粉の含水率の違いと、第1または第2の供給口の選択使用によるポリオレフィンのグラフト重合のタイミングの違いから見た強度の評価を図2(引張強さ)、図3(曲げ強さ)および図4(曲げ弾性率)の図表に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1、図2、図3および図4の結果からも明らかなように、製造工程において、無水マレイン酸とポリオレフィンのグラフト重合と混練を同一工程とした比較例1〜3は、ポリオレフィンをグラフト重合させずに製造した比較例4〜6に比べて引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率は高いが、含水率が7%以上の木粉を用いた場合には充分に改良されているとはいえない。
【0042】
これに対して、グラフト重合専用の製造工程で得られた実施例1〜3は、含水率7%(非乾燥状態)の木粉を原料とする場合でも含水率1%(乾燥状態)の木粉を用いた場合と同等の引張強さおよび曲げ強さがあった。従って、この発明の複合材の製造方法であれば、木質材を乾燥する処理工程を省略することも可能であり、さらに通常より加湿された状態である含水率が7%を越える木質材を用いても複合材の機械的強度を充分に高められる製造方法であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本願の木材・プラスチック複合材の製造方法は、以上説明したように、重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、木質材を加熱混合する第2の加熱混合工程を行ない、次いで成形するので、第1の加熱混合工程で、グラフト重合は木質材の有する水分に接触することがないため、カップリング剤として機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを効率よく生成し、第2の加熱混合工程では重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが、界面改良剤として機能し、主原料であるポリオレフィンと木質材の界面接着強度を向上させるので、木質材の強制乾燥の処理工程を省略でき、たとえば常態に保管されていた場合などのように含水率が7%前後の木質材を使用しても複合材の引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率などの機械的強度を充分に高めることができる。
【0044】
また、この発明の製造装置によれば、上記製造方法によって奏される効果が確実に得られ、生成した重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが木質材とポリオレフィンのカップリング剤として効率よく作用して、引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率などの機械的強度を充分に高めることのできる木材・プラスチック複合材の製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材・プラスチック複合材の製造装置の実施形態を示す断面図
【図2】実施例および比較例における含水率の違いと引張強さとの関係を示す図表
【図3】実施例および比較例における含水率の違いと曲げ強さとの関係を示す図表
【図4】実施例および比較例における含水率の違いと曲げ弾性率との関係を示す図表
【符号の説明】
1 シリンダ
2 スクリュー
3 第1原料供給口
4 第2原料供給口
5 ヘッド
6 ダイ
A 第1の加熱混合工程
B 第2の加熱混合工程
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポリオレフィンと木質材を複合して成形された素材を製造する木材・プラスチック複合材の製造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、木質材の吸水性や微生物などによる分解性を抑制し、または木質材加工中に副生した木粉の再利用(リサイクル)をするために、木粉と熱可塑性樹脂を混練した木粉コンパウンドを製造し、これを押出成形や射出成形して複合材を製造することが知られている。
【0003】
複合材を素材として適用できる製品としては、家具、窓枠、ドアパネル、内装パネルなどの建築用半製品、貯蔵用または輸送用コンテナ、パレット、フェンス、家庭用家具、外壁化粧材などが挙げられる。
【0004】
前記木粉コンパウンドの材料の熱可塑性樹脂としては、木粉と混ざりやすく接着性の良いものが望ましく、例えば極性の大きい樹脂である塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールと酢酸ビニル樹脂との混合物などが採用されることが多い。
【0005】
実際、木材パーチクルと、ポリスチレンやポリメタクリル酸メチル微粒子とをそのまま室温で混ぜて加熱プレスする場合は、得られた木質ボードに実用性のある強度がなく、容易に崩れてしまう。
【0006】
また、近年では樹脂のリサイクル性や焼却処理時の環境問題に配慮する観点から、塩化ビニル樹脂などの塩素含有樹脂よりもポリオレフィンの利用が望まれるようになり、通常、疎水性である樹脂と木質材との親和性を高めるために、木質材とポリオレフィンを混練する工程において、界面改良の働きをするカップリング剤を添加する方法や、重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤を添加し、ポリオレフィンに対しグラフト重合させ、カップリング剤として機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する方法などが開発されている。
【0007】
混練中にポリオレフィンをグラフト重合した木材・プラスチック複合材の例は、特開平9−316247号公報に記載されている。この複合材は、ポリオレフィン30〜50重量部とリグノセルロース系・セルロース系物質70〜50重量部の合計100重量部に対して多塩基酸無水物1〜20重量部、有機過酸化物0.01〜1重量部を加熱混練して反応させた組成物であり、押出成形機や射出成形機により所定の工業用部品材料や建築材料などに成形可能な木材・プラスチック複合材である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の木材・プラスチック複合材は、木質材を強制的に乾燥させて含水率を1%未満、好ましくは0.1%以下の低含水率にしなければ、重合性カルボン酸化合物のポリオレフィンに対するグラフト重合率が低下し、結果として複合材の引張強さや曲げ強さなどの機械的物性を充分に高められないという問題があった。
【0009】
また、木質材を木粉の状態として含水率が1%未満になるまで工業的に大量に乾燥処理すると、木質材が劣化するだけでなく、強力な乾燥装置および莫大な乾燥費用が必要となるので、このような乾燥処理は技術的にも実用上も困難であった。
【0010】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、木質材を乾燥する処理工程をできるだけ簡略化でき、たとえば含水率が7%程度(木質材が常態で有する平均的な含水率)でも複合材の引張強さや曲げ強さなどの機械的強度を充分に高めることのできる複合材の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の複合材の製造方法では、ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤を加熱混合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、前記重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンとポリオレフィンと粉粒体状の木質材を加熱混合する第2の加熱混合工程を行ない、次いで成形することからなる木材・プラスチック複合材の製造方法としたのである。
【0012】
上記したように、この発明の複合材の製造方法で第1の加熱混合工程を行うとき、グラフト重合は木質材の水分に接触しないため、カップリング剤として機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが効率よく所要量生成する。
【0013】
そして、第2工程では、第1工程で生成した重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンに、主原料の木質材とポリオレフィンを加えて混練することにより、そのままでは界面接着性の弱い木質材とポリオレフィンとの界面接着性は大きく向上する。このようにして木質材の含有水分量に殆ど関係なく、一定した品質および強度を有する木材・プラスチック複合材が製造できる。
【0014】
上記の木材・プラスチック複合材の製造方法で、第1の加熱混合工程における加熱温度が150〜250℃であれば、いわゆる樹脂変性が充分に行なわれ、重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが熱処理の効率よく生成する。
【0015】
また、上記の木材・プラスチック複合材の製造方法で、第2の加熱混合工程における加熱温度が100〜200℃であれば、木粉が熱分解せず、すなわち強度を低下させずに効率よく均一混練されたコンパウンドになる。
【0016】
この発明の木材・プラスチック複合材の製造方法は、木質材の含水率、すなわち乾燥の程度にあまり関わりなく機械的強度に優れた複合材を製造することができ、特に木質材の含水率が1〜13%である場合にも採用できる木材・プラスチック複合材の製造方法である。
【0017】
また、前記同様の課題を解決するために本願の製造装置に係る発明では、加熱可能なシリンダ内に混合・押出兼用のスクリューを備えた押出成形機からなり、前記シリンダの原料移動方向の上流側に第1原料供給口および下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口を設け、第1原料供給口はポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口とし、第2供給口はポリオレフィンと粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合および押出成形を連続させる装置からなる木材・プラスチック複合材の製造装置としたのである。
【0018】
上記したように構成されるこの発明の製造装置では、ヒータなどで加熱されるシリンダ内でスクリューが一方向に回転するとき、シリンダ内に第1原料供給口から供給されたポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤は、加熱および混合されてポリオレフィンが重合性カルボン酸化合物とグラフト重合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが効率よく生成し、さらに下流側の第2原料供給口の方向へ移動する。
【0019】
そして、第2原料供給口からポリオレフィンと粉粒体状の木質材が供給されると、前記生成した重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが木質材とポリオレフィンとのカップリング剤として作用し、疎水性のポリオレフィンと木質材が一体となって、機械的強度に優れかつ均質の木材・プラスチック複合材が製造される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本願の木材・プラスチック複合材の製造方法に係る発明に用いるポリオレフィンは、周知のものであってよく、例えばポリエチレンやポリプロピレンその他のポリオレフィン系樹脂である。
【0021】
このようなポリオレフィンは、実際にはペレットまたは粉状の市販樹脂を使用することができ、好ましい物性としてメルトインデックスが0.1〜200g/10minであり、より好ましくは0.5〜50g/10minである。上記範囲未満の低値では混練機に負荷が大きくなって混練を充分に行なえなくなり、上記範囲を超える高値では機械的強度が低下して好ましくない。
【0022】
この発明に用いる重合性カルボン酸化合物は、不飽和ポリカルボン酸またはカルボキシル基以外に不飽和結合のある不飽和カルボン酸からなる一群の重合性を有するカルボン酸化合物であり、エチレン性不飽和基を有する有機カルボン酸化合物や有機無水カルボン酸化合物も含まれる。不飽和ポリカルボン酸の例としては、マレイン酸、シトラコン酸などが挙げられ、カルボキシル基以外に不飽和結合を有する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられ、無水カルボン酸化合物の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。この発明に用いる重合性カルボン酸化合物のうち、代表例は(CHCO)2Oの式で示される無水マレイン酸であり、このものは結晶粒の大きさによって粉体、顆粒、ペレット状などの形態で一般工業用に市販されている。
【0023】
無水マレイン酸などの重合性カルボン酸化合物の配合量は、効率よくグラフト反応を行なわせるために、ポリオレフィン100重量部に対して0.1〜12重量部程度(すなわち、0.1〜12phr)であることが好ましい。
【0024】
この発明に用いるグラフト重合開始剤は、重合性カルボン酸化合物とポリオレフィンのグラフト変性反応を開始させるものであればよく、例えばジクミルペルオキシドのような過酸化物(パーオキサイド)が挙げられる。
【0025】
上記以外のパーオキサイドとしては、α,α´−ビス(t−ブチルペルオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシクメン、ジ−t−ブチルペルオキシドが挙げられる。上記のパーオキサイドのうち、粉末で作業の容易なものとしては、ジクミルペルオキシドおよびα,α´−ビス(t−ブチルペルオキシ ジイソプロピル)ベンゼンである。
【0026】
このようなグラフト重合開始剤の好ましい配合割合は、効率よく反応を行なわせるために、ポリオレフィン100重量部に対して0.005〜1重量部程度(すなわち、0.005〜1phr)であることが好ましい。
【0027】
第1の加熱混合工程における加熱温度は、グラフト重合を効率よく行なわせるために150〜250℃であることが好ましい。
【0028】
第2の加熱混合工程に用いる粉粒体状の木質材は、木質ボードをリサイクルするために切断、切削または粉砕した際に得られる粉状または粒状のものや、製材された木材の粉粒体のいずれであってもよい。木質ボードの例としては、合板、パーティクルボード、MDF、OSBその他のエンジニアリングウッドなどが挙げられる。また、木材の種類としては、針葉樹、広葉樹のいずれであってもよく、竹や籾殻などを採用することもできる。
【0029】
粉粒体状の木質材の大きさは、特に限定されるものではないが、1mm以下の切断粉もしくは切削粉、またはそれらを粉砕した300μm以下の粉などは適切なものである。木質材は、その表面を周知の物理的処理または化学的処理(表面化学処理)によって分散性または親和性を改善したものであっても問題はない。
【0030】
また、この発明でいう木質材の含水率は、JIS Z 2101(木材の試験方法)で測定された値(%)であり、この発明に用いることができる木質材の含水率は、通常、1〜13%程度である。
【0031】
因みに、粉粒体状の木質材を工業的に大量に乾燥させる場合、含水率を1%未満にしようとすると、木質材を劣化させるだけでなく、強力な乾燥装置が必要となり、また莫大な費用を要する。木質材を劣化させないで最もよく乾燥させた場合でも1%以上になると考えられる。また、この発明では、木質材の含水率が多くても重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンの生成効率は低下しないが、常態の含水率範囲を超えて13%以上になった場合、木質材から発生する水蒸気のために混練効率が著しく低下することになり好ましくない。
【0032】
粉粒体状の木質材の配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して25〜150重量部である。上記所定範囲未満の少量を配合した複合材を成形した場合、充分な木質感を得ることができないため好ましくない。また、上記所定範囲を超えて多量に配合すると、流動性が悪くなり、混練効率が著しく低下するので好ましくない。
【0033】
第2の加熱混合工程における加熱温度は、100〜200℃とすることが好ましい。なぜなら、200℃を超えると木質材は縮合反応などによる分解を急激に始めるので劣化する。また、100℃未満の低温では、ポリオレフィンは充分に溶融軟化せず、効率よく混練することが困難になるからである。
【0034】
第2の加熱混合工程を終了した後のコンパウンドの成形方法は、押出成形に限定されるものではなく、射出成形や圧縮成形を採用することもできる。成形体の形態についても特に限定されるものではないのは勿論である。
【0035】
なお、木材・プラスチック複合材には、周知の添加材を含有していてもよく、例えば木酢ガス吸着剤として生石灰(粉体)、耐熱顔料の酸化チタン(粉体)、滑剤のステアリン酸カルシウム(粉体)などが挙げられる。
【0036】
図1に示すように、実施形態の木材・プラスチック複合材の製造装置は、ヒータで加熱可能なシリンダ1内に混合・押出兼用のスクリュー2を備えた単軸または二軸の押出成形機であり、シリンダ1の原料移動方向の上流側に第1原料供給口(第1のホッパー)3を設け、下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口(第2のホッパー)4を設け、第1原料供給口3は、ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口とし、第2原料供給口4は、ポリオレフィンと粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合および押出成形を連続させる装置である。
【0037】
なお、図中の符号5はヘッド、符号6はダイを示し、範囲を示すAは、第1の加熱混合工程を行なう部分であり、Bは、第2の加熱混合工程を行なう部分である。第1原料供給口3からのポリオレフィンの投入量は、使用するポリオレフィンの全量のうち、5〜100%を設定することが可能であるが、通常、5〜50%程度が好ましい範囲であるといえる。
【0038】
上記の製造装置では、第1の加熱混合工程と第2の加熱混合工程において、それぞれ最適な温度条件に設定することができ、原材料の種類によって最適な条件にすることにより、機械的強度をさらに高めることのできる複合材の製造装置である。
【0039】
【実施例および比較例】
〔実施例1〜3、比較例1〜6〕
二軸混練押出機(プラスチック工学研究所社製:BT−30−S2−42L、直径30mm、L/D=42、二軸同方向回転)を用いて、下記の材料(1)〜(4)を表1に示す割合で第1供給口(シリンダ後部)または第2供給口(シリンダ前部)からそれぞれ投入し、押出成形によって性能試験用の試験片を形成した。なお、シリンダ内のスクリューの回転速度は、100rpmとし、第1の加熱混合工程(変性反応工程)の温度は200℃、第2の加熱混合工程(混練工程)の温度は150〜180℃とした。
(1)ポリプロピレン(グランドポリマー社製:グランドポリプロ)
(2)木粉(パーティクルボード切断粉、粒径1mm以下、JIS Z 2101による含水率1%、7%または13%)
(3)無水マレイン酸(三菱化学社製:一般工業用顆粒)
(4)ジクミルペルオキシド(グラフト重合開始剤)
得られた試験片に対して行なった性能試験は、(a)引張強さ、(b)曲げ強さ、(c)曲げ弾性率であり、いずれもJIS K 7203に準拠して行なった。これらの試験結果を表1中に併記し、さらに(a)(b)(c)の試験結果については、木粉の含水率の違いと、第1または第2の供給口の選択使用によるポリオレフィンのグラフト重合のタイミングの違いから見た強度の評価を図2(引張強さ)、図3(曲げ強さ)および図4(曲げ弾性率)の図表に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1、図2、図3および図4の結果からも明らかなように、製造工程において、無水マレイン酸とポリオレフィンのグラフト重合と混練を同一工程とした比較例1〜3は、ポリオレフィンをグラフト重合させずに製造した比較例4〜6に比べて引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率は高いが、含水率が7%以上の木粉を用いた場合には充分に改良されているとはいえない。
【0042】
これに対して、グラフト重合専用の製造工程で得られた実施例1〜3は、含水率7%(非乾燥状態)の木粉を原料とする場合でも含水率1%(乾燥状態)の木粉を用いた場合と同等の引張強さおよび曲げ強さがあった。従って、この発明の複合材の製造方法であれば、木質材を乾燥する処理工程を省略することも可能であり、さらに通常より加湿された状態である含水率が7%を越える木質材を用いても複合材の機械的強度を充分に高められる製造方法であることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本願の木材・プラスチック複合材の製造方法は、以上説明したように、重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、木質材を加熱混合する第2の加熱混合工程を行ない、次いで成形するので、第1の加熱混合工程で、グラフト重合は木質材の有する水分に接触することがないため、カップリング剤として機能する重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを効率よく生成し、第2の加熱混合工程では重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが、界面改良剤として機能し、主原料であるポリオレフィンと木質材の界面接着強度を向上させるので、木質材の強制乾燥の処理工程を省略でき、たとえば常態に保管されていた場合などのように含水率が7%前後の木質材を使用しても複合材の引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率などの機械的強度を充分に高めることができる。
【0044】
また、この発明の製造装置によれば、上記製造方法によって奏される効果が確実に得られ、生成した重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンが木質材とポリオレフィンのカップリング剤として効率よく作用して、引張強さ、曲げ強さおよび曲げ弾性率などの機械的強度を充分に高めることのできる木材・プラスチック複合材の製造装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材・プラスチック複合材の製造装置の実施形態を示す断面図
【図2】実施例および比較例における含水率の違いと引張強さとの関係を示す図表
【図3】実施例および比較例における含水率の違いと曲げ強さとの関係を示す図表
【図4】実施例および比較例における含水率の違いと曲げ弾性率との関係を示す図表
【符号の説明】
1 シリンダ
2 スクリュー
3 第1原料供給口
4 第2原料供給口
5 ヘッド
6 ダイ
A 第1の加熱混合工程
B 第2の加熱混合工程
Claims (5)
- ポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤を加熱混合して重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンを生成する第1の加熱混合工程を行ない、その後、前記重合性カルボン酸化合物グラフトポリオレフィンとポリオレフィンと粉粒体状の木質材を加熱混合する第2の加熱混合工程を行ない、次いで成形することからなる木材・プラスチック複合材の製造方法。
- 第1の加熱混合工程における加熱温度が150〜250℃である請求項1記載の木材・プラスチック複合材の製造方法。
- 第2の加熱混合工程における加熱温度が100〜200℃である請求項1記載の木材・プラスチック複合材の製造方法。
- 木質材の含水率が、1〜13%である請求項1〜3のいずれかに記載の木材・プラスチック複合材の製造方法。
- 加熱可能なシリンダ内に混合・押出兼用のスクリューを備えた押出成形機からなり、前記シリンダの原料移動方向の上流側に第1原料供給口および下流側に所定間隔を開けて第2原料供給口を設け、第1原料供給口はポリオレフィンと重合性カルボン酸化合物とグラフト重合開始剤の供給口とし、第2供給口はポリオレフィンと粉粒体状の木質材の供給口として、加熱混合および押出成形を連続させる装置からなる木材・プラスチック複合材の製造装置。
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