JP2002144000A - 軽合金の射出成形方法及び装置 - Google Patents

軽合金の射出成形方法及び装置

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JP2002144000A
JP2002144000A JP2000344106A JP2000344106A JP2002144000A JP 2002144000 A JP2002144000 A JP 2002144000A JP 2000344106 A JP2000344106 A JP 2000344106A JP 2000344106 A JP2000344106 A JP 2000344106A JP 2002144000 A JP2002144000 A JP 2002144000A
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chamber
semi
extrusion screw
injection molding
molten metal
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Tatsuya Tanaka
達也 田中
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶湯原料タイプの軽合金の射出成形方法を行
うに当たり、チャンバー内におけるデンドライトの成長
と押出スクリューによる微細化効率を向上できるように
して、成形品の品質を向上する。 【解決手段】 チャンバー2の内部に押出スクリュー3
を回転自在に有する実質的に縦向きに配置されたスクリ
ュー押出機4と、チャンバー2に設けられかつ同チャン
バー2内に供給された金属溶湯5を半凝固スラリー7と
なるように冷却するための温度制御手段8と、チャンバ
ー2の排出口から排出された半凝固スラリー7を射出成
形するための型締め装置9と、を備えている軽合金の射
出成形装置において、押出スクリュー3の内部に、チャ
ンバー2内の金属溶湯5を半凝固スラリー7となるよう
に冷却するための第二の温度制御手段40を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばマグネシウ
ムやアルミニウム等の軽合金を鋳造するための射出成形
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂の射出成形に近い形式で
軽合金材料を成形する方法として、チャンバー内の軽合
金材料を半凝固スラリーにして成形金型内に射出する方
法がある。かかる軽合金の射出成形方法として、ペレッ
ト状の固体原料をスクリュー押出機の内部で加熱したり
(特表平3−504830号公報参照:以下、固体原料
タイプという。)、あるいは、半溶融状態に加熱された
インゴット原料を粉砕機で粒状にしたものをスクリュー
押出機の内部で加熱することにより(特許第28326
25号公報、特開平9−108805号公報参照:以
下、半溶融原料タイプという。)、チャンバー内で軽合
金材料を半凝固状態にするものがある。
【0003】しかるに、上記各方法では、いずれも出発
原料が固体ないしそれに近い状態にのものであるため、
押出スクリューの上流部の磨損や折損が激しいととも
に、スクリュー押出機の負荷トルクや加熱攪拌経路を大
きくせねばならず、専ら装置が大型になるという欠点が
ある。また、上記の各方法では、固相原料と半凝固スラ
リーがスクリュー押出機内の軸方向に混在しており、こ
のため、射出時の計量が不安定になりがちで、かつ、不
活性ガスの巻き込みによって成形品に気泡が混じりやす
いので、不良品が発生しやすいという欠点もある。
【0004】そこで、固体ないしそれに近い状態の原料
を加熱して半凝固スラリーにすることに伴う上記不都合
を解消すべく、出発原料として金属溶湯を採用し、その
金属溶湯を縦向きのチャンバー内において徐々に冷却し
ながら押出スクリューで剪断して半凝固スラリーに遷移
させたあと、チャンバーの下端排出口から排出されてき
た半凝固スラリーを成形金型に射出する方法が提案され
ている(特表平9−508859号公報、及び、特開平
9−103859号公報参照:以下、溶湯原料タイプと
いう。)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】〔溶湯原料タイプの課
題〕上記溶湯原料タイプの射出成形方法では、出発原料
である金属溶湯に接触している押出スクリューの上流側
部分が軽合金材料の半凝固温度以上に昇温される。この
ため、押出スクリューの上流側部分からの放熱が当該ス
クリューの軸方向下流側に伝搬し、金属溶湯を冷却して
半凝固スラリーに遷移させるべき軸方向区間(遷移区
間)においてデンドライト(樹枝状結晶)がチャンバー
の内面側からしか成長せず、押出スクリューによるデン
ドライトの破砕効率が非常に悪くなることがある。
【0006】また、その遷移区間において押出スクリュ
ーが金属材料の半凝固温度以上に昇温すると、折角、チ
ャンバーの内面側からデンドライトが成長してもそのデ
ンドライトが押出スクリューのフライト間の溝底部に逃
げてしまうため、チャンバーの内面と押出スクリューの
フライトチップとの間のクリアランスだけで軽合金材料
を微細化せねばならず、デンドライトに対する剪断応力
を作用し難くなる。なお、装置が大型化すればするほ
ど、チャンバー側からの温度制御だけでは押出スクリュ
ーのフライト間の溝底面近傍の材料に対する温度制御が
難しくなるので、上記の不都合はより顕著となる。
【0007】従って、金属溶湯に対する温度制御をチャ
ンバー側だけで行っている従来の溶湯原料タイプの射出
成形方法では、金属溶湯により昇温された押出スクリュ
ーによる熱伝搬のために、チャンバー内におけるデンド
ライトの成長と当該スクリューによる微細化が阻害さ
れ、製品の成形性や機械的特性等の品質をそれほど向上
できない場合がある。本発明は、このような実情に鑑
み、溶湯原料タイプの軽合金の射出成形方法を行うに当
たり、チャンバー内におけるデンドライトの成長と押出
スクリューによる微細化効率を向上できるようにして、
成形品の品質を向上することを第一の目的とする。
【0008】一方、当該溶湯原料タイプの射出成形方法
において、チャンバー内における押出スクリューの上流
側部分が軽合金材料の半凝固温度以上に昇温した場合、
その上流側部分からの放熱によって当該スクリューのモ
ーターや射出シリンダに対するシール部分が200°C
以上の高温になることがあり、このため、通常のゴム系
のオイルシールやOリングが使用できず、特別な軸封構
造を要するため設備の製造コストが高くなるという問題
もある。なお、押出スクリューを駆動するモーターや射
出シリンダのシール部分の昇温を防止するには、それら
をチャンバーから遠ざけて配置することによって押出ス
クリューのチャンバー外の部分を空冷すればよいが、こ
れではスクリュー押出機の装置高さが大きくなって却っ
て製造コストが高くなる。
【0009】そこで、本発明は、溶湯原料タイプの軽合
金の射出成形方法を行うに当たり、装置の大型化を招来
せずに通常のシール部材で押出スクリューを軸封できる
ようにして、設備の製造コストを低減することを第二の
目的とする。 〔固体原料タイプ及び半溶融原料タイプの課題〕前記し
た通り、固体原料タイプ及び半溶融原料タイプの射出成
形方法の場合、いずれも出発原料が固体ないしそれに近
い状態のものであるため、スクリュー押出機の負荷トル
クや加熱攪拌経路を大きく取る必要があり、専ら装置が
大型になるという欠点がある。
【0010】そこで、かかる不都合を解消するために、
押出スクリューの内部側にもヒーターを設け、固体金属
又は半溶融金属をチャンバーと押出スクリューの双方側
から加熱することにより、チャンバー内における軽合金
材料に対する加熱効率を向上させてスクリュー押出機の
負荷トルクや加熱攪拌経路を短縮することが考えられ
る。しかし、単に押出スクリューの内部にヒーターを設
ける手段では、そのヒーターからの放熱の逃げ場がない
ため、押出スクリュー側からの加熱温度を適切に制御す
ることができず、このため、固体金属又は半溶融金属を
遷移区間において所望の半凝固スラリーに遷移させるこ
とが困難となり、製品の成形性や機械的特性等の品質を
それほど向上できなくなる恐れがある。
【0011】本発明は、このような実情に鑑み、固体原
料タイプ又は半溶融原料タイプの軽合金の射出成形方法
を行うに当たり、加熱温度を適切に制御しながら押出ス
クリュー側からも軽合金材料を加熱できるようにして、
成形品の品質を低下させずに装置をコンパクト化するこ
とを第三の目的とする。また、当該固体原料タイプ及び
半溶融原料タイプの射出成形方法の場合においても、押
出スクリューの内部にもヒーターを設けてその内部側か
らも軽合金材料を加熱するようにすると、そのヒーター
からの放熱が押出スクリューの内部を伝搬してモーター
や射出シリンダに対するシール部分が昇温し、このた
め、通常のゴム系のオイルシールやOリングが使用でき
ず、特別な軸封構造を要するため設備の製造コストが高
くなるという、前記した溶湯原料タイプと同様の課題が
派生的に生じてしまうという問題もある。
【0012】そこで、本発明は、固体原料タイプ又は半
溶融原料タイプの軽合金の射出成形方法を行うに当た
り、装置の大型化を招来せずに通常のシール部材で押出
スクリューを軸封できるようにして、設備の製造コスト
を低減することを第四の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記した第一の目的を達
成すべく、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわ
ち、本発明装置は、前記した溶湯原料タイプの射出成形
装置において、押出スクリューの内部に、チャンバー内
の金属溶湯を半凝固スラリーとなるように冷却するため
の第二の温度制御手段を設けたものである。従って、か
かる装置によって、溶湯原料タイプの軽合金の射出成形
方法を行う場合、実質的に縦向きに配置されかつ内部に
押出スクリューを回転自在に有するチャンバー内に供給
された金属溶湯は、前記チャンバーと押出スクリューの
双方側から冷却されつつその押出スクリューで剪断され
ることにより半凝固スラリーに遷移し、その後、この半
凝固スラリーは前記チャンバーの排出口から外部の成形
金型に射出される。
【0014】このように、本発明によれば、チャンバー
内に供給された金属溶湯がチャンバーと押出スクリュー
の双方側から冷却されるので、チャンバーの内面側と押
出スクリューの溝底面側の双方からデンドライト(樹枝
状結晶)が成長する。このため、デンドライトに対して
均一に剪断応力を作用させ易くなり、その剪断応力によ
る固相粒の生成が均一になるので、押出スクリューによ
る微細化効率が向上する。上記の本発明装置において、
チャンバー側の温度制御手段は、金属溶湯の冷却機能だ
けを有するもの(例えば、熱媒流路のみ)であってもよ
いが、チャンバー内の金属溶湯を高精度に温度制御する
ために、チャンバーの壁部内又は外周部に設けられた熱
媒流路及びヒーターより構成することが好ましい。
【0015】また、前記した第二の目的を達成するため
に、本発明装置は、前記第二の温度制御手段として、押
出スクリューのチャンバー外の部分をチャンバー内の部
分よりも低温となるように冷却する機能を有するものを
採用したものである。この場合、金属溶湯に接触してい
るために押出スクリューの上流側部分が軽合金材料の半
凝固温度以上に昇温しても、上記第二の温度制御手段に
よって、押出スクリューのチャンバー外の部分がチャン
バー内の部分よりも低温となるように冷却することがで
きる。このため、押出スクリューを駆動するモーターや
射出シリンダのシール部分を必要以上にチャンバーから
遠ざけなくても、通常のゴム系のシール部材によってそ
れらのシール部分をシールできるようになる。
【0016】上記の本発明装置において、押出スクリュ
ー側の第二の温度制御手段は、金属溶湯の冷却機能だけ
を有するもの(例えば、熱媒流路のみ)であってもよい
が、チャンバー内の金属溶湯を高精度に温度制御するた
めに、熱媒流路及びヒーターより構成することが好まし
い。すなわち、本発明装置の第二の温度制御手段は、押
出スクリューの断面中心部を同スクリューにおけるチャ
ンバー外の基端側からチャンバー内の先端側に至るよう
に形成された熱媒流路と、当該押出スクリューの内部に
おける前記チャンバー側の温度制御手段が設けられてい
る軸方向範囲に対応する部分に埋設されたヒーターと、
から構成することができる。
【0017】前記した第三の目的を達成すべく、本発明
は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明装置は、
前記した固体原料タイプ又は半溶融原料タイプの軽合金
の射出成形装置において、押出スクリューの内部に、チ
ャンバー内の固体金属又は半溶融金属を半凝固スラリー
となるように加熱するための第二のヒーターと、この第
二のヒーターからの熱を前記チャンバーの外部に逃がす
ための熱媒流路を設けたものである。従って、かかる装
置によって固体原料タイプ又は半溶融原料タイプの軽合
金の射出成形方法を行う場合、内部に押出スクリューを
回転自在に有するチャンバー内に供給された固体金属又
は半溶融金属は、押出スクリューの内部の熱を前記チャ
ンバーの外部に逃がしながら、当該チャンバーと押出ス
クリューの双方側から加熱されつつその押出スクリュー
で剪断されることにより半凝固スラリーに遷移し、その
後、この半凝固スラリーは前記チャンバーの排出口から
外部の成形金型に射出される。
【0018】このように、本発明によれば、チャンバー
内の固体金属又は半溶融金属を、チャンバー側からだけ
でなく、押出スクリューの内部の熱をチャンバーの外部
に逃がしながら当該スクリュー側からも加熱するように
しているので、加熱温度を適切に制御しながら押出スク
リュー側からも軽合金材料を加熱することができる。こ
のため、成形品の品質を低下させることなく、スクリュ
ー押出機の負荷トルクを小さくしかつ加熱攪拌経路を短
縮することができる。また、前記した第四の目的を達成
するために、本発明装置は、前記熱媒流路を、押出スク
リューの断面中心部を同スクリューのチャンバー外の基
端側からチャンバー内の先端側に至るように形成したも
のである。
【0019】この場合、押出スクリューの内部の第二の
ヒーターによって当該スクリューの上流側部分が軽合金
材料の半凝固温度以上に昇温しても、上記熱媒流路を流
通する熱媒体によって、押出スクリューのチャンバー外
の部分がチャンバー内の部分よりも低温となるように冷
却することができる。このため、押出スクリューを駆動
するモーターや射出シリンダのシール部分を必要以上に
チャンバーから遠ざけなくても、通常のゴム系のシール
部材によってそれらのシール部分をシールできるように
なる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1及び図2は、本発明の第一の
実施形態を示している。この実施形態に係る軽合金の射
出成形装置1は、前記溶湯原料タイプの軽合金の射出成
形方法を行う装置であり、チャンバー2の内部に押出ス
クリュー3を回転自在に有する垂直に配置されたスクリ
ュー押出機4と、チャンバー2の上端部に接続された金
属溶湯5を貯溜するための貯溜ホッパー6と、を備えて
いる。
【0021】また、この射出成形装置1は、貯溜ホッパ
ー6からチャンバー2内に供給された金属溶湯5が半凝
固スラリー7となるように冷却するための、チャンバー
2側の第一温度制御手段8と、チャンバー2の下端排出
口から排出された半凝固スラリー7が射出される型締め
装置9と、を備えている。この射出成形装置1の構成部
材のうち、貯溜ホッパー6は、溶解炉10で溶解された
金属溶湯5を受け入れてこれを溶融状態で貯溜するもの
で、このホッパー6の下端開口部はチャンバー2の上端
部に接続されている。
【0022】また、貯溜ホッパー6の下部には、アルゴ
ン等の不活性ガスを当該ホッパー6の下部から吹き込む
シール手段(図示せず)が接続されており、このシール
手段からの不活性ガスにより貯溜ホッパー6内の金属溶
湯5をバブリングして不純物を除去するとともに、金属
溶湯5の湯面を不活性ガスでシールするようにしてい
る。チャンバー2の上端には、押出スクリュー3を回転
駆動するための駆動モーター11が直結されている。こ
の駆動モーター11の内部には、チャンバー2の内部に
回転自在に挿通された押出スクリュー3の延長部分(軸
封部分)3Aが挿通されていて、この押出スクリュー3
は、その下端がチャンバー2内で自由端となるように片
持ち状に配置されている。
【0023】駆動モーター11の上部には、押出スクリ
ュー3を下方に突出させるための射出シリンダ12が接
続されていて、この射出シリンダ12の内部に、前記押
出スクリュー3の延長部分3Aがシールされた状態で挿
通されている。このため、本実施形態のスクリュー押出
機4では、射出シリンダ12の油圧力で押出スクリュー
3を軸方向下方に移動させることにより、チャンバー2
内の下端部に溜まっている半凝固スラリー7を外部に射
出できるようになっている。チャンバー2の壁部内に
は、前記した第一温度制御手段8を構成する熱媒流路1
9が形成されており、この流路19内に金属溶湯5の温
度よりも低い油等の熱媒体を流通させることにより、チ
ャンバー2内の金属溶湯5が液相温度以下でかつ固相温
度以上の温度範囲になるように冷却できるようになって
いる。また、チャンバー2の外周部には、チャンバー2
内の金属溶湯5を高精度に温度制御するために、バンド
抵抗ヒーター又は誘導加熱コイル等よりなるヒーター1
3が巻き付けられている。
【0024】従って、本実施形態の第一温度制御手段8
は、チャンバー2の壁部内の熱媒流路19とその外周部
のヒーター13とから構成されており、チャンバー2を
加熱する機能も兼ね備えている。なお、ヒーター13を
チャンバー2の壁部内に設けることにしてもよく、熱媒
流路19をチャンバー2の外周部に設けることもでき
る。チャンバー2の下端排出口には、ほぼL字形に形成
された接続管路(接続部材)14が接続され、この接続
管路14は、垂直方向の第一流路15とこの流路15の
下端から水平方向に延びる第二流路16とからなる射出
流路17を内部に備えている。このうち、第一流路15
の上端はチャンバー2の下端排出口に接続され、第二流
路16の出口は、後述する型締め装置9の固定盤23に
固定された固定金型24に接続されている。
【0025】本実施形態では、上記第一流路15と第二
流路16の交差部分に半凝固スラリー7を滑らかに方向
転換させるためのアール部17Rが形成されており、こ
れにより、押出スクリュー3の下方移動により半凝固ス
ラリー7をスムーズに水平方向に射出できるようにして
いる。なお、接続管路14の外周面にも、その内部の半
凝固スラリー7を一定温度に保つためのヒーター13が
設けられている。第二流路16の出口内には、射出する
とき以外は閉じた状態になっているノズル18が設けら
れている。このノズル18は、その外周部に設けた温度
制御ジャケット等よりなる温度制御手段によりノズル先
端に金属固体栓を形成してノズル封鎖するものや、ノズ
ル先端に設けた機械式又はばね式のシャットオフバルブ
によりノズル封鎖するものを使用できるもっとも、金属
固体栓を形成する際にノズル先端付近に固相率の高い部
分が生じない点、及び、固体栓が製品に混入する可能性
がない点で、シャットオフバルブを用いる後者タイプの
ノズルの方が好ましい。
【0026】前記型締め装置9は、基台20上に立設さ
れたリンクハウジング21と、このハウジング21に水
平方向のタイバー22を介して固定された固定盤23
と、この固定盤23に固定された固定金型24と、タイ
バー22に対して摺動自在に貫通支持された可動盤25
と、固定金型24に対して水平方向に開閉自在となるよ
う可動盤25に固定された移動金型26と、を備えてい
る。リンクハウジング21の外面中央部には型締めシリ
ンダ27が固定され、この型締めシリンダ27のシリン
ダロッド28の先端は可動盤25に連結されている。こ
のリンクハウジング21と可動盤25同士は、これらが
接近したときに折り畳まれかつ離反したときに水平方向
にほぼ一直線に並ぶ複数のリンク29で連結されてい
る。
【0027】可動盤25のリンクハウジング21側の側
面には押出シリンダ30が設けられ、この押出シリンダ
30の押出ロッド31は可動盤25を貫通して移動金型
26に連結されている。従って、この型締め装置9で
は、型締めシリンダ27のシリンダロッド28を突出さ
せてリンク29を一直線上に伸びた状態にし、このリン
ク29の突っ張り状態において押出シリンダ30の押出
ロッド31を突出させることにより、移動金型26を可
動金型24に対して強力に押圧できるようになってい
る。
【0028】本実施形態のスクリュー押出機4は、図1
に示すように、チャンバー2側だけではなく、押出スク
リュー3の内部にも、チャンバー2内の金属溶湯5を半
凝固スラリー7となるように冷却するための第二温度制
御手段40を備えており、この制御手段40は、押出ス
クリュー3の断面中心部を同スクリュー3におけるチャ
ンバー2外の基端側からチャンバー2内の先端側に至る
ように形成された熱媒流路41と、当該押出スクリュー
3の内部におけるチャンバー2側の温度制御手段8が設
けられている軸方向範囲に対応する部分に埋設されたヒ
ーター42と、から構成されている。
【0029】従って、かかる第二温度制御手段40によ
れば、押出スクリュー2のチャンバー2外の部分(延長
部分3A)に対しては、半凝固温度よりも低い油等の熱
媒体を熱媒流路41を流通させることにより、チャンバ
ー2内の部分よりも低温となるように冷却することがで
きる。また、この第二温度制御手段40によれば、押出
スクリュー2のチャンバー2内の部分に対しては、熱媒
流路41を流通する熱媒体による冷却とヒーター42に
よる加熱の双方を行って高精度に温度制御しながら、チ
ャンバー2内の金属溶湯5が液相温度以下でかつ固相温
度以上の温度範囲になるように冷却することができる。
【0030】この第二温度制御手段40の熱媒流路41
は、押出スクリュー3の断面中心部を軸方向に穿設して
なる外側流路43と、この外側流路43内に内管を挿通
することによって構成された内側流路44とから構成さ
れており、内側流路44の上端から流入した油等の熱媒
体を外側流路43の上端から外部に排出することによ
り、押出スクリュー3の軸方向全体に熱媒体を流通させ
るものである。また、第二温度制御手段40のヒーター
42は、押出スクリュー3の内部における熱媒流路41
の外周側部分に埋設された抵抗コイル又は誘導加熱コイ
ル等よりなる。
【0031】なお、押出スクリュー3の延長部分3Aの
最上端には、熱媒流路41を機外の油給排装置に接続す
るためのロータリージョイント45が接続されており、
このジョイント45に設けたスリップリングと延長部分
3Aの内部に埋設された銅線を介して、当該ヒーター4
2に電流を供給できるようになっている。次に、上記射
出成形装置1の作用とそれによる軽合金の射出成形方法
について説明する。まず、電磁誘導加熱方式の溶解炉1
0から機械式あるいは電磁ポンプ等の手段で貯溜ホッパ
ー6内に投入された金属溶湯5は、ガスシールされた状
態でスクリュー押出機4のチャンバー2の上部に供給さ
れ、第一及び第二温度制御手段8,40によってチャン
バー2と押出スクリュー3の双方側から液相温度以下で
かつ固相温度以上に冷却され、デンドライト(樹枝状結
晶)に成長する。このデンドライトは回転する押出スク
リュー3の剪断作用によって破砕し、微細な結晶粒が生
成されて半凝固スラリー7に遷移する。
【0032】その後、この半凝固スラリー7は、押出ス
クリュー3によってスラリーポンプと同じように温度制
御されながら下方へ押し出される。この際、接続管路1
4のノズル18は閉鎖されているので、押出スクリュー
3には自らの回転に伴う押出力によって軸方向上方に負
荷がかかる。一方、スクリュー押出機4の射出シリンダ
12には一定の背圧が設定されており、この背圧に打ち
勝つ内圧がチャンバー2内に発生すると、押出スクリュ
ー3が軸方向上方に移動し、チャンバー2の下端部に半
凝固スラリー7が溜まり、所定量に計量される。
【0033】なお、このとき、半凝固スラリー7と言え
ども合成樹脂等に比べると非常に低粘度であるため、そ
のスラリー7の粘度によっては、射出シリンダ12への
逆背圧によって押出スクリュー3を強制的に上方へ移動
させて所定量の計量を行わねばならないこともある。こ
のようにして、半凝固スラリー7の計量が行われると、
押出スクリュー3の上方移動と回転が停止し、射出シリ
ンダ12が押出スクリュー3を下方に一気に移動させ
る。この押出スクリュー3の下方移動により、チャンバ
ー2の下端部に溜まっていた計量済みの半凝固スラリー
7が接続管路14の射出流路17を介して成形金型(固
定金型24及び移動金型26)のキャビティ内に射出さ
れ、一定形状に成形される。
【0034】上記した本実施形態の射出成形方法によれ
ば、金属溶湯5から出発して半凝固スラリー7を生成し
ているので、微細な結晶粒が均一に分散された組織にな
り、機械的特性に優れかつバリの少ない高品質な成形品
を得ることができる。すなわち、本実施形態の射出成形
方法では、実質的に垂直なチャンバー2内において金属
溶湯5を半凝固スラリー7に遷移させているので、金属
溶湯5に含まれている不活性ガスを圧力及び浮力によっ
て抜き出してから、同溶湯5が半凝固スラリー7に遷移
することになる。このため、射出時の計量を正確に行え
るとともに、不活性ガスの巻き込みによって成形品に気
泡が混じるのも防止でき、不良品の発生が極力防止され
ることになる。
【0035】また、出発原料が金属溶湯5でありこれを
半凝固スラリー7に冷却しながら下方に搬送しているの
で、押出スクリュー3の上流部の磨損や折損を低減でき
るとともに、スクリュー押出機3の負荷トルクや攪拌経
路をそれほど大きく取る必要がなくなり、装置のコンパ
クト化が可能になる。更に、チャンバー2の下端排出口
から射出される半凝固スラリー7をいったん水平方向に
向きを変えたあと水平方向に型開閉する成形金型24,
26に射出しているので、成形金型24,26やそのス
トローク量の大きさとは関係なく、スクリュー押出機4
を必要以上に高く配置する必要がなくなる。このため、
装置全体の高さ寸法を過大に設定しなくても、気泡や引
けの少ない高品質な軽金属成形品を射出成形することが
できる。
【0036】そして、本実施形態の射出成形方法によれ
ば、チャンバー2内に供給された金属溶湯5がチャンバ
ー2と押出スクリュー5の双方側から冷却されるので、
チャンバー2の内面側と押出スクリュー5の溝底面側の
双方からデンドライト(樹枝状結晶)が成長する。この
ため、粉砕された固相粒が押出スクリュー3のフライト
間の溝底部に移動できなくなり、デンドライトに対する
剪断応力を均一に作用させ易くなるので、押出スクリュ
ー3による微細化効率を向上することができる。
【0037】また、金属溶湯5に接触しているために押
出スクリュー5の上流側部分が軽合金材料の半凝固温度
以上に昇温していても、第二温度制御手段40の熱媒流
路41によって、押出スクリュー3のチャンバー2外の
部分がチャンバー2内の部分よりも低温となるように冷
却することができる。このため、押出スクリュー3を駆
動するモーター11や射出シリンダ12のシール部分を
必要以上にチャンバー2から遠ざけなくても、通常のゴ
ム系のシール部材によってそれらのシール部分をシール
できるようになる。
【0038】図3は、本発明の第二の実施形態を示して
いる。この実施形態の射出成形装置1では、スクリュー
押出機4のチャンバー2が型締め装置9の反対側にやや
倒れた状態に傾斜して設けられており、これにより、第
一実施形態の場合に比べて、装置全体の高さをより低く
抑えるようにしている。なお、このスクリュー押出機4
の傾斜度合いは、押出スクリュー3のヘリカル角とほぼ
同程度になるように設定されており、この程度の傾斜度
合いであれば、チャンバー2の内部での気泡の除去や半
凝固スラリー7の軸上部への付着が発生することがな
く、良好な安定運転が行える。
【0039】しかして、本発明における「実質的に縦向
き」とは、チャンバー2が垂直に立設されている場合だ
けでなく、チャンバー2の内部での気泡の除去や半凝固
スラリー7の軸上部への付着が発生しない程度に傾いた
状態をも包含する。なお、その他の構成及び作用は第一
実施形態の場合と同様であるので、図面に同一符号を付
して詳細説明を省略する。図4は、本発明の第三の実施
形態を示している。この実施形態の射出成形装置1で
は、押出スクリュー3は軸方向に移動しないようにチャ
ンバー2内に挿通され、このため、駆動モーター11の
上端には前記射出シリンダ12は設けられていない。
【0040】その代わりに、チャンバー2の下端排出口
は、水平方向に出退する射出プランジャ33が内部に挿
通された計量シリンダ(接続部材)34の前端上部に接
続されている。この計量シリンダ35の前端部には、垂
直方向の第一流路15と水平方向の第二流路16よりな
る射出流路17が構成されていて、第二流路16内の半
凝固スラリー7がチャンバー2側に逆流するのを防止す
る逆止弁(図示せず)が第一流路15に設けられてい
る。また、計量シリンダ34の後端には、射出プランジ
ャ33を固定金型24側へ突出させるための射出シリン
ダ36が設けられている。このため、この射出成形装置
1では、計量シリンダ34の第二流路16内に一定量の
半凝固スラリー7を溜めたあと、射出プランジャ33を
一気に突出させることにより、その半凝固スラリー7を
成形金型24,26内に射出することができる。
【0041】このように、本実施形態によれば、水平方
向に射出する射出プランジャ33で第二通路16内の半
凝固スラリー33を水平方向に射出するようにしている
ので、スクリュー押出機4の上部に射出シリンダ12を
設ける必要がなくなり、第一実施形態の場合に比べて装
置全体の高さをより低く抑えることができる。また、図
4に示すように、本実施形態では、型締め装置9の固定
盤23の中央部を切り欠いて形成した内空部35にスク
リュー押出機4のチャンバー2が埋め込まれており、こ
れにより、水平方向の射出プランジャ33を採用したこ
とに伴う装置長さの増大を極力防止するようにしてい
る。
【0042】更に、本実施形態の射出成形装置1によれ
ば、第一及び第二実施形態の場合では得られない次の作
用効果を奏することができる。すなわち、本実施形態で
は、押出スクリュー3とは別の射出プランジャ33で半
凝固スラリー33を射出しているので、第一及び第二実
施形態の場合のように半凝固スラリー33を射出するた
めに押出スクリュー3を高速移動させる必要がない。こ
のため、押出スクリュー3を高速移動することに伴う同
スクリュー3の先端部の摩耗を防止できるし、仮に射出
プランジャ33が摩耗しても安価な当該プランジャ33
のみを交換するだけで済む。
【0043】また、インライン方式の場合、例えチャン
バー2を縦型に配置しても、押出スクリュー3の軸方向
移動によって多少は軸シール部へスラリーが侵入する恐
れがある。この点、本実施形態では、押出スクリュー3
を軸方向移動させる必要がないので、金属溶湯5の湯面
高さよりそれほど高くない位置に軸シール部を配置する
ことができる。このため、本実施形態では、駆動モータ
ー11の設置高さそのものを低く設定することができ、
併せてその上に射出シリンダ12を配置する必要がない
ので、装置全体の高さをより低く抑えることができる。
従って、第一及び第二実施形態の場合に比べて、設備の
安全性を向上できかつメンテナンスの容易化を図ること
ができる。
【0044】なお、その他の構成は第一実施形態の場合
(図1)と同様であるから、その場合と同じ符号を図4
に付すことにより、詳細な構造説明は省略する。図5
は、本発明の第四の実施形態を示している。この実施形
態に係る軽合金の射出成形装置1は、前記半溶融原料タ
イプの軽合金の射出成形方法を行う装置であり、チャン
バー2の内部に押出スクリュー3を回転自在に有する水
平に配置されたスクリュー押出機4と、チャンバー2の
上端部に接続された加熱ホッパー47と、チャンバー2
内に供給された半溶融金属48を半凝固スラリー7とな
るように加熱するためのヒーター49と、を備えてい
る。
【0045】加熱ホッパー47の外周部には誘導加熱コ
イル等よりなる加熱部材50が設けられており、この加
熱部材50により、ホッパー47内に供給されたインゴ
ッド状の固体原料を半溶融状態(固相線以上及び液相線
以下で、かつ、射出時の温度よりも低い状態)となるま
で加熱することができる。また、加熱ホッパー47の下
部には、左右一対の粉砕ギア51が近接して回転自在に
設けられており、この一対の粉砕ギア51間に半溶融金
属48を通過させることにより、インゴッド状の半溶融
金属48を細かく粉砕してチャンバー2内に供給できる
ようになっている。
【0046】そして、本実施形態では、押出スクリュー
3の内部にも、チャンバー2内の半溶融金属48を半凝
固スラリー7となるように加熱するための第二のヒータ
ー52が埋設されており、この第二のヒーター52から
の熱をチャンバー2の外部に逃がすための熱媒流路53
が設けられている。この熱媒流路53は、押出スクリュ
ー3の断面中心部を同スクリュー3におけるチャンバー
2外の基端側からチャンバー2内の先端側に至るように
形成されている。また、第二のヒーター52は、当該押
出スクリュー3の内部における、熱媒流路53の外周側
でかつチャンバー2側のヒーター49が設けられている
軸方向範囲に対応する範囲に埋設されている。
【0047】本実施形態の射出成形装置1によって半溶
融原料タイプの軽合金の射出成形方法を行う場合、チャ
ンバー2内に半溶融金属48は、熱媒流路53によって
押出スクリュー2の内部の熱をチャンバー2の外部に逃
がしながら、当該チャンバー2と押出スクリュー3の双
方側から加熱されつつその押出スクリュー3で剪断され
ることにより半凝固スラリー7に遷移し、その後、この
半凝固スラリー7はチャンバー2の排出口から外部の成
形金型(型締め装置9)に射出される。このように、本
実施形態では、チャンバー2内の半溶融金属48を、チ
ャンバー2側からだけでなく、押出スクリュー3の内部
の熱をチャンバー2の外部に逃がしながら当該スクリュ
ー3側からも加熱するようにしているので、加熱温度を
適切に制御しながら押出スクリュー3側からも軽合金材
料を加熱することができる。このため、成形品の品質を
低下させることなく、スクリュー押出機4の負荷トルク
を小さくしかつその加熱攪拌経路を短縮することができ
る。
【0048】また、本実施形態では、熱媒流路48を、
押出スクリュー3の断面中心部を同スクリュー3のチャ
ンバー2外の基端側からチャンバー2内の先端側に至る
ように形成してあるので、押出スクリュー3の内部の第
二のヒーター52によって当該スクリュー3の上流側部
分が軽合金材料の半凝固温度以上に昇温しても、当該熱
媒流路48を流れる熱媒体によって、押出スクリュー3
のチャンバー2外の部分がチャンバー2内の部分よりも
低温となるように冷却でき、これにより、押出スクリュ
ー3を駆動するモーター11や射出シリンダ12のシー
ル部分を必要以上にチャンバー2から遠ざけなくても、
通常のゴム系のシール部材によってそれらのシール部分
をシールできるようになる。
【0049】図6は、本発明の第五の実施形態を示して
いる。この実施形態に係る軽合金の射出成形装置1は、
前記固体原料タイプの軽合金の射出成形方法を行う装置
であり、チャンバー2の内部に押出スクリュー3を回転
自在に有する水平に配置されたスクリュー押出機4と、
チャンバー2の上端部に接続されたフィード装置55付
きの供給ホッパー56と、チャンバー2内に供給された
ペレット状又はフレーク状の固体金属57を半凝固スラ
リー7となるように加熱するためのヒーター49と、を
備えている。
【0050】なお、押出スクリュー3の内部に第二のヒ
ーター52及び熱媒流路53が設けられている点とそれ
に伴う作用等、その他の構成及び作用は第四実施形態
(図5)とほぼ同様であるから、図5の場合と同一符号
を図6に付することにより、その詳細説明を省略する。
なお、本発明の各実施の形態を説明したが、これらの実
施の形態は例示的なものであって限定的なものではな
い。本発明の技術的範囲は冒頭の特許請求の範囲により
決定され、その意味に入るすべての態様は本発明の範囲
に含まれる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶湯原料タイプの軽合金の射出成形方法を行うに当た
り、チャンバー内におけるデンドライトの成長と押出ス
クリューによる微細化効率を向上できるので、成形品の
品質を向上することができる。また、本発明によれば、
溶湯原料タイプの軽合金の射出成形方法を行うに当た
り、装置の大型化を招来せずに通常のシール部材で押出
スクリューを軸封できるので、設備の製造コストを低減
することができる。
【0052】更に、本発明によれば、固体原料タイプ又
は半溶融原料タイプの軽合金の射出成形方法を行うに当
たり、加熱温度を適切に制御しながら押出スクリュー側
からも軽合金材料を加熱できるので、成形品の品質を低
下させずに装置をコンパクト化することができる。ま
た、本発明によれば、固体原料タイプ又は半溶融原料タ
イプの軽合金の射出成形方法を行うに当たり、装置の大
型化を招来せずに通常のシール部材で押出スクリューを
軸封できるので、設備の製造コストを低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係るスクリュー押出機の拡大断
面図である。
【図2】第一実施形態に係る軽合金の射出成形装置の全
体側面図である。
【図3】第二実施形態に係る軽合金の射出成形装置の全
体側面図である。
【図4】第三実施形態に係る軽合金の射出成形装置の全
体側面図である。
【図5】第四実施形態に係る軽合金の射出成形装置の全
体側面図である。
【図6】第五実施形態に係る軽合金の射出成形装置の全
体側面図である。
【符号の説明】
1 射出成形装置 2 チャンバー 3 押出スクリュー 4 スクリュー押出機 5 金属溶湯 6 貯溜ホッパー 7 半凝固スラリー 8 第一温度制御手段 9 型締め装置 13 ヒーター 19 熱媒流路 24 固定金型 26 移動金型 40 第二温度制御手段 41 熱媒流路 42 ヒーター 48 半溶融金属 49 ヒーター 52 第二のヒーター 53 熱媒流路 57 固体金属

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバー(2)の内部に押出スクリュ
    ー(3)を回転自在に有する実質的に縦向きに配置され
    たスクリュー押出機(4)と、前記チャンバー(2)に
    設けられかつ同チャンバー(2)内に供給された金属溶
    湯(5)を半凝固スラリー(7)となるように冷却する
    ための温度制御手段(8)と、前記チャンバー(2)の
    排出口から排出された前記半凝固スラリー(7)を射出
    成形するための型締め装置(9)と、を備えている軽合
    金の射出成形装置において、 前記押出スクリュー(3)の内部に、前記チャンバー
    (2)内の前記金属溶湯(5)を半凝固スラリー(7)
    となるように冷却するための第二の温度制御手段(4
    0)が設けられていることを特徴とする軽合金の射出成
    形装置。
  2. 【請求項2】 チャンバー(2)側の温度制御手段
    (8)は、そのチャンバー(2)の壁部内又は外周部に
    設けられた熱媒流路(19)及びヒーター(13)より
    なる請求項1に記載の軽合金の射出成形装置。
  3. 【請求項3】 第二の温度制御手段(40)は、押出ス
    クリュー(3)のチャンバー(2)外の部分をチャンバ
    ー(2)内の部分よりも低温となるように冷却する機能
    を有する請求項1又は2に記載の軽合金の射出成形装
    置。
  4. 【請求項4】 第二の温度制御手段(40)は、押出ス
    クリュー(3)の断面中心部を同スクリュー(3)にお
    けるチャンバー(2)外の基端側からチャンバー(2)
    内の先端側に至るように形成された熱媒流路(41)
    と、当該押出スクリュー(3)の内部における前記チャ
    ンバー(2)側の温度制御手段(8)が設けられている
    軸方向範囲に対応する部分に埋設されたヒーター(4
    2)と、から構成されている請求項3に記載の軽合金の
    射出成形装置。
  5. 【請求項5】 次の工程(a)〜(c)を備えているこ
    とを特徴とする軽合金の射出成形方法。 (a) 実質的に縦向きに配置されかつ内部に押出スク
    リュー(3)を回転自在に有するチャンバー(2)内に
    金属溶湯(5)を供給する第一工程 (b) 前記金属溶湯(5)を前記チャンバー(2)と
    押出スクリュー(3)の双方側から冷却しつつその押出
    スクリュー(3)で剪断することにより、当該金属材料
    (5)を半凝固スラリー(7)に遷移させる第二工程 (c) 前記半凝固スラリー(7)を前記チャンバー
    (2)の排出口から排出して外部の成形金型(24,2
    6)に射出する第三工程
  6. 【請求項6】 第二工程は、押出スクリュー(3)のチ
    ャンバー(2)外の部分をチャンバー(2)内の部分よ
    りも低温となるように冷却する作業を含む請求項5に記
    載の軽合金の射出成形方法。
  7. 【請求項7】 チャンバー(2)の内部に押出スクリュ
    ー(3)を回転自在に有するスクリュー押出機(4)
    と、前記チャンバー(2)に設けられかつ同チャンバー
    (2)内に供給された固体金属(57)又は半溶融金属
    (48)を半凝固スラリー(7)となるように加熱する
    ためのヒーター(49)と、前記チャンバー(2)の排
    出口から排出された前記半凝固スラリー(7)を射出成
    形するための型締め装置(9)と、を備えている軽合金
    の射出成形装置において、 前記押出スクリュー(3)の内部に、前記チャンバー
    (2)内の前記固体金属(57)又は半溶融金属(4
    8)を半凝固スラリー(7)となるように加熱するため
    の第二のヒーター(52)と、この第二のヒーター(5
    2)からの熱を前記チャンバー(2)の外部に逃がすた
    めの熱媒流路(53)が設けられていることを特徴とす
    る軽合金の射出成形装置。
  8. 【請求項8】 熱媒流路(53)は、押出スクリュー
    (3)の断面中心部を同スクリュー(3)のチャンバー
    (2)外の基端側からチャンバー(2)内の先端側に至
    るように形成されている請求項7に記載の軽合金の射出
    成形装置。
  9. 【請求項9】 次の工程(a)〜(c)を備えているこ
    とを特徴とする軽合金の射出成形方法。 (a) 内部に押出スクリュー(3)を回転自在に有す
    るチャンバー(2)内に固体金属(57)又は半溶融金
    属(48)を供給する第一工程 (b) 前記押出スクリュー(3)の内部の熱を前記チ
    ャンバー(2)の外部に逃がしながら、前記固体金属
    (57)又は半溶融金属(48)を前記チャンバー
    (2)と押出スクリュー(3)の双方側から加熱しつつ
    その押出スクリュー(3)で剪断することにより、当該
    固体金属(57)又は半溶融金属(48)を半凝固スラ
    リー(7)に遷移させる第二工程 (c) 前記半凝固スラリー(7)を前記チャンバー
    (2)の排出口から排出して外部の成形金型(9)に射
    出する第三工程
  10. 【請求項10】 第二工程は、押出スクリュー(3)の
    チャンバー(2)外の部分をチャンバー(2)内の部分
    よりも低温となるように冷却する作業を含む請求項9に
    記載の軽合金の射出成形方法。
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