JP2002143354A - ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッドおよびその製造方法

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JP2002143354A JP2000343507A JP2000343507A JP2002143354A JP 2002143354 A JP2002143354 A JP 2002143354A JP 2000343507 A JP2000343507 A JP 2000343507A JP 2000343507 A JP2000343507 A JP 2000343507A JP 2002143354 A JP2002143354 A JP 2002143354A
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Daisaku Yoshida
大作 吉田
Katsumi Yamano
克己 山野
Junko Imaide
潤子 今出
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Shintomi Golf Co Ltd
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KASCO CORP
Shintomi Golf Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴルフクラブヘッドを構成するフェース部材
を、強度のばらつきが少なくなるように製造する。 【解決手段】10〜25重量%のCrと、10〜20重
量%のCoと、3〜8重量%のNiと、3〜8重量%の
Moとを含有する合金鋼に対して圧延加工を施すことに
より板材とする。次いで、該板材を成形することにより
フェース部材14を作製する。このフェース部材14と
ヘッド本体12とを相互に接合することにより、ゴルフ
クラブヘッド10が得られる。なお、圧延加工として
は、例えば、熱間圧延加工を採用することができる。こ
の場合、熱間鍛造加工により板材を成形するようにすれ
ばよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブヘッ
ドおよびその製造方法に関し、一層詳細には、肉厚が小
さなフェース部材を有し、このために軽量なゴルフクラ
ブヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、ゴルフボールを所望の方向へ
確実に打球することができるようにするために、ゴルフ
クラブヘッドの大型化が進行しつつある。すなわち、フ
ェース面が大きなゴルフクラブヘッドでは、打球最適領
域(スイートエリア)がより広いからである。
【0003】ところで、肉厚を同等にしてゴルフクラブ
ヘッドを大型化すると、必然的に該ゴルフクラブヘッド
の重量が大きくなる。この場合、プレイヤーがゴルフク
ラブをスイングする際にそのスイング速度が遅くなるの
で、打球されたゴルフボールの飛距離が短くなってしま
う。このような不都合を回避するために、通常、ゴルフ
クラブヘッドを構成する部材、例えば、フェース部材等
の肉厚を小さくすることにより、ゴルフクラブヘッドの
大型化に伴う重量増加を抑制するようにしている。
【0004】しかしながら、フェース部材の肉厚を極端
に小さくすることはできない。ゴルフボールを繰り返し
打球した場合においても該フェース部材が永久変形した
り損傷したりすることを回避するために、ある程度の強
度および靱性を確保する必要があるからである。このよ
うな観点から、SUS630等のステンレス鋼でフェー
ス部材を形成する場合、その肉厚は2.7mm以上に設
定されている。
【0005】そこで、本出願人は、Cr、Co、Ni、
Mo等を含有するマルテンサイト主体の金属組織からな
る合金鋼を形成材料とするゴルフクラブヘッドを提案し
ている(特許第2750267号公報参照)。この合金
鋼はステンレス鋼に比して高強度であり、したがって、
肉厚がより小さいゴルフクラブヘッドを構成することが
できる。例えば、フェース部材の場合、肉厚が2.7m
mのSUS630と同等の強度を具備させるには、肉厚
を2.3mmとすれば充分である。このため、結局、ゴ
ルフクラブヘッドを軽量化することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した各ゴルフクラ
ブヘッドは、一般的には、精密鋳造法(ロストワックス
法)により製造されている。しかしながら、この場合、
鋳造成形品(フェース部材等)に内部気孔等の構造欠陥
が生じ易く、このため、得られたフェース部材の強度の
ばらつきが大きいという不具合がある。勿論、強度が低
いものは永久変形し易いので、市販品として供すること
はできない。要するに、鋳造によりゴルフクラブヘッド
を製造する場合、製造歩留まりが低いという不都合が顕
在化している。
【0007】そこで、実際には、フェース部材の肉厚を
大きくして強度のばらつきを小さくすることにより、製
造歩留まりが低下することを回避するようにしている。
しかしながら、このためにフェース部材、ひいてはゴル
フクラブヘッドの重量を大なるものにしているという不
都合を招いている。
【0008】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたもので、肉厚が小さいながらも充分な強度および
靱性を有するフェース部材を具備し、このために大型で
ありながら軽量なゴルフクラブヘッドおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、10〜25重量%のCrと、10〜2
0重量%のCoと、3〜8重量%のNiと、3〜8重量
%のMoとを含有する合金鋼が圧延加工されることによ
り得られた板材が成形されてなるフェース部材を備える
ことを特徴とする。
【0010】圧延加工が施された合金鋼は、内部気孔が
圧潰されているので構造欠陥が著しく少ない。したがっ
て、本発明に係るゴルフクラブヘッドが有するフェース
部材は、肉厚が同一であれば、上記した従来技術に係る
ゴルフクラブヘッドが有するフェース部材、すなわち、
精密鋳造法により作製されたフェース部材に比して高強
度および高靱性を示す。換言すれば、肉厚を小さくして
も、従来技術に係るゴルフクラブヘッドが有するフェー
ス部材と同等の強度を確保することができる。このた
め、必要強度を維持した状態でゴルフクラブヘッドの軽
量化を図ることができる。
【0011】また、本発明は、10〜25重量%のCr
と、10〜20重量%のCoと、3〜8重量%のNi
と、3〜8重量%のMoとを含有する合金鋼に対して圧
延加工を施すことより板材とする圧延加工工程と、前記
板材を成形してフェース部材とする成形工程と、前記フ
ェース部材とヘッド本体とを接合する接合工程とを有す
ることを特徴とする。
【0012】合金鋼を圧延加工することにより該合金鋼
の内部気孔が圧潰される。したがって、構造欠陥が著し
く少なく、このために強度および靱性に優れたフェース
部材を得ることができる。
【0013】なお、圧延加工工程で熱間圧延加工を行っ
た場合、成形工程では熱間鍛造加工を行うことが好まし
い。これにより、寸法精度に優れたフェース部材を得る
ことができるからである。
【0014】一方、圧延加工工程で熱間圧延加工および
冷間圧延加工をこの順序で行うようにしてもよい。この
場合、冷間圧延加工により寸法精度に優れたフェース部
材を得ることができるので、成形工程では切断加工また
は打ち抜き加工を行うようにしてもよい。勿論、成形工
程で鍛造加工を行うようにしてもよい。鍛造加工は、熱
間鍛造加工であってもよく、冷間鍛造加工であってもよ
い。
【0015】この場合、冷間圧延加工を行う前に、前記
板材を溶体化処理することが好ましい。これにより合金
鋼の金属組織が均一となり、したがって、冷間圧延加工
が施される際に損傷し難い板材となるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るゴルフクラブ
ヘッドおよびその製造方法につき好適な実施の形態を挙
げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0017】本実施の形態に係るウッド型ゴルフクラブ
ヘッドの概略全体正面を図1に示すとともに、概略縦断
面を図2に示す。このウッド型ゴルフクラブヘッド10
は、ヘッド本体12にフェース部材14が接合されてな
る。
【0018】ウッド型ゴルフクラブヘッド10の本体で
あるヘッド本体12は、鋳造によって作製された中空体
である。ヘッド本体12の形成材料は特に限定されるも
のではなく、例えば、フェース部材14の形成材料であ
る後述する合金鋼を例示することができる。
【0019】一方、フェース部材14は、ゴルフボール
を打球するための部材であり、10〜25重量%のCr
と、10〜20重量%のCoと、3〜8重量%のNi
と、3〜8重量%のMoとを含有する合金鋼が圧延加工
されることにより得られた板材が成形されてなる。
【0020】圧延加工が施された合金鋼は、内部気孔が
圧潰されているので構造欠陥が著しく少ない。したがっ
て、フェース部材14は、肉厚が同一であれば、精密鋳
造法により作製されたフェース部材に比して高強度およ
び高靱性を示す。換言すれば、フェース部材14の肉厚
を小さくしても、従来技術に係るゴルフクラブヘッドが
有するフェース部材と同等の強度を確保することができ
る。
【0021】このように、圧延加工が施された合金鋼が
成形されたものをフェース部材14とすることにより、
ウッド型ゴルフクラブヘッド10が大型化された場合に
おいてもフェース部材14の肉厚を小さくすることがで
きる。したがって、ウッド型ゴルフクラブヘッド10の
大型化に伴って該ウッド型ゴルフクラブヘッド10の重
量が増加することを著しく抑制することができる。要す
るに、スイートエリアを拡張するためにウッド型ゴルフ
クラブヘッド10を大型化しながらも軽量化を図ること
ができる。
【0022】前記合金鋼、すなわち、フェース部材14
には、Al、Ti、Cu、Nb、Zrからなる群から選
択された少なくとも1つの元素が含有されていてもよ
い。このような元素が存在する場合、フェース部材14
の強度が一層向上するからである。なお、元素の割合
は、0.01〜1.0重量%で充分である。前記合金鋼
には、さらに、C、Si、Mn等が含有されていてもよ
い。
【0023】なお、ヘッド本体12とフェース部材14
とは、例えば、溶接により相互に接合されている。
【0024】次に、このウッド型ゴルフクラブヘッド1
0の製造方法につき説明する。
【0025】第1の実施形態に係る製造方法(以下、第
1の製法という)のフローチャートを図3に示す。この
第1の製法は、合金鋼に対して熱間圧延加工を施すこと
により板材とする圧延加工工程S1と、前記板材に対し
て熱間鍛造加工を施すことにより該板材をフェース部材
14に成形する成形工程S2と、フェース部材14とヘ
ッド本体12とを接合する接合工程S3とを有する。
【0026】勿論、合金鋼としては、10〜25重量%
のCrと、10〜20重量%のCoと、3〜8重量%の
Niと、3〜8重量%のMoとを含有するものが使用さ
れる。ここで、合金鋼は、例えば、インゴットを鍛造加
工することにより得ることができる。この場合、合金鋼
の厚みは40〜100mmとすればよい。
【0027】まず、圧延加工工程S1において、100
0〜1300℃程度に加熱された合金鋼に対して圧延加
工を施し、厚み2〜5mmの板材とする(熱間圧延加
工)。熱間圧延加工では圧下率を大きくすることができ
るので、同一のワーク(合金鋼)に対して圧延加工を繰
り返して行う必要がない。したがって、合金鋼を効率よ
く板材とすることができる。なお、ワークロールが滑る
ことにより素材が湾曲することを回避するため、合金鋼
を鞘材に介装した状態で熱間圧延加工を行うようにして
もよい。
【0028】次いで、成形工程S2において、フェース
部材14の形状に対応する鍛造金型を用い、900〜1
250℃程度に加熱された前記板材に対して熱間鍛造加
工を施す。これにより板材が所定の厚み、具体的には
1.8mm以上2.3mm未満の範囲内に成形され、そ
の結果、フェース部材14が作製される。この場合、熱
間鍛造加工で板材を成形するので、フェース部材14を
優れた寸法精度で得ることができる。
【0029】このようにして作製されたフェース部材1
4は、精密鋳造法により作製されたフェース部材に比し
て高強度および高靱性を示す。上記したように、熱間圧
延加工が施されることによって合金鋼の内部気孔が圧潰
されているからである。
【0030】すなわち、第1の製法によれば、高強度お
よび高靱性を示すフェース部材14を確実に製造するこ
とができる。また、フェース部材14の強度のばらつき
が少ないので、製造歩留まりも向上する。
【0031】次いで、必要に応じてフェース部材14の
バリ部を除去した後、接合工程S3において、該フェー
ス部材14とヘッド本体12とを例えば溶接によって相
互に接合することにより、ウッド型ゴルフクラブヘッド
10が得られる。
【0032】さらに、溶体化処理工程S4、深冷処理工
程S5および時効熱処理工程S6(図3参照)を行うこ
とにより、ウッド型ゴルフクラブヘッド10に対して後
処理を施す。例えば、溶体化処理工程S4においては、
ウッド型ゴルフクラブヘッド10全体を900〜120
0℃に加熱して0.1〜3時間保持すればよい。また、
深冷処理工程S5においては、ウッド型ゴルフクラブヘ
ッド10全体を−100〜−10℃に冷却して0.1〜
24時間保持すればよい。そして、時効熱処理工程S6
においては、ウッド型ゴルフクラブヘッド10全体を4
00〜600℃に加熱して0.1〜24時間保持すれば
よい。
【0033】さらに、必要であれば、ウッド型ゴルフク
ラブヘッド10に対して研磨加工等を行うようにしても
よい。
【0034】以上により、肉厚が小さいながらもゴルフ
ボールが打球される際に永久変形や損傷が生じ難いフェ
ース部材14を有するウッド型ゴルフクラブヘッド10
が完成されるに至る。
【0035】次に、第2の実施形態に係る製造方法(以
下、第2の製法という)につき、そのフローチャートで
ある図4を参照して説明する。
【0036】図4に示されるように、第2の製法は、合
金鋼に対して熱間圧延加工を施すことにより厚板材とす
る第1圧延加工工程S10と、前記厚板材に対して溶体
化処理を施す溶体化処理工程S11と、前記厚板材に対
して冷間圧延加工を施すことにより板材とする第2圧延
加工工程S12と、前記板材に対して切断加工、打ち抜
き加工または鍛造加工のいずれかを施すことにより該板
材をフェース部材14に成形する成形工程S13と、フ
ェース部材14とヘッド本体12とを接合する接合工程
S14とを有する。合金鋼として上記組成のものが使用
されることはいうまでもない。
【0037】まず、第1圧延加工工程S10において、
900〜1300℃程度に加熱された合金鋼に対して圧
延加工を施し、厚み5〜20mmの厚板材とする(熱間
圧延加工)。このように、合金鋼に対してまず熱間圧延
加工を施すことによりフェース部材14を効率よく作製
することができる。上記したように、熱間圧延加工では
圧下率を大きくすることができるからである。
【0038】次いで、溶体化処理工程S11において、
この厚板材に対して溶体化処理を施す。この溶体化処理
により、冷間圧延加工が施される際に損傷し難い厚板材
とすることができる。
【0039】次いで、第2圧延加工工程S12におい
て、前記厚板材に対して冷間圧延加工を施すことによ
り、厚み1.5〜2.3mmの板材とする。
【0040】このように、第2の製法においても合金鋼
が圧延加工される。したがって、該合金鋼の内部気孔が
圧潰されるので、高強度および高靱性を示すフェース部
材14を得ることができる。すなわち、第2の製法にお
いても、高強度および高靱性を示すフェース部材14を
確実に製造することができる。また、フェース部材14
の強度のばらつきが少ないので、製造歩留まりも向上す
る。
【0041】冷間圧延加工においては、フェース部材1
4の厚みを精度よく制御することができる。したがっ
て、成形工程S13においては、加工精度がやや低い切
断加工または打ち抜き加工を採用することができる。こ
の場合、フェース部材14の形状をヘッド本体12の形
状に対応するように湾曲させるためには、切断加工また
は打ち抜き加工前にプレス加工を行うようにすればよ
い。
【0042】成形工程S13では、鍛造加工を採用する
こともできる。上記したように、第2圧延加工工程S1
2においてフェース部材14の厚みが精度よく制御され
ているので、加工精度がやや低い冷間鍛造加工を行うよ
うにしてもよい。勿論、熱間鍛造加工を採用するように
してもよい。
【0043】次いで、第1の製法と同様に、必要に応じ
てフェース部材14のバリ部を除去した後、接合工程S
14において、該フェース部材14とヘッド本体12と
を例えば溶接によって相互に接合することにより、ウッ
ド型ゴルフクラブヘッド10が得られる。
【0044】さらに、ウッド型ゴルフクラブヘッド10
に対して後処理を施す。成形工程S13で切断加工また
は打ち抜き加工を採用した場合、図4に示すように、時
効熱処理工程SA1のみを行うようにすればよい。すな
わち、例えば、ウッド型ゴルフクラブヘッド10全体を
400〜600℃に加熱して0.1〜24時間保持すれ
ばよい。
【0045】一方、成形工程S13で熱間鍛造加工を採
用した場合、図4にかっこ書きで示すように、溶体化処
理工程SB1、深冷処理工程SB2および時効熱処理工
程SB3を行うようにすればよい。溶体化処理はウッド
型ゴルフクラブヘッド10全体を900〜1200℃に
加熱して0.1〜3時間保持することにより施すことが
でき、また、深冷処理はウッド型ゴルフクラブヘッド1
0全体を−100〜−10℃に冷却して0.1〜24時
間保持することにより行うことができる。
【0046】なお、成形工程S13で冷間鍛造加工を採
用した場合、時効熱処理工程SB3のみを行うようにし
てもよい。
【0047】さらに、必要であれば、第1の製法と同様
に、ウッド型ゴルフクラブヘッド10に対して研磨加工
等を行うようにしてもよい。
【0048】以上により、この第2の製法においても、
肉厚が小さいながらもゴルフボールが打球される際に永
久変形や損傷が生じ難いフェース部材14を有するウッ
ド型ゴルフクラブヘッド10が完成されるに至る。
【0049】なお、上記した実施の形態では、ヘッド本
体12を鋳造により作製するようにしているが、フェー
ス部材14と同様に、第1の製法または第2の製法に準
拠して上記組成の合金鋼を圧延加工および成形すること
により作製するようにしてもよい。
【0050】また、この実施の形態においては、フェー
ス部材14としてウッド型ゴルフクラブヘッド10用の
ものを例示して説明したが、図5にその概略縦断面が示
されるアイアン型クラブヘッド20のヘッド本体22に
嵌合されるアイアン型ゴルフクラブヘッド用のフェース
部材24であってもよい。
【0051】
【実施例】Crを15重量%、Coを15重量%、Ni
を4重量%、Moを4重量%含有し、さらに、0.02
重量%のC、0.1重量%のSi、0.1重量%のMn
を含有する合金鋼に対して熱間圧延加工を施することに
より厚板材とした。この厚板材を1000℃で3時間保
持することにより溶体化処理した後、該厚板材に対して
冷間圧延加工を施すことにより、厚み2.5mmの板材
とした。さらに、この板材を所定の寸法に切断して小片
とした後、該小片に対して580℃で8時間保持するこ
とにより時効熱処理を施した。これを実施例とする。
【0052】また、比較のため、同一組成の合金鋼を溶
融して溶湯とし、この溶湯を鋳造することにより実施例
の小片と同一寸法の小片を作製した。これを比較例とす
る。
【0053】そして、実施例および比較例の小片につき
シャルピー衝撃試験を行った。この試験により測定され
るシャルピー衝撃値が大きいほど靱性が高い材料である
ことを表す。結果を図6に示す。この図6から、実施例
の小片の方が高靱性であることが諒解される。
【0054】これとは別に、実施例および比較例に準拠
して、長さ80mm×幅15mm×厚み2.1mmの小
片を作製した。そして、各小片の両端部を互いに離間す
る方向に引っ張り、該小片が破壊した際の強度(引張強
さ)を求めた。結果を併せて図6に示す。図6から、実
施例の小片は、比較例の小片に比して引張強さが著しく
高いことが明らかである。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るゴル
フクラブヘッドによれば、ステンレス鋼を上回る強度を
有する合金鋼が圧延加工されることにより得られた板材
が成形されてなるフェース部材を備えるようにしてい
る。このフェース部材は、肉厚が同一であれば、ステン
レス鋼からなるフェース部材や鋳造により製造されたフ
ェース部材に比して高強度を示す。換言すれば、肉厚を
小さくしても従来技術に係るフェース部材と同等の強度
を確保することができるので、スイートエリアを拡張す
るためにゴルフクラブヘッドを大型化した場合であって
も、該ゴルフクラブヘッドの重量が著しく増加すること
を回避することができる。すなわち、必要強度を維持し
た状態でゴルフクラブヘッドの軽量化を図ることができ
るという効果が達成される。
【0056】また、本発明に係るゴルフクラブヘッドの
製造方法によれば、合金鋼を圧延加工するようにしてい
る。このため、合金鋼の内部気孔が圧潰されるので、構
造欠陥が著しく少なく、したがって、強度および靱性に
優れたフェース部材を製造歩留まりよく得ることができ
るという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るウッド型ゴルフクラブヘッ
ドの概略全体正面図である。
【図2】図1の概略縦断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る製造方法のフローチャー
トである。
【図4】第2の実施形態に係る製造方法のフローチャー
トである。
【図5】アイアン型ゴルフクラブヘッドの概略縦断面図
である。
【図6】実施例および比較例の小片の特性を示す図表で
ある
【符号の説明】
10、20…ゴルフクラブヘッド 12、22…ヘ
ッド本体 14、24…フェース部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今出 潤子 香川県大川郡志度町大字志度5412番地 キ ャスコ株式会社内 Fターム(参考) 2C002 AA02 CH01 CH06 MM04 PP02 PP03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜25重量%のCrと、10〜20重
    量%のCoと、3〜8重量%のNiと、3〜8重量%の
    Moとを含有する合金鋼が圧延加工されることにより得
    られた板材が成形されてなるフェース部材を備えること
    を特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 【請求項2】10〜25重量%のCrと、10〜20重
    量%のCoと、3〜8重量%のNiと、3〜8重量%の
    Moとを含有する合金鋼に対して圧延加工を施すことに
    より板材とする圧延加工工程と、 前記板材を成形してフェース部材とする成形工程と、 前記フェース部材とヘッド本体とを接合する接合工程
    と、 を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の製造方法において、前記圧
    延加工工程で熱間圧延加工を行い、かつ前記成形工程で
    熱間鍛造加工を行うことを特徴とするゴルフクラブヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2記載の製造方法において、前記圧
    延加工工程で熱間圧延加工および冷間圧延加工をこの順
    序で行い、かつ前記成形工程で切断加工、打ち抜き加工
    または鍛造加工のいずれかを行うことを特徴とするゴル
    フクラブヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の製造方法において、前記冷
    間圧延加工を行う前に前記板材を溶体化処理することを
    特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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