JP2006239310A - ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブ - Google Patents

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【課題】ゴルフボール打撃時の打撃感覚に優れたゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド2のボールを打接するフェース部1の少なくとも一部を、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金により形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフボール打撃時の打撃感覚に優れたゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブに関する。
ボールに対する反発性が高い材料をゴルフクラブヘッドに使用し、打球の飛距離が向上したゴルフクラブが開発され、今日のゴルフクラブの主流になっている。また、打撃時の衝撃を緩和するという観点から、ゴルフクラブヘッドにMn-Cu系やCu-Zn-Sn系の制振合金を使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、近年、ゴルファーの多種多様な要求を満たすために、様々な材料を用いたゴルフクラブが開発されている。
しかしながら、従来のゴルフクラブでは、打撃時の衝撃感やフィーリング感といった打撃感覚の感受性の点において充分に満足できるものではない。特に、近年、打球の飛距離の増大を図るために、反発力が高い材料で構成されたゴルフボールが使用されることが多く、このようなゴルフボールに対してアイアンやパターで打撃すると、打撃時の衝撃の増大やフィーリングの悪化が顕著になる傾向にある。
ゴルフボール打撃時の打撃感覚は、ゴルファーのフィーリングという繊細な要素に大きく左右されるため、打撃感覚に優れたゴルフクラブを開発するために、如何なる素材を使用すればよいかについては未だ不明な点が多い。また、これまでに、ゴルフクラブヘッドのフェース部に、制振性合金を使用することが試みられているが、その制振性合金の制振特性、強度、反発力等の性質によってゴルフボール打撃時の打撃感覚が大きく異なるため、如何なる制振金属を使用すれば、打撃感覚が良好なゴルフクラブが得られるかについては一切分かっていない。
特開2003−79771号公報
本発明は、ゴルフボール打撃時の打撃感覚に優れたゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブを提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、鋭意検討したところ、ボールを打接するフェース部の少なくとも一部に、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金を使用することにより、ゴルフボール打撃時の打撃感覚が優れており、従来のゴルフクラブヘッドでは実現できなかった優れた打撃感受性が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げるゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブである:
項1. ボールを打接するフェース部の少なくとも一部が、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金から形成されていることを特徴とする、ゴルフクラブヘッド。
項2. 前記合金が、Al含有量6〜10重量%、残部Feおよび不可避的不純物からなる合金を塑性加工した後、700〜1000℃で30分〜2時間保持し、次いで同保持温度から600℃までの温度域において20℃/分以下の速度で徐冷することにより製造されるものである、項1に記載のゴルフクラブヘッド。
項3. 前記合金が、以下の工程を経て製造されるものである、項1に記載のゴルフクラブヘッド:
工程(i)Al含有量2〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金を塑性加工する工程、
工程(ii)塑性加工した合金を冷間圧延加工する工程、及び
工程(iii)冷間圧延加工後の合金を焼鈍する工程。
項4. 項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドを有する、ゴルフクラブ。
項5. 更に、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金が、シャフトとゴルフクラブヘッドとの接続部を覆うように固着されている、項4に記載のゴルフクラブ。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)ゴルフクラブヘッド
本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、ボールを打接するフェース部の少なくとも一部を形成する合金は、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金である。
本発明において使用するFe−Al合金は、強磁性材料であり、磁壁の非可逆移動に伴う磁気・機械的履歴損失が一因となって、ゴルフボール打撃時の打撃感覚を良好にしているものと推測される。一般に、多結晶材料の金属組織中に存在する結晶粒界は、磁壁が移動する際の妨げになると考えられることから、結晶粒径が大きいほど磁歪も大きくなり、内部摩擦が増大し、この増大した内部摩擦が打撃感覚の良好な感受性に寄与するものと推測される。
本発明に使用するFe−Al合金は、Al含有率が6〜10重量%であり、残余がFeおよび不可避的不純物(Si 0.1重量%以下;Mn 0.1重量%以下、;その他C、N、S、Oなど併せて0.3重量%以下)からなる。Al含有量が6〜10重量%の範囲内であれば、内部摩擦を高く保持できる。内部摩擦を十分に高めるために、Al含有量を7〜9重量%とすることがより望ましい。
また、本発明に使用するFe−Al合金は、その結晶の平均粒径が300〜700μmの範囲内にあることを必須とする。上記Fe−Al合金中の結晶の平均粒径が300μmよりも著しく小さい金属組織の状態では、上記の理由により、フェース部材としての十分な内部摩擦が得られない。従って、合金素材に対し圧延加工などの塑性加工を行った後、700℃以上の温度での焼鈍処理により、結晶の平均粒径を300μm以上に調整するとよい。一方、高温での長時間の熱処理により、結晶の平均粒径が700μmを著しく上回ると、強度が低下する傾向がある。ゴルフボール打撃時の打撃感覚を更に一層向上させるためには、結晶の平均粒径が500〜700μmであることがより好ましい。Fe−Al合金中の結晶の平均粒径については、合金の表面を研磨した後に、ナイタール溶液(エタノール(95重量%)及び硝酸(5重量%)の混合液)によりエッチングを行い、これを光学顕微鏡で100倍の倍率で観察することにより測定される。
本発明のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部として使用されるFe−Al合金は、例えば、以下記載する製法(A)又は製法(B)により製造することができる。製法(A)によれば、ヘッド本体、或いはフェース部に使用されるシート又はフィルム状のFe−Al合金を製造できる。また、製法(B)によれば、フェース部に使用されるシート又はフィルム状のFe−Al合金を製造できる。
製法(A)
まず、所望の合金中のAl含有量が所定値となる割合に予め調整したAlとFe素材とを、窒素および酸素の侵入を防止するために、0.1〜0.01Pa程度の減圧下で溶融した後、鋳型に流し込んで、Fe−Al合金鋳塊を得る。次いで、得られた合金鋳塊を圧延、鍛造などの塑性加工と機械加工により、所定の形状(フェース部又はヘッド本体の形状)に仕上げる。
次いで、得られた塑性加工材を700〜1000℃程度の温度に30分〜2時間程度保持して、焼き鈍し処理する。焼き鈍し処理時の温度および時間は、合金の組成、形状と関連する塑性加工条件などを考慮して、上記の範囲から適宜選択すればよい。
次いで、得られた焼き鈍し材を所定の保持温度から600℃までの温度域における冷却速度を通常20℃/分以下(好ましくは10℃/分以下、さらに好ましくは1〜5℃/分程度)として、徐冷する。600℃未満の温度域では、自然冷却(放冷)を行えば良い。
上記の様にして、塑性加工による内部歪みが除去され、結晶の平均粒径が300〜700μmであるFe−Al合金からなるフェース部が得られる。結晶の平均粒径は、合金組成に応じて、焼き鈍し処理時の温度および時間、徐冷速度などにより、制御することができる。例えば、上記Fe−Al合金を再度、850〜950℃で1時間保持した後、950〜600℃の温度域での冷却速度を5℃/分程度として徐冷することにより、結晶粒径500〜700μm程度の材料が得られる。このような合金は、打撃感覚を良好に感受させることを可能にする。
製法(B)
製法(B)では、以下記載する工程(i)〜(iii)を経て、Fe−Al合金が製造される。
工程(i)
本発明のFe−Al合金の製造方法では、まず、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金を塑性加工する(工程(i))。具体的には、まず、所望の合金中のAl含有量が所定値となる割合に予め調整したAlとFe素材とを、窒素及び酸素の侵入を防止するために、0.1〜0.01Pa程度の減圧下で溶融した後、鋳型に流し込んで、Fe−Al合金鋳塊を得る。その後、得られた合金鋳塊を圧延、鍛造などの塑性加工と機械加工により、所定の形状に仕上げる。
必要に応じて、塑性加工の後に、塑性加工後の合金を焼鈍処理に供してもよい。このように、塑性加工後に焼鈍処理することにより、合金の硬度をビッカース硬度で200から150まで柔らかくすることが可能になる。一般にパター用ゴルフヘッドのフェース部に使用される材料の硬さは、柔らかい方(例えば、ビッカース硬度で150程度)が適しているとされており、パター用ゴルフヘッドのフェース部に使用する合金は、かかる焼鈍処理を行うことが望ましい。塑性加工後に焼鈍処理を行う場合、その焼鈍条件については特に制限されないが、具体的には、得られた塑性加工後の合金を700〜1000℃程度の温度に30分〜2時間程度保持する条件が例示される。焼鈍処理時の温度及び時間は、合金の組成、塑性加工条件等を考慮して、上記の範囲から適宜選択すればよい。
工程(ii)
次いで、塑性加工した合金に対して冷間圧延加工を行う(工程(ii))。
塑性加工後に焼鈍処理を行っている場合には、当該冷間圧延加工は、合金を下記冷間圧延温度にまで冷却した後に実施される。
当該冷間圧延加工時の温度条件としては、合金の再結晶温度以下であれば特に制限されないが、通常、常温で行うことができる。また、当該冷間圧延加工における圧延加工条件は、特に制限されないが、断面減少率が通常5%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは20〜95%となるような加工条件であることが望ましい。このような断面減少率となるように圧延加工することにより、合金に短範囲規則性を備えさせることが可能になる。なお、本工程では、1回の冷間圧延加工により上記断面減少率に加工してもよく、また2回以上の冷間圧延加工を行うことにより上記断面減少率に加工してもよい。なお、ここで、「断面減少率」とは、圧延加工前の合金の断面積に対して圧延加工後に減少した断面積の割合(%)であり、下記式により算出することができる。
Figure 2006239310
工程(iii)
次いで、冷間圧延加工した合金に対して焼鈍処理を行う(工程(iii))。具体的には、得られた冷間圧延加工後の合金を400〜1200℃程度(好ましくは600〜1000℃、更に好ましくは600〜850℃)の温度に30分〜2時間程度保持して、焼き鈍し処理する。焼鈍処理時の温度及び時間は、合金の組成、塑性加工条件等を考慮して、上記の範囲から適宜選択すればよい。
当該焼鈍処理後の合金を冷却する速度については、特に制限されず、焼鈍処理温度や合金の内部歪みの程度等に応じて適宜設定することができる。得られるFe−Al合金に、強度や制振性等の点で一層優れた特性を備えさせるという観点から、当該焼鈍処理後の合金の冷却は、600℃までの温度域における冷却速度を10℃/分以下(好ましくは1〜5℃/分程度)として、更に600℃未満の温度域では自然冷却(放冷)を行うことが望ましい。
ゴルフクラブヘッドにおいて、ゴルフボールが直接打接するフェース部が、ゴルフボール打撃時の打撃感覚の優劣を主に左右するので、本発明のゴルフクラブヘッドは、少なくともフェース部の一部が上記Fe−Al合金により形成されていればよい。より優れた打撃感覚を得るためには、上記Fe−Al合金が、フェース部の主要部、例えばフェース部の全表面に対して50%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上を占めていることが望ましい。
本発明のゴルフクラブヘッドは、ヘッド本体自体を上記Fe−Al合金で形成することにより製造することができ、また上記Fe−Al合金で形成されたフェース部材をヘッド本体に接合することにより製造することもできる。
また、上記Fe−Al合金で形成されたフェース部材をヘッド本体に接合する場合、該フェース部材の厚みは、例えば0.1mm以上、好ましくは0.1〜1mm、更に好ましくは0.1〜0.3mmにすることが望ましい。フェース部の厚みがのような範囲内であれば、優れた打撃感覚を付与すると共に、良好なヘッドの反発性能や強度を得ることもできる。また、かかる場合、一層良好な打撃感覚を感受するために、フェース部材として、上記製法(B)により製造されたシート又はフィルム状のFe−Al合金を使用することが望ましい。
また、上記Fe−Al合金で形成されたフェース部材をヘッド本体に接合する場合、その接合方法は、フェース部材の形状や厚み等に応じて適宜設定される。該接合方法の具体例としては、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接、ろう付け、圧造、接着剤による固定、ボルトによる固定、溶着等が例示される。
なお、本発明のゴルフクラブヘッドのフェース部には、打球の飛距離や回転の制御や耐久性の向上等を目的として、各種の表面処理が施されていてもよい。
本発明のゴルフクラブヘッドのヘッド本体が上記Fe−Al合金以外の材料により構成される場合、その構成材料については、ゴルフクラブの種類等に応じて従来公知の材料から適宜選択すればよい。
本発明のゴルフクラブヘッドのヘッド本体の構造やヘッド体積についても、ゴルフクラブの種類や必要とされる特性等に応じて適宜設計することができる。
本発明のゴルフクラブヘッドの種類については、制限されるものではないが、好適な実施態様として、アイアン用ゴルフクラブヘッド又はパター用ゴルフクラブヘッドが例示される。
(II) ゴルフクラブ
上記ゴルフクラブヘッドは、そのホーゼル部にシャフトを取り付けられることにより、ゴルフクラブとして使用される。また、該ゴルフクラブにおいて、ゴルフクラブヘッドとシャフトの接続部を覆うように、厚さ0.1〜0.3mmのフィルム又はシート状の上記Fe−Al合金を固着させることにより、一層優れた打撃感覚を感受することが可能になる。上記接続部に上記Fe−Al合金を固着させる方法としては、特に制限されるものではないが、該方法の一例として、溶接、溶着、接着剤による固定等が挙げられる。
本発明のゴルフクラブヘッドによれば、ゴルフボール打撃時の衝撃感やフィーリング感といった打撃感覚を繊細に感じることができ、従来のゴルフクラブには実現できなかった打撃感覚を感受することができる。
また、本発明のゴルフクラブヘッドのフェース部材に使用されるFe−Al合金は、引張強度が強く、加工性の点でも優れているので、本発明のゴルフクラブヘッドは、加工性、強度、飛距離の点においても優れている。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1 フェース部材の製造
99.5重量%の鉄と99.9重量%のAlを所定量秤量し、高周波真空熔解装置を用いて高周波溶解して、ロッド状の鋳造材(Al:7.83重量%、C:0.002重量%、Si:0.01重量%、Mn:0.03重量%、P:0.005重量%、S:0.002重量%、Cr:0.02重量%、Ni:0.19重量%、及びFe:残部)を作成した。このロッド状の鋳造材を、プレス加工に供して、105mm×330mm×4000mmの角材に仕上げた。この角材の一部を、1100℃で30×210×500mmの大きさに鍛造により加工した後に、2mmの厚さになるまで1100℃で熱間圧延加工して、シート状に塑性加工した。次いで、900℃で1時間焼鈍処理を行った。焼鈍処理後、室温まで冷却(空冷)し、室温で冷間圧延加工を行い、1、0.3又は0.1mmの厚さに仕上げた。次いで、800℃で1時間焼鈍処理を行った後、冷却速度1℃/分で550℃まで冷却し、その後空冷することによりシート状Fe−Al合金を調製した。斯くして得られたFe−Al合金の表面を研磨し、ナイタール溶液(エタノール(95重量%)及び硝酸(5重量%)の混合液)によりエッチングを行った後に、これを光学顕微鏡で100倍の倍率で観察したところ、平均結晶粒子径は、約500μm程度であることが確認された。
上記のようにして得られたシート状Fe−Al合金を所定のサイズに切り出し、フェース部材を製造した。
実施例1 パター用ゴルフクラブヘッド
参考例1で得られたフェース部材を、市販されているパター用クラブヘッドのフェース部に接着剤により接着させ、パター用クラブヘッドを製造した。得られたパター用クラブヘッドの斜視図を図1に示す。図1において、符号1はフェース部材、符号2はクラブヘッド本体、符号3はシャフトとクラブヘッドを接続するためのホーゼル部を示す。
実施例2 ゴルフクラブ(パター)
実施例1で得られたパター用ゴルフクラブヘッドに、シャフトを接続することにより、ゴルフクラブ(パター)を作成した。
実施例3 ゴルフクラブ(パター)
実施例2で作成したゴルフクラブのシャフトとクラブヘッドの接続部分に、参考例1と同方法で製造したフィルム状Fe−Al合金(0.1×20×30mm)を巻き付けて、接着剤で固定した。得られたゴルフクラブ(パター)の斜視図を図2に示す。図2中、符号4はシャフト、符号5はシャフトとクラブヘッドの接続部分を覆っておいるフィルム状Fe−Al合金を示す。
実施例5
99.5重量%の鉄と99.9重量%のAlを所定量秤量し、0.1〜0.01Pa程度の減圧下で溶融した後、鋳型に流し込んでロッド状の鋳造材(Al:7.83重量%、C:0.002重量%、Si:0.01重量%、Mn:0.03重量%、P:0.005重量%、S:0.002重量%、Cr:0.02重量%、Ni:0.19重量%、及びFe:残部)を得た。このロッド状の鋳造材を、プレス加工に供して、105mm×330mm×4000mmの角材に仕上げた。この角材を105mm×330mm×500mmの大きさに切断し、1100℃で直径30mmの丸棒に再鍛造した。この丸棒を200mmの長さに切断し、これを850℃でパター用のゴルフクラブヘッドに型鍛造し、その後、研摩処理を行った。研摩処理の後、850℃で1時間保持し、次いで1℃/分の冷却速度で550℃まで冷却し、550℃になった時点で空冷により室温まで冷却した。斯くしてパター用のゴルフクラブヘッドを製造した。
得られたパター用のゴルフクラブヘッドを構成するFe−Al合金について、光学顕微鏡で100倍の倍率で観察したところ、平均結晶粒子径は、約500μm程度であった。
比較例1
実施例1で使用した市販パター用クラブヘッドに、シャフトを接続することにより、ゴルフクラブ(パター)を作成した。
試験例1
ゴルフの熟練者5名をパネラーにより、実施例2のゴルフクラブ(パター)(フェース部材の厚み0.3mm)と比較例1のゴルフクラブ(パター)を用いて、ゴルフボールの試し打ちを行い、打撃感覚の感受性について評価した。本評価において、試し打ちは、1球毎に、実施例2のゴルフクラブと比較例1のゴルフクラブを交換して行い、各ゴルフクラブ当たり10球のボールを打つことにより打球感覚を評価した。なお、打球感覚は、下記の基準に従って評価した。
<打球感覚の評価基準>
○:打球感覚を良好に感じることができ、スウィートスポットで打球したか否かを的確に感じられる。フィーリング(球持ち)もよい。
△:打球感覚は普通であるが、スウィートスポットで打球したか否かを感覚的に感じることができない。フィーリング(球持ち)も普通である。
×:打球感覚を余り感じることができず、スウィートスポットで打球したか否かは判別できない。フィーリング(球持ち)もよくない。
得られた結果を表1に示す。この結果、実施例2のゴルフクラブは、打球感覚を繊細に感じることができ、従来のゴルフクラブ(比較例1)には実現できなかった打撃感覚を感受することができることが確認された。
Figure 2006239310
試験例2
厚み0.1mm及び1mmの参考例1で得られたフェース部材をヘッドのフェースに接合しているゴルフクラブを用いて、上記試験例1と同様の方法で、打撃感覚の感受性について評価した。その結果、上記試験例1と同様、厚み0.1mm及び1mmの参考例1で得られたフェース部材を接合させたゴルフクラブを使用することにより良好な打撃感受性が得られることが確認された。
試験例3
実施例3で得られたゴルフクラブを用いて、上記試験例1と同様の方法で、打撃感覚の感受性について評価した。その結果、ホーゼル部とシャフトの接続部にフィルム状Fe−Al合金を覆うことによって、より一層繊細で、良好な打撃感受性が得られることが確認された。
試験例4
実施例5で得られたパター用ゴルフクラブヘッドの制振性について評価するために、以下の試験を行った。パター用ゴルフクラブヘッドのホーゼル部周辺にピックアップを取り付けてFFTアナライザーを接続した。次いで、インパルスハンマーでパター用ゴルフクラブヘッドのフェース部に軽く打撃を加えた(図3参照)。打撃後に、パター用ゴルフクラブヘッドのホーゼル部周辺で感受される振動をFFTアナライザーで解析した。
得られた結果を図4に示す。図4から分かるように、本パター用ゴルフクラブヘッドでは、打撃後の歪振幅が急速に減少していることが確認された。この結果から、Fe−Al合金による優れた制振特性が、本発明のゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブにおいて、ゴルフボール打撃時の打撃感覚を向上させる一因となっていることが示唆された。
実施例2で製造したパター用ゴルフクラブヘッドの斜視図である。 実施例4で製造したゴルフクラブ(パター)の斜視図である。 試験例4における実験の構成態様、即ち、実施例5で製造したパター用ゴルフクラブヘッドの制振特性の評価実験の構成態様を示す写真である。 試験例4の結果、即ち実施例5で製造したパター用ゴルフクラブヘッドをインパルスハンマーで打撃した際の制振性(歪振幅と時間の関係)を示す図である。
符号の説明
1.フェース部材、2.クラブヘッド本体、3.ホーゼル部、4.シャフト、5.フィルム状Fe−Al合金

Claims (3)

  1. ボールを打接するフェース部の少なくとも一部が、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金から形成されていることを特徴とする、ゴルフクラブヘッド。
  2. 請求項1に記載のゴルフクラブヘッドを有する、ゴルフクラブ。
  3. 更に、Al含有量6〜10重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が300〜700μmの範囲内にある合金が、シャフトとゴルフクラブヘッドとの接続部を覆うように固着されている、請求項2に記載のゴルフクラブ。
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