JP2002141524A - 多接合型薄膜太陽電池 - Google Patents
多接合型薄膜太陽電池Info
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Abstract
有する多接合型薄膜太陽電池を提供する。 【解決手段】 多接合型薄膜太陽電池20は、ガラス基
板11a、凹凸表面層11b、非晶質シリコン光電変換
層12、中間層13、結晶質シリコン光電変換層14、
裏面反射層15、裏面電極16が、この順番で積層され
て構成されている。中間層13の表面の凹凸の高さを示
す二乗平均値は、25〜600nmの範囲に設定されて
おり、かつ中間層13表面の凹凸の平均線に対する凹凸
表面の傾斜角をΘとしたときのtanΘが0.07〜
0.20の範囲に設定されている。
Description
変換効率を有する多接合型薄膜太陽電池に関するもので
ある。
され、かつ地球温暖化現象の原因となる二酸化炭素排出
の問題を有している。近年、この石油等の化石燃料の代
替エネルギー源として太陽電池が注目されている。
する光電変換層にpn接合を有する半導体を備えてい
る。このpn接合を構成する半導体として一般的にはシ
リコンが最もよく用いられている。光電変換効率の点か
らは、単結晶シリコンを用いることが好ましいが、原料
供給や大面積化、低コスト化の問題を有している。
るのに有利な材料として、非晶質のアモルファスシリコ
ンを光電変換層として用いた薄膜太陽電池が実用化され
ている。さらには、単結晶シリコン太陽電池レベルの高
くて安定な光電変換効率と、アモルファスシリコン太陽
電池レベルの大面積化、低コスト化を兼ね備えた太陽電
池を実現するために、結晶質シリコンの光電変換層への
使用が検討されている。特にアモルファスシリコンの場
合と同様の化学的気相成長法(以下、CVD法とする)
による薄膜形成技術を用いて、結晶質シリコン薄膜を形
成した薄膜太陽電池(以下、結晶質シリコン薄膜太陽電
池とする)が注目されている。
ルファスシリコンを活性層とした光電変換素子と、アモ
ルファスシリコンと比較してエネルギーギャップの小さ
な結晶質シリコンを活性層とした光電変換素子を積層し
て形成した多接合型薄膜太陽電池が、開示されている。
この多接合型薄膜太陽電池は、アモルファスシリコンを
活性層とした光電変換素子側から太陽光を入射する構成
を取ることにより、太陽光エネルギーの利用を単接合型
のものより効率的に行うことができるという利点があ
る。さらに、複数の光電変換素子を直列に接続するので
高い開放電圧を得られることや、活性層としてのアモル
ファスシリコン層を薄くできるのでStaebler−
Wronski効果に起因する光電変換効率の経時劣化
を抑制できる。さらに、アモルファスシリコン層と結晶
質シリコン層を同一の装置で製造できるといった利点も
あり、高効率化と低コスト化を両立する手段として、盛
んに研究開発が行われている。
ることがない限り、「結晶質」という用語の意味する状
態として、「単結晶」および「多結晶」といった実質的
に結晶のみからなる状態だけでなく、「微結晶」あるい
は「マイクロクリスタル」と呼ばれる結晶成分と非晶質
成分が混在した状態のものも含んでいる。
実現する上で、重要な要素技術の1つに光閉込がある。
光閉込とは、光電変換層に接する透明導電層あるいは金
属層の表面を凹凸化して、その界面で光を散乱させるこ
とで光路長を延長させ、光電変換層での光吸収量を増大
させるものである。
83号公報または特許第2862174号公報には、ガ
ラス基板上に形成した透明導電層の粒径や凹凸大きさを
規定した太陽電池用基板の例が開示されている。
光電変換層の膜厚を低減する効果をもたらす。これによ
り、先述したように、アモルファスシリコン太陽電池の
場合には光劣化を抑制することになる。
光吸収特性のために非晶質のアモルファスシリコンと比
較して、数倍から十数倍となる数μmオーダーもの厚さ
が必要とされていた。しかし、光閉込効果を利用して光
電変換効率を上げた場合には、結晶質シリコン薄膜太陽
電池であっても、大幅な製膜時間の減少をもたらすこと
ができる。
への大きな課題である高効率化、安定化、低コスト化の
全てを解決する手段として必須の技術である。
ような従来の結晶質シリコン薄膜太陽電池の光電変換効
率は、現在までのところ、精力的な研究開発が行われて
いるにも関わらず、アモルファスシリコン太陽電池の光
電変換効率と比較して同等レベルまでしか達していな
い。
SEC−11,Sapporo,Japan,1999
において、以下のような報告がなされている。
酸化錫を積層したAsahi−U基板上にプラズマCV
D法により微結晶シリコンを形成した場合、酸化錫の表
面に垂直な方向にシリコンの結晶粒が優先的に成長す
る。そして、異なる凹凸表面から成長した互いに結晶方
位の異なる結晶粒同士がぶつかることで多量の欠陥が発
生することが報告された。このような欠陥は、キャリア
の再結合中心となるため光電変換効率を著しく劣化させ
るので、極力排除されなければならない。
ような報告も行っている。
酸化亜鉛を厚く積層することで凹凸の大きさを小さくし
た場合、酸化錫のみの場合と同様に酸化亜鉛の表面に垂
直な方向にシリコン結晶粒が成長する。しかし、異なる
凹凸表面から成長した結晶粒同士はぶつかるがそれらの
方位差が小さいため、発生する欠陥が少なくなる。
低減するためには基板の表面凹凸をできるだけ小さくす
ればよいのは明らかである。しかしながら、上述したよ
うに、光閉込は薄膜太陽電池に必須の技術であり、実用
化を考えた場合、表面凹凸をなくす、あるいは小さくす
ることは回避すべきである。
10−294481号公報、特開平11−214728
号公報、特開平11−266027号公報、特開200
0−58892号公報には、多接合型太陽電池に関する
公報が開示されている。
凹凸化した裏面電極上に結晶質シリコン層からなる光電
変換層を有する下部光電変換素子を形成しており、該結
晶質シリコン層が基板表面に平行な(110)の優先結
晶配向面を有する薄膜太陽電池の構造が開示されてい
る。
光を入射するサブストレート型の素子構造となってお
り、透明基板を用いて基板側から光を入射するスーパー
ストレート型の素子構造では、結晶質シリコン薄膜中の
欠陥密度低減と光閉込効果とを両立させる好適な凹凸構
造は見出されていない。
れたものであり、その目的は、良好な光閉込効果を有し
つつ、欠陥密度を低減させた結晶質シリコン(半導体)
層を具備した光電変換効率の高い多接合型薄膜太陽電池
を提供することにある。
陽電池は、上記の課題を解決するために、基板において
光が入射される方向とは反対側に、複数の光電変換素子
が設けられ、隣り合う光電変換素子の間の少なくとも1
つには、表面が凹凸化された中間層が設けられており、
上記中間層の凹凸の高さは、その二乗平均値が、25〜
600nmの範囲に設定されており、かつ中間層表面の
凹凸の平均線に対する凹凸表面の傾斜角をΘとしたとき
のtanΘが0.07〜0.20の範囲に設定されてい
ることを特徴としている。
子間に中間層が設けられている。隣り合う光電変換素子
を直接接合すると、互いに異なる導電型を有する層同士
が接合されることになり、その結果、逆方向の接合形成
で生じた不純物の混合による接合不良等の不具合を招来
する。この不具合を克服するために設けられたものが、
上記中間層である。
対向する側と反対側の表面が凹凸化されている。中間層
の凹凸化された表面と光電変換層との接する界面では、
光が散乱される。この光の散乱は、光路長を延長させ、
その結果、光電変換層での光吸収量が増大する。このよ
うに、光が閉じこめられることによって、光電変換効率
の向上が可能となる。光電変換効率の向上により、光電
変換層の膜厚は薄くなる。これにより、光電変換層に要
する製膜時間、および製造コストを大幅に減少させるこ
とが可能になる。
が凹凸化されていることが好ましく、この場合、中間層
を介して隣り合う2つの光電変換素子の光閉込が可能と
なる。その分、光電変換効率が向上する。
が異なると、その高さによっては結晶同士がぶつかり、
これにより欠陥が発生する。このような欠陥は、キャリ
アの再結合の中心となり、光電変換効率を著しく低下さ
せる。また、従来の多接合型薄膜太陽電池は、光電変換
素子が設けられた側から光が入射される素子構造を開示
するのみであり、基板側から光が入射される素子構造の
ものに対して、上記欠陥の低減と光閉込の双方を両立さ
せ得る素子構造を開示するものではない。
は、その二乗平均値が25〜600nmの範囲になるよ
うに設定されているとともに、上記凹凸の平均線に対す
る該凹凸表面の傾斜角をΘとしたときのtanΘが0.
07〜0.20の範囲に設定されているので、結晶同士
がぶつかることを確実に回避できる。それゆえ、欠陥に
より光電変換効率が劣化することを確実に防止できる。
側とは反対側の面が凹凸化されていることがより好まし
い。これにより、異なる凹凸が2層存在することで、さ
らに効果的に光閉込効果を高めることができ、光電変換
効率の高い多接合型薄膜太陽電池を得ることができる。
なるものであることがより好ましい。この場合、光電変
換層との界面において、入射光が散乱するため、光路長
が長くなり、光閉込効果を高めることが可能になる。
として酸化亜鉛からなることがより好ましい。これによ
り、透明導電膜に広く用いられている酸化錫、酸化イン
ジウムあるいはITO(Indium Tin Oxide)といった材
料を用いるよりも、安価で、耐プラズマ性が高く変質し
にくいといった利点を有する多接合型薄膜太陽電池を得
ることができる。
るものに対して、エッチングが行われることにより形成
されていることがより好ましい。これにより、エッチャ
ントの種類、濃度あるいはエッチング時間等を適宜変更
することにより、透明導電性の材料の表面形状を容易に
制御できるので、所望の凹凸が容易に得られる。
記の課題を解決するために、基板において光が入射され
る方向とは反対側に、複数の光電変換素子が設けられ、
隣り合う光電変換素子の間の少なくとも1つには、表面
が凹凸化された中間層が設けられており、上記凹凸の一
部である穴は、直径が200〜2000nmの範囲であ
る略半球状あるいは円錐状の形状を有していることを特
徴としている。また、上記穴の直径は、400〜120
0nmの範囲であることがより好ましい。
均値が25〜600nmの範囲になると共に、上記凹凸
の平均線に対する該凹凸表面の傾斜角をΘとしたときの
tanΘが0.07〜0.20の範囲になり、結晶同士
がぶつかることを確実に回避できる。それゆえ、上記欠
陥の低減と光閉込の双方を両立させ得る安定で高光電変
換効率の多接合型薄膜太陽電池(基板側から光が入射さ
れるタイプの多接合型薄膜太陽電池)を確実に提供でき
る。
電変換素子における活性層は、結晶質シリコンまたはシ
リコン合金からなることがより好ましい。
電変換に利用できない波長700nm以上の長波長光も
光電変換に利用できるので、高い光電変換効率が得られ
るとともに、光劣化が抑制された安定な太陽電池を得る
ことができる。
薄膜太陽電池に関する実施の一形態について図1に基づ
いて説明すれば以下の通りである。
1に示すように、ガラス基板11a、凹凸表面層11
b、非晶質シリコン光電変換層12、中間層13、結晶
質シリコン光電変換層14、裏面反射層15、裏面電極
16が、この順番で積層されて構成されている。
質シリコン光電変換層12、結晶質シリコン光電変換層
14というタイプの異なる複数の光電変換層を有してお
り、ガラス基板11a側から光が入射するスーパースト
レート型の多接合型薄膜太陽電池である。
と凹凸表面層11bとから構成されている。
を構成する透明基板である。基板の厚さは、特に限定さ
れるものではないが、構造を支持できる適当な強度や重
量を有するように、例えば、0.1〜30mm程度であ
ればよい。
てガラスを用いたが、あるいはポリイミドやポリビニル
といった200℃程度の耐熱性を有する樹脂、さらには
それらが積層されたもの等、種々のものが使用できる。
さらには、それらの表面に金属膜、透明導電膜、あるい
は絶縁膜等を被覆したものであってもよい。
らなり、透明導電性の材料である酸化亜鉛をエッチング
することで形成される。酸化錫、酸化インジウム、IT
O、酸化亜鉛等の透明導電性の材料を用いることで、非
晶質シリコン光電変換層12と凹凸表面層11bとの界
面において、入射光が散乱して光路長が長くなり、後述
する中間層の凹凸での効果と併せて、光閉込効果を高め
ることが可能になる。また、材料として酸化亜鉛を用い
ることで、安価で、耐プラズマ性が高く変質しにくいと
いった利点を有する太陽電池用基板11を得ることがで
きる。
してきた光を電気に変換する非晶質シリコン光電変換層
(光電変換素子)12は、p型非晶質シリコン層12
a、i型非晶質シリコン層12b、n型シリコン層12
cにより構成されている。
変換素子)14は、p型結晶質シリコン層14a、i型
結晶質シリコン層14b、n型シリコン層14cにより
構成されている。
いに異なる導電型を有する層(非晶質シリコン光電変換
層12および結晶質シリコン光電変換層14)の間に設
けられる層である。この中間層13は、互いに異なる導
電型を有する層が直接接合する場合の、逆方向の接合形
成で生じる不純物の混合による接合不良等を防止するた
めに設けられている。
明導電性の材料によって形成されている。
錫、酸化インジウム、ITO等を用いることができる
が、酸化亜鉛を透明導電膜の材料として用いることで、
他の材料を用いるよりも、安価で、耐プラズマ性の高い
安定した多接合型薄膜太陽電池20を得ることができ
る。
らなるものであっても、またはこれらの材料を含む層
を、複数回積層したものであっても構わない。しかし、
中間層13の両表面、特にガラス基板11aに対向しな
い側の表面は透明導電膜からなることが、より好まし
い。これらの透明導電膜は、例えばスパッタリング法、
常圧CVD法、減圧CVD法、電子ビーム蒸着法、ゾル
ゲル法、電析法等の公知の方法により作製できる。その
中でも特に、スパッタリング法により作製することは、
透明導電膜の透過率や抵抗率を多接合型薄膜太陽電池2
0に適したものに制御することが容易であるので望まし
い。
に微量の不純物が添加されていてもよい。例えば、酸化
亜鉛を添加した場合では、5×1020〜5×1021cm
-3程度のガリウムやアルミニウムといった第IIIB族
元素あるいは銅のような第IB族が含有されることによ
り抵抗率が低減するので、中間層13として使用するの
に適している。
ると特性の均一性に問題が生じ、厚すぎると透過率の減
少および直列抵抗の増加による光電変換効率の低下やコ
ストの増大を引き起こすため、1〜50nm程度の厚さ
であることが好ましい。
を設ける手段として、エッチングによる化学的処理を用
いた。これにより、中間層13の表面が透明導電膜から
なる場合、エッチャントの種類、濃度あるいはエッチン
グ時間等を適宜変更することにより、透明導電膜の表面
形状を容易に制御できる。
を用いることは、より安価に製造することができる。こ
の際、使用できる酸溶液としては塩酸、硫酸、硝酸、フ
ッ酸、酢酸、蟻酸、過塩素酸等の1種または2種以上の
混合物が挙げられる。この中でも、塩酸、酢酸を用いる
のが特に好ましい。これらの酸溶液は、例えば0.05
〜5重量%程度の濃度で使用できるが、特に酢酸のよう
な比較的弱い酸の場合には、0.1〜5重量%程度の濃
度で使用するのがよい。また、アルカリ溶液としては水
酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以
上の混合物が挙げられるが、この中でも、水酸化ナトリ
ウムを用いるのが特に好ましい。これらのアルカリ溶液
は、1〜10重量%程度の濃度で使用するのがよい。
凸を設ける手段としては、例えば、堆積すると同時に表
面に凹凸が形成されるような条件により、中間層13を
形成してもよい。この際、中間層13表面の凹凸形状
は、下地となる非晶質シリコン光電変換層12の凹凸形
状の影響を受けることを考慮して、中間層13の形成条
件を決定すればよい。また、中間層13表面に対してサ
ンドブラストのような機械加工を行っても、凹凸形状の
形成は可能である。
層13の表面は、凹凸が形成されている。ここで、中間
層13の凹凸高さを示す二乗平均値は、25〜600n
mの範囲に設定されており、かつ中間層13表面の凹凸
部の平均線に対する凹凸部表面の傾斜角をΘとしたとき
のtanΘが0.07〜0.20の範囲に設定されてい
る。
晶質シリコン光電変換層14(p型結晶質シリコン層1
4a)と接するように設けられているので、その界面で
光が散乱される。この光の散乱は、光路長を延長させ、
その結果、結晶質シリコン光電変換層14での光吸収量
が増大する。この光閉込効果により光電変換効率が向上
し、結晶質シリコン光電変換層14の膜厚を薄くでき、
結晶質シリコン光電変換層14の形成に要する製膜時
間、および製造コストを大幅に減少させることができ
る。
は、その二乗平均値が25〜600nmの範囲になるよ
うに設定されているとともに、上記凹凸の平均線に対す
る該凹凸表面の傾斜角をΘとしたときのtanΘが0.
07〜0.20の範囲に設定されているので、結晶同士
がぶつかることを確実に回避できる。それゆえ、欠陥に
より光電変換効率が劣化することを確実に防止できるこ
とから、安定かつ高い光電変換効率を有する多接合型薄
膜太陽電池20を得ることができる。
ために、二乗平均値は、25〜400nmの範囲であ
り、かつ、tanΘは0.07〜0.15の範囲であれ
ば、より確実に、光閉込効果が大きく、かつ、欠陥数の
少ない中間層13を得ることができる。
表面は、略半球状あるいは円錐状の穴を有している。該
穴の径は200〜2000nmの範囲になるようにエッ
チングによって制御されている。
斜角をΘとしたときのtanΘについて、上述した光閉
込効果の高い好適な範囲(二乗平均値=25〜600n
m、かつtanΘ=0.07〜0.20)の中間層を再
現性よく形成することができる。さらに、上記穴の直径
は、400〜1200nmの範囲にあれば、なお確実に
好適な範囲の凹凸を有する中間層を再現性よく形成する
ことができる。
リング法により形成された、厚さ50nmの酸化亜鉛か
らなる薄膜である。
より、500nmの厚さに形成したものである。この裏
面電極16と凹凸表面層11bとから、電極17をそれ
ぞれ引き出し、ガラス基板11a側から光を入射するス
ーパーストレート型の多接合型薄膜太陽電池20が構成
されている。
電変換率を高めるために設けられた中間層13の凹凸表
面上に欠陥の少ない結晶質シリコン光電変換層14が形
成されてなる多接合型薄膜太陽電池20を得ることがで
きる。
電変換層14は、1つの光電変換素子からなる例につい
て説明した。しかし、結晶質シリコン光電変換層14
は、複数の光電変換素子から形成されていてもよく、そ
のうち少なくとも1つの光電変換素子における活性層
(I型層)が、結晶質シリコンまたはシリコン合金で形
成されていればよい。そうすれば、アモルファスシリコ
ンでは光電変換に利用できない波長700nm以上の長
波長光を十分に利用することができるため、高い光電変
換効率および光劣化が抑制された安定な多接合型薄膜太
陽電池20を得ることができる。
向しない側の表面に、活性層が結晶質シリコンまたはシ
リコン合金からなる光電変換素子が形成されている場合
には、十分な光閉込効果とともに、欠陥の増大が抑制さ
れた、安定かつ高い光電変換効率を有する多接合型薄膜
太陽電池20を得ることができるので、好ましい。な
お、上記シリコン合金とは、例えば、シリコンに錫が添
加されたSix Sn1-x、およびゲルマニウムが添加さ
れたSix Ge1-x 等の材料である。
層を有する透明導電膜が形成されたガラス基板11aを
用い、非晶質シリコン光電変換層12と結晶質シリコン
光電変換層14との間に酸化亜鉛からなる中間層13を
形成した、ガラス基板11a側より光を入射するスーパ
ーストレート型の多接合型薄膜太陽電池20について説
明した。
るものではなく、例えば、下記のような構成にすれば、
サブストレート型と呼ばれる多接合型薄膜太陽電池にも
適用できる。このサブストレート型の多接合型薄膜太陽
電池は、基板上に裏面反射層、凹凸表面層を積層し、光
電変換層を上下反対にした構成であり、裏面電極側から
光を入射する多接合型薄膜太陽電池である。
に、実施例1〜3、比較例を以下に記す。
いて多接合型薄膜太陽電池20の作製手順を説明すれ
ば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、上記実施
の形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材につい
ては、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
aの1主面上に、マグネトロンスパッタリング法により
基板温度150℃で酸化亜鉛を厚さ500nmとなるよ
うに形成した。この酸化亜鉛には1×1021cm-3程度
のガリウムが添加されている。この結果、得られた酸化
亜鉛のシート抵抗は10Ω/□であり、波長800nm
の光に対する透過率は80%であった。
た。上記酸化亜鉛が被覆されたガラス基板を液温25℃
の0.5重量%塩酸水溶液に15秒浸した後、表面を純
水で十分に洗浄し、凹凸表面層11bを有する太陽電池
用基板11を得た。
3.56MHzのp型非晶質シリコン層12a、i型非
晶質シリコン層12b、n型シリコン層12cを順に積
層し、非晶質シリコン光電変換層12を形成した。p型
非晶質シリコン層12aは、SiH4 ガス12SCC
M、H2 ガス30SCCM、H2 ガスにより5000p
pmに調整されたB2 H6 ガス1SCCM、製膜室圧力
20Pa、放電電力25W、基板温度180℃の条件で
製膜し、15nmの厚さとした。i型非晶質シリコン層
12bは、SiH4 ガス30SCCM、H2 ガス70S
CCM、製膜室圧力30Pa、放電電力30W、基板温
度180℃の条件で製膜し、350nmの厚さとした。
n型シリコン層12cは、SiH4 ガス10SCCM、
H2 ガスにより1000ppmに調整されたPH3 ガス
100SCCM、製膜室圧力27Pa、放電電力30
W、基板温度180℃の条件で製膜し、30nmの厚さ
とした。
取り出し、再度マグネトロンスパッタリング法により中
間層13として酸化亜鉛を基板作製時と同じ条件で作製
した。ただしエッチングによる膜厚の減少を考慮して、
中間層13の厚さは250nmとした。中間層13の表
面形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面での
直径が50〜200nm程度の略半球状の穴が形成され
ていることが分かった。
ため、原子間力顕微鏡により表面形状を測定した。上記
穴の深さ方向形状から、上記穴の形状は略半球状あるい
は円錐状であることが分かった。そして、表面形状の特
徴を数値で表現するために、凹凸高さの二乗平均値を凹
凸高さを示す指標とした。さらに、表面形状を表す曲線
をフーリエ変換した際に得られる正弦型曲線の最頻出波
長Wを凹凸ピッチの指標とし、表面凹凸の平均線に対す
る凹凸表面の傾きをΘとすると、tanΘ=2RMS/
(W/2)=4RMS/Wであり、RMSおよびtan
Θの値を凹凸形状の指標とした。この時の凹凸高さRM
Sは12nmであり、tanΘは0.05であった。
溶液に15秒浸して中間層13表面をエッチングした。
表面を純水で十分に洗浄した後、中間層13表面形状を
走査型電子顕微鏡で観察したところ、表面での直径が4
00〜1200nm程度の略半球状の穴が多数形成され
ていた。
ため、原子間力顕微鏡により表面形状を測定した。本実
施例の凹凸表面層表面に形成された穴の形状は、エッチ
ング前と同様に略半球状あるいは円錐状であったが、本
実施例での凹凸高さRMSは32nmであり、tanΘ
は0.10であった。
層13上に13.56MHzの高周波を用いたプラズマ
CVD法によりp型結晶質シリコン層14a、i型結晶
質シリコン層14b、n型シリコン層14cを順に積層
し、結晶質シリコン光電変換層14を形成した。p型結
晶質シリコン層14aは、SiH4 ガス3SCCM、H
2 ガス600SCCM、H2 ガスにより5000ppm
に調整されたB2 H6ガス1SCCM、製膜室圧力20
0Pa、放電電力25W、基板温度140℃の条件で製
膜し、30nmの厚さとした。i型結晶質シリコン層1
4bは、SiH 4 ガス11SCCM、H2 ガス350S
CCM、製膜室圧力200Pa、放電電力20W、基板
温度140℃の条件で製膜し、2500nmの厚さとし
た。n型シリコン層14cは、SiH4 ガス10SCC
M、H2 ガスにより1000ppmに調整されたPH3
ガス100SCCM、製膜室圧力27Pa、放電電力3
0W、基板温度180℃の条件で製膜し、30nmの厚
さとした。
出した後、得られた光電変換層に対してX線回折法を行
ったところ、(220)X線回折ピークの積分強度I220
と(111)X線回折ピークの積分強度I111の比I220/
I111は2.9であった。ここで、実際に得られたX線回
折ピークは結晶質シリコン光電変換層中のi型層単体の
情報ではないが、i型層に比べてp型層およびn型層の
膜厚は非常に薄いので、i型層の結晶配向性を反映して
いるものとして差し支えない。
より裏面反射層15として酸化亜鉛を厚さ50nm、電
子ビーム蒸着法により裏面電極16として銀を厚さ50
0nmで形成し、ガラス基板11a側から光を入射する
スーパーストレート型の多接合型薄膜太陽電池20とし
た。なお、セル面積は1cm2 であった。
1.5(100mW/cm2 )照射条件下における電流
−電圧特性を測定したところ、短絡電流は12.8mA
/cm 2 、開放電圧は1.205V、形状因子は0.6
95、光電変換効率は10.72%であった。
=32nm、かつtanΘ=0.10という中間層13
の表面形状は、良好な光電変換率を得るための条件に合
致していることが分かった。また、上記と同様に、本実
施例のように、中間層13の穴の直径が400〜120
0nmであれば、良好な光電変換率を得るための条件に
合致していることが分かった。
池の他の実施例について、説明すれば、以下のとおりで
ある。なお、説明の便宜上、上記実施の形態1にて説明
した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号
を付記し、その説明を省略する。
を、下地となる凹凸表面層11bの凹凸の高さを制御す
ることで、中間層13の表面にエッチングを行わずに制
御した一例を示している。凹凸表面層11bを形成する
酸化亜鉛表面のエッチング時間を45秒とした以外は、
実施例1と同様にして作製した。これにより、凹凸表面
層11bの凹凸高さは大きくなり、中間層13表面の凹
凸の高さは、下地となる凹凸表面層11bの凹凸の増大
化の影響を受けることが予想される。
様にして非晶質シリコン光電変換層12、中間層13を
形成した。この時、中間層13の表面形状を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、表面での直径が200〜14
00nm程度の略半球状の穴が多数形成されていること
が分かった。
ため、原子間力顕微鏡により表面形状を測定した。本実
施例の中間層13の表面に形成された凹凸の穴の形状
は、実施例1の場合と同様に略半球状あるいは円錐状で
あったが、本実施例での凹凸高さRMSは28nmであ
り、tanΘは0.08であった。
となく、結晶質シリコン光電変換層14を形成した後に
X線回折法を行ったところ、(220)X線回折ピーク
の積分強度I220と(111)X線回折ピークの積分強度
I111の比I220/I111は3.0であり、実施例1の場合と
ほぼ同値であった。
行わなくても、実施例1で得られた凹凸形状とほぼ同等
の光閉込効果を得られる凹凸を中間層13表面に得るこ
とができることがわかる。
5(100mW/cm2 )照射条件下における電流−電
圧特性を測定したところ、短絡電流は13.6mA/c
m2、開放電圧は1.204V、形状因子は0.69
4、光電変換効率は11.36%であった。
よび形状因子の値はほとんど変化していないが、短絡電
流の値が増加していることが分かる。このことは、太陽
電池用基板11側に設けられた凹凸表面層11bによる
光閉込効果と併せて、中間層13表面の構造が好適に設
定されていることにより、結晶質シリコン光電変換層1
4の形成中に多量の欠陥が導入されていない効果が得ら
れたものと考えられる。
つtanΘ=0.08という中間層13の形状は、実施
例1の凹凸形状よりも高い光電変換率が得られることが
分かった。また、上記と同様に、本実施例のように、中
間層13の穴の直径が200〜1400nmであれば、
良好な光電変換率を得るための条件に合致していること
が分かった。
池のさらに他の実施例について、説明すれば、以下のと
おりである。なお、説明の便宜上、上記実施の形態にて
説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ
符号を付記し、その説明を省略する。
を、中間層13の表面にエッチングを行うことで制御し
た以外は、実施例2と同様に実施した別の一例である。
これにより、実施例1よりも中間層13の表面の凹凸が
大きくなることが予想される。
基板11の上に、実施例2と同様にして非晶質シリコン
光電変換層12、さらに中間層13を形成した。ただ
し、エッチングによる膜厚の減少を考慮して、中間層1
3の厚さは50nmとした。その後、液温25℃の0.
5重量%塩酸水溶液に15秒浸して中間層13表面をエ
ッチングした。表面を純水で十分に洗浄した後、中間層
13表面形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、表
面での直径が400〜1200nm程度の略半球状の穴
が多数形成されていた。
ため、原子間力顕微鏡により表面形状を測定した。本実
施例の凹凸表面層表面に形成された穴の形状は、実施例
2の場合と同様に略半球状あるいは円錐状であったが、
本実施例での凹凸高さRMSは40nmであり、tan
Θは0.13であった。
形成した後にX線回折法を行ったところ、(220)X
線回折ピークの積分強度I220と(111)X線回折ピー
クの積分強度I111の比I220/I111は2.8であり、実施
例1の場合とほぼ同値であった。
5(100mW/cm2 )照射条件下における電流−電
圧特性を測定したところ、短絡電流は14.4mA/c
m2、開放電圧は1.207V、形状因子は0.69
3、光電変換効率は12.05%であった。
よび形状因子の値はほとんど変化していないが、短絡電
流の値が増加していることが分かる。中間層13表面に
エッチングを行うことで、より好適な凹凸形状が得られ
たものと考えられる。
つtanΘ=0.13という中間層13の形状により、
実施例2よりもさらに高い光電変換効率が得られること
が分かった。また、上記と同様に、本実施例のように、
中間層13の穴の直径が400〜1200nmであれ
ば、実施例2よりもさらに高い光電変換率が得られるこ
とが分かった。
について説明すれば、以下のとおりである。
てエッチングを行わないこと以外は実施例1と同様にし
て多接合型薄膜太陽電池を作製した。これにより、上記
実施例1〜3と比較して、中間層表面の凹凸高さが小さ
くなることが予想される。
察したところ、表面での直径が50〜200nm程度の
略半球状の穴が多数形成されていることが分かった。
め、原子間力顕微鏡により表面形状を測定した。本比較
例の中間層表面に形成された穴の形状は、実施例1の場
合と同様に略半球状あるいは円錐状であったが、本比較
例での凹凸高さRMSは14nmであり、tanΘは
0.05であり、上記実施例1〜3の結果よりも、凹凸
高さが小さくなっていた。
した後にX線回折法を行ったところ、(220)X線回
折ピークの積分強度I220と(111)X線回折ピークの
積分強度I111の比I220/I111は3.0であり、実施例2
の場合とほぼ同値である。
(100mW/cm2 )照射条件下における電流−電圧
特性を測定したところ、短絡電流は10.7mA/cm
2 、開放電圧は1.205V、形状因子は0.698、
光電変換効率は9.00%であった。実施例1の場合と
比較すると、開放電圧および形状因子の値はほとんど変
化していないが、短絡電流の値が減少していることが分
かる。すなわち、エッチング時間が不十分であるため
に、中間層表面の凹凸の構造が光閉込効果を発するには
不十分なものとなっていると考えられる。
nm、かつtanΘが0.05では、良好な光閉込効果
を有する凹凸表面層を得られないことがわかった。ま
た、凹凸表面層の凹凸の穴の直径が50〜200nmで
は、上記と同様に、良好な光閉込効果の得られる中間層
を得られないことがわかった。
ら、良好な光閉込効果を利用するためには、凹凸高さの
二乗平均値が25〜600nmの範囲であり、かつta
nΘが、0.07〜0.20の範囲であればよいことが
分かった。
により、結晶質シリコン層の形成中に多量の欠陥が導入
されることなく、高い光電変換効率を有する多接合型薄
膜太陽電池を製造できることが明らかとなった。
層してなる光電変換層を有しており、さらに隣り合う光
電変換素子間の少なくとも一つには、中間層が設けられ
ており、該中間層の少なくとも上記基板に対向しない側
の表面は、高さの二乗平均値は、25〜600nmの範
囲にあり、かつ傾斜角をΘとしたときのtanΘが、
0.07〜0.20の範囲にある凹凸を有している多接
合型薄膜太陽電池であってもよい。
対向しない側の表面は、透明導電膜からなる面であるこ
とを特徴とする多接合型薄膜太陽電池であってもよい。
対向しない側の表面凹凸は、透明導電膜が被覆されてな
る面をエッチングすることで作製されていることを特徴
とする多接合型薄膜太陽電池であってもよい。
状の穴であり、該穴の直径は、200〜2000nmの
範囲にあることを特徴とする多接合型薄膜太陽電池であ
ってもよい。
鉛からなることを特徴とする多接合型薄膜太陽電池であ
ってもよい。
ない側の表面に、活性層が結晶質シリコンまたはシリコ
ン合金からなる光電変換素子が形成されていることを特
徴とする多接合型薄膜太陽電池であってもよい。
600nmの範囲にあり、かつ傾斜角をΘとしたときの
tanΘが0.07〜0.20の範囲にある凹凸構造と
することにより、光電変換層中の欠陥を増大させること
なく、光閉込効果による光吸収量を増大させることが可
能になり、安定かつ高い光電変換効率を有する多接合型
薄膜太陽電池を安価に製造できる。
のように、基板において光が入射される方向とは反対側
に、複数の光電変換素子が設けられ、隣り合う光電変換
素子の間の少なくとも1つには、表面が凹凸化された中
間層が設けられており、上記中間層の凹凸の高さを示す
二乗平均値は、25〜600nmの範囲に設定されてお
り、かつ中間層表面の凹凸の平均線に対する凹凸表面の
傾斜角をΘとしたときのtanΘが0.07〜0.20
の範囲に設定されている構成である。
間で起きる逆方向の接合形成で生じた不純物の混合によ
る接合不良等の不具合を防止できるとともに、中間層の
凹凸化された表面と光電変換層との接する界面では光が
散乱されて光路長を延長させ、光電変換効率の向上が可
能となるという効果を奏する。光電変換効率の向上によ
り、光電変換層の膜厚は薄くなる。これにより、光電変
換層に要する製膜時間、および製造コストを大幅に減少
させることが可能になる。
は、その二乗平均値が25〜600nmの範囲になるよ
うに設定されているとともに、上記凹凸の平均線に対す
る該凹凸表面の傾斜角をΘとしたときのtanΘが0.
07〜0.20の範囲に設定されているので、結晶同士
がぶつかることを確実に回避できる。それゆえ、欠陥に
より光電変換効率が劣化することを確実に防止できる。
側とは反対側の面が凹凸化されていることがより好まし
い。これにより、異なる凹凸が2層存在することで、さ
らに効果的に光閉込効果を高めることができ、光電変換
効率の高い多接合型薄膜太陽電池を得ることができると
いう効果を奏する。
なるものであることがより好ましく、光電変換層との界
面において、入射光が散乱するため、光路長が長くな
り、光閉込効果を高めることが可能になるという効果を
奏する。
として酸化亜鉛からなることがより好ましく、安価で、
耐プラズマ性が高く変質しにくいといった利点を有する
多接合型薄膜太陽電池を得ることができるという効果を
奏する。
るものに対して、エッチングが行われることにより形成
されていることがより好ましく、エッチャントの種類、
濃度あるいはエッチング時間等を適宜変更することによ
り、透明導電性の材料の表面形状を容易に制御できるの
で、所望の凹凸が容易に得られるという効果を奏する。
ように、凹凸の一部である穴は、直径が200〜200
0nmの範囲である略半球状あるいは円錐状の形状を有
している構成である。また、上記穴の直径は、400〜
1200nmの範囲であることがより好ましい。
の二乗平均値が25〜600nmの範囲になると共に、
上記凹凸の平均線に対する該凹凸表面の傾斜角をΘとし
たときのtanΘが0.07〜0.20の範囲になり、
結晶同士がぶつかることを確実に回避できる。それゆ
え、上記欠陥の低減と光閉込の双方を両立させ得る安定
で高光電変換効率の多接合型薄膜太陽電池(基板側から
光が入射されるタイプの多接合型薄膜太陽電池)を確実
に提供できるという効果を奏する。
電変換素子における活性層は、結晶質シリコンまたはシ
リコン合金からなることがより好ましく、アモルファス
シリコンでは光電変換に利用できない波長700nm以
上の長波長光も光電変換に利用できるので、高い光電変
換効率が得られるとともに、光劣化が抑制された安定な
太陽電池を得ることができるという効果を奏する。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】基板において光が入射される方向とは反対
側に、複数の光電変換素子が設けられ、隣り合う光電変
換素子の間の少なくとも1つには、表面が凹凸化された
中間層が設けられており、 上記中間層の凹凸の高さは、その二乗平均値が、25〜
600nmの範囲に設定されており、かつ中間層表面の
凹凸の平均線に対する凹凸表面の傾斜角をΘとしたとき
のtanΘが0.07〜0.20の範囲に設定されてい
る多接合型薄膜太陽電池。 - 【請求項2】上記基板において、光が入射される側とは
反対側の面が凹凸化されていることを特徴とする請求項
1記載の多接合型薄膜太陽電池。 - 【請求項3】上記凹凸は、透明導電性の材料からなるも
のであることを特徴とする請求項1または2に記載の多
接合型薄膜太陽電池。 - 【請求項4】上記透明導電性の材料からなるものは、主
として酸化亜鉛からなることを特徴とする請求項3記載
の多接合型薄膜太陽電池。 - 【請求項5】上記凹凸は、上記透明導電性の材料からな
るものに対して、エッチングが行われることにより形成
されることを特徴とする請求項3または4に記載の多接
合型薄膜太陽電池。 - 【請求項6】基板において光が入射される方向とは反対
側に、複数の光電変換素子が設けられ、隣り合う光電変
換素子の間の少なくとも1つには、表面が凹凸化された
中間層が設けられており、 上記凹凸の一部である穴は、直径が200〜2000n
mの範囲である略半球状あるいは円錐状の形状を有して
いることを特徴とする多接合型薄膜太陽電池。 - 【請求項7】上記穴は、直径が400〜1200nmの
範囲である略半球状あるいは円錐状の形状を有している
ことを特徴とする請求項6記載の多接合型薄膜太陽電
池。 - 【請求項8】上記中間層の表面に、少なくとも1つの光
電変換素子における活性層は、結晶質シリコンまたはシ
リコン合金からなることを特徴とする請求項1〜7のい
ずれか1項に記載の多接合型薄膜太陽電池。
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