JP2002140801A - ヘッドドラム、記録再生装置、及び調整方法 - Google Patents

ヘッドドラム、記録再生装置、及び調整方法

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JP2002140801A
JP2002140801A JP2000337265A JP2000337265A JP2002140801A JP 2002140801 A JP2002140801 A JP 2002140801A JP 2000337265 A JP2000337265 A JP 2000337265A JP 2000337265 A JP2000337265 A JP 2000337265A JP 2002140801 A JP2002140801 A JP 2002140801A
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drum
capacitive coupling
pass filter
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Hisakado Hirasaka
久門 平坂
Masahiro Suzuki
雅浩 鈴木
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転ドラム側との信号伝送について、より高
い信頼性が得られるようにする。 【解決手段】 容量結合方式による信号伝送を行うこと
で、信号伝達特性の改善を図った上で、結合容量とアン
プ入力抵抗による一次HPFによる低域減衰を補償する
LPFを設ける。更に、このLPFのカットオフ周波数
についての調整が行えるようにして、例えば機器ごとの
ドラムや電極の製造誤差にも対応して適切なカットオフ
周波数が設定できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープ状記録媒体
に対応して、例えばヘリカルスキャン方式によって記録
再生を行うのに対応して設けられるヘッドドラム、及び
テープ状記録媒体に対応して記録再生を行う記録再生装
置に関わる。また、このような記録再生装置の信号処理
回路内に挿入されるローパスフィルタを調整するための
調整方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】例えば磁気テープに対してデジタルオー
ディオデータを記録再生するデジタルオーディオテープ
プレーヤ(DATレコーダ/プレーヤ)や、ビデオデー
タを記録するデジタルビデオレコーダが知られている。
更には、磁気テープに対応する記録再生装置を、コンピ
ュータ用のデータのストレージシステムとして用いるよ
うにし、コンピュータデータの記録再生を行うようにし
たデジタルデータストレージ機器が開発されている。な
お、本明細書では、以降、このようなテープ状記録媒体
に対応してコンピュータデータの記録再生を行う機器に
ついて、「テープストリーマドライブ」ともいうことに
する。
【0003】これらの装置では、周知のように、フォー
マットに従った所定のラップ角で磁気テープをヘッドド
ラムに対して巻き付けた状態でテープを走行させる。こ
こで、ヘッドドラムは、一般に回転ドラムと固定ドラム
とが組み合わされた構造を有している。そして、磁気ヘ
ッドが配された回転ドラム側を回転させ、ヘリカルスキ
ャン方式により記録/再生走査を行わせることで、高密
度記録を可能にしているものである。
【0004】そして、回転ドラム側の回路部と、本体回
路部側(固定側)との信号伝送(送受信)のための手段
としては、ロータリートランスと呼ばれる電子部品を利
用することが広く行われている。なお、本明細書におい
て「回転ドラムの回路」といった場合には、少なくとも
磁気ヘッドを備えた信号伝送系をいうものとされる。
【0005】例えば図20(a)(b)には、ヘッドド
ラムの構造がそれぞれ分解斜視図及び断面図により示さ
れている。これらの図に示すように、ヘッドドラムは、
例えば装置本体側に固定的に取り付けられる固定ドラム
3Aと、この固定ドラム3Aに対して回転可能に支持さ
れるとともに、記録又は再生のための磁気ヘッド3aが
配置される回転ドラム3とからなる。そして、回転ドラ
ム3に対しては回転側ロータリートランス300を設
け、固定ドラム3Aに対しては固定側ロータリートラン
ス301を設けるようにされる。回転側ロータリートラ
ンス300及び固定側ロータリートランス301の本体
部は、それぞれ例えばフェライト材などが用いられるこ
とによって磁気コアとしての機能を有するようにされ
る。そして、この磁気コアに対して図20(b)に示す
ようにして形成した溝302にコイルとしての導線30
0a,301aを巻き、それを非接触で対向させる。こ
れによって、磁気結合による信号伝送を可能としている
ものである。
【0006】また、このようなロータリートランスを介
在しての回路構成は、図21又は図22に示すものが広
く知られている。図21においては、固定ドラム側に記
録アンプ15が設けられ、入力された記録信号を増幅し
て、ロータリートランス300,301を介して、回転
ドラム側の記録ヘッド4に供給するよにされている。ま
た、再生ヘッド5により再生された信号は、ロータリー
トランス300,301を介して固定ドラム側のヘッド
アンプ16に対して供給され、再生信号として出力され
る。
【0007】これに対して図22に示す回路において
は、記録信号は、ロータリートランス300,301を
介して、回転ドラム側の記録アンプ15に対して供給さ
れて増幅されて記録ヘッド4に対して入力される。そし
て、再生ヘッド5により再生された信号は、回転ドラム
側のヘッドアンプ16により増幅され、この後ロータリ
ートランス300,301を介して固定ドラム側に出力
される。
【0008】図21に示した回路構成は、記録/再生の
ためのアンプが固定ドラム側にあるので回路設計が容易
であり、また、記録再生周波数が低い装置で用いられ
る。これに対して、図22に示した構成は、回転ドラム
側に記録/再生アンプを設けた構成であり、ヘッドから
アンプまでの浮遊容量を極小化できるので高周波数まで
記録再生できるというメリットを有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ヘリカルスキャン方式による磁気テープ記録再生装置の
うち、特にテープストリーマドライブにあっては、ホス
トコンピュータの処理速度向上に伴ってデータ転送レー
トの高速化が要求されている。しかし、以降の説明から
も理解されるように、ロータリートランスの存在がその
高速化を妨げる1つの要因になっている。
【0010】図23には、送受信アンプを含む巻き線比
1:1によるロータリートランスの等価回路例を示して
いる。なお、この図において直流抵抗成分は解析に影響
を与えないので除外してある。信号源V1から出力され
た信号は送信アンプX1を介して出力される。送信アン
プX1の出力は、漏洩インダクタンスL2,L3、及び
相互インダクタンスから成る回路を通過して受信アンプ
X2に入力される。ここでは、漏洩インダクタンスL
2,L3、及び相互インダクタンスから成る回路がロー
タリートランスに相当する。また、受信アンプX2とし
ては、受信アンプ入力容量C4を有している。
【0011】上記図23に示す等化回路の伝達特性を図
24に示す。この図から分かるように、伝達特性として
は130MHz付近でピークが生じており、これ以上の
周波数帯域は信号伝送に利用できないことがわかる。こ
のような特性は、漏洩インダクタンス(L2+L3)と
受信アンプ入力容量C4により生じる直列共振が原因と
なっているもので、ロータリートランスとしてのインダ
クタを介して信号が伝達される構造である以上、(L2
+L3)と受信アンプ入力容量C4のいずれの成分もゼ
ロにするのは不可能であり、これが高周波数化の阻害要
因になっている。なお、共振周波数fpeakは、次の
ようにして表すことができる。
【数1】
【0012】更に、例えばフェライト材によって形成さ
れるロータリートランスの磁気コアは、10MHz以上
の帯域では透磁率が低下するという傾向を有している。
このような理由によっても、データ転送レートの高速化
を困難なものとしている。
【0013】また、ロータリートランスによる信号伝送
にあっては、例えば記録チャネルの信号と再生チャネル
の信号とが、磁気結合によってクロストークするという
現象が生じることが分かっているが、これについては、
できるだけ解消されるようにすることが好ましい。換言
すれば、チャネル間アイソレーションをできるだけ高く
することが記録再生信頼性を向上させるうえで好ましい
ことになる。
【0014】そこで実際には、例えば図25に示すよう
にして、ロータリートランス300,301のそれぞれ
に対して、再生チャネルと記録チャネルとの間にショー
トリングを設けることでチャネル間アイソレーションを
向上させることが行われている。しかし、実際には、チ
ャネル同士が共有している磁気回路が残留するために、
上記したようなショートリングによるチャネル間アイソ
レーションは、40〜50dB程度しか得ることができ
ない。仮にこのような問題を根本的に解決しようとすれ
ば、磁気コアをチャネルごとに分割する必要が生じるの
であるが、これはコストアップ及びサイズの大型化を招
くために、有効な対策であるとはいえない。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、回転ドラムと固定ドラム側との信号伝
送について高周波化が容易に図られるようにすると共
に、チャネル間アイソレーションとしてできるだけ高い
ものが得られるようにして、テープストリーマドライブ
としての性能を向上させることを目的とする。
【0016】このため、テープ状記録媒体に対応して記
録又は再生を行うためのヘッドが設けられる回転ドラム
と、この回転ドラムと組み合わされる固定ドラムとから
なる構造を有するヘッドドラムにおいて、回転ドラムと
固定ドラムとの各対向面に電極を形成することで、回転
ドラムと固定ドラムとの間での信号伝送を容量結合方式
により行う信号伝送手段と、複数の電極のうちで所要の
電極間に生じる容量結合をシールドするための構造を有
するシールド手段とを備えて構成することとした。
【0017】上記構成によれば、回転ドラムと固定ドラ
ム側との信号伝送については、容量結合によって行われ
ることになるが、これによって、例えばロータリートラ
ンスによる磁気結合作用を利用していた場合のような、
漏洩インダクタンス成分に起因する伝達特性や、磁気回
路的な構造に起因する不良条件を排除することができ
る。
【0018】また、回転ドラムを備えて、テープ状記録
媒体に対応して記録又は再生を行う記録再生装置におい
て、回転ドラム側と固定側との信号伝送について、容量
結合方式により行う信号伝送手段と、容量結合方式によ
る信号伝送に対応して、記録信号経路及び再生信号経路
の少なくとも何れか一方に挿入されるローパスフィルタ
手段とを備えて構成することとした。
【0019】上記構成によれば、回転ドラム側と装置本
体側との信号伝送については、容量結合によって行われ
ることになるが、これによって、例えばロータリートラ
ンスによる磁気結合作用を利用していた場合のような、
漏洩インダクタンス成分に起因する伝達特性や、磁気回
路的な構造に起因する不良条件を排除することができ
る。また、容量結合方式によっては、その特性上、伝送
路上にハイパスフィルタが形成されるが、ローパスフィ
ルタを信号経路上の所要の位置に挿入していることで、
上記ハイパスフィルタによる低域減衰を補償することが
可能になる。
【0020】また、容量結合方式による回転ドラム側と
固定ドラム側との信号伝送に対応して帯域補償を行うロ
ーパスフィルタの調整方法として、ローパスフィルタ及
び上記容量結合を介してテスト信号を通過させるように
して出力させる信号出力手順と、テスト信号が出力され
ている状態の下で、ローパスフィルタのカットオフ周波
数を変更する変更手順と、この変更手順によって変更さ
れたカットオフ周波数ごとに、上記ローパスフィルタ及
び上記容量結合を通過したテスト信号についての伝達特
性を計測する計測手順と、この計測手順によって得られ
た計測結果に基づいて決定したカットオフ周波数を上記
ローパスフィルタに設定する設定手順とを行うようにし
た。
【0021】上記構成によっては、容量結合方式による
回転ドラム側と固定ドラム側との信号伝送に対応して帯
域補償を行うローパスフィルタについて最適とされるカ
ットオフ周波数を設定するための調整を行うことが可能
とされる。そしてこの調整を行うのにあたり、ローパス
フィルタ及び容量結合を介して通過させたテスト信号に
ついての伝達特性の計測結果に基づいて決定を行うよう
にしているため、回転ドラムなどにおける物理的な精度
誤差などに起因する結合容量のばらつき要因を吸収して
の計測結果を得ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明を行っていくこととする。本発明の実施の形態と
しては、例えばヘリカルスキャン方式によって磁気テー
プに対応して記録又は再生が可能な記録再生装置に適用
が可能であるが、特に、データ転送レートの高速化が要
求されるテープストリーマドライブに適用して好適とさ
れるものである。テープストリーマドライブとは、例え
ばホストコンピュータと接続されることで、磁気テープ
に対応してコンピュータデータの記録再生が可能とされ
る記録再生装置である。
【0023】本実施の形態の記録再生装置としては、例
えば上述もしたように、ヘリカルスキャン方式によって
テープ状記録媒体に対して磁気記録再生を行う構成を採
るものとされていることから、ヘッドドラムが備えられ
る。ヘッドドラムは、回転ドラムを固定ドラムに対して
回転可能に取り付けた構造を採ることから、回転ドラム
と固定ドラム間における信号伝送は、例えば非接触によ
り行われる必要がある。上記した非接触による信号伝送
として、従来から広く採用されているのがロータリート
ランスを使用した磁気結合によるものであったが、本実
施の形態においては、容量結合方式を採用する。容量結
合方式は、回転ドラムと固定ドラムとに設けられた電極
を非接触で対向させることで、その電極間に生じる結合
容量を介しての信号伝送を可能とする方式である。そこ
で先ず、この容量結合方式を採用した本実施の形態とし
てのヘッドドラムの構造例について説明していくことと
する。
【0024】図1(a)(b)には、本実施の形態のヘ
ッドドラムとして、最も基本的な構造例が示される。図
1(a)(b)には、回転側プリント基板100と固定
側プリント基板101が示されている。回転側プリント
基板100は回転ドラム側に対して取り付けられるよう
にして設けられ、固定側プリント基板101は固定ドラ
ム側に対して取り付けられるようにして設けられるもの
である。また、これらの形状としては、図示するよう
に、例えばドラム径に対応した円形を有しているもので
ある。
【0025】回転側プリント基板100と固定側プリン
ト基板101との両者には、図11(a)に示すように
して所定数の電極102が形成される。この場合、電極
の形状としては、所要の外径/内径及び幅を有した円形
のリング状となっている。また、容量結合方式の場合に
は、例えば1チャネルを差動方式により伝送することか
ら、後述するように信号のリターン(−)のラインを確
保するために、1チャネルあたり少なくとも2本のライ
ンを設けるようにされる。このため、例えば図1(a)
に示すようにして1つの記録用チャネルと1つの再生用
チャネルが必要であるとした場合には、この記録用チャ
ネルと再生用チャネルとで、それぞれ2つで1組の電極
を必要とすることになる。これは、換言すれば、例えば
記録用チャネルと再生用チャネルのように複数チャネル
の伝送を行うのにあたっては、1対のプラスラインと、
1対のリターンラインの、計2対のラインを必要とする
ことになる。
【0026】そして、上記図1(a)に示されるように
して電極102が形成された回転側プリント基板100
と固定側プリント基板101とを、それぞれ回転ドラム
と固定ドラムに取り付けてをヘッドドラムを組み立てた
場合には、回転側プリント基板100と固定側プリント
基板101は、図1(b)に示すようにして、それぞれ
の電極102が対向するようにして位置することにな
る。このとき、互いに対向する電極102、102とは
接触しないようになっており、従って、所定長のギャッ
プGとしての隙間が形成されることになる。このように
して回転側プリント基板100と固定側プリント基板1
01の各電極102,102が対向するようにされるこ
とで、容量結合による非接触の信号伝送が行われること
になる。
【0027】また、容量結合方式の場合には、容量結合
伝送のために対向させる電極の面積を大きくすれば、結
合容量が多くなって伝送に有利となることが分かってい
る。そこで、例えば図11(c)に拡大して示すように
して、電極102,102の対向する部分を、凹凸形状
として、電極の対向面積を大きくするようにしてもよい
ものである。
【0028】ここで、電極の対向面積とギャップGとに
より決定される結合容量Cは、次のようにして求めるこ
とができる。ここで、電極102としては、外径30m
m、内径28mm、幅2mmのリング状の導体であると
する。
【数2】 例として、上記(数2)によれば、ギャップG=30μ
mの場合には、結合容量C=107pFとなり、ギャッ
プG=50μmの場合には結合容量C=64pFとな
る。また、ギャップG=80μmの場合には結合容量C
=40pFとなる。
【0029】また、本実施の形態のドラムヘッドとして
は、図2に示すようにして、円筒状の回転ドラム3と固
定ドラム3Aとの組み合わせによる構造も考えられる。
この場合には、図示するように、固定ドラム3Aの側面
に対して電極102を必要なだけ形成するようにされ
る。そして図示していないが、回転ドラム3の内径側の
側面において、固定ドラム3Aに形成した電極102と
対向する位置に、対となって信号伝送を行うべき電極1
02を形成するようにされる。
【0030】また、図3に示すようにして、回転側プリ
ント基板100と固定側プリント基板101の各電極1
02,102の対向面について、必ずしもむき出しとす
るのではなく、絶縁体(又は誘電体)103を挟んだ対
向構造としてもよいものとされる。
【0031】ここで、図1によっても説明したように、
容量結合方式による信号伝送にあっては、信号のプラス
を伝送する容量と、マイナス(リターン)を伝送する容
量の2対が必要とされる。従って、容量結合方式に対応
した駆動回路としても、図4に示すようにして、1つの
信号源V1から出力する送信信号を送信アンプX10に
より増幅して、容量結合を介して受信アンプX11側に
て受信させるのにあたっては、結合容量としてのキャパ
シタンスCcp1,Ccp2の2つの容量結合の経路を用意す
ることになる。ここでは、キャパシタンスCcp1がプラ
スラインとなり、キャパシタンスCcp2がリターンのラ
インとなる。
【0032】このような対となる容量結合ラインを有す
る駆動回路系の等化回路としては、図5に示すものとな
る。ここで送信部201は信号源V1から出力される信
号を差動アンプX1,X2により分岐して出力する。差動
アンプX1では非反転増幅を行ったプラスラインとして
の信号を、キャパシタンスC1としての容量結合を介し
て受信部202側に出力する。また、差動アンプX2で
は反転増幅を行ったリターンラインとしての信号を、キ
ャパシタンスC4としての容量結合を介して受信部20
2側に出力する。
【0033】受信部202においては、上記のようにし
て伝送されるプラスラインとリターンラインの信号を演
算器X3に入力する。ここで、演算器においては、プラ
スラインの入力に対してリターンラインの入力を減算し
て出力する。このようにして、受信部201と送信部2
02とでは、差動伝送が行われる。また、演算器X3に
入力される2つの信号間には、入力容量C5と、入力抵
抗R3が存在することになる。
【0034】そして、上記図5に示した等化回路につい
てシミュレーションを行って得られた伝達特性は、図6
に示すものとなる。この図6と、先のロータリートラン
スの等化回路の伝達特性として示した図24と比較して
分かるように、図6に示す特性では、高域においてはピ
ークも減衰もなく、平坦な特性が得られている。なお、
図6に示される1MHz付近以下での減衰は、結合容量
とアンプ入力抵抗が形成する1次HPF(High Pass Fil
ter)によって生じているものである。ここで、結合容量
をC、入力抵抗をRとする(但し入力容量は無視する)
と、カットオフ周波数f2は、
【数3】 と表され、図5に示した定数では、カットオフ周波数は
約800KHzと計算されることになる。先に図24に
示したロータリートランスの伝達特性における高域ピー
クはLC共振であることからイコライザで補正するのは
困難であるが、図6に示されるような容量結合の伝達特
性としての低域減衰は1次HPFであるから、後述する
ようにして、1次LPF(Low Pass Filter)によるイコ
ライザで容易に補正することができる。つまり、容量結
合における低域減衰の問題は、ロータリートランスにお
ける高域ピークと比較すれば、特に深刻な問題とはなら
ないものである。
【0035】次に、本実施の形態としての電極の形状パ
ターン例について示す。ここで、回転ドラム3が回転す
る場合において、その360°の全回転角において信号
伝送できるヘッドドラムとすることを考えてみる。この
場合、1つには、回転側プリント基板100と固定側プ
リント基板101との両者の電極120について中心角
360°の完全なリング形状とすることが考えられる。
また、1つには、回転側プリント基板100と固定側プ
リント基板101のうち、一方に対して中心角360°
の完全なリング形状の電極を形成し、他方に対しては、
リング形状の一部を欠いたような、円弧形状の電極を形
成するものである。前者の電極パターンは、図1(a)
に示した。そこで、後者の電極の形状パターンについて
図7に示す。
【0036】ここで図7(a)には回転側プリント基板
100の電極形成面が示され、図7(b)には、これに
対向する固定側プリント基板101の電極形成面が示さ
れる。この場合には図7(a)に示される回転側プリン
ト基板100においては、計4本の電極102は、すべ
て完全なリング状に形成される。これに対して、図7
(b)に示す固定側プリント基板101においては、例
えば4本の電極は、リング形状の一部を欠いたような円
弧形状となっている。なお、当然のこととして、回転側
プリント基板100を図7(b)に示す電極パターンと
して、固定側プリント基板101を図7(a)に示す電
極パターンとしてもよいものである。このような構造で
あっても、一方のプリント基板に形成される電極が36
0°の完全なリング形状を有している以上、回転ドラム
3の全回転角において信号伝送をすることが可能であ
る。但し、この構造は、互いの対向面積が減少して、容
量も減少するのが不利であるが、固定ネジやシールドの
ために電極を一部欠いた形状が必要な場合に有用とな
る。具体的には、図7(b)のプリント基板において、
例えば破線Aで示す位置にネジを通したり、また、領域
Bに対してシールドを取り付けることなどが容易に可能
となるものである。
【0037】また、記録再生の方式によっては、信号伝
送を要する区間が、ドラム回転角度の一部となる場合も
ある。例えば図8(c)に示すように、回転ドラムにお
いて180°の角度を有してプラスアジマスヘッドとマ
イナスアジマスヘッドとを配置したアジマス方式とし
て、更に、磁気テープ2の巻き付け角度も180°とな
るようにされている方式を採る場合である。この場合に
は、信号伝送に要する区間としてのドラム回転角度とし
て、プラスアジマスヘッドとの信号伝送に必要な区間
が、180°のドラム回転角度となり、残る180°の
ドラム回転角度が、マイナスアジマスヘッドとの信号伝
送に必要な区間となる。このような場合には、図8
(a)(b)に示す固定側プリント基板101と回転側
プリント基板100との電極パターンの組み合わせとす
ることができる。つまり、この場合には、固定側プリン
ト基板101と回転側プリント基板100との両者にお
いてリング形状の一部を切り欠いたような電極102の
形状とするものである。この場合、図8(a)に示す固
定側プリント基板101においては、プラスアジマスヘ
ッドに対応する2つの+アジマス電極102A,102
Aについて、比較的狭めの中心角によって形成される円
弧形状としている。同様に、その内周側に位置するとさ
れる2つの−アジマス電極102B,102Bについて
も、同程度の中心角及び位置によって形成される円弧形
状としている。これに対して、図8(b)に示す回転側
プリント基板100においては、+アジマス電極102
A,102Aと、−アジマス電極102B,102Bと
で共に、中心角180°強による円弧形状として形成さ
れる。また、+アジマス電極102A,102Aと、−
アジマス電極102B,102Bとでは、その切り欠き
の開いた向きが、同方向ではなく、互いに180°の方
向となっている。
【0038】このような形状とすれば、プラスアジマス
ヘッドが磁気テープ2をトレースするドラム回転半周期
の期間は、対向するプリント基板100,101の各+
アジマス電極102A,102Aとの容量結合によって
信号伝送を行い、一方、マイナスアジマスヘッドが磁気
テープ2をトレースする半周期の期間は、対向するプリ
ント基板100,101の各−アジマス電極102B,
102Bとの容量結合によって信号伝送を行うようにす
ることができる。また、この場合には、固定側プリント
基板101の電極を180°程度の中心角による円弧形
状としていることで、例えばプラスアジマスヘッドが磁
気テープをトレースしていない区間においては、対向す
るプリント基板100,101の各+アジマス電極10
2A,102Aが対向していない状態にあることから、
ノイズが伝送されるのを防ぐことができる。
【0039】また、ここで、一方のプリント基板の電極
を例えば正確に180°とするのではなく、180°強
の中心角としているのは、磁気テープの巻き付け角が1
80°とされていることに対応しているが、実際の巻き
付け角よりもプリント基板の電極の中心角をやや大きめ
とすることで、確実にヘッドが磁気テープをトレースす
る期間は、電極同士が対向している状態にあるようにす
ることを目的としているものである。なお、テープ巻き
付け角度が90°や120°のドラムに適した一方のプ
リント基板の電極の扇形角度はそれぞれ90°強、12
0°強になる。
【0040】また、容量結合によって信号伝送を行う場
合、例えば回転ドラム3と固定ドラム3Aとの回転中心
軸のずれ(偏心)が存在している場合には、図8(a)
(b)に示したような一部を切り欠いた円弧形状の電極
では、回転角に依存して電極の対向面積が変化するため
に、容量も変化してしまうことになる。これを解決する
ためには、例えば図9(a)(b)に示すようにして、
互いのプリント基板100、101の電極102の幅W
に差をつけることで偏心の影響を受けなくする、若しく
は少なくすることが可能である。
【0041】また、偏心している場合だけでなく、軸垂
がずれている場合にも、図8(a)(b)に示したよう
な切り欠き電極では回転角に依存して容量が変動してし
まう。これを防ぐためには、プリント基板100,10
1の対向する各電極102について、先の図1(a)に
示すような中心角360°のリング状として形成すれば
よい。
【0042】また、結合容量を大きくするための手段と
しては、図10に示すような構造とすることが考えられ
る。つまり、対向させた回転側プリント基板100と固
定側プリント基板101とを図示するようにして、密封
ケース110内に納め、この密封ケース内の空間には、
高誘電率液体(又は気体)111を封入するものであ
る。これによっては、例えば対向する電極102,10
2間に形成されるギャップには、真空若しくは空気でな
く、高誘電率液体(又は気体)111が存在することと
なるために、それだけ結合容量を大きくして伝送性を高
めることができる。
【0043】ところで、容量結合方式による伝送にあっ
ても、チャネル間のクロストークは存在する。つまり、
対向電極間ほどの強度ではないが、異なるチャネルの電
極間においても容量結合が生じることで不要な信号成分
が送受信されてしまうものである。そこで、このような
チャネル間クロストークをできる限り抑制して、より信
頼性の高い信号伝送とするためには、チャネル間アイソ
レーションを高くすることのできる何らかのシールド構
造を有させることが好ましい。
【0044】図11(a)(b)は、このようなシール
ド構造の一例を示している。図11(a)(b)に示す
場合においては、外周側の隣接する2つの電極102,
102が或る1チャネル分となっており、また、その内
周側に在る2つの電極102,102が他の1チャネル
分となっている。そして、この各チャネルの電極間に対
して、GND電極112を形成するものである。容量結
合方式においては、このようにしてアイソレーションを
得たいとするチャネルの電極の間にアースラインを設け
ることで、有効にチャネル間のアイソレーションを高め
ることが可能とされるものである。
【0045】そして、更に高いチャネル間アイソレーシ
ョンを得たい場合には、図12に示すようなヘッドドラ
ムの構造等するようにもされる。ここで図12(a)に
は、分解斜視図が示され、図12(b)には、側面方向
より見た断面図が示される。この場合、回転側プリント
基板としては、外周側基板100Aと内周側基板100
Bの2つの部材に分かれ、図示するようにして組み合わ
せることで、その間に所定幅のリング状のスリット11
3が形成されるようになっている。外周側基板100A
に対しては、1チャネル分に対応する2つの電極10
2,102が形成されており、内周側基板100Bに対
しても1チャネル分に対応する2つの電極102,10
2が形成されている。また、同様にして、固定側プリン
ト基板もまた、外周側基板101Aと内周側基板101
Bの2つの部材に分かれ、図示するようにして組み合わ
せることで、その間に所定幅のリング状のスリット11
4が形成される。そして、外周側基板101Aと内周側
基板101Bには、上記した外周側基板100Aと内周
側基板100Bに形成される電極と対向するようにし
て、電極102が形成されているものである。そして、
この場合には、更にシールド部材120が設けられる。
このシールド部材は、少なくともその表面が導電性を有
するように形成されており、その形状としては、例えば
図示するようにして、プリント基板と同じ円形形状に対
して、スリット113,114の位置に対応した円筒形
状の貫通部121が一体的に設けられたものとなってい
る。
【0046】そして、組み立ての際には、例えばシール
ド部材120の貫通部112の外側に固定側プリント基
板の外周側基板101Aをはめ込み、同様に、貫通部1
12の内側に内周側基板101Bをはめ込むようにす
る。このとき、シールド部材120と、外周側基板10
1A及び内周側基板101Bとが接触する面について
は、例えば接着などを行うことで、固定するようにされ
る。そして、このような固定側の構造に対して、回転ド
ラム側にて固定されている回転側プリント基板(外周側
基板100A及び内周側基板100B)を図12(b)
に示すようにして組み合わせるものである。
【0047】また、同じシールド部材120を使用した
シールド構造としては、図13に示す構造とすることも
できる。この場合には、先ず図13(a)から分かるよ
うに、シールド部材120の貫通部121には、切り欠
き部122が形成される。そして、固定側プリント基板
101に形成されるスリット114は、上記切り欠き部
122に対応する位置を残すようにして、固定側プリン
ト基板101の一部を打ち抜くようにして形成してい
る。また、回転側プリント基板100においては、切り
欠き部122の貫通長さを逃げるための溝部115が形
成される。そして、これらの部品を図13(b)に示す
ようにして組み合わせるものである。このようにして
も、図12の場合と同様にチャネル間のシールドを施す
ことができ、また、回転側プリント基板100と固定側
プリント基板101とについては、それぞれ2つの部材
に分かれることはなく、一体化された部品として扱うこ
とができる。
【0048】また、この場合に形成する電極としては、
固定側プリント基板101に形成されている電極102
からも分かるように、切り欠き部122に対応する位置
を切り欠くようにして形成している。また、ここでは図
示していないが、回転側プリント基板100に形成する
電極についても、例えばヘッド配置形態やテープ巻き付
け角度などによって信号伝送に支障がないのであれば、
同様にして切り欠き部122に対応する位置を切り欠く
ようにして形成されてよい。このように、電極の一部を
切り欠いた形状としているのは、切り欠き部122の部
分はシールド効果が弱いために、この部分でのクロスト
ークを最小限に抑えることを考慮しているものである。
従って、実際に生じるクロストークが微少なもので特に
問題とはならないのであれば、電極について切り欠きを
形成せずに中心角360°のリング状としても構わない
ものである。
【0049】ところで、先に図5及び図6によっても示
したように、容量結合方式による信号伝送では、結合容
量とアンプ入力抵抗とによって形成される一次HPFに
よって低域が減衰するという伝達特性を有している。こ
こで、先に図5に示した等価回路に対して、チャネルク
ロック40MHzで、8−10変調方式によって変調さ
れた所定フォーマットのデータ信号(Tmin:最小反
転区間=1T、Tmax:最大反転区間=4T)を入力
したときに得られる出力信号波形を図14に示す。この
図に示されるように、結合容量とアンプ入力抵抗とによ
る一次HPFによって低域がカットオフされている影響
で、アイパターンとしての波形が乱れていることが分か
る。
【0050】そして、このような波形の乱れをなくすた
めには、前述もしたように、上記一次HPFによる低域
の減衰を補正するためのLPFを、容量結合方式による
信号伝送経路内に挿入すればよいことになる。このよう
なLPFを挿入した、容量結合方式による信号伝送経路
のシミュレーション回路(等化回路)を図15に示す。
なお、この図において、図5と同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。図15においては、受信部20
3の後段に対してLPFイコライザ203を設けるよう
にしている。このLPFイコライザ203内では、図示
するようにして抵抗R5、コンデンサC6、及び抵抗R
6を接続した一次LPFを形成している。アンプX5
は、一次LPF(R5,C6,R6)による減衰分を増
幅するために設けられている。この場合の1次LPF
(R5,C6,R6)のカットオフ周波数f2は、図1
5に示す定数に従えば、
【数4】 のようにして算出することができる。つまりこの場合に
は、一次LPFのカットオフ周波数は、1次HPFのカ
ットオフ周波数と等しくなるようにしており、これによ
って、低域ロスを有効に打ち消すように配慮されてい
る。
【0051】そして、上記図15に示す等化回路をシミ
ュレートして得られた伝達特性としては図16に示すも
のとなる。この図から分かるように、低域カットオフ周
波数は100kHz程度以下となるように改善されてい
る。
【0052】また、図17は、図15に示す等化回路に
対して、チャネルクロック40MHzで、8−10変調
方式によって変調された所定フォーマットのデータ信号
(Tmin:最小反転区間=1T、Tmax:最大反転
区間=4T)を入力したときに得られる出力信号波形を
示している。この図17に示す波形と、先に図14に示
した波形とを比較して分かるように、図17に示す波形
では、例えば800KHz以下とされていた低域減衰
が、100KHz程度にまで引き下げられた結果、アイ
パターンとしてより整った波形となっている。これは即
ち、記録再生信号の品質が向上したことを意味してお
り、その分、記録再生についての信頼性も向上されるこ
とになる。なお、上記図15に示したLPFイコライザ
203内において形成するLPFとしては一次LPFと
しているが、これに限定されるものではなく、他のタイ
プのLPFが採用されて構わないものである。
【0053】ところで、容量結合方式を採用した記録再
生装置の実際としては、一次HPFによる低域減衰補償
用のLPFを設けるのにあたって、次のような問題を抱
える。例えば、回転側プリント基板100と固定側プリ
ント基板101とに形成される各電極102,102間
のギャップ長としては、製造時における機械的な誤差に
よってばらつきを生ぜざるを得ない。このため、ヘッド
ドラムごとに結合容量が異なることを避けられない。ま
た、電極102の径の物理的誤差等によって電極面積が
異なるってくるために、これによっても結合容量が異な
ることとなる。上記したような結合容量のばらつきによ
っては、必然的に一次HPFのカットオフ周波数も変化
することになる。従って、実際の機器においては、ヘッ
ドドラムごと(つまり機器ごと)及び伝送路のチャンネ
ルごとに、内部に備えたLPFのカットオフ周波数を調
整する必要がある。そこで、以降、本実施の形態として
のLPFを調整するための構成について説明していくこ
ととする。
【0054】図18は、容量結合によってヘッドドラム
における信号伝送を行う構成を採る。本実施の形態とし
てのテープストリーマドライブの内部構成を示してい
る。なお、ここでは、構成全体の内で、主としてLPF
の調整にのみ関わる部位を抜き出して示しているまた、
この図においては、一点鎖線により区切られた一方の部
分が回転ドラム側の回路とされ、他方の部分が固定ドラ
ムを含み、固定側に設けられる回路となる。そして、破
線で括って示す機能ブロックは、LPFを調整するため
に付加されたものであることを示している。
【0055】先ず、通常記録再生時の動作を前提にし
て、図18に示すブロック図の説明を行う。記録時にお
いては、記録信号発生回路10により記録データについ
て、容量結合に適合する波形の記録信号に変換し、スイ
ッチSW2を介して送信アンプ11に出力する。送信ア
ンプ11では、入力された記録信号について容量結合に
適合した増幅を行って、結合容量C10を介して回転ドラ
ム側に対して伝送する。
【0056】結合容量C10を介して回転ドラム側に伝送
出力された記録信号は、容量結合による伝送によってゲ
イン自体が減衰しているために、これを補償するために
受信アンプ12よって増幅される。そして、この後、第
2LPFイコライザ13に対して入力され、ここで、結
合容量C10及び受信アンプ12のアンプ入力抵抗によっ
て形成される一次HPFによって減衰した信号の低域成
分を補償する。そして、波形整形回路14に対して出力
する。
【0057】波形整形回路14においては、入力された
記録信号について波形整形(デジタル信号化)を行って
記録アンプ15に対して出力する。記録アンプ15にお
いては、記録ヘッド4による磁気記録に適合したゲイン
を記録信号に与えて記録ヘッド4に供給する。記録ヘッ
ド4では、供給された記録信号に応じて変調した磁界を
磁気テープに印加するようにされ、これによって、磁気
テープに対してデータが磁気記録されることになる。
【0058】また、再生時においては、再生ヘッド5に
よって、磁気テープに磁気記録されたデータの読出が行
われ、再生RF信号として、ヘッドアンプ16に出力さ
れる。ヘッドアンプ16においては再生RF信号につい
て増幅を行って、スイッチSW1のノーマル端子を介し
て送信アンプ17に出力する。送信アンプ17において
は、容量結合による信号伝送に適した増幅処理を行い、
結合容量C11を介して固定側に伝送する。固定側に伝送
された再生信号は、先ず受信アンプ18に入力され、容
量結合伝送によるゲインの減衰補償のための増幅が行わ
れる。そして、次の第1LPFイコライザ19を通過す
ることで、上記結合容量C11及び受信アンプ18のアン
プ入力抵抗によって形成される一次HPFによる低域減
衰を補償することが行われる。
【0059】第1LPFイコライザ19を通過した再生
信号は、A/Dコンバータ20に対して出力されること
で、アナログ信号からデジタル信号への変換が行われ
る。この際には、PLL回路21によって再生したチャ
ネルクロックのタイミングに従ってA/Dコンバータ2
0におけるA/D変換処理が行われる。このようにして
デジタル信号化された再生信号は、検出回路22にて所
要の検出処理等が施されることで、再生デジタル信号
(つまりユーザデータ)として出力されることになる。
【0060】そして、上記構成において調整の対象とな
るのは、第1LPFイコライザ19、及び第2LPFイ
コライザ13である。そして、第1LPFイコライザ1
9については、そのカットオフ周波数は、D/Aコンバ
ータ38を介して入力されるセット信号S1によって設
定できるようになっている。
【0061】また、第2LPFイコライザ13は、この
場合には回転ドラム3側の回路として設けられているの
に対して、直流電圧成分であるセット信号としては、例
えばコントローラ(ここでは図示せず)などによって固
定側にて発生して出力する必要がある。これは、第2L
PFイコライザ13とセット信号発生源との間に容量結
合が介在するために、第2LPFイコライザ13を直流
電圧で直接的にコントロールはできないことを意味して
いる。そこでこの場合には、固定側において、先ずセッ
ト信号S2をD/Aコンバータ32に対して入力してア
ナログ電圧化する。そして、VCO33では、このD/
Aコンバータ32の出力であるアナログ電圧レベルに応
じた周波数信号を発生させる、つまり交流信号を得るも
のである。そして、この周波数信号を、結合容量C12と
して示される容量結合による伝送路を介して回転ドラム
3側に伝送する。回転ドラム3側に伝送された交流であ
るところの周波数信号は、F−V変換器34に対して入
力され、ここで、その周波数に応じたレベルの直流電圧
レベルに変換される。この直流電圧レベルが、第2LP
Fイコライザ13に対して、カットオフ周波数を設定す
るセット信号として入力されることになる。
【0062】また、LPF調整のための機能回路部とし
ては、ほかにテスト信号発生回路31及びスイッチSW
2を備える。テスト信号発生回路31は、LPF調整の
ために後述するようにして記録再生信号経路を通過する
テスト信号を生成して出力する。スイッチSW2は、送
信アンプ11に供給すべき信号について、テスト信号発
生回路31と記録信号発生回路10との間で切り換えを
行うために設けられる。
【0063】また、スイッチSW2は、送信アンプ17
に供給すべき信号を択一的に選択するために設けられる
もので、図示するようにノーマル(Normal)端子と、Test
1端子、Test2端子の3端子を備える。そして、LPF調
整時においては、後述するようにしてTest1端子とTest2
端子との間での切り換えが行われることで、第1LPF
19と第2LPF13の調整時とで、それぞれに適合し
たテスト信号経路を形成する。
【0064】フラットネス評価回路35は、A/Dコン
バータ20を介して出力されたデジタル化された再生信
号についての伝達特性のフラットネスを評価するための
回路である。また、この図においては、メモリ36とE
EPROM37が示される。この場合のメモリは、例え
ばS−RAMなどとされて、情報を一時的に保持するこ
とができる。また、EEPROMは、いわゆる不揮発性
メモリともいわれ、書き込まれた情報を電源供給の無い
状態でも保持することができるようになっている。この
メモリ36及びEEPROM37は、例えば通常は、テ
ープストリーマドライブに備えられ、メモリ36であれ
ば、システムコントローラ(ここでは図示せず)が作業
領域に使用し、また、EEPROM37には、システム
コントローラが実行すべきプログラムや各種設定値等の
情報が格納されているものとされる。
【0065】続いて図19に示すフローチャートによ
り、LPF調整のための作業手順について説明を行って
いくこととする。なお、この図に作業手順は、例えばこ
こでは図示しないテープストリーマドライブのシステム
コントローラによる制御処理手順とされることで、自動
的に実行していくものとされる。また、この際には、例
えばテープストリーマドライブの基板は、作業用の調整
装置(例えばパーソナルコンピュータ)と接続されても
よく、この作業装置による制御によって、この図19に
示す処理が実現されるようにしても構わない。いずれに
せよ、この図19に示す処理手順は、自動的に実行する
ことが可能とされるものである。
【0066】ここでは先ず、ステップS101において
スイッチSW2をテスト信号発生回路31側に切り換え
るようにされる。これによって、テスト信号を記録信号
経路に対して出力可能な状態が得られる。そして次のス
テップS102においては、スイッチSW1についてTe
st1端子に切り換えを行うようにされる。これによっ
て、テスト信号は、送信アンプ11→結合容量C10→受
信アンプ12→第2LPFイコライザ13→波形整形回
路14を通過し、更にスイッチSW1を介して、再生信
号経路側の送信アンプ17に出力されることになる。つ
まり、記録系から再生系への信号パス経路が形成される
ものである。そして、この送信アンプ17に入力された
テスト信号は、結合容量C11→受信アンプ18→第1L
PFイコライザ19を介して、最終的にはフラットネス
評価回路35にて入力されてフラットネス評価が行われ
る。
【0067】このようなテスト信号経路とすれば、テス
ト信号について容量結合を介在させることができるの
で、例えば個体差による結合容量の相違に応じたLPF
設定を行うことが容易に可能となる。また、回転ドラム
側で記録系と再生系をパスさせる経路を形成しているこ
とで、テスト信号を磁気テープに対して記録再生する信
号伝達経路を省略することができる。これによっては、
磁気テープに対する記録再生による伝達特性の影響を排
除できるために、より容易に正確なフラットネス評価を
得ることができる。また、磁気テープを走行させる手順
も省略され、その調整作業としてもより簡略な手順とす
ることができる。
【0068】ここで、上記したテスト信号の経路は、再
生側の第1LPFイコライザ19についての調整を行う
場合に対応するものとされる。第1LPFイコライザ1
9及び第2LPFイコライザ13の調整を行うのにあた
っては、上記した記録信号経路及び再生信号経路では、
第1LPFイコライザ19及び第2LPFイコライザ1
3にテスト信号を通過させざるを得ないのであるが、第
2LPFイコライザ13に関しては、無調整であって
も、波形整形回路14によって波形整形してデジタル信
号化してしまえば、低域カットオフの影響が僅少となる
ことが分かっている。そこで本実施の形態では、このこ
とを利用して、まず上記したテスト信号経路によって、
テスト信号について波形整形回路14を通過させること
で、記録系の第2LPFイコライザ13による低域カッ
トオフの影響をほぼ排除した上で、先ず、再生系の第1
LPFイコライザ19についての調整を行うようにされ
る。
【0069】そして、次のステップS103において
は、テスト信号発生回路31からテスト信号を送信する
ようにされる。これにより、テスト信号は、前述した信
号経路を介して、最終的にはフラットネス評価回路35
により入力されることが可能となる。ここで、続くステ
ップS104においては、現在の調整対象である第1L
PFイコライザ19のカットオフ周波数を、その可変範
囲内における最小値にセットする。このためには、最小
のカットオフ周波数をセットするためのセット信号S1
を出力させることになる。
【0070】そして、次のステップS105において
は、現在第1LPFイコライザ19に対して設定されて
いるカットオフ周波数の条件の下でテスト信号について
のフラットネスを評価する。つまり、テスト信号の伝達
特性として、周波数帯域に対するレベルの平坦さについ
ての評価を、フラットネス評価回路35により行わせ
る。そしてその評価値を、そのときのカットオフ周波数
と対応付けて、メモリ36に保持させる。
【0071】ステップS105の手順が終了すると、続
いては、ステップS106においてセット信号S1を出
力して、第1LPFイコライザ19のカットオフ周波数
について所定のΔ分増加させることを行う。そして次の
ステップS107においては、このようにして増加され
たカットオフ周波数について、最大値以内であるか否か
が判別されることになる。ここで、最大値以内であると
されたのであれば、ステップS105に戻ることで、新
たに設定された現在のカットオフ周波数の条件下でのフ
ラットネスの評価が行われることになる。このような処
理とされることで、第1LPFイコライザ19のフラッ
トネスの評価は、Δごとに増加されたカットオフ周波数
のすべての場合について行われることになる。そして、
ステップS107において、設定すべきカットオフ周波
数が最大値を超えたことが判別されたのであれば、すべ
てのカットオフ周波数についての評価が終了したとし
て、ステップS108に進むことになる。
【0072】この段階では、増加分Δごとに変更設定さ
れたカットオフ周波数ごとについての評価値がメモリ3
6に格納されている。そこでステップS108において
は、、例えばこれらの評価値のうちで、最良の評価値に
対応するカットオフ周波数を求め、この最良とされたカ
ットオフ周波数を、第1LPFイコライザ19に対して
設定すべき最適カットオフ周波数として決定する。そし
て、次のステップS109においては、このようにして
決定された最適カットオフ周波数に対応するセット信号
S1としての値をEEPROM37に対して記憶させ
る。以降においては、このようにしてEEPROM37
に格納されたセット信号S1によって第1LPFイコラ
イザ19のカットオフ周波数を設定することで、第1L
PFイコライザ19としては、最適なカットオフ周波数
が設定されることになる。
【0073】そして、続くステップS110以降の手順
が、第2LPFイコライザ13についての調整を行うた
めのものとなる。また、この段階においては第1LPF
イコライザ19については、上記ステップS109まで
の手順によって最適とされたカットオフ周波数が設定さ
れている。
【0074】そして、先ず、ステップS110において
は、スイッチSW2をtest2の端子に切り換えることが
行われる。これにより、テスト信号の信号経路として
は、回転ドラム側において、記録系の波形整形回路14
を介さずに、再生系の送信アン17に供給されるものと
なる。この場合には、第2LPFイコライザ13につい
ての調整を行うのであるから、逆に、波形整形回路14
を介することによって第2LPFイコライザ13による
低域カットオフの影響が小さなものとなると、第2LP
Fイコライザ13を通過したことによるフラットネスの
評価が適正にできないこととなる。そこでこの場合に
は、波形整形回路14をパスさせるようにしているもの
である。
【0075】そして、以降におけるステップS111か
らステップS117までの手順は、調整の対象が第2L
PFイコライザ13とされたうえで、上記ステップS1
03からステップS109までにより行っていた第1L
PFイコライザ19についての調整のための手順と同様
のものとなる。そして、最後のステップS117におい
ては、第2LPFイコライザ13について最適であると
して決定されたカットオフ周波数を設定するためのセッ
ト信号S2が、EEPROMに格納されることになる。
このようにして、最終的には、EEPROM37には第
1LPFイコライザ19と第2LPFイコライザ13の
各々に対して最適とされるカットオフ周波数を設定する
ためのセット信号S1とセット信号S2とが格納される
ことになる。そして、例えば以降において、当該テープ
ストリーマドライブに対して電源が投入されるなどの初
期化時においては、常にEEPROM37から読み出し
たセット信号S1及びセット信号S2とによって、第1
LPFイコライザ19と第2LPFイコライザ13のカ
ットオフ周波数を設定するようにされる。これによっ
て、本実施の形態としては、機器ごとに適合したLPF
のカットオフ周波数を設定することが可能となり、それ
だけ、容量結合方式による信号伝送特性の向上を図るこ
とが可能となるものである。
【0076】なお、このようなLPFの調整は、例えば
向上出荷時において行われることから、例えばテスト信
号発生回路31及びフラットネス評価回路35等は、テ
ープストリーマドライブ内に設けることなく、作業用の
システムの一部として設け、作業時において、テープス
トリーマドライブ側の基板などと接続することで、図1
8に示したようなLPFの調整に対応した構成が得られ
るようにしてもよいものである。
【0077】また、カットオフ周波数調整のために、伝
達特性のフラットネスについての評価を行うための手段
としては具体的に次のようなものが考えられる。1つに
は、テスト信号としてランダムデータを出力させ、フラ
ットネスの評価としては、検出点のランダム性を評価す
るものである。また、テスト信号として周波数スイープ
させたものを出力し、そのフラットネスを評価すること
も考えられる。また、テスト信号として既知系列を送受
信し、 伝達特性=受信系列の周波数応答÷送信系列の周波数応
答 を算出することで評価する方法も考えられる。なお、こ
のような場合の送信系列としては、一般に、所定のビッ
ト数ごとに固定の‘0’‘1’のパターンを有するM系
列を用いることができる。
【0078】また、本発明としてのヘッドドラムの構造
の細部や、電極配置パターン、及び電極数なども、先の
各図に示したものに限定されるものではなく、実際に応
じて適宜変更されて構わない。更に本発明としては、ヘ
ッドドラムを有してテープ状記録媒体に対応した記録再
生が可能であれば、例えばテープストリーマドライブ以
外にも適用は可能であり、更には、記録又は再生専用の
機器に対しても適用は可能とされる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、回転ドラ
ム部と固定ドラム部側との信号伝送について容量結合方
式を採用することで、ロータリートランスの場合には不
可避となる直列共振に起因した伝達特性の劣化や、高周
波化に伴う磁気コアの透磁率の劣化などの不利な条件を
排除することが可能になる。これによって、記録再生情
報のデータレートについての高速化を容易に図ることが
可能となる。そして、その上で、本発明としては、チャ
ネル間アイソレーションを高めるためのシールド構造を
採るようにされているが、信号伝送自体が容量結合方式
であることから、ロータリートランスにおける場合より
も、より高いチャネル間アイソレーションを容易に得る
ことが可能となるものである。
【0080】また本発明は、上記のようにして容量結合
方式を採用した回転ドラムを備えた記録再生装置におい
てローパスフィルタを備えるようにされる。これによっ
て、容量結合方式による信号伝送を行う構成を採る場合
に、等化回路的に形成されるハイパスフィルタによる低
域減衰を有効に補償することが可能になる。
【0081】そして、上記ローパスフィルタについての
最適なカットオフ周波数を求めるための調整にあたって
は、ローパスフィルタ及び容量結合を介して通過させた
テスト信号についての伝達特性の計測結果を得るように
している。回転ドラムと固定ドラムとの間の結合容量
は、例えば回転ドラム及び固定ドラムなどにおける物理
的な精度誤差などによって結合容量にばらつきが生じる
が、上記のようにしてテスト信号を容量結合を介して通
過させるようにすれば、最終的には、このような結合容
量のばらつきを吸収しての最適な調整値を得ることがで
きる。従って、機器ごとの結合容量のばらつきに関わら
ず、その機器に最も適切とされる調整値を得ることが可
能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのヘッドドラムの構
造例を示す平面図及び側面図である。
【図2】本実施の形態としてのヘッドドラムの構造例を
示す斜視図である。
【図3】本実施の形態としてのヘッドドラムの構造例を
示す側面図である。
【図4】容量結合方式による駆動回路を示すブロック図
である。
【図5】図4に示す駆動回路の等化回路図である。
【図6】図5に示す等化回路の伝達特性を示す図であ
る。
【図7】本実施の形態としてのヘッドドラムの構造例を
示す平面図である。
【図8】本実施の形態としてのヘッドドラムの構造例を
示す図である。
【図9】本実施の形態としてのヘッドドラムの構造例を
示す平面図、及びこの構造例が対応するヘッド位置とテ
ープ巻き付け各を示す説明図である。
【図10】本実施の形態としてのヘッドドラムの構造例
を示す断面図である。
【図11】本実施の形態としてのヘッドドラムにおける
シールド構造を示す平面図及び側面図である。
【図12】本実施の形態としてのヘッドドラムにおける
シールド構造を示す分解斜視図及び側面図である。
【図13】本実施の形態としてのヘッドドラムにおける
シールド構造を示す分解斜視図及び側面図である。
【図14】図5に示す等化回路を通過した信号波形を示
す波形図である。
【図15】補償用LPFを備えた結合容量伝送方式によ
る駆動回路の等化回路図である。
【図16】図15に示した等価回路の伝達特性を示す図
である。
【図17】図15に示した等価回路を通過した信号波形
を示す波形図である。
【図18】補償用LPF調整機能を備えた、テープスト
リーマドライブの構成例を示すブロック図である。
【図19】補償用LPF調整のための手順を示すフロー
チャートである。
【図20】従来例として、ロータリートランスを用いた
ヘッドドラムの構造例を示す分解斜視図及び側面図であ
る。
【図21】ロータリートランスを採用した場合の記録再
生回路系を簡略に示すブロック図である。
【図22】ロータリートランスを採用した場合の記録再
生回路系を簡略に示すブロック図である。
【図23】ロータリートランスの等化回路図である。
【図24】図23の等化回路を通過する信号の伝達特性
を示す図である。
【図25】チャネル間アイソレーションを施したロータ
リートランスの構造例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 磁気テープ、3 回転ドラム、3A 固定ドラム、
10 記録信号発生回路、11 送信アンプ、12 受
信アンプ、13 第2LPFコライザ、14波形整形回
路、15 記録アンプ、4 記録ヘッド、5 再生ヘッ
ド、16 ヘッドアンプ、17 送信アンプ、18 受
信アンプ、19 第1LPFイコライザ、20 A/D
コンバータ、22 検出回路、32 D/Aコンバー
タ、33VCO、34 F−V変換回路、35 フラッ
トネス評価回路、36 メモリ、37 EEPROM、
38 D/Aコンバータ、100 回転側プリント基
板、100A,101A 外周側基板、100B,10
1B 内周側基板、101固定側プリント基板、10
2,102A,102B 電極、103 絶縁体(誘電
体)、110 密封ケース、111 高誘電率液体/気
体、112 電極、113,114 スリット、120
シールド部材、121 貫通部、122切り欠き部、
201 送信部、202 受信部、203 LPFイコ
ライザ、SW1,SW2 スイッチ、C10,C11,C12
結合容量、S1,S2 セット信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状記録媒体に対応して記録又は再
    生を行うためのヘッドが設けられる回転ドラムと、該回
    転ドラムと組み合わされる固定ドラムとからなる構造を
    有するヘッドドラムにおいて、 上記回転ドラムと固定ドラムとの各対向面に電極を形成
    することで、上記回転ドラムと固定ドラムとの間での信
    号伝送を容量結合方式により行う信号伝送手段と、 複数の上記電極のうちで所要の電極間に生じる容量結合
    をシールドするための構造を有するシールド手段と、 を備えていることを特徴とするヘッドドラム。
  2. 【請求項2】 回転ドラムを備えて、テープ状記録媒体
    に対応して記録又は再生を行う記録再生装置において、 上記回転ドラム側と固定側との信号伝送について、容量
    結合方式により行う信号伝送手段と、 上記容量結合方式による信号伝送に対応して、記録信号
    経路及び再生信号経路の少なくとも何れか一方に挿入さ
    れるローパスフィルタ手段と、 を備えていることを特徴とする記録再生装置。
  3. 【請求項3】 上記ローパスフィルタ手段のカットオフ
    周波数についての調整を可能とするための調整手段、 が備えられることを特徴とする請求項3に記載の記録再
    生装置。
  4. 【請求項4】 上記調整手段は、 上記回転ドラム側に備えられる上記ローパスフィルタの
    カットオフ周波数を設定するための制御情報を、交流に
    変換する第1の変換手段と、 上記変換手段から出力される交流信号を、上記信号伝送
    手段を介して入力して直流に変換し、上記ローパスフィ
    ルタに制御情報として供給する第2の変換手段と、 を備えていることを特徴とする請求項3に記載の記録再
    生装置。
  5. 【請求項5】 上記調整手段は、 上記信号伝送手段を介して上記回転ドラム側に伝送され
    た記録系信号について、上記信号伝送回路を介した再生
    信号経路によって、上記回転ドラム側から固定側に通過
    させるための信号経路を形成可能とされていることを特
    徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】 容量結合方式による回転ドラム側と固定
    ドラム側との信号伝送に対応して帯域補償を行うローパ
    スフィルタの調整方法であって、 上記ローパスフィルタ及び上記容量結合を介してテスト
    信号を通過させるようにして出力させる信号出力手順
    と、 上記テスト信号が出力されている状態の下で、上記ロー
    パスフィルタのカットオフ周波数を変更する変更手順
    と、 上記変更手順によって変更されたカットオフ周波数ごと
    に、上記ローパスフィルタ及び上記容量結合を通過した
    テスト信号についての伝達特性を計測する計測手順と、 上記計測手順によって得られた計測結果に基づいて決定
    したカットオフ周波数を上記ローパスフィルタに設定す
    る設定手順と、 を行うようにしたことを特徴とする調整方法。
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