JP2002139759A - 振れ補正装置および光学機器 - Google Patents
振れ補正装置および光学機器Info
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Abstract
単かつ確実に防止でき、経時変化の影響を受けにくい振
れ補正装置を提供する。 【解決手段】 像振れを補正するために装置本体に対し
て光軸直交方向に駆動される振れ補正光学系を備えた振
れ補正装置において、振れ補正光学系を、装置本体との
間に設けられたバネ等の弾性部材により光軸直交方向に
移動可能に支持するとともに、振れ補正光学系と装置本
体との間に、振れ補正光学系の光軸直交方向移動に対し
て制動作用を及ぼすゴム等の粘弾性部材を設けている。
Description
れによる像振れを補正する振れ補正装置に関するもので
ある。
せ等の撮影に重要な作業はすべて自動化されてきてお
り、カメラの操作に未熟な人でも撮影の失敗を起こす可
能性は非常に少なくなっている。
よる像振れを補正するシステムも研究されており、撮影
者の撮影失敗を誘発する要因はほとんど無くなってきて
いる。
て簡単に説明する。撮影時のカメラの手振れは、周波数
として通常1Hzから12Hz程度の振動であるが、シ
ャッターのレリーズ時点においてこのような手振れを起
していても像振れの無い撮影を可能とするため、振れ補
正システムでは、手振れによるカメラの振動を検出し、
その検出値に応じて振れ補正レンズを光軸直交方向に変
位させる。
い撮影を可能とするためには、第1にカメラの振動を正
確に検出すること、第2にカメラの振動による光軸変化
を振れ補正レンズを変位させて補正することが必要とな
る。
にいえば、加速度,速度等を検出するセンサと、このセ
ンサの出力信号を電気的あるいは機械的に積分して変位
を出力する振れ信号出力回路とからなる振れ検出手段を
カメラに搭載することによって行うことができる。そし
て、この振れ検出情報に基づいて振れ補正レンズを駆動
制御することにより、像振れ補正が可能となる。
ステムの概要を、図9を用いて説明する。この図は、カ
メラの縦振れ(ピッチ方向振れ)81pおよび横振れ
(ヨー方向振れ)81yに起因する像振れを補正ないし
抑制するシステムを示している。
yはそれぞれ縦振れ、横振れに応じた信号を出力するセ
ンサであり、図には、それぞれの振れ検出方向を84
p,84yで示している。
6yは振れ補正レンズ85の位置を検出する検出素子で
ある。87p,87yはそれぞれ、振れ補正レンズ85
に推力を与えるコイルである。振れ補正レンズ85は位
置制御ループにより駆動制御され、センサ83p,83
yの出力を目標値として駆動されて像面88での像の安
定を確保している。
ズ85の位置を検出する検出素子86p,86yを有
し、その出力に基づいて振れ補正レンズ85を駆動制御
するため、精度良い振れ補正駆動を行えるメリットがあ
るが、検出素子86p,86yを駆動するための電力が
必要であることから、装置のコンパクト化や省電力化が
難しいという問題がある。
弾性部材で浮遊支持し、弾性部材の弾性力に抗する推力
で振れ補正レンズを駆動制御することで、振れ補正レン
ズの位置を検出する必要をなくし、コンパクト化および
省電力化が図れるようにした振れ補正装置を特開平8−
184870号公報等において提案している。
ンズおよび弾性部材からなる振動系の固有振動数付近で
の振れ補正レンズの駆動により過補正が発生することを
防止するために、駆動系内に油等の粘性流体や摩擦発生
部材等を用いている。さらに、電気的なローパスフイル
ターを用いたり、制御方法を変えたりして、振れ補正レ
ンズの共振防止対策も行っている。
開平8−184870号公報にて提案の振れ防止装置で
は、振動系の固有振動数付近での振れ補正レンズの過補
正駆動を十分に防止するための調整、つまりは粘性流体
の粘度設定や摩擦発生部材での摩擦係数設定が難しいと
いう問題がある。
時変化により変わり、振れ補正レンズの過補正防止機能
を高いまま維持するのが難しいという問題もある。
正防止機能を、より簡単かつ確実に防止でき、経時変化
の影響を受けにくい振れ補正装置を提供することを目的
としている。
めに、本発明では、像振れを補正するために装置本体に
対して光軸直交方向に駆動される振れ補正光学系を備え
た振れ補正装置において、振れ補正光学系を、装置本体
との間に設けられたバネ等の弾性部材により光軸直交方
向に移動可能に支持するとともに、振れ補正光学系と装
置本体との間に、振れ補正光学系の光軸直交方向移動に
対して制動作用を及ぼすゴム等の粘弾性部材を設けてい
る。
振れ補正光学系および弾性部材からなる振動系の固有振
動数付近で駆動される振れ補正光学系に対して制動作用
を及ぼす特性を持たせるようにする。
って浮遊支持し、弾性部材の弾性力に抗して駆動する
(弾性部材の弾性力と振れ補正光学系に所望の変位量を
与えるために必要な駆動力との関係を予め得ておき、必
要な変位量に応じた駆動力を発生させることにより、振
れ補正光学系の位置を検出する手段を不要とした)コン
パクトで省電力タイプの振れ補正装置において、粘性流
体や摩擦発生部材等を用いる場合に比べて、簡単かつ確
実に、さらには経時変化の影響をあまり受けずに振れ補
正光学系の過補正駆動を防止することが可能となる。
により、安価に過補正防止機能を持たせることが可能で
ある。
略リング形状を有するよう形成したり、光軸に略平行に
延びる棒又は帯形状に形成したりすることにより、振れ
補正光学系が駆動方向のどの位置にあっても同様に制動
作用を及ぼすことが可能となる。
光軸方向への変形が生じにくい形状とすることにより、
振れ補正光学系の光軸方向への変位による光学性能への
影響を防止することが可能となる。
明の第1実施形態である振れ補正装置を分解して示して
いる。また、図2には、この振れ補正装置に用いられる
粘弾性部材を示している。さらに、図3は、この振れ補
正装置の組み立て状態における光軸方向視図である。ま
た、図4は、この振れ補正装置の組み立て状態における
光軸直交方向視図であり、駆動制御系も合わせて示して
いる。
このレンズ支持枠1の内周には、図3および図4に示す
貼り合せレンズ(振れ補正光学系)L1が嵌合し、カシ
メによって固定されている。このレンズ支持枠1は、地
板2(装置本体)に対して光軸直交面上にて2次元方向
(光軸直交方向)に移動可能となっている。
交面上には摺動カム2aが設けられている。5は金属製
の摺動ピンであり、摺動カム2aを介してレンズ支持枠
1に形成された3箇所の穴1aに圧入される。これによ
り、レンズ支持枠1は地板2に対して摺動ピン5と摺勤
カム2aとを介して結合し、光軸方向に概ね位置規制さ
れた状態で光軸直交面上のすべての方向に移動できるよ
うになっている。
(つまりはレンズ支持枠1の光軸方向ガタ)について
は、摺動ピン5の太さを調節することで補正可能であ
る。
が一段小さくなっている3箇所の凹部2bの内側に形成
されており、この凹部2bに他の部材等を配置して、こ
の振れ補正装置が搭載されるレンズ鏡筒やカメラ等の光
学機器における振れ補正装置の前後の部材を繋ぐことが
できる。
させるための支持穴であり、地板2の外周3箇所に設け
られている。この支持穴2cに他の部材、例えば図4に
示すコロ10を挿入し、ビス11で締め付け固定するこ
とでよって、本振れ補正装置を光学機器内に支持するこ
とができる。
太さを変えることでレンズ支持枠1光軸方向ガタを補正
した場合、レンズ支持枠1が光軸に対して倒れてしまう
おそれがあるが、上記3つのコロ10のうち1つ又は2
つを偏心コロにしておけば、偏心コロを回転させるだけ
で振れ補正装置全体を光学機器の光軸に対して傾けるこ
とができるため、レンズ支持枠1の光軸に対する倒れも
合わせて補正して実害を少なくすることができる。
ヨーク3にそれぞれ磁気結合により固定されている。7
p,7yは第2マグネットであり、第2ヨーク8にそれ
ぞれ磁気結合されている。
に設けられた突起3aにより、第2マグネット7p,7
yも第2ヨーク8に同様に設けられた突起(図示せず)
により位置規制されている。
p,4y,7p,7yはそれぞれ、光軸に近い側と遠い
側とで着磁方向が異なっており、各マグネット4p,4
y,7p,7yの中心付近は非着磁領域になっている。
これは、各マグネット4p,4y,7p,7yに対して
光軸方向において対向配置されるコイル6p,6yの巻
線の位置と各マグネット4p,4y,7p,7yの着磁
領域とを合わせて駆動力を効率よく発生させるためであ
る。なお、各マグネット4p,4y,7p,7yの着磁
方向は、図3に白抜き矢印にて示している。
された2箇所の穴3bに地板2に設けられた2箇所の突
起2dを入り込ませることによって地板2に対する位置
が決められ、3箇所の穴3cと地板2に形成された3箇
所の穴2eに不図示のビスを通して締め付けることで地
板2に固定される。なお、第1ヨーク3は、レンズ支持
枠1に摺動ピン5を圧入する前に地板2に固定され
る。。
された穴8bと凹部8cに地板2に設けられた2箇所の
突起2fを入り込ませることで地板2に対する位置が決
められ、3箇所の穴8dと地板2に形成された3箇所の
穴2gに不図示のビスを通して締め付けることで地板2
に固定される。
た巻線部6aと、このコイル6p,6yをレンズ支持枠
1に固定するために樹脂で形成された支持部6bとを有
して構成されている。コイル6p,6yは、レンズ支持
枠1に設けられた腕部1bの上に支持部6bを当接さ
せ、支持部6bに形成された不図示の穴にレンズ支持枠
1の突起1cを入り込ませることでレンズ支持枠1に対
する位置決めがなされ、支持部6bをレンズ支持枠1に
接着することでレンズ支持枠1に固定される。
ネット4,第2マグネット7および第2ヨーク8からな
るループ上の閉磁路内に、コイル6p,6yが位置して
いるため、コイル6p,6yの巻線部6aに通電するこ
とで、コイル6p,6yさらにはレンズ支持枠1および
振れ補正レンズL1が光軸直交方向のうちピッチ方向
(P)およびヨー方向(Y)に駆動される。
ぞれ、垂直方向および水平方向を意味するが、これは、
光学機器に搭載した振れ検出手段(例えば、加速度セン
サおよび積分回路により構成される)が光学機器の振れ
をピッチ成分とヨー成分に分けて検出していることに対
応するものである。
撓性回路基板から通電が行なわれる。この回路基板上に
は、本装置の制御に必要な各種電子部品が実装されてい
る。この回路基板は、第2ヨーク8の前側又は地板2の
後側に固定され、この回路基板からは他の回路基板との
接続のための接続部が延びている。
部2hが形成されており、接続部は両面テープ等によっ
て延出部2hに固定される。
ンズ支持枠1をピッチ方向にて挟む2箇所には弾性部材
としての圧縮コイルバネ9pa,9pbが配置されてい
る。また、レンズ支持枠1と地板2との間におけるレン
ズ支持枠1をヨー方向にて挟む2箇所には弾性部材とし
ての圧縮コイルバネ9ya,9ybが配置されている。
これら圧縮コイルバネ9pa,9pb,9ya,9y
bの光軸側の端面はレンズ支持枠1に凹形状部分の底面
として形成された平面部1dに当接する。平面部1dに
は突起1eが形成されており、この突起1eが各コイル
バネの内側に入り込むことによって、コイルバネの平面
部1dからの外れが防止される。
ya,9ybの光軸とは反対側の端面は地板2に凹形状
部分の底面として形成された平面部2iに当接する。平
面部2iには突起2jが形成されており、この突起2j
が各コイルバネの内側に入り込むことによって、コイル
バネの平面部2iからの外れが防止される。
態においては、各圧縮コイルバネ9pa,9pb,9y
a,9ybは圧縮状態となっており、これによりレンズ
支持枠1を浮遊支持している。
た粘弾性部材あり、圧縮コイルバネ9pa,9pb,9
ya,9ybのそれぞれを取り囲むように配置されてい
る。
しい構成について説明する。図2において、図中のX
X,YY,ZZ方向はそれぞれ、ヨー方向、ピッチ方向
および光軸方向を表している。
向、ヨー方向のどちらに変形しても同様の粘弾性が得ら
れるように、光軸方向から見て略リング形状になってい
る。
図における上下方向(YY方向)に2箇所設けられてい
る。図3において光軸側となる取付け部30aはレンズ
支持枠1における平面部1dを底面とする凹形状部分の
内壁面間に圧入され、平面部1dに当接する。
取付け部30aは、地板2における平面部2iを底面と
する凹形状部分の内壁面間に圧入され、平面部2iに当
接する。
成されており、この突部30cが上記各凹壁面に圧接す
ることで、粘弾性部材30の回転も防止される。
以外に、シリコン系接着剤等の弾性接着剤を用いてレン
ズ支持枠1および地板2に固定するようにしてもよい。
aの左右(XX方向)箇所をそれぞれつなぐよう帯状に
形成された側面部である。本実施形態では、この側面部
30bを外側に向かって凸となる曲面形状に形成してい
る。これにより、上下の取付け部30aが互いにXX方
向やYY方向にずれても、同様の粘弾性が得られる。
法よりもZZ方向の幅寸法が大きくなるように形成され
ている。これにより、粘弾性部材30がピッチ方向やヨ
ー方向に比べて光軸方向に変形しにくくなり、レンズ支
持枠1の光軸方向変位を抑制することができる。
イルバネ9pa,9pb,9ya,9ybの外径よりも
大きな内径を有する穴30dが形成されており、これに
より粘弾性部材30と圧縮コイルバネ9pa,9pb,
9ya,9ybとの干渉を防止することができる。
電して圧縮コイルバネ9pa,9pb,9ya,9yb
の弾性力に抗する推力を発生させ、レンズ支持枠1(つ
まりは振れ補正レンズL1)をピッチ方向やヨー方向に
駆動すると、粘弾性部材30がレンズ支持枠1に対して
所要の制動作用を及ぼす。
比較して、振れ補正方向によらず均一な制動作用を及ぼ
すことができ、経時変化や温度によって粘度が変わった
り液切れが生じたりする心配はない。
する(例えば、側面部30bの曲率や厚みを変更する)
ことで容易に粘弾性(つまりは、制動作用の特性)を調
節することが可能である。
力)は、振れ補正のための駆動目標値に対応して定ま
り、駆動目標値は前述した振れ検出手段からの検出出力
に基づいて設定される。
9ya,9ybは線形特性を有し、コイル6p,6yへ
の入力目標値(電圧)に対する発生推力の関係も線形特
性を有する。このため、圧縮コイルバネ9pa,9p
b,9ya,9ybの弾性定数(変位に対する弾性力)
とコイル6p,6yの推力定数(入力電圧に対する推
力)が予め分かっていれば、コイル6p,6yへの入力
電圧を調節することで振れ補正レンズL1に所望の変位
量を与えることができる。したがって、振れ補正レンズ
L1の位置を検出するための特別な位置検出手段を必要
としない。
置と比較して、振れ補正レンズL1を所定の初期位置に
ロック保持するためのロック機構や、振れ補正レンズL
1の光軸に対する傾きを防止するためのローリング対策
機構や、前述した位置検出手段に関連する部品が不要と
なり、きわめてシンプルな構成となっている。
1)と圧縮コイルバネ9pa,9pb,9ya,9yb
からなる振動系の周波数特性について図5を用いて説明
する。
ボード線図に示すように、この振動系の固有振動数f0
(圧縮コイルバネのバネ定数と主として振れ補正レンズ
L1およびレンズ支持枠1の重さで決まる)以上の周波
数で変位利得が減少(減衰)する特性となっている。つ
まり、コイル6p,6yへの入力目標値に対して振れ補
正レンズL1の駆動量が小さくなっていき、振れ補正を
行えなくなっていく特性を有する。
帯域(1〜12Hz程度)Aよりも高くなるように設定
し、上記減衰領域(振れ補正できない領域)が振れ補正
帯域と重ならないようにしておく。
た場合などでは、実際の撮影においてクイックリターン
ミラー作動時の振動(以下、ミラー振れと称する)やシ
ャッタ駆動時の振動(以下、シャッター振れと称する)
等、上記振れ補正帯域より高周波数の振れも存在する。
固有振動数f0 を高くすればこれらの影響を無くするこ
とが可能であるが、この場合には、その分圧縮コイルバ
ネのバネ定数を大きくしなければならず、振れ補正レン
ズL1の駆動により大きな電力や磁力が必要となり、装
置の大型化や消費電力の増加につながる要因になる。
れは小さいために、通常の(振れ補正をしない)撮影に
おいて問題となりにくいが、この振れを振れ検出手段が
検出した場合は、振れ検出手段からの出力が駆動目標値
としてコイル6p,6yに入力され、次のような問題が
生ずる。
0 以上では振れ補正レンズL1の変位利得が減少するば
かりではなく、その位相も遅れるため、目標値入力に対
して振れ補正レンズL1の駆動についての応答遅れも生
ずる。
は、振れ補正レンズL1の動きは像振れを補正するので
はなく、像振れを増加させる方向に働いてしまう。つま
り、本来は振れを相殺するように振れ補正レンズL1を
動かしたい(いわば、振れの山を振れ補正動作の谷で潰
す)のに、振れを大きくするように振れ補正動作が行わ
れてしまう(振れの山に振れ補正動作の山が加わる)。
このため、振れ補正を行わない時よりも振れ補正を行っ
た時の方が、ミラー振れやシャッター振れの発生時の像
振れが大きくなり、像劣化を生じさせるおそれがある。
よび図5(b)のボード線図に示すように、振れ検出手
段からの検出出力15p,15yに対して、固有振動数
f0以上の目標値利得を減少させるフィルター17p,
17yを接続し、ミラー振れやシャッター振れに対する
目標値利得を減少(減衰)させる。これにより、図5
(a)で示した、固有振動数f0 以上の変位利得が減少
する振動系自身の周波数特性と相まって、振れ補正装置
がミラー振れやシャッター振れに対して応答しなくな
り、上記像劣化を防ぐことができる。
駆動目標値の設定について説明する。図4に示すよう
に、まず、振れ検出手段からの検出出力15p,15y
を演算回路16p,16yに入力し、振れ補正量に適し
た駆動目標値、つまりは、振れ補正レンズL1の変位量
に適した(そのときに圧縮コイルバネに生ずるバネカに
釣り合う推力を発生させる)コイル6p,6yへの入力
電圧値に変換する。
フォーカスに伴う振れ補正量の補正も行う。これは、一
般に焦点距離や焦点位置が変わると振れ補正レンズの駆
動量に対する像面の振れ補正量が変化するためである。
にて、図5(b)で示した目標利得持性により、駆動目
標値に含まれるミラー振れやシャッター振れに起因する
成分を滅衰させる。
(駆動目標値)は、駆動回路18p,18yに入力さ
れ、ここでコイル6p,6yヘの印加電圧が発生される
(コイルに入力する電圧に対して十分な電流を与え
る)。
数特性を示したが、実際の振動系の駆動入力に対する変
位利得は、図5(c)に示すように、固有振動数f0 付
近で、振動系の共振現象によって急激に大きくなる(つ
まり、振れ補正レンズL1の駆動速度がきわめて速くな
る)。このため、固有振動数f0 付近の周波数の駆動入
力が行われた場合、いわゆる過応答を示し、好ましくな
い。したがって、実際の振動系の固有振動数f0 付近で
の変位利得特性を、図5(c)の点線で示すように、な
だらかに変化するフラットな特性とする必要がある。
材30を付加し、振れ補正レンズL1の駆動に対してダ
ンピング(制動作用)を与えることで、簡単かつ確実に
上記特性を得ている。
ける周波数持性の実測値である。ここの図から分かるよ
うに、粘弾性部材30を設けた場合(▲)には、ゲイン
のピークが、バネのみの場合(■)に比べ低くなってい
る。
により近づけるためには、さらにダンピングを与える要
素を追加する必要があるが、ダンピングを大きくすると
消費電力上のメリットが少なくなり、また振れ補正レン
ズL1の駆動位相遅れも顕著になってくるため、これら
を考慮して適度なダンピングに設定する必要がある。
れ補正レンズL1の駆動位相遅れが生ずる可能性がある
が、これを改善するために、電気的な位相進み補償機能
を付加してもよい。
正レンズL1およびレンズ支持枠1の質量によって異な
るため、振れ補正レンズL1およびレンズ支持枠1の質
量に応じて圧縮コイルバネのバネ定数や粘弾性部材の材
質・形状も選択し直す必要がある。
実施形態である振れ補正装置の構成を示している。な
お、図7は振れ補正装置の光軸直交方向視図である。ま
た、本実施形態において、第1実施形態と共通する構成
要素には第1実施形態と同符号を付している。
材30に代えて、レンズ支持枠1と地板22との間に棒
又は帯形状を有する粘弾性部材40を配置している。
るゴムで形成されており、光軸Tに略平行に配置されて
いる。粘弾性部材40の一端部はレンズ支持枠1に形成
された穴1sに、他端部は地板22に形成された穴22
sに圧入等により固定される。
ンズL1)がピッチ方向およびヨー方向におけるどの位
置に変位しても、同様にレンズ支持枠1に対するダンピ
ングを付与することができる。
を、同一の光軸直交面上における周方向3箇所に配置し
ている。
9pa,9pb,9ya,9ybは、第1実施形態と同
様に、地板22に形成された平面部22iにその両端を
当接させ、平面部22i上に形成された突起22jによ
って平面部22iからの外れが防止された状態でレンズ
支持枠1と地板22との間に配置される。
の第3実施形態である振れ補正装置に用いられる粘弾性
部材70の構成を示している。
するゴムにより、第1実施形態にて説明した粘弾性部材
30の両端部30aと同様の形状に形成されたリング体
(両端部)である。これらリング体70cは、レンズ支
持枠1および地板2にそれぞれ圧入等により固定され
る。
部材30の側面部30bと同様の形状に、適度な延性お
よび可撓性を有するよう形成された帯体(側面部)であ
り、その両端が両リング体70cに固定されて両リング
体70cをつなぐものである。この帯体70bの内部に
は空洞部70dが形成されている。
dにシリコンオイル等の粘弾性流体を、空洞部70dの
開口70aを通じて充填し、粘弾性流体の充填後に開口
70aを接着剤等で塞ぐ。こうして、内部に粘弾性流体
が充填された粘弾性部材70が構成される。
の第3実施形態である振れ補正装置に用いられる粘弾性
部材の構成を示している。
び可撓性を有するゴムで形成されたチューブであり、こ
のチューブ71cは、光軸方向から見たときに略楕円リ
ング形状となるようにその両端が繋げられている。そし
て、チューブ71c内の空洞部にはシリコンオイル等の
粘弾性流体が充填されている。
おける互いに対向する2箇所の平面部(両端部)71a
はそれぞれ、レンズ支持枠1と地板2に接着剤等で固定
される。
ンズ支持枠1(振れ補正レンズL1)がピッチ方向およ
びヨー方向におけるどの位置に変位しても、同様にレン
ズ支持枠1に対するダンピングを付与することができ
る。
さ寸法よりもZZ方向の幅寸法の方が大きい形状を有す
る。このため、粘弾性部材71がピッチ方向やヨー方向
に比べて光軸方向に変形しにくくなり、レンズ支持枠1
の光軸方向変位を抑制することができる。
の構成に限定されるものではなく、本発明の機能又は実
施形態が持つ機能が達成できる構成であれば種々の変更
が可能である。
ムや粘弾性流体を充填した部材を用いたが、他の材質又
は他の方法により粘弾性を持つ部材を用いてもよい。例
えば、同様の効果が期待できるゲル状の物質により形成
し、同様に配置してもよい。
圧縮コイルバネを用いた場合について説明したが、板バ
ネ等の他の形態のバネやバネ以外の弾性部材を用いても
よい。
を適宜組み合わせた構成によっても実施可能である。
振れ補正光学系を弾性部材によって浮遊支持し、弾性部
材の弾性力に抗して駆動するコンパクトで省電力タイプ
の振れ補正装置において、粘性流体や摩擦発生部材等を
用いる場合に比べて、簡単かつ確実に、さらには経時変
化の影響をあまり受けずに振れ補正光学系の過補正駆動
を防止することができる。
により、安価に過補正防止機能を持たせることができ
る。
略リング形状を有するよう形成したり、光軸に略平行に
延びる棒又は帯形状に形成したりすることにより、振れ
補正光学系が駆動方向のどの位置にあっても同様に制動
作用を及ぼすことができる。
光軸方向への変形が生じにくい形状とすることにより、
振れ補正光学系の光軸方向への変位による光学性能への
影響を防止することができる。
解斜視図。
視図。
面図および駆動制御系の構成図。
および振れ補正駆動の周波数特性図。
数特性の実測図。
軸直交方向視における断面図。
正装置に用いられる粘弾性部材の斜視図。
Claims (17)
- 【請求項1】 像振れを補正するために装置本体に対し
て光軸直交方向に駆動される振れ補正光学系を備えた振
れ補正装置において、 前記振れ補正光学系を、前記装置本体との間に設けられ
た弾性部材により光軸直交方向に移動可能に支持すると
ともに、 前記振れ補正光学系と前記装置本体との間に、前記振れ
補正光学系の光軸直交方向移動に対して制動作用を及ぼ
す粘弾性部材を設けたことを特徴とする振れ補正装置。 - 【請求項2】 前記粘弾性部材は、主として前記振れ補
正光学系および前記弾性部材からなる振動系の固有振動
数付近で駆動される前記振れ補正光学系に対して制動作
用を及ぼす特性を有することを特徴とする請求項1に記
載の振れ補正装置。 - 【請求項3】 前記弾性部材がバネであることを特徴と
する請求項1又は2に記載の振れ補正装置。 - 【請求項4】 前記粘弾性部材がゴムであることを特徴
とする請求項1から3のいずれかに記載の振れ補正装
置。 - 【請求項5】 前記粘弾性部材が、可撓性部材の内部に
粘弾性流体を充填して構成されていることを特徴とする
請求項1又は2に記載の振れ補正装置。 - 【請求項6】 前記粘弾性流体がシリコンオイルである
ことを特徴とする請求項5に記載の振れ補正装置。 - 【請求項7】 前記粘弾性部材はゲル状物質で形成され
ていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
載の振れ補正装置。 - 【請求項8】 前記弾性部材および前記粘弾性部材が互
いに同一の光軸直交面上に配置されていることを特徴と
する請求項1から7のいずれかに記載の振れ補正装置。 - 【請求項9】 前記弾性部材および前記粘弾性部材が互
いに同一の光軸直交軸上に配置されていることを特徴と
する請求項8に記載の振れ補正装置。 - 【請求項10】 前記粘弾性部材が、前記弾性部材を取
り囲むよう配置可能な形状を有することを特徴とする請
求項9に記載の振れ補正装置。 - 【請求項11】 前記粘弾性部材が、光軸方向視におい
て略リング形状を有するよう形成されていることを特徴
とする請求項1から10のいずれかに記載の振れ補正装
置。 - 【請求項12】 前記粘弾性部材が、光軸直交方向より
も光軸方向への変形が生じにくい形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の
振れ補正装置。 - 【請求項13】 前記粘弾性部材が、前記振れ補正光学
系および前記装置本体に固定される両端部と、これら両
端部間をつなぐ帯状の側面部とを有し、 前記側面部の光軸方向における幅寸法が厚さ寸法よりも
大きいことを特徴とする請求項12に記載の振れ補正装
置。 - 【請求項14】 前記粘弾性部材が、径方向両端部が前
記振れ補正光学系および前記装置本体に固定されるリン
グ状の部材であり、 この前記粘弾性部材の光軸方向における幅寸法が厚さ寸
法よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の振
れ補正装置。 - 【請求項15】 前記粘弾性部材が、光軸方向に略平行
に延び、軸方向両端部が前記振れ補正光学系および前記
装置本体に固定される棒状又は帯状の部材であることを
特徴とする請求項12に記載の振れ補正装置。 - 【請求項16】 前記振れ補正光学系の光軸直交方向へ
の駆動を制御する駆動制御手段と、装置振れを検出する
振れ検出手段とを有しており、 前記駆動制御手段は、前記振れ検出手段からの検出出力
および前記弾性部材の特性に応じた前記振れ補正光学系
の駆動目標値を設定し、この駆動目標値に基づいて前記
振れ補正光学系を駆動することを特徴とする請求項1か
ら15のいずれかに記載の振れ補正装置。 - 【請求項17】 請求項1から16のいずれかに記載の
振れ補正装置を備えたことを特徴とする光学機器。
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