JP2002139420A - 散乱吸収体計測装置の校正方法、及びそれを用いた散乱吸収体計測装置 - Google Patents

散乱吸収体計測装置の校正方法、及びそれを用いた散乱吸収体計測装置

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JP2002139420A
JP2002139420A JP2000331247A JP2000331247A JP2002139420A JP 2002139420 A JP2002139420 A JP 2002139420A JP 2000331247 A JP2000331247 A JP 2000331247A JP 2000331247 A JP2000331247 A JP 2000331247A JP 2002139420 A JP2002139420 A JP 2002139420A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 校正用計測及び装置関数の算出を容易に実行
可能な散乱吸収体計測装置の校正方法、及びそれを用い
た散乱吸収体計測装置を提供する。 【解決手段】 散乱吸収体計測装置の計測対象となる散
乱吸収体SMとして、光学パラメータが既知の校正用の
散乱吸収体を設置し、光源20からのパルス光を光入射
用光ガイド40aを介して光入射位置Aから入射し、散
乱吸収体SMの内部を散乱しつつ伝播したパルス光を光
検出位置Bから光検出用光ガイド40bを介して光検出
器30で検出して、校正用計測を行う。そして、信号処
理部50で得られた計測波形に対して、演算処理部60
の装置関数算出部61で理論波形との比較演算を行っ
て、計測装置自体による装置関数を算出する。これによ
って、校正用計測及び装置関数の算出が容易化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体などの散乱吸
収体の内部情報を計測するための散乱吸収体計測装置の
校正方法、及びそれを用いた散乱吸収体計測装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】生体などの散乱吸収体の内部情報を計測
する方法として、散乱吸収体の内部を伝播したパルス光
を用いる計測方法及び装置が提案されている。このよう
な計測方法及び装置においては、計測対象となる散乱吸
収体に対して、所定の光入射位置からパルス光を入射す
る。そして、散乱吸収体の内部を散乱されつつ伝播され
たパルス光を光検出位置で検出し、その検出された光強
度の時間変化を示す計測波形から、散乱吸収体の内部情
報を取得する(例えば、特開平10−26585号公報
参照)。
【0003】近年、近赤外光を用いた生体計測などの散
乱吸収体の内部情報計測は、光拡散方程式などを用いた
解析演算の導入により、従来の定性的な計測から、散乱
吸収体に含まれる各成分の濃度などを決定する定量的な
計測へと移行しつつある。このような定量的な計測は、
例えば、検出光の時間分解波形を利用する時間分解計測
法(TRS法:Time Resolved Spectroscopy)、あるい
は、変調光を利用する位相変調計測法(PMS法:Phas
e Modulation Spectroscopy)などによる解析演算を適
用することによって行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したTRS法また
はPMS法などによる解析演算を実行して、散乱吸収体
の内部情報を定量的に計測する場合、内部情報を正確に
定量するためには、検出された光の計測波形に対する装
置関数の影響を考慮する必要がある。
【0005】すなわち、上記した散乱吸収体計測では、
散乱吸収体での光の伝播によって生じる時間遅れΔTや
時間分散ΔΩ、あるいはさらに位相遅れなどの時間応答
を含む計測波形から、解析演算によってその内部情報を
取得する。一方、散乱吸収体にパルス光を入射するため
の光入射系、及び散乱吸収体からのパルス光を検出して
計測波形を取得するための光検出系などの計測装置各部
に用いられている各装置や回路は、装置自体の時間応答
である装置関数として、それぞれに時間遅れΔtや時間
分散Δωなどを生じる。
【0006】このとき、散乱吸収体計測で実際に得られ
る計測波形は、散乱吸収体での時間応答によって生成さ
れる理想的な計測波形(理想波形)に対して、上記した
各装置や回路の時間応答に起因する装置関数が重畳され
たものとなる。したがって、計測波形に対してそのまま
解析演算を実行すると、装置関数の影響によって、内部
情報を正確に定量することができない。
【0007】このような装置関数の影響を除去する方法
として、散乱吸収体を用いない状態であらかじめ校正用
計測を行って、装置関数を取得しておく方法がある。具
体的には、例えば、散乱吸収体への光の入射及び検出に
用いられる光入射用ファイバ及び光検出用ファイバを、
通常設置されている位置(光入射位置及び光検出位置)
から取り外し、その先端同士を直接またはNDフィルタ
や拡散板を介して突き合わせて、校正用計測を行う方法
がある。
【0008】このような校正用計測では、得られる計測
波形はほぼ装置の時間応答のみを示すので、これによっ
て装置関数を事前に算出しておけば、散乱吸収体計測か
ら装置関数の影響を除去することが可能となる。しかし
ながら、上記した校正方法では、校正用計測を行うとき
に、光入射用ファイバ及び光検出用ファイバを組み合わ
せごとに設置し直して校正用計測を行わなければならな
い。したがって、計測装置の校正に付加的な作業が必要
となり、校正作業の効率が低下するという問題があっ
た。
【0009】特に、散乱吸収体の断層図面を取得する光
CT装置などにおいては、散乱吸収体に対して多数の光
入射用ファイバ及び光検出用ファイバが設置される。こ
のとき、上記した校正用計測の方法では、装置関数の校
正が必要な光入射用ファイバ及び光検出用ファイバの組
み合わせが膨大となるため、上記した校正用計測を実行
するために過大な作業が必要となる。
【0010】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
ものであり、校正用計測及び装置関数の算出を容易に実
行可能な散乱吸収体計測装置の校正方法、及びそれを用
いた散乱吸収体計測装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による散乱吸収体計測装置の校正方法
は、所定波長のパルス光を散乱吸収体に対して光入射位
置から入射する光入射手段と、散乱吸収体の内部を伝播
した所定波長のパルス光を光検出位置で検出して光検出
信号を取得する光検出手段と、光検出信号に基づいて、
光強度の時間変化を示す計測波形を取得する信号処理手
段と、を備える散乱吸収体計測装置に対して用いられる
校正方法であって、校正用の散乱吸収体に対して、光入
射手段から所定波長のパルス光を入射し、校正用の散乱
吸収体の内部を伝播した所定波長のパルス光を光検出手
段で検出して、信号処理手段で計測波形を取得する校正
用計測を行うとともに、校正用計測で取得された計測波
形と、あらかじめ用意された理論波形とに対して比較演
算を行って、計測波形に重畳されている装置関数を分離
して算出することを特徴とする。
【0012】また、本発明による散乱吸収体計測装置
は、所定波長のパルス光を散乱吸収体に対して光入射位
置から入射する光入射手段と、散乱吸収体の内部を伝播
した所定波長のパルス光を光検出位置で検出して光検出
信号を取得する光検出手段と、光検出信号に基づいて、
光強度の時間変化を示す計測波形を取得する信号処理手
段と、計測波形に対して解析演算を行って、散乱吸収体
の内部情報を算出する演算処理手段と、を備えるととも
に、演算処理手段は、計測波形に重畳される装置関数を
算出するために、校正用の散乱吸収体に対して行われる
校正用計測に対して、校正用計測で取得された計測波形
と、あらかじめ用意された理論波形とに対して比較演算
を行って、計測波形に重畳されている装置関数を分離し
て算出する装置関数算出手段を有することを特徴とす
る。
【0013】上記した散乱吸収体計測装置の校正方法、
及びそれを用いた散乱吸収体計測装置においては、光入
射手段及び光検出手段を、校正用の散乱吸収体に対して
パルス光の入射及び検出を行うことが可能な光入射位置
及び光検出位置となる設置位置を保持したまま校正用計
測を行っている。これによって、計測装置の校正を行う
際に、光入射手段及び光検出手段を組み合わせごとに設
置し直すなどの付加的な作業が不要となるので、校正作
業の効率が向上される。
【0014】ここで、校正用の散乱吸収体を用いて計測
装置の校正を行った場合、装置関数による時間波形を直
接に計測することはできなくなる。これに対して、上記
の校正方法では、光学パラメータが既知の散乱吸収体で
ある校正用の散乱吸収体を用いるとともに、それらの既
知の光学パラメータから予測した理論波形をあらかじめ
用意することとしている。これによって、校正用計測で
得られた計測波形と理論波形との比較演算から、装置関
数を分離算出することが可能となる。以上より、校正用
計測及び装置関数の算出を容易に実行可能な散乱吸収体
計測装置の校正方法、及びそれを用いた散乱吸収体計測
装置が実現される。
【0015】また、散乱吸収体計測装置の校正方法は、
光入射手段または光検出手段の少なくとも一方が複数で
あるとともに、光入射手段と光検出手段との複数の組み
合わせのそれぞれに対して、装置関数を別個に算出する
ことを特徴とする。
【0016】同様に、散乱吸収体計測装置は、光入射手
段または光検出手段の少なくとも一方を複数備えるとと
もに、装置関数算出手段は、光入射手段と光検出手段と
の複数の組み合わせのそれぞれに対して、装置関数を別
個に算出することを特徴とする。
【0017】光CT装置など、多数の光入射手段及び光
検出手段を備える散乱吸収体計測装置においては、上記
のように、それぞれの光入射手段及び光検出手段の組み
合わせごとに、別個に装置関数を算出することが必要で
ある。このような場合においても、上記した校正方法及
び計測装置によれば、すべての組み合わせに対して、付
加的な作業を必要とせずに容易に校正用計測及び装置関
数の算出を実行することが可能となる。
【0018】また、散乱吸収体計測装置は、光入射手段
及び光検出手段を同数備えるとともに、複数の光入射手
段及び光検出手段のそれぞれが、光入射手段及び光検出
手段をそれぞれ組として、組ごとに略同一の位置に設置
されていることを特徴としても良い。
【0019】このような構成は、光CT装置などにおい
て多く用いられているが、この場合、光入射手段及び光
検出手段ともに多数となるため、その組み合わせが膨大
となる。これに対して、上記した校正方法及び計測装置
を適用することによって、その校正作業を大幅に効率化
することが可能となる。また、これ以外にも、様々な構
成の散乱吸収体計測装置に対して、上記した校正方法及
び計測装置の構成を適用することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
散乱吸収体計測装置の校正方法、及びそれを用いた散乱
吸収体計測装置の好適な実施形態について詳細に説明す
る。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号
を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比
率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0021】図1は、計測対象である散乱吸収体SM
(Scattering Medium)の散乱係数、吸収係数、含まれ
ている各成分の濃度などの内部情報を取得するために用
いられる散乱吸収体計測装置の一実施形態の構成を概略
的に示すブロック図である。この散乱吸収体計測装置
は、後述する本発明による散乱吸収体計測装置の校正方
法を適用可能に構成されている。
【0022】この計測装置は、内部情報の計測に用いる
パルス光を散乱吸収体SMに対して入射するための光入
射用光ガイド40aを備えている。光ガイド40aは、
その出力端が、散乱吸収体SMの表面上の光入射位置A
となるように設置されている。また、光ガイド40aの
入力端には、波長選択器21を介して光源20が光学的
に接続されており、これらの光ガイド40a、光源2
0、及び波長選択器21によって、本計測装置における
光入射手段が構成されている。光源20から供給された
パルス光は、波長選択器21において所定波長に波長選
択され、光ガイド40aを介して光入射位置Aから散乱
吸収体SMへと入射される。
【0023】光源20から供給されるパルス光として
は、散乱吸収体SMの内部情報が導出できる程度に短い
時間幅のパルス光が用いられ、通常は1ns以下の範囲
の時間幅が選択される。また、パルス光の波長は、計測
対象である散乱吸収体SMに応じて適宜に選択される
が、一般に例えば生体では、生体の透過率と定量すべき
吸収成分の分光吸収係数との関係などから、700〜9
00nm程度の近赤外線域の波長が用いられる。
【0024】光源20としては、発光ダイオード、レー
ザーダイオード、各種のパルスレーザーなど、様々なも
のを使用することができる。また、複数の成分について
の内部情報を取得する場合など、必要があれば、これら
の光源20及び波長選択器21は、複数の波長成分のパ
ルス光を計測光として供給可能に構成される。また、波
長選択器21については、設置を省略しても良い。
【0025】また、この計測装置は、散乱吸収体SMの
内部を伝播したパルス光を検出するための光検出用光ガ
イド40bを備えている。光ガイド40bは、その入力
端が、散乱吸収体SMの表面上の光検出位置Bとなるよ
うに設置されている。また、光ガイド40bの出力端に
は、光検出器30が光学的に接続されており、これらの
光ガイド40b、及び光検出器30によって、本計測装
置における光検出手段が構成されている。散乱吸収体S
Mの内部を散乱されつつ伝播したパルス光は、光ガイド
40bを介して光検出器30に入射して検出され、検出
した光強度等を示す光検出信号が生成される。
【0026】光検出器30としては、光電子増倍管、フ
ォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、PI
Nフォトダイオードなど、様々なものを使用することが
できる。光検出器30の選択については、散乱吸収体計
測に使用されるパルス光の波長の光が充分に検出できる
分光感度特性を有していれば良い。また、光信号が微弱
であるときは、高感度あるいは高利得の光検出器を使用
することが好ましい。
【0027】光入射手段の光源20、及び光検出手段の
光検出器30には、信号処理部50が電気的に接続され
ている。この信号処理部50において、光検出器30か
らの光検出信号や光源20からのパルス光出射のトリガ
ー信号などに基づいて、検出されたパルス光強度の時間
変化を示す計測波形が取得される。
【0028】さらに、信号処理部50には、演算処理部
60が電気的に接続されている。この演算処理部60に
おいては、散乱吸収体SMの内部情報を取得するために
行われる通常の散乱吸収体計測では、信号処理部50で
得られた計測波形に対して、散乱吸収体SMの内部情報
を定量するための解析演算が行われる。また、校正用計
測に対しては、後述するように、装置関数を算出するた
めの校正演算が行われる。なお、図1においては、この
演算処理部60について、上記した校正演算を実行する
ための構成を図示しており、通常の解析演算を実行する
ための構成については図示を省略している。
【0029】本実施形態における演算処理部60は、装
置関数算出部61、計測波形格納部62、及び理論波形
格納部63を有して構成されている。信号処理部50で
取得された計測波形のデータは、演算処理部60に入力
されて計測波形格納部62に格納される。一方、理論波
形格納部63には、あらかじめ用意された理論波形のデ
ータが格納されている。校正用計測に対する演算処理で
は、装置関数算出部61は、計測波形格納部62にある
計測波形のデータと、理論波形格納部63にある理論波
形のデータとに対して校正演算である比較演算を行っ
て、散乱吸収体計測で計測波形に重畳される装置関数を
分離して算出する。
【0030】計測波形と、散乱吸収体に対する理論波形
と、計測装置自体による装置関数との関係、及び装置関
数算出部61において装置関数の算出に用いられる比較
演算について説明する。図2は、計測波形O(t)、理
論波形M(t)、及び装置関数h(t)の関係の一例を
模式的に示すグラフである。このグラフにおいて、横軸
は、理論波形M(t)に対する時間0に対応する時刻を
原点(t=0)とした経過時間tを示し、縦軸は、各時
刻における光強度を示している。この光強度の経過時間
tに依存した時間変化が、図示したそれぞれの時間波形
となっている。
【0031】散乱吸収体の内部を伝播したパルス光を用
いて内部情報を取得する散乱吸収体計測装置では、伝播
後に検出されたパルス光の計測波形O(t)に対して、
TRS法またはPMS法などによる解析演算を行う。そ
して、散乱吸収体での時間遅れΔTや時間分散ΔΩなど
の時間応答から、その内部情報を定量する。
【0032】一方、このような計測装置を用いた散乱吸
収体計測では、計測対象である散乱吸収体による時間応
答とは別に、散乱吸収体計測装置の各部、各回路に起因
する装置関数として、時間遅れΔtや時間分散Δωなど
の装置自体の時間応答を生じる。例えば、図1に示した
散乱吸収体計測装置では、光源20、波長選択器21、
光検出器30、光ガイド40a、40b、信号処理部5
0、及びそれらの間の回路配線等において、それぞれ時
間応答を生じる。したがって、信号処理部50で取得さ
れて演算処理部60へと入力される計測波形O(t)
は、これらの時間応答が総合された計測装置自体による
装置関数h(t)が、散乱吸収体による理想的な計測波
形(理想波形)に重畳(コンボリューション)されたも
のとなる。
【0033】これに対して、上記した実施形態の散乱吸
収体計測装置においては、通常の計測とは別に行われる
校正用計測に対して、あらかじめ用意された理論波形M
(t)を用いて、校正用計測で得られる計測波形O
(t)から装置関数h(t)を分離(デコンボリューシ
ョン)して算出することとしている。
【0034】まず、校正用計測においては、計測対象と
なる散乱吸収体SMとして、測定対象と屈折率がほぼ等
しく、吸光係数μaや散乱係数μs’などの必要な光学
パラメータが既知である散乱吸収体を、校正用の散乱吸
収体として設置する。このような校正用の散乱吸収体で
は、既知の光学パラメータによって、パルス光に対する
時間応答が理論的に予測可能である。そして、散乱吸収
体自体の予測可能な時間応答による理想波形を、理論計
算等によって、理論波形M(t)としてあらかじめ算出
しておく。
【0035】上記のように、あらかじめ用意された理論
波形M(t)に対して、校正用計測で得られる計測波形
O(t)と、計測装置の時間応答による装置関数h
(t)とは、次式 O(t)=M(t)*h(t) によって表される関係を有する。ここで、演算子「*」
は、時間波形のコンボリューションを表している。すな
わち、得られる計測波形O(t)は、図2のグラフにそ
の例を示すように、散乱吸収体SMによる理想波形であ
る理論波形M(t)と、散乱吸収体計測装置による装置
関数h(t)とがコンボリューションされた時間波形と
なる。
【0036】本実施形態においては、校正用計測に対し
て、演算処理部60の装置関数算出部61において、校
正用計測で取得されて計測波形格納部62に格納されて
いる計測波形O(t)のデータと、理論波形格納部63
にあらかじめ用意されている理論波形M(t)のデータ
とに対して比較演算を行う。そして、この比較演算によ
って計測波形O(t)から、理論波形M(t)及び装置
関数h(t)をデコンボリューションして、未知であっ
た装置関数h(t)を分離し算出することとしている。
【0037】上記した実施形態による散乱吸収体計測装
置及びその校正方法では、計測装置自体の時間応答によ
る装置関数を算出する校正用計測において、光入射用及
び光検出用の光ガイド40a、40bを通常の設置位置
から取り外して、その先端同士を直接またはNDフィル
タや拡散板を介して突き合わせた校正用計測によって装
置関数を計測するのではなく、光ガイド40a及び40
bの設置位置は、通常の光入射位置A及び光検出位置B
のままとする。そして、散乱吸収体SMとして校正用の
散乱吸収体を設置し、この校正用の散乱吸収体へのパル
ス光の入射、検出によって校正用計測を行っている。こ
れによって、計測装置の校正を行う際に、光ガイド40
a、40bの取り外しや再設置などの付加的な作業が不
要となるので、校正作業の効率が向上される。
【0038】また、校正用の散乱吸収体を用いて計測波
形を得ることに対して、その散乱吸収体の既知の光学パ
ラメータから理論波形を算出しておき、その理論波形と
校正用計測で得られた計測波形との比較演算によって、
装置関数を分離して算出している。このような方法を用
いることによって、散乱吸収体がない状態で装置関数を
直接計測することなく、校正用計測で得られた計測波形
から装置関数を得ることが可能となる。
【0039】以上より、校正用計測及び装置関数の算出
を容易に実行可能な散乱吸収体計測装置の校正方法、及
びそれを用いた散乱吸収体計測装置が実現される。
【0040】ここで、計測波形O(t)と理論波形M
(t)とに対して比較演算を行って、装置関数h(t)
を分離算出する具体的な演算方法としては、計測波形O
(t)を理論波形M(t)でデコンボリューションする
方法がある。あるいは、初期値として適当な装置関数h
(t)を仮定し、その装置関数h(t)及び理論波形M
(t)をコンボリューションした時間波形と、校正用計
測で得られた計測波形O(t)との差が充分に小さくな
るように、装置関数h(t)を変形していく方法があ
る。
【0041】具体的な演算例としては、例えば、Bayesi
an Methodを用いて以下の漸化式 h(t)(k+1) = h(t)(k) [[O(t) / h(t)(k) * M(t)] $
M(t)] から装置関数h(t)を算出する方法がある。ここで、
演算子「$」は、相関演算を表している。また、これ以
外の比較演算方法によって装置関数h(t)の算出を行
っても良い。
【0042】また、理論波形M(t)の算出方法として
は、校正用の散乱吸収体での既知の光学パラメータから
理論解析解または数値解析解として求めることができ
る。また、この理論波形M(t)の算出については、あ
らかじめ外部装置で算出して、演算処理部60の理論波
形格納部63にデータとして与えても良く、あるいは、
演算処理部60内に、理論波形を算出する理論波形算出
部を備える構成としても良い。
【0043】図3に、光検出器30、信号処理部50及
び演算処理部60に用いられるハードウエア構成の一例
を示す。図3に示す構成は、いわゆる時間相関光電子計
数法と呼ばれる方法を用いて高速時間波形計測法を実施
するための構成である。本構成例においては、光検出器
30として光電子増倍管(PMT)を用いており、ま
た、信号処理部50がコンスタント・フラクション・デ
ィスクリミネータ(CFD)51、時間−振幅変換器
(TAC)52及びADコンバータ(A/D)53で構
成されている。
【0044】そして、PMT30の出力信号は、CFD
51を介してTAC52に導かれて時間に対応したアナ
ログ電圧に変換され、さらにADコンバータ53でデジ
タル信号に変換される。このデジタル信号は、検出光強
度の時間変化を示す計測波形のデータに対応するもので
ある。
【0045】また、図3に示す演算処理部60において
は、光源20及び信号処理部50にCPU70が電気的
に接続されている。これによって、光入射に同期した光
検出のタイミング等がCPU70によって制御されると
ともに、信号処理部50から出力された計測波形のデー
タは、CPU70に導かれて所定の演算処理が行われ
る。また、入射パルス光の波長など計測光の入射条件に
ついても、このCPU70によって制御あるいは選択さ
れる。
【0046】図3に示す演算処理部60は、さらに、オ
ペレーティングシステム(OS)71a及び所定の演算
処理を行うための演算プログラム71bが記憶されたプ
ログラムメモリ71と、各種データファイルが記憶され
るデータファイルメモリ72と、得られた散乱吸収体の
内部情報を示すデータを記憶するデータメモリ73と、
作業用データを一時的に記憶する作業用メモリ74とを
備えている。
【0047】プログラムメモリ71の演算プログラム7
1bには、上記した通常の計測での解析演算や、校正用
計測での比較演算(校正演算)をそれぞれ実行するため
のプログラムなどが含まれている。また、データファイ
ルメモリ72は、計測波形を記憶する計測波形格納部6
2、及びあらかじめ用意された理論波形を記憶する理論
波形格納部63が含まれている。また、必要な物理量な
どの諸データや、あらかじめ入力された計測条件や既知
値等のデータ等も記憶される。
【0048】また、演算処理部60は、データの入力を
受け付けるキーボード75a及びマウス75bを備える
入力装置75と、得られたデータを出力するディスプレ
イ76a及びプリンタ76bを備える出力装置76とを
備えている。これらの演算処理部60の各部の動作は、
いずれもCPU70によって制御される。なお、上記の
各メモリについては、コンピュータの内部に設置されて
いるハードディスクなどであっても良く、あるいは、フ
レキシブルディスクなどを用いても良い。また、計測装
置の具体的なハードウェア構成については図3に示すも
のに限られるものではなく、必要に応じて変形または拡
張を行っても良い。
【0049】図4は、散乱吸収体計測装置の他の実施形
態の構成を概略的に示すブロック図である。本散乱吸収
体計測装置の構成は、図1に示した構成とほぼ同様であ
るが、散乱吸収体SMに対して、複数の光入射用及び光
検出用光ガイドが設置されており、散乱吸収体SMの断
層図面を取得することが可能な光CT装置として構成さ
れている。
【0050】具体的には、図4に示した散乱吸収体計測
装置は、12個の光ファイバホルダ1〜12を備えてい
る。これらの光ファイバホルダ1〜12は、それぞれ散
乱吸収体SMの一断面の周りに等間隔(図4において
は、散乱吸収体SMの中心から30度間隔で放射線状に
伸びる各線上)に配置されており、時計周りに1〜12
の番号が割り当てられている。
【0051】光ファイバホルダ1〜12には、それぞ
れ、光入射用ファイバ1a〜12aと光検出用ファイバ
1b〜12bとが設置されている。図4においては、こ
れらの光入射用ファイバ1a〜12a及び光検出用ファ
イバ1b〜12bは、対応する光入射用ファイバ及び光
検出用ファイバをそれぞれ組として、組ごとに略同一の
位置に設置されている。
【0052】具体的には、図4の例では、組となる光入
射用ファイバ及び光検出用ファイバが、それぞれ対応す
る光ファイバホルダにおいて並列に束ねられた状態で、
散乱吸収体SMに対して設置されている。
【0053】なお、このように各光入射用ファイバ及び
光検出用ファイバを組として設置する場合の具体的な構
成については、例えば、図5に光ファイバホルダ1につ
いて例示するように、光入射用ファイバ1aの回りを複
数の光検出用ファイバ1b(バンドルファイバ)が包む
ように束ねられた同軸構造などを用いることも可能であ
る。このような同軸構造を採用すると、散乱吸収体SM
の周囲に当たるファイバ端面は1つになる。このため、
両ファイバを上下2段あるいは左右2列に並列に束ねた
場合よりも、光入射用ファイバ端と光検出用ファイバ端
との位置ずれをなくすことができ、誤差を低減できる傾
向がある。
【0054】本計測装置においては、散乱吸収体SMの
内部情報についての断層図面を取得するため、図示のよ
うに、光ファイバホルダ1〜12に対応する位置をそれ
ぞれ光入射位置及び光検出位置として、複数の光入射用
ファイバ1a〜12a及び光検出用ファイバ1b〜12
bが組として設置されている。断層図面を得るための散
乱吸収体計測は、図6に、その計測方法の一例を示すよ
うに、これらの各位置を光入射位置及び光検出位置とし
てパルス光を順次入射及び検出することによって行われ
る。
【0055】図6に示した例では、まず、光ファイバホ
ルダ1の設置位置を光入射位置とし、光ファイバホルダ
1〜12の設置位置をそれぞれ光検出位置として、散乱
吸収体SMについての計測が行われる。
【0056】この計測では、光入射位置にある1個の光
入射用ファイバ1aから、散乱吸収体SMに対してパル
ス光が入射される。そして、散乱吸収体SMの内部を散
乱されつつ伝播したパルス光は、光検出位置にある12
個の光検出用ファイバ1b〜12bでそれぞれ検出され
て、それぞれについて計測波形が取得される。このと
き、光入射用ファイバ1aに対する光検出用ファイバの
組み合わせは、図6に実線で示した12通りとなる。
【0057】続いて、光入射位置を他の光ファイバホル
ダ2〜12のそれぞれの設置位置に順次移動して、同様
の計測を行っていく。図6においては、それらの各計測
の例として、光ファイバホルダ4の設置位置を光入射位
置とし、光ファイバホルダ1〜12の設置位置をそれぞ
れ光検出位置とした計測について、点線によって図示し
ている。
【0058】この計測では、光入射位置にある1個の光
入射用ファイバ4aから、散乱吸収体SMに対してパル
ス光が入射される。そして、散乱吸収体SMの内部を散
乱されつつ伝播したパルス光は、光検出位置にある12
個の光検出用ファイバ1b〜12bでそれぞれ検出され
て、それぞれについて計測波形が取得される。このと
き、光入射用ファイバ4aに対する光検出用ファイバの
組み合わせは、図6に点線で示した12通りとなる。
【0059】同様にして、各光入射用ファイバからパル
ス光を入射して計測が行われて、散乱吸収体SMの断層
図面が取得される。このとき、光入射用ファイバ及び光
検出用ファイバの組み合わせは、全部で12×12=1
44通りとなる。
【0060】計測波形に対する装置関数h(t)は、通
常これらの各組み合わせごとに異なる。したがって、こ
の計測装置に対して、装置関数を決定するための校正用
計測を行う場合、光入射用ファイバ及び光検出用ファイ
バを突き合わせて装置関数を直接計測しようとすると、
144通りの組み合わせのすべてについて、ファイバの
取り外し、計測、再設置を行うことが必要となってしま
う。
【0061】また、光CT装置においては、さらに多数
の光入射用ファイバ及び光検出用ファイバが設置される
場合がある。このとき、各光入射用ファイバ及び光検出
用ファイバを順次取り外し、その先端同士を直接または
NDフィルターや拡散板を介して突き合わせて校正用計
測を行う方法を用いたのでは、校正用計測を実行するた
めに過大な作業が必要となり、または、必要なすべての
組み合わせに対して校正用計測を実行することができな
い。
【0062】これに対して、光入射用ファイバ及び光検
出用ファイバをそのままにして校正用の散乱吸収体で校
正用計測を行い、計測波形と理論波形との比較演算によ
って装置関数を算出する上記した校正方法によれば、す
べての組み合わせに対して、付加的な作業を必要とせず
に容易に校正用計測及び装置関数の算出を実行すること
が可能となる。
【0063】具体的には、図6の例では、例えば、図示
のように光入射用ファイバ1aからパルス光を入射させ
る12通りの組み合わせについて、1回で校正用計測を
行うことができ、上記した校正用計測の作業の簡単化と
同時に、その回数も低減される。そして、光入射用ファ
イバi及び光検出用ファイバjの各組み合わせに対して
順次校正用計測を実行し、それぞれ計測波形Oij(t)
及び理論波形Mij(t)から装置関数hij(t)を分離
算出することによって、全組み合わせに対する装置関数
を効率的に決定することができる。
【0064】なお、図4においては、演算処理部60
に、校正用計測以外の通常の計測に対して用いられる内
部情報演算部65を示している。上記したように、校正
用計測では、装置関数h(t)を未知のものとして、装
置関数算出部61での校正演算による算出対象とし、既
知の理論波形M(t)、及び計測で得られた計測波形O
(t)から装置関数h(t)を算出する。
【0065】これに対して、通常の計測では、校正用計
測での理論波形M(t)に相当し、散乱吸収体SMの時
間応答を表す理想波形を未知のものとして内部情報演算
部65での解析演算による算出対象とし、あらかじめ実
行された校正用計測によって既知となっている装置関数
h(t)、及び計測で得られた計測波形O(t)から理
想波形を算出することができる。また、この理想波形か
ら、散乱吸収体SMでの時間遅れΔTや時間分散ΔΩな
どの時間応答、あるいはさらに、それらの時間応答から
求められる散乱吸収体SMの内部情報の算出などの演算
処理が実行される。
【0066】なお、米国特許第5492118号公報
に、複数の光入射位置(光源)を有する生体計測装置が
記載されている。この装置では、光源からの光を振幅変
調し、検出点で検出される光の振幅の位相遅れや強度な
どを検出することによって、内部情報を取得している。
したがって、このような装置では、校正用計測を行う場
合でも、これらの位相遅れなどを用いることとなる。
【0067】これに対して、上記した散乱吸収体計測装
置では、生体などの散乱吸収体を伝播させる光としてパ
ルス光を用いるとともに、伝播後のパルス光の時間遅れ
のみでなく、その時間波形である計測波形自体から時間
応答及び内部情報を得ることとしている。そして、本発
明による校正方法は、このような計測波形に重畳される
装置関数について、理論波形との比較演算によって、そ
の分離算出を可能とするものである。
【0068】本発明による散乱吸収体計測装置の校正方
法、及びそれを用いた散乱吸収体計測装置は、上記した
各実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能
である。例えば、散乱吸収体計測装置自体の具体的な構
成については、図1及び図4に示したものに限らず、様
々な構成の計測装置に対して、上記した校正方法及び計
測装置の構成を適用することが可能である。
【0069】また、図1及び図4に示した装置では、上
述したように、計測対象となる散乱吸収体SMとして校
正用の散乱吸収体を設置して校正用計測を行っている。
これに対して、通常の測定対象の形状が個々で異なるよ
うな場合には、測定対象とは別に設けられた校正用の散
乱吸収体に対して、その光入射位置及び光検出位置に光
入射手段及び光検出手段を設置して校正用計測を行うこ
ととなる。この場合にも、光入射手段及び光検出手段を
組み合わせごとに設置し直すことなく、校正用の散乱吸
収体に対する設置位置を保持したまま校正用計測を行う
ことができる。
【0070】また、図2に示した例においては、装置関
数h(t)を計測波形O(t)等と同様に時間波形とし
て算出しているが、必要に応じて、他の形で装置関数を
算出することとしても良い。例えば、光入射位置から光
検出位置への平均光路長を求めようとする場合には、装
置関数としては、装置関数の波形の重心位置のみが必要
となる。したがって、この場合には、装置関数として
は、計測波形及び理論波形の比較演算から重心位置のみ
を算出することとしても良い。
【0071】なお、パルス光として複数の波長の光を用
いる場合には、使用する波長ごとに装置関数を求めるこ
とが必要である。また、計測装置の状態変化などの影響
を低減するため、計測装置の電源をONにしたときな
ど、必要なタイミングで校正用計測及び装置関数の算出
を実行することが好ましい。
【0072】
【発明の効果】本発明による散乱吸収体計測装置の校正
方法、及びそれを用いた散乱吸収体計測装置は、以上詳
細に説明したように、次のような効果を得る。すなわ
ち、計測対象となる生体などの散乱吸収体に対して、光
入射手段からパルス光を入射し、散乱吸収体の内部を散
乱しつつ伝播されたパルス光を光検出手段で検出して、
その計測波形から内部情報を取得する散乱吸収体計測装
置において、校正用の散乱吸収体を用いて校正用計測を
行う。そして、得られた計測波形と理論波形とに対して
比較演算を行って、装置関数を取得する。
【0073】これによって、計測装置の校正を行う際
に、光入射手段及び光検出手段の取り外しや、再設置な
どの付加的な作業が不要となるので、校正作業の効率が
向上され、校正用計測及び装置関数の算出を容易に実行
可能な散乱吸収体計測装置の校正方法、及びそれを用い
た散乱吸収体計測装置が実現される。
【0074】光CT装置においては、散乱吸収体の断層
図面を取得する場合など、より詳細な内部情報を取得す
るために、非常に多数の光入射手段及び光検出手段を設
置している。したがって、上記した校正方法は、このよ
うな光CT装置の実用化に際して、計測装置の長期の安
定動作を保持していく上で非常に重要となるものと考え
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】散乱吸収体計測装置の一実施形態の構成を示す
ブロック図である。
【図2】計測波形、理論波形、及び装置関数の一例を模
式的に示すグラフである。
【図3】図1に示した散乱吸収体計測装置のハードウエ
ア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】散乱吸収体計測装置の他の実施形態の構成を示
すブロック図である。
【図5】光入射用ファイバ及び光検出用ファイバの構成
の一例を示す斜視図である。
【図6】光入射用ファイバ及び光検出用ファイバの組み
合わせについて模式的に示す図である。
【符号の説明】
1〜12…光ファイバホルダ、1a〜12a…光入射用
ファイバ、1b〜12b…光検出用ファイバ、20…光
源、21…波長選択器、30…光検出器、40a…光入
射用光ガイド、40b…光検出用光ガイド、50…信号
処理部、60…演算処理部、61…装置関数算出部、6
2…計測波形格納部、63…理論波形格納部、65…内
部情報演算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦上 恒幸 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB12 EE01 EE11 FF01 FF04 GG01 GG02 GG08 HH01 JJ01 JJ17 JJ25 JJ26 KK01 KK02 MM01 MM02 MM05 MM10 MM14 NN08 NN09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定波長のパルス光を散乱吸収体に対し
    て光入射位置から入射する光入射手段と、 前記散乱吸収体の内部を伝播した前記所定波長のパルス
    光を光検出位置で検出して光検出信号を取得する光検出
    手段と、 前記光検出信号に基づいて、光強度の時間変化を示す計
    測波形を取得する信号処理手段と、を備える散乱吸収体
    計測装置に対して用いられる校正方法であって、 校正用の散乱吸収体に対して、前記光入射手段から前記
    所定波長のパルス光を入射し、前記校正用の散乱吸収体
    の内部を伝播した前記所定波長のパルス光を前記光検出
    手段で検出して、前記信号処理手段で前記計測波形を取
    得する校正用計測を行うとともに、 前記校正用計測で取得された前記計測波形と、あらかじ
    め用意された理論波形とに対して比較演算を行って、前
    記計測波形に重畳されている装置関数を分離して算出す
    ることを特徴とする散乱吸収体計測装置の校正方法。
  2. 【請求項2】 前記光入射手段または前記光検出手段の
    少なくとも一方が複数であるとともに、 前記光入射手段と前記光検出手段との複数の組み合わせ
    のそれぞれに対して、前記装置関数を別個に算出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の散乱吸収体計測装置の校
    正方法。
  3. 【請求項3】 所定波長のパルス光を散乱吸収体に対し
    て光入射位置から入射する光入射手段と、 前記散乱吸収体の内部を伝播した前記所定波長のパルス
    光を光検出位置で検出して光検出信号を取得する光検出
    手段と、 前記光検出信号に基づいて、光強度の時間変化を示す計
    測波形を取得する信号処理手段と、 前記計測波形に対して解析演算を行って、前記散乱吸収
    体の内部情報を算出する演算処理手段と、を備えるとと
    もに、 前記演算処理手段は、 前記計測波形に重畳される装置関数を算出するために、
    校正用の散乱吸収体に対して行われる校正用計測に対し
    て、前記校正用計測で取得された前記計測波形と、あら
    かじめ用意された理論波形とに対して比較演算を行っ
    て、前記計測波形に重畳されている前記装置関数を分離
    して算出する装置関数算出手段を有することを特徴とす
    る散乱吸収体計測装置。
  4. 【請求項4】 前記光入射手段または前記光検出手段の
    少なくとも一方を複数備えるとともに、 前記装置関数算出手段は、前記光入射手段と前記光検出
    手段との複数の組み合わせのそれぞれに対して、前記装
    置関数を別個に算出することを特徴とする請求項3記載
    の散乱吸収体計測装置。
  5. 【請求項5】 前記光入射手段及び前記光検出手段を同
    数備えるとともに、 複数の前記光入射手段及び前記光検出手段のそれぞれ
    が、前記光入射手段及び前記光検出手段をそれぞれ組と
    して、組ごとに略同一の位置に設置されていることを特
    徴とする請求項4記載の散乱吸収体計測装置。
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