JP2002138396A - プリント化粧板用薄葉紙およびその製造方法 - Google Patents

プリント化粧板用薄葉紙およびその製造方法

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昇敬 川野
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彰 三品
Toshiyuki Yamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面性が良好でグラビア印刷適性の良い、言い
換えれば印刷後の画像が細かく、シャープで意匠性に優
れており、更に印刷後の樹脂の浸透性が適度に良好で、
化粧板としての粘着テープ剥離性に優れ、経済性も良好
なプリント合板用薄葉紙およびその製造方法を提供す
る。 【構成】グラビア印刷予定面のパーカープリントサーフ
(以下PPSと記す)紙平滑度試験機のクランピング圧
490kpaでの平滑度が2〜3μm、クランピング圧
1960kpaでの平滑度が1.5〜2.5μmであ
り、PPS圧縮性(490kpaのPPS/1960k
paのPPS)が1.1〜1.3にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント化粧板用の原紙
に関する。更に詳しくはグラビア印刷機によりベタ印刷
と柄印刷を施し、合板、パーティクルボード、中密度繊
維板(MDF)などの基材に貼りつけて化粧板とし、建
材用あるいは家具などの表面材に利用するためのプリン
ト化粧板において、グラビア印刷適性に優れたプリント
化粧板用薄葉紙およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プリント化粧板用原紙は、合板・ボード
等を基材とし表面に目止めを兼ねて、無地、あるいは柄
をグラビア印刷し、基材に貼り合わせ、その上にアミノ
アルキッド樹脂やポリウレタン樹脂等を塗布乾燥させた
プリント合板として一般建築内装および家具類に広く使
用されている。
【0003】化粧板には、天然木化粧合板、メラミン化
粧板、ジアリルフタレート(DAP)化粧板、ポリエス
テル化粧板、塩化ビニル化粧板、プリント合板があり、
プリント合板は、加工の容易さ、安価なことから、生産
量は年々増加している。また、プリント化粧板用原紙は
目止め用から薄葉パターン紙として、プリント合板以外
の特殊合板へと用途が拡大し、発展をとげている。
【0004】世界的に見ても住宅部材、家具用部材は木
材をスライスした付板品から印刷シート品が主流になっ
ており、印刷基材は燃焼時に有害な塩素ガスを発生する
塩ビが嫌われ、オレフィンフィルム、紙が使用されるよ
うになってきており、近年は原紙への品質の要求が更に
高まり、紙間強度、表面耐磨耗性、グラビア印刷での意
匠性に優れた紙が要求されている。
【0005】プリント化粧板用原紙に必要な特性として
は、以下の項目が挙げられる。 (1)グラビア印刷で白ぬけが少ないこと。インキの着
肉が良く、意匠の再現性が良いこと。 (2)紙層間強度、表面強度が強いこと。 (3)化粧板製造時の樹脂の浸透が適度に良いこと。 (4)退色しにくいこと (5)遮蔽性の良いこと。 (6)寸法安定性が良好なこと
【0006】この中で、特にグラビア印刷適性につい
て、近年では、旧来のはっきり木目模様が描かれた「オ
ーク調」から、淡く、繊細な柄の「非オーク調」が好ま
れるようになってきており、「ハイライト部」と呼ばれ
る色の薄い部分にインクがきちんと載るか否かが最大の
課題となっている。またアバタと呼ばれる微細な光沢ぬ
けが模様としてさらに目立つという課題が生じている。
【0007】また、第2に必要な特性として、プリント
化粧板は、建築施工時に粘着テープを使用したり、家庭
で粘着テープを長時間貼ることがあり、これらテープを
剥がす時、紙層間で破れると商品価値を失うために原紙
の表面強度が高いことが望まれている。
【0008】上記の品質要求に応えるため、様々な技術
が提案されている。原紙の紙層間剥離強度を上げること
を目的として、原紙に樹脂を内添した原紙が知られてい
る。また、抄造後の原紙に樹脂含浸した原紙も提案され
ている(特開昭61−83399号、63−19009
2号、63−190094号公報)。内添樹脂としては
水溶性高分子、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジ
ョンなどがあり、含浸用樹脂としては、ウレタン樹脂、
アミノアルキッド樹脂、アクリル樹脂などがある。しか
し、樹脂を含浸すると紙層間強度は上がるものの、表面
粗さが粗くなり、グラビア印刷適性が悪化する。また、
樹脂を含浸することにより、印刷後の表面コート樹脂の
しみ込みが悪化し、出来上がった合板の粘着テープによ
る剥離性が悪化する場合もある。また、工程が増えるこ
とにより、経済性が悪化する。
【0009】一方、グラビア印刷適性を向上させるため
に、原紙の上に更に塗料をコートする試みが提案されて
いる。(特開平4−314538号,7−42092
号,7−42095号,7−42096号,7−420
97号公報)、また、紙層間強度とグラビア印刷適性の
双方を向上させる試みとして、樹脂を含浸した原紙にさ
らに塗料をコートする提案もなされている。(特開平1
0−273895号公報)、しかし、塗料をコートする
ことにより、グラビア印刷適性は良好となるものの、印
刷後の表面コート用樹脂のしみ込みが悪化し、出来上が
った合板の粘着テープ剥離性が悪化する。更に、抄紙後
の原紙に樹脂含浸したものと同様、工程が増えることに
より、経済性が悪化する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面性が良
好でグラビア印刷適性の良い、言い換えれば印刷後の画
像が細かく、シャープで意匠性に優れており、更に印刷
後の樹脂の浸透性が適度に良好で、化粧板としての粘着
テープ剥離性に優れ、経済性も良好なプリント合板用薄
葉紙を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の各発明を
包括する。 (1)印刷予定面のパーカープリントサーフ(以下PP
Sと記す)紙平滑度試験機のクランピング圧490kp
aでの平滑度が2〜3μm、クランピング圧1960k
paでの平滑度が1.5〜2.5μmであり、PPS圧
縮性(490kpaのPPS/1960kpaのPP
S)が1.1〜1.3であることを特徴とするプリント
化粧板用薄葉紙。
【0012】(2)該プリント化粧板用薄葉紙をハーパ
ー型抄紙機で紙層形成し、ヤンキー型ドライヤーにより
乾燥させることを特徴とする(1)記載のプリント化粧
板用薄葉紙。
【0013】(3)ハーパー型抄紙機で紙層形成し、ヤ
ンキードライヤーの乾燥工程において、反ドライヤー面
より150〜400℃の熱風を吹き付け、湿った熱風を
吸引する工程を少なくとも1回以上行うことを特徴とす
るプリント化粧板用薄葉紙の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者等は、プリント化粧板用
原紙のグラビア印刷適性に注目して検討を行い、グラビ
ア印刷予定面のパーカープリントサーフ紙平滑度試験機
のクランピング圧490kpaでの平滑度が2〜3μ
m、クランピング圧1960kpaでの平滑度が1.5
〜2.5μmであり、PPS圧縮性(490kpaのP
PS/1960kpaのPPS)が1.1〜1.3の範
囲にすることにより、グラビア印刷適性が良好なプリン
ト化粧板用薄葉紙が提供できることを見出した。
【0015】本発明のプリント化粧板用薄葉紙に使用す
るパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(L−BK
P)が好ましく、印刷時の地合むら、樹脂の浸透性を考
えると配合量は60〜100重量%、好ましくは、80
〜100重量%とする。針葉樹晒しクラフトパルプ(N
−BKP)は20重量%を越えて配合すると地合が悪く
なる。場合により、その他合成繊維、非木材繊維等を配
合しても良い。叩解度(フリーネス)は100〜400
mlCSF、好ましくは200〜300mlCSFに調
成することにより透気度が高まり、グラビア印刷時のイ
ンキと印刷後に含浸される樹脂の適度な浸透に効果があ
る。
【0016】填料としては、二酸化チタン、クレー、タ
ルク、炭酸カルシウム等が挙げられるが、シートの隠蔽
性のためには二酸化チタンが望ましい。シートの隠蔽性
はプリント化粧板としての外観に大きく影響する。シー
トの色相や坪量により隠蔽製が異なるため、0〜25重
量%の範囲で配合することができる。また、必要に応じ
てサイズ剤、定着剤の他、デンプン、ポリアクリルアミ
ド等の紙力増強剤を内添する。
【0017】調成した原料をハーパー型抄紙機にて抄紙
し、紙の表側(フェルト面と称す)がヤンキードライヤ
ーの鏡面に当たるように乾燥する。
【0018】抄紙にてハーパー型抄紙機を使用するの
は、微細繊維や填料の多い紙の表側の面(フェルト面)
がヤンキードライヤーの鏡面に当たるようにするためで
あり、通常の長網抄紙機の場合は、紙の裏面(ワイヤー
面と称す)がヤンキードライヤーの鏡面に当たり、微細
繊維や填料が脱水により抜けて少なくなってしまった裏
面(ワイヤー面)が艶のある印刷面になるため好ましく
ない。抄紙、乾燥されたシートは、ヤンキードライヤー
の鏡面に当たっている紙の表側の面(フェルト面)が艶
のある面となる。
【0019】このようにして形成された紙層をフェルト
にて搬送し、ヤンキードライヤーで乾燥させる。一般的
にヤンキードライヤーにて乾燥させたシートは高光沢
度、高平滑度を有する事が知られている。該ヤンキード
ライヤーには、蒸発させた水分を結露させない給気と、
該給気を蒸発させた水分と共に排気するためのヤンキー
ドライヤーフードが取り付けられていて、給気として1
00℃以下の温風が送風されている。
【0020】本発明ではヤンキードライヤー熱風の温度
を150〜400℃の範囲、好ましくは150〜300
℃の範囲にする。熱風の温度が150℃未満であるとヤ
ンキードライヤーの表面とシート間に発生する水蒸気を
均一且つ迅速に蒸発させることが困難となり、ヤンキー
ドライヤーとシートの非接触部分で発生するアバタを防
ぐ事が出来なくなるため適さない。
【0021】逆に、熱風の温度が400℃を超えて高く
なると、過乾燥となりパルプの強度低下し、ひいてはシ
ート強度が低下するばかりでなく、表面の平滑性が悪く
なり、シート製造中シワや紙切れが発生しやすくなり、
シート製造が困難になるため適さない。
【0022】ヤンキードライヤーフード内で発生する水
蒸気の結露防止、熱効率の向上、アバタの発生防止のた
めには熱風を吹き付け、水蒸気を含んだ熱風を吸引する
工程を少なくとも1回以上行う。通常、シートがヤンキ
ードライヤーに貼りつく適量な水分が必要であり、その
範囲は45〜65%であることが好ましい。水分が45
%未満であると、ヤンキードライヤーに貼りつかないた
め適さない、逆に水分が65%を超えて多くなると、ヤ
ンキードライヤーとシートの間に水蒸気が多量に発生
し、シートが浮いた状態になり適さない。ヤンキードラ
イヤーに貼りつく適量の水分をシートが保有していて
も、乾燥工程でシートとヤンキードライヤとの間に存在
する水蒸気が不均一に蒸発し、結果としてアバタ(微小
な光沢抜け)が発生するため、光沢を出すためには、ヤ
ンキードライヤーに貼りついたシートの水分を均一に且
つ速やかに排除する必要がある。そのためには、水蒸気
を含んだ熱風を吸引する工程を少なくとも1回以上行う
ことが不可欠である。
【0023】このようにして得られたシートに、カレン
ダ−にて表面処理を施し厚味プロファイルの均一化を図
り、更なるグラビア印刷適性を付与させる。カレンダー
としては特に規定するものではなく、スーパーカレンダ
ー、ソフトカレンダーなど表面の平滑性を高めるもので
あればいずれでもよいが、オフマシンであると経済的に
不利であるため好ましくない。
【0024】グラビア印刷する面、本発明ではつや面の
JAPAN Tappi NO.5王研式平滑度200秒
以上、透気度25〜70秒および光沢度が20〜50%
にする。なお、透気度を25〜70秒、更に好ましくは
30〜55秒とすることが重要であり、透気度が25秒
未満では、短繊維が少ないため、繊維間結合が少なくシ
ートの強度不足となり好ましくない。短繊維が少ない事
は、シートのつや面の緻密性が劣ることになり、その結
果として、平滑度200秒以上、光沢度20%以上とす
るのが困難となり好ましくない。逆に、透気度が70秒
を超えた場合では、シート乾燥時の乾燥不良を発生させ
て平滑ムラおよび光沢ムラとなり、その結果、平滑度お
よび光沢度を請求範囲内にすることが困難となるため適
さない。また、平滑度が200秒未満または光沢度が2
0%未満になると、グラビア印刷でのインキの着肉性が
悪く、ミスドットが多くなる。逆に、光沢度が50%以
上ではグラビア印刷でのインキの着肉性は良いが、乾燥
前水分過多や薬品増添などによる地合不良および微少な
光沢不良が発生して見栄えが悪くなり適さない。
【0025】グラビア印刷適性を評価するのにもっとも
適しているのがPPS平滑度測定機である。該PPS平
滑度測定機は、測定ヘッドの加圧部分(測定ランド)の
巾が51μmと薄く、測定が490kPa(5kgf/
cm2)、980kPa(10kgf/cm2)、196
0kPa(20kgf/cm2)のように印刷条件に近
いクランプ圧の下で行える。また、ランド巾51μmは
印刷の網点と同程度の大きさであるため、微細な凹凸の
測定が行えるものであり、グラビア印刷適性に重要なイ
ンキ着肉性、ドットの再現性(白抜け)の評価に最も適
した平滑度測定機である。
【0026】クランピング圧490kpaでの平滑度が
3μmを越えてより大きいか、クランピング圧1960
kpaでの平滑度が2.5μmを越えてより大きいとグ
ラビア印刷でのインキの着肉性が悪く、ミスドットが多
くなる。また、クランピング圧490kpaでの平滑度
が2μmより小さいか、クランピング圧1960kpa
での平滑度が1.5μmより小さいとグラビア印刷での
インキの着肉性は良いが、カレンダーのニップ圧を上げ
なければならず、その結果密度が上昇し、隠蔽性が悪化
する。
【0027】また、PPS圧縮性(490kpaのPP
S/1960kpaのPPS)が1.1より小さいとク
ッション性のない紙となりグラビア印刷でのミスドット
(白抜け)が多くなる。また、紙の隠蔽性も悪化する。
逆に圧縮性が1.3より大きいとクッション性はあるも
のの、必然的に密度の低い紙にせざるを得ず、表面が粗
くなりインキ着肉性が劣る。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。実施例および比較例における%は重量%を表わす。
尚、特性の測定並びに評価は、下記の方法によった。
【0029】(1)厚さ JIS P-8118に準じて測定した。
【0030】(2)王研式平滑度、透気度および光沢度 王研式平滑度および透気度はJ.TAPPI No.5に準じて測
定し、光沢度はJIS P-8142に準じて測定した。
【0031】(3)PPS平滑度 Messmer社製PPS−78型パーカープリントサ
ーフ紙平滑度試験機を使用し、クランピング圧490k
Pa、980kPa、1960kPaでの平滑度(表面
粗さ)を測定した。測定値はμm単位で表す。
【0032】(4)グラビア印刷適性 試験方法 試験機 STM社製印刷局式グラビア試験機 インキ 東洋インキ出版社用グラビアインキ 粘度:ザーンカップNo3で10秒(溶剤:キシレン) 速度 40m/min 印圧 200N/5cm 版 コンベンショナルグラビア、網点グラビア
【0033】2)インキ着肉評価方法 デジタルスコープで拡大し、インキ着肉状態を観察し
た。 観察個所 コンベンショナル版:版深度 5μm、10
μm 網点グラビア版:15%網点 ◎:非常に良好 ○:良好 △:やや劣る ×:劣る
【0034】3)アバタ 得られたプリント化粧板用薄葉紙のグラビア印刷後のア
バタによる印刷ムラを目視評価した。評価は以下の5段
階で評価し、4以上を合格とした。 5:印刷ムラがまったくない 4:印刷ムラがほとんどない 3:印刷ムラがあるがほとんど目立たない 2:印刷ムラがあり、目立つ 1:印刷ムラが非常に多い
【0035】実施例1 広葉樹晒パルプ(L−BKP)と針葉樹晒パルプ(N−
BKP)を90%:10%で配合し、フリーネス350
mlCSFに叩解し、填料として二酸化チタンを10重
量%配合、さらにサイズ剤(荒川化学工業社製SPS−
300)を1.0%添加し、その定着剤として合成バン
ドを1.5%添加した。さらに紙力増強剤としてポリア
クリルアマイド(荒川化学工業社製 ポリストロン11
7)を1%添加し、ハーパー型抄紙機を用い、ヤンキー
ドライヤーでの熱風の温度を160℃で、反ドライヤー
面から吹き付けたに後に湿った熱風を吸引し、坪量約2
0g/m2の薄葉紙を抄造し、ソフトカレンダー処理し、
坪量21.3g/m2のプリント化粧板用薄葉紙を得
た。
【0036】実施例2 ヤンキードライヤーでの熱風温度を300℃にした以外
は実施例1と同様に坪量23.5g/m2のプリント化
粧板用薄葉紙を得た。
【0037】実施例3 広葉樹晒パルプ(L−BKP)100%をフリーネス3
00mlCSFに叩解し、ヤンキードライヤーでの熱風
温度を180℃にした以外は実施例1と同様にして坪量
22.0g/m2のプリント化粧板用薄葉紙を得た。
【0038】実施例4 広葉樹晒パルプ(L−BKP)100%をフリーネス3
00mlCSFに叩解し、ヤンキードライヤーでの熱風
温度を250℃にした以外は実施例1と同様にして坪量
22.5g/m2のプリント化粧板用薄葉紙を得た。
【0039】実施例5 ヤンキードライヤーでの熱風の温度を160℃にして反
ドライヤー面から吹き付け、湿った熱風を吸引する工程
を2回行った以外は実施例1と同様にして坪量46.3
g/m2のプリント化粧板薄葉紙を得た。
【0040】実施例6 ヤンキードライヤーでの熱風の温度を250℃にして反
ドライヤー面から吹き付け、湿った熱風を吸引する工程
を2回おこなった以外は実施例5と同様にして坪量4
6.3g/m2のプリント化粧板用薄葉紙を得た。
【0041】比較例1〜4 実施例1と同じ原料配合で、ハーパー型抄紙機にて抄紙
後、ヤンキードライヤーでの熱風の温度を100℃(比
較例1、2)、120℃(比較例3,4)、で乾燥させ
表2の坪量の薄葉紙を製造し、さらにソフトカレンダー
処理を行い、坪量、平滑度、透気度および光沢度が各々
表2の数値となる紙を得て、実施例1と同様に各物性を
評価した。
【0042】比較例5 実施例1と同じ原料配合とし、ハーパー型抄紙機にかえ
て、通常の長網抄紙機にて抄紙後、ヤンキードライヤー
での熱風温度を150℃で乾燥させ薄葉紙を製造した。
この場合、紙の裏側(ワイヤー面)が艶面となる。抄紙
後さらにスーパーカレンダーで平滑度を調整し、坪量、
平滑度、透気度および光沢度が表2の数値となる紙を得
て、同様に各物性を評価した。
【0043】比較例6 実施例1と同じ原料配合とし、ハーパー抄紙機にかえ
て、通常の長網抄紙機にて抄紙後多筒ドライヤーで乾燥
させ薄葉紙を製造し、さらにスーパーカレンダーにて平
滑度を調整し、坪量、平滑度、透気度および光沢度を表
2の数値となる紙を得た。この場合、紙の両面とも艶は
なくなる。同様に各物性を評価した。結果を表2に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1、2の結果から、実施例1〜6のプリ
ント化粧板用薄葉紙はグラビアインキ着肉性に優れてい
る。一方、比較例1〜6の薄葉紙は表面平滑性または光
沢度が劣り、グラビア印刷適性が不良であった。特に網
点グラビア版において網点の再現性が劣った。
【0047】
【発明の効果】特定のクランプ圧でのPPS平滑度と圧
縮率を規定することにより、グラビアインキの着肉性が
良く、アバタ、白抜けのないグラビア印刷に最も良く適
合したプリント化粧板用薄葉紙を得ることが可能となっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀野 政司 北海道江別市王子町1番地 王子製紙株式 会社江別工場内 (72)発明者 川野 昇敬 北海道江別市王子町1番地 王子製紙株式 会社江別工場内 (72)発明者 三品 彰 北海道江別市王子町1番地 王子製紙株式 会社江別工場内 (72)発明者 山口 敏之 東京都中央区銀座四丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 Fターム(参考) 2B002 AA04 BA01 BB06 BB12 DA04 DA06 4L055 EA06 EA12 EA20 FA15 GA22 GA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラビア印刷予定面のパーカープリントサ
    ーフ(以下PPSと記す)紙平滑度試験機のクランピン
    グ圧490kpaでの平滑度が2〜3μm、クランピン
    グ圧1960kpaでの平滑度が1.5〜2.5μmで
    あり、PPS圧縮性(490kpaのPPS/1960
    kpaのPPS)が1.1〜1.3であることを特徴と
    するプリント化粧板用薄葉紙。
  2. 【請求項2】該プリント化粧板用薄葉紙はハーパー型抄
    紙機で紙層形成し、ヤンキー型ドライヤーにより乾燥さ
    せることを特徴とする請求項1のプリント化粧板用薄葉
    紙。
  3. 【請求項3】ハーパー型抄紙機で紙層形成し、ヤンキー
    ドライヤーの乾燥工程において、反ドライヤー面より1
    50〜400℃の熱風を吹き付け、湿った熱風を吸引す
    る工程を少なくとも1回以上行うことを特徴とするプリ
    ント化粧板用薄葉紙の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003027392A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Oji Paper Co Ltd プリント化粧板用薄葉紙及びその製造方法
JP2011026722A (ja) * 2009-07-22 2011-02-10 Kohjin Co Ltd 印刷用通気性化粧シート原紙

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JP2011026722A (ja) * 2009-07-22 2011-02-10 Kohjin Co Ltd 印刷用通気性化粧シート原紙

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