JP2002138213A - 木質熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

木質熱可塑性樹脂組成物

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JP2002138213A JP2001246445A JP2001246445A JP2002138213A JP 2002138213 A JP2002138213 A JP 2002138213A JP 2001246445 A JP2001246445 A JP 2001246445A JP 2001246445 A JP2001246445 A JP 2001246445A JP 2002138213 A JP2002138213 A JP 2002138213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹
脂の成形加工時の成形機の金属面の発錆を防止し、かつ
揮発性物質の発生を低減した木質熱可塑性樹脂組成物を
提供する。 【解決の手段】熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可
塑性樹脂に、ドロマイト系化合物を特定量添加すること
により、成形加工時の成形機の金属面の発錆を防止し、
かつ揮発性物質の発生を低減した木質熱可塑性樹脂組成
物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂及び
木粉からなる木質熱可塑性樹脂に、ある特定の添加剤を
添加してなる、成形機のスクリュー、シリンダー及び金
型等の金属面の発錆を防止し、かつ揮発性物質を低減し
た木質熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、木質感
が要求される分野に広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】木材は主として建材用途に多数使用され
ているが、木材を使用した製品は、燃焼性、耐久性、耐
候性等の問題があり、また、森林の伐採による環境破壊
も大きな問題となってきている。そこで、木材の代替品
として、熱可塑性樹脂に木粉を使用して、木質感のある
成形品を得ることはよく知られており、近年、熱可塑性
樹脂に木粉を添加して、床、天井、階段の手摺、窓枠、
扉枠、ベランダ等の住宅の内装材・外装材に使用するケ
ースが増えてきている。
【0003】しかしながら、熱可塑性樹脂に木粉を添加
して、押出成形、射出成形等の成形加工をした場合、成
形機のスクリュー、シリンダー及び金型等の金属面が発
錆する問題と、成形加工時に発生する分解生成物若しく
は水分等の揮発性物質により成形品が発泡したり、成形
品の表面に銀状のスジが発生する等の問題を生じる。こ
れらの問題を解決するために、下記の技術が既に開示さ
れている。 (1)ポリオレフィンと、古紙パルプを主成分とするプ
ラスチック改質剤にハイドロタルサイト類、ゼオライト
類、アルカリ土類金属の酸化物または炭酸塩、繊維状マ
グネシウムオキシサルフェート、ヒドロキシ脂肪酸金属
塩およびヒンダードアミン系光安定剤からなる群より選
ばれる少なくとも1種の化合物を添加する方法(特開平
11−60830号)により、発錆を防止する技術。当
該技術に記載されているアルカリ土類金属のうちマグネ
シウムとカルシウムは、本発明のドロマイト系化合物を
構成する金属元素と同一ではあるが、当該技術には、本
発明で用いられるドロマイト系化合物の記載のみなら
ず、ドロマイト系化合物を木質熱可塑性樹脂に添加した
場合の発錆防止についての記載や示唆もない。 (2)熱可塑性樹脂と籾殻に、塩基性充填剤である酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸
化カルシウムを添加する方法(特開昭63−20266
1号)により、揮発性物質を低減し発錆を防止する技
術。当該技術に使用されている塩基性充填剤である酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム及び水
酸化カルシウムの構成元素であるマグネシウム及びカル
シウムは、本発明のドロマイト系化合物を構成する金属
元素と同一ではあるが、当該技術には、本発明で用いら
れるドロマイト系化合物の記載のみならず、ドロマイト
系化合物を木質熱可塑性樹脂に添加することによる、揮
発性物質の低減と発錆防止についての記載や示唆もな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性樹脂及び木粉
からなる木質熱可塑性樹脂に特開平11−60830号
に記載されているハイドロタルサイト類、ゼオライト
類、アルカリ土類金属の酸化物または炭酸塩、繊維状マ
グネシウムオキシサルフェート、ヒドロキシ脂肪酸金属
塩またはヒンダードアミン系光安定剤を添加する技術及
び特開昭63−202661号に記載されている塩基性
充填剤を添加する従来の技術では、いずれも発錆を防止
する効果と揮発性物質を低減する効果は十分ではなく、
熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂の押出
成形や射出成形等の成形加工時に成形機のスクリュー、
シリンダー及び金型等の金属面の発錆を防止し、かつ揮
発性物質を低減した木質熱可塑性樹脂組成物の提供が待
たれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる観
点から、熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹
脂に対し、発錆を防止し、揮発性物質を低減した木質熱
可塑性樹脂組成物について鋭意研究を重ねた結果、熱可
塑性樹脂100重量部及び木粉5〜150重量部からな
る木質熱可塑性樹脂にドロマイト系化合物を0.01〜
20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物は、押
出成形や射出成形等の成形加工時に成形機のスクリュ
ー、シリンダー及び金型等の金属面の発錆防止性と、揮
発性物質の低減性がきわめて優れることを見出し、本発
明を完成した。
【0006】本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、一般
に使用される熱可塑性樹脂が使用でき、例えばポリ塩化
ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレ
ン(HIPS)、シンジオタクチックポリスチレン、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体 (AB
S樹脂) 、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−
(α−メチル)スチレン共重合体、アクリロニトリル−
スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−エ
チレン−スチレン共重合体 (AES樹脂)、アクリロニト
リル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)
等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリアリレート等のポリエ
ステル、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン612、ナイロンMXD6等の
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、酢酸
ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフェニレン
オキサイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リフェニレンスルフィド及びこれらの樹脂のブレンド樹
脂(ポリマーアロイ)等を挙げることができ、好ましく
は塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びスチレ
ン系樹脂を挙げることができる。
【0007】本発明で用いられる木粉は、一般に使用さ
れる木粉であれば使用でき、例えば、栂、檜、杉、松、
ラワン等の木材(木材片、木屑、鉋屑、鋸屑)が挙げら
れる。これらの木粉は、製材工場、木工工場等から副生
物、廃棄物として豊富に供給される。市販品としてはカ
ネキ燃料(株)の木粉、J・レッテンマイヤー・アンド
・サンズ社のLIGNOCEL C−120、LIGN
OCEL HB−120、LIGNOCEL HB−2
00、アメリカン・ウッド・ファイバー社のWood
Flour 6010及びWood Flour 60
20等の木粉を挙げることができる。
【0008】本発明で用いられる木粉の粒子の形、大き
さは、成形加工性、成形品の品質等に問題がなければ限
定されないが、木粉の平均粒径としては30〜500μ
mがよく、好ましくは70〜200μmである。平均粒
径が30μm未満若しくは500μmを超えた場合は、
いずれも良好な木質感を得ることはできない。
【0009】本発明で用いられる木粉の添加量は、熱可
塑性樹脂100重量部に、5〜150重量部であり、好
ましくは、20〜100重量部である。
【0010】木粉の添加量が5重量部未満の場合には、
天然木材に近い特性、例えば、熱膨張率、釘打ち特性、
剛性、手触り等の風合い、表面状態、木質感等が得難く
なり、150重量部を超えた場合には天然木材に近い特
性は得ることができるが、熱可塑性樹脂と木粉は相溶性
が悪いため、溶融樹脂内で木粉が凝集し易く、分散不良
となり、ビルドアップや物性値の低下等の問題が生じ
る。
【0011】本発明で用いられるドロマイト系化合物に
は、特別の制限はなく、天然に広く産出し、壁材料、製
鉄用耐火物等に用いられているドロマイト(すなわち、
苦灰石)を用いることができる。更に、ドロマイト系化
合物は、その化学組成が炭酸マグネシウムと炭酸カルシ
ウムとの複塩化合物、すなわち、合成ドロマイトを用い
ることもできる。
【0012】本発明で用いられる天然及び合成ドロマイ
トの組成は、マグネシウムとカルシウムがある比率で混
在していればよく、そのマグネシウムとカルシウムの重
量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5であ
ることが好ましい。この比率範囲を外れた天然及び合成
ドロマイトを用いた場合は、金型等の金属面の発錆を防
止する効果と揮発性物質を低減化する効果が十分ではな
い。
【0013】また、本発明には、これらの天然ドロマイ
ト及び合成ドロマイトについて焼成、消化等を行い、金
属元素組成を変更させることなく変成した誘導体を用い
ることもできる。その具体例としては、ドロマイトを7
00〜800℃で加熱して得られるドロマイトセメン
ト、900〜1000℃で加熱して得られる軽焼ドロマ
イト、更に1600〜1800℃の高温で硬焼した死焼
ドロマイト、軽焼ドロマイトに水を加えて消化した苦土
消石灰、 合成マグドロクリンカー等が挙げられる。更
に、本発明には、アケルマナイト(Ca2 MgSi2
7 ) や透輝石〔CaMg (SiO3 )2 〕、各種スラグ
のように、カルシウムとマグネシウムの比率が前記の合
成ドロマイトと同じ範囲にある天然鉱物や合成複塩化合
物を同様に変成した誘導体も用いることができる。更
に、これらの任意の混合物であってもよい。
【0014】これらのドロマイト及びその誘導体を、本
明細書では『ドロマイト系化合物』と総称するが、これ
らのドロマイト系化合物は工業的に幅広く、大量に産出
されており、製鋼から陶器、建材、農業等極めて幅広い
産業で使用されているため、安定な品質で、安易かつ安
価に入手可能なものである。中でも、軽焼ドロマイト、
合成ドロマイトを軽焼した軽焼合成ドロマイトを使用し
た場合、成形加工時の金属面の発錆防止効果と揮発性物
質の低減化効果が特に良好である。
【0015】更に、ドロマイト系化合物は、ドロマイト
系化合物と木質熱可塑性樹脂との相溶性、分散性等を向
上させるために特定の化合物で表面処理すると、成形加
工時の金属面の発錆防止効果が向上する。
【0016】本発明の表面処理に用いる特定の化合物、
即ち表面処理剤としては、無機亜鉛化合物、有機酸、有
機酸金属塩および多価アルコール化合物を挙げることが
できる。これらの化合物は各々単独で用いてもよく、任
意の混合物として用いてもよい。
【0017】本発明の表面処理剤として用いられる無機
亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、
亜リン酸亜鉛、亜硫酸亜鉛、リン酸亜鉛及び水酸化亜鉛
等を挙げることができる。これらの化合物は各々単独で
用いてもよく、任意の混合物として用いてもよい。
【0018】本発明の表面処理剤として用いられる有機
酸としては、炭素数2〜22の飽和脂肪族モノカルボン
酸、炭素数2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、炭素数
3〜18の不飽和脂肪族カルボン酸、炭素環式カルボン
酸、複素環式カルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ
酸、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等を挙げることができ
る。
【0019】炭素数2〜22の飽和脂肪族モノカルボン
酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン
酸及びベヘン酸等を挙げることができる。
【0020】炭素数2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸
の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、ア
ジピン酸及びセバシン酸等を挙げることができる。
【0021】炭素数3〜18の不飽和脂肪族カルボン酸
の具体例としては、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸
及びオレイン酸等を挙げることができる。
【0022】炭素環式カルボン酸の具体例としては、安
息香酸、ショウノウ酸、フタル酸、トルイル酸、ヒドロ
アトロバ酸及びケイ皮酸等を挙げることができる。
【0023】複素環式カルボン酸の具体例としては、フ
ル酸、テン酸、ピロリドンカルボン酸及びニコチン酸等
を挙げることができる。
【0024】ヒドロキシ酸及びアルコキシ酸の具体例と
しては、乳酸、リンゴ酸、ベンジル酸、サルチル酸、ア
ニス酸、バニリン酸、プロトカテク酸及び没食子酸等を
挙げることができる。
【0025】アミノ酸及びアミノ酸誘導体の具体例とし
てはグルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グリシ
ン、N−ステアロイルグリシン、N−アセチルグルタミ
ン酸、N−ラウロイルロイシン及びγ−メチルグルタミ
ン酸等を挙げることができる。
【0026】本発明の表面処理剤として用いられる有機
酸金属塩としては、前記の有機酸の金属塩を挙げること
ができる。当該金属塩の金属の具体例としては、亜鉛、
カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リ
チウム、アルミニウム及びニッケル等を挙げることがで
きる。更には、これらの有機酸金属塩が二種以上の混合
物や複塩化合物であってもよい。
【0027】本発明の表面処理剤として用いられる多価
アルコール化合物としては、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポ
リペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン及
びポリグリセリン等を挙げることができる。また、これ
らの化合物の水酸基の一部をエステル化やエーテル化し
たものも本発明の多価アルコール化合物に含まれる。
【0028】特にペンタエリスリトール及びジペンタエ
リスリトールを、炭素数10〜22の高級脂肪酸及び炭
素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸で部分エステル
化した部分エステル化物は、高分子量であるため、本発
明の木質熱可塑性樹脂組成物の加熱成形加工時の昇華が
なく、金型汚染を起こさず、処理粉体(表面処理したド
ロマイト系化合物)の加工性が向上する、処理粉体の樹
脂中への分散性に優れている、等の付加的な長所を有す
るので好ましい。
【0029】炭素数10〜22の高級脂肪酸の具体例と
しては、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリ
デカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸、オレイン酸及びリノール酸等を挙げることが
できる。
【0030】炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸
の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸及びセバシン酸等を挙げる
ことができる。
【0031】部分エステル化物の酸成分に用いられる炭
素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボンは低昇華性に寄与
し、炭素数10〜22の高級脂肪酸は処理粉体の加工性
及び良分散性に寄与する。
【0032】このようなペンタエリスリトール及びジペ
ンタエリスリトールを、炭素数10〜22の高級脂肪酸
または炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸とでエ
ステル化反応を行い、一部の水酸基がエステル化された
部分エステル化物は、特開昭53−6350号、特開昭
57−61289号、特開昭55−69639号、に記
載された既知の方法で工業的に容易に製造することがで
きる。
【0033】また、本発明の効果を阻害しない範囲で、
必要に応じ、工業的に使用されている他の表面処理剤を
適宜に併用することができる。その具体例としては、シ
ラン系、アルミニウム系、リン系等のカップリング剤
や、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性
剤及び高分子系の分散剤等を挙げることができる。しか
しながら、本発明の熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質
熱可塑性樹脂に、ドロマイト系化合物を添加してなる木
質熱可塑性樹脂組成物が十分な発錆防止性と揮発性物質
の低減性を得るためには、前記の本発明以外の表面処理
剤の使用量を本発明の表面処理剤の無機亜鉛化合物、有
機酸、有機酸金属塩または多価アルコール化合物から選
ばれる少なくとも一種の化合物の使用量に対して、多く
とも同量ないしは同量未満の使用にすることが好まし
い。
【0034】これらの表面処理剤の使用量は、適宜併用
される他の表面処理剤も含めてドロマイト系化合物の種
類、その粉体粒子の比表面積及びその表面に結合した水
分量等によっても異なるが、表面処理されるべきドロマ
イト系化合物に対して0.05〜40重量%、好ましく
は、0.1〜20重量%である。表面処理剤の使用量が
0.05重量%未満では表面処理の効果がほとんどな
く、一方、40重量%より多く使用しても、ドロマイト
系化合物粉体粒子の表面が処理剤で飽和してしまい、表
面処理の効果はそれ以上向上しない。
【0035】表面処理の方法に特別の制限はなく、例え
ば、(1)ドロマイト系化合物粉体に表面処理剤をその
まま添加してヘンシェルミキサー、コロイドミル、ボー
ルミル及びアトマイザー等の粉砕機を用いて共粉砕する
方法、(2)トルエン、キシレン、メチルエチルケト
ン、アセトニトリル、クロロホルム、ジエチルエーテ
ル、水、エタノール及びメタノール等の適当な溶媒中に
表面処理剤及びドロマイト系化合物を加え、撹拌混合
後、溶媒を除去する方法等を挙げることができる。
【0036】本発明で用いられる表面処理されたドロマ
イト系化合物は、表面処理をしていないドロマイト系化
合物と比較して、成形機のスクリュー、シリンダー及び
金型等の金属面の発錆の防止性を更に向上させ、また、
ドロマイト系化合物の分散性が向上するので表面肌の良
い成形品が得られる。
【0037】本発明で用いられるドロマイト系化合物の
平均粒子径(表面処理されたドロマイト系化合物の場合
は表面処理後の平均粒子径)は、100μm以下が好ま
しく、特に好ましくは10μm以下である。100μm
より大きいと成形品の表面がざらつき、物性値の低下等
の問題が生じる。
【0038】本発明に用いられるドロマイト系化合物の
添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01
〜20重量部であり、好ましくは0.1〜15重量部で
ある。
【0039】ドロマイト系化合物の添加量が、0.01
重量部未満の場合には、押出成形、射出成形等の成形加
工時の発錆を防止する効果がなく、また、揮発性物質の
発生を低減化する効果も得られない。20重量部を超え
た場合には、20重量部以下の場合と同等の揮発性物質
の低減化効果は得られるが、増量による予期した発錆を
防止する効果が得られず、また、成形品の物性値の低下
等の問題が生じる。
【0040】本発明に用いられるドロマイト系化合物を
熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂に添加
する方法は、従来公知の方法で行えばよく、例えば、熱
可塑性樹脂、木粉及びドロマイト系化合物をヘンシェル
ミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー等で
混合してもよいし、木質熱可塑性樹脂にドロマイト系化
合物を前述の混合機で混合してもよい。
【0041】更に、本発明に使用される上記成分以外に
他の添加剤、例えば、熱劣化防止剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤等の耐候安定剤、充填剤、分散剤、発泡剤、難
燃剤、可塑剤、帯電防止剤、強化剤、加工助剤及び顔料
等を併用することが出来る。
【0042】本発明に併用される熱劣化防止剤として
は、ジブチル錫マレイン酸塩、ジブチル錫ビス(マレイ
ン酸エステル)塩、ジブチル錫メルカプトカルボン酸
塩、モノブチル錫トリス(メルカプトカルボン酸エステ
ル)塩、ジブチル錫ビス(メルカプトカルボン酸エステ
ル)塩、モノブチル錫サルファイド、ジブチル錫サルフ
ァイド、ジブチル錫ジカルボン酸塩、ジオクチル錫マレ
イン酸塩、ジオクチル錫ビス(マレイン酸エステル)
塩、ジオクチル錫メルカプトカルボン酸塩、モノオクチ
ル錫トリス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、ジオ
クチル錫ビス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、モ
ノオクチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイ
ド、ジオクチル錫ジカルボン酸塩、ジメチル錫メルカプ
トカルボン酸塩、モノメチル錫トリス(メルカプトカル
ボン酸エステル)塩、ジメチル錫ビス(メルカプトカル
ボン酸エステル)塩、モノメチル錫トリス(2−メルカ
プトエタノールカルボン酸エステル)塩、ジメチル錫ビ
ス(2−メルカプトエタノールカルボン酸エステル)
塩、モノメチル錫サルファイド及びジメチル錫サルファ
イド等の有機錫系化合物、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸バリウム及びステアリン酸亜鉛等の金属石
鹸、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸
鉛、二塩基性亜燐酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステ
アリン酸鉛及び安息香酸鉛等の鉛系化合物、ゼオライト
及びハイドロタルサイト等の無機系化合物等を挙げるこ
とができる。
【0043】本発明に当たっては、以下のような実施態
様を挙げることができる。 (1)熱可塑性樹脂100重量部及び木粉5〜150重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、ドロマイト系化合物
を0.01〜20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂
組成物。 (2)熱可塑性樹脂100重量部及び木粉20〜100
重量部からなる木質熱可塑性樹脂に、ドロマイト系化合
物を0.1〜15重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂
組成物。 (3)熱可塑性樹脂100重量部及び木粉5〜150重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、天然ドロマイト及び
/または炭酸マグネシウム−炭酸カルシウムの複塩化合
物よりなる合成ドロマイトを0.01〜20重量部添加
してなる木質熱可塑性樹脂組成物。 (4)熱可塑性樹脂100重量部及び木粉5〜150重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、マグネシウムとカル
シウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対95〜9
5対5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物を0.
01〜20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成
物。 (5)熱可塑性樹脂100重量部及び木粉5〜150重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、マグネシウムとカル
シウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対95〜9
5対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイト
を0.01〜20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂
組成物。 (6)熱可塑性樹脂100重量部及び木粉5〜150重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、無機亜鉛化合物、有
機酸、有機酸金属塩または多価アルコール化合物から選
ばれた少なくとも一種の化合物で表面処理されたドロマ
イト系化合物を0.01〜20重量部添加してなる木質
熱可塑性樹脂組成物。 (7)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂または
スチレン系樹脂100重量部及び木粉5〜150重量部
からなる木質熱可塑性樹脂に、ドロマイト系化合物を
0.01〜20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組
成物。 (8)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂または
スチレン系樹脂100重量部及び木粉5〜150重量部
からなる木質熱可塑性樹脂に、天然ドロマイト及び/ま
たは炭酸マグネシウム−炭酸カルシウムの複塩化合物よ
りなる合成ドロマイトを0.01〜20重量部添加して
なる木質熱可塑性樹脂組成物。 (9)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂または
スチレン系樹脂100重量部及び木粉5〜150重量部
からなる木質熱可塑性樹脂に、マグネシウムとカルシウ
ムの重量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対
5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物を0.01
〜20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。 (10)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂また
はスチレン系樹脂100重量部及び木粉5〜150重量
部からなる木質熱可塑性樹脂に、マグネシウムとカルシ
ウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95
対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイトを
0.01〜20重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組
成物。 (11)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂また
はスチレン系樹脂100重量部及び木粉5〜150重量
部からなる木質熱可塑性樹脂に、無機亜鉛化合物、有機
酸、有機酸金属塩または多価アルコール化合物から選ば
れた少なくとも一種の化合物で表面処理されたドロマイ
ト系化合物を0.01〜20重量部添加してなる木質熱
可塑性樹脂組成物。 (12)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂また
はスチレン系樹脂100重量部及び木粉20〜100重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、マグネシウムとカル
シウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対95〜9
5対5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物を0.
1〜15重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。 (13)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂また
はスチレン系樹脂100重量部及び木粉20〜100重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、マグネシウムとカル
シウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対95〜9
5対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイト
を0.1〜15重量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組
成物。 (14)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂また
はスチレン系樹脂100重量部及び木粉20〜100重
量部からなる木質熱可塑性樹脂に、無機亜鉛化合物、有
機酸、有機酸金属塩または多価アルコール化合物から選
ばれた少なくとも一種の化合物で表面処理されたドロマ
イト系化合物を0.1〜15重量部添加してなる木質熱
可塑性樹脂組成物。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態とし
ては、前記の実施態様(2)〜(14)が挙げられ、更
に好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(4)
〜(14)が挙げられ、特に好ましい実施の形態として
は、前記の実施態様(9)〜(14)が挙げられ、最も
好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(13)
及び(14)が挙げられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、当該発明はこれらによって限定されるものでは
ない。これらの実施例において、部とは重量部を意味す
る。(合成例1)水酸化マグネシウム 6.9部と水酸
化カルシウム 121.3部を水 2000部に投入
し、10℃にて撹拌しつつ3時間炭酸ガスを吹き込ん
だ。生じた沈殿物を濾過し、炭酸ガス雰囲気下50℃以
下にて乾燥し、炭酸マグネシウム−炭酸カルシウム複塩
化合物(合成ドロマイト)143.6部を得た。得られ
た複塩化合物のマグネシウムとカルシウムの重量比率
は、MgO対CgO換算で5対95であった。 (合成例2)水酸化マグネシウム 131.9部と水酸
化カルシウム 6.4部を水 2000部に投入し、1
0℃にて撹拌しつつ3時間炭酸ガスを吹き込んだ。生じ
た沈殿物を濾過し、炭酸ガス雰囲気下50℃以下にて乾
燥し、炭酸マグネシウム−炭酸カルシウム複塩化合物
(合成ドロマイト)164.6部を得た。得られた複塩
化合物のマグネシウムとカルシウムの重量比率は、Mg
O対CgO換算で95対5であった。 (合成例3)水酸化マグネシウム 58.3部と水酸化
カルシウム 74.1部を水 2000部に投入し、1
0℃にて撹拌しつつ3時間炭酸ガスを吹き込んだ。生じ
た沈殿物を濾過し、炭酸ガス雰囲気下50℃以下にて乾
燥し、炭酸マグネシウム−炭酸カルシウム複塩化合物
(合成ドロマイト)152.3部を得た。得られた複塩
化合物のマグネシウムとカルシウムの重量比率は、Mg
O対CgO換算で42対58であった。 (合成例4)合成例3で得られた合成ドロマイトを10
00℃にて1時間焼成し、軽焼合成ドロマイトを得た。 (合成例5)合成例4で得られた軽焼合成ドロマイト
1.9kgを、ステアリン酸 0.1kgと共に脱気し
た乾式条件下において24時間かけて粉砕した。得られ
たステアリン酸表面処理軽焼合成ドロマイトのメジアン
径は1.1μmであった。 (合成例6)ドロマイト[田源石灰工業(株)製]未粉
砕品 19.8kgを、酸化亜鉛0.2kgと共に脱気
した乾式条件下において24時間かけて粉砕した。得ら
れた酸化亜鉛表面処理ドロマイトのメジアン径は1.2
μmであった。 (合成例7)軽焼ドロマイト[田源石灰工業(株)製]
未粉砕品 19kgを、ステアリン酸カルシウム 1k
gと共に脱気した乾式条件下において24時間かけて粉
砕した。得られたステアリン酸カルシウム表面処理軽焼
ドロマイトのメジアン径は1.1μmであった。 (合成例8)軽焼ドロマイト[田源石灰工業(株)製]
未粉砕品 19kgを、「プレンライザー ST−21
0」(商品名:味の素ファインテクノ(株)製、ジペン
タエリスリトールのアジピン酸エステルを主成分とする
組成物、OH価900)1kgと共に脱気した乾式条件
下において24時間かけて粉砕した。得られた表面処理
軽焼ドロマイトのメジアン径は1.3μmであった。 (合成例9)苦土消石灰[田源石灰工業(株)製]未粉
砕品 19.8kgを、「プレンライザー ST−22
0」(商品名:味の素ファインテクノ(株)製、ペンタ
エリスリトールのアジピン酸エステル誘導体を主成分と
する組成物、OH価900)0.15kg及び「プレン
アクトALM」(商品名:味の素ファインテクノ(株)
製、アルミニウム系カップリング剤)0.05kgと共
に脱気した乾式条件下において24時間かけて粉砕し
た。得られた表面処理苦土消石灰のメジアン径は1.3
μmであった。
【0046】[本発明に使用される添加剤] A−1 :ドロマイト[田源石灰工業(株)製]表面未
処理・粉砕品 A−2 :軽焼ドロマイト[田源石灰工業(株)製]表
面未処理・粉砕品 A−3 :苦土消石灰[田源石灰工業(株)製]表面未
処理・粉砕品 A−4 :(合成例1)記載の合成ドロマイト 表面未
処理・粉砕品 A−5 :(合成例2)記載の合成ドロマイト 表面未
処理・粉砕品 A−6 :(合成例3)記載の合成ドロマイト 表面未
処理・粉砕品 A−7 :(合成例4)記載の軽焼合成ドロマイト 表
面未処理・粉砕品 A−8 :(合成例5)記載の軽焼合成ドロマイト 表
面処理・粉砕品 A−9 :(合成例6)記載のドロマイト 表面処理・
粉砕品 A−10:(合成例7)記載の軽焼ドロマイト 表面処
理・粉砕品 A−11:(合成例8)記載の軽焼ドロマイト 表面処
理・粉砕品 A−12:(合成例9)記載の苦土消石灰 表面処理・
粉砕品 [本発明以外の添加剤] B−1 :酸化マグネシウム B−2 :酸化カルシウム B−3 :炭酸マグネシウム B−4 :炭酸カルシウム B−5 :水酸化マグネシウム B−6 :水酸化カルシウム B−7 :ステアリン酸マグネシウム B−8 :ステアリン酸カルシウム B−9 :12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム B−10:合成ハイドロタルサイト[協和化学工業
(株)製、商品名 DHT−4A] B−11:合成ハイドロタルサイト[協和化学工業
(株)製、商品名 アルカマイザー4−2] B−12:合成ゼオライト[東ソー(株)製、商品名
トヨビルダー] B−13:繊維状マグネシウムオキシサルフェート[宇
部興産(株)製、商品名モスハイジ] B−14:ヒンダードアミン系安定剤[三共(株)製、
商品名 サノールLS−770][実施例1]塩化ビニ
ル樹脂[新第一塩ビ(株)製 ZEST 1000Z]
100部、木粉[カネキ燃料(株)製]5部、ステアリ
ン酸カルシウム1部及びステアリン酸亜鉛1部と表1〜
表3に示す添加剤をよく混合した組成物を、180℃に
調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ
0.5mmのシートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、190℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0047】尚、釘の錆の発生状態は、以下の基準で判
定した。 ◎ :釘には錆が全く発生していない。 ○ :釘には錆が一部わずかに発生している。 ○△:釘には錆が約30%未満発生している。 △ :釘には錆が約50%未満発生している。 × :釘には錆が約50%以上発生している。 ××:釘には錆が全面に発生している。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、190℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0048】尚、シートの発泡状態は、以下の基準で判
定した。 ◎ :シートには発泡が全く発生していない。 ○ :シートには発泡が一部わずかに発生している。 △ :シートには発泡が約50%未満発生している。 × :シートには発泡が約50%以上発生している。 ××:シートには発泡が無数に発生している。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】試料番号1〜20は実施例、同番号21〜
69は比較例である。表1〜表3の結果を比較すれば明
らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、金属
の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の低減
性にも優れていることがわかる。尚、試料番号21の如
く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明の
添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆防止性が得
られない。また、試料番号22の如く、本発明の添加剤
を添加してもその添加量が本発明の添加量よりも少ない
場合、試料番号23〜56の如く、本発明以外の添加剤
を添加した場合、試料番号57〜68の如く、マグネシ
ウム化合物とカルシウム化合物が併用添加されていて
も、当該化合物がマグネシウムとカルシウムの複塩化合
物よりなるドロマイト系化合物でない場合、試料番号6
9の如く、添加剤を添加しない場合は、いずれも十分な
金属の発錆防止性と揮発性物質の低減性が得られない。 [実施例2]塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 Z
EST 1000Z]100部、木粉[カネキ燃料
(株)製]20部及びジブチル錫マレエート系安定剤1
部[三共有機合成(株)製 STANN BM(N)]
と表4〜表6に示す添加剤をよく混合した組成物を、1
80℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した
後、厚さ0.5mmのシートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、190℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0053】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0054】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】試料番号1〜20は実施例、同番号21〜
69は比較例である。表4〜表6の結果を比較すれば明
らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、金属
の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の低減
性にも優れていることがわかる。尚、試料番号21の如
く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明の
添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆防止性が得
られない。また、試料番号22の如く、本発明の添加剤
を添加してもその添加量が本発明の添加量よりも少ない
場合、試料番号23〜56の如く、本発明以外の添加剤
を添加した場合、試料番号57〜68の如く、マグネシ
ウム化合物とカルシウム化合物が併用添加されていて
も、当該化合物がマグネシウムとカルシウムの複塩化合
物よりなるドロマイト系化合物でない場合、試料番号6
9の如く、添加剤を添加しない場合は、いずれも十分な
金属の発錆防止性と揮発性物質の低減性が得られない。 [実施例3]塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 Z
EST 1000Z]100部、木粉[カネキ燃料
(株)製]100部及びジブチル錫メルカプト系安定剤
1部[三共有機合成(株)製 STANN JF−95
B]と表7〜表9に示す添加剤をよく混合した組成物
を、180℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混
練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、190℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0059】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0060】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】試料番号1〜20は実施例、同番号21〜
69は比較例である。表7〜表9の結果を比較すれば明
らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、金属
の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の低減
性にも優れていることがわかる。尚、試料番号21の如
く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明の
添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆防止性が得
られない。また、試料番号22の如く、本発明の添加剤
を添加してもその添加量が本発明の添加量よりも少ない
場合、試料番号23〜56の如く、本発明以外の添加剤
を添加した場合、試料番号57〜68の如く、マグネシ
ウム化合物とカルシウム化合物が併用添加されていて
も、当該化合物がマグネシウムとカルシウムの複塩化合
物よりなるドロマイト系化合物でない場合、試料番号6
9の如く、添加剤を添加しない場合は、いずれも十分な
金属の発錆防止性と揮発性物質の低減性が得られない。 [実施例4]塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 Z
EST 1000Z]100部、木粉[カネキ燃料
(株)製]150部、三塩基性硫酸鉛1部及びステアリ
ン酸鉛0.5部と表10〜表12に示す添加剤をよく混
合した組成物を、190℃に調整した8インチ試験ロー
ルで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製
した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、190℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0065】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0066】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0067】
【表10】
【0068】
【表11】
【0069】
【表12】
【0070】試料番号1〜20は実施例、同番号21〜
69は比較例である。表10〜表12の結果を比較すれ
ば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、
金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の
低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号21
の如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発
明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆防止性
が得られない。また、試料番号22の如く、本発明の添
加剤を添加してもその添加量が本発明の添加量よりも少
ない場合、試料番号23〜56の如く、本発明以外の添
加剤を添加した場合、試料番号57〜68の如く、マグ
ネシウム化合物とカルシウム化合物が併用添加されてい
ても、当該化合物がマグネシウムとカルシウムの複塩化
合物よりなるドロマイト系化合物でない場合、試料番号
69の如く、添加剤を添加しない場合は、いずれも十分
な金属の発錆防止性と揮発性物質の低減性が得られな
い。 [実施例5]塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 Z
EST 1000Z]100部、木粉[カネキ燃料
(株)製](添加量は表13に記載)と表13に示す添
加剤をよく混合した組成物を、160℃に調整した8イ
ンチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmの
シートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、190℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0071】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、190℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0072】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0073】
【表13】
【0074】試料番号1〜6は実施例、同番号7〜26
は比較例である。表13の結果を比較すれば明らかな如
く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、金属の発錆防
止性が優れているとともに、揮発性物質の低減性にも優
れていることがわかる。尚、試料番号7〜18の如く、
本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号19〜2
4の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合物が併
用添加されていても、当該化合物がマグネシウムとカル
シウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物でない
場合、試料番号25及び26の如く、添加剤を添加しな
い場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と揮発性物
質の低減性が得られない。 [実施例6]ポリプロピレン樹脂[昭和電工(株)製
SK−711]100部、木粉[カネキ燃料(株)製]
(添加量は表14〜表18に記載)及びステアリン酸バ
リウム2部と表14〜表18に示す添加剤をよく混合し
た組成物を、180℃に調整した8インチ試験ロールで
3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製し
た。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、200℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0075】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0076】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0077】
【表14】
【0078】
【表15】
【0079】
【表16】
【0080】
【表17】
【0081】
【表18】
【0082】試料番号1〜50は実施例、同番号51〜
110は比較例である。表14〜表18の結果を比較す
れば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物
は、金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物
質の低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号
51〜54の如く、本発明の添加剤を添加してもその添
加量が本発明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の
発錆防止性が得られない。また、試料番号55〜58の
如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明
の添加量よりも少ない場合、試料番号59〜90の如
く、本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号91
〜106の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合
物が併用添加されていても、当該化合物がマグネシウム
とカルシウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物
でない場合、試料番号107〜110の如く、添加剤を
添加しない場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と
揮発性物質の低減性が得られない。 [実施例7]ポリプロピレン樹脂[出光石油化学(株)
製 出光ポリプロ J−2000G]100部、木粉
[カネキ燃料(株)製](添加量は表19〜表22に記
載)及びフェノール系酸化防止剤[チバ・ガイギー社製
イルガノックス1010]0.2部と表19〜表22
に示す添加剤をよく混合した組成物を、180℃に調整
した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.
5mmのシートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、200℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0083】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0084】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0085】
【表19】
【0086】
【表20】
【0087】
【表21】
【0088】
【表22】
【0089】試料番号1〜38は実施例、同番号39〜
98は比較例である。表19〜表22の結果を比較すれ
ば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、
金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の
低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号39
〜42の如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量
が本発明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆
防止性が得られない。また、試料番号43〜46の如
く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明の
添加量よりも少ない場合、試料番号47〜78の如く、
本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号79〜9
4の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合物が併
用添加されていても、当該化合物がマグネシウムとカル
シウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物でない
場合、試料番号95〜98の如く、添加剤を添加しない
場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と揮発性物質
の低減性が得られない。 [実施例8]ポリスチレン樹脂[ダウ・ケミカル社製
STYRON685D]100部、木粉[カネキ燃料
(株)製](添加量は表23〜表27に記載)及びポリ
エチレンワックス[三井石油化学工業(株)製 HI−
WAX400PF]0.3部と表23〜表27に示す添
加剤をよく混合した組成物を、150℃に調整した8イ
ンチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmの
シートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、200℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0090】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギア−式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0091】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0092】
【表23】
【0093】
【表24】
【0094】
【表25】
【0095】
【表26】
【0096】
【表27】
【0097】試料番号1〜50は実施例、同番号51〜
110は比較例である。表23〜表27の結果を比較す
れば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物
は、金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物
質の低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号
51〜54の如く、本発明の添加剤を添加してもその添
加量が本発明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の
発錆防止性が得られない。また、試料番号55〜58の
如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明
の添加量よりも少ない場合、試料番号59〜90の如
く、本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号91
〜106の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合
物が併用添加されていても、当該化合物がマグネシウム
とカルシウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物
でない場合、試料番号107〜110の如く、添加剤を
添加しない場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と
揮発性物質の低減性が得られない。 [実施例9]ポリスチレン樹脂[三菱化学(株)製 ダ
イヤレックスHT−76]100部、木粉[カネキ燃料
(株)製](添加量は表28〜表31に記載)及びポリ
エチレンワックス[三井石油化学工業(株)製 HI−
WAX400PF]0.3部と表28〜表31に示す添
加剤をよく混合した組成物を、150℃に調整した8イ
ンチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmの
シートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、200℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0098】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギア−式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0099】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0100】
【表28】
【0101】
【表29】
【0102】
【表30】
【0103】
【表31】
【0104】試料番号1〜38は実施例、同番号39〜
98は比較例である。表28〜表31の結果を比較すれ
ば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、
金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の
低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号39
〜42の如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量
が本発明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆
防止性が得られない。また、試料番号43〜46の如
く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明の
添加量よりも少ない場合、試料番号47〜78の如く、
本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号79〜9
4の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合物が併
用添加されていても、当該化合物がマグネシウムとカル
シウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物でない
場合、試料番号95〜98の如く、添加剤を添加しない
場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と揮発性物質
の低減性が得られない。 [実施例10]ABS樹脂[テクノポリマー(株)TE
CHNO ABS 130NP]100部、木粉[カネ
キ燃料(株)製](添加量は表32〜表36に記載)と
表32〜表36に示す添加剤をよく混合した組成物を、
170℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練し
た後、厚さ0.5mmのシートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、200℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0105】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0106】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0107】
【表32】
【0108】
【表33】
【0109】
【表34】
【0110】
【表35】
【0111】
【表36】
【0112】試料番号1〜50は実施例、同番号51〜
110は比較例である。表32〜表36の結果を比較す
れば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物
は、金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物
質の低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号
51〜54の如く、本発明の添加剤を添加してもその添
加量が本発明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の
発錆防止性が得られない。また、試料番号55〜58の
如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明
の添加量よりも少ない場合、試料番号59〜90の如
く、本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号91
〜106の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合
物が併用添加されていても、当該化合物がマグネシウム
とカルシウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物
でない場合、試料番号107〜110の如く、添加剤を
添加しない場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と
揮発性物質の低減性が得られない。 [実施例11]ABS樹脂[東レ(株)トヨラック10
0]100部、木粉[カネキ燃料(株)製](添加量は
表37〜表40に記載)及びフェノール系酸化防止剤
[チバ・ガイギー社製 イルガノックス1076]0.
2部と表37〜表40に示す添加剤をよく混合した組成
物を、170℃に調整した8インチ試験ロールで3分間
混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。 (発錆性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを3m
m角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと
釘を試験管に入れ、200℃に設定したヒーティング・
ブロックに入れ、30分後の釘の錆の発生状態を目視で
判定した。
【0113】尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。 (揮発性試験)得られた厚さ0.5mmのシートを70
mm角シートに裁断し、該シートをアルミ箔で包んだ
後、200℃に設定したギアー式老化試験機に入れ、2
0分後のシートの発泡状態を目視で判定した。
【0114】尚、シートの発泡状態は[実施例1]と同
様の基準で判定した。
【0115】
【表37】
【0116】
【表38】
【0117】
【表39】
【0118】
【表40】
【0119】試料番号1〜38は実施例、同番号39〜
98は比較例である。表37〜表40の結果を比較すれ
ば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、
金属の発錆防止性が優れているとともに、揮発性物質の
低減性にも優れていることがわかる。尚、試料番号39
〜42の如く、本発明の添加剤を添加してもその添加量
が本発明の添加量よりも多い場合は、十分な金属の発錆
防止性が得られない。また、試料番号43〜46の如
く、本発明の添加剤を添加してもその添加量が本発明の
添加量よりも少ない場合、試料番号47〜78の如く、
本発明以外の添加剤を添加した場合、試料番号79〜9
4の如く、マグネシウム化合物とカルシウム化合物が併
用添加されていても、当該化合物がマグネシウムとカル
シウムの複塩化合物よりなるドロマイト系化合物でない
場合、試料番号95〜98の如く、添加剤を添加しない
場合は、いずれも十分な金属の発錆防止性と揮発性物質
の低減性が得られない。
【0120】
【発明の効果】本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、従
来の技術に比べて金属の発錆防止性と揮発性物質の低減
性が格段に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 97/02 C08L 97/02 (72)発明者 安斎 芳仁 神奈川県川崎市高津区久地788番地 三共 有機合成株式会社内 (72)発明者 大野 博一 神奈川県川崎市高津区久地788番地 三共 有機合成株式会社内 (72)発明者 吉村 成人 神奈川県川崎市高津区久地788番地 三共 有機合成株式会社内 (72)発明者 久保 道弘 神奈川県川崎市高津区久地788番地 三共 有機合成株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AA01W AH00X BB00W BB03W BB06W BB12W BC02W BC03W BC06W BD03W BD04W BD18W BE02W BE06W BF02W BG10W BN15W CB00W CF06W CF07W CF16W CG00W CH07W CL01W CL03W CN01W CN03W DE236 FA086 FB076 FB086 FB236 FD060 GL00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂100重量部及び木粉5〜1
    50重量部からなる木質熱可塑性樹脂に、ドロマイト系
    化合物を0.01〜20.0重量部添加してなる木質熱
    可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ドロマイト系化合物が、天然ドロマイト及
    び/または炭酸マグネシウム−炭酸カルシウムの複塩化
    合物よりなる合成ドロマイトであることを特徴とする請
    求項1に記載の木質熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ドロマイト系化合物が、そのマグネシウム
    とカルシウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対9
    5〜95対5の複塩化合物であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の木質熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ドロマイト系化合物が、そのマグネシウム
    とカルシウムの重量比率がMgO対CaO換算で5対9
    5〜95対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロ
    マイトを含んでなることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれか1つに記載の木質熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ドロマイト系化合物が、無機亜鉛化合物、
    有機酸、有機酸金属塩または多価アルコール化合物の中
    から選ばれた少なくとも一種の化合物で表面処理された
    ドロマイト系化合物であることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれか1つに記載の木質熱可塑性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂、ポリ
    オレフィン系樹脂またはスチレン系樹脂であることを特
    徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の木
    質熱可塑性樹脂組成物。
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JP2006342275A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Okitsu:Kk 再生合成樹脂組成物及び再生合成樹脂組成物の製造方法
JP2018095708A (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 トヨタ車体株式会社 内装品の製造方法

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