JP2004149627A - 安定化された木質熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

安定化された木質熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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直樹 安田
Hiroichi Ono
博一 大野
Masaharu Akitsu
正春 秋津
Shigeto Yoshimura
成人 吉村
Michihiro Kubo
道弘 久保
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Abstract

【課題】成形加工時の成形機の金属面の発錆抑制に優れた木質熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決の手段】熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物及びドロマイト系化合物を特定量添加する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物及びドロマイト系化合物を添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、押出成形、射出成形等の成形時の成形機のスクリュー、シリンダー、金型等の金属面の発錆の抑制が要求される分野に広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
木材は主として建材用途に多数使用されているが、木材を使用した製品は、燃焼性、耐久性、耐候性等の問題があり、又、森林の伐採による環境破壊も大きな問題となってきている。そこで、木材の代替品として、熱可塑性樹脂に木粉を使用して、木質感のある成形品を得ることはよく知られており、近年、熱可塑性樹脂に木粉を添加して、床、天井、階段の手摺、窓枠、扉枠、ベランダ等の住宅の内装材・外装材に使用するケースが増えてきている。しかしながら、熱可塑性樹脂に木粉を添加して、押出成形、射出成形等の成形加工をした場合、成形機のスクリュー、シリンダー、金型等の金属面が発錆する問題を生じる。これらの問題を解決するために、下記の技術が既に開示されている。
(1)結晶性ポリオレフィンと、古紙パルプを主成分とするプラスチック改質剤に、ハイドロタルサイト類、ゼオライト類、アルカリ土類金属の酸化物または炭酸塩、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、ヒドロキシ脂肪酸金属塩及びヒンダードアミン系光安定剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を添加する方法(特開平11−60830号)により、成形金型内面での発錆を防止する技術。当該技術に用いられるアルカリ土類金属の酸化物又は炭酸塩を構成する金属のうちマグネシウムとカルシウムは、本発明で用いられるドロマイト系化合物を構成する金属と同一ではあるが、当該技術には、本発明で用いられるドロマイト系化合物の記載はなく、又、塩基性含窒素化合物とドロマイト系化合物を木質熱可塑性樹脂に併用添加した場合の発錆の抑制についての記載や示唆もない。
(2)熱可塑性樹脂と籾殻に、塩基性充填剤である酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム等を添加する方法(特開昭63−202661号)により、揮発性物質を低減し、発錆を防止する技術。当該技術に使用される塩基性充填剤を構成するマグネシウムとカルシウムは、本発明で用いられるドロマイト系化合物を構成する金属と同一ではあるが、当該技術には、本発明で用いられるドロマイト系化合物の記載はなく、又、塩基性含窒素化合物とドロマイト系化合物を木質熱可塑性樹脂に併用添加した場合の発錆の抑制についての記載や示唆もない。
(3)ポリオレフィンと木質系材料中の水酸基に多塩基酸無水物を付加エステル化して得られるエステル化木質系材料からなる樹脂組成物に、尿素を添加する方法(特開2000−103913号)により、紫外線等による変色を防止する技術。当該技術に使用される尿素は、本発明で用いられる塩基性含窒素化合物と同一であるが、当該技術には、本発明で用いられるドロマイト系化合物の記載はなく、又、塩基性含窒素化合物とドロマイト系化合物を木質熱可塑性樹脂に併用添加した場合の発錆の抑制についての記載や示唆もない。
(4)塩化ビニル系樹脂と木質粉末からなる塩化ビニル系樹脂組成物にビスアミド系化合物、ジアルキルカルボン酸アミド系化合物及び尿素誘導体などのうち少なくとも1種を添加する方法(特開平8−302129号)により、良好な成形性と木材に近い特性を付与する技術。当該技術に使用されているビスアミド系化合物、ジアルキルカルボン酸アミド系化合物及び尿素誘導体は塩基性含窒素化合物であるが、本発明で用いられる塩基性含窒素化合物とは異なる。又、本発明で用いられるドロマイト系化合物の記載はなく、塩基性含窒素化合物とドロマイト系化合物を木質熱可塑性樹脂に併用添加した場合の発錆の抑制についての記載や示唆もない。
【0003】
【特許文献1】特開平11−60830号公報
【特許文献2】特開昭63−202661号公報
【特許文献3】特開2000−103913号公報
【特許文献4】特開平8−302129号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂に、特開平11−60830号に記載されているハイドロタルサイト類、ゼオライト類、アルカリ土類金属の酸化物や炭酸塩、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、ヒドロキシ脂肪酸金属塩又はヒンダードアミン系光安定剤を添加する技術、特開昭63−202661号に記載されている酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム又はケイ酸カルシウムを添加する技術、特開2000−103913号に記載されている尿素を添加する技術並びに特開平8−302129号に記載されているビスアミド系化合物、ジアルキルカルボン酸アミド系化合物及び尿素誘導体を添加する技術では、発錆を抑制する効果は十分ではなく、成形加工時の成形機のスクリュー、シリンダー及び金型等の金属面の発錆抑制に優れる木質熱可塑性樹脂組成物の提供が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる観点から、熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂を成形する際に、成形機のスクリュー、シリンダー及び金型等の金属面の発錆抑制に優れる組成物について鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物を0.01〜20質量部を併用添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物は、成形加工時の成形機のスクリュー、シリンダー及び金型等の金属面の発錆抑制に極めて優れることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、一般に使用される熱可塑性樹脂が使用でき、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、シンジオタクチックポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体 (ABS樹脂) 、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−(α−メチル)スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体 (AES樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロンMXD6等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド及びこれらの樹脂のブレンド樹脂(ポリマーアロイ)等を挙げることができ、好ましくは塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン及びスチレン系樹脂を挙げることができる。
【0007】
本発明で用いられる木粉は、一般に使用される木粉であれば使用でき、例えば、栂、檜、杉、松、ラワン等の木材の木材片、木屑、鉋屑及び鋸屑等を挙げることができる。これらの木粉は、製材工場、木工工場等から副生物、廃棄物として豊富に供給される。市販品としてはカネキ燃料(株)の木粉、J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社の「LIGNOCEL C−120」、「LIGNOCEL
HB−120」及び「LIGNOCEL HB−200」、アメリカン・ウッド・ファイバー社の「Wood Flour 6010」及び「Wood Flour 6020」等の木粉を挙げることができる。
【0008】
本発明に用いられる木粉の粒子の形、大きさは、成形加工性、成形品の品質等に問題を生じない形状ならばよく、木粉の平均粒径は30〜500μmであり、通常は70〜200μmである。平均粒径が30μm未満若しくは500μmを超えた場合は、いずれも良好な木質感を得ることはできない。
【0009】
本発明で用いられる木粉の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に、5〜150質量部であり、通常は20〜100質量部である。木粉の添加量が5質量部未満の場合には、成形機の金型等の発錆は少なくなるが、天然木材に近い特性、例えば、熱膨張率、釘打ち特性、剛性、手触り感等の風合い、表面状態、木質感等が得難くなり、150質量部を超えた場合には天然木材に近い特性を得ることはできるが、発錆が多くなり発錆抑制が難しく、更に、熱可塑性樹脂と木粉は相溶性が悪いため、溶融樹脂内で木粉が凝集し易く、分散不良となり、ビルドアップや物性値の低下等の問題が生じる。
【0010】
本発明で用いられる塩基性含窒素化合物としては、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド及びポリアミン類を挙げることができる。
【0011】
本発明で用いられる尿素及び尿素誘導体は、式(1)
NC(=X)NR (1)
〔式(1)中、R、R、R及びRは水素、メチル基、エチル基、アセチル基、メチロール基、フェニル基又はCONHを示し、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
で示される。
【0012】
式(1)で示される尿素及び尿素誘導体の具体例としては、尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、エチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1−メチル−3−エチル尿素、アセチル尿素、1−メチル−3−アセチル尿素、1,3−ジアセチル尿素、1−メチル−3−メチロール尿素,1,3−ジメチロール尿素、1−メチル−3−フェニル尿素、1,3−ジフェニル尿素、ビウレット、トリウレット、チオ尿素、メチルチオ尿素、アセチルチオ尿素及び1,3−ジフェニルチオ尿素等を挙げることができ、好ましくは尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット及びトリウレットを挙げることができ、最も好ましくは尿素を挙げることができる。
【0013】
本発明で用いられる低級脂肪酸アミドは、式(2)及び式(3)
CONH (2)
(RCONH)(CH (3)
〔式(2)及び式(3)中、R又はRは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2若しくは3のアルケニル基を示し、mは1又は2の整数を示す。〕
で示される。
【0014】
炭素数1〜3のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを挙げることができる。
【0015】
炭素数2若しくは3のアルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル及びプロペニル等を挙げることができる。
【0016】
式(2)で示される低級脂肪酸アミドの具体例としては、アセトアミド、プロピオンアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、アクリルアミド、ビニルアセトアミド及びクロトンアミド等を挙げることができ、好ましくはアセトアミド及びアクリルアミドを挙げることができる。
【0017】
式(3)で示される低級脂肪酸アミドの具体例としては、メチレンビスアセトアミド、メチレンビスプロピオンアミド、メチレンビスブチルアミド、メチレンビスイソブチルアミド、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスビニルアセトアミド、メチレンビスクロトンアミド、エチレンビスアセトアミド、エチレンビスプロピオンアミド、エチレンビスブチルアミド、エチレンビスイソブチルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスビニルアセトアミド及びエチレンビスクロトンアミド等を挙げることができる。
【0018】
本発明で用いられる二塩基酸アミドは、式(4)
(HNOC)R(CONH) (4)
〔式(4)中、Rは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基又はビニレン基を示す。〕
で示される。
【0019】
炭素数1〜4のアルキレン基の具体例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン等を挙げることができる。
【0020】
式(4)で示される二塩基酸アミドの具体例としては、Rが単結合の場合には、オキサミド、Rが炭素数1〜4のアルキレン基の場合には、マロンアミド、スクシンアミド、グルタルアミド及びアジポアミド、Rがビニレン基の場合には、マレインアミド及びフマルアミド等を挙げることができ、好ましくはマロンアミド及びスクシンアミドを挙げることができる。
【0021】
本発明で用いられるポリアミン類は、ヘキサメチレンテトラミン及び式(5)
N(CHCHNH)H (5)
〔式(5)中、nは1〜5の整数を示す。〕
で示される脂肪族ポリアミンを挙げることができ、好ましくはヘキサメチレンテトラミンである。
【0022】
脂肪族ポリアミンの具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミンを挙げることができる。
【0023】
本発明で用いられる塩基性含窒素化合物の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.001〜5質量部であり、好ましくは0.01〜3質量部である。
【0024】
塩基性含窒素化合物の添加量が、0.001質量部未満の場合には、押出成形、射出成形等の成形加工時の発錆を抑制する効果が得られない。又、5質量部を超えた場合には、増量による予期した発錆抑制の効果が得られない。
【0025】
本発明で用いられるドロマイト系化合物には、特別の制限はなく、天然に広く産出し、壁材料、製鉄用耐火物等に用いられているドロマイト(天然ドロマイト又は苦灰石)を用いることができる。更に、ドロマイト系化合物は、その化学組成が炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムとの複塩化合物からなる合成ドロマイトを用いることもできる。
【0026】
本発明で用いられる天然及び合成ドロマイトの組成は、マグネシウムとカルシウムがある比率で混在していればよく、そのマグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5であることが好ましい。この比率範囲を外れた天然及び合成ドロマイトを用いた場合には、金型の発錆抑制の効果が十分ではない。
【0027】
又、本発明では、これらの天然及び合成ドロマイトについて焼成、消化等を行い、金属元素組成を大きく変更させることなく変成したドロマイトの誘導体を用いることもできる。その具体例としては、ドロマイトを700〜800℃で加熱して得られるドロマイトセメント、900〜1000℃で加熱して得られる軽焼ドロマイト、更に1600〜1800℃の高温で硬焼した死焼ドロマイト、軽焼ドロマイトに水を加えて消化した苦土消石灰、合成マグドロクリンカー等が挙げられる。更に、本発明には、アケルマナイト(CaMgSi)や透輝石〔CaMg(SiO〕、各種スラグのように、カルシウムとマグネシウムの比率が前記の合成ドロマイトと同じ範囲にある天然鉱物や合成の複塩を同様に変成した誘導体も用いることができる。更に、これらの任意の混合物であってもよい。
【0028】
これらのドロマイト及びその誘導体を、本明細書では『ドロマイト系化合物』と総称するが、これらのドロマイト系化合物は工業的に幅広く、大量に産出されており、製鋼から陶器、建材、農業等極めて幅広い産業で使用されているため、安定な品質で、安易かつ安価に入手可能なものである。中でも、軽焼ドロマイトを使用した場合、成形加工時の金属面の発錆抑制効果が特に良好である。
【0029】
又、ドロマイト系化合物は、ドロマイト系化合物と木質熱可塑性樹脂との相溶性、分散性等を向上させるために特定の化合物で表面処理すると、成形加工時の金属面の発錆抑制効果が向上する。本発明の表面処理に用いる特定の化合物、即ち表面処理剤としては、無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩及び多価アルコール化合物を挙げることができる。これらの化合物は各々単独で用いてもよく、任意の混合物として用いてもよい。
【0030】
本発明の表面処理剤として用いられる無機亜鉛化合物としては酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜硫酸亜鉛、リン酸亜鉛及び水酸化亜鉛等を挙げることができる。これらの化合物は各々単独で用いてもよく、任意の混合物として用いてもよい。
【0031】
本発明の表面処理剤として用いられる有機酸としては、炭素数2〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素数2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸、炭素数3〜18の不飽和脂肪族カルボン酸、炭素環式カルボン酸、複素環式カルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等を挙げることができる。
【0032】
炭素数2〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等を挙げることができる。
【0033】
炭素数2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸及びセバシン酸等を挙げることができる。
【0034】
炭素数3〜18の不飽和脂肪族カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、クロトン酸、フマル酸及びオレイン酸等を挙げることができる。
【0035】
炭素環式カルボン酸の具体例としては、安息香酸、ショウノウ酸、フタル酸、トルイル酸、ヒドロアトロバ酸及びケイ皮酸等を挙げることができる。
【0036】
複素環式カルボン酸の具体例としては、フル酸、テン酸、ピロリドンカルボン酸及びニコチン酸等を挙げることができる。
【0037】
ヒドロキシ酸及びアルコキシ酸の具体例としては、乳酸、リンゴ酸、ベンジル酸、サルチル酸、アニス酸、バニリン酸、プロトカテク酸及び没食子酸等を挙げることができる。
【0038】
アミノ酸及びアミノ酸誘導体の具体例としては、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、グリシン、N−ステアロイルグリシン、N−アセチルグルタミン酸、N−ラウロイルロイシン及びγ−メチルグルタミン酸等を挙げることができる。
【0039】
本発明の表面処理剤として用いられる有機酸金属塩としては、前記の有機酸の金属塩を挙げることができる。当該金属塩の金属の具体例としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、リチウム、アルミニウム及びニッケル等を挙げることができる。更には、これらの有機酸金属塩が二種以上の混合物や複塩化合物であってもよい。
【0040】
本発明の表面処理剤として用いられる多価アルコール化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン及びポリグリセリン等を挙げることができる。又、これらの化合物の水酸基の一部をエステル化やエーテル化したものも本発明にいう多価アルコール化合物に含まれる。
【0041】
特にペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールを炭素数10〜22の高級脂肪酸又は炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸で部分エステル化した部分エステル化物は高分子量であるため、該部分エステル化物で表面処理したドロマイト系化合物を添加した木質熱可塑性樹脂組成物を加熱成形加工する時、該部分エステル化物は昇華がなく、金型汚染を起こさず、木質熱可塑性樹脂組成物の加工性が向上する、処理粉体(表面処理したドロマイト系化合物)の樹脂中への分散性に優れている、等の付加的な長所を有するので好ましい。
【0042】
炭素数10〜22の高級脂肪酸の具体例としては、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸及びリノール酸等を挙げることができる。
【0043】
炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸及びセバシン酸等を挙げることができる。
【0044】
部分エステル化物の酸成分に用いられる炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボンは低昇華性に寄与し、炭素数10〜22の高級脂肪酸は処理粉体の加工性改善及び良分散性に寄与する。
【0045】
このように、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトール及び炭素数10〜22の高級脂肪酸又は炭素数4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸とでエステル化反応を行い、一部の水酸基がエステル化された部分エステル化物は、特開昭53−6350号、特開昭57−61289号及び特開昭55−69639号に記載された既知の方法で工業的に容易に製造することができる。
【0046】
又、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じ、工業的に使用されている他の表面処理剤を適宜に併用することができる。その具体例としては、シラン系、アルミニウム系、リン系等のカップリング剤や、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤及び高分子系の分散剤等を挙げることができる。しかしながら、本発明の熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物及びドロマイト系化合物を添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物が十分な発錆抑制効果を得るためには、前記の本発明以外の表面処理剤の使用量を本発明の無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩及び多価アルコール化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の使用量に対して、多くとも同量ないしは同量未満の使用にすることが好ましい。
【0047】
これらの表面処理剤の使用量は、適宜併用される他の表面処理剤も含めてドロマイト系化合物の種類、その粉体粒子の比表面積及びその表面に結合した水分量等によっても異なるが、表面処理されるべきドロマイト系化合物に対して0.05〜40質量%、好ましくは、0.1〜20質量%である。表面処理剤の使用量が表面処理されるべきドロマイト系化合物に対して0.05質量%未満では表面処理の効果がほとんどなく、一方、40質量%より多く使用しても、ドロマイト系化合物粉体粒子の表面が処理剤で飽和してしまい、表面処理の効果はそれ以上向上しない。
【0048】
表面処理の方法に、特別な制限はなく、例えば、(1)ドロマイト系化合物粉体に表面処理剤をそのまま添加してヘンシェルミキサー、コロイドミル、ボールミル及びアトマイザー等の粉砕機を用いて共粉砕する方法、(2)トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホルム、ジエチルエーテル、水、エタノール及びメタノール等の適当な溶媒中に表面処理剤及びドロマイト系化合物を加え、撹拌混合後、溶媒を除去する方法等を挙げることができる。
【0049】
本発明に用いられる表面処理されたドロマイト系化合物は、表面処理をしていないドロマイト系化合物と比較して、成形機のスクリュー、シリンダー及び金型等の金属面の発錆抑制効果が優れており、又、ドロマイト系化合物の分散性が向上するので表面性の良い成形品が得られる。
【0050】
本発明で用いられるドロマイト系化合物の平均粒子径(表面処理されたドロマイト系化合物の場合は表面処理後の平均粒子径)は、100μm以下が好ましく、特に好ましくは10μm以下である。100μmより大きいと成形品の表面がざらつき、物性値の低下等の問題が生じる。
【0051】
本発明で用いられるドロマイト系化合物の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部であり、好ましくは0.1〜15質量部である。
【0052】
ドロマイト系化合物の添加量が、0.01質量部未満の場合には、押出成形、射出成形などの成形加工時の発錆を抑制する効果が得られない。20質量部を超えた場合には、増量による予期した発錆を抑制する効果が得られず、又、成形品の物性値の低下等の問題が生じる。
【0053】
本発明で用いられる塩基性含窒素化合物及びドロマイト系化合物を熱可塑性樹脂及び木粉からなる木質熱可塑性樹脂に添加混合する方法は、従来公知の方法で行えばよく、例えば、熱可塑性樹脂、木粉、塩基性含窒素化合物及びドロマイト系化合物をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー等で混合してもよいし、熱可塑性樹脂に、木粉、塩基性含窒素化合物及びドロマイト系化合物をあらかじめワンパックしたものを前述の混合機で混合してもよい。
【0054】
更に、本発明に使用される上記成分以外に他の添加剤、例えば、熱劣化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、分散剤、発泡剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、強化剤、加工助剤及び顔料等を併用することもできる。
【0055】
本発明に併用使用される熱劣化防止剤としては、ジブチル錫マレイン酸塩、ジブチル錫ビス(マレイン酸モノエステル)塩、ジブチル錫メルカプトカルボン酸塩、モノブチル錫トリス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、ジブチル錫ビス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、モノブチル錫サルファイド、ジブチル錫サルファイド、ジブチル錫ジカルボン酸塩、ジオクチル錫マレイン酸塩、ジオクチル錫ビス(マレイン酸モノエステル)塩、ジオクチル錫メルカプトカルボン酸塩、モノオクチル錫トリス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、ジオクチル錫ビス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、モノオクチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイド、ジオクチル錫ジカルボン酸塩、ジメチル錫メルカプトカルボン酸塩、モノメチル錫トリス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、ジメチル錫ビス(メルカプトカルボン酸エステル)塩、モノメチル錫トリス(2−メルカプトエタノールカルボン酸エステル塩)、ジメチル錫ビス(2−メルカプトエタノールカルボン酸エステル塩)、モノメチル錫サルファイド及びジメチル錫サルファイド等の有機錫系化合物、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム及びステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜隣酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛及び安息香酸鉛等の鉛化合物等を挙げることができる。
【0056】
本発明に当たっては、以下のような実施態様を挙げることが出来る。
(1)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(2)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.01〜3質量部及びドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(3)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(4)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.01〜3質量部及びドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(5)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.001〜5質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(6)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.01〜3質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(7)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.001〜5質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(8)熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.01〜3質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(9)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(10)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.01〜3質量部及びドロマイト系化合物0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(11)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(12)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.01〜3質量部及びドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(13)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)式(1)
NC(=X)NR (1)
〔式(1)中、R、R、R及びRは水素、メチル基、エチル基、アセチル基、メチロール基、フェニル基又はCONHを示し、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
で示される尿素若しくは尿素誘導体、
式(2)若しくは式(3)
CONH (2)
(RCONH)(CH (3)
〔式(2)及び式(3)中、R又はRは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2若しくは3のアルケニル基を示し、mは1又は2の整数を示す。〕
で示される低級脂肪酸アミド、
(HNOC)R(CONH) (4)
〔式(4)中、Rは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基又はビニレン基を示す。〕
で示される二塩基酸アミド、
又はヘキサメチレンテトラミン若しくは式(5)
N(CHCHNH)H (5)
〔式(5)中、nは1〜5の整数を示す。〕
で示される脂肪族ポリアミンからなるポリアミン類、の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)ドロマイト系化合物
を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(14)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)式(1)
NC(=X)NR (1)
〔式(1)中、R、R、R及びRは水素、メチル基、エチル基、アセチル基、メチロール基、フェニル基又はCONHを示し、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
で示される尿素若しくは尿素誘導体、
式(2)若しくは式(3)
CONH (2)
(RCONH)(CH (3)
〔式(2)及び式(3)中、R又はRは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2若しくは3のアルケニル基を示し、mは1又は2の整数を示す。〕
で示される低級脂肪酸アミド、
式(4)
(HNOC)R(CONH) (4)
〔式(4)中、Rは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基又はビニレン基を示す。〕
で示される二塩基酸アミド、
又はヘキサメチレンテトラミン若しくは式(5)
N(CHCHNH)H (5)
〔式(5)中、nは1〜5の整数を示す。〕
で示される脂肪族ポリアミンからなるポリアミン類、の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)ドロマイト系化合物
を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(15)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)ドロマイト系化合物
を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(16)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)ドロマイト系化合物
を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(17)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)マグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物
を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(18)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)マグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物
を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(19)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)マグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイト
を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(20)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)マグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイト
を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(21)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.001〜5質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(22)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.01〜3質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(23)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、(A成分)尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物
を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(24)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物
を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(25)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)式(1)
NC(=X)NR (1)
〔式(1)中、R、R、R及びRは水素、メチル基、エチル基、アセチル基、メチロール基、フェニル基又はCONHを示し、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
で示される尿素若しくは尿素誘導体、
式(2)若しくは式(3)
CONH (2)
(RCONH)(CH (3)
〔式(2)及び式(3)中、R又はRは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2若しくは3のアルケニル基を示し、mは1又は2の整数を示す。〕
で示される低級脂肪酸アミド、
(HNOC)R(CONH) (4)
〔式(4)中、Rは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基又はビニレン基を示す。〕
で示される二塩基酸アミド、
又はヘキサメチレンテトラミン若しくは式(5)
N(CHCHNH)H (5)
〔式(5)中、nは1〜5の整数を示す。〕
で示される脂肪族ポリアミンからなるポリアミン類、の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(26)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)式(1)
NC(=X)NR (1)
〔式(1)中、R、R、R及びRは水素、メチル基、エチル基、アセチル基、メチロール基、フェニル基又はCONHを示し、R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよい。Xは酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
で示される尿素若しくは尿素誘導体、
式(2)若しくは式(3)
CONH (2)
(RCONH)(CH (3)
〔式(2)及び式(3)中、R又はRは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数2若しくは3のアルケニル基を示し、mは1又は2の整数を示す。〕
で示される低級脂肪酸アミド、
式(4)
(HNOC)R(CONH) (4)
〔式(4)中、Rは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基又はビニレン基を示す。〕
で示される二塩基酸アミド、
又はヘキサメチレンテトラミン若しくは式(5)
N(CHCHNH)H (5)
〔式(5)中、nは1〜5の整数を示す。〕
で示される脂肪族ポリアミンからなるポリアミン類、の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(27)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物を合計0.001〜5質量部、及び
(B成分)無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(28)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、
(A成分)尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ビウレット、トリウレット、アセトアミド、アクリルアミド、マロンアミド、スクシンアミド又はヘキサメチレンテトラミンの中から選ばれた少なくとも1種の化合物を合計0.01〜3質量部、及び
(B成分)無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(29)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(30)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.01〜3質量部及びドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(31)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.001〜5質量部及びマグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(32)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.01〜3質量部及びマグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物よりなるドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(33)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.001〜5質量部及びマグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイトを0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(34)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.01〜3質量部及びマグネシウムとカルシウムの質量比率がMgO対CaO換算で5対95〜95対5の複塩化合物を軽焼して得られる軽焼ドロマイトを0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(35)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.001〜5質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
(36)塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂から選ばれた熱可塑性樹脂100質量部及び木粉20〜100質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、尿素を0.01〜3質量部及び無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物を0.1〜15質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(9)〜(36)が挙げられ、更に好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(17)〜(36)が挙げられ、特に好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(21)〜(36)が挙げられ、最も好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(29)〜(36)が挙げられる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、当該発明はこれらによって限定されるものではない。これらの実施例において、部とは質量部を意味する。
【0059】
(製造例1)
水酸化マグネシウム 5.83kgと水酸化カルシウム 7.41kgを水 200kgに投入し、10℃にて攪拌しつつ3時間炭酸ガスを吹き込んだ。生じた沈殿物を濾過し、炭酸ガス雰囲気下50℃以下にて乾燥して炭酸マグネシウム−炭酸カルシウム複塩(合成ドロマイト)15.23kgを得た。得られた複塩のマグネシウムとカルシウムの質量比率は、MgO対CaO換算で42対58であった。
【0060】
(製造例2)
製造例1で得られた合成ドロマイトを1000℃にて1時間焼成し、軽焼合成ドロマイトを得た。
【0061】
(製造例3)
製造例2で得られた軽焼合成ドロマイト 1.9kgを、ステアリン酸カルシウム 0.1kgと共に脱気した乾式条件下において24時間かけて粉砕した。得られたステアリン酸カルシウム表面処理合成ドロマイトのメジアン径は1.1μmであった。
【0062】
(製造例4)
軽焼ドロマイト〔田源石灰工業(株)製〕未粉砕品 19.0kgを、ステアリン酸カルシウム 1.0kgと共に脱気した乾式条件下において24時間かけて粉砕した。得られたステアリン酸カルシウム表面処理ドロマイトのメジアン径は1.1μmであった。
【0063】
(製造例5)
水酸化マグネシウム 0.69kgと水酸化カルシウム 12.13kgを水200kgに投入し、10℃にて攪拌しつつ3時間炭酸ガスを吹き込んだ。生じた沈殿物を濾過し、炭酸ガス雰囲気下50℃以下にて乾燥し、炭酸マグネシウム−炭酸カルシウム複塩(合成ドロマイト)14.36kgを得た。得られた複塩のマグネシウムとカルシウムの質量比率は、MgO対CaO換算で5対95であった。この合成ドロマイト 1.9kgを、ステアリン酸カルシウム 0.1kgと共に脱気した乾式条件下において24時間かけて粉砕した。得られたステアリン酸カルシウム表面処理合成ドロマイトのメジアン径は1.1μmであった。
【0064】
(製造例6)
水酸化マグネシウム 13.19kgと水酸化カルシウム 0.64kgを水200kgに投入し、10℃にて攪拌しつつ3時間炭酸ガスを吹き込んだ。生じた沈殿物を濾過し、炭酸ガス雰囲気下50℃以下にて乾燥し、炭酸マグネシウム−炭酸カルシウム複塩(合成ドロマイト)16.46kgを得た。得られた複塩のマグネシウムとカルシウムの質量比率は、MgO対CaO換算で95対5であった。この合成ドロマイト 1.9kgを、ステアリン酸カルシウム 0.1kgと共に脱気した乾式条件下において24時間かけて粉砕した。得られたステアリン酸カルシウム表面処理合成ドロマイトのメジアン径は1.1μmであった。
【0065】
[A成分:本発明に用いられる塩基性含窒素化合物]
A−1 :尿素
A−2 :1,1,3,3−テトラメチル尿素
A−3 :1,3−ジフェニル尿素
A−4 :ビウレット
A−5 :チオ尿素
A−6 :アセトアミド
A−7 :アクリルアミド
A−8 :メチレンビスアセトアミド
A−9 :スクシンアミド
A−10:エチレンジアミン
A−11:ヘキサメチレンテトラミン
[B成分:ドロマイト系化合物]
B−1 :ドロマイト〔田源石灰工業(株)製〕表面未処理・粉砕品
B−2 :軽焼ドロマイト〔田源石灰工業(株)製〕表面未処理・粉砕品
B−3 :苦土消石灰〔田源石灰工業(株)製〕表面未処理・粉砕品
B−4 :(合成例1)に記載の合成ドロマイト 表面未処理・粉砕品
B−5 :(合成例2)に記載の軽焼合成ドロマイト 表面未処理・粉砕品
B−6 :(合成例3)に記載の軽焼合成ドロマイト 表面処理・粉砕品
B−7 :(合成例4)に記載の軽焼ドロマイト 表面処理・粉砕品
B−8 :(合成例5)に記載の合成ドロマイト 表面処理・粉砕品
B−9 :(合成例6)に記載の合成ドロマイト 表面処理・粉砕品
[C成分:本発明以外の添加剤]
C−1 :酸化マグネシウム
C−2 :酸化カルシウム
C−3 :炭酸マグネシウム
C−4 :炭酸カルシウム
C−5 :水酸化マグネシウム
C−6 :水酸化カルシウム
C−7 :合成ハイドロタルサイト[協和化学工業(株)製、商品名 DHT−4A]
C−8 :合成ゼオライト[東ソー(株)製、商品名 トヨビルダー]
C−9 :繊維状マグネシウムオキシサルフェート[宇部興産(株)製、商品名モスハイジ]
C−10:12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
C−11:メチレンビスステアロアミド
C−12:ステアリン酸マグネシウム
C−13:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート[三共(株)製、商品名 サノールLS−770]
C−14:ステアリン酸カルシウム
C−15:テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名 イルガノックス1010]
C−16:チオジプロピオン酸ジラウリル[吉富ファインケミカル(株)製、商品名 DLTP]
[実施例1]
塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 ZEST 1000Z]100部、木粉[カネキ燃料(株)製](添加量は表1〜表6に記載)、ステアリン酸カルシウム1部、ステアリン酸亜鉛1部及び表1〜表6に示す添加剤をよく混合した組成物を、180℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。尚、釘の錆の発生状態は、以下の基準で判定した。
◎ :釘には錆が全く発生していない。
○ :釘には錆が一部わずかに発生している。
△ :釘には錆が約30%未満発生している。
▲ :釘には錆が約50%未満発生している。
× :釘には錆が約50%以上発生している。
××:釘には錆が全面に発生している。
【0066】
【表1】
Figure 2004149627
【0067】
【表2】
Figure 2004149627
【0068】
【表3】
Figure 2004149627
【0069】
【表4】
Figure 2004149627
【0070】
【表5】
Figure 2004149627
【0071】
【表6】
Figure 2004149627
【0072】
試料番号1〜62は実施例、同番号63〜115は比較例である。表1〜表6の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号61及び62の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号63及び64の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号65の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号66の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号67の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号68の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号69及び70の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号71〜89の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号90〜113の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号114及び115の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例2]
塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 ZEST 1000Z]100部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL C−120(粒径70〜150μm)](添加量は表7〜表12に記載)、ジブチル錫マレエート系安定剤[三共有機合成(株)製 STANN BM(N)]1部及び表7〜表12に示す添加剤をよく混合した組成物を、180℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0073】
【表7】
Figure 2004149627
【0074】
【表8】
Figure 2004149627
【0075】
【表9】
Figure 2004149627
【0076】
【表10】
Figure 2004149627
【0077】
【表11】
Figure 2004149627
【0078】
【表12】
Figure 2004149627
【0079】
試料番号1〜62は実施例、同番号63〜115は比較例である。表7〜表12の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号61及び62の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号63及び64の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号65の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号66の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号67の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号68の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号69及び70の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号71〜89の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号90〜113の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号114及び115の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例3]
塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 ZEST 1000Z]100部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL HB−200(粒径50〜110μm)]50部、ジブチル錫メルカプト系安定剤[三共有機合成(株)製 STANN JF−95B]1部及び表13〜表15に示す添加剤をよく混合した組成物を、180℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0080】
【表13】
Figure 2004149627
【0081】
【表14】
Figure 2004149627
【0082】
【表15】
Figure 2004149627
【0083】
試料番号1〜26は実施例、同番号27〜53は比較例である。表13〜表15の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号26の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号27の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号28の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号29の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号30の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号31〜40の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号41〜52の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号53の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例4]
塩化ビニル樹脂[新第一塩ビ(株)製 ZEST 1000Z]100部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL C−120(粒径70〜150μm)]80部、三塩基性硫酸鉛1部、ステアリン酸鉛0.5部及び表16〜表18に示す添加剤をよく混合した組成物を、190℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、190℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0084】
【表16】
Figure 2004149627
【0085】
【表17】
Figure 2004149627
【0086】
【表18】
Figure 2004149627
【0087】
試料番号1〜27は実施例、同番号28〜54は比較例である。表16〜表18の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号27の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号28の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号29の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号30の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号31の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号32〜41の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号42〜53の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号54の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例5]
ポリプロピレン樹脂[出光石油化学(株)製 出光ポリプロ J−2000G]100部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL C−120(粒径70〜150μm)]80部及び表19〜表21に示す添加剤をよく混合した組成物を、180℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。尚、釘の錆の発生状態は[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0088】
【表19】
Figure 2004149627
【0089】
【表20】
Figure 2004149627
【0090】
【表21】
Figure 2004149627
【0091】
試料番号1〜27は実施例、同番号28〜53は比較例である。表19〜表21の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号27の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号28の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号29の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号30の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号31の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号32〜40の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号41〜52の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号53の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例6]
ポリスチレン樹脂[旭化成(株)製 スタイロン492]100部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL HB−200(粒径50〜110μm)]100部、ポリエチレンワックス[三井石油化学工業(株)製 HI−WAX400PF]0.3部及び表22〜表24に示す添加剤をよく混合した組成物を、150℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。なお、釘の錆の発生状態は、[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0092】
【表22】
Figure 2004149627
【0093】
【表23】
Figure 2004149627
【0094】
【表24】
Figure 2004149627
【0095】
試料番号1〜26は実施例、同番号27〜52は比較例である。表22〜表24の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号26の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号27の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号28の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号29の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号30の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号31〜39の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号40〜51の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号52の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例7]
ABS樹脂[テクノポリマー(株)TECHNO ABS 130NP]100部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL C−120(粒径70〜150μm)]80部及び表25〜表27に示す添加剤をよく混合した組成物を、170℃に調整した8インチ試験ロールで3分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。得られた厚さ0.5mmのシートを3mm角に裁断し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。なお、釘の錆の発生状態は、[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0096】
【表25】
Figure 2004149627
【0097】
【表26】
Figure 2004149627
【0098】
【表27】
Figure 2004149627
【0099】
試料番号1〜26は実施例、同番号27〜53は比較例である。表25〜表27の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号26の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号27の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号28の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号29の如く、A成分が本発明の添加量で添加されていても、B成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号30の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号31〜40の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号41〜52の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号53の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
[実施例8]
ポリエチレンテレフタレート樹脂[イーストマン・ケミカル社製 PETG−GN071]100部、MBS樹脂[呉羽化学工業(株)製 クレハ BTA−712]10部、ステアリン酸カルシウム0.5部、木粉[J・レッテンマイヤー・アンド・サンズ社製、LIGNOCEL C−120(粒径70〜150μm)]50部及び表28〜表30に示す添加剤をよく混合した組成物を、押出機を用いて185℃で熔融混練し、ペレットを得た。このペレットの5gと釘を試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱した後、試験管から釘を取り出した。この釘を、再度ペレットの5gと共に新たな試験管に投入し、200℃に設定したヒーティング・ブロックに入れ、30分加熱後の釘の錆の発生状態を目視で判定した。なお、釘の錆の発生状態は、[実施例1]と同様の基準で判定した。
【0100】
【表28】
Figure 2004149627
【0101】
【表29】
Figure 2004149627
【0102】
【表30】
Figure 2004149627
【0103】
試料番号1〜27は実施例、同番号28〜54は比較例である。表28〜表30の結果を比較すれば明らかな如く、本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、発錆抑制性が優れていることがわかる。尚、試料番号27の如く、A成分とB成分に本発明以外の添加剤を併用添加しても、A成分とB成分が本発明の添加量で添加されていれば、発錆抑制性が優れていることがわかる。しかし、試料番号28の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号29の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも多い場合、試料番号30の如く、B成分が本発明の添加量で添加されていても、A成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号31の如く、A成分とB成分の添加量が本発明の添加量よりも少ない場合、試料番号32〜41の如く、A成分又はB成分のいずれか1成分のみを添加する場合、試料番号42〜53の如く、本発明以外の添加剤を添加する場合、試料番号54の如く、添加剤を添加しない場合は、十分な発錆抑制性が得られない。
【0104】
【発明の効果】
本発明の木質熱可塑性樹脂組成物は、従来の技術に比べて成形加工時の成形機の金属面の発錆抑制性が格段に優れている。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂100質量部及び木粉5〜150質量部からなる木質熱可塑性樹脂に、塩基性含窒素化合物を0.001〜5質量部及びドロマイト系化合物を0.01〜20質量部添加してなる木質熱可塑性樹脂組成物。
  2. 熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン又はスチレン系樹脂である請求項1に記載の木質熱可塑性樹脂組成物。
  3. 塩基性含窒素化合物が、尿素、尿素誘導体、低級脂肪酸アミド、二塩基酸アミド又はポリアミン類の中から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1又は請求項2に記載の木質熱可塑性樹脂組成物。
  4. ドロマイト系化合物が、無機亜鉛化合物、有機酸、有機酸金属塩又は多価アルコール化合物の中から選ばれた少なくとも1種の化合物で表面処理されたドロマイト系化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の木質熱可塑性樹脂組成物。
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