JP2002137139A - 環状ベルト体の移送方法及び移送装置 - Google Patents
環状ベルト体の移送方法及び移送装置Info
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Abstract
て、生産性を損なうこと無く中間仕掛品を排除し、小ロ
ット加工にも適したプロファイル加工工程における環状
ベルト体の移送方法及び移送装置を提供する。 【解決手段】 加硫後の円筒状ベルトスリーブを小幅に
切断する切断機から、環状ベルト体を次工程に運ぶため
の移送装置5を、互いに離間した上下一対の受軸55,
60と、これら受軸55,60を備えて移動走行自在な
基台78とを有して、環状ベルト体を一対の受軸55,
60に亘って巻回架設された2点支持状態で移送するも
のに構成する。下受軸60を、両受軸55,60どうし
を結ぶ上下方向Zに対して交差する左右方向に首振り揺
動自在に構成する。
Description
送方法及び移送装置に係り、詳しくは、加硫後の円筒状
ベルトスリーブを小幅に切り出して環状ベルト体を形成
する切断工程から、切断工程にて形成された環状ベルト
体を次工程に移すための環状ベルト体の移送方法、或い
は加硫後の円筒状ベルトスリーブを切断して小幅の環状
ベルト体を形成する切断機から、切断機で形成された環
状ベルト体を次工程に運ぶための環状ベルト体移送装置
に関するものである。
び搬送装置は、特開平11−210848号公報にて示
されたものが知られている。即ち、環状ベルト体を、そ
の上端部のみを把持した吊下げ状態でX,Y,Zの三次
元方向に搬送自在であるとともに、環状ベルト体の受取
り及び受渡しを行うための着脱手段を備えて構成されて
おり、加工工程が多く、各工程機が1対1で構成される
ベルト外装面にカバー布を有するゴム伝動ベルトにおい
て実施されていた。
イル加工する一連の工程において、カット機で輪切りさ
れた1本の環状ベルト体を、1台以上の研磨機構と製品
及び非製品に区分して収容部とに跨って授受移送して一
連の加工を行い、工程内の仕掛品を削減し小ロット加工
に対応する環状ベルト体の移送方法及び移送装置に関す
る。
ル加工するリブドベルト、ローエッジベルト等のゴム伝
動ベルトにおいては、元来、加工工程が少なく、加工工
程間での加工機毎の配置台数も異なり、又多量生産であ
ることから、従来は、加工機単位で幅広の環状ベルト体
を一括研磨した後、1本にカットする方法が採られ、各
加工機での自動投入排出する搬送授受装置が実施されて
いる。
機内での自動投入排出のみでは、先ずカット工程、研磨
工程、外観検査工程、検尺工程等の各加工工程で投入仕
掛品と排出仕掛品が停滞しがちで生産性を阻害し、又少
量生産にも適さず、これら中間仕掛品の排除や小ロット
加工等への課題を有し、一方では加硫後の環状ベルト体
は前述の未加硫環状ベルト体に比して弾性が有り、移送
時は丸み形状を持つことから上端部のみを把持して吊り
下げる把持方式では場所を取り、移送振れを起こして移
送時間が掛かる問題もあった。
結して一体化を図るに当たり、環状ベルト体を加工機に
タイムリーに授受移送して一体化を図るもので、授受移
送の信頼性を確保して、高速化することで、生産性を損
なうこと無く中間仕掛品を排除して小ロット加工にも適
したプロファイル加工工程における環状ベルト体の移送
方法及び移送装置を提供することにある。
後の円筒状ベルトスリーブを小幅に切り出して環状ベル
ト体を形成する切断工程から、該切断工程にて形成され
た環状ベルト体を次工程に移すための環状ベルト体の移
送方法において、環状ベルト体を、そのループ内側に位
置させた一対の支持部材に亘って架設させた2点支持状
態で移送させることを特徴とする。
て円筒状ベルトスリーブから小幅に切り出された環状ベ
ルト体を、そのループ内側に位置させた一対の支持部材
に亘って架設させた2点支持状態で移送するものである
から、環状ベルト体を、揺れ動くとか、意図する向きと
異なる方向に向く等の姿勢乱れ無く安定した状態で迅速
に移送できるようになる。又、切断工程を行うカット機
や、次工程であるプロファイル加工工程では、互いに離
れた一対の支軸に環状ベルト体を伸張状態に掛け渡した
状態で回転させて加工を行うようになるので、2点支持
状態にある環状ベルト体の形状は、それら各工程におけ
るベルト体形状に近い又は同じになることから、工程間
の受け渡しを素早く、確実に行わせることが可能にな
る。
て、環状ベルト体を一対の支持部材によって緊張させた
状態で移送させる移送工程を有していることを特徴とす
るものである。請求項2の方法によれば、環状ベルト体
をある程度緊張させた2点支持状態で移送するものであ
るから、いきなり高速で移送開始するとか、急減速して
止まるといった多少乱暴な扱いを行っても、環状ベルト
体は一対の支持部材から脱落することなくしっかりと支
持され続ける状態を、環状ベルト体自身の有する弾性を
用いて実現できるようになる。
て、切断工程から移送工程への環状ベルト体の授受は、
環状ベルト体の緊張力が、移送工程における環状ベルト
体の緊張力よりも弱いものに緩和された状態で行われる
ことを特徴とするものである。請求項3の方法によれ
ば、移送時の脱落を回避すべき緊張力よりも弱い緊張力
の作用する2点支持状態で環状ベルト体の授受を行うか
ら、環状ベルト体の姿勢乱れが起きないようにしなが
ら、比較的弱い力で環状ベルト体を支持部材から押出し
移動(又は引張り移動)させて、移送装置と他の加工機
との間での授受(受け渡し)が行えるようになる。
スリーブを切断して小幅の環状ベルト体を形成する切断
機から、該切断機で形成された環状ベルト体を次工程に
運ぶための環状ベルト体移送装置において、互いに離間
した一対の支持部材と、これら支持部材を有した状態で
移動走行自在な基台とを有して、環状ベルト体を、これ
が一対の支持部材に亘って架設された2点支持状態で移
送するものに構成されていることを特徴とする。請求項
4の構成は、請求項1の方法の装置化であり、請求項1
の方法による作用と同等の作用を得ることができる。
て、支持部材は、環状ベルト体の外方への抜止め部を備
えた基端部と、環状ベルト体の授受を行うべく解放され
た先端部とを有するとともに、一対の支持部材に亘って
架設される環状ベルト体の緊張力が、該環状ベルト体の
支持部材における巻掛け箇所が先端側に寄るほど強くな
るテーパ形状に形成されていることを特徴とするもので
ある。請求項5の構成によれば、一対の支持部材に亘っ
て巻回される環状ベルト体の緊張力が、支持部材の先端
側に行くほど強くなるように支持部材にテーパーが施さ
れているから、一対の支持部材に巻回支持された環状ベ
ルト体が先端側に移動して外れてしまうという不都合が
先ず生じないようになり、他に専用の外れ止めを設ける
必要が無くなる。
において、一対の支持部材どうしの間隔が調節自在とな
る状態に構成されていることを特徴とするものである。
請求項6の構成によれば、支持部材どうしの間隔が調節
自在であるから、環状ベルト体の緊張力を任意に設定可
能となり、授受時の弱い緊張力や、移送時野比較的強い
緊張力の設定、或いは、環状ベルト体のサイズや長さの
違いに容易に対応することができる。又、支持部材の間
隔を、環状ベルト体の授受対象となる加工機の2点支持
状態における間隔に合わせるように調節することも自在
であり、種類の異なる各種加工機へのベルト授受であっ
ても良好に行えるようになる。
おいて、一対の支持部材に亘って架設されている状態の
環状ベルト体を、基端部から先端部へ向けて強制移動並
びに押出し自在な押出し機構が装備されていることを特
徴とするものである。請求項7の構成によれば、脱落防
止用として先拡がり状に形成されている一対の支持部材
により、その先端側には移動し難い状況にある環状ベル
ト体を、押出し機構により、テーパーによる抵抗に逆ら
って強制的に先端部へ向けて移動させることができるよ
うになり、他の加工機へのベルト授受が行えるようにな
る。
おいて、一対の支持部材のうちの一方を、両支持部材ど
うしを結ぶ第1方向に対して交差する第2方向に首振り
揺動自在に構成してあることを特徴とするものである。
請求項8の構成によれば、次のような作用が得られる。
即ち、移送装置と他の加工機とは、必ずしもそれらのベ
ルト緊張用支持部材どうしが正対する望ましい状況とは
ならないので、例えば、相対的に傾いているような場合
には、支持部材における一方の横端に、相手の支持部材
との間の間隙が生じるようになり、環状ベルト体が上手
く授受できないことが予測される。そのような場合に
は、移送装置の支持部材が上下向き支点回りで揺動する
といった具合に、両支持部材どうしを結ぶ第1方向に対
して交差する第2方向に首振り揺動できるから、移送装
置と加工機とが互いに傾斜していても、支持部材と加工
機の支持部材とは隙間無く密着状態で面接当できる等、
両者の間に隙間ができ留ことを回避可能となる。従っ
て、間隙にベルトが挟まってしまう等の不都合なく、良
好に環状ベルト体の授受が行えるようになるのである。
て、一方の支持部材を、第1方向及び第2方向の双方に
交差する第3方向に出退移動自在とする駆動機構が設け
られていることを特徴とするものである。請求項9の構
成によれば、一対の支持部材どうしを結ぶ第1方向、及
び支持部材の首振り揺動方向との双方に交差する第3方
向に出退移動自在であるから、例えば、移送装置と加工
機とを限界まで近接させても、尚支持部材どうしに間隙
が残る場合で、下側の従動軸が揺動して下側の支持部材
どうし間に間隙ができてしまうといった場合には、移送
装置における一方の支持部材を出退移動させることで、
両方の支持部材どうしに間隙が生じない、又は同じ間隙
長さレベルとすることができる。つまり、移送装置と各
加工機との位置関係が芳しくない状況であっても、移送
装置の支持部材の移動調節によって改善することがで
き、環状ベルト体を良好に授受することが可能になるの
である。
成において、支持部材の先端部に、加工機における支持
部材に対応した環状ベルト体巻回用回転軸の先端面に接
当自在とするための回転部材を回転自在に装備してある
ことを特徴とする。請求項10の構成によれば、次のよ
うな作用が得られる。研磨機やプロファイル加工機等の
一対の回転軸に環状ベルト体を巻回架設して駆動回転ざ
せる加工機と、移送装置との環状ベルト体の授受におい
ては、移送装置の支持部材を、極力対応する加工機の回
転軸に近づけて行うのが好ましい。そこで、支持部材の
先端部に回転自在な回転部材を装備したので、加工機に
おいて回転している回転軸に支持部材を接当するまで近
づけても、実際には回転部材が回転軸に接当して回転す
るので、相対回転する支持部材と回転軸とを不都合無く
限界まで接近させることが可能になり、これら両者の間
隙を極力無くして環状ベルト体の良好な授受に寄与でき
るようになる。
に基づいて説明する。環状ベルト体9の製造工程は、図
5に示すフロー図にて示されている。即ち、帆布、接着
ゴム、心線、圧縮ゴム層を成形ドラム上に円筒状に積層
する成形工程10から、加硫工程11、冷却工程12、
脱型工程13を経て得られた加硫後の円筒状ベルトスリ
ーブ14をカット工程Bに搬送し、カット工程Bにおい
て小幅に切り出されることで環状ベルト体9が作成され
る。
加工工程15は、小幅にカットされた環状ベルト体9
に、プロファイル加工機26によって切削や研削加工を
施して、環状ベルト体9を、リブドベルトやダブルリブ
ベルトやローエッジベルトやタイミングベルト等の所定
の製品断面形状に形成する工程であり、その後に外観検
査等を行う検査工程16を経てから包装される。又、脱
型工程13においてベルトスリーブ14の外された金型
は離型処理して成形工程10に戻され、再び使用され
る。
ット機b(切断機の一例)による切断工程、複数台の研
磨機cによる研磨工程、生成されたスクラップをスクラ
ップ収容部Eに収容するスクラップ収容工程、及び、カ
ット及び研磨された環状ベルト体9を製品収容部Fに収
容する収容工程が行われるものであり、これら各工程
は、移送装置5との間で環状ベルト体9の授受が自在と
なる位置関係に配置されている。そして、このカット工
程Bへの円筒状ベルトスリーブ14の搬入は、フィーダ
ーGで行われるように構成されている。
ず、円筒状ベルトスリーブ14がフィーダーGによって
カット機b(カット工程)に投入され、そこで小幅に切
り出された環状ベルト体9は、そのループ内側に位置さ
せた一対の支持部材である上受軸55と下受軸60に亘
って架設させた2点支持状態で、1本ずつ移送工程Aに
押し出される。押し出される環状ベルト体9の中には、
円筒状ベルトスリーブ14の両端部のものが含まれてい
るが、それら2個は製品にはできないので、スクラップ
収容部Eに排出されるようになる。
ト体9は、移送装置5により、2点支持状態(図7、図
8参照)でプロファイル加工工程15に移送され、そこ
でのプロファイル加工が完了次第、加工済品として製品
収納部Fに移送され、収納される。この際、加工済品の
一部は、移送装置5で搬送され、外観検査された後に製
品にするべく包装される。
態は、上下一対の受軸55,60による2点支持状態で
あり、その2点支持状態は、環状ベルト体9を少しだけ
緊張した緊張緩和状態[図8(ロ)参照]と、上下の受
軸55,60の間隔をさらに広くして環状ベルト体9を
かなり緊張させた緊張状態[図8(ハ)参照]と、上下
の受軸55,60の間隔を限界まで広めて環状ベルト体
9を最大に緊張させた伸張状態[図8(ニ)参照]との
3種が現出自在である。尚、1つの支持部材29による
1点支持状態は、フリー状態[図8(イ)参照]と呼ぶ
ものとする。
の外方への抜止め部34,35を備えた基端部36,3
7と、環状ベルト体9の授受を行うべく解放された先端
部38,39とを有した先拡がりテーパ状の中抜き半円
弧状部材である。抜止め部34,35は折り返しによる
フランジ部によって形成されている。
との間や、移送装置5とプロファイル加工機26との間
での環状ベルト体9の授受(受け渡し)時に適用され、
緊張状態は、移送装置5による環状ベルト体9の移送時
に適用され、伸張状態は、プロファイル加工等のベルト
スリップが厳禁である時に適用されるといった具合に、
これら複数種の緊張状態は、状況に応じて適宜に使い分
けて用いられる。
ト工程での受け取り[カット機bから移送装置5へ環状
ベルト体9を渡す]、(b)研磨工程での送り出し[移
送装置5から研磨機cへ環状ベルト体9を渡す]、
(c)研磨工程での受け取り[研磨機cから移送装置5
へ環状ベルト体9を渡す]、(d)各収容部での送り出
し[移送装置5から各収容部へ環状ベルト体9を渡
す]、の計4種の形態がある。
様であり、カット工程と研磨工程との夫々が、回転中の
円筒状ベルトスリーブ14と環状ベルト体9の押出し工
程とを有する。このとき、移送装置5は、下側軸60を
下方に移動させて、伸張状態又は緊張状態の環状ベルト
体9を受け取り[図3(b)参照]、それから伸張状態
のときには下側軸60を上方に移動させて上側軸55と
の軸間距離Wを縮小させて環状ベルト体9の緊張を緩
め、図8(ハ)に示す緊張状態で移送する、という動作
を行う。
様であり、研磨機cにおける上下一対の軸どうしの軸間
距離を縮めてから、移送工程Aにおいて図8(ロ)に示
す緊張緩和状態にある環状ベルト体9を送り出し、研磨
機cや各収容部に渡すようになる。図6に示すように、
研磨機cの駆動軸33と従動軸27(環状ベルト体巻回
用回転軸の一例)とに亘って、押し出した環状ベルト体
9を架設するのである。各収容部での送り出しは、図
3(d)に示すように、環状ベルト体9を図8(ロ)の
緊張緩和状態から図8(イ)に示すフリー状態として、
投げ輪の如く排出落下させて収容部の支持竿30に掛け
て収容する。
1台以上の研磨機cと、製品となる環状ベルト体9とス
クラップとの2つの収容部との授受箇所間を行き交い移
送するものである。移送時には環状ベルト体9の不測の
脱落を回避するために、上下受軸55,60の軸間距離
Wを拡大させて、図8(ハ)に示す緊張状態とする。こ
のように、前述の授受工程と合せてカット工程とプロフ
ァイル加工工程間において移送装置5は移送自在であ
り、複数の工程を一体的に連係して複数の加工機による
各種加工工程を一体化させるように機能する。
ルト体9は、移送装置5の導入により、カット工程Bと
プロファイル加工工程15との間においては、各加工機
と環状ベルト体9とは一対一の関係で、かつ、途中で止
ること無く行き来することとなり、例えばカット機bで
カットされた環状ベルト体9の複数を、研磨機cに投入
される迄の間において一時的にストックしておく、とい
った仕掛品(停滞品)の存在を解消することができる。
又、円筒状ベルトスリーブ14単位の小ロット生産を行
うことにも容易に対応することができる。
と複数の研磨工程Cと製品収納部Fとスクラップ収容部
Eとを一連の状態に配設して、小幅に切り出された環状
ベルト体9を1本ずつプロファイル加工工程(環状ベル
ト体9を研磨してリブドベルトやローエッジベルト等に
形成する工程)15に送る間に存在する各移送工程を一
元化することができ、製品となる環状ベルト体9とスク
ラップとの仕分けも行える集約されたシステマティック
な製造設備を実現している。
装置5は、カット機B、及び研磨機cと対面する向きに
配置されていおり、環状ベルト体9を2点支持状態で授
受し合える相対高さ位置関係に設定されている。スクラ
ップ収容部Eと製品収容部Fは、それらの支持竿30
が、移送装置5から2点支持状態で送り出された環状ベ
ルト体9を丁度受け取れる位置に設置されている。投入
フィーダGは、カット機bの上下一対の軸のうちの上側
の軸心に対面して移送装置5の背面から腕を伸張して挿
入しうる位置に設置するもので、前述の授受移送が行え
る装置である。
環状ベルト体9を2点支持状態で受取る把持手段1と環
状ベルト体9を把持手段1から押出して排出する払出し
手段2,3と、2点支持状態の環状ベルト体9を前述の
授受箇所まで移動させる移送手段4、及び上下のレール
機構7,6とから構成されている。
で、中央部はプレッシャレバー65,68が突き出て摺
動するためのスリット状開口55s,60sを有した上
下一対の受軸55,60から構成され(図6参照)、上
受軸55は、中間支持金具56を介して機体ベース57
前面に固定されている。下受軸60は、昇降機構31を
構成する部材である一対のガイドロッド58,58に対
して上下移動自在に嵌装された下部摺動ブロック61に
支持されている。
持金具54,56,77、左右一対の上下摺動用ガイド
ロッド58、ねじ軸59、及びサーボモータ64等から
構成されており、上受軸55に対して下受軸60を駆動
昇降移動自在であり、これら両受軸55,60の軸間距
離Wの変更設定が行えるものである。即ち、下部摺動ブ
ロック61の上下移動は、ねじ軸59に咬合するナット
プーリ63を、タイミングベルト62を介してサーボモ
ータ64で正逆に回転することで為される。
さ位置を上下調節するリフター機構8が装備されてい
る。リフター機構8は、走行板76にボール軸受け85
を介して上下摺動可能に設置された機体ベース57と、
走行板76に固定された吊り板80とに亘ってシリンダ
ー79を架設することで構成されており、シリンダー7
9の短縮動によって把持手段1を上昇移動し、シリンダ
ー79の伸張動によって把持手段1を下降移動すること
ができる。
3は、上下の受軸55,60と一体的に装備されてお
り、構造的には上下で同じである。即ち、正面視で上半
円状の上受軸55と、正面視で下半円状の下受軸60と
には、左右中央の位置に先端側が開放されたスリット状
開口55s,60sが形成されており、これらスリット
55s,60sに、押出しシリンダ66,69(押出し
機構40の一例)のピストンロッドに装着されたプッシ
ャレバー65,68を夫々配備して払出し手段2,3が
構成されている。
を伸張駆動させてプッシャレバー65,68を押出せ
ば、上下のベルト設置部55r、60rに亘って巻回さ
れている環状ベルト体9を、ベルト設置部55r、60
rの先拡がりテーパーの抵抗に抗して押出し、上下の受
軸55,60から払出すことができるのである。又、下
受軸60の位置を上下方向に移動させることにより、把
持手段1の受軸55,60の軸間距離Wを、プロファイ
ル加工機26や研磨機bの上下受軸の軸間距離に合致さ
せて、環状ベルト体9を移送装置5から各種加工機に授
受する払出し作動が良好に行えるように構成されてい
る。
ルト体9の外方への抜止め部34,35を備えた基端部
36,37と、環状ベルト体9の授受を行うべく解放さ
れた先端部38,39とを有するとともに、一対の受軸
55,60に亘って架設される環状ベルト体9の緊張力
が、環状ベルト体9の受軸55,60における巻掛け箇
所が先端部38,39側に寄るほど強くなるテーパ形状
に形成されている。
それらのベルト設置部55r、60rに環状ベルト体9
を2点支持の緊張状態で把持している状態で払出しを行
うに当たり、ベルト設置部55r、60rのテーパーに
逆らって移動させる抵抗を緩和して円滑に払出す為に、
事前にベルトサイズの数値から割り出して決めるように
する。次に、下受軸60の首振り機構Qについて説明す
る。
における従動軸(回転軸)27の揺動に追従して、これ
に正対する下受軸60の姿勢が変更できるようにするた
めに首振り機構Qが設けてある。即ち、押出しシリンダ
69を一体に備えた下受軸60が、上下向きの揺動支点
PでL字ステー17に揺動自在に支持されたL字アーム
18に固定されるとともに、そのL字アーム18を、下
部摺動ブロック61に取付けられた出退シリンダ19
(請求項9の駆動機構の一例)のピストンロッド20先
端に固定された出退ブロック21に対して取付け固定す
ることで首振り機構Qが構成されている。
に対する所定位置に復帰付勢する戻し機構22が装備さ
れており、これは、L字ステー17の側端面に固定され
たストッパ板24、及びL字ステー17を支点P回りで
反時計回り方向に引張り付勢するべくストッパ板24と
L字アーム18とに亘って架設された巻バネ23から構
成されている。従って、下受軸60は、L字アーム18
がストッパ板24に接当する待機位置から時計回り方向
への揺動移動及び復帰が自在であり、かつ、待機位置へ
復帰付勢されている。
ぶ方向、即ち上下方向であるZ軸方向(図9参照)が第
1方向であり、各受軸55,60に対する左右方向、即
ちX軸方向(図9参照)が第2方向であり、各受軸5
5,60の軸方向、即ちY軸方向(図9参照)が第3方
向に夫々相当している。
下受軸60の中心線Vに対して角度α傾斜する状態に設
置されており、左右一対のガイドロッド25,25で案
内される出退ブロック21、即ち支点Pは、出退シリン
ダ19の伸縮移動に伴って斜め前後方向に出退移動す
る。又、下受軸60内側における左右両端部の上部に
は、カット機b(或いはプロファイル加工機26)の回
転する従動軸27に接当可能とするためのボールベアリ
ング(回転部材の一例)28,28が装備されている。
尚、回転部材28としては、ローラやゴムタイヤ等、種
々の変更が可能である。
5をカット機bに正対する姿勢で近接させた状態におい
て、出退シリンダ19を伸張駆動すると、下受軸60が
斜め前方に突出移動して、先ず右側のベアリング28が
従動軸27の端面に接当する。尚も出退シリンダ19を
伸張すると、相変わらず斜め前方に突出移動するL字ス
テー17に対してL字アーム18が支点Pに関して時計
回り方向に揺動し、下受軸60の前端縁60tと従動軸
27の先端縁27tとが平行となるように、巻バネ24
の付勢力に抗してL字アーム18が支点Pに関して時計
回り方向に揺動するのである。
めに向くことがあっても、下受軸60が、これと従動軸
27とが面接当状態となるように首振り移動して追従す
るので、下受軸60と従動軸27との間に隙間ができる
ことが回避され、カット機b等の加工機と移送装置5と
における環状ベルト体9の授受(受け渡し)が、ベルト
外れ等の不都合無く良好に行えるようになっている。
構Qとの関係について簡単に説明する。カット機bにお
いては、従動軸27を、ほぼその先端に設けた上下向き
の支点回りに、駆動軸33と平行となる基準姿勢と一方
に揺動した傾斜姿勢との間の角度範囲において反復往復
揺動移動させる蛇行制御が行われる。従って、環状ベル
ト体9の授受時に従動軸27が傾斜しているときがある
ので、そのときでも良好にベルト授受が行えるよう、下
受軸60を首振り揺動できる首振り機構Qが構成されて
いる。
受するには、傾斜状態の従動軸27の先端縁7tに下受
軸60の先端面60tを面接当状態にすることが肝要で
あり、首振り機構Qによってその面接当状態は現出させ
ることが可能であるが、そのときの両者27,60の軸
心のずれを吸収させるために、出退シリンダ19の伸縮
移動方向を、従動軸27の傾斜方向と反対方向に設定し
てある。
60の先端よりも内側に寄った箇所に存在するので、駆
動軸33(上受軸55)と平行な基準方向に出退シリン
ダ19を伸縮移動させると、傾斜している従動軸27と
接当したときの下受軸60の先端縁60tは、従動軸2
7の先端縁27tよりも明確にずれてしまうことになり
都合が悪い。そこで、出退シリンダ19の移動方向を傾
斜させることにより、従動軸27との接当時における揺
動支点Pの位置を、前記基準方向の中心ラインよりも図
11における紙面上側にずらすことができる。その結
果、傾斜している従動軸27の中心線と揺動支点Pとの
位置偏差をゼロ又は極力少なくすすころができ、従動軸
27と下受軸60とをずれの無い又は少ない状態を実現
でき、環状ベルト体9の授受を円滑に行えるようになる
のである。
位と走行軌条と走行駆動機器とから構成されており、上
下のレール機構7,6によって横方向に移動自在に構成
されている。走行部位は、走行板76に装備された把持
手段1と、払出し手段2,3と、これらを下降調整する
リフター機構8等とから成る。走行軌条は、床上に矩体
フレーム78(基台の一例)を有し、上側面に走行体の
重量を受け、かつ、側面に摺動可能な摺動レール71,
72による上レール機構7を延長可能に設置して、走行
板76を往復移動自在に装備して構成されている。
なる左右一対の上下摺動用ガイドロッド58の下端部に
車輪82を設置して、矩体フレーム78下部にフラット
な内レール83と外レール84を設置して挟み込み摺動
ガイドすることで構成されている。これにより、走行時
の振れと前後の振れを軽減して前述の良好な移送状況を
実現させている。
は、走行板76に軸受86を介して回転自在に支承され
ているピニオン73に、ベルト伝動によってサーボモー
タ75の回転を伝えるようにする構成であり、摺動レー
ル71の上面に加工配列された噛み合いラック32とピ
ニオン73との咬合により、サーボモータ75の回転駆
動によって走行自在となる。
う移送装置5の動作制御について授受移送制御と走行制
御とに区分して説明する。先ず、環状ベルト体9の授受
箇所での授受移送時の動作制御は、2点支持状態でのも
のが大半となる。1〜3mmの間隙で対面する夫々上下
一対の受軸55,60の軸間距離Wを押出し側に対して
受け側の間隔を小さくすることと、緊張緩和状態とを勘
案して、環状ベルト体9が円滑に乗り移れる制御とす
る。つまり、上受軸55は、移送機・各加工機共に互い
に同じ高さレベルとして下軸を上昇・下降させて上述の
制御を行う。受軸55,60夫々の制御数値は、予めベ
ルトの種類・長さ等の緒元によって最適な値を求めて設
定されるようになる。
値設定し、加減速制御と位置のフィードバック制御を行
い位置決めする。移送制御については、スタート時はカ
ットされた環状ベルト体9をスクラップ収容部Eへ移送
して、次のカットされた環状ベルト体9を順次各研磨機
cへ供給移送する。2巡目以降は、研磨終了機から研磨
完了した製品ベルトを受取り、製品収容部Fに戻り収容
してカット機bに戻り、次の環状ベルト体9を研磨終了
機に移送する。休止している研磨機cに対しては、スキ
ップ制御を行い、一貫した工程間の移送を可能としてあ
る。
い。この場合でも2点支持状態を調節自在に反転授受さ
せ、上下一対の受軸55,60を伸縮させれば良い。プ
ロファイル加工工程には外観検査工程等が含まれても良
い。受軸は円錐形でも良く、これに加えて回転する状態
でも良い。支持部材55,60の首振り揺動、並びに出
退移動は、上受軸55のみに適用しても、上下双方の受
軸55,60に適用しても良い。
の製造ラインは、図12に示すように、移送装置5の一
方のサイドにおける移送上手側位置にフィーダーGを配
置し、他方のサイドには、移送上手側から、スクラップ
ペグ(スクラップ収容部)E、カット機b、複数の研磨
機c,c,c、製品取出しペグ(製品収容部)Fをこの
順に配置する構成であるが、下記〜のような構成の
製造ラインでも良い。
端に続けて、移送方向が移送装置5とは90度異ならせ
たベルト反転装置41を設け、このベルト反転装置41
の外側サイドに検尺機42と製品取出しペグFとをこの
順で移送方向上手側から配置した第1別製造ライン。つ
まり、検尺工程と合体させたものであり、その他の部分
の構成は、図12に示す本製造ラインと同じである。
が、一対の回転軸に亘って巻回架設されている環状ベル
ト体9を、押えローラ対と、90度捻ったローラ対と、
180度捻ったローラ対との3組のローラ対夫々におい
てベルトを挟み込むことにより、環状ベルト体9の内外
を入れ換える機能を発揮するものである。
工程能力が高いので、全数検尺の必要が無いものではあ
るが、円筒状ベルトスリーブ14の投入から、検尺完了
した環状ベルト体9の完成品の取出しまでの完全無人化
が可能であるとともに、カット機bによるカット工程か
ら検尺までの1本の環状ベルト体9毎のデータに対応付
けできる利点を有している。
製造ラインにおける複数の研磨機cを、複数のSCAM
43に置き換えて、REベルトへの応用を図った第2別
製造ライン。尚、SCAMとは、直角に小切りして、ベ
ルト断面を矩形からV形に研削する加工機のことであ
る。
空荷走行距離が比較的長くなって無駄時間が増える傾向
にはなるが、円筒状ベルトスリーブ14の投入から、検
尺完了した環状ベルト体9の完成品の取出しまでの完全
無人化が可能であるとともに、カット機bによるカット
工程から検尺までの1本の環状ベルト体9毎のデータに
対応付けできる利点を有している。
1別製造ラインにおける複数の研磨機cを、1台の荒切
削機44と、その環状ベルト体9の移送方向下手側に配
置された複数の仕上げ研磨機45とに置き換えて、RE
ベルト(バンディット)への応用を図った第3別製造ラ
イン。
尺完了した環状ベルト体9の完成品の取出しまでの完全
無人化が可能であるとともに、カット機bによるカット
工程から検尺までの1本の環状ベルト体9毎のデータに
対応付けできる利点を有している。又、環状ベルト体9
がリブドベルトである場合の1本研磨装置のメリット
(取付数UP)と、大幅なリードタイム短縮とが図れる
ようになる。
製造ラインにおける複数の研磨機cを、端面処理機4
6、TGマーク打機47、検尺機42を移送方向上手側
からこの順に並べて配置したものに置き換えたOHCベ
ルト(環状ベルト体9の具体的な一例)に好適な第4別
製造ライン。
象となるものではあるが、円筒状ベルトスリーブ14の
投入から、検尺完了した環状ベルト体9の完成品の取出
しまでの完全無人化が可能であるとともに、カット機b
によるカット工程から検尺までの1本の環状ベルト体9
毎のデータに対応付けできる利点を有している。又、カ
ット機bは、1本ごとに環状ベルト体9を取出すので、
ロープ層の端面からの飛び出しが少ない利点もある。
平方向)に離れて位置している場合には、支持部材5
5,60の首振り方向は縦方向(図9に示すZ方向)に
なる。又、押出し機構19の出退方向は、前後方向(図
9に示すY方向)である。
ト体の移送方法及び移送装置によれば、環状ベルト体を
2点支持状態で支持することにより、環状ベルト体の授
受時の形状を目的に応じて種々に変化させることができ
るとともに、姿勢乱れ無く安定的に移送できるようにな
り、しかも、ベルトサイズ差による幅、形状の定型化が
行えて環状ベルト体の移送が機敏で素早く行われるよう
になった。
工程等の切断後の各種次工程とによる複数工程間におけ
る環状ベルト体の移送及び授受を、移送装置によって一
貫して行えるようになり、それら各工程間における仕掛
品を削減又は解消でき、又は円筒状ベルトスリーブ単位
の小ロット加工にも対応できる等、生産性を大きく向上
させることができた。
を示す図
態を示す斜視図
態を示す要部の正面図
Claims (10)
- 【請求項1】 加硫後の円筒状ベルトスリーブを小幅に
切り出して環状ベルト体を形成する切断工程から、該切
断工程にて形成された環状ベルト体を次工程に移すため
の環状ベルト体の移送方法であって、 前記環状ベルト体を、そのループ内側に位置させた一対
の支持部材に亘って架設させた2点支持状態で移送させ
る環状ベルト体の移送方法。 - 【請求項2】 前記環状ベルト体を前記一対の支持部材
によって緊張させた状態で移送させる移送工程を有して
いる請求項1に記載の環状ベルト体の移送方法。 - 【請求項3】 前記切断工程から前記移送工程への環状
ベルト体の授受は、前記環状ベルト体の緊張力が、前記
移送工程における前記環状ベルト体の緊張力よりも弱い
ものに緩和された状態で行われる請求項2に記載の環状
ベルト体の移送方法。 - 【請求項4】 加硫後の円筒状ベルトスリーブを切断し
て小幅の環状ベルト体を形成する切断機から、該切断機
で形成された環状ベルト体を次工程に運ぶための環状ベ
ルト体移送装置であって、 互いに離間した一対の支持部材と、これら支持部材を有
した状態で移動走行自在な基台とを有して、前記環状ベ
ルト体を、これが前記一対の支持部材に亘って架設され
た2点支持状態で移送するものに構成されている環状ベ
ルト体移送装置。 - 【請求項5】 前記支持部材は、前記環状ベルト体の外
方への抜止め部を備えた基端部と、前記環状ベルト体の
授受を行うべく解放された先端部とを有するとともに、
一対の前記支持部材に亘って架設される前記環状ベルト
体の緊張力が、該環状ベルト体の前記支持部材における
巻掛け箇所が前記先端側に寄るほど強くなるテーパ形状
に形成されている請求項4に記載の環状ベルト体移送装
置。 - 【請求項6】 前記一対の支持部材どうしの間隔が調節
自在となる状態に構成されている請求項4又は5に記載
の環状ベルト体移送装置。 - 【請求項7】 前記一対の支持部材に亘って架設されて
いる状態の前記環状ベルト体を、前記基端部から前記先
端部へ向けて強制移動並びに押出し自在な押出し機構が
装備されている請求項4〜6のいずれか1項に記載の環
状ベルト体移送装置。 - 【請求項8】 前記一対の支持部材のうちの一方を、前
記両支持部材どうしを結ぶ第1方向に対して交差する第
2方向に首振り揺動自在に構成してある請求項4〜7の
いずれか1項に記載の環状ベルト体移送装置。 - 【請求項9】 前記一方の支持部材を、前記第1方向及
び前記第2方向の双方に交差する第3方向に出退移動自
在とする駆動機構が設けられている請求項8に記載の環
状ベルト体移送装置。 - 【請求項10】 前記支持部材の先端部に、加工機にお
ける前記支持部材に対応した環状ベルト体巻回用回転軸
の先端面に接当自在とするための回転部材を回転自在に
装備してある請求項8又は9に記載の環状ベルト体移送
装置。
Priority Applications (1)
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JP2001196144A JP4718048B2 (ja) | 2000-07-31 | 2001-06-28 | 環状ベルト体の移送方法及び移送装置 |
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