JP2002136259A - 茶含有飲食品用添加剤 - Google Patents
茶含有飲食品用添加剤Info
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Abstract
ることを目的とする。 【解決手段】3−メルカプト−1−ヘキサノールを10
-7〜1ppb濃度を茶含有飲食品に添加することによ
り、茶類が持つ熟成感を伴い、深みのある茶葉をイメー
ジする香気を持った飲食品を得ることができる。
Description
剤、及び該茶含有飲食品用添加剤を添加した香味料組成
物及び該茶含有飲食品用添加剤又は該香味料組成物を添
加した茶含有飲食品に関する。
であったが、1981年に無糖のウーロン茶が登場して
以来、健康をキーワードに無糖の茶飲料が増えている。
緑茶に代表される茶類は、日々の生活に潤いを与え、日
本人の生活にはなくてはならないものであり、最近では
茶類の持つ抗酸化性が注目を集めており、健康的な飲み
物として、茶飲料は無糖飲料の代表的なものとなった。
しかしながら、従来の茶飲料の持つ欠点としては、茶類
が本来持っていた、熟成感を伴い、深みのある茶葉感が
消費者の手に渡る前に失われるという問題点があった。
この問題を解決する手段として、入れ立ての茶の香気を
得るために、茶葉に短時間に蒸気を通ずる方法(特開平
8−116882)、酸化防止剤の存在下に茶から香気
成分を蒸留する方法(特開平8−73886)等が提案
されている。しかしながら、上記方法で得られた香気も
経時的に劣化が進行し、問題の解決とはならなかった。
して、茶の香気は茶葉に存在するカロチン類の分解によ
るとの考えから、茶飲料にカロチン類の熱分解物を加え
る方法が提案されている(特公平7−99995)が、
これにより得られる香味は主として花香調であり、茶本
来の持つ香りではなかった。
ペンタノン(特許第3026437号)や4−メトキシ
ー2−メチルー2−ブタンチオール(特許第30264
36号)を茶飲料用添加剤に用いる方法があるが、これ
らの方法では、柔らかくふくよかなグリーン香や軽く穏
やかなグリーン香といったグリーン系の香りは再現する
ことは可能であるが、熟成感を伴い、深みのある茶葉を
イメージする香気を付与することはできなかった。
葉茶、カミツレ茶、熊笹茶、桑茶、甜茶、ドクダミ茶、
プアール茶、マテ茶、ルイボス茶、ギムネマ茶等があ
り、これら茶類を構成する香気には、フローラル香、ス
イート香、グリーン香、酸臭、フェノリック臭や、枯れ
草感、渋み感、苦味感を付与する香り等があるが、これ
まで広く知られている茶香気を構成する香気成分では、
熟成感を伴い、深みのある茶葉様の香気を表現できなか
った。
った深みのある香ばしい茶葉のグリーン香を持った茶含
有飲食品を提供することを目的とする。
に本発明者らは鋭意検討した結果、微量の3−メルカプ
ト−1−ヘキサノールを茶含有飲食品に添加することに
より、入れ立ての茶が持つ良質な香味を有する茶含有飲
食品が得られることを発見し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は3−メルカプト−1−ヘキサノ
ールよりなる茶含有飲食品用添加剤からなる。更に本発
明は3−メルカプト−1−ヘキサノールを10-4〜10
3ppbの濃度添加したことを特徴とする香味料組成物
からなる。本発明は更に、3−メルカプト−1−ヘキサ
ノールを10-7〜1ppbの濃度添加したことを特徴と
する茶含有飲食品からなる。
ヘキサノールは、パッションフルーツ、ワイン及びブド
ウ果汁から見出された報告はあるが、茶類の成分として
は未だ報告されておらず、ましてや香料として茶含有飲
食品に利用することとして研究されたことのない物質で
ある。3−メルカプト−1−ヘキサノールは、上記天然
物から抽出、減圧条件下での精密蒸留、カラムクロマト
グラフィー、液体クロマトグラフィー等の手段で得る
か、或いは合成手段によって得ることができる。
は極めて強く、水溶液中での閾値は約10-3ppbであ
り、微量でも特有の硫黄臭を感じるものであるが、10
-7〜1ppb、好ましくは10-6〜10-1ppb、より
好ましくは、10-5〜10-2ppbの範囲で茶含有飲食
品に含有されたときに限り、熟成感を伴い、深みのある
茶葉をイメージする香気が付与される。含有量が10-7
ppb未満であれば、他のいかなる成分との相乗効果に
よってしても熟成感を伴い、深みのある茶葉をイメージ
する香気は得られず、含有量が1ppbを越えると、不
快臭が強く飲食品に適さない。
で使用されるため、好ましくはエタノールやプロピレン
グリコール等の溶剤に溶解させて、そのまま飲食品に添
加するか、或いは香味料組成物に添加して用いられる。
香味料組成物の中に添加する場合は、当該香味料組成物
を茶含有飲食品中に0.1%添加する場合、10-4〜1
03ppb、好ましくは10-3〜102ppb、より好ま
しくは10-2〜10ppbの範囲で添加することが望ま
しい。
茶、発酵茶を問わず、例えば緑茶、紅茶、ウーロン茶、
柿の葉茶、カミツレ茶、熊笹茶、桑茶、甜茶、ドクダミ
茶、プアール茶、マテ茶、ルイボス茶、ギムネマ茶等の
粉末、抽出液(エキス)等を添加した飲食品、例えば、
アイスクリーム、シャーベット等の冷菓、ゼリー、プリ
ン等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、
チューインガム等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン
類、フラワーペースト等のフィリング類、饅頭、羊か
ん、ういろう等の和菓子類、錠菓類等が挙げられ、特に
茶飲料が好ましく、茶葉を常法により熱水、温水又は冷
水で抽出して得られる茶抽出液、茶の香味成分を適宜調
合して得られる茶香味を含有する調合飲料が挙げられ
る。
香味料組成物に予め添加しておいてもよく、その例とし
ては、上記茶抽出液を蒸留して得られる茶溜出液または
茶の香味成分を調合して得られる香料組成物などがあげ
られる。調合に使用される茶の香味成分には特に制限は
なく、(Z)−3−ヘキセノール、β−イオノン、ヘキサ
ナール、リナロールオキシド、イソブチルアルデヒド、
ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、
(E)−2−ノネナール、リナロール、サルチル酸メチ
ル、フェネチルアルコール等、公知の茶用香味成分が目
的に応じて適宜混合して用いることができる。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない
限り、%は重量%を意味するものとする。また、各処方
中*を付記した製品は三栄源エフ・エフ・アイ(株)製
の製品を意味する。
ヘキサノールの10ppbエタノール溶液を0.1重量
部加え、3−メルカプト−1−ヘキサノールを0.01
ppb含有する本発明の緑茶飲料を得た。このものは熟
成感を伴い、深みのある茶葉様をイメージする香気を持
ったものであった。
100重量部に対し、3−メルカプト−1−ヘキサノー
ルの100ppbエタノール溶液を1重量部加え、3−
メルカプト−1−ヘキサノールを1ppb含有する本発
明の茶飲料用香味料組成物を得た。このものを緑茶抽出
物100重量部に対し0.1重量部添加したところ、熟
成感を伴い、深みのある茶葉様をイメージする香気を持
った緑茶飲料が得られた。
ルカプト−1−ヘキサノールの1ppbエタノール溶液
を5重量部加え、3−メルカプト−1−ヘキサノールを
0.05ppb含有する本発明の香味料組成物を得た。
このものを緑茶抽出物100重量部に対し0.1重量部
加え、3−メルカプト−1−ヘキサノールを0.000
05ppb含有する緑茶飲料を調製した。
ルカプト−1−ヘキサノールの100ppmエタノール
溶液を2重量部加え、3−メルカプト−1−ヘキサノー
ルを2ppm含有する香味料組成物を得た。このものを
緑茶抽出物100重量部に対し1重量部加え、3−メル
カプト−1−ヘキサノールを20ppb含有する緑茶飲
料を調製した。また、コントロールとして、3−メルカ
プト−1−ヘキサノールを添加しない表1の香味料組成
物を用いて他を同じ操作を行って緑茶飲料を調製した。
段階評価を行い、その結果を表2に示した。
H−3、ホモゲンNO.994を予め粉体混合をしてお
き、ヤシ油と水の混合液に加え、80℃10分間加熱撹
拌溶解し、全量を補正後、14700kPaにて均質化
し、冷却(エージング)後、ブラックティーエキスN
O.14202、カラメル色素、ブラックティーフレー
バーNO.2017を添加し、紅茶シャーベットミック
スを調製した。このものを5℃にてオーバーランが40
%となるまでフリージングし容器に充填し、−38℃に
て硬化して紅茶シャーベットを得た。
深みのある茶葉をイメージする香気を有する紅茶シャー
ベットであった。。
を予め粉体混合し、果糖ぶどう糖液糖と水の混合物に加
え、80℃10分間加熱撹拌溶解し、残りの原料を加え
る。水にて全量を補正後、容器に充填し、冷却固化して
紅茶ゼリーを得た。
ある茶葉をイメージする香気を有する紅茶ゼリーであっ
た。
ゲンNO.996を予め粉体混合しておき、牛乳、ヤシ
油及び水の混合物に加え、80℃10分間加熱撹拌溶解
し、残りの原料を混合後、水にて全量を補正し、147
00kPaにて均質化し、容器に充填後冷却固化して紅
茶プリンを得た。
ある茶葉をイメージする香気を有する紅茶プリンであっ
た。
びホモゲンNO.994を予め粉体混合しておき、ホイ
ップクリーム(植物性脂肪分40%)、全脂加糖練乳及
び水の混合物に加え、80℃10分間加熱撹拌溶解し、
残りの原料を混合後、水にて全量を補正し、14700
kPaにて均質化し、容器に充填後冷却固化して抹茶プ
リンを得た。
ある茶葉をイメージする香気を有する抹茶プリンであっ
た。
で煮詰め、120℃まで冷却後、残りの原料を添加して
混合し、成型を行い紅茶ハードキャンディーを得た。
伴い、深みのある茶葉をイメージする香気を有する紅茶
ハードキャンディーであった。
(ダルトン製)でビーターを用いて1分半混合し、予め
上白糖と無塩バターを3分間混合したものを少量ずつ混
合後、薄力粉、ブラックティーパウダー、サンオーバー
O−62、SM−700を予め粉体混合したものを加え
て混合し、冷蔵庫で30分間保存して生地を得た。この
生地を厚さ約5mmに圧延し、クッキー型で型を抜き、
170℃のオーブンで16分間焼成して紅茶クッキーを
得た。
のある茶葉をイメージする香気を有する紅茶クッキーで
あった。
飲食品に添加することにより、熟成感を伴い、深みのあ
る茶葉をイメージする香気を持った茶含有飲食品を提供
することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】3−メルカプト−1−ヘキサノールからな
る茶含有飲食品用添加剤。 - 【請求項2】3−メルカプト−1−ヘキサノールを10
-4〜103ppbの濃度添加したことを特徴とする香味
料組成物。 - 【請求項3】3−メルカプト−1−ヘキサノールを10
- 7〜1ppbの濃度添加したことを特徴とする茶含有飲
食品。 - 【請求項4】3−メルカプト−1−ヘキサノールを10
- 7〜1ppbの濃度添加したことを特徴とする茶飲料。
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---|---|---|---|
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5918897B1 (ja) * | 2015-10-29 | 2016-05-18 | 長谷川香料株式会社 | 抹茶風味付与乃至抹茶風味改善剤。 |
-
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- 2000-11-02 JP JP2000335526A patent/JP4072312B2/ja not_active Expired - Lifetime
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