JP2002135969A - デジタル形保護継電装置 - Google Patents

デジタル形保護継電装置

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JP2002135969A
JP2002135969A JP2000328434A JP2000328434A JP2002135969A JP 2002135969 A JP2002135969 A JP 2002135969A JP 2000328434 A JP2000328434 A JP 2000328434A JP 2000328434 A JP2000328434 A JP 2000328434A JP 2002135969 A JP2002135969 A JP 2002135969A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アナログ入力数を極力少なくし、かつ、後備
保護としての方向距離継電器保護の特性方向の誤判別を
防止し、小型化及び信頼性の向上を図る。 【解決手段】 送電線1の計器用の変流器,変圧器の計
測出力が送電線の相電流IA,IB,IC,相電圧VA,V
B,VCのアナログ入力を形成し、変圧器の端子間電圧か
ら検出された送電線の線間電圧VAB,VBC,VCAが極性
電圧Vpのアナログ入力を形成するアナログ入力回路5
と、この回路5の各アナログ入力をA/D変換して演算
回路部に供給するA/D変換器とを備え、演算回路部
に、アナログ入力の相電流IA,IB,IC,相電圧VA
B,VCにより主保護のデジタルリレー演算を行う手段
と、IA〜IC,VA〜VCから送電線の線間電流IAB,I
BC,ICA,線間電圧VAB,VBC,VCAを演算し、極性電
圧Vpと演算して求めたIAB〜ICA,VAB〜VCAとによ
り、方向距離継電器保護のデジタルリレー演算を行う手
段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平行2回線送電線
等の電力系統送電線の主保護のデジタル継電器と、後備
保護のデジタル継電器とを一体化した主後一体形のデジ
タル形保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統送電線においては、主保
護用の保護継電器としての例えば回線選択継電器と、後
備保護用の保護継電器としての方向距離継電器とを設
け、短絡事故が発生したときに、主保護とそのバックア
ップの後備保護とを別々の保護継電器で行って故障回線
を遮断して送電線から切離すことが行われている。
【0003】そして、マイクロコンピュータを用いたデ
ジタルリレーの出現に伴い、前記の主保護及び後備保護
の保護継電器は、デジタルリレーを用いてデジタル形に
形成される傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のように主保
護と後備保護とを別々の保護継電器で行う場合、近年の
保護装置の小形化等の要求に応えることができない。
【0005】そこで、近年のデジタルリレーの複合化技
術の進歩に基づき、デジタルリレーを用いて主保護と後
備保護とを一体化し、主後一体形の1台のデジタル形継
電装置により、小型化等を図って送電線の主保護及び後
備保護を行うことが考えられる。
【0006】この場合、装置内では、アナログ入力の電
流,電圧をA/D変換してマイクロコンピュータの演算
回路部に供給し、この演算回路部により、回線選択保護
(主保護)、及び方向距離継電器保護(後備保護)のデ
ジタルリレー演算をする。
【0007】そして、これらの演算によって故障回線の
発生を検出すると、その回線の遮断器を開放し、故障回
線を遮断して切離す。
【0008】ところで、短絡事故に対する回線選択保護
にあっては、いわゆる平衡継電方式により、送電線の各
回線の電流分布の不平衡から故障回線を検出するため、
その検出に相電流及び相電圧(母線電圧)が必要であ
る。
【0009】また、方向距離継電器保護にあっては、線
間電圧と線間電流とにより故障点までの系統インピーダ
ンスを測定し、その方向(位相特性)により短絡事故を
検出するため、相間電流,相間電圧と方向判別の極性電
圧とが必要である。
【0010】したがって、平行2回線送電線の場合、前
記のアナログ入力の電流,電圧として、主保護に、回線
毎の相電流と、相電圧(系統の母線電圧)を要し、後備
保護に、回線毎の相間電流及び系統の線間電圧と、方向
判別用の極性電圧とを要し、この極性電圧は系統の線間
電圧である。
【0011】なお、地絡保護等も行うとすれば、主保護
及び後備保護に零相の電流も必要になる。
【0012】また、事故が発生すると、一般に、電流要
素は増加するが電圧要素は極端に減少し、電圧要素の計
測誤差が大きくなってデジタルリレー演算の演算誤差が
大きくなることから、電圧要素である前記の相電圧,線
間電圧については、2段階のスケール(レンジ)でA/
D変換してその結果を切換えて用いる必要がある。
【0013】そのため、回線当りの前記のアナログ入力
の電流,電圧の数(チャンネル数)は、零相の相電流,
線間電流も考慮すると、つぎの表1に示すように、20
チャンネルにもなり、主後一体形の保護を行うとすれ
ば、そのデジタル形保護継電装置のアナログ入力数(チ
ャンネル数)が極めて多くなる問題点がある。
【0014】
【表1】
【0015】なお、表1の相電流,相電圧のA,B,C
は相を示し、線間電流,線間電圧のA,B,CはAと
B,BとC,CとAの線間を示す。
【0016】また、実際には、相電線、線間電流は回線
毎に入力されるが、相電圧,線間電圧は各回線に共通で
ある。
【0017】つぎに、後備保護としての方向距離継電器
保護にあっては、モー要素の特性式が、一般に、つぎの
数1のベクトル式で示され、式中のZは整定インピーダ
ンス、Iは線間電流,Vは線間電圧,Vpは方向判別用
の極性電圧(線間電圧)である。
【0018】
【数1】
【0019】そして、このモー要素の位相特性は、図5
の方向距離継電器の特性図に示すように方向性(極性)
があり、モー要素の特性円イとリアクタンス要素の整定
直線ロとで囲まれた範囲が動作領域である。
【0020】なお、図中のR,Lの直交する2軸は、抵
抗成分,リアクタンス成分の軸である。
【0021】また、モー要素の方向特性は極性電圧Vp
の極性で定まり、その動作値特性は線間電圧Vの大きさ
で定まる。
【0022】そして、線間電圧Vを表1のアナログ入力
の各線間電圧とし、極性電圧は、アナログ入力数を少な
くするため、専用の線間電圧をアナログ入力する代わり
に、主保護のアナログ入力の相電圧をデジタル演算でベ
クトル合成して得ることが考えられるが、この場合、と
くに、この装置が設けられる送電線の端部から100m
以内の系統事故(至近端事故)が発生したときに、アナ
ログ入力の相電圧が極端に小さくなり、その誤差が大き
くなることから、図6の(a),(b)に示すように、
例えば相電圧VA,VBをベクトル合成して得た線間電圧
AB’は、それぞれの破線の真の線間電圧VABの位相か
らずれる。
【0023】すなわち、相電圧のベクトル合成で極性電
圧Vpとしての線間電圧を得る場合、一般的なデジタル
リレーと同様、系統基本波の電気角30°毎に系統の相
電圧の瞬時値をサンプリングし、フーリエ演算によっ
て、その余弦(cos)成分,正弦(sin)成分を求
めてベクトル合成するため、このベクトル合成で得られ
た線間電圧に、相電圧を検出する変圧器での位相誤差及
びA/D変換の量子化誤差等が含まれる。
【0024】そして、系統正常時は相電圧が定格電圧で
十分に大きいため、前記の誤差が殆ど影響しないが、系
統事故により相電圧が小さくなると、前記の誤差の影響
が大きくなり、ベクトル合成で得られた線間電圧の位相
は時々刻々変動して、図6の(a),(b)のように真
の線間電圧の位相からずれる。
【0025】そのため、極性電圧Vpとしての線間電圧
を相電圧のベクトル合成から求めると、方向距離継電器
保護の特性方向(極性)を誤判別し、後備保護の誤動作
を引起こすおそれがある。
【0026】本発明は、この種の主後一体形のデジタル
形保護継電装置において、アナログ入力数を極力少なく
し、かつ、方向距離継電器保護の方向判別用の極性電圧
の位相ずれを防止してその誤判別を防止し、後備保護の
誤動作を防止して信頼性を向上することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、電力系統送電線の相電流,相電圧に基
づく回線選択保護等の主保護のデジタルリレー演算によ
り、故障回線を遮断して送電線から切離す主保護の機能
と、送電線の線間電流,線間電圧及び方向判別用の極性
電圧に基づく後備保護としての方向距離継電器保護のデ
ジタルリレー演算により、主保護のバックアップ保護を
行う後備保護の機能とを有する主後一体形のデジタル形
保護継電装置であって、送電線の計器用の変流器,変圧
器の計測出力が前記送電線の相電流,相電圧のアナログ
入力を形成し、変圧器の端子間電圧から検出された送電
線の線間電圧が極性電圧のアナログ入力を形成するアナ
ログ入力回路と、アナログ入力回路の各アナログ入力を
A/D変換して演算を行う演算回路部に供給するA/D
変換器とを備え、この演算回路部に、アナログ入力の相
電流,相電圧により主保護のデジタルリレー演算を行う
手段と、アナログ入力の相電流,相電圧から送電線の線
間電流,線間電圧を求め、アナログ入力の極性電圧と演
算して求めた線間電流,線間電圧とにより方向距離継電
器保護のデジタルリレー演算を行う手段とを設ける。
【0028】したがって、主保護に必要な送電線の相電
流,相電圧は、アナログ入力されてA/D変換され、主
保護のデジタルリレー演算に用いられるが、後備保護と
しての方向距離継電器保護のデジタルリレー演算に必要
な送電線の線間電流,線間電圧は、主保護のためにアナ
ログ入力されてA/D変換された送電線の相電流,相電
圧をデジタル演算でベクトル合成して得られる。
【0029】また、方向距離継電器保護の方向判別に必
要な極性電圧は、送電線の線間電圧のアナログ入力から
専用の電圧として得られる。
【0030】そのため、アナログ入力回路の入力が、送
電線の相電流,相電圧及び極性電圧専用の線間電圧にな
り、少なくとも送電線の線間電流は入力されず、アナロ
グ入力回路のアナログ入力数が極めて少なくなる。
【0031】また、方向判別用の極性電圧がアナログ入
力の専用の線間電圧により形成され、相電圧のベクトル
合成等の演算で形成されたりしないため、至近端事故で
あっても極性電圧の位相ずれがなく、特性方向の誤判別
が防止されて後備保護の誤動作が防止され、信頼性が向
上する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態につき、図
1ないし図4を参照して説明する。まず、図1は平行2
回線送電線のデジタル形保護継電装置の単線結線図であ
り、抵抗接地の送電線1の電源端Ta,負荷端Tb間の
平行2回線2a,2bは、例えば電源端Taに設けられ
た回線毎の計器用変流器ユニット3により、A,B,C
各相の相電流IA,IB,IC が計測され、両変流器ユニ
ット3の各相のアナログの計測電流が本体装置4のアナ
ログ入力回路5の回線毎の電流検出用の補助変流器ユニ
ット6に供給される。
【0033】そして、変流器ユニット3,6は図2に示
すように形成され、変流器ユニット3の相毎の変流器3
a,3b,3cの計測電流の信号は変流器ユニット6の
各相の補助変流器6a,6b,6cに供給されて適当な
電圧信号に変換される。
【0034】さらに、各相の電流から回線の零相電流I
0 も検出するため、補助変流器6a〜6cを通った各相
の計測信号は補助変流器6dで加算されてベクトル合成
される。
【0035】そして、補助変流器6a〜6cの各相のア
ナログの相電流検出信号S(IA),S(IB),S(I
C)及び補助変流器6dのアナログの零相電流検出信号
S(I0 )は、アナログ入力回路5のアナログフィルタ
7のフィルタ処理及びゲインコントローラ8のゲイン調
整が施された後、サンプリング回路(図示せず)により
サンプルホールドされて信号選択用のマルチプレフサ9
に供給される。
【0036】一方、電源端T1の計器用変圧器ユニット
10は電源端T1の各相の系統電圧を両回線の各相の相
電圧として計測し、アナログの計測電圧を電圧検出用の
補助変圧器ユニット11,12に供給する。
【0037】この変圧器ユニット11,12は図3に示
すように形成される。なお、図3においては、変圧器ユ
ニット10を図示省略して変圧器ユニット11,12と
送電線1の各相との関係を示し、1’は送電線1の接地
抵抗である。
【0038】そして、変圧器ユニット11の各変圧器1
1a,11b,11cにより、両回線の各相の相電圧と
して、送電線1の各相電圧VA,VB,VC が計測され、
変圧器ユニット12の各変圧器12a,12b,12c
により、方向距離継電器保護の極性電圧Vpとして、送
電線1の相電圧VAB,VBC,VCAが計測される。
【0039】さらに、変圧器11a〜11cの各相のア
ナログの相電圧検出信号S(VA),S(VB),S(V
C)及び変圧器12a〜12cの各相間のアナログの線
間電圧検出信号S(VAB),S(VBC),S(VCA
は、変圧器ユニット11,12に接続されたアナログフ
ィルタ7,ゲインコントローラ8の処理が施された後、
サンプリング回路(図示せず)によりサンプルホールド
されてマルチプレクサ9に供給される。
【0040】なお、相電圧VA,VB,VC については、
従来と同様にスケール大,スケール小のものが必要であ
ることから、例えばゲインコントローラ8によりスケー
ル大とスケール小の2種類の相電圧検出信号S(VA
〜S(VC)が形成される。
【0041】そして、マルチプレクサ9は電流検出信号
S(IA)〜S(IC),S(I0 及び電圧検出信号S
(VA)〜S(VC),S(VAB)〜S(VCA)を順に選
択してA/D変換器13に供給することをくり返し、こ
の変換器13のA/D変換によりそれぞれデジタル信号
に変換してマイクロコンピュータ構成の演算回路部14
に供給する。
【0042】この演算回路部14は、予め設定された保
護継電器の主保護及び後備保護のプログラムを実行し、
送電線1の相電流IA,IB,IC,相電圧VA,VB,VC
に基づく回線選択保護等の主保護のデジタルリレー演算
により、故障回線を遮断して送電線1から切離す主保護
の機能と、送電線1の線間電流IAB,IBC,ICA,線間
電圧VAB,VBC,VCA及び方向判別用の極性電圧Vpに
基づく方向距離継電器保護のデジタルリレー演算によ
り、主保護のバックアップ保護を行う後備保護の機能と
を有する。
【0043】そして、電流検出信号S(IA)〜S
(IC),S(I0 )及び電圧検出信号S(VA)〜S
(VC)のデジタル信号により、両回線の相電流IA〜I
C,相電圧V A〜VCを検出して主保護としての回線選択
保護のデジタルリレー演算を実行し、短絡の故障回路が
発生すると、故障回線の遮断器15をトリップ開放して
遮断し、送電線1から切離す。
【0044】つぎに、主保護のアナログ入力を後備保護
に共用して、後備保護としての方向距離継電器保護のデ
ジタルリレー演算を行うため、演算回路部14は電流検
出信号S(IA)〜S(IC),電圧検出信号S(VA
〜S(VC)のベクトル合成のデジタル演算(IA
B,IB−IC,IC−IA,VA−VB,VB−VC,VC
A)を行って、回線2a,2bの線間電流IAB
BC,ICA及び線間電圧VAB,V BC,VCAを求める。
【0045】一方、極性電圧Vpについては、A/D変
換された電圧検出信号S(VAB)〜S(VCA)を用い
る。
【0046】このとき、極性電圧Vpが、方向判別(極
性判別)にのみ用いられるため、電圧検出信号S
(VAB)〜S(VCA)は、ゲインコントローラ8のゲイ
ン調整又はA/D変換器13のレンジ設定により、方形
波の入力に加工されてA/D変換される。
【0047】そして、演算回路部14は、演算で求めた
線間電流IAB〜ICA,線間電圧VAB〜VCAと、アナログ
入力の極性電圧Vpとにより、方向距離継電器保護のデ
ジタルリレー演算を行い、このデジタルリレー演算に基
づき、故障回線の発生時、主保護から若干遅れて故障回
線を検出し、主保護でその遮断器15がトリップ開放さ
れていなければ、直ちにその遮断器15をトリップ開放
し、主保護のバックアップ保護を行う。
【0048】この場合、主保護のアナログ入力を後備保
護にも用いるため、回線当りのアナログ入力の電流,電
圧は、つぎの表2に示すように13チャンネルとなり、
表1の20チャンネルより著しく少なくなる。
【0049】
【表2】
【0050】すなわち、この場合は前記表1の後備保護
の線間電流及びスケール大,小の線間電圧の計10チャ
ンネルのアナログ入力が省かれるため、極性電圧Vpの
専用の線間電圧VAB〜VCAをアナログ入力しても、全体
としては表1より7チャンネル減少してアナログ入力数
が少なくなる。
【0051】そのため、アナログ入力数を極力少なくし
た主後一体形のデジタル保護継電装置を提供することが
できる。
【0052】なお、相電圧のアナログ入力は両回線に共
用でき、相電圧及び線間電圧のみ回線毎に入力される。
【0053】つぎに、極性電圧Vpは実際に検出されて
アナログ入力した線間電圧VAB〜V CAからなり、演算回
路部14はベクトル合成の演算等をすることなく、A/
D変換器13の極性電圧Vpのデジタル信号の極性から
特性方向(極性)を検出する。
【0054】この場合、至近端事故が発生しても、A/
D変換器13の極性電圧Vpのデジタル信号から演算回
路部14が検出する特性方向は、図4の極性電圧Vpに
示すように、図中の破線の真の線間電圧VABに一致し、
相電圧のベクトル合成の演算等が不要で演算が簡単かつ
迅速になり、しかも、極性電圧Vpの位相のずれがない
ことから、方向距離継電器保護の特性方向(極性)の誤
検出がなく、後備保護の誤動作等を招くことがなく、信
頼性の高いデジタル形保護継電器を提供することができ
る。
【0055】したがって、入力チャンネル数が少ない小
型でしかも信頼性の高い主後一体形のデジタル形保護継
電器を提供することができる。
【0056】ところで、主保護により短絡だけでなく地
絡の回線選択保護も行い、後備保護により短絡保護(距
離継電器保護)だけでなく地絡の方向継電器保護も行う
ようにしてもよく、この場合、地絡の回線選択保護は両
回線の零相電流の差と零相電圧とに基づいて行われ、地
絡方向継電器保護は零相電圧と零相電流との位相関係の
検出に基づいて行われる。
【0057】そして、本発明は主保護が回線選択保護以
外の保護であっても、その保護が相電流IA〜IC,相電
圧VA〜VCを用いたデジタルリレー演算で行われる限
り、前記実施の形態と同様にして適用することができ、
電力系統送電線が平行2回線のものに限られないのは勿
論である。
【0058】すなわち、本発明は種々の電力系統送電線
の主保護と後備保護の機能を有する主後一体形のデジタ
ル形保護継電装置に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。主保護に必要な送電線1の相電流IA,IB,IC
相電圧VA,VB,VCは、アナログ入力されてA/D変
換され、デジタルリレー演算に用いられるが、後備保護
としての方向距離継電器保護のデジタルリレー演算に必
要な送電線1の線間電流IAB,IBC,ICA,線間電圧V
AB,VBC,VCAは、主保護のアナログ入力の相電流IA
〜IC,相電圧VA〜VCを利用し、これらの電流IA〜I
C,電圧VA〜VCからデジタル演算でベクトル合成して
得られる。
【0060】また、方向距離継電器保護の方向判別に必
要な極性電圧Vpは、送電線の線間電圧の専用のアナロ
グ入力から得られる。
【0061】この場合、アナログ入力回路5のアナログ
入力が、送電線の相電流IA〜IC,相電圧VA〜VC及び
特性電圧Vpの専用の線間電圧VAB〜VCAからなり、少
なくとも送電線1の線間電流IAB〜ICAのアナログ入力
を省くことができ、アナログ入力回路5のアナログ入力
数を著しく少なくすることができる。
【0062】また、極性電圧Vpが計測されたアナログ
入力の線間電圧VAB〜VCAをA/D変換して形成され、
相電圧VA〜VCのベクトル合成等の演算で形成されたり
しないため、方向距離継電器保護の方向特性が著しく改
善され、至近端事故であっても極性電圧Vpの位相ずれ
がなく、特性方向の誤判別がなく、後備保護の誤動作を
防止して信頼性を著しく向上することができる。
【0063】したがって、アナログ入力数が少なく、小
型で、しかも、いわゆる至近端事故が発生しても、後備
保護の方向制御用の極性電圧Vpの位相ずれがなく、そ
の方向特性が著しく改善されて信頼性が極めて高い主後
一体形のデジタル形保護継電装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の単線結線図である。
【図2】図1の一部の詳細な3相結線図である。
【図3】図1の他の一部の詳細な3相結線図である。
【図4】図1の後備保護の極性電圧の特性図である。
【図5】方向距離継電器の特性図である。
【図6】(a),(b)はそれぞれ相電圧のベクトル合
成で求めた場合の後備保護の極性電圧の特性図である。
【符号の説明】
1 送電線 2a,2b 回線 3,6 変流器ユニット 5 アナログ入力回路 10,11,12 変圧器ユニット 13 A/D変換器 14 演算回路部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統送電線の相電流,相電圧に基づ
    く回線選択保護等の主保護のデジタルリレー演算によ
    り、故障回線を遮断して前記送電線から切離す主保護の
    機能と、 前記送電線の線間電流,線間電圧及び方向判別用の極性
    電圧に基づく後備保護としての方向距離継電器保護のデ
    ジタルリレー演算により、前記主保護のバックアップ保
    護を行う後備保護の機能とを有する主後一体形のデジタ
    ル形保護継電装置であって、 前記送電線の計器用の変流器,変圧器の計測出力が前記
    送電線の相電流,相電圧のアナログ入力を形成し、前記
    変圧器の端子間電圧から検出された前記送電線の線間電
    圧が前記極性電圧のアナログ入力を形成するアナログ入
    力回路と、 前記アナログ入力回路の各アナログ入力をA/D変換し
    て演算回路部に供給するA/D変換器とを備え、 前記演算回路部に、 前記アナログ入力の相電流,相電圧により前記主保護の
    デジタルリレー演算を行う手段と、 前記アナログ入力の相電流,相電圧から前記送電線の線
    間電流,線間電圧を演算して求め、前記アナログ入力の
    極性電圧と演算して求めた線間電流,線間電圧とにより
    前記方向距離継電器保護のデジタルリレー演算を行う手
    段とを設けたことを特徴とするデジタル形保護継電装
    置。
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