JP2002134810A - ガンダイオード - Google Patents

ガンダイオード

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JP2002134810A
JP2002134810A JP2000328944A JP2000328944A JP2002134810A JP 2002134810 A JP2002134810 A JP 2002134810A JP 2000328944 A JP2000328944 A JP 2000328944A JP 2000328944 A JP2000328944 A JP 2000328944A JP 2002134810 A JP2002134810 A JP 2002134810A
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Tadayoshi Deguchi
忠義 出口
Atsushi Nakagawa
敦 中川
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New Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガンダイオードの発振効率、放熱性及び歩留
まりの向上、並びに平面回路への実装容易性等を実現す
る。 【解決手段】 高濃度n型のInP基板上11に、高濃
度n型のInP半導体層12、低濃度n型のInP活性
層13が順に積層され、且つ活性層13に電圧を印加す
るためのカソード電極15、アノード電極18を備えた
ガンダイオードにおいて、カソード15はショットキー
障壁の高さがほぼ0.2〜0.4eVとなる範囲で活性層13
に直接接触させ、アノード電極は活性層13に対するシ
リコンのイオン注入より形成された高濃度層17にオー
ミック接触させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波やミリ
波帯で用いられるガンダイオードに係わり、特に発振効
率が高く、放熱性や歩留まり向上し、平面回路への実装
が容易なガンダイオードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の持つ特性の1つであるガン効果
を利用したデバイスとして、ガンダイオードが知られて
いる。特に、ガリウム砒素(GaAs)半導体を母体材
料としたものが、マイクロ波やミリ波帯域の発振デバイ
スとして実用化されている。
【0003】従来のガリウム砒素ガンダイオード100
Aの構造を図7に示す。図7において106はカソード
電極、104はn+型(高濃度n型:以下同じ)GaA
sの半導体層、103はn型(低濃度n型:以下同じ)
GaAsの活性層、102はn+型GaAsの半導体
層、101はn+型GaAsの基板、105はアノード
電極である。図7に示すように、従来のガンダイオード
は、使用する周波数帯によって決まる所定の不純物濃度
と厚さを有する活性層103が、半導体層102及び基
板101を介してアノード電極105に接続されてい
る。
【0004】通常ガンダイオードでは、電子は活性層に
印加される電界強度が臨界値Ethより小さいときには移
動度が大きく、エネルギー状態の低いガンマーバレーに
存在する。さらに電界強度が臨界値Ethより大きくなる
と移動度が小さく、エネルギー状態の高いL(又はX)
バレーに遷移する。このため、臨界値Ethを越える領域
で、負性微分抵抗を有することになる。
【0005】図7に示すガンダイオード100Aでは、
カソード電極106とアノード電極105との間に臨界
値Ethを越える電圧が印加されると、活性層103のカ
ソード電極106側にガンドメインと呼ばれる電気二重
層が発生し、アノード電極105に向かって移動する。
ガンドメインは半導体層102に達すると消失し、同時
に新しいガンドメインが活性層103のカソード電極1
06側に発生する。このようなガンドメインの発生、消
失の繰り返しにより発生する直流電流が、交流電流に重
畳され、発振動作が発生する。ここで、直流電流の周波
数がガンダイオードの発振周波数となる。ガンダイオー
ドでは、入力した交流電力に対する直流電力出力の比で
表される発振効率が、最も重要な性能指数であり、その
向上が求められている。
【0006】しかし、このガンダイオード100Aは、
活性層103のカソード電極106側に、ガンドメイン
が発生できないデッドゾーンと呼ばれる部分が発生する
という欠点があった。ガンドメインは、カソード電極1
06が接続される半導体層104から活性層103に注
入される電子が、ガンマーバレーからL(又はX)バレ
ーヘ遷移するために必要なエネルギーを与えることによ
って発生する。従って、遷移するための必要なエネルギ
ーが与えられるまで電子が走行する距離がデッドゾーン
となる。このデッドゾーンの距離は、短いほど発振効率
が高く、活性層の厚さに対する割合が大きくなるに従い
発振効率が低下してしまう。このため、ミリ波帯のよう
な高周波帯域の周波数の発振を得るため活性層の厚さを
約2μmと極めて薄くしたガンダイオードでは、デッド
ゾーンの厚さが活性層の厚さに対して大きな割合を占め
てしまい、特に発振効率の低下が著しいという欠点があ
った。
【0007】このデッドゾーンの発生を抑えたガンダイ
オードとして、図8に示すように、活性層103にカソ
ード電極107を直接接続し、且つカソード電極107
が活性層103にショットキー接触する構造のガンダイ
オード100Bが提案されている。このような構造のガ
ンダイオード100Bは、カソード電極107の活性層
103に生じるショットキー障壁の高さを最適化するこ
とにより、ショットキー障壁に相当するエネルギーを有
する電子をカソード電極107から活性層103に注入
することができる。注入された電子は、高エネルギー帯
であるLバレーに容易に遷移することができ、デッドゾ
ーンの発生を抑制することができる。
【0008】図10に活性層に注入された電子がガンマ
ーバレーからLバレーに遷移するために必要なエネルギ
ーを得るための、設定されるショットキー障壁の高さを
算出した結果を示す。図9に示すように、活性層の不純
物濃度の変化とともにショットキー障壁の高さが変化す
るが、1016cm-3台後半の不純物濃度を考慮すると、お
おむね0.3〜0.4eVの障壁の高さを有する接合を形成す
る必要があることが分かる(Preceeding of IEEE vol.65
No.5 pp823-824,May 1975)。
【0009】一方、発振周波数は一義的に活性層の厚み
で決まるため、ミリ波のような高周波帯では活性層の不
純物濃度はかなり高くなり、動作状態での電流密度は活
性層の不純物濃度と飽和電子速度との積により決まる。
そのため、ミリ波帯では電流密度の増大により活性層の
温度が上昇し、発振効率が低下してしまうという欠点が
あった。
【0010】そこで、この問題を解消するために、従来
のミリ波用ガンダイオード100A,100Bでは、メ
サ型構造をとることによって、活性層を含めた素子の大
きさを数10μm直径程度と極めて小さく形成するとと
もに、もっとも重要な性能指数を左右する発振効率に大
きな影響を及ぼす放熱効率の良い銅製等の放熱部を備え
たピル型パッケージ内に組み立てられていた。
【0011】図9にピル型パッケージ110内にガンダ
イオード素子100(100A又は100B)が組み立
てられた従来の実装構造を示す。このピル型パッケージ
110は、放熱基台電極111と、ガンダイオード素子
100を取り囲む外囲器となるガラスやセラミックスか
らなる円筒112とを有し、この円筒112は放熱基台
電極111に硬ロウ付けされた構造となっている。ガン
ダイオード素子100は、図示しないボンデングツール
にて静電吸着され、放熱基台電極111に接着される。
更に、金リボン113によりガンダイオード素子100
と円筒112の先端に設けられた金属層とが熱圧着等に
より接続される。金リボン113の接続を行った後、円
筒112上に蓋状の金属ディスク114をロウ付けし、
ピル型パッケージ110への組立が終了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発振効
率を向上させるため、0.2〜0.4eVという低いショット
キー障壁をガリウム砒素の活性層に形成することは非常
に難しいという問題があった。例えば、チタン、白金
等、一般に電極に使用されている金属をガリウム砒素に
接触させた場合、ショットキー障壁の高さは約0.8eV
と大きくなってしまう。また、ショットキー障壁の高さ
を低くするため、例えば銀、錫をそれぞれ活性層表面に
蒸着し、熱処理を施す方法も提案されているが、活性層
の表面状態によってショットキー障壁の高さがばらつい
たり、後工程の熱処理で特性が変動したりして、再現性
が悪く使用する事ができないという問題があった。
【0013】また、従来のガリウム砒素ガンダイオード
素子100A,100Bは、前記したメサ型構造とする
ために、通常、ホトレジストをエッチングマスクとして
使用し、化学的な湿式エッチングによる方法で形成され
るが、このエッチング方法では、深さ方向だけでなく、
横方向にも同時にエッチングが進行し、電子の走行空間
(活性層)の制御が非常に難しいという製造上の難点が
あり、ガンダイオード素子の素子特性がばらつくという
問題があった。
【0014】また、メサ表面が不安定であるためにメサ
表面への電流集中によりガン素子が焼損し易いという問
題があった。さらに、ピル型パッケージ110に組み立
てる際には、放熱基台電極111にガンダイオード素子
100A(100B)を接着する時、前記ボンディング
ツールが視野を遮り、放熱基台電極111を直接視認す
ることが困難となり、組立作業効率が非常に悪いという
問題があった。
【0015】本発明の目的は、上記問題点を解消し、デ
ッドゾーンの発生を最小限に抑えて発振効率が高く、放
熱性や歩留まり向上し、平面回路への実装が容易なガン
ダイオードを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このために、第1の発明
のガンダイオードは、半導体基板上に、高濃度n型の半
導体層、低濃度n型の活性層が順に積層され、且つ前記
活性層に電圧を印加するための第1、第2の電極を備え
たガンダイオードにおいて、前記第1の電極はショット
キー障壁がほぼ0.2〜0.4eVとなる範囲で前記活性層に
接触させ、前記第2の電極は前記活性層に対するイオン
注入により形成されたn型の高濃度層にオーミック接触
させて構成した。
【0017】第2の発明は、第1の発明において、前記
半導体基板、前記半導体層及び前記活性層がインジウム
燐からなるよう構成した。
【0018】第3の発明は、第1の発明において、前記
半導体基板、前記半導体層及び前記活性層がガリウム砒
素からなり、前記活性層上にV族元素を不純物として含
むシリコン薄膜を形成し、前記第1の電極を前記活性層
に直接接触することに代えて、前記シリコン薄膜に接触
させて構成した。
【0019】第4の発明は、第3の発明において、前記
シリコン薄膜を、前記活性層の表面を窒素プラズマによ
り処理して形成した窒化ガリウム層に代えて構成した。
【0020】第5の発明は、第1乃至4のいずれか1つ
の発明において、前記第1の電極の周囲から下層にかけ
て凹部を形成し、又はイオン注入による高抵抗領域を形
成して、ガンダイオードとして機能させる領域を区画し
て構成した。
【0021】第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1
つの発明において、前記第1の電極として高融点金属を
使用して構成した。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]図1は本発
明の第1の実施形態のインジウム燐(InP)ガンダイ
オード10Aの構造を示す図で、(a)は平面図、(b)は断
面図である。図2は製造工程図である。図2の内容に従
って製造工程を説明する。
【0023】まず、n+型InPの半導体基板11上
に、MOCVD法により不純物濃度が3〜8×1018
-3で厚さが0.5μmのn+型InPの半導体層12を
成長させ、さらに、不純物濃度が1×1016cm-3で厚
さが1.5μmのn型インジウム燐の活性層13を順次積
層した半導体基板を用意する(図2の(a))。
【0024】次に、活性層13上に、高融点金属である
タングステンシリサイド(WSi)をスパッタ法で積層
させる。そして、カソード電極形成予定領域としてパタ
ーニングされたフォトレジスト又はAu等からなる金属
膜をマスクとして、WSiをSF6ガス等によるドライ
エッチングによりパターニングし、ショットキー障壁が
約0.3eVであるカソード電極15を形成する(図2の
(b))。なお、高融点金属は、Moでも構わない。
【0025】次に、フォトリソグラフ法によって、アノ
ード領域が開口するようにフォトレジスト16をパター
ニングし(図2の(c))、活性層13の表面からシリコ
ンを加速エネルギー30keV、ドーズ量1×1013
-2でイオン注入した後、加熱処理を800℃で短時間
行い、n+型で深さ約0.2μmの高濃度層17を形成す
る(図2の(d))。ここで、イオンはS,Se,Sn等
でもよい。その後、再びフォトリソグラフ法によって、
アノード領域が開口するようにフォトレジストをパター
ニングし、高濃度層17とオーミック接触するAuG
e、Ni、Au等からなる金属膜を蒸着して450℃で
シンターし、アノード電極18を形成する(図2の
(e))。
【0026】次に、アノード電極18およびカソード電
極15の表面の一部を開口するようにフォトレジストを
パターニングし、その開口内に電解メッキ法あるいは無
電解メッキ法によってAu等からなる導電性突起部であ
るカソードバンプ19、アノードバンプ20を析出形成
する(図2の(f))。
【0027】ここで通常では、カソード電極15とアノ
ード電極18をマスクとしてドライエッチング等により
凹部を形成してメサ分離するが、この構造の場合、メサ
分離をしなくても、アノード電極18の総面積は、カソ
ード電極15よりも充分大きい(約50倍)ため、アノ
ード電極18下方の活性層は、単に微少な抵抗となり、
電界は第1の半導体層12とカソード電極15間に集中
するため、ガンダイオードの動作に問題は生じない。
【0028】その後、半導体基板11の裏面を機械的あ
るいは化学的にエッチングして約100μm厚にした
後、必要に応じて、半導体基板11とオーミック接触す
るAuGe、Ni、Au等からなる金属膜21を蒸着
し、加熱処理を行う(図2の(g))。半導体基板11の
裏面に形成する金属膜21は必ずしも必要ないが、アノ
ード電極18下方の半導体積層部の電気抵抗をより小さ
くできる。
【0029】このインジウム燐ガンダイオード10Aで
は、カソード電極15の大きさはガンダイオードの所定
の動作電流が得られる面積(横方向断面積)に設定され
る。つまり、ガンダイオードとして機能可能な面積に設
定される。ここで、実装後の放熱性を良くするために、
カソード電極15を複数個設ける。アノード電極18が
接続される高濃度層17の面積は、カソード電極15が
接続される活性層13の総面積より約50倍と十分大き
いものとし、アノード電極18下方の半導体積層部の電
気抵抗をカソード電極15下方の半導体積層部の電気抵
抗より約1/50の程度に十分小さくすることで、この
部分をガンダイオードとしては機能させず、実質的に低
い値の抵抗部として機能させ、アノード電極18を実質
的直接的に半導体層12に接続させる。
【0030】このように0.2〜0.4eVと低いショットキ
ー障壁の高さを有するカソード電極15を備えたガンダ
イオード10Aでは、活性層13に電子がホットエレク
トロンとして注入され、ガンマーバレーから大きいエネ
ルギー状態のLバレーヘ容易に遷移することができ、デ
ッドゾーンの発生を最小限に抑制することができる。従
って、従来構造のガンダイオードに比べて、発振効率の
大きいガンダイオードを得ることができる。また、この
ガンダイオード100Aは、ガンダイオードとして機能
する活性領域がエッチングによるメサ形成を一切行わな
いので、メサ表面への電流集中によりガン素子が焼損し
てしまうという問題が解決できる。
【0031】図3はガンダイオード10Aをマイクロス
トリップ線路30を構成する平板回路基板31に実装し
た構造の1例を示す図である。AlN(窒化アルミニウ
ム)のように比抵抗が106Ω・cm以上、熱電導率が
170W/mK以上の半絶縁性の平板基板31上の表面
に信号電極32が、また裏面に接地電極33が形成され
ている。34はタングステンを充填したヴィアホールで
あり、裏面の接地電極33と表面に形成した表面接地電
極35を接続している。
【0032】ガンダイオード10Aはその中央の2個の
カソードバンプ19が信号電極32に接着され両側のア
ノードバンプ20が両側の接地電極34に接着されてい
る。信号電極32の中の32Aはガンダイオード10A
にバイアス電圧を供給するバイアス電極、32Bはガン
ダイオード10Aを含むマイクロストリップ線路による
共振器を構成する電極、32Cはマイクロストリップ線
路による信号出力電極である。
【0033】この実装構造では、ガンダイオード10A
をフェースダウン姿勢にして、カソードバンプ19,ア
ノードバンプ20を信号電極32、表面接地電極35に
各々直接接続し、金リボンを使用しないので、金リボン
による接続に起因し発生していた寄生インダクタンスの
発生がなくなり、特性のばらつきの少ない発振器を実現
することが可能になる。
【0034】また、ガンダイオード10Aに発生する熱
が両バンプ19,20を介して放散されるので、放熱効
果も高くなる。さらに、ガンダイオード10Aの実装状
態では、カソードバンプ19の両側にアノードバンプ2
0が位置するので、カソード電極15に過度の加重が加
わることが防止される。
【0035】[第2の実施形態]図4は本発明の第2の
実施形態のガリウム砒素(GaAs)ガンダイオード1
0Bの構造を示す断面図である。その製造工程を説明す
る。
【0036】まず、n+型GaAsからなる半導体基板
23上に、MBE法により、不純物濃度が1〜3×10
18cm-3で厚さが1.0μmのn+型GaAsからなる半
導体層24を成長させ、さらに、不純物濃度が1×10
16cm-3で厚さが1.7μmのn型ガリウム砒素からなる
活性層25を順次積層した半導体基板を用意する。
【0037】次に、フォトリソグラフ法によって、アノ
ード領域が開口するようにフォトレジストをパターニン
グし、アノード領域となる前記活性層25の表面にn型
ドーパントとなるシリコンを加速エネルギー30ke
V、ドーズ量1×1013cm-2でイオン注入した後、加
熱処理を800℃で短時間行い、n+型の高濃度層26
を形成する。ここで、イオンはシリコンの他にS,S
e,Snでもよい。その後、再びフォトリソグラフ法に
よって、アノード領域が開口するようにフォトレジスト
をパターニングし、高濃度層26とオーミック接触する
AuGe、Ni、Au等からなる金属膜を蒸着して45
0℃でシンターし、アノード電極18を形成する。
【0038】次に、前記活性層25の表面に、シリコン
薄膜14を基板温度300℃、砒素雰囲気中で平均の膜
厚が0.3〜3.0nm程度となるように形成する。このよう
にシリコン薄膜14は、高温で行う高濃度層26の製造
の後に、300℃という低温で製造する。ここでは、砒
素雰囲気とすることで、シリコン薄膜14中に不純物と
して砒素が添加される。
【0039】その後、シリコン薄膜14上にショットキ
ー接続させるため、Alを蒸着により積層させ、ショッ
トキー障壁が約0.2〜0.4eVのカソード電極15を形成
する。
【0040】次に、アノード電極18およびカソード電
極15の表面の一部を開口するように、フォトレジスト
をパターニングし、その開口内に電解メッキ法あるいは
無電解メッキ法によって、Au等からなる導電性突起部
であるカソードバンプ19、アノードバンプ20を析出
形成する。
【0041】ここで通常では、カソード電極15とアノ
ード電極18をマスクとしてドライエッチング等により
凹形状にメサ分離するが、この構造の場合、メサ分離を
しなくても、電界は半導体24とカソード電極15間に
集中するため、ガンダイオードの動作に問題は生じな
い。
【0042】その後、半導体基板23の裏面を機械的あ
るいは化学的にエッチングして約100μmにした後、
必要に応じて、半導体基板23とオーミック接触する金
属膜21を蒸着し、加熱処理を行う。この半導体基板2
3裏面の金属膜21は必ずしも必要ないが、アノード電
極18下方の半導体積層部の電気抵抗をより小さくでき
る。
【0043】なお、上記説明ではシリコン薄膜14に砒
素を不純物として添加する場合について説明したが、砒
素の代わりに同じV族元素であるアンチモンを添加して
もよい。この場合、シリコン薄膜14をアンチモン雰囲
気で成長させたあと、高融点金属であるWSi,Mo等
の金属膜をカソード電極15として積層形成すればよ
い。この場合も、ショットキー障壁が、約0.2〜0.4eV
となり、発振効率の高いガリウム砒素ガンダイオードを
得ることができる。
【0044】また、ショットキー障壁を得るために、前
記したn+型GaAsの半導体基板23上にn+型Ga
Asの半導体層24を成長させその上にn型GaAsの
活性層25を順次積層した半導体基板に対して、ヘリコ
ン波で励起された窒素プラズマにより10分間表面処理
して、シリコン薄膜14に代えて窒化ガリウム薄膜を形
成し、その後、高融点金属であるWSi,Mo等の金属
膜をカソード電極15としてその窒化ガリウム薄膜に積
層形成しても、ショットキー障壁が約0.3eVで得られ
(図11)、発振効率の高いガリウム砒素ガンダイオー
ドを作製することができる。
【0045】本実施形態のガリウム砒素ガンダイオード
10Bも、前記したインジウム燐ガンダイオード10A
と同様に、カソード電極15はガンダイオードとして機
能する面積に設定され、アノード電極18は実質的直接
的に半導体層24に接続される。そして、ショットキ障
壁が低く、デッドゾーンの発生を最小限に抑え、発振効
率が高いガンダイオードを実現できる。また、図3に示
したように実装可能であり、前記ガンダイオード10A
と同様な作用効果がある。
【0046】[第3の実施の形態]図5は本発明の第3
の実施形態のインジウム燐ガンダイオード10Cの断面
図、図6はその製造工程図である。本実施形態では、ま
ず、n+型InPからなる半導体基板11上に、MOC
VD法により、不純物濃度が3〜8×1018cm-3で厚
さが0.5μmのn型InPの半導体層12を成長させ、
さらに、不純物濃度が1×1016cm-3で厚さが1.5μ
mのn型インジウム燐の活性層13を順次積層した半導
体基板を用意する(図6の(a))。
【0047】次に、活性層13上に、高融点金属である
WSiをスパッタ法で積層させる。そして、カソード電
極形成予定領域としてパターニングされたフォトレジス
ト又はAu等からなる金属膜をマスクにして、WSiを
SF6ガス等によるドライエッチングによりパターニン
グし、ショットキー障壁が約0.2eVであるカソード電
極15を形成する(図6の(b))。なお、この高融点金
属は、Moでも構わない。
【0048】そして、カソード電極15をマスクとし
て、シリコンを加速エネルギー30keV、ドーズ量1×
1013cm-2でイオン注入した後、加熱処理を800℃
で短時間行い、活性層13の一部にn+型の高濃度層1
7を形成する(図6の(c))。
【0049】次に、フォトリソグラフ法によって、アノ
ード領域が開口するようにフォトレジスト16をパター
ニングし、AuGe、Ni、Au等からなる金属膜を蒸
着して450℃でシンターし、高濃度層17とオーミッ
ク接触するアノード電極18を形成する(図6の
(d))。
【0050】次に、カソード電極15とアノード電極1
8をマスクとし、カソード電極15とアノード電極18
間(カソード電極15の周囲)の少なくとも高濃度層1
7の部分を、ICPドライエッチングにより除去して凹
部22を形成させる(図6の(e))。なお、この凹部2
2はボロン(b)等のイオン注入により形成した高抵抗領
域(絶縁領域)に置き換えてもよい。
【0051】次に、アノード電極18およびカソード電
極15の表面の一部を開口するように、フォトレジスト
をパターニングし、その開口内に電解メッキ法あるいは
無電解メッキ法によって、Au等からなる導電性突起部
であるカソードバンプ19、アノードバンプ20を析出
形成する(図6の(f))。
【0052】その後、半導体基板11の裏面を機械的あ
るいは化学的にエッチングして約100μmにした後、
必要に応じて、半導体基板11とオーミック接触するA
uGe、Ni、Au等からなる金属膜21を蒸著し、加
熱処理を行う(図6の(g))。半導体基板11の裏面に
形成する金属膜21は必ずしも必要ないが、アノード電
極18下方の半導体積層部の電気抵抗をより小さくでき
る。
【0053】本実施形態のインジウム燐ガンダイオード
10Cも、前記したインジウム燐ガンダイオード10A
やガリウム砒素ガンダイオード10Bと同様に、カソー
ド電極15はガンダイオードとして機能する面積に設定
され、アノード電極18は実質的直接的に半導体層12
に接続される。そして、ショットキ障壁が低く、デッド
ゾーンの発生を最小限に抑え、発振効率が高いガンダイ
オードを実現できる。また、図3に示したように実装可
能であり、前記ガンダイオード10A,10Bと同様な
作用効果がある。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高融点金属を用いたショットキー接合のカソード電極の
形成と、イオン注入や熱処理によるオーミック接合のア
ノード電極の形成という非常に単純な製造工程により、
第1の電極からホットエレクトロンが活性層に注入され
る、プレナー構造の平面回路に実装できるガンダイオー
ドが製造できる。
【0055】このように、カソード電極に障壁の高さの
低いショットキー接合を使用するため、高いエネルギー
を有する電子を活性層に注入することができ、デッドゾ
ーンの発生を最小限に抑制することが可能となる。
【0056】また、カソード電極がショットキー接触す
る領域であるシリコン薄膜の形成や窒素プラズマによる
表面処理には、通常の半導体製造装置を使用することが
できるため、容易に再現性よく形成することが可能であ
る。
【0057】また、この構造はカソード電極とアノード
電極をマスクとしたドライエッチングによるによるメサ
分離する工程が特には必要としないから、この場合は、
メサ分離に伴うバラツキが一切なくなる。また、メサ表
面への電流集中によりガン素子が焼損してしまうことを
防ぐことができる。
【0058】また、本発明のガンダイオードでは、同一
面にカソード電極とアノード電極を設けることができる
ため、フェースダウン姿勢で実装できる。このため、従
来のようなピル型パッケージに組み立てる必要がなく、
平板基板への組み立てが容易に可能であり組み立て上の
利点が大きい。
【0059】さらに、実装時に金リボン等によって微小
電極と接続する必要がないため、寄生インダクタンスの
発生がなく、金リボンの長さのばらつきなどに起因する
回路特性のばらつきをなくすことができる。
【0060】さらに、実質的にガンダイオードとして機
能するカソード電極下部の活性層部分を複数個に分離し
て構成することにより、放熱効率が格段に良くなり、発
振効率や発振電力を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のインジウム燐ガ
ンダイオードを示す図で、(a)は平面図、(b)は断面図で
ある
【図2】 図1のガンダイオードの製造工程の説明図で
ある。
【図3】 図1のガンダイオードをマイクロストリタブ
線路に実装した斜視図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態のガリウム砒素ガ
ンダイオードの断面図図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態のインジウム燐ガ
ンダイオードの断面図である。
【図6】 図5のガンダイオードの製造工程の説明図で
ある。
【図7】 従来のガリウム砒素ガンダイオードの断面図
である。
【図8】 従来の別のガリウム砒素ガンダイオードの断
面図である。
【図9】 ガンダイオードをピル型パッケージに組み込
んだ断面図である。
【図10】 ガンマーバレーからLバレーヘ電子が遷移
するために必要なショットキー障壁の高さを示す特性図
である。
【図11】 リチャードソンプロットにより求めた窒素
プラズマ処理10分後と処理しない場合のショットキ障
壁高さを示す図である。
【符号の説明】 10A、10B、10C:ガンダイオード、11:n+
型InPの半導体基板、12:n+型InPの半導体
層、13:n型InPの活性層、14:シリコン薄膜、
15:カソード電極、16:フォトレジスト、17:シ
リコンのイオン注入によるn+型の高濃度層、18:ア
ノード電極、19:アノードバンプ、20:カソードバ
ンプ、21:金属膜、22:凹部(又は高抵抗領域)、
23:n+型GaAsの半導体基板、24:n+型Ga
Asの半導体層、25:n型GaAsの活性層、26:
シリコンのイオン注入によるn+型の高濃度層 30:マイクロストリップ線路、31:平板基板、3
2:信号電極、33:接地電極、34:ヴィアホール、
35:表面接地電極 100,100A,100B:従来のガンダイオード、
101:半導体基板、102:半導体層、103:活性
層、104:半導体層、105:アノード電極、10
6:カソード電極、107:カソード電極(ショットキ
ー接触)、110:ピル型パッケージ、111:放熱基
台電極、112:円筒、113:金リボン、114:金
属ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA04 AA05 BB05 BB09 BB10 BB26 BB28 CC01 CC03 DD26 DD34 DD37 DD52 DD53 DD65 GG02 HH17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、高濃度n型の半導体層、
    低濃度n型の活性層が順に積層され、且つ前記活性層に
    電圧を印加するための第1、第2の電極を備えたガンダ
    イオードにおいて、 前記第1の電極はショットキー障壁がほぼ0.2〜0.4eV
    となる範囲で前記活性層に接触させ、前記第2の電極は
    前記活性層に対するイオン注入により形成されたn型の
    高濃度層にオーミック接触させたことを特徴とするガン
    ダイオード。
  2. 【請求項2】前記半導体基板、前記半導体層及び前記活
    性層がインジウム燐からなることを特徴とする請求項1
    に記載のガンダイオード。
  3. 【請求項3】前記半導体基板、前記半導体層及び前記活
    性層がガリウム砒素からなり、前記活性層上にV族元素
    を不純物として含むシリコン薄膜を形成し、前記第1の
    電極を前記活性層に直接接触することに代えて、前記シ
    リコン薄膜に接触させたことを特徴とする請求項1に記
    載のガンダイオード。
  4. 【請求項4】前記シリコン薄膜を、前記活性層の表面を
    窒素プラズマにより処理して形成した窒化ガリウム層に
    代えたことを特徴とする請求項3に記載のガンダイオー
    ド。
  5. 【請求項5】前記第1の電極の周囲から下層にかけて凹
    部を形成し、又はイオン注入による高抵抗領域を形成し
    て、ガンダイオードとして機能させる領域を区画したこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
    ガンダイオード。
  6. 【請求項6】前記第1の電極として高融点金属を使用し
    たことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記
    載のガンダイオード。
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