JP2002134782A - 単結晶基体、それを用いた光電変換装置、放射線撮像装置、画像表示装置、太陽電池モジュール及び単結晶基体の製造方法 - Google Patents

単結晶基体、それを用いた光電変換装置、放射線撮像装置、画像表示装置、太陽電池モジュール及び単結晶基体の製造方法

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JP2002134782A
JP2002134782A JP2000330901A JP2000330901A JP2002134782A JP 2002134782 A JP2002134782 A JP 2002134782A JP 2000330901 A JP2000330901 A JP 2000330901A JP 2000330901 A JP2000330901 A JP 2000330901A JP 2002134782 A JP2002134782 A JP 2002134782A
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single crystal
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crystal substrate
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JP2000330901A
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Katsumi Nakagawa
克己 中川
Akiyuki Nishida
彰志 西田
Kiyobumi Sakaguchi
清文 坂口
Takao Yonehara
隆夫 米原
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Original Assignee
Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積で平板状の単結晶基板を低コストで製
造すること。 【解決手段】 半導体ウエハーまたはインゴットから切
り出した複数の基板100を集めた集合基板103上に
連続した多孔質層102を形成した後に、多孔質層10
2において集合基板103側から分離することによって
単結晶基体104’を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶基体、それ
を用いた光電変換モジュール、放射線撮像装置、太陽電
池及び単結晶基体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】(従来技術1)従来、X線撮像装置は、
X線診断における人体の放射線被曝量の低減化、高感度
化及び診断の迅速化が要求されている。X線撮像装置
は、X線を可視光等に変換する波長変換部を有し、照射
されたX線を波長変換部で光に変換し、その光をアモル
ファスシリコン等からなる大面積のエリアセンサで読み
込む。
【0003】エリアセンサをより高感度化したり、動作
をより高速化するには、エリアセンサを、単結晶シリコ
ンを用いて製造することが好ましい。また、人体の放射
線被曝量を低減するためには、エリアセンサの面積を大
きくして、短時間のX線の照射によって、多くのレント
ゲン情報を取得できるようにすることが必要である。エ
リアセンサの大きさは、たとえば人体の胸部、腹部を診
察するため、少なくとも一辺が8インチ以上の矩形とす
ることが望ましいと考えられる。
【0004】(従来技術2)また、従来、テレビやコン
ピューターに接続されるモニタなどの画像表示装置は、
陰極線管(CRT)に代わって、画面の歪みがない、画
面の大きさに比べ奥行きが短い、消費電力が少ない等の
観点から、液晶表示素子や電界放出素子を用いるものが
多くなりつつある。このような画像表示装置には、内部
に液晶表示素子等を駆動する駆動回路が作り込まれてい
るものが多く、表示の微細化高速化等の要請から、駆動
回路の動作の高速化が求められている。
【0005】駆動回路の動作を高速化するためには、電
子やホールの易動度を考慮すると、基板にアモルファス
シリコンや多結晶シリコンを材料として用いるよりも、
単結晶シリコンを用いる方が好ましい。
【0006】(従来技術3)また、各種電気機器を駆動
するための独立電源や、商用電力と系統連系させる電源
として太陽電池が普及しつつある。太陽電池を構成する
半導体としては一般にシリコンやガリウム砒素が用いら
れる。高い光電変換効率(光エネルギーを電力に変換す
る効率)を得るには、これらの単結晶を用いるのがよ
い。
【0007】また、通常、単結晶基板は円柱状のインゴ
ットを中心軸に垂直な方向にスライスして作成されるこ
とが多く、このため円板状をなす。円板状の基板を敷き
詰めて太陽電池モジュールを形成すると、基板間にデッ
ドスペースが生じ、モジュールの開口面積当たりの変換
効率が低下するので、円板状の基板を矩形に切り出した
ものを複数敷き詰めて太陽電池モジュールを形成するこ
とが多い。
【0008】ところで、従来技術1,2では、X線撮像
装置や画像表示装置に、単結晶シリコン基板を用いるこ
とが好ましいことを説明したが、単結晶シリコン基板を
形成するための円柱状のインゴットは、直径が8インチ
程度であるので、工業的に利用できる単結晶基板では、
一辺が8インチ以上の矩形のエリアセンサや、対角線が
14インチ以上ある画像表示装置や、低コストの太陽電
池を製造することは困難である。
【0009】また、従来技術3で説明した太陽電池の製
造方法によると、円板状の基板の外縁付近は、切り出す
ことができない部分が生じるので無駄が多く、太陽電池
がコストアップする原因になり、改善が求められてい
る。
【0010】図11は、円柱状のインゴットから大きく
かつ無駄のないように矩形の基板を切り出す方法の説明
図である。図11に示すように、円柱状のインゴット4
00を中心軸の方向に切り出せば、直径8インチのイン
ゴットから幅Wを8インチとし、高さHを12インチと
し、さらに対角線が14.4インチの矩形の基板403
を切り出すことができる。
【0011】しかし、図11に示すように、この方法で
は中心軸404を通らない平面で切り出した基板40
3’は、幅W’が8インチに満たず、材料利用の効率性
の点で問題があった。
【0012】この問題を改善するために、たとえば特開
平10−81998号公報には、半導体結晶のインゴッ
トを電解溶液に浸漬し、電極との間に通電してインゴッ
トの表面に分離層を形成し、分離層の表面に単結晶層を
形成し、これをインゴット表面から分離する方法が記載
されている。
【0013】この手法によると、少なくとも単結晶基板
の一辺の長さはインゴットの長さの制約を受けるだけな
ので、効率性の悪さを改善することができる。さらに、
分離層の形成に伴うインゴットの消耗を極力抑制すれ
ば、この方法で1本のインゴットから、かなりの枚数の
大型単結晶基板が得られる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載されている方法で得られる単結晶層は、円筒状に湾曲
しているので、太陽電池への適用が可能であっても、エ
リアセンサや画像表示素子等への適用は困難であった。
【0015】そこで、本発明は、大面積で平板状の単結
晶基板を低コストで製造することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の単結晶基体は、半導体ウエハーまたはイン
ゴットから切り出した複数の基板を集めた集合基板上に
形成している多孔質層上に連続した単結晶層を形成した
後に、前記多孔質層において前記集合基板側から分離す
ることによって製造してなることを特徴とする。
【0017】なお、集合基板上に多孔質層を形成して
も、複数の基板の各々に多孔質層を形成してから集合基
板を形成するようにしてもよい。また、集合基板は、複
数の基板を隙間なく並べて形成しても隙間を作って並べ
て形成してもよい。
【0018】また、本発明の光電変換装置は、上記単結
晶基体を、光又は光に基づく信号を電気信号に変換する
光電変換素子と、前記電気信号の読み出しを制御するス
イッチング素子して用いることを特徴とする。
【0019】さらに、本発明の放射線撮像装置は、上記
光電変換装置と、前記光電変換装置の上部に設けた放射
線を光に変換する波長変換部とを備えることを特徴とす
る。
【0020】さらにまた、本発明の画像表示装置は、上
記単結晶基体に電子を放出する素子を備え、前記単結晶
基体に対向して配置する透明基体に前記素子から放出さ
れた電子に応じて発光する蛍光体を備えてなることを特
徴とする。
【0021】具体的には、上記素子としてエミッション
チップを用い、それの動作を制御する制御用トランジス
タも上記単結晶基体に備えている。また、エミッション
チップは、液相成長法の成長速度の面方位による異方性
を利用して形成するとよい。さらに、制御用トランジス
タとして接合型電界効果トランジスタを用いることが望
ましい。
【0022】また、本発明の太陽電池モジュールは、上
記単結晶基体上に該単結晶基体と反対の導電型の半導体
層を設け、前記半導体層から電荷を取り出す電極を備え
た太陽電池を複数有することを特徴とする。
【0023】さらに、本発明の単結晶基体の製造方法
は、半導体ウエハーまたはインゴットから切り出した複
数の基板を集めた集合基板上に形成している多孔質層上
に連続した単結晶層を形成した後に、前記多孔質層にお
いて前記集合基板側から分離することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0025】まず、本発明の各実施形態における単結晶
基板の製造原理について説明する。
【0026】図1は、矩形の単結晶基板100を切り出
す前のインゴット400の断面図である。ここでは、図
1における矩形の単結晶基板100の長辺は、インゴッ
トの中心軸に並行であり、その長さは、インゴットの長
さ範囲で任意としている。また、図1における短辺の長
さはインゴットの直径のたとえば1/4未満としてい
る。このような割合になるように矩形の単結晶基板10
0の大きさを設計すると、インゴットから比較的材料の
利用効率よく矩形の単結晶基板100を切り出すことが
できる。
【0027】図2は、図1に示すインゴットから切り出
した矩形の単結晶基板100を複数並べた様子を示す図
である。図2に示すように、矩形の単結晶基板100を
敷き詰めると、見かけ状1枚の大きな単結晶基板(以
下、「集合基板」と称する。)103となる。
【0028】しかし、この状態では、個々の単結晶基板
100の間に、電気的な接続が無く、また基板の境界部
の画素は特性が不十分になる等、エリアセンサや画像表
示装置を形成するには不都合が多い。そこで、本発明者
は、集合基板103の表面に、単結晶層を成長させて、
これを集合基板103より分離することによって、集合
基板103と同等の面積の1枚の単結晶基体(以下、
「大判基体」と称する。)を形成する手法を検討した。
集合基板103に単結晶層を成長させる工程と、成長さ
せた単結晶層を集合基板からの分離する工程とを繰り返
せば、集合基板103の形成に少々コストがかかって
も、大判基体1枚当たりのコストを大幅に下げることが
できる。
【0029】ちなみに、集合基板は、複数の矩形の単結
晶基板100を隙間なく並べて形成することが望ましい
が、実施形態3において説明するように、単結晶基板1
00の間に隙間を設けて形成してもよい。
【0030】なお、このような手法によると、大判基体
を、図2の矩形の単結晶基板100の短辺方向をインゴ
ットの大きさに拘わらず形成することができ、また矩形
の単結晶基板100の長辺方向の長さをインゴットの高
さ程度にすることができる。
【0031】特に、インゴットの高さは通常1m程度の
ものが多いので、インゴットを中心軸の方向に切り出せ
ば、一辺が1m程度の大判基体を低コストで製造できる
ようになる。なお、大判基体は、シリコン単結晶、ガリ
ウム砒素、ガリウムリン、インジウムリン等のいずれの
化合物半導体が材料となるようにしてもよい。
【0032】(実施形態1)図3は、本発明の実施形態
1の大判基体の製造工程図である。本実施形態では、大
判基体を以下の手順により形成する。まず、単結晶のイ
ンゴットから複数の矩形の単結晶基板100を切り出し
(図3(a))、矩形の単結晶基板100を並べて集合
基板103を作成できるように、個々の矩形の単結晶基
板100の端面を研磨する。
【0033】なお、端面は直線とすると加工が容易だ
が、直線でなくとも隣合う矩形基板の間に隙間ができな
い様に、各々の端面の形状が揃えられていればよい。ま
た、矩形の単結晶基板100の切り出し方には特に制約
はなく、たとえば表面の方位が(100)でも(11
1)でもよい。
【0034】つづいて、複数の矩形の単結晶基板100
の表面を研磨し、隣接する基板との表面間に段差ができ
ないように厚さを揃える。そして、複数の矩形の単結晶
基板100をフッ酸等の電解液に浸漬し、矩形の単結晶
基板100を正極として対向電極との間に電流を流す。
こうして、矩形の単結晶基板100の表面に複雑に絡ま
りあった微細孔があいて後述する分離層となる多孔質層
102が形成される(図3(b))。
【0035】さらに、単結晶基板100の導電型はp
型、n型とも使用できるが、多孔質層102の形成には
低抵抗なp型が好都合である。しかし高抵抗なp型やn
型の場合も光を照射すると多孔質層102の形成は可能
であるし、後述する実施形態3では、このような点に拘
わらず、半導体装置を製造する場合には導電型は任意と
することができる。
【0036】多孔質層102を用いた場合には、分離さ
れた単結晶層の裏面や集合基板の表面に、破壊された多
孔質層の残さ105が生じることが多いが、これはアル
カリ溶液を用いてエッチング除去したり、比較的希薄な
フッ酸溶液中で大電流を流すことにより、所謂電解研磨
状態として除去すればよい。これらの方法によると工程
に要するコストを低減できるが、特に高度の平面性を要
求する場合は研磨を行ってもよい。
【0037】また、分離層としての機能を高めるため、
多孔質層102の形成途中で急激に電流を増加させ多孔
質層102と単結晶基板100との界面に、特に微細孔
が発達した層を形成するようにしてもよい。多孔質層1
02の形成された複数の矩形の単結晶基板100を、隙
間のできない様に敷き詰めて固定し集合基板103とす
る(図3(c))。なお、ここでは集合基板103の平
面図と断面図を示している。
【0038】それから、集合基板103を固定して、そ
の表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)装置、
LPE(Liquid Phase Epitaxy)装置などを用いて、所
望の厚さで単結晶層104をエピタキシャル成長させ
る。
【0039】隣接する矩形の単結晶基板100の表面に
は当初、各々独立した単結晶層が成長するが、成長とと
もに互いにこれらが接触することにより、矩形の単結晶
基板100の表面の方位が揃えられているため、やがて
連続した単結晶層104として成長し始める(図3
(d))。
【0040】成長した単結晶層104にストレスを加え
ると、強度上、多孔質層102が優先的に破壊され、単
結晶層104で、集合基板103と単結晶層104とを
分離することができる(図3(e))。用途に応じて集
合基板103から分離する前に、単結晶層104にエリ
アセンサや太陽電池等の素子を作り込んでおいてもよ
い。
【0041】また、単結晶層104は、接着剤を用いて
ポリカーボネートやPET等の可撓性のある樹脂やガラ
スや金属のシートを貼り付けて、引き剥がす様な力を加
えても、急加熱したり急冷したりしても、集合基板10
3から分離することができる。
【0042】さらに、単結晶層104とシートとの貼り
付けには、水等の液体を氷結させる方法を用いることも
できる。必要があれば、この状態で集合基板103から
分離された単結晶層104を別の基板に再転写した後加
熱して、シートを剥離することもできる。
【0043】また、米国特許4727047号に示され
ているように、多孔質層102の隙間から、単結晶をオ
ーバーグロースさせ、1枚の単結晶層104を形成した
後、力を加えたり選択エッチングを行って単結晶層10
4を分離してもよい。
【0044】分離された単結晶層104の裏面には、多
孔質層102の残さ105があるので、これらはポリッ
シング、エッチング、電解研磨等の方法で除去して裏面
も平滑な大判基体104’にするとよいが、用途によっ
て平滑化は省略できる(図3(f))。
【0045】一方、集合基板103の表面にも多孔質層
102の残さ105があるので、これも除去し表面の平
滑な矩形の単結晶基板100’とする(図3(g))。
表面が平滑化された各矩形の単結晶基板100は、再度
多孔質層102を形成して集合基板103を構成し、そ
の上に単結晶層104を成長させることにより、再利用
する。この様に矩形の単結晶基板100を繰り返し使用
することで、効率よく多数の大判基体104’を製造す
る。
【0046】(実施形態2)図4は、本発明の実施形態
2の大判基体の製造工程図である。なお、図4において
図3と同様の部分には、同一の符号を付している。本実
施形態では、まず、図3(a)に示すような矩形の単結
晶基板100を、各々の表面の方位が平行にして裏打ち
基板101に隙間なく敷き詰めることによって固定し
て、表面を研磨し、集合基板103を作成する(図4
(a))。
【0047】裏打ち基板101としては、たとえば導電
性や耐熱性があり熱膨張係数の差がない低抵抗な多結晶
シリコン基板が好適に用いられる。その場合、矩形の単
結晶基板100と裏打ち基板101とは、アルミペース
トを用いて貼り付け焼成すると強固に固着できる。
【0048】つづいて、集合基板103の表面に分離層
となる多孔質層102を形成する(図4(b))。そし
て、その表面に、実施形態1と同様の手順によって単結
晶層104をエピタキシャル成長する(図4(c))。
それから、成長した単結晶層104にストレスを加え
て、多孔質層102で、集合基板103と単結晶層10
4とを分離する(図4(d))。
【0049】分離された単結晶層104の裏面の多孔質
層残さ105を除去し、裏面も平滑な大判基体104’
を得る(図4(e))。そして、集合基板103の表面
の多孔質層102の残さ105を除去して、表面が平滑
な集合基板103とする。これを図4(b)の工程に戻
して、集合基板103を再利用する。こうして、効率よ
く、多数の大判基体104’を製造する。
【0050】(実施形態3)図5は、本発明の実施形態
3の大判基体の製造工程図である。なお、図5におい
て、図3と同様の部分には、同一の符号を付している。
本実施形態では、まず、図3(a)に示すような矩形の
単結晶基板100を、それぞれ表面の方位が平行になる
ように配置する(図5(a))。この場合は隣接する矩
形の単結晶基板100の間に若干の隙間があってもよ
い。
【0051】この状態で複数の矩形の単結晶基板100
を基板ホルダーなどに固定し、第1の単結晶層300を
エピタキシャル成長する(図5(b))。第1の単結晶
層300が成長すると、矩形の単結晶基板100は第1
の単結晶層300によって相互に固着される。また隣接
する矩形の単結晶基板100との間に、適度な隙間が空
いていると、この部分にもエピタキシャル成長が起こ
り、矩形の単結晶基板100は相互に強く固着される。
【0052】また、単結晶層104や第1の単結晶層3
00を成長する方法としては、シランやジクロルシラン
等のシリコンを含むガスを熱分解するCVD法が一般的
に用いられるが、インジウムや錫等の低融点金属のメル
トに単結晶の材料を溶し込み、過飽和にして基板上に成
長する液相成長法(LPE法)も好適に用いられる。特
に厚くする必要のある第1の単結晶層300の成長に
は、成長速度が速いLPE法が有利である。
【0053】つづいて、第1の単結晶層300の表面に
分離層となる多孔質層102を形成し(図5(c))、
その上に第2の単結晶層104をエピタキシャル成長す
る(図5(d))。そして、第2の単結晶層104を集
合基板103から分離する(図5(e))。分離した第
2の単結晶層104の裏面の多孔質層102の残さ10
5を除去して、大判基体104’を製造する(図5
(f))。
【0054】それから、第1の単結晶層300の表面の
多孔質層残さ105を除去する。第1の単結晶層300
を十分な厚さに成長しておけば、集合基板103’を図
5(b)の工程に戻して、再使用することにより、効率
よく多数の大判基体104’を製造する。
【0055】(実施形態4)図6(a)は、実施形態1
〜3において説明した手法によって製造した大判基体1
04’を用いたX線撮像装置の断面図である。図6
(b)は、図6(a)のエリアセンサ703の平面図で
ある。なお、X線撮像装置の各エリアセンサ703は、
数十cm角の矩形をなし、また実際には、数百万個が整
然と配列されているものが多いが、図6には4つ分を拡
大して示している。
【0056】図6には、実施形態1〜3において説明し
た手法によって製造した大判基体104’を画素705
として用いたエリアセンサ703と、X線をエリアセン
サ703側で検知できるような可視光などの光に変換す
る波長変換部700とを示している。
【0057】エリアセンサ703は、波長変換部700
で変換された光を電気信号に変換する光電変換素子であ
るところのフォトダイオード706及びフォトダイオー
ド706からの電気信号又は電気信号に基づく信号の読
み出しを制御するスイッチング素子であるところの薄膜
トランジスタ(以下、「TFT」と称する。)707を
有する画素705を有している。
【0058】また、エリアセンサ703は、画素705
を上下方向に挟むように配置された裏面ボード708及
び透明ボード709と、TFT707のゲートのオン/
オフを制御する制御信号を伝達するゲート信号線713
と、電気信号を伝達するドレイン信号線711と、ドレ
イン信号線711を通じて伝達された電気信号を外部の
処理手段に接続するための裏面電極710と、画素70
5の裏面に設けられた透明電極712と、各画素705
が共通して接続される共通信号線714とを備えてい
る。
【0059】なお、図6において、裏面電極710とド
レイン信号線711は画素の裏面側に設けられており、
透明電極712、ゲート信号線713、共通信号線71
4は画素の表面側に設けられている。ここで、透明電極
712、ゲート信号線713、共通信号線714は、集
合基板から分離する前に、大判基体104’の表面に堆
積した透明導電層をパターンニングして形成している。
【0060】最初にエリアセンサ703について説明す
る。フォトダイオード706は、図示しないpn接合又
は電極界面とのショットキー障壁を内部に含んでおり、
シンチレータ701によって変換された光の強度に応じ
た光電流が流れる。
【0061】TFT707は、実施形態1〜3において
説明した手法によって製造した大判基体104’を用い
て形成したMOS型電界効果トランジスタ等であり、ド
レイン信号線711から裏面電極710を介して接続さ
れている共通信号線714との間の電気的接続のオン/
オフを、ゲート信号線713の電位に応じて制御してい
る。
【0062】従って、任意のゲート信号線713の電位
を設定して、ドレイン信号線711と共通信号線714
との接続をオンにした状態で、ドレイン信号線711を
順次選択すると、このゲート信号線713に接続された
一連の画素から発生する電流が、順次共通信号線714
に読み出することができる。さらに、図示しない複数の
ゲート信号線の電位を順次設定して、ドレイン信号線7
11を順次選択することにより、画像全体の読み取りを
行っている。
【0063】ここで、薄膜半導体の画素間にクロストー
クが生じるのを防ぐには、各画素を物理的に分離するの
が望ましい。特にエッチング等によって単結晶層を物理
的に分離するのが最も確実である。また、フォトダイオ
ード706やTFT707の機能からすると、単結晶層
は厚さ5μmで十分であり、この程度の厚さであれば、
弗酸やアルカリ溶液などにより数分間でエッチングする
ことにより、各画素を物理的に分離することができる。
【0064】つづいて、エリアセンサ部703の製造工
程について説明する。まず、大判基体104’を集合基
板から分離していない状態で、大判基体104’の表面
にITO等の透明導電層を堆積する。そして、透明導電
層をパターニングして透明電極712,ゲート信号線7
13及び共通信号線714を形成する。
【0065】それから、それらの上に透明な絶縁性接着
剤を塗布してガラス等からなる透明ボード709を貼り
付ける。そして、集合基板と透明ボード709との間に
力を加えて、大判基体104’を集合基板から分離す
る。大判基体104’に残さ105があれば、エッチン
グ等によって除去する。
【0066】つぎに、大判基体104’をパターニング
して、各画素を分離する。これと平行して、セラミクス
等の絶縁性の裏面ボード708に導電性ペーストで裏面
電極710とドレイン信号線711のパターンを形成し
ておき、裏面ボード708の導電性ペースト側を、パタ
ーンニングされた大判基体104’に貼り合わせる。
【0067】なお、回路的な信頼性を高めるためには、
裏面ボード708と透明ボード709との間のスペース
に、絶縁性の接着剤を注入して、張り合わせの強度を高
め、かつ大判基体104’の両面の配線間の絶縁性を確
保することが好ましい。
【0068】また、大判基体104’は、アモルファス
シリコンや多結晶シリコンの薄膜並に薄くすることがで
きるので、スタガー型の電界効果トランジスタの構成が
実現できる。
【0069】つづいて、波長変換部700について説明
する。波長変換部700は、CsIやCd22S等から
なるシンチレータ701と、シンチレータ701をエリ
アセンサ703毎に仕切るための貫通孔を具える埋め込
みパネル702とを有しており、各貫通孔にシンチレー
タ701を充填することによって形成している。
【0070】なお、埋め込みパネル702は実施形態1
〜3において説明した手法によって製造した大判基体1
04’を用いている。大判基体104’は、特性が均質
な単結晶基体であるで、異方性エッチング等の手法によ
り精度よく貫通孔を形成することができる。
【0071】また、X線に対して感度を高めるために
は、X線の入射方向に対するシンチレータの厚さを10
0〜300μm程度に厚くする必要があるが、画像読み
取りの分解能を高めるため、貫通孔の大きさは通常約1
00μm四方の画素の面積より小さくなくてはならな
い。
【0072】さらに、エリアセンサ703間の光学的ク
ロストークを防止するため、エリアセンサ703間は独
立させる必要があるので、貫通孔は、アスペクト比(深
さ/直径)の高い微細なものを所望の位置に精度よく開
けている。
【0073】ちなみに、貫通孔は、埋め込みパネル70
2に、YAGレーザー等からビームを照射したり、単結
晶シリコン基板の表面に開口を設けた耐エッチング性の
あるマスクをかけシリコンを選択的にエッチングする等
の方法で形成したり、マスクをかけた状態で薄いフッ酸
溶液中で電解研磨を行うことによって形成している。
【0074】(実施形態5)図7は、実施形態1〜3に
おいて説明した手法によって製造した大判基体104’
を用いた電界放出方式の画像表示装置(FED)の製法
工程図である。FEDの場合も全体の大きさは対角線と
して14インチ以上が要求され、数百万個に及ぶ画素が
マトリクス状に配列されているが、図7では1個の画素
だけを示している。
【0075】なお、図7では1組の電子放出素子と制御
用トランジスタが1画素を構成する例を示しているが、
1画素が複数の電子放出素子からなるようにしてもよ
い。
【0076】まず、表面の方位が(100)のn型の単
結晶シリコン基板800を用意する(図7(a))。つ
づいて、単結晶シリコン基板800の表面にp型領域8
01を形成する(図7(b))。p型領域801は、熱
拡散やドーパント元素を導入しつつ成長を行って形成し
たp型の層を、フォトリソ工程でパターンニングする
か、単結晶シリコン基板800の表面に形成したドーパ
ントを含む層をパターンニングした後に熱拡散を行うこ
とにより形成できる。
【0077】そして、p型領域801はエミッション電
流の制御に用いられるので、予めこの領域の電位を制御
するための制御電極802のパターンを形成しておく
(図7(c))。その後、全体にCVD法でSiO2
803を形成し、エミッタチップを形成する領域だけ孔
を開ける(図7(d))。
【0078】この状態でLPE法によりシリコンを成長
すると、SiO2層803の表面にはシリコンが成長せ
ず、開口部のみ成長が起こる。LPE法では(111)
面が選択的に成長するので、等価な(111)面からな
るピラミッドが形成され(図7(e))、これは電子を
放出するためのエミッタチップ804となる。なお、ウ
ェットエッチングによりエミッタチップ804の先端を
さらに先鋭化することもできる。
【0079】つぎに、エミッタチップ804を形成する
ための開口部の縁に、引き出し電極805を形成する
(図7(f))。つづいて、エミッタチップ804に対
向した位置に蛍光体808を形成した透明板807を配
置する(図7(g))。こうして、画像表示装置を製造
する。
【0080】なお、引き出し電極805は、電子をエミ
ッタチップ804の先端から引き出すためのものであ
り、引き出された電子によって形成される電子線806
は、蛍光体808に照射される。蛍光体808は、この
ことによって励起され発光する。電子線806は、引き
出し電極805の電位(正)809が高い程強くなる。
【0081】また、制御電極802の電位(負)810
が低くなるとpn接合界面の空乏層811が広がり電流
を制限するため電子線806は弱くなる。制御電極80
2と引き出し電極805をマトリクス駆動することによ
り、画素を走査できる。
【0082】図7に示したFEDでは、単結晶の方位が
全面積そろっているため均一なエミッタチップ804が
形成でき、また制御トランジスタも多結晶シリコンなど
を用いる場合に見られる粒界による影響を受けないため
特性がそろい、ムラがなく階調性の高い画像が得られ
る。
【0083】(実施形態6)図8(a)は、実施形態1
〜3において説明した手法によって製造した大判基体1
04’を用いた太陽電池モジュールの平面図である。図
8(b)は、図8(a)のA−A’間の断面図である。
【0084】なお、図8には、複数の太陽電池を直列接
続してモジュールとしている。これは、単体の単結晶シ
リコン太陽電池では、得られる出力電圧が0.5V程度
であるので、電源としては低すぎるためである。ここで
は、4個の太陽電池が接続されているが、実際にはもっ
と多数の太陽電池が接続され、たとえば12V程度の出
力電圧が得られるようにしている。
【0085】また、図8には、たとえばp型の大判基体
104’上に形成されPN接合部を形成するn型層90
3と、n型層903側から出力される電荷を矩形の単結
晶基板100単位で取り出すグリッド電極904と、各
大判基体104’における各グリッド電極904を接続
する引き出し電極905と、引き出し電極905を介し
て伝達される電荷を受ける裏面基板906と、裏面基板
906と引き出し電極905とを接続する半田907と
を示している。
【0086】なお、太陽電池としては短辺を長くした場
合には、引き出し電極905の形状を縦横比の大きい矩
形とするのがよい。また大判基体104’の導電型は一
般にはp型とされることが多いため、n型層903を形
成する場合を例に示しているが、これらの導電型は反対
であってもよい。n型層903は、ドーパントの熱拡散
によって形成したり、エピタキシャル成長の最後にn型
のドーパントを導入して形成している。
【0087】さらに、グリッド電極904は、導電性ペ
ーストの印刷等の方法で形成している。これは、一般に
n型層903のシート抵抗による損失を最小限に抑える
ためである。これとは垂直な方向に、金属のシートで引
き出し電極905を設けている。引き出し電極905の
数は、大判基体104’の長手方向の長さによって決定
する。
【0088】また、裏面電極906には、アルミニウム
ペーストの印刷等で形成して、光の反射率を高めてい
る。特に、大判基体104’の導電型がp型の場合に
は、アルミニウムが拡散して強いp型となるので、バッ
クサーフェスフィールド効果が得られ長波長光に対する
感度が高まる。
【0089】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例1では、たとえ
ば8インチ×12インチの単結晶シリコンからなる大判
基体の製造方法を説明する。Z軸が [001]で直径が
6インチ、比抵抗0.01Ωcmのp+シリコンインゴット
を用意した。このインゴットから、幅3cm、長さ20
cm、厚さ1mmで、その表面が(100)の矩形のシ
リコン単結晶基板を切り出した。矩形のシリコン単結晶
基板を相互に長辺で隙間のない様に密着させて、30c
m×20cmの集合基板を作成して、その表面を研磨し
た。
【0090】つぎに、図9に示すエピタキシャル装置
に、集合基板を取り付けて単結晶層とをエピタキシャル
成長した。具体的には、集合基板103を、吸引口10
04から吸引することにより、導電性で一部にテフロン
1005がコーティングされたステージ1003にチャ
ッキングしてカーボン電極1001とを対向させて、耐
フッ酸性の容器1000に入れ、容器1000の中にフ
ッ酸:イソプロピルアルコール=1:1の組成の溶液1
002を満たした。
【0091】なお、集合基板103とカーボン電極10
01との間は、2cmの間隔を保つようにしており、こ
れらはほぼ同じ大きさとした。また、ステージ1003
の裏面にテフロン1005をコーティングしているの
は、ステージ1003の裏面が腐食されるのを防ぐため
である。
【0092】この状態でステージ1003が正、カーボ
ン電極1001が負になるようにして、電源1006に
より、5A程度の直流電流を約10分間流し、さらに引
き続き12A程度の電流を約2分間流した。こうして集
合基板103の表面に厚さ約10μmの多孔質層を形成
した。
【0093】それから、多孔質層を形成した集合基板を
容器1000から取り出して、洗浄乾燥した後に、これ
をLP−CVD装置の基板サセプターに固定し、たとえ
ば水素気流中で1050℃で10分間のアニールを行
い、ジクロルシラン1L/分、水素100L/分、圧力
100torr、基板温度950℃で60分間成長を行
い、厚さ約50μmの単結晶シリコン層を得た。
【0094】つづいて、単結晶シリコン層の表面に水蒸
気を吹きかけて、うっすらと水の層が形成されたところ
で、たとえば20×30cmの大きさのガラス板を貼り
付け、零下20℃に冷却したところ、ガラス板が単結晶
シリコン層の表面に強固に貼りついた。この状態で、ガ
ラス板と集合基板との間に薄いナイフの刃を挿入したと
ころ、単結晶層が、多孔質層の部分からきれいに剥がれ
た。
【0095】しかし、単結晶層の剥がれた面には、多孔
質層の残さが見られたので、このまま零下2℃に保った
有機アルカリ溶液のエッチャントに浸けたところ、残さ
が除去された。これを零下2℃に保った水とイソプロピ
ルアルコールとの混合液で洗浄した後に室温に戻したと
ころ、ガラス板から20cm×30cm×50μmのシ
リコン基板が外れた。シリコン基板の剥離面側には矩形
の単結晶基板の痕跡がうっすら見られたが、成長の終了
した面には見られなかった。また、X線回折法で表面の
面方位を調べたが、全面至る所(100)で20×30
cmの1枚の大判基体であることが分かった。
【0096】また、大判基体であるところの単結晶シリ
コン層を分離した後の矩形の単結晶基板を複数用いて集
合基板とすることによって、リサイクルして、効率よく
同様の大判基体を作成した。
【0097】(実施例2)本発明の実施例2では、8イ
ンチ×12インチの単結晶シリコンからなる大判基体の
製造方法について説明する。Z軸が [001] 、直径6
インチ、比抵抗2Ωcmのpシリコンインゴットを用意
した。このインゴットから、たとえば幅3cm、長さ2
0cm、厚さ0.2mmで、その表面が{100}の矩
形のシリコン単結晶基板を切り出した。矩形のシリコン
単結晶基板を相互に長辺側で100μm程度の間隔をあ
けた状態で合わせて、おおよそ30cm×20cmの大
きさの集合基板として、その表面を研磨した。
【0098】つぎに、図10に示すLPE装置に、集合
基板103を取り付けて単結晶層をエピタキシャル成長
した。具体的には、集合基板103は、カーボン製の基
板ホルダー1102に固定した。なお、基板ホルダー1
102には、集合基板103が外れない様にするための
爪を設けた。ただし、集合基板103は図面の奥行き方
向にはスライドすることができる。
【0099】このように、基板ホルダー1102を用い
たので、集合基板103の裏面に成長が起こるのを防ぐ
ことができた。また、坩堝1101内にはたとえば90
0℃においてシリコンで飽和するよう調整されさらにボ
ロンを十分に溶し込んだインジウムのメルト1103を
入れた。
【0100】基板ホルダー1102がメルト1103に
浸からない様に、基板ホルダー1102を昇降させる昇
降装置1104で保持して、図示しない電気炉で加熱し
た。その際、反応容器1100にはほぼ大気圧下で水素
を流しつつ、全体を1050℃とした。つづいて、毎分
0.5℃の割合で徐冷して、880℃となったところ
で、昇降装置1104を駆動して、基板ホルダー110
2をメルト1103に浸けた。
【0101】さらに、100分間徐冷を続けた後に、昇
降装置1104を駆動して基板ホルダー1102をメル
ト1103から引き上げて、エピタキシャル成長を終了
した。こうして、集合基板103に厚さ100μm程度
の第1の単結晶シリコン層を成長させた。
【0102】しかも、隣接する矩形の単結晶基板間の隙
間にも単結晶シリコン層が成長し、集合基板103は、
実質上厚さ300μm程度の大判基体となった。なお、
大判基体の比抵抗は0.02Ωcmであった。
【0103】つづいて、集合基板103の表面に、図9
に示したエピタキシャル装置を用いて、実施例1と同様
の手法で、厚さが10μm程度の多孔質層を形成し、L
P−CVD法で約6分間成長を行い、厚さが5μm程度
の第2の単結晶シリコン層を成長した。その表面にエポ
キシ系接着剤で集合基板103と同じ形状のポリカーボ
ネートシートを貼り付けた。
【0104】このポリカーボネートシートに液体窒素の
冷気を噴霧したところ、ポリカーボネートシートの熱収
縮により、第2の単結晶シリコン層が集合基板103か
ら剥離した。つづいて多孔質層の残さを有機アルカリで
除去した。このようにして製造した大判基体は、剥離面
にも矩形の単結晶基板の痕跡が全く見られなかった。
【0105】また、残った集合基板103も、実施例1
と同様に、繰り返し使用して多くの同様の大判基体を分
離することができた。集合基板103は各矩形の単結晶
基板を隙間をあけて並べたが、これから大判基体を製造
することができるので、実質上1枚とみなせる。そのた
め、繰り返し使用する際、基板ホルダー1102上に、
矩形の単結晶基板を一々配列しなくてもよいので取り扱
いが容易であった。
【0106】(実施例3)本発明の実施例3では、実施
例2で説明した手法によって作成した大判基体を用いた
太陽電池モジュールの製造方法について説明する。な
お、大判基体の大きさは、ここでは8インチ×4インチ
とした。
【0107】Z軸が [211] 、直径6インチ、比抵抗
2Ωcmのpシリコンインゴットを用意した。このイン
ゴットから、幅2.5cm、長さ20cm、厚さ0.2
mmで、その表面が{111}の矩形の基板を切り出し
た。矩形の基板4枚を相互に長辺側で、100μm程度
の隙間をあけた状態で、おおよそ20cm×10cmの
集合基板として、その表面を研磨した。
【0108】そして、以下実施例2と同様な方法で厚さ
300μの実質上1枚の面方位{111}の集合基板を
形成したところ、比抵抗が0.02Ωcmの大判基体を
製造することができた。大判基体の表面に、実施例2と
同様の手法によって、厚さが約10μmの多孔質層を形
成した後、図10に示したLPE装置によって、単結晶
シリコン層をエピタキシャル成長させた。
【0109】具体的には、集合基板103は、カーボン
製の基板ホルダー1102に固定した。また、坩堝11
01内にはたとえば900℃においてシリコンで飽和す
るよう調整されさらにボロンを十分に溶し込んだインジ
ウムのメルト1103を入れた。基板ホルダー1102
がメルト1103に浸からない様に、基板ホルダー11
02を昇降させる昇降装置1104で保持して、図示し
ない電気炉で加熱した。その際、反応容器1100には
ほぼ大気圧下で水素を流しつつ、全体を1050℃とし
た。つづいて、毎分0.5℃の割合で徐冷して、880
℃となったところで、昇降装置1104を駆動して、基
板ホルダー1102をメルト1103に浸けた。
【0110】さらに、100分間徐冷を続けた後に、昇
降装置1104を駆動して基板ホルダー1102をメル
ト1103から引き上げて、エピタキシャル成長を終了
した。こうして、集合基板103に厚さ50μm程度の
単結晶シリコン層を成長させた。
【0111】つぎに、この単結晶シリコン層を用いて、
図8に示すような太陽電池モジュールを製造した。ま
ず、単結晶シリコン層の表面の所望の部分に、スクリー
ン印刷などで、リンの拡散剤を塗布した。単結晶シリコ
ン層の周辺部にPN接合部が位置するとリークの原因と
なることがあるため、拡散剤は、単結晶シリコン層の周
辺部には避けるのが望ましい。その後、約900℃の温
度で30分程度の時間でリンを熱拡散し、単結晶シリコ
ン層の表面にn型層903を形成した。
【0112】つづいて、単結晶シリコン層の表面に、水
蒸気を噴霧して、たとえば実施例1と同様の手法で集合
基板から分離した。ただし、ここでは単結晶シリコンの
裏面の多孔質層の残さは除去せず、直ちにアルミペース
トを用いて、同じ形状のニッケルのシート906に貼り
付けて、約600℃の温度で30分程度の時間焼成し
た。
【0113】つづいて、4枚の単結晶シリコンのn型層
903の表面に、スクリーン印刷で銀ペーストのパター
ンを形成し、約600℃で30分程度の時間焼成して、
グリッド電極904とした。図8に示すように、太陽電
池の一辺が長いため、引き出し電極をここでは3本用い
て、グリッド電極の抵抗による電力損失を抑えている。
さらに、ニッケルメッキの銅シートの引き出し電極90
5を用いて、隣接する太陽電池のグリッド電極904と
ニッケルのシート906との間を、半田907によって
半田付けし、4枚の太陽電池を直列接続した。
【0114】こうして、直列接続された太陽電池を、P
VAを用いて、表にはテドラーシートを裏にはアルミラ
ミネートのPETシートを貼り付け太陽電池モジュール
とした。この太陽電池モジュールは良好な特性を示し
た。また曲率半径が1mになるように曲げたが、破損は
なく変換効率に変化も見られなかった。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の単結晶基
体は、半導体ウエハーから切り出した複数の基板を集め
た集合基板上に形成している多孔質層上に単結晶層を形
成した後に、多孔質層において集合基板側から分離する
ことによって製造しているので、大面積で平板状の単結
晶基板を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】矩形の単結晶基板を切り出す前のインゴットの
断面図である。
【図2】図1に示すインゴットから切り出した矩形の単
結晶基板を複数並べた様子を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1の大判基体の製造工程図で
ある。
【図4】本発明の実施形態2の大判基体の製造工程図で
ある。
【図5】本発明の実施形態3の大判基体の製造工程図で
ある。
【図6】実施形態1〜3において説明した手法によって
製造した大判基体を用いたX線撮像装置の断面図及び製
造図である。
【図7】実施形態1〜3において説明した手法によって
製造した大判基体を用いた電界放出方式の画像表示装置
(FED)の製法工程図である。
【図8】実施形態1〜3において説明した手法によって
製造した大判基体を用いた太陽電池モジュールの平面図
及び断面図である。
【図9】単結晶層の表面に多孔質層を形成する陽極化成
装置の図である。
【図10】単結晶層をエピタキシャル成長させるLPE
装置の図である。
【図11】従来の円柱状のインゴットから大きくかつ無
駄のないように矩形の基板を切り出す方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
100 矩形の単結晶基板 101 裏打ち基板 102 多孔質層 103 集合基板 104 単結晶層 104’ 大判基板 105 残さ 400 単結晶インゴット W、W’ 基板の幅 H 基板の長さ 700 波長変換部 701 シンチレータ 702 埋め込みパネル 703 エリアセンサ 705 画素 706 フォトダイオード 707 TFT 708 裏面ボード 709 透明ボード 800 n型単結晶シリコン基板 801 p型領域 802 制御電極 803 SiO2層 804 エミッタチップ 805 引き出し電極 903 n型層 904 グリッド電極 905 引き出し電極 906 裏面電極 1000 容器 1001 カーボン電極 1002 フッ酸溶液 1003 ステージ 1101 坩堝 1102 基板ホルダー 1103 メルト 1104 昇降装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 清文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BA04 DB05 ED04 FJ03 HA06 HA20 TK04 TK08 TK11 5F043 AA02 BB01 BB02 DD14 GG01 5F049 MA01 MB03 MB05 NB05 PA20 RA02 RA08 UA14 WA07 5F051 AA02 DA03 EA02 FA14 FA15 GA04 JA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハーまたはインゴットから切
    り出した複数の基板を集めた集合基板上に形成している
    多孔質層上に連続した単結晶層を形成した後に、前記多
    孔質層において前記集合基板側から分離することによっ
    て製造してなることを特徴とする単結晶基体。
  2. 【請求項2】 複数の前記基板の各々又は、前記集合基
    板を再利用することを特徴とする請求項1記載の単結晶
    基体。
  3. 【請求項3】 前記集合基板は、複数の前記基板を隙間
    なく並べることによって形成していることを特徴とする
    請求項1又は2記載の単結晶基体。
  4. 【請求項4】 複数の前記基板の各々は、少なくともそ
    の1辺が円柱状のインゴットの中心軸と並行に切り出す
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の
    単結晶基体。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項記載の単
    結晶基体を、光を電気信号に変換する光電変換素子と、
    前記電気信号又は該電気信号に基づく信号の読み出しを
    制御するスイッチング素子として用いることを特徴とす
    る光電変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光電変換装置と、前記光
    電変換装置の上部に設けた放射線を光に変換する波長変
    換部とを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から4のいずれか1項記載の単
    結晶基体に電子を放出する素子を備え、前記単結晶基体
    に対向して配置する透明基体に前記素子から放出された
    電子に応じて発光する蛍光体を備えてなることを特徴と
    する画像表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から4のいずれか1項記載の単
    結晶基体上に該単結晶基体と反対の導電型の半導体層を
    設け、前記半導体層から電荷を取り出す電極を備えた太
    陽電池を複数有することを特徴とする太陽電池モジュー
    ル。
  9. 【請求項9】 半導体ウエハーまたはインゴットから切
    り出した複数の基板を集めた集合基板上に形成している
    多孔質層上に連続した単結晶層を形成した後に、前記多
    孔質層において前記集合基板側から分離することを特徴
    とする単結晶基体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009510724A (ja) * 2005-09-23 2009-03-12 トム ラスト, 光起電力装置製造のシステムおよび方法
JP2009530818A (ja) * 2006-03-13 2009-08-27 ナノグラム・コーポレイション 薄シリコンまたはゲルマニウムシートおよび薄型シート製太陽電池
WO2011162380A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 三洋電機株式会社 太陽電池、太陽電池モジュールおよび太陽電池の製造方法
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