JP2002134304A - チップ型電子部品 - Google Patents
チップ型電子部品Info
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- JP2002134304A JP2002134304A JP2001280038A JP2001280038A JP2002134304A JP 2002134304 A JP2002134304 A JP 2002134304A JP 2001280038 A JP2001280038 A JP 2001280038A JP 2001280038 A JP2001280038 A JP 2001280038A JP 2002134304 A JP2002134304 A JP 2002134304A
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- Japan
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- chip
- thermistor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 曲げ応力等の機械的応力や熱応力に対する耐
久性が高く、信頼性に優れたチップ型電子部品を提供す
る。 【解決手段】 電子部品素体1の側面近傍に、側面と平
行方向に圧縮応力付与層5を設ける。 【効果】 圧縮応力付与層により、引張応力に弱いセラ
ミックス焼結体よりなる電子部品素体の耐破壊応力が向
上し、曲げ応力等の機械的応力や熱応力に対する耐久性
が高く、信頼性に優れたチップ型電子部品となる。
久性が高く、信頼性に優れたチップ型電子部品を提供す
る。 【解決手段】 電子部品素体1の側面近傍に、側面と平
行方向に圧縮応力付与層5を設ける。 【効果】 圧縮応力付与層により、引張応力に弱いセラ
ミックス焼結体よりなる電子部品素体の耐破壊応力が向
上し、曲げ応力等の機械的応力や熱応力に対する耐久性
が高く、信頼性に優れたチップ型電子部品となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチップ型電子部品に
係り、特に、機械的応力及び熱応力に対する耐久性が高
く、信頼性に優れたチップ型電子部品に関する。
係り、特に、機械的応力及び熱応力に対する耐久性が高
く、信頼性に優れたチップ型電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】チップ型電子部品、例えば、プリント回
路基板等に表面実装されるチップ型サーミスタは、一般
に、次のようにして製造されている。即ち、まず、キャ
スティング法によりサーミスタ用セラミックスグリーン
シートを製造し、このグリーンシートを複数枚重ね合わ
せて焼結して略直方体形状のサーミスタ素体を得る。そ
して、図5に示す如く、このサーミスタ素体1の一対の
平行な端面に端子電極2を形成してサーミスタ3を得
る。
路基板等に表面実装されるチップ型サーミスタは、一般
に、次のようにして製造されている。即ち、まず、キャ
スティング法によりサーミスタ用セラミックスグリーン
シートを製造し、このグリーンシートを複数枚重ね合わ
せて焼結して略直方体形状のサーミスタ素体を得る。そ
して、図5に示す如く、このサーミスタ素体1の一対の
平行な端面に端子電極2を形成してサーミスタ3を得
る。
【0003】このようなサーミスタの製造に当り、グリ
ーンシートの表面に印刷法等により導電膜を形成し、こ
れを用いて積層、焼結することにより、サーミスタ素体
の内部に抵抗値調整用の内部電極を形成したサーミスタ
を得ることができる。このようなサーミスタとしては、
図6に示す如く、内部電極4の一端が端子電極2に導通
するように非対称に交互に設けられたサーミスタ3A、
図7に示す如く内部電極4の一端が端子電極2に導通す
るように対称に設けられたサーミスタ3B、図8に示す
如く、更に端子電極2と導通しない内部電極4Aが設け
られたサーミスタ3C、図9に示す如く、端子電極2と
導通しない内部電極4Aのみが設けられたサーミスタ3
Dなどがある。
ーンシートの表面に印刷法等により導電膜を形成し、こ
れを用いて積層、焼結することにより、サーミスタ素体
の内部に抵抗値調整用の内部電極を形成したサーミスタ
を得ることができる。このようなサーミスタとしては、
図6に示す如く、内部電極4の一端が端子電極2に導通
するように非対称に交互に設けられたサーミスタ3A、
図7に示す如く内部電極4の一端が端子電極2に導通す
るように対称に設けられたサーミスタ3B、図8に示す
如く、更に端子電極2と導通しない内部電極4Aが設け
られたサーミスタ3C、図9に示す如く、端子電極2と
導通しない内部電極4Aのみが設けられたサーミスタ3
Dなどがある。
【0004】いずれのサーミスタ3A〜3Dにおいて
も、内部電極4,4Aは、サーミスタ素体1の断面にお
ける厚さ方向の中央寄りの領域に、サーミスタ素体1の
側面1A,1Bから離隔して設けられている。
も、内部電極4,4Aは、サーミスタ素体1の断面にお
ける厚さ方向の中央寄りの領域に、サーミスタ素体1の
側面1A,1Bから離隔して設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のサーミスタのう
ち、図5に示すような、内部電極のないサーミスタ3で
は、サーミスタ素体1自体の強度が弱い場合には、曲げ
応力等の機械的応力や熱応力に対する耐久性が不足し、
サーミスタが破壊し易い。
ち、図5に示すような、内部電極のないサーミスタ3で
は、サーミスタ素体1自体の強度が弱い場合には、曲げ
応力等の機械的応力や熱応力に対する耐久性が不足し、
サーミスタが破壊し易い。
【0006】また、図6〜9に示す如く、内部電極4,
4Aを設けたサーミスタ3A〜3Dであっても、やはり
耐曲げ応力等が十分でなく、サーミスタが破壊し易いと
いう問題がある。
4Aを設けたサーミスタ3A〜3Dであっても、やはり
耐曲げ応力等が十分でなく、サーミスタが破壊し易いと
いう問題がある。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、曲げ
応力等の機械的応力や熱応力に対する耐久性が高く、信
頼性に優れたチップ型電子部品を提供することを目的と
する。
応力等の機械的応力や熱応力に対する耐久性が高く、信
頼性に優れたチップ型電子部品を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型電子部
品は、略直方体形状のセラミックス焼結体よりなる電子
部品素体と、該電子部品素体の一対の平行な端面に設け
られた端子電極とを有するチップ型電子部品において、
該電子部品素体の内部であって、該端面同士を結ぶ方向
に延在する一対の平行な側面の近傍部分に、該側面と平
行方向に延在する、該セラミックス焼結体よりも熱膨張
係数の大きな材料よりなる圧縮応力付与層を設けたこと
を特徴とする。
品は、略直方体形状のセラミックス焼結体よりなる電子
部品素体と、該電子部品素体の一対の平行な端面に設け
られた端子電極とを有するチップ型電子部品において、
該電子部品素体の内部であって、該端面同士を結ぶ方向
に延在する一対の平行な側面の近傍部分に、該側面と平
行方向に延在する、該セラミックス焼結体よりも熱膨張
係数の大きな材料よりなる圧縮応力付与層を設けたこと
を特徴とする。
【0009】本発明のチップ型電子部品では、電子部品
素体の内部に設けられた圧縮応力圧縮付与層により、引
張応力に弱いセラミックス焼結体よりなる電子部品素体
の耐破壊応力が向上し、曲げ応力等の機械的応力や熱応
力に対する耐久性が高く、信頼性に優れたチップ型電子
部品となる。
素体の内部に設けられた圧縮応力圧縮付与層により、引
張応力に弱いセラミックス焼結体よりなる電子部品素体
の耐破壊応力が向上し、曲げ応力等の機械的応力や熱応
力に対する耐久性が高く、信頼性に優れたチップ型電子
部品となる。
【0010】本発明において、圧縮応力付与層は貴金属
よりなることが好ましい。
よりなることが好ましい。
【0011】また、圧縮応力付与層は電子部品素体の一
方の端面の側と多方の端面の側に分れて配置され、素体
の各端面にまで達して端子電極と導通していることが好
ましい。
方の端面の側と多方の端面の側に分れて配置され、素体
の各端面にまで達して端子電極と導通していることが好
ましい。
【0012】特に、圧縮応力付与層は、電子部品素体の
側面に回り込んで形成された端子電極の回り込んだ部分
よりも長く多方の端面に向かって延在していることが好
ましい。
側面に回り込んで形成された端子電極の回り込んだ部分
よりも長く多方の端面に向かって延在していることが好
ましい。
【0013】更に圧縮応力付与層と素体側面との距離は
100μm以下であることが好ましい。
100μm以下であることが好ましい。
【0014】また、電子部品素体の内部には、素体側面
と平行方向に延在する内部電極が設けられていることが
好ましい。
と平行方向に延在する内部電極が設けられていることが
好ましい。
【0015】このような本発明のチップ型電子部品は、
特にサーミスタに有効である。
特にサーミスタに有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
施の形態について詳細に説明する。
【0017】なお、以下においては、チップ型電子部品
としてチップ型サーミスタを例示して説明するが、本発
明のチップ型電子部品はサーミスタに限らず、バリス
タ、抵抗素子、サーミスタとコンデンサーの複合素子等
にも適用することができる。
としてチップ型サーミスタを例示して説明するが、本発
明のチップ型電子部品はサーミスタに限らず、バリス
タ、抵抗素子、サーミスタとコンデンサーの複合素子等
にも適用することができる。
【0018】本発明においては、図1に示す如く、サー
ミスタ素体1の内部に、サーミスタ素体1を構成するセ
ラミックス焼結体よりも熱膨張係数の大きな材料よりな
る圧縮応力付与層(以下、圧縮応力付与層を「ガード電
極」と称する場合がある。)5を設ける。
ミスタ素体1の内部に、サーミスタ素体1を構成するセ
ラミックス焼結体よりも熱膨張係数の大きな材料よりな
る圧縮応力付与層(以下、圧縮応力付与層を「ガード電
極」と称する場合がある。)5を設ける。
【0019】このガード電極5は、サーミスタ素体1の
端子電極2形成端面同士を結ぶ方向に延在する一対の平
行な側面(以下単に「側面」と称す。)1A,1Bの近
傍部分に、該側面1A,1Bと平行方向に設けられてい
る。
端子電極2形成端面同士を結ぶ方向に延在する一対の平
行な側面(以下単に「側面」と称す。)1A,1Bの近
傍部分に、該側面1A,1Bと平行方向に設けられてい
る。
【0020】このようなガード電極5は、例えば、サー
ミスタ素体1の製造に当り、所定厚さとなるように重ね
合わせるグリーンシートに内部電極層と同様にして導電
層を形成することにより容易に形成することができる。
ミスタ素体1の製造に当り、所定厚さとなるように重ね
合わせるグリーンシートに内部電極層と同様にして導電
層を形成することにより容易に形成することができる。
【0021】一般に、サーミスタ素体を構成するセラミ
ックスは、Mn,Co等の遷移金属の酸化物よりなり、
その熱膨張係数は通常120×10−7/℃程度であ
る。一方、内部電極に用いられるAg,Pd等の金属又
は合金の熱膨張係数は、セラミックスの熱膨張係数より
も大きい。例えば、内部電極として主に用いられるAg
の熱膨張係数は170×10−7/℃である。
ックスは、Mn,Co等の遷移金属の酸化物よりなり、
その熱膨張係数は通常120×10−7/℃程度であ
る。一方、内部電極に用いられるAg,Pd等の金属又
は合金の熱膨張係数は、セラミックスの熱膨張係数より
も大きい。例えば、内部電極として主に用いられるAg
の熱膨張係数は170×10−7/℃である。
【0022】このように熱膨張係数の大きいガード電極
5がサーミスタ素体1の側面1A,1Bの近傍に形成さ
れるように、導電層を設けたグリーンシートを積層して
一体焼成すると、サーミスタ素体(焼結体)1の側面1
A,1Bの近傍に、サーミスタ素体1のセラミックスと
ガード電極5の金属との熱膨張係数差に起因する残留圧
縮応力が発生する。この残留圧縮応力は、引張応力に弱
いセラミックス焼結体よりなるサーミスタ素体1の耐破
壊応力性能を向上させる。即ち、サーミスタ素体1に加
わる引張応力を残留圧縮応力が相殺することで、耐応力
特性が向上する。
5がサーミスタ素体1の側面1A,1Bの近傍に形成さ
れるように、導電層を設けたグリーンシートを積層して
一体焼成すると、サーミスタ素体(焼結体)1の側面1
A,1Bの近傍に、サーミスタ素体1のセラミックスと
ガード電極5の金属との熱膨張係数差に起因する残留圧
縮応力が発生する。この残留圧縮応力は、引張応力に弱
いセラミックス焼結体よりなるサーミスタ素体1の耐破
壊応力性能を向上させる。即ち、サーミスタ素体1に加
わる引張応力を残留圧縮応力が相殺することで、耐応力
特性が向上する。
【0023】例えば、図2に示す如く、サーミスタを基
板に実装した後、たわみ応力Fが加えられた場合、サー
ミスタ素体1表面の図2のSの部分に引張応力が集中す
るが、本発明のサーミスタでは、ガード電極5を設けた
ことにより、この引張応力の集中部Sに、残留圧縮応力
が生じているため、ガード電極のない従来の素体に比べ
て耐破壊限界応力(強度)が著しく大きい。
板に実装した後、たわみ応力Fが加えられた場合、サー
ミスタ素体1表面の図2のSの部分に引張応力が集中す
るが、本発明のサーミスタでは、ガード電極5を設けた
ことにより、この引張応力の集中部Sに、残留圧縮応力
が生じているため、ガード電極のない従来の素体に比べ
て耐破壊限界応力(強度)が著しく大きい。
【0024】本発明において、このような残留圧縮応力
による耐久性向上効果を確実に得るために、ガード電極
5は、サーミスタ素体1の端子電極2形成端面にまで達
し、且つ一方の端子電極2(2A)形成端面の側と、他
方の端子電極2(2B)形成端面の側とに分れて配置さ
れていることが好ましい。この場合、分れて配置された
ガード電極5は必ずしも同一平面上に形成される必要は
なく、図4に示す如く、段差のあるものであっても良
い。
による耐久性向上効果を確実に得るために、ガード電極
5は、サーミスタ素体1の端子電極2形成端面にまで達
し、且つ一方の端子電極2(2A)形成端面の側と、他
方の端子電極2(2B)形成端面の側とに分れて配置さ
れていることが好ましい。この場合、分れて配置された
ガード電極5は必ずしも同一平面上に形成される必要は
なく、図4に示す如く、段差のあるものであっても良
い。
【0025】また、ガード電極の形成数等にも特に制限
はない。ただし、ガード電極5の形成位置が、サーミス
タ素体1の側面1A,1Bから離れると、残留圧縮応力
による引張応力緩和効果が損なわれるため、ガード電極
は図3に示すサーミスタ素体1の側面1A,1Bからの
距離dが100μm以下、特に20〜60μmとなるよ
うに設けるのが好ましい。
はない。ただし、ガード電極5の形成位置が、サーミス
タ素体1の側面1A,1Bから離れると、残留圧縮応力
による引張応力緩和効果が損なわれるため、ガード電極
は図3に示すサーミスタ素体1の側面1A,1Bからの
距離dが100μm以下、特に20〜60μmとなるよ
うに設けるのが好ましい。
【0026】なお、ガード電極5の構成材料としては内
部電極の構成材料と同種の材料、一般にはAg等の貴金
属又はその合金が用いられるが、何らこれに限定される
ものではない。
部電極の構成材料と同種の材料、一般にはAg等の貴金
属又はその合金が用いられるが、何らこれに限定される
ものではない。
【0027】このような本発明のサーミスタは、内部電
極を有するサーミスタにも適用することができ、図6〜
9等に示される如く、様々なパターンで内部電極4,4
Aが形成されたサーミスタに適用可能である。
極を有するサーミスタにも適用することができ、図6〜
9等に示される如く、様々なパターンで内部電極4,4
Aが形成されたサーミスタに適用可能である。
【0028】ところで、サーミスタ素体1の端子電極2
は、一般に、図4に示す如く、サーミスタ素体の側面1
A,1Bに回り込んで設けられているが、サーミスタ素
体1の内部に内部電極を設けたサーミスタにおいては、
この端子電極2の回り込み幅のばらつきによりサーミス
タの抵抗値もばらつきを生じるという問題がある。
は、一般に、図4に示す如く、サーミスタ素体の側面1
A,1Bに回り込んで設けられているが、サーミスタ素
体1の内部に内部電極を設けたサーミスタにおいては、
この端子電極2の回り込み幅のばらつきによりサーミス
タの抵抗値もばらつきを生じるという問題がある。
【0029】これに対して、本発明に係るガード電極5
を図3に示す如く、サーミスタ素体1の端面において端
子電極2に導通させ、且つ端子電極2の回り込み幅より
も延出させることにより、この端子電極2の回り込み幅
のばらつきの影響を防止することができ、抵抗値の安定
したサーミスタを得ることができる。一般に、図3にお
いて、端子電極2の回り込み幅よりもガード電極5が延
出した幅(以下「延出幅」と称す。)Wは、0.1mm
以上とするのが好ましい。
を図3に示す如く、サーミスタ素体1の端面において端
子電極2に導通させ、且つ端子電極2の回り込み幅より
も延出させることにより、この端子電極2の回り込み幅
のばらつきの影響を防止することができ、抵抗値の安定
したサーミスタを得ることができる。一般に、図3にお
いて、端子電極2の回り込み幅よりもガード電極5が延
出した幅(以下「延出幅」と称す。)Wは、0.1mm
以上とするのが好ましい。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【0031】実施例1 図10(a)に示す如く、サーミスタ素体1内部に内部
電極4Aとガード電極5とが形成されたチップ型サーミ
スタ10Aを製造した。まず、市販の炭酸マンガン、炭
酸コバルト及び酸化銅を出発原料とし、これらを金属原
子比がMn:Co=35:65となるようにそれぞれ秤
量し、ボールミルで16時間均一に混合した後脱水乾燥
した。次に、この混合物を大気圧下、900℃で2時間
仮焼し、この仮焼物を再びボールミルで粉砕して脱水乾
燥した。この粉砕物に有機系溶剤及び結合剤等を加え、
キャスティング法により厚さ40μm程度のサーミスタ
グリーンシートを作製した。
電極4Aとガード電極5とが形成されたチップ型サーミ
スタ10Aを製造した。まず、市販の炭酸マンガン、炭
酸コバルト及び酸化銅を出発原料とし、これらを金属原
子比がMn:Co=35:65となるようにそれぞれ秤
量し、ボールミルで16時間均一に混合した後脱水乾燥
した。次に、この混合物を大気圧下、900℃で2時間
仮焼し、この仮焼物を再びボールミルで粉砕して脱水乾
燥した。この粉砕物に有機系溶剤及び結合剤等を加え、
キャスティング法により厚さ40μm程度のサーミスタ
グリーンシートを作製した。
【0032】このグリーンシートに印刷法によりガード
電極層又は内部電極層を印刷し、これを複数枚重ねて厚
さ0.9mmの積層体とし、この積層体を1.25mm
×2.0mmのチップ状に切断加工した後、大気圧下、
1100℃で4時間焼成した。なお、ガード電極層及び
内部電極層の形成には、川角技研社製「S−1044」
(Ag/Pd=70/30(重量比))を用いた。
電極層又は内部電極層を印刷し、これを複数枚重ねて厚
さ0.9mmの積層体とし、この積層体を1.25mm
×2.0mmのチップ状に切断加工した後、大気圧下、
1100℃で4時間焼成した。なお、ガード電極層及び
内部電極層の形成には、川角技研社製「S−1044」
(Ag/Pd=70/30(重量比))を用いた。
【0033】得られたチップ状の焼結体をバレル研磨法
で面取り処理した後、両端部にディッピング法により端
子電極層(Ag/Pd)を形成して焼成した。
で面取り処理した後、両端部にディッピング法により端
子電極層(Ag/Pd)を形成して焼成した。
【0034】得られたサーミスタ10Aは、4個のガー
ド電極5が、サーミスタ素体1の断面において左右及び
上下対称位置に形成されたものであり、サーミスタ素体
1の側面1A,1Bとガード電極電極5との距離dは4
0μmであり、ガード電極5の延出幅Wは0.2mmで
ある。
ド電極5が、サーミスタ素体1の断面において左右及び
上下対称位置に形成されたものであり、サーミスタ素体
1の側面1A,1Bとガード電極電極5との距離dは4
0μmであり、ガード電極5の延出幅Wは0.2mmで
ある。
【0035】このサーミスタ10Aを、1.6mm厚さ
のガラスエポキシ基板にリフロー実装後、曲げ応力の生
じるたわみ試験における破壊限界値を測定し、結果を表
1に示した。
のガラスエポキシ基板にリフロー実装後、曲げ応力の生
じるたわみ試験における破壊限界値を測定し、結果を表
1に示した。
【0036】比較例1 ガード電極層を形成しなかったこと以外は実施例1と同
様にして、図10(b)に示す如く、サーミスタ素体1
内部に内部電極4Aのみが形成され、ガード電極のない
サーミスタ10Bを製造した。
様にして、図10(b)に示す如く、サーミスタ素体1
内部に内部電極4Aのみが形成され、ガード電極のない
サーミスタ10Bを製造した。
【0037】このサーミスタ10Bについて、実施例1
と同様にして破壊限界値の測定を行い、結果を表1に示
した。
と同様にして破壊限界値の測定を行い、結果を表1に示
した。
【0038】表1より、ガード電極を設けた本発明のサ
ーミスタは、従来のものに比べて機械的応力に対する耐
久性が向上し、信頼性に優れることが明らかである。
ーミスタは、従来のものに比べて機械的応力に対する耐
久性が向上し、信頼性に優れることが明らかである。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 図11(a)に示す如く、サーミスタ素体1内部に内部
電極4,4Aとガード電極5とが形成されたチップ型サ
ーミスタ10Cを製造した。まず、内部電極層の印刷パ
ターンを変更したこと以外は、実施例1と同様にしてチ
ップ状の焼結体を製造した。この焼結体の側面にスパッ
タリング法によりSiO2−B2O3−PbO系のガラ
ス保護膜(厚さ約2μm)6を形成した後、両端部にデ
ィッピング法により端子電極層(Ag:DuPont社
製「1176J」)を形成して焼成した。次いで、電解
バレル法で端子電極2の表面に厚さ2〜5ミクロンのN
iめっき層7を形成し、その上に厚さ3〜7ミクロンの
はんだめっき層8を形成した。
電極4,4Aとガード電極5とが形成されたチップ型サ
ーミスタ10Cを製造した。まず、内部電極層の印刷パ
ターンを変更したこと以外は、実施例1と同様にしてチ
ップ状の焼結体を製造した。この焼結体の側面にスパッ
タリング法によりSiO2−B2O3−PbO系のガラ
ス保護膜(厚さ約2μm)6を形成した後、両端部にデ
ィッピング法により端子電極層(Ag:DuPont社
製「1176J」)を形成して焼成した。次いで、電解
バレル法で端子電極2の表面に厚さ2〜5ミクロンのN
iめっき層7を形成し、その上に厚さ3〜7ミクロンの
はんだめっき層8を形成した。
【0041】得られたサーミスタ10Aは、4個のガー
ド電極5が、サーミスタ素体1の断面において左右及び
上下対称位置に形成されたものであり、サーミスタ素体
1の側面1A,1Bとガード電極5との距離dは40μ
mであり、ガード電極5の延出幅Wは0.15mmであ
る。
ド電極5が、サーミスタ素体1の断面において左右及び
上下対称位置に形成されたものであり、サーミスタ素体
1の側面1A,1Bとガード電極5との距離dは40μ
mであり、ガード電極5の延出幅Wは0.15mmであ
る。
【0042】このサーミスタ10Cについて、実施例1
と同様にしてたわみ試験を行い、結果を表2に示した。
また、抗折強度試験(スパン距離1.2mmにて素体上
部から荷重をかけ、素体の破壊加重を測定する)及びサ
ーマルショック試験(H−63A材質の350℃の溶融
はんだ中に5秒間浸漬する)を行い、結果を表2に併記
した。
と同様にしてたわみ試験を行い、結果を表2に示した。
また、抗折強度試験(スパン距離1.2mmにて素体上
部から荷重をかけ、素体の破壊加重を測定する)及びサ
ーマルショック試験(H−63A材質の350℃の溶融
はんだ中に5秒間浸漬する)を行い、結果を表2に併記
した。
【0043】比較例2 ガード電極層を形成しなかったこと以外は実施例2と同
様にして、図11(b)に示す如く、サーミスタ素体1
内部に内部電極4,4Aのみが形成され、ガード電極の
ないサーミスタ10Dを製造した。
様にして、図11(b)に示す如く、サーミスタ素体1
内部に内部電極4,4Aのみが形成され、ガード電極の
ないサーミスタ10Dを製造した。
【0044】このサーミスタ10Dについて、実施例2
と同様にして、たわみ試験、抗折強度試験及びサーマル
ショック試験を行い、結果を表2に示した。
と同様にして、たわみ試験、抗折強度試験及びサーマル
ショック試験を行い、結果を表2に示した。
【0045】表2より、ガード電極を設けた本発明のサ
ーミスタは、従来のものに比べて機械的及び熱的応力に
対する耐久性が向上し、信頼性に優れることが明らかで
ある。
ーミスタは、従来のものに比べて機械的及び熱的応力に
対する耐久性が向上し、信頼性に優れることが明らかで
ある。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のチップ型電
子部品によれば、機械的応力や熱応力に対する耐久性が
高く、耐破壊特性に優れた高信頼性のチップ型電子部品
が提供される。
子部品によれば、機械的応力や熱応力に対する耐久性が
高く、耐破壊特性に優れた高信頼性のチップ型電子部品
が提供される。
【図1】本発明のチップ型電子部品の一実施例を示すサ
ーミスタの断面図である。
ーミスタの断面図である。
【図2】本発明に係るサーミスタの応力緩和効果を説明
する断面図である。
する断面図である。
【図3】本発明に係るサーミスタの部分拡大断面図であ
る。
る。
【図4】本発明に係るサーミスタの部分拡大断面図であ
る。
る。
【図5】従来のサーミスタを示す断面図である。
【図6】従来のサーミスタを示す断面図である。
【図7】従来のサーミスタを示す断面図である。
【図8】従来のサーミスタを示す断面図である。
【図9】従来のサーミスタを示す断面図である。
【図10】(a)は実施例1で製造したサーミスタの断
面図、(b)は比較例1で製造したサーミスタの断面図
である。
面図、(b)は比較例1で製造したサーミスタの断面図
である。
【図11】(a)は実施例2で製造したサーミスタの断
面図、(b)は比較例2で製造したサーミスタの断面図
である。
面図、(b)は比較例2で製造したサーミスタの断面図
である。
1 サーミスタ素体 2 端子電極 3 サーミスタ 4,4A 内部電極 5 ガード電極 6 ガラス保護膜 7 Niめっき層 8 はんだめっき層 10A,10B,10C,10D サーミスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長友 憲昭 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社電子技術研究所内 (72)発明者 越村 正己 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社電子技術研究所内 Fターム(参考) 5E034 BB01 DA07
Claims (8)
- 【請求項1】 略直方体形状のセラミックス焼結体より
なる電子部品素体と、 該電子部品素体の一対の平行な端面に設けられた端子電
極とを有するチップ型電子部品において、 該電子部品素体の内部であって、該端面同士を結ぶ方向
に延在する一対の平行な側面の近傍部分に、該側面と平
行方向に延在する、該セラミックス焼結体よりも熱膨張
係数の大きな材料よりなる圧縮応力付与層を設けたこと
を特徴とするチップ型電子部品。 - 【請求項2】 請求項1において、前記圧縮応力付与層
は貴金属よりなることを特徴とするチップ型電子部品。 - 【請求項3】 請求項2において、前記圧縮応力付与層
は、前記電子部品素体の一方の前記端面の側と他方の前
記端面の側とに分れて配置されていることを特徴とする
チップ型電子部品。 - 【請求項4】 請求項3において、前記圧縮応力付与層
は前記電子部品素体の各端面にまで達し、前記端子電極
と導通していることを特徴とするチップ型電子部品。 - 【請求項5】 請求項4において、前記端子電極は前記
側面に回り込んでおり、前記圧縮応力付与層は端子電極
のこの回り込んだ部分よりも長く他方の端面に向かって
延在していることを特徴とするチップ型電子部品。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
て、前記圧縮応力付与層と前記側面との距離が100μ
m以下であることを特徴とするチップ型電子部品。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
て、前記電子部品素体の内部に、前記側面と平行方向に
延在する内部電極が設けられていることを特徴とするチ
ップ型電子部品。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
て、前記電子部品素体はサーミスタ素体であることを特
徴とするチップ型電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001280038A JP2002134304A (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | チップ型電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001280038A JP2002134304A (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | チップ型電子部品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06086296A Division JP3582927B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | チップ型サーミスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002134304A true JP2002134304A (ja) | 2002-05-10 |
Family
ID=19104111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001280038A Pending JP2002134304A (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | チップ型電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002134304A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013539605A (ja) * | 2010-09-09 | 2013-10-24 | エプコス アーゲー | 抵抗素子及びその製造方法 |
-
2001
- 2001-09-14 JP JP2001280038A patent/JP2002134304A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013539605A (ja) * | 2010-09-09 | 2013-10-24 | エプコス アーゲー | 抵抗素子及びその製造方法 |
US8947193B2 (en) | 2010-09-09 | 2015-02-03 | Epcos Ag | Resistance component and method for producing a resistance component |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050207 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050315 |