JP2002133950A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JP2002133950A
JP2002133950A JP2000329552A JP2000329552A JP2002133950A JP 2002133950 A JP2002133950 A JP 2002133950A JP 2000329552 A JP2000329552 A JP 2000329552A JP 2000329552 A JP2000329552 A JP 2000329552A JP 2002133950 A JP2002133950 A JP 2002133950A
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insulator
silane
vinyl acetate
polyethylene
ethyl acrylate
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JP2000329552A
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Toshiaki Mabuchi
利明 馬淵
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】架橋シラングラフトポリエチレンからなる絶縁
体を有する絶縁電線において、絶縁体の皮剥作業が容易
に行えるようにする。 【解決手段】直鎖状低密度ポリエチレンに、エチレン―
酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン―エチルア
クリレートを加え、酢酸ビニルおよび/またはエチルア
クリレートの含有量が5〜40wt%であるブレンドポ
リマーから得られた架橋シラングラフトポリエチレンで
絶縁体を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、架橋シラングラ
フトポリエチレンからなる絶縁体を有する絶縁電線に関
し、絶縁体の硬さを適切なものとし、端末処理時の絶縁
体の皮剥作業が良好に行えるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】OC電線などの屋外敷設用絶縁電線とし
て、架橋ポリエチレンからなる絶縁体を有するものが広
く使用されている。この架橋ポリエチレンとしては、ジ
クミルパーオキサイドなどの有機過酸化物を用いる化学
架橋によるものと、シラングラフトポリエチレンを使用
しこれを架橋するシラン架橋によるものとがあり、製造
コストなどの点でシラン架橋によるものが主になりつつ
ある。
【0003】このシラン架橋による絶縁電線の製造は、
予め低密度ポリエチレンに、ビニルアルコキシシランな
どのシラン化合物とジクミルパーオキサイドなどの有機
過酸化物を添加し、押出機などで加熱混練して、低密度
ポリエチレンにビニルアルコキシシランをグラフト結合
したシラングラフトポリエチレンを製造する。ついで、
このシラングラフトポリエチレンにジブチル錫ジラウレ
ートなどのシラノール縮合触媒を少量添加した組成物を
導体上に押出被覆して絶縁体とする。
【0004】この押出被覆直後の状態では、絶縁体をな
すシラングラフトポリエチレンは、ほとんど架橋してい
ないので、これに水分を接触させてグラフトしているシ
ラン化合物のアルコキシ基を加水分解するとともにシラ
ノール結合を生成させて架橋を行わせる。水分との接触
方法としては、空気中に長時間放置する方法や温水中に
浸漬する方法などがある。このように、製造直後の絶縁
体では、架橋がほとんど進行していないため、この状態
の絶縁電線を出荷すると、加熱変形特性が規格を満たさ
ず、出荷試験に合格しないことがある。
【0005】この対策としては、上述の長時間放置など
の方法を採ればよいが、これではコストが嵩む不都合が
ある。このため、実際にはシラングラフトポリエチレン
のベースポリマーとなるポリエチレンに、高融点、高剛
性の直鎖状低密度ポリエチレンを用いる方法が採られて
いる。これによりシラングラフトポリエチレンの架橋が
進んでいなくとも加熱変形が規格値を満たすため製造直
後にすぐ出荷が可能となる。
【0006】しかしながら、高融点、高剛性の直鎖状低
密度ポリエチレンをベースポリマーとする架橋シラング
ラフトポリエチレンからなる絶縁体を有する絶縁電線に
あっては、その絶縁体が硬く、端末処理等の皮剥(絶縁
体をナイフなどで機械的に切り除くこと)時に、ナイフ
の刃が入りにくく、皮剥作業が良好に行えない不都合が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、架橋シラングラフトポリエチレンからなる絶
縁体を有する絶縁電線の絶縁体の硬さを軟らかくし、皮
剥作業が容易に行えるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、直鎖状低
密度ポリエチレンにエチレン―酢酸ビニル共重合体およ
び/またはエチレン―エチルアクリレート共重合体を加
え、酢酸ビニルおよび/またはエチルアクリレートの含
有量が5〜40wt%のブレンドポリマーから得られた
架橋シラングラフトポリエチレンで絶縁体を構成するこ
とで解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の絶縁電線の絶縁体は、架橋シラングラフトポリ
エチレンからなり、この架橋シラングラフトポリエチレ
ンは、直鎖状低密度ポリエチレンにエチレン―酢酸ビニ
ル共重合体および/またはエチレン―エチルアクリレー
ト共重合体を加え、酢酸ビニルおよび/またはエチルア
クリレートの含有量が5〜50wt%、好ましくは10
〜30wt%であるブレンドポリマーをシラン架橋して
なるものである。
【0010】上記ブレンドポリマーをなす直鎖状低密度
ポリエチレンとしては、密度が0.90〜0.92g/
cm3で、メルトフローレイト(温度190℃、荷重2
kg)が0.1〜10(g/10分)のものが好まし
い。また、エチレン―酢酸ビニル共重合体としては、密
度が0.93〜0.95g/cm3で、メルトフローレ
イトが1〜5で、酢酸ビニル含有量が10〜45wt%
のものが好ましい。
【0011】さらに、エチレン―エチルアクリレート共
重合体としては、密度が0.92〜0.94g/cm3
で、メルトフローレイトが0.2〜5で、エチルアクリ
レート含有量が5〜25wt%のものが好ましい。
【0012】この三者のブレンドポリマーにおいて、酢
酸ビニルおよび/またはエチルアクリレートの含有量、
すなわちコモノマーの合計含有量が、ブレンドポリマー
全体の5〜40wt%、好ましくは10〜30wt%を
占めるように三者の配合割合を定めることが重要であ
る。コモノマーの含有量が5wt%未満であると得られ
る絶縁体の硬さが硬く、皮剥性が悪い。40wt%を越
えると絶縁体の剛性が不足し、電気的特性も低下する。
このブレンドポリマーには、必要に応じてこれら以外の
ポリマー、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レンなどを添加することができるが、その場合でもブレ
ンドポリマー中に占める上記コモノマーの含有量を上記
範囲とすることが必要である。
【0013】このブレンドポリマーから架橋シラングラ
フトポリエチレンの絶縁体を得るには、基本的には先に
述べたものと同様である。シラン化合物としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど
のビニルアルコキシシラン等が用いられ、上述のブレン
ドポリマー100重量部に対して1〜4重量部程度添加
される。また、シラン化合物のブレンドポリマーへのグ
ラフト化のためのラジカル発生剤としては、ジクミルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過
酸化物が用いられ、ブレンドポリマー100重量部当た
り0.05〜0.2重量部が添加される。
【0014】ついで、ブレンドポリマーとシラン化合物
とラジカル発生剤とからなる組成物を、押出機、コニー
ダーなどの混練装置にて温度120〜170℃で加熱混
練し、ブレンドポリマーの分子鎖にシラン化合物のビニ
ル基をラジカル結合させてグラフト化してシラングラフ
トポリエチレンとする。このようにして得られたシラン
グラフトポリエチレンのシラン化合物のグラフト量(結
合量)は、60〜70wt%程度である。
【0015】このシラングラフトポリエチレン100重
量部に対してジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマ
レートなどのシラノール縮合触媒を0.1〜0.5重量
部を添加し、これに必要に応じて、老化防止剤、カーボ
ンブラック、紫外線吸収剤などを添加した組成物を、導
体上に押出温度130〜180℃で、押出被覆すること
でシラングラフトポリエチレンからなる絶縁体を有する
絶縁電線とする。絶縁体をなすシラングラフトポリエチ
レンは、雰囲気中に存在する水分と反応してシラノール
結合を生じ、徐々に架橋してゆき、架橋シラングラフト
ポリエチレンとなる。架橋を急ぐときには温水中に浸漬
してもよい。架橋の進行が終了した時点での架橋シラン
グラフトポリエチレンのゲル分率は、40〜60%とな
る。
【0016】このような絶縁電線にあっては、絶縁体を
なす架橋シラングラフトポリエチレン中の酢酸ビニルお
よび/またはエチルアクリレートの含有量が5〜40w
t%となっているので、絶縁体に適度の柔軟性が与えら
れ、しかも製造直後であっても絶縁体が適度の剛性を有
するので、加熱変形が規格を満たすことになり、しかも
架橋が進行した時点においても絶縁体の硬さがさほど硬
くなっていないので、皮剥時の作業性が劣ることがな
い。
【0017】さらに、この絶縁電線では、絶縁体の厚さ
が3mmの時、この絶縁体に新品の使い捨てカッター刃
(商品名「NTカッター」あるいは「オルファーカッタ
ー」として市販されているもの)を、5mm/分の押し
込み速度で押し入れたときの導体に刃が当たる直前の力
(切り込み力と言う。)が、150N以下、好ましくは
100N以下となる。したがって、この切り込み力を測
定すれば、皮剥時の作業性の良好さを判断するための判
断基準となる。
【0018】以下、具体例を示す。表1に示す材料を用
いて、上述の製法に従い架橋シラングラフトポリエチレ
ンからなる厚さ3mmの絶縁体を有する絶縁電線を製造
するとともに厚さ3mmのシート状試験片を押出成形法
によって作成した。これらの絶縁電線およびシート状試
験片について、絶縁体の密度、押出後7日後の加熱変形
率、ショア硬度、切り込み力、皮剥作業時の作業性を測
定、評価した。
【0019】表1において、LLDPEは、密度0.9
18g/cm3、メルトフローレイト4の直鎖状低密度
ポリエチレンを、EVAは、酢酸ビニル量19wt%、
密度0.940g/cm3、メルトフローレイト2.5
のエチレン酢酸ビニル共重合体を、EEAは、エチルア
クリレート量15wt%、密度0.930g/cm3、
メルトフローレイト0.5のエチレンエチルアクリレー
ト共重合体を示す。なお、実施例5で用いたEVAは、
酢酸ビニル含有量が42wt%のものである。
【0020】加熱変形率は、シート状試験片について行
い、温度120℃、荷重3kgとした。加熱変形率は、
20%以下が合格の目安となる。皮剥作業性の評価は、
熟練作業者5名が皮剥用ナイフを用いて、絶縁体を剥ぎ
取った際の作業の容易さなどから官能的に判断し、優れ
ているものを◎とし、良好なものを○とし、やや劣るも
のを△とし、劣るものを×とした。切り込み力の測定
は、上述の方法にしたがい、実際の応力の測定はオート
グラフを使った。結果を表1に併せて示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から、酢酸ビニルおよび/またはエチ
ルアクリレートのコモノマーの含有量が5〜40wt%
のブレンドポリマーを用いて得られた架橋シラングラフ
トポリエチレンからなる絶縁体は、皮剥時の作業性が良
好であることがわかる。また、製造直後の加熱変形性も
優れていることが明らかである。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の絶縁電線
は、直鎖状低密度ポリエチレンにエチレン―酢酸ビニル
共重合体および/またはエチレン―エチルアクリレート
を加え、酢酸ビニルおよび/またはエチルアクリレート
の含有量が5〜40wt%であるブレンドポリマーから
得られた架橋シラングラフトポリエチレンの絶縁体を有
するものであるので、絶縁体の硬さがさほど硬くなら
ず、皮剥作業が容易に行うことができ、しかも製造直後
においても加熱変形試験に合格する程度の剛性を有する
ものとなる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月30日(2000.11.
30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の絶縁電線の絶縁体は、架橋シラングラフトポリ
エチレンからなり、この架橋シラングラフトポリエチレ
ンは、直鎖状低密度ポリエチレンにエチレン―酢酸ビニ
ル共重合体および/またはエチレン―エチルアクリレー
ト共重合体を加え、酢酸ビニルおよび/またはエチルア
クリレートの含有量が5〜0wt%、好ましくは10
〜30wt%であるブレンドポリマーをシラン架橋して
なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J026 AA12 AC04 AC07 AC18 AC19 BA43 BB01 DB13 GA01 5G309 RA06 5G313 AB04 AC02 AD03 AE02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直鎖状低密度ポリエチレンに、エチレン―
    酢酸ビニル共重合体および/またはエチレンエチル―ア
    クリレート共重合体を加え、酢酸ビニルおよび/または
    エチルアクリレートの含有量が5〜40wt%であるブ
    レンドポリマーから得られた架橋シラングラフトポリエ
    チレンの絶縁体を有する絶縁電線。
JP2000329552A 2000-10-27 2000-10-27 絶縁電線 Withdrawn JP2002133950A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509473A (ja) * 2003-10-24 2007-04-12 ボレアリス テクノロジー オイ 極性基、加水分解可能なシラン基を有するポリオレフィンを含み、シラノール縮合を含む低電圧送電ケーブル

Cited By (1)

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JP2007509473A (ja) * 2003-10-24 2007-04-12 ボレアリス テクノロジー オイ 極性基、加水分解可能なシラン基を有するポリオレフィンを含み、シラノール縮合を含む低電圧送電ケーブル

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Effective date: 20080108