JP2002133637A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002133637A
JP2002133637A JP2000327589A JP2000327589A JP2002133637A JP 2002133637 A JP2002133637 A JP 2002133637A JP 2000327589 A JP2000327589 A JP 2000327589A JP 2000327589 A JP2000327589 A JP 2000327589A JP 2002133637 A JP2002133637 A JP 2002133637A
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binder
carbon atoms
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Application number
JP2000327589A
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English (en)
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Yuichiro Murayama
裕一郎 村山
Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた塗膜平滑性及び電磁変換特性を有し、
走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁
性粉末及び結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体、
又は非磁性支持体上に無機粉末又は磁性粉末及び結合剤
を含む層並びに少なくとも一層の強磁性粉末及び結合剤
を含む磁性層をこの順に有する磁気記録媒体。前記結合
剤は環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4
以上のアルキレン基を有するジオール化合物と有機ジイ
ソシアネートとの反応生成物であるポリウレタン樹脂及
び分子中に2官能以上の放射線官能性二重結合を有する
分子量200〜2,000の化合物を放射線により架橋
して得られたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた電磁変換特
性及び耐久性を有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、録音用テープ、ビデオテープ、あ
るいはフロッピー(登録商標)ディスク等の磁気記録媒
体として、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層を
非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体が用いられてい
る。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および
走行性能などの諸特性が優れていることが要求されてい
る。このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、
磁気記録媒体は良好な走行耐久性を持つことが要求され
ている。そして、良好な走行耐久性を得るために、一般
には研磨剤および潤滑剤が磁性層中に添加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、家庭用のデジタルビデオテープ
レコーダにあっても、磁気ヘッドの回転数が9600回
転/分と、アナログビデオテープレコーダの民生用の1
800回転/分、業務用の5000回転/分に比べて格
段に高速回転数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの
摺動する速度が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッ
ド等のように小型のものが用いられており、磁気記録媒
体から生じる成分による磁気ヘッド汚れの改善が求めら
れている。また、フロッピーディスクに代えて用いられ
る高密度記録用の磁気記録媒体にあっても、同様に強度
が大きく信頼性の高い磁気記録媒体が要求されている。
【0004】このような問題を改善する方法として、硬
い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法がとられて
おり、耐磨耗性が良好で分散性も高いポリウレタン樹脂
が結合剤として用いられている。
【0005】例えば、特開昭61−148626号公報
には、長鎖ジオール成分のうち、少なくとも20重量%
がビスフェノール類あるいはその誘導体と芳香族二塩基
酸あるいはその誘導体から得られたポリエステルジオー
ルを用いたポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体が記
載されている。しかし、この磁気記録媒体は、分散性が
不十分であるとともに、エステル結合の加水分解による
保存性の劣化が問題であった。
【0006】また、特開平1−267829号公報に
は、環状構造を有するポリエーテルポリオールを全ポリ
オール成分の80重量%以上含むポリエーテルポリオー
ルポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体が記載されて
いる。しかし、この磁気記録媒体は、分散性あるいは耐
久性の点で不充分であった。また、特開平4−3241
10号公報には、水添ダイマー酸を含むポリエステルポ
リオールを用いたポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒
体が記載されている。しかるに、このポリウレタン樹脂
は、水添ダイマー酸をポリエステルポリオールの骨格に
導入しており、分散性が不十分であるとともに、エステ
ル結合の加水分解の面でも不十分であり、特に強磁性金
属粉末を磁性体に用いた磁気記録媒体では耐久性が不十
分であった。
【0007】そこで、特開平11−96539号公報で
は、ジオール成分としてダイマージオールを含むポリウ
レタン樹脂を結合剤として用いて耐久性が良好な磁気記
録媒体を得る試みがなされている。しかし、ダイマージ
オールの屈曲した構造によって塗膜強度が高まると、塗
膜のガラス転移温度が高くなり塗膜中の結合剤の運動性
が小さくなるためポリイソシアネート硬化剤の反応性が
低下し、十分な架橋構造が形成できない問題があった。
さらに、反応性が低いため、未反応のポリイソシアネー
トが塗膜表面に析出し、塗膜平滑性や耐久性に悪影響を
及ぼすこともあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、優れた塗膜平滑性及び電磁変換特性を有し、走行耐
久性に優れた磁気記録媒体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらなる
研究により架橋性が高い化合物により架橋を行うことに
よって、塗膜平滑性及び走行耐久性に優れた磁気記録媒
体を得るために鋭意努力した。その結果、磁性層に含ま
れる結合剤が、分子中に2官能以上の放射線官能性二重
結合を有する分子量200〜2,000の化合物を用い
て放射線などの熱に比べて高いエネルギーで架橋するこ
とにより得られたものであることにより、本発明の目的
が達成されることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の目的は、非磁性支持体上に
少なくとも一層の強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層を
有する磁気記録媒体であって、前記結合剤が環状構造、
炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以上のアルキレ
ン基を有するジオール化合物と有機ジイソシアネートと
の反応生成物であるポリウレタン樹脂及び分子中に2官
能以上の放射線官能性二重結合を有する分子量200〜
2,000の化合物を放射線により架橋して得られたも
のであることを特徴とする磁気記録媒体によって達成さ
れる。
【0011】また、本発明の目的は、非磁性支持体上に
無機粉末又は磁性粉末及び結合剤を含む層並びに少なく
とも一層の強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層をこの順
に有する磁気記録媒体であって、少なくとも前記磁性層
に含まれる前記結合剤が環状構造、炭素数4以上のアル
キル基及び炭素数4以上のアルキレン基を有するジオー
ル化合物と有機ジイソシアネートとの反応生成物である
ポリウレタン樹脂及び分子中に2官能以上の放射線官能
性二重結合を有する分子量200〜2,000の化合物
を放射線により架橋して得られたものであることを特徴
とする磁気記録媒体によって達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いてさらに詳細に説明する。本発明は、力学強度が高
く、かつ溶剤溶解性の高い環状構造、炭素数4以上のア
ルキル基及び炭素数4以上のアルキレン基を有するジオ
ール化合物をポリウレタン樹脂の成分として用いること
により、塗膜強度が高く走行耐久性に優れた磁気記録媒
体を得ることができる。 [ポリウレタン樹脂]本発明の磁性層で用いられる結合剤
は、環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4
以上のアルキレン基を有するジオール化合物と有機ジイ
ソシアネートとの反応生成物であるポリウレタン樹脂を
含む。ジオール化合物が環状構造を有することにより、
力学強度が高く、良好な塗膜強度を得ることができる。
しかし、環状構造を有すると溶剤への溶解性が低下し、
磁性粉末や非磁性粉末を十分に分散することができな
い。そこで本発明では、環状構造とともに炭素数4以上
のアルキル基及び炭素数4以上のアルキレン基を有する
ジオール化合物を用いることにより、溶剤への溶解性が
良好であり、かつ高い塗膜強度を有する磁気記録媒体を
得ている。炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以上
のアルキレン基をもつことにより屈曲した分子構造をと
るため溶剤溶解性を高くすることができ、また、磁性体
を結合剤を含む溶剤中で分散するときに、磁性体に吸着
した結合剤は、分子鎖の広がりを大きくするような構造
をとりやすいため、磁性体の分散性を向上することがで
きる。このように磁性体が良好に分散されることによ
り、高い電磁変換特性を達成することができる。
【0013】本発明の上記ポリウレタン樹脂の原料とな
るジオール化合物が有する環状構造としては、例えば、
以下に示す構造が挙げられる。
【化5】 中でも、溶剤溶解性に優れるため、以下の環状構造が好
ましい。
【化6】
【0014】ポリウレタン樹脂の原料となるジオール化
合物は、溶剤溶解性及び磁性体分散性向上のために、炭
素数4以上のアルキル基を含む。なかでも、炭素数4〜
18のアルキル基あることが好ましい。さらに好ましく
は、炭素数5〜10のアルキル基である。アルキル基の
炭素数が上記範囲内であれば、溶剤溶解性が良好であ
り、かつ高い塗膜強度を得ることができる。また、上記
アルキル基を2本以上有すると、アルキル基同士の絡み
合いによって、高い力学強度、即ち高い弾性率と大きな
破断伸びを両立させ、塗膜強度を高め、走行耐久性を大
きく向上することができる。
【0015】環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び
炭素数4以上のアルキレン基を有するジオール成分は、
例えば下記式(1)又は式(2)に示される構造をとる
ことができる。
【化7】
【化8】
【0016】式中、R1及びR2は炭素数4〜18のアル
キレン基、R3及びR4は炭素数4〜18のアルキル基を
表し、Zは下記から選ばれる。
【化9】
【0017】環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び
炭素数4以上のアルキレン基を有するジオール成分とし
ては、下記式(3)の構造のダイマージオールが好まし
い。ダイマージオールの屈曲した構造により、高い溶剤
溶解性が得られ、さらにアルキル基同士の絡み合いによ
って高い力学強度、即ち高い弾性率と大きな破断伸びを
両立させ、塗膜強度を高め、走行耐久性を大きく向上す
ることができる。また、ダイマージオールは、磁性体に
吸着して溶剤中に存在する場合、分子鎖の広がりを大き
くするような構造をとりやすいため、磁性体の分散性を
向上させることができる。
【化10】 ダイマージオールとは、ダイマー酸を水添、還元するこ
とで得られるものであり市販品が入手可能で、例えばユ
ニケマ社PRIPOL2033、コグニス社SOVER
MOL908などを用いることができる。
【0018】環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び
炭素数4以上のアルキレン基を有するジオール成分は、
上記の溶媒溶解性及び磁性体分散性を向上させるため
に、ポリウレタン樹脂中に5重量%以上含まれることが
好ましい。前記ジオール成分は、多量に含まれてもかま
わないが、ジオール成分含有量が多量になると、必然的
にウレタン基濃度を低くせざるを得ない。従って、分子
量コントロールなどを考慮すれば、さらに好ましくは1
0〜40重量%含まれることが適当である。
【0019】環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び
炭素数4以上のアルキレン基を有するジオール成分の重
量平均分子量Mwは、500〜1,000であることが
好ましい。Mwが500以上であれば、ウレタン基濃度
が高く溶剤溶解性が良好であり、Mwが1,000以下
であれば、良好な塗膜強度を得ることができる。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂は、環状構造、
炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以上のアルキレ
ン基を有するジオール成分のほか、必要に応じて公知の
ジオールを用いることもできる。公知のジオールは、分
子量500以下、より好ましくは分子量300以下の低
分子ジオールが好ましい。分子量500を越える長鎖ジ
オールはウレタン結合濃度が低下するため力学強度が低
下し好ましくない。これらの使用量はポリウレタン中の
50重量%〜0重量%が好ましい。ジオールとしては、
具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、プロピレングリコール、、ネオペンチルグリコ
ール(NPG)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチ
ル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチ
ル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プ
ロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−
ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−
ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル
−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,
5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,
3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,
5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−
1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル
−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,
3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパ
ンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジ
オール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパン
ジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタ
ンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、
2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペ
ンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオ
ール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オ
クチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−
1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−
ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオ
ール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−
ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,
9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジ
オール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール、2−メ
チル−2エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチ
ル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メ
チル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−
メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−
メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジ
エチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−
ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−
ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−
プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3
−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブ
チル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−
1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,
3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−
ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3
−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,
5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパン
ジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−
1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペ
ンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオー
ル、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミ
リスチル−1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル
−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘ
キサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオ
ール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エ
チル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9
−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオー
ルなどの脂肪族グリコール、ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素化ビスフェ
ノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノール
P、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジ
メタノール、シクロヘキサンジオール、5,5’−(1
−メチルエチリデン)ビス−(1,1’−ビシクロヘキ
シル)−2−オール、4,4’−(1−メチルエチリデ
ン)ビス−2−メチルシクロヘキサノール、5,5’−
(1,1’−シクロヘキシリデン)−ビス−(1,1’
−ビシクロヘキシル)−2−オール、5,5’−(1,
1’−シクロヘキルメチレン)−ビス−(1,1’−ビ
シクロヘキシル)−2−オール、水添テルペンジフェノ
ール、ジフェニルビスフェノールA、ジフェニルビスフ
ェノールS、ジフェニルビスフェノールP、9,9−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’
−(3−メチルエチリデン)−ビス−(2−シクロヘキ
シル−5−メチルフェノール)、4,4’−(3−メチ
ルエチリデン(ビス(2−フェニル−5メチルシクロヘ
キサノール)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)
−ビス−(2−フェノール)、4,4’−シクロヘキシ
リデン−ビス−(2−メチルフェノール)、テルペンジ
フェノールなどのジオールやこれらのエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド付加物などを用いることがで
きる。好ましくは水素化ビスフェノールA及び水素化ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド付加物である。
【0021】ポリウレタン樹脂の原料となる有機ジイソ
シアネートとしては、公知のものを用いることができ
る。例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイ
ソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4
−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジ
フェニル−4.4'−ジイソシアネート、2,2'−ジフ
ェニルプロパン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ
ジフェニル−4,4'−ジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ートなどの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化
ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソ
シアネートなどを挙げることができる。好ましくは、T
DI(トリレンジイソシアネート),MDI(ジフェニ
ルメタンジイソシアネート),p−フェニレンジイソシ
アネート、o-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水
素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどを用いることができる。
【0022】結合剤中のポリウレタンには、分子末端に
放射線硬化可能な官能基を有する化合物を導入すること
ができる。放射線硬化可能な官能基を有する化合物を導
入することにより、後述の放射線官能性二重結合含有化
合物との反応が促進され、また、ポリウレタン相互間で
も架橋構造が形成されるため、高い架橋率を達成するこ
とができる。分子末端に導入する放射線硬化可能な官能
基を有する化合物としては、例えば、アクリル酸または
メタクリル酸の2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒ
ドロキシプロピルエステル、2−ヒドロキシオクチルエ
ステルなどのエステル類、アクリルアミド、メタクリル
アミドをもち且つアクリル性二重結合を有する化合物な
どのイソシアネート基と反応する基及びアクリル性二重
結合をもつ化合物や2−メタクロイルオキシイソシアネ
ートイソシアネートなどのOH基と反応する基及びアク
リル性二重結合をもつ化合物を用いることができる。中
でも好ましいものは2−ヒドロキシエチルメタクリーレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−メタク
ロイルオキシイソシアネートイソシアネートである。
【0023】結合剤中のポリウレタン樹脂に含まれるウ
レタン基濃度は、2.5〜4.5mmol/gが好まし
く、さらに好ましくは3.0〜4.0mmol/gであ
ることが適当である。ウレタン基濃度が2.5mmol
/g以上であれば、塗膜のTgが高く磁性層の耐久性は
良好であり、4.5mmol/g以下であれば、溶剤溶
解性が高く磁性体の分散性が良好である。ウレタン基濃
度が過度に高い場合は、必然的にポリオールを含有でき
なくなるため分子量コントロールが困難になるなどの合
成上の不都合が生じる恐れがある。
【0024】ポリウレタン樹脂の重量平均分子量Mw
は、30,000〜70,000が好ましく、さらに好
ましくは40,000〜60,000であることが適当
である。ポリウレタン樹脂のMwが30,000以上で
あれば、塗膜強度が高く優れた耐久性が得られる。Mw
が70,000以下であれば、溶剤溶解性が高く、磁性
体の分散性が良好である。
【0025】ポリウレタン樹脂のガラス転移温度Tg
は、40〜200℃が好ましく、より好ましくは70〜
180℃、さらに好ましくは80〜170℃であること
が適当である。Tgが40℃以上であれば、高温での塗
膜強度が高く耐久性及び保存性が良好であり、200℃
以下であれば、カレンダー成形性が好ましく高い電磁変
換特性が得られる。
【0026】ポリウレタン樹脂の極性基は、極性基を含
有するジオール成分により導入することができる。極性
基を含有するジオール成分としては、例えばスルホイソ
フタル酸のアルキレンオキサイド付加物、ジメチロール
プロピオン酸などが挙げられる。尚、ポリウレタン樹脂
に導入する極性基としては、−SO3M、−PO32
−COOMが好ましく、さらに好ましくは、−SO
3M、−OSO3Mであることが適当である。ポリウレタ
ン樹脂中の極性基含有量は、1×10-5eq/g〜2×
10-4eq/gが好ましい。極性基が1×10-5eq/
g以上含まれると、磁性体への結合剤の吸着性が高くな
り、2×10-4eq/g以下であると、結合剤の溶剤溶
解性が良好である。従って、ポリウレタン樹脂中の極性
基含有量が上記範囲内であると、磁性体分散性が良好で
あり好ましい。
【0027】[放射線官能性二重結合含有化合物]本発明
の磁性層に用いる結合剤は、上記ポリウレタン樹脂と分
子中に2官能以上の放射線官能性二重結合を有する分子
量200〜2,000の化合物とに放射線照射してポリ
ウレタンを架橋したものである。従来、ポリウレタンを
架橋するために、結合剤成分としてポリイソシアネート
硬化剤が用いられていて熱により架橋していた。しか
し、環状構造を有するポリウレタンを用いることで塗膜
強度を高めた場合、同時に塗膜のTgも高くなるので、
塗膜中の結合剤の運動性が小さくなるためポリイソシア
ネートの反応性が低下し、十分な架橋構造が形成でき
ず、未反応のポリイソシアネートが塗膜表面に析出し耐
久性が低下するなどの問題があった。それに対して、本
発明の結合剤に含まれる放射線官能性二重結合含有化合
物は、高いエネルギーを有する放射線により架橋するの
で、熱により架橋する場合の上記問題が生じず、環状構
造をもつポリウレタンを用いても架橋密度の高い塗膜を
形成でき優れた耐久性を有する磁気記録媒体を得ること
ができる。また、ポリイソシアネート硬化剤は、塗布液
中の水分と反応して架橋構造をとるので経時により塗布
液粘度が上昇し、塗膜平滑性が低下する問題があったの
に対し、放射線官能性二重結合含有化合物は、放射線を
照射しない限り反応が進まないので、塗液粘度が安定で
あり、平滑な塗膜を形成することができる。また、分子
量が200〜2,000の比較的低分子量のものを用い
るので、カレンダー工程での塗膜流動性が良好で、成形
性が高く、より平滑な塗膜を得ることができる。
【0028】本発明において用いる2官能以上の放射線
官能性二重結合を有する分子量200〜2000の化合
物としては、例えば、アクリル酸エステル類、アクリル
アミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミ
ド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステ
ル類などが挙げられる。好ましくは2官能以上のアクリ
レート化合物、メタクリレート化合物であることが適当
である。
【0029】2官能の化合物の具体例としては、エチレ
ングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ
アクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジ
オールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタク
リレートなどに代表される脂肪族ジオールにアクリル
酸、メタクリル酸を付加させたものを用いることができ
る。またポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオー
テルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加した
ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレー
トや公知の二塩基酸、グリコールから得られたポリエス
テルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させ
たポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレ
ートも用いることができる。公知のポリオール、ジオー
ルとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンにア
クリル酸、メタクリル酸を付加させたポリウレタンアク
リレート、ポリウレタンメタクリレートを用いてもよ
い。ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビス
フェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアル
キレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を
付加させたものやイソシアヌル酸アルキレンオキサイド
変性ジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサ
イド変性ジメタアクリレート、トリシクロデカンジメタ
ノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジメタクリレートなどの環状構造を有するものも用いる
ことができる。
【0030】3官能の化合物の具体例としては、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエ
タントリアクリレート、トリメチロールプロパンのアル
キレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールト
リアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド
変性トリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ヒドロシキピバルアルデヒド
変性ジメチロールプロパントリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプ
ロパンのアルキレンオキサイド変性トリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペン
タエリスリトールトリメタクリレート、イソシアヌル酸
アルキレンオキサイド変性トリメタクリレート、プロピ
オン酸ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ヒ
ドロシキピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパント
リメタクリレートなどを用いることができる。
【0031】4官能以上の化合物の具体例としては、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキ
サイド変性ヘキサアクリレートなどを用いることができ
る。
【0032】なかでも、具体例として好ましいものは分
子量200〜2000の3官能以上のアクリレート化合
物である。さらに好ましいものは、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、イソ
シアヌル酸のエチレンオキサイド変性トリアクリレート
である。またこれらの化合物は任意の割合で混合して使
用することができるとともに「低エネルギー電子線照射
の応用技術(2000年 (株)シーエムシー発行)」「UV
・EB硬化技術(1982年 (株)総合技術センター発
行)」などに記載されている公知の1官能アクリレート
またはメタクリレート化合物を併用してもよい。
【0033】本発明において架橋のために使用される放
射線は、例えば電子線や紫外線であることができる。紫
外線を使用する場合には光重合開始剤を併用する。電子
線硬化の場合は重合開始剤が不要であり、透過深さも深
いので好ましい。
【0034】電子線加速器としてはスキャニング方式、
ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が
採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得ら
れるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、
加速電圧が30〜1,000kV、好ましくは50〜3
00kVであり、吸収線量として0.5〜20Mra
d、好ましくは2〜10Mradである。加速電圧が3
0kV以下の場合はエネルギーの透過量が不足し、30
0kVを超えると重合に使われるエネルギーの効率が低
下し経済的でない。 電子線を照射する雰囲気は窒素パ
ージにより酸素濃度を200ppm以下にすることが好
ましい。酸素濃度が高いと表面近傍の架橋、硬化反応が
阻害される。紫外線光源としては、水銀灯が用いられ
る。水銀灯は20〜240W/cmのランプを用い、速度
0.3m/分〜20m/分で使用される。基体と水銀灯
との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
【0035】紫外線硬化に用いる光重合開始剤として光
ラジカル重合開始剤が用いられる。詳細は例えば「新高
分子実験学第2巻 第6章 光・放射線重合」(共立出版
1995発行、高分子学会編)記載されているものを使用で
きる。具体例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、アントラキノン、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾ
インイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケ
トン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2−2ジエトキシアセトフェノンなどがある。芳香族ケ
トンの混合比率は、放射線硬化化合物100重量部に対
し0.5〜20重量部、好ましくは2〜15重量部、さ
らに好ましくは3〜10重量部であることが適当であ
る。
【0036】放射線照射は非磁性層及び磁性層を塗布、
乾燥、カレンダー処理した後に行うのが好ましい。放射
線照射前の磁性層は柔らかくカレンダー処理により平滑
化されやすい。カレンダー処理した後巻き取り、放射線
を未照射の状態で長時間保存するとバック面の凹凸が転
写して表面が粗くなることがある。従ってカレンダー処
理後できるだけ早く放射線を照射し磁性層を硬化させる
ことが好ましい。カレンダー処理と放射線照射工程を一
貫で行うことはさらに好ましい。放射線硬化装置、条件
などについては「UV・EB硬化技術」(1982年(株)総合
技術センター発行)や「低エネルギー電子線照射の応用
技術」(2000年、(株)シーエムシー発行)などに記載さ
れている公知のものを用いることができる。
【0037】[その他の成分]結合剤には、上記ポリウレ
タン樹脂及び放射線官能性二重結合含有化合物以外に、
その他の結合剤成分としてポリエステル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニ
トリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリ
ル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラー
ル樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用い
ることができる。これらの中で好ましいのは塩ビ系樹
脂、アクリル系樹脂である。
【0038】塩ビ系樹脂としては塩ビモノマーに種々の
モノマーと共重合したものが用いられる。共重合モノマ
ーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪
酸ビニルエステル類、 メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレートなどのアクリレート、メタクリレ
ート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテ
ル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルな
どのアルキルアリルエーテル類 その他スチレン、αメ
チルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エ
チレン、ブタジエン、アクリルアミド、 更に官能基を
もつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレ
ート、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-ヒドロキ
シプロピルアリルエーテル、3-ヒドロキシプロピルアリ
ルエーテル、p-ビニルフェノール、マレイン酸、無水マ
レイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホ
エチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)ア
クリレート、p-スチレンスルホン酸、及びこれらのNa
塩、K塩などが用いられる。塩ビ系樹脂中の塩化ビニル
モノマーの組成は60〜95重量%であれば、力学強度
が高く、かつ溶剤溶解性が良好で磁性体分散性が高く好
ましい。
【0039】上記その他の結合剤成分は、磁性体、非磁
性粉体の分散性を向上させるため粉体表面に吸着する官
能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基
としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−
OPO(OM)2 、−COOM、>NSO3M、>NR
SO3M、−NR12 、−N+123- などがあ
る。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rは
アルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロ
キシアルキル基又は水素、XはCl、Br等のハロゲンであ
る。結合剤中の官能基の量は10μeq/g〜200μeq/g
が好ましく、さらには30μeq/g〜120μeq/gが、分
散性が良好で好ましい。このほか−OH基などの活性水
素を持つ官能基を持っていてもかまわない。
【0040】その他結合剤成分は、分子量が重量平均分
子量で20,000〜200,000が好ましく、さら
に好ましくは20,000〜80,000であることが
適当である。この範囲内であれば、塗膜強度が高く耐久
性が良好で、かつ塗布液粘度が低く磁性体分散性が良好
であるので好ましい。吸着官能基(極性基)の好ましい
量は、前述のポリウレタンの場合と同様である。これら
の官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重
合しても良いし、塩ビ系樹脂を共重合した後、高分子反
応で官能基を導入しても良い。好ましい重合度は200
〜600、さらに好ましくは240〜450である。こ
の範囲内であれば力学強度が高く、また、塗布液粘度が
低く磁性体分散性が良好である。
【0041】本発明では、磁性層のみならず下層非磁性
又は磁性層を有する場合には、上記結合剤を上層磁性層
及び下層非磁性又は磁性層に使用することもできる。結
合剤の含有量は、磁性層の場合は磁性体1,000重量
部に対して、非磁性層の場合は非磁性粉末1,000重
量部に対して50重量部〜300重量部が好ましく、さ
らに好ましくは100重量部〜200重量部であること
が適当である。
【0042】[上層磁性層]強磁性粉末 本発明の磁性層に使用する強磁性粉末としては、α−F
eを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの
強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、S
c、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、P
d、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、
Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、
P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含
んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、B
a、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα
−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少
なくとも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有
量は0原子%以上40原子%以下が好ましく、さらに好
ましくは15原子%以上35%以下、より好ましくは2
0原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.
5原子%以上12原子%以下が好ましく、さらに好まし
くは3原子%以上10原子%以下、より好ましくは4原
子%以上9原子%以下である。Alは5原子%以上30
原子%以下が好ましく、さらに好ましくは5原子%以上
15原子%以下、より好ましくは7原子%以上12原子%以
下である。これらの強磁性粉末にはあとで述べる分散
剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあ
らかじめ処理を行ってもかまわない。
【0043】具体的には、特公昭44−14090号公
報、特公昭45−18372号公報、特公昭47−22
062号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭
46−28466号公報、特公昭46−38755号公
報、特公昭47−4286号公報、特公昭47−124
22号公報、特公昭47−17284号公報、特公昭4
7−18509号公報、特公昭47−18573号公
報、特公昭39−10307号公報、特公昭46−39
639号公報、米国特許第3026215号、同303
1341号、同3100194号、同3242005
号、同3389014号などに記載されている。
【0044】強磁性合金微粉末には少量の水酸化物、ま
たは酸化物が含まれてもよい。強磁性合金微粉末の公知
の製造方法により得られたものを用いることができ、下
記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主とし
てシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方
法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeある
いはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化
合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホ
ウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなど
の還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性
気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。この
ようにして得られた強磁性合金粉末は公知の徐酸化処
理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、
有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面
に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用
いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化
皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いるこ
とができる。
【0045】本発明の磁性層の強磁性粉末をBET法に
よる比表面積で表せば45〜80m2/gであり、好ましく
は50〜70m2/gであることが適当である。45m2/g以
上であるとノイズが低減され、80m2/g以下であると表
面性が良好であり好ましい。本発明の磁性層の強磁性粉
末の結晶子サイズは350〜80Åであり、好ましくは
250〜100Å、更に好ましくは200〜140Åで
あることが適当である。強磁性粉末の長軸径は0.02
μm以上0.25μm以下であり、好ましくは0.05μ
m以上0.15μm以下であり、さらに好ましくは0.0
6μm以上0.1μm以下であることが適当である。強磁
性粉末の針状比は3以上15以下が好ましく、さらには
5以上12以下が好ましい。磁性金属粉末のσs は10
0〜180A・m2/g(100〜180emu/g)であ
り、好ましくは110 〜170A・m2/g(110
〜170emu/g)、更に好ましくは125〜160A・
2/g(125〜160emu/g)であることが適当であ
る。金属粉末の抗磁力は111〜279kA/m(1,
400〜3,500Oe)が好ましく、更に好ましくは1
43〜239kA/m(1,800Oe〜3,000Oe)
であることが適当である。
【0046】強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%
とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末
の含水率は最適化するのが好ましい。 強磁性粉末のp
Hは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが
好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは6
〜10である。強磁性粉末は必要に応じ、Al、Si、
Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかま
わない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であ
り表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100
mg/m2 以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のN
a、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場
合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、2
00ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少
ない。また、本発明に用いられる強磁性粉末は空孔が少
ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに好
ましくは5容量%以下である。また形状については先に
示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米
粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性粉末の自
体のSFDは小さい方が好ましく、0.8以下が好まし
い。強磁性粉末のHcの分布を小さくする必要がある。
尚、SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好
で、出力が高く、また、磁化反転がシャープでピークシ
フトも少なくなり、高密度デジタル磁気記録に好適であ
る。Hcの分布を小さくするためには、強磁性金属粉末
においてはゲ−タイトの粒度分布を良くする、焼結を防
止するなどの方法がある。
【0047】六方晶フェライト微粉末 本発明の磁性層に使用する強磁性粉末としては、六方晶
フェライト微粉末も使用できる。六方晶フェライトとし
てバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛
フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置
換体などがある。具体的にはマグネトプランバイト型の
バリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、ス
ピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フ
ェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプラ
ンバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフ
ェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、
Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、
Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、N
bなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−T
i、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti
−Zn、Nb−Zn−Co、SbーZn−Co、Nb−
Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原
料・製法によっては特有の不純物を含有するものもあ
る。
【0048】粒子サイズは六角板径で10〜200nm、
好ましくは20〜100nmであることが適当である。1
0nm以上であれば熱揺らぎが少なく安定な磁化を得るこ
とができ、200nm以下であればノイズが低減されるた
め、高密度磁気記録には好適である。尚、磁気抵抗ヘッ
ドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径
は40nm以下が好ましい。板状比(板径/板厚)は1〜
15が望ましい。好ましくは2〜7である。板状比が小
さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、十分な
配向性が得られない。15より大きいと粒子間のスタッ
キングによりノイズが大きくなる。この粒子サイズ範囲
のBET法による比表面積は10〜200m/gを示
す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と
符号する。結晶子サイズは50〜450Å、好ましくは
100〜350Åである。粒子板径・板厚の分布は通常
狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写
真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。
分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サ
イズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1
〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには
粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成し
た粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たと
えば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も
知られている。磁性体で測定される抗磁力Hcは40〜
400kA/m(500〜5,000Oe)程度まで作
成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、
記録ヘッドの能力で制限される。通常64kA/m(8
00Oe)から318kA/m(4,000Oe)程度で
あるが、好ましくは119kA/m(1,500Oe)
以上、279kA/m(3,500Oe)以下である。
ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、1
59kA/m(2,000Oe)以上にすることが好ま
しい。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種
類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により
制御できる。飽和磁化σsは40〜80A・m2/kg
(40〜80emu/g)である。σsは高い方が好ましい
が微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良の
ためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェラ
イトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等
が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用い
ることも可能である。
【0049】磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分
散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われて
いる。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用され
る。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物ま
たは水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタン
カップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して
0.1〜10%であることが適当である。磁性体のpH
も分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリ
マーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存
性から6〜10程度が選択される。磁性体に含まれる水
分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値が
あるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。六方晶フェ
ライトの製法としては、酸化バリウム・酸化鉄・鉄を
置換する金属酸化物とカ゛ラス形成物質として酸化ホウ素等
を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融
し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、
洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るカ゛ラス
結晶化法。バリウムフェライト組成金属塩溶液をアル
カリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液
相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト
結晶粉体を得る水熱反応法。バリウムフェライト組成
金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後
乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェ
ライト結晶粉体を得る共沈法などがあるが、本発明は製
法を選ばない。
【0050】上記の各成分を、通常磁性塗料の調製の際
に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シ
クロヘキサノン、酢酸エチルなどの溶剤とともに混練分
散して磁性塗料とする。混練分散は通常の方法に従って
行うことができる。尚、磁性塗料中には、上記成分以外
にα−Al23、Cr23などの研磨剤、カーボンブラ
ックなどの帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリ
コーンオイルなどの潤滑剤、分散剤など通常使用されて
いる添加剤又は充填剤を含んでもよい。
【0051】本発明の上層磁性層に使用されるカーボン
ブラックは、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラ
ー用ブラック、アセチレンブラックなどを用いることが
できる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量
は10〜400ml/100g、粒子径は5nm〜30
0nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10重量
%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。本発
明の磁性層に用いられるカーボンブラックの具体的な例
としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2
000、1300、1000、900、800、70
0、VULCANXC−72、旭カーボン社製、#8
0、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社
製、#2400B、#2300、#900、#100
0、#30、#40、#10B、コンロンビアカーボン
社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 15
0、50、40、15などが挙げられる。カーボンブラ
ックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化
して使用しても、表面の一部をグラファイト化したもの
を使用してもかまわない。また、カーボンブラックを磁
性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもか
まわない。これらのカーボンブラックは単独、または組
合せで使用することができる。
【0052】カーボンブラックを使用する場合は強磁性
粉末に対する量の0.1〜30重量%で用いることが好
ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係
数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、こ
れらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って本
発明に使用されるこれらのカーボンブラックは上層、下
層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油
量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的
に応じて使い分けることはもちろん可能である。本発明
の磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カー
ボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にす
ることができる。
【0053】磁性層には、前記非磁性粉末以外に研磨剤
としてα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪
素、チタンカーバイド、酸化チタン、二酸化珪素、窒化
ホウ素など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単
独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤ど
うしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したも
の)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外
の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が9
0重量%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨
剤の粒子サイズは0.01〜2μmが使用出来るが、磁
性層厚みが薄いので0.01〜0.3μmのものが好ま
しい。また、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組
み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同
様の効果をもたせることもできる。タップ密度は0.3
〜2g/ml、含水率は0.1〜5重量%、pHは2〜
11、比表面積は1〜30m2/gが好ましい。本発明
に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、
のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研
磨性が高く好ましい。
【0054】本発明に用いられる研磨剤の具体的な例と
しては、住友化学社製AKP−20、AKP−30、A
KP−50、HIT−50、HIT−100、日本化学
工業社製G5、G7、S1、戸田工業社製TF−10
0、TF−140が挙げられる。本発明に用いられる研
磨剤は磁性層(上下層)、非磁性層で種類、量および組
合せを替え、目的に応じて使い分けることはもちろん可
能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処
理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。本発明
の磁気記録媒体の磁性層表面および磁性層端面に存在す
る研磨剤は5個/100μm2以上であることが好まし
い。
【0055】[下層]次に本発明の磁気記録媒体が、無機
粉末又は磁性粉末及び結合剤を含む層を有する多層構成
の場合における下層非磁性層(無機粉末含有層)または
下層磁性層(磁性粉末含有層)について説明する。下層非磁性層 本発明の下層非磁性層に用いられる無機粉末は、磁性粉
末、非磁性粉末を問わない。例えば非磁性粉末の場合、
金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金
属炭化物、金属硫化物などの無機質化合物から選択する
ことができる。無機化合物としては例えばα化率90%
以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ
−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、
α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタ
ンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸
化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウ
ム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独ま
たは組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布
の小ささ、機能付与の手段が多いことなどから、二酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に
好ましいのは二酸化チタン、α−酸化鉄である。これら
非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μmが好まし
いが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組
み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くし
て同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好まし
いのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01μm〜0.2
μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である
場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状
金属酸化物である場合は、長軸長が0.3μm以下が好
ましい。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは
0.2〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は0.
1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%、更に好ま
しくは0.3〜1.5重量%である。非磁性粉末のpH
は2〜11であるが、pHは5.5〜10の間が特に好
ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ま
しくは5〜80m2/g、更に好ましくは10〜70m2/gで
あることが適当である。非磁性粉末の結晶子サイズは
0.004μm〜1μmが好ましく、0.04μm〜0.
1μmが更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)
を用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10
〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gであ
ることが適当である。比重は1〜12、好ましくは3〜
6であることが適当である。形状は針状、球状、多面体
状、板状のいずれでも良い。
【0056】強熱減量は20重量%以下であることが好
ましく、本来ないことが最も好ましいと考えられる。本
発明に用いられる上記非磁性粉末のモース硬度は4以
上、10以下のものが好ましい。これらの粉体表面のラ
フネスファクターは0.8〜1.5が好ましく、更に好
ましいラフネスファクターは0.9〜1.2である。非
磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜20μmo
l/m2、好ましくは2〜15μmol/m2、さらに好ましく
は3〜8μmol/m2であることが適当である。非磁性粉末
の25℃での水への湿潤熱は2×10-5〜6×10-5J/
cm2(200〜600erg/cm2)がの範囲にあることが好
ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用する
ことができる。pHは3〜6の間にあることが好まし
い。非磁性粉末の水溶性Na濃度は0〜150ppm、
水溶性Caは0〜50ppmであることが適当である。
【0057】これらの非磁性粉末の表面には例えばAl
23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb
23、ZnO、Y23で表面処理することが好ましい。
特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、Ti
2、ZrO2であり、さらに好ましいのはAl23、S
iO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用して
も良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応
じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアル
ミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、
またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処
理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質
で密である方が一般には好ましい。
【0058】本発明の下層に用いられる非磁性粉末の具
体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製
HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製α−ヘマタ
イトDPN−250、DPN−250BX、DPN−2
45、DPN−270BX、DBN−SA1、DBN−
SA3、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO
−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−
55S、TTO−55D、SN−100、α−ヘマタイ
トE270、E271、E300、E303、チタン工
業製酸化チタンSTT−4D、STT−30D、STT
−30、STT−65C、α−ヘマタイトα−40、テ
イカ製MT−100S、MT−100T、MT−150
W、MT−500B、MT−600B、MT−100
F、MT−500HD、堺化学製FINEX−25、B
F−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業
製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製
AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、5
00A、及びそれを焼成したものが挙げられる。 特に
好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄であ
る。
【0059】下層にカーボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビ
ッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボン
ブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらす
ことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用フ
ァーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチ
レンブラックなど用いることができる。下層のカーボン
ブラックは所望する効果によって、以下のような特性を
最適化すべきであり、併用することでより効果が得られ
ることがある。
【0060】下層のカーボンブラックの比表面積は10
0〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、
DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30
〜200ml/100gであることが適当である。カーボンブ
ラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50n
m、さらに好ましくは10〜40nmであることが適当
である。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は
0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ま
しい。本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な
例としてはキャボット社製 BLACKPEARLS
2000、1300、1000、900、800、88
0、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業
社製 #3050B、#3150B、#3250B、#
3750B、#3950B、#950、#650B、#
970B、#850B、MA−600、MA−230、
#4000、#4010、コンロンビアカーボン社製
CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8
000、7000、5750、5250、3500、2
100、2000、1800、1500、1255、1
250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙
げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理し
たり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部を
グラファイト化したものを使用してもかまわない。ま
た、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ
結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラ
ックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範
囲、下層総重量の40%を越えない範囲で使用できる。
これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用
することができる。本発明で使用できるカーボンブラッ
クは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラッ
ク協会編)を参考にすることができる。
【0061】また下層には有機質粉末を目的に応じて添
加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂
粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂を使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号公報、特開昭60−255827号公報
に記されているようなものが使用できる。
【0062】下層磁性層 本発明の下層にはまた、磁性粉末を用いることもでき
る。磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−F
23、α−Feを主成分とする合金、CrO2等が用
いられる。特に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本
発明の下層に用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用い
られる強磁性粉末と同様な組成、性能が好ましい。ただ
し、目的に応じて、上下層で性能を変化させることは公
知の通りである。例えば、長波長記録特性を向上させる
ためには、下層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低
く設定することが望ましく、また、下層磁性層のBrを
上層磁性層のそれより高くする事が有効である。それ以
外にも、公知の重層構成を採る事による利点を付与させ
ることができる。
【0063】本発明において、上下層ともに公知の添加
剤を添加することが出来る。添加剤としては潤滑効果、
帯電防止効果、分散効果、可塑効果などをもつものが使
用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステングラ
ファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイ
ル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、
フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素
含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アル
キル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル
硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニル
エーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびその
アルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)、およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuな
ど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、
また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22の
アルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂
肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかま
わない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、
五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含
んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモ
ノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂
肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキ
ルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用でき
る。
【0064】これらの具体例としてはラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ス
テアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン
酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オ
クチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソル
ビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステ
アレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オ
レイルアルコール、ラウリルアルコールが挙げられる。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシ
ドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
体などのノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルア
ミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、
複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類などのカ
チオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐
酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含
むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸
類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、ア
ルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用でき
る。
【0065】これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも10
0%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物 等の不純分がふくまれてもか
まわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さ
らに好ましくは10%以下である。
【0066】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は上層、下層でその種類、量を必要に応じ使い分
けることができる。例えば、上層、下層で融点の異なる
脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極
性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御
する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向
上させる、潤滑剤の添加量を下層で多くして潤滑効果を
向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限
られるものではない。また本発明で用いられる添加剤の
すべてまたはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添
加してもかまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末
と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練
工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後
に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐
次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することによ
り目的が達成される場合がある。また、目的によっては
カレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面
に潤滑剤を塗布することもできる。
【0067】本発明で使用されるこれら潤滑剤の商品例
としては、日本油脂社製、NAA−102、NAA−4
15、NAA−312、NAA−160、NAA−18
0、NAA−174、NAA−175、NAA−22
2、NAA−34、NAA−35、NAA−171、N
AA−122、NAA−142、NAA−160、NA
A−173K、ヒマシ硬化脂肪酸、NAA−42、NA
A−44、カチオンSA、カチオンMA、カチオンA
B、カチオンBB、ナイミ−ンL−201、ナイミ−ン
L−202、ナイミ−ンS−202、ノニオンE−20
8、ノニオンP−208、ノニオンS−207、ノニオ
ンK−204、ノニオンNS−202、ノニオンNS−
210、ノニオンHS−206、ノニオンL−2、ノニ
オンS−2、ノニオンS−4、ノニオンO−2、ノニオ
ンLP−20R、ノニオンPP−40R、ノニオンSP
−60R、ノニオンOP−80R、ノニオンOP−85
R、ノニオンLT−221、ノニオンST−221、ノ
ニオンOT−221、モノグリMB、ノニオンDS−6
0、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレ−ト、ブ
チルラウレ−ト、エルカ酸、関東化学社製、オレイン
酸、竹本油脂社製、FAL−205、FAL−123、
新日本理化社製、エヌジェルブLO、エヌジェルブIP
M、サンソサイザ−E4030、信越化学社製、TA−
3、KF−96、KF−96L、KF96H、KF41
0、KF420、KF965、KF54、KF50、K
F56、KF907、KF851、X−22−819、
X−22−822、KF905、KF700、KF39
3、KF−857、KF−860、KF−865、X−
22−980、KF−101、KF−102、KF−1
03、X−22−3710、X−22−3715、KF
−910、KF−3935、ライオンアーマー社製、ア
ーマイドP、アーマイドC、アーモスリップCP、ライ
オン油脂社製、デュオミンTDO、日清製油社製、BA
−41G、三洋化成社製、プロファン2012E、ニュ
ーポールPE61、イオネットMS−400、イオネッ
トMO−200 イオネットDL−200、イオネット
DS−300、イオネットDS−1000イオネットD
O−200などが挙げられる。
【0068】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフランなどのケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコールなどのエステル類、グリコールジメ
チルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキ
サンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼンなどの塩素化炭化水素類、N、
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好
ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は
上層と下層でその種類は同じであることが好ましい。そ
の添加量は変えてもかまわない。下層に表面張力の高い
溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布
の安定性をあげる、具体的には上層溶剤組成の算術平均
値が下層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要
である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強
い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶
剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パ
ラメータは8〜11であることが好ましい。
【0069】[非磁性支持体]本発明に用いることのでき
る非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレン
ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用で
きる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポ
リアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコ
ロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行
っても良い。また本発明に用いることのできる非磁性支
持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mm
において0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの
範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ま
しい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗
さが小さいだけでなく1μm以上の粗大突起がないこと
がこのましい。
【0070】[層構成]本発明の磁気記録媒体の厚み構成
は、非磁性支持体が1〜100μm、好ましくは4〜8
0μmであることが適当である。磁性層(単一層の場
合)、又は上層磁性層(二層以上の場合)の厚みは、
0.01〜2μmが好ましく、さらに好ましくは0.0
5〜1.5μmであることが適当である。上層が薄すぎ
ると均一な記録層が形成されず、厚すぎると表面が粗く
なり電磁変換特性が低下する。下層(磁性層又は非磁性
層)の厚みは、0.5〜3μmが好ましく、さらに好ま
しくは0.8〜2μmであることが適当である。薄すぎ
ると耐久性が低下し、厚すぎると表面が粗くなり電磁変
換特性が低下する。上層と下層を合わせた厚みは、非磁
性支持体の厚みの1/100〜2倍の範囲であることが
適当である。
【0071】また、非磁性支持体と下層(非磁性層又は
磁性層)の間に密着性向上のための下塗り層を設けても
かまわない。本下塗層厚みは0.01〜2μm、好まし
くは0.02〜0.5μmである。
【0072】また、本発明で用いる非磁性支持体の磁性
塗料が塗布されていない面にバックコート層が設けられ
ていてもよい。通常バックコート層は、非磁性支持体の
磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤
などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバック
コート層形成塗料を塗布して設けられた層である。な
お、非磁性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成
塗料の塗布面に接着剤層が設けられていてもよい。非磁
性支持体の磁性層側と反対側にバックコート層を設ける
場合、バックコート層の厚みは0.1〜2μm、好まし
くは0.3〜1.0μmであることが適当である。これ
らの下塗層、バックコート層は公知のものが使用でき
る。
【0073】[製法]本発明の磁気記録媒体の製造方法は
例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布
液を好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜3.
0μmの範囲内、より好ましくは0.07〜1.0μm
になるように塗布する。ここで複数の磁性塗料を逐次あ
るいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗料を塗布
する塗布機としては、エアードクターコート、ブレード
コート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコー
ト、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キ
スコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコ
ート等が利用できる。 これらについては例えば株式会
社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」
(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0074】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のを提案できる。 (1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、
ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置に
より、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに
特公平1-46186号公報、特開昭60-238179
号公報、特開平2-265672号公報等に開示されて
いるような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置に
より、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0075】塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料
の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施し
た後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布
層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たと
えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面
平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によ
って生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率
が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得
ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐
熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで
処理することもできる。
【0076】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好まし
くは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲であり、圧力は9.8〜49MPa(100
〜500kg/cm2 の範囲であり、好ましくは1
9.6〜44.1MPa(200〜450kg/c
2 の範囲であり、特に好ましくは29.4〜39.
2MPa(300〜400kg/cm2 の範囲の条件
で作動させることによって行われることが好ましい。
尚、上述のように、放射線照射は非磁性層及び磁性層を
塗布、乾燥、カレンダー処理した後に行うことが好まし
い。このようにして硬化処理された積層体を次に所望の
形状に裁断を行う。
【0077】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさ
らに詳細に説明する。以下に記載の「部」は「重量部」
を示し、%は重量%を示す。ポリウレタン合成例 表1に示した組成のジオール成分、ポリオール成分を還
流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器に
シクロヘキサノン30%溶液に窒素気流下60℃で溶解
した。次いで触媒として、ジブチルスズジラウレート6
0ppmを加え更に15分間溶解した。更に表1に示した
イソシアネート化合物を加え90℃にて6時間加熱反応
し、ポリウレタン樹脂溶液を得た。PU9及びPU11
は上記ポリウレタン溶液のイソシアネート基含量をIR
で分析し、イソシアネートと等モルの表1に示した放射
線官能性二重結合を有する化合物を仕込み、更に90℃
で3時間反応させて得た。
【0078】非磁性支持体上に一層の磁性層を有する磁
気記録媒体の作成 強磁性合金粉末(組成:Fe 89atm%、Co 5atm
%、Y 6atm%、Hc159kA/m(2,000O
e)、結晶子サイズ 15nm、BET比表面積59m2
/g、長軸径 0.12μm、針状比 7、σs 150A・
2/kg(150emu/g))100部 をオープンニーダ
ーで10分間粉砕し、次いで表2に示したポリウレタン
樹脂溶液を20部(固形分)、シクロヘキサノン60部
で60分間混練し、次いで 研磨剤(Al23、粒子サイズ 0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40μm) 2部 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに 表2に示した放射線官能性二重結合含有化合物またはイソシアネート含有化 合物 5部(固形分) ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均
孔径を有するフィルター用いて濾過し、上層用磁性塗料
を調製した。
【0079】次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエ
ステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコ
イルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面
に塗布した。その後に磁性塗布液を乾燥後の厚さが1.5
μmになるように、リバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された支持体を、磁性塗料が未乾燥の状
態で0.5T(5,000ガウス)のCo磁石と0.4T
(4,000ガウス)のソレノイド#磁石で磁場配向を
行い、塗布したものを金属ロール−金属ロール−金属ロ
ール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロー
ルの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/
min、線圧300kg/cm、温度90#C)で行っ
た。さらに得られたテープの磁性層面に加速電圧165
kV、ビーム電流10mAで吸収線量が10Mradに
なるように電子線を照射した。その後3.8mm幅にス
リットした。
【0080】上記の方法により表2に示したポリウレタ
ン、放射線官能性二重結合含有化合物、イソシアネート
含有化合物を用いて実施例1〜13及び比較例1〜7を
作成した。尚、比較例1は電子線を照射した後、更に7
0℃48時間の熱処理を行った後に3.8mm幅にスリ
ットした。得られたテープの物性を表2示した。
【0081】非磁性支持体上に下層及び上層を有する磁
気記録媒体の作成 (1)上層用磁性塗布液の調製 表3に示したポリウレタン、放射線官能性二重結合含有
化合物、イソシアネート含有化合物を用いて実施例1と
同様の方法で磁性塗布液を作成した。 (2)下層用非磁性塗布液の調製 α−Fe23(平均粒径0.15μm、SBET52m2
g、表面処理Al23、SiO2、pH6.5〜8.
0)85部 をオープンニーダーで10分間粉砕し、次
いで塩ビ/酢ビ/グリシジルメタクリレート=86/9/
5の共重合体にヒドロキシエチルスルホネートナトリウ
ム塩を付加した化合物(SO3Na=6×10 -5eq/
g、エポキシ=1×10-3eq/g、Mw 30,00
0)を7.5部及び表3に示したポリウレタン溶液10
部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練
し、次いで メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部 を加えてサンドミルで120分間分散した。これに 表3に示した放射線官能性二重結合含有化合物またはイソシアネート含有 化合物 15部(固形分) ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均
孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用塗料を
調製した。
【0082】次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエ
ステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコ
イルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面
に塗布した。次いで得られた下層用塗料を1.5μm
に、さらにその直後に上層磁性塗料を乾燥後の厚さが
0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時
重層塗布した。磁性塗料塗布された非磁性支持体を、磁
性塗料が未乾燥の状態で0.5T(5,000ガウス)
のCo磁石と0.4T(4,000ガウス)のソレノイ
ド磁石で磁場配向を行い、塗布したものを金属ロール−
金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金
属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理
を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温
度90#C)で行った。さらに得られたテープの磁性層面
に加速電圧165kV、ビーム電流10mAで吸収線量
が10Mradになるように電子線を照射した。その後
3.8mm幅にスリットした。
【0083】上記の方法により表3に示したポリウレタ
ン、放射線官能性二重結合含有化合物、イソシアネート
含有化合物を用いて実施例14〜29及び比較例8〜1
4を作成した。尚、実施例15、比較例8は電子線を照
射した後、更に70℃48時間の熱処理を行った後に
3.8mm幅にスリットした。得られたテープの物性を
表3示した。
【0084】
【表1】
【0085】
【化11】
【0086】評価方法 塗膜平滑性:デジタルインスツルメンツ社製ナノスコ
ープIIを用い、トンネル電流10nA、バイアス電流4
00mVで30μm×30μmの範囲を走査して10n
m以上の突起数を求めた。比較例1を100としたとき
の相対値で示した。 電磁変換特性:DDS3ドライブにて4.7MHzの
単一周波数信号を最適記録電流で記録し、その再生出力
を測定した。比較例1の再生出力を0dBとした相対値
で示した。 摩擦係数の上昇 50#C20%RH環境下で磁性層面をDDS3ドライブ
に使用されているガイドポールに接触させて荷重10g
(T1)をかけ、8mm/secになるように張力(T
2)をかけ引っ張りT2/T1よりガイドポールに対す
る磁性面の摩擦係数を求めた。測定は繰り返し1000
パスまで行い、1パス目の摩擦係数を1としたときの1
000パス目の摩擦係数を相対値で求めた。 塗膜ダメージ:で測定したサンプル磁性層表面を微
分干渉光学顕微鏡で観察し、以下のランクで評価した。 優秀:すり傷が全くみられない。 良好:わずかにすり傷が見られる。 不良:すり傷が見られ磁性層が削れている。
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】実施例、比較例の説明 実施例1〜13は、非磁性支持体上に単層磁性層を有す
る磁気記録媒体であって、磁性層に含まれる結合剤が、
環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以上
のアルキレン基を有するジオール化合物と有機ジイソシ
アネートとの反応生成物であるポリウレタン樹脂及び分
子中に2官能以上の放射線官能性二重結合を有する分子
量200〜2,000の化合物を放射線架橋して得られ
たものである磁気記録媒体である。塗膜の平滑性の相対
値はいずれも90以下で良好であり、塗膜が平滑である
ので電磁変換特性も高く、摩擦係数の上昇も少なく、磁
性層表面にはすり傷が全く見られず塗膜ダメージの点で
も良好であった。比較例1は、非磁性支持体上に単層磁
性層を有する磁気記録媒体であって、放射線官能性二重
結合含有化合物に代えて、熱硬化型のイソシアネート含
有化合物を用い、電子線照射後にさらに70℃48時間
の熱処理を行った以外は実施例1と同様に作成した例で
あり、評価の基準として用いた。実施例に比べ、塗膜平
滑性に劣り、塗膜表面が粗いため電磁変換特性が悪く、
摩擦係数が上昇し、磁性層にはすり傷が見られ、表面が
削れていた。比較例2〜6は、放射線官能性二重結合含
有化合物を用いて電子線により架橋したが、環状構造、
炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以上のアルキレ
ン基を有するジオールを用いる代わりに、ポリエステル
ポリオールを用いた例である。比較例7は、放射線官能
性二重結合含有化合物を用いて電子線により架橋した
が、環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4
以上のアルキレン基を有するジオールを用いる代わり
に、ポリエステルポリオールを用い、さらに、ポリウレ
タンの末端に放射線官能性二重結合含有化合物を導入し
た例である。環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び
炭素数4以上のアルキレン基をもたないので、結合剤の
溶剤溶解性が悪く、そのため磁性体の分散性が低く、磁
性層表面は粗くなった。実施例14〜29は、非磁性支
持体上に下層非磁性層及び上層磁性層を有する磁気記録
媒体であって、結合剤が環状構造、炭素数4以上のアル
キル基及び炭素数4以上のアルキレン基を有するジオー
ル化合物と有機ジイソシアネートとの反応生成物である
ポリウレタン樹脂及び分子中に2官能以上の放射線官能
性二重結合を有する分子量200〜2,000の化合物
を放射線架橋して得られたものである磁気記録媒体であ
る。尚、実施例14、16〜29は、上下層に放射線官
能性二重結合含有化合物を用いて電子線照射により架橋
を行った。実施例15は上層に放射線官能性二重結合含
有化合物、下層に表3記載の熱硬化型のイソシアネート
含有化合物を用いて、電子線を照射しさらに熱処理を施
して架橋した例である。比較例8は、上下層に放射線官
能性二重結合含有化合物の代わりに表3記載の熱硬化型
のイソシアネート含有化合物を用いて電子線照射の後に
熱処理を施した例である。比較例9〜13は、上下層に
放射線官能性二重結合含有化合物を用いて、電子線によ
り架橋したが、環状構造、炭素数4以上のアルキル基及
び炭素数4以上のアルキレン基を有するジオールを用い
る代わりに、ポリエステルポリオールを用いた例であ
る。比較例14は、上下層に放射線官能性二重結合含有
化合物を用いて、電子線により架橋したが、環状構造、
炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以上のアルキレ
ン基を有するジオールを用いる代わりに、ポリエステル
ポリオールを用い、さらに、ポリウレタンの末端に放射
線官能性二重結合含有化合物を導入した例である。実施
例14〜29は、塗膜が平滑であり、そのため電磁変換
特性が良好で、摩擦係数の上昇も少なく、塗膜ダメージ
は観察されず、良好な結果が得られた。尚、実施例14
〜29は、実施例1〜13と比較して塗膜平滑性が良好
であったが、これは下層を有することに起因すると考え
られる。比較例8〜14は、下層を有するため、単層の
みの比較例1〜7と比べて良好な結果となった。しか
し、上下層を有する実施例14〜29と比較例8〜14
とを比較すると、実施例の結果がより良好であった。
【0089】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、結合剤の溶解
性が高く磁性体の分散性が良好であるため、塗膜表面の
平滑性が得られ、電磁変換特性の向上が達成された。ま
た、放射線官能性二重結合含有化合物を用いて放射線に
より架橋するため、架橋性が良好であり、優れた繰り返
し走行耐久性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 PA05 PB40 PC02 PC08 QA12 QA13 QA18 QA22 QA23 QA24 QA25 QA33 QA39 QA42 QA45 QA46 QB14 QB16 QB24 SA02 SA16 SA19 SA22 SA34 SA54 SA58 SA61 SA63 UA01 UA03 WA02 WA06 4J026 AB02 AB03 BA27 BA28 BA30 BA32 BA40 BA41 DB06 DB30 DB36 FA05 GA01 GA06 GA09 5D006 BA02 BA04 BA13 BA15 FA02 FA05 FA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁
    性粉末及び結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体で
    あって、前記結合剤が環状構造、炭素数4以上のアルキ
    ル基及び炭素数4以上のアルキレン基を有するジオール
    化合物と有機ジイソシアネートとの反応生成物であるポ
    リウレタン樹脂及び分子中に2官能以上の放射線官能性
    二重結合を有する分子量200〜2,000の化合物を
    放射線により架橋して得られたものであることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に無機粉末又は磁性粉末
    及び結合剤を含む層並びに少なくとも一層の強磁性粉末
    及び結合剤を含む磁性層をこの順に有する磁気記録媒体
    であって、少なくとも前記磁性層に含まれる前記結合剤
    が環状構造、炭素数4以上のアルキル基及び炭素数4以
    上のアルキレン基を有するジオール化合物と有機ジイソ
    シアネートとの反応生成物であるポリウレタン樹脂及び
    分子中に2官能以上の放射線官能性二重結合を有する分
    子量200〜2,000の化合物を放射線により架橋し
    て得られたものであることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ジオール化合物が、下記式(1)又
    は式(2)から選ばれる少なくとも1種である請求項1
    又は2記載の磁気記録媒体。 【化1】 【化2】 式中、R1及びR2は炭素数4〜18のアルキレン基、R
    3及びR4は炭素数4〜18のアルキル基を表し、Zは下
    記から選ばれる。 【化3】
  4. 【請求項4】 前記ジオール化合物が、下記式(3)で
    表されるダイマージオールを含む請求項1又は2記載の
    磁気記録媒体。 【化4】
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6939606B2 (en) 2003-03-31 2005-09-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording medium
WO2008029760A1 (fr) * 2006-09-06 2008-03-13 Showa Denko K.K. Nouvelle résine, son procédé de production, nouvelle composition, et produit durci obtenu par durcissement de la composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6939606B2 (en) 2003-03-31 2005-09-06 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic recording medium
WO2008029760A1 (fr) * 2006-09-06 2008-03-13 Showa Denko K.K. Nouvelle résine, son procédé de production, nouvelle composition, et produit durci obtenu par durcissement de la composition

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