JP2002131832A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP2002131832A
JP2002131832A JP2000327096A JP2000327096A JP2002131832A JP 2002131832 A JP2002131832 A JP 2002131832A JP 2000327096 A JP2000327096 A JP 2000327096A JP 2000327096 A JP2000327096 A JP 2000327096A JP 2002131832 A JP2002131832 A JP 2002131832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シフト防振時に動画画像の周辺光量にアンバ
ランスが目立つ。 【解決手段】 動画撮影と静止画撮影とを共通の撮影光
学系1および撮像素子3を用いて行うカメラにおいて、
撮影光学系の一部を構成する光学素子2を光軸直交方向
に変位させて振れ補正を行う際に、動画撮影時に撮像素
子により撮影するイメージサイズ3dを、静止画撮影時
のイメージサイズ3sよりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画撮影と静止画
撮影の双方が可能なカメラに関し、さらにいわゆる防振
機能を有するカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】動画撮影と静止画撮影の双方が可能なカ
メラとして、動画撮影用にCCD撮像素子を有するとと
もに、静止画撮影用に銀塩フィルムの装填が可能なカメ
ラが用いられている。
【0003】このカメラでは、撮影レンズ光束を光路中
で分割し、一方の分割光束をさらに縮小光学系を通して
CCD撮像素子上に結像させ、もう一方の分割光束をC
CDより大画面の銀塩フィルムに結像させるように構成
されている。このようなカメラでは、動画撮影が可能で
あるだけでなく、静止画撮影においては銀塩ならではの
高画質撮影が可能である。
【0004】また、動画撮影と静止画撮影の双方が可能
なカメラとして、動画撮影と静止画撮影とで共通の撮影
レンズとCCD撮像素子とビデオカメラが提案されてい
る。
【0005】また、上記のようなカメラには、いわゆる
手振れによる像振れを補正するために、撮影レンズを構
成する一部のレンズを光軸直交方向にシフト変位させる
ようにした防振機能付きのものが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CCD
撮像素子と銀塩フィルムとを使い分けて動画撮影と静止
画撮影とを行うカメラでは、上述したように光束分割手
段が必要であるためにカメラが大型化するという問題が
ある。
【0007】また、動画撮影と静止画撮影で共通の撮影
レンズとCCD撮像素子を用いるビデオカメラでは、動
画撮影時に所定時間内に連続して撮影される中の1つの
画像を静止画画像とするという程度であり、十分満足で
きる高画質の静止画画像を得ることができない。
【0008】なお、高画質な静止画画像を得るために、
レンズの収差補正をより良好に行えるようにするとレン
ズ系ひいてはカメラ全体が大型化し易い。また、単にC
CDの画素数を多くすると、動画撮影時に要求される水
準以上の過剰な高画素数を用いることになり、動画処理
回路に過大な負担を求めることになる。
【0009】さらに、上述した防振機能を備えたカメラ
において、防振時に撮影レンズを構成する一部のレンズ
を光軸直交方向にシフト変位させると、撮像素子に到達
する光束のうち周辺部の光量に動的なアンバランスが生
じる。そして、この周辺光量のアンバランスは、特に動
画撮影時に目立つものとなるおそれがある。
【0010】そこで本発明は、小型でありながら、動画
撮影時における防振に伴う光量バランスの変化を防止で
きるようにするとともに高画質の静止画撮影を行えるよ
うにしたカメラを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、動画撮影と静止画撮影とを共通の撮
影光学系および撮像素子を用いて行うカメラにおいて、
撮影光学系の一部を構成する光学素子を光軸直交方向に
変位させて振れ補正を行う際に、動画撮影時に撮像素子
により撮影するイメージサイズを、静止画撮影時のイメ
ージサイズよりも小さくするようにしている。
【0012】すなわち、防振時に撮影するイメージサイ
ズを静止画撮影時より動画撮影時の方を小さくすること
で、防振に伴って光量アンバランスが生じ易い周辺部よ
りも内側の撮像エリアで動画撮影を行うことが可能とな
り、周辺光量のアンバランスを動画撮影時に目立たない
ようにすることが可能となる。したがって、撮影光学系
を大型にすることなく動画撮影でも十分な防振を行うこ
とが可能となる。
【0013】なお、静止画撮影は瞬間を撮影するもので
あり、もともと周辺光量のアンバランスの許容範囲が動
画撮影より広いので、イメージサイズを大きくしても防
振時に生じる周辺光量のアンバランスは目立たない。
【0014】しかも、静止画撮影のイメージサイズを大
きくすることで、CCDやCMOS等の微小な受光画素
の繰り返し配列を有する撮像素子を用いる場合に、静止
画撮影時の画素数を動画撮影時よりも多くすることがで
き、静止画画像の画質を向上させることも可能である。
【0015】また、撮影光学系の焦点距離が同じである
場合に、静止画撮影時における最大絞りのFナンバーを
動画撮影時における最大絞りのFナンバーよりも大きく
設定することにより、静止画撮影時に最大絞りで撮影す
るときの防振時の周辺光量のアンバランスを改善するこ
とも可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の実施形態であ
るカメラの構成を示している。また、図2、図3および
図4には、上記カメラに用いる撮影レンズの数値実施例
の断面図と収差図を示している。さらに、図5には上記
カメラにおいて、撮影レンズの焦点距離と、焦点距離ご
とに設定される最大絞りのFno.との関係を示してい
る。また、図6には、上記カメラにおける撮影レンズの
イメージサイズを示しており、図7には、無収差の理想
レンズのFno.による性能の周波数特性を示してい
る。また、図8には、上記カメラの動作シーケンスを表
すフローチャートを示している。
【0017】図1において、1はズーム撮影レンズ系
(撮影光学系)であり、2は、撮影レンズ系1を構成す
る一部のレンズであって、光軸直交方向に変位して防振
(いわゆる手振れ補正)を行う振れ補正レンズである。
【0018】3は撮像素子であり、セルピッチ(画素配
列ピッチ)が3ミクロン程度のCCDまたはCMOS等
の固体撮像素子が用いられている。
【0019】また、4は動画撮影(動画モード)と静止
画撮影(静止画モード)とを切り換えるためのモード切
換えスイッチである。本実施形態のカメラでは、動画撮
影および静止画撮影のいずれも、共通の撮影レンズ系1
と撮像素子3とを用いて行い、例えば、動画情報を不図
示のビデオテープ、DVD等の記録媒体に記録し、静止
画情報をスティック状又はコンパクトなメモリ素子やD
VD等の記録媒体に記録する。
【0020】9は本カメラの動作全体の制御を司るカメ
ラ制御回路であり、5はカメラ制御回路9からの指令信
号に応じて撮影レンズ系1のズーム駆動制御を行うズー
ム制御回路である。
【0021】6はカメラ制御回路9からの指令信号に応
じて振れ補正レンズ2のシフト駆動制御を行う防振制御
回路であり、7はカメラ制御回路9からの指令信号に応
じて絞りSPの駆動制御を行う絞り制御回路である。な
お、本実施形態では、絞りSPの制御によって、所定の
Fno.が得られるようになっている。
【0022】8はカメラ制御回路9からの指令信号に応
じて撮像素子3上における撮像エリア(イメージサイ
ズ)の切り換え制御を行う撮像エリア制御回路である。
【0023】次に、図8のフローチャートに従って本カ
メラ(主としてカメラ制御回路9)の動作を説明する。
まず、不図示のメインスイッチがオンされて電源が投入
され、本フローがスタートすると、ステップ(図では、
Sと略す)1にて、モード切換えスイッチ4の状態を検
出して、カメラが動画モードか静止画モードかを判別す
る。
【0024】動画モードであるときは、ステップ2に進
み、撮像エリア制御回路8を通じて、図6に示す撮像素
子3の動画撮像エリア(例えば、φ3.9又は2.34
mm×3.12mm)3dの範囲から画像を得るように
イメージサイズを設定する。
【0025】また、続いてステップ3では、動画モード
における撮影レンズ系1の焦点距離の可変範囲をfw〜
ft、すなわちワイド端からテレ端の全範囲に設定す
る。
【0026】また、続いてステップ4では、動画モード
における焦点距離に対する最大絞りのFno.を、図5
に示す動画時絞り曲線d上にて制御するように設定す
る。本実施形態では、動画モードにおける最大絞りのF
no.は、焦点距離に応じて1.65〜2.2の範囲で
変化することになる。
【0027】さらに、ステップ5では、動画モードにお
ける最小絞りのFno.を、動画時最小絞り(例えば、
F11)に設定する。
【0028】こうしてステップ6では、ステップ4にて
設定された最大絞りのFno.とステップ5にて設定さ
れた最小絞りのFno.との間で動画モードでの絞りS
Pの制御を行う。
【0029】そして、ステップ7では、撮影レンズ又は
カメラ本体に設けられた振れ検知手段(例えば、加速度
又は速度センサとセンサ出力を積分する回路から構成さ
れる)からの情報により振れ補正レンズ2を光軸直交方
向にシフトさせて行う光学的な防振制御を開始する。
【0030】次に、ステップ8では、動画モードにおい
て、カメラ振れが上記振れ補正レンズ2のシフトだけで
は補正しきれない(振れ補正不足)か否かを判別し、補
正しきれない場合は、上述した動画撮像エリアを、撮像
素子3上のより広いエリア(例えば、最大3.06mm
×4.08mm)の中からシフトして切り出す、いわゆ
る電子防振制御を行う。
【0031】一方、ステップ1において、静止画撮影モ
ードである場合には、ステップ10に進み、撮像素子3
上における静止画撮像エリア(例えば、φ5.1又は
3.06mm×4.08mm)から画像を得るように、
動画撮影時よりも大きな(画素数が多い)イメージサイ
ズを設定する。
【0032】次にステップ11では、静止画モードにお
ける焦点距離の可変範囲を、fsw〜ftの範囲、すな
わち動画撮影時のワイド端からテレ端側に寄った位置か
らテレ端の範囲に制限する。これにより、静止が撮影時
には、動画撮影時にズーム可能であった広角端側のfw
〜fswの範囲にはズームできなくなる。
【0033】このため、広角端側で大きな撮影レンズ系
1のディストーションもしくはコマ収差、倍率色収差等
の残存収差の静止画画像への影響を除くことができる。
したがって、撮影レンズ系1を大型化することなく、か
つある程度必要な変倍率(fsw〜ft)を確保した上
で、静止画画像の画質向上を図ることができる。
【0034】また、ステップ12では、静止画モードに
おける焦点距離に対する最大絞りのFno.を、図5に
示す静止画時絞り曲線s上にて制御するように設定す
る。本実施形態では、静止画モードにおける最大絞りの
Fno.は、焦点距離に応じて1.83〜2.88の範
囲で変化することになる。
【0035】つまり、本実施形態では、焦点距離fsw
〜ftの範囲において、動画撮影時と静止画撮影時とで
は、焦点距離が同じである場合の最大絞りのFno.
が、静止画撮影時の方が大きくなるように、すなわち同
じ焦点距離に対して静止画撮影時は動画撮影時よりも開
放Fno.が暗くなるように設定される。なお、本実施
形態では、特に望遠側において動画撮影時より静止画撮
影時の方が開放Fno.がより暗くなるように設定され
るさらに、ステップ13では、静止画モードにおける最
小絞りのFno.を、動画撮影モードよりも明るい静止
画時最小絞り(例えば、F8)に設定する。つまり、静
止画モードでは、動画モード時に絞り込み可能なFn
o.(例えば、F11)まで絞り込むことができないよ
うにする。
【0036】ここで、F8〜11の範囲では、Fナンバ
ーを大きくすることによって軸上付近での光学的解像性
能の幾何光学収差低減要因による性能向上よりも回折現
象の物理光学的要因による性能低下が大きくなる。この
ため、この範囲で静止画撮影時における最小絞りのFナ
ンバーが動画撮影時における最小絞りのFナンバーより
も小さくなるように設定している。
【0037】こうして本実施形態では、ステップ14に
おいて、ステップ12にて設定された最大絞りのFn
o.とステップ13にて設定された最小絞りのFno.
との間で静止画モードでの絞りSPの制御を行う。
【0038】ここで、上記ステップ14では、静止画モ
ードにおいて上記最大絞りおよび最小絞りとの間で絞り
制御を行うが、このとき絞りによる光量調節を補うため
に、低輝度被写体に対しては低速シャッターもしくはス
トロボ(図示せず)で光量不足を補うのが望ましい。
【0039】また、静止画撮影時の最小絞りを、動画撮
影時の最小絞りより小さく(明るく)設定したことに伴
い、高輝度被写体に対して光量オーバーとなることを回
避するために画像素子3側での高速電子シャッターや撮
影レンズ系1内での高速シャッターにより対応するのが
望ましい。
【0040】そして、ステップ15では、前述したステ
ップ7と同様の光学的な防振制御を開始する。
【0041】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、撮影レンズ系1の同じ焦点距離に対して静止画撮影
時は動画撮影時よりも開放Fナンバーが暗くなるように
設定されるので、明るい動画撮影を行うことができる一
方で、静止画撮影時に撮影光学系の球面収差、色収差、
組み立て偏心誤差等による光学性能低下を抑えることが
できる。したがって、小型の撮影レンズ系1において収
差等を良好に補正することができ、動画処理の負担が軽
くかつ明るい動画撮影と高画質の静止画撮影とが可能な
カメラを実現することができる。
【0042】なお、本実施形態では、最大絞りのFn
o.を、図5に示す曲線dと曲線sのように、動画撮影
と静止画撮影とで完全に異なる(双方の曲線が交わるこ
とがない)特性となるように制御する場合について説明
したが、焦点距離ftの状態で動画撮影時の最大絞りの
Fno.を、静止画撮影時の最大絞りのFno.より小
さく設定することが静止画の画質性能を良好にするため
に特に重要である。このため、動画撮影時に、焦点距離
fswの状態で動画撮影時の最大絞りのFno.が静止
画撮影時の最大絞りのFno.に一致する曲線d’を用
いるようにしてもよい。
【0043】また、本実施形態では、撮像素子3上にお
ける静止画撮影時のイメージサイズを動画撮影時のイメ
ージサイズよりも大きくすることによって、静止画撮影
時の画素数を動画撮影時に比べて多くし、これにより静
止画画像の高画質化を図っているが、この場合に上述し
た静止画撮影時の開放Fナンバーを暗くする制御を行う
ことにより、撮影レンズ系1を大型化させることなく静
止画の周辺収差を良好に補正することが可能となり、よ
り高画質の静止画撮影を行うことができる。
【0044】さらに、本実施形態では、静止画撮影時お
よび動画撮影時の最小絞りのFno.を、絞りSPのF
no.の可変範囲のうちF=8〜11程度の絞り域の範
囲、すなわちFno.を大きくすることによって軸上付
近での光学的解像性能の幾何光学収差低減要因による性
能向上よりも回折現象の物理光学的要因による性能低下
が大きくなる範囲で、静止画撮影時における最小絞りの
Fno.(F=8)が動画撮影時における最小絞りのF
no.(F=11)よりも小さくなるように設定してい
る。これにより、静止画撮影時の画質を動画撮影時の画
質に比べてより良好にすることができる。
【0045】このことを図7を用いて具体的に説明す
る。図7は、無収差理想レンズのFno.によるコント
ラストの周波数特性を示したものであり、Fno.によ
って撮影レンズ系1の光学性能がどのように変化するか
を表している。
【0046】この図において、Fno.をF8まで絞る
と、3ミクロンピッチCCDのナイキスト空間ラインペ
ア周波数の半分の周波数である80本相当で、ほぼコン
トラストが50%まで低下する。もともと収差を持って
いる実際の撮影レンズ系1を使うと、よりコントラスト
が低下するので、高画質の静止画を得るために本実施形
態では静止画時にはF8より小絞りにしないように制御
している。
【0047】ここで、条件式(1)の中央項にFsmi
n=8、λ=0.588、P=3を代入するとFsmin×
λ/P=1.57となり、条件式(1)の関係を満た
す。
【0048】なお、上記式(1)において、下限値を
0.4、さらには0.8にすると光量調整の可能範囲が
拡大し望ましい。また、上限値を3.3あるいは2.2
のようにすると回折現象による性能低下を抑えるのによ
りよい。
【0049】また、本実施形態では、防振制御を行う場
合における動画撮影時のイメージサイズを同じく防振制
御を行う場合における静止画撮影時のイメージサイズよ
りも小さくし、防振に伴って光量アンバランスが生じ易
い周辺部よりも内側の撮像エリアで動画撮影を行うよう
にしているので、動画撮影時の防振に伴う周辺光量のア
ンバランスを目立たなくすることができる。したがっ
て、撮影レンズ系1を大型にすることなく動画撮影でも
十分な防振を行うことができる。
【0050】なお、瞬間を撮影する静止画撮影ではもと
もと周辺光量のアンバランスの許容範囲が動画撮影より
広いので、イメージサイズを大きくしても防振時に生じ
る周辺光量のアンバランスは目立たない。
【0051】さらに、撮影レンズ系1の焦点距離が同じ
である場合に、静止画撮影時における最大絞りのFn
o.を動画撮影時における最大絞りのFno.よりも大
きく設定しているので、静止画撮影時に最大絞りで撮影
するときの防振時の周辺光量のアンバランスを改善する
こともできる。
【0052】なお、上記実施形態では、焦点距離の全可
変範囲fw〜ftのうち、一部の範囲fsw〜ftにお
いて、焦点距離が同じ状態での静止画撮影時における最
大絞りのFナンバーを動画撮影時における最大絞りのF
ナンバーよりも大きく設定する場合について説明した
が、焦点距離の全可変範囲fw〜ftにおいて焦点距離
が同じ状態での静止画撮影時における最大絞りのFナン
バーを動画撮影時における最大絞りのFナンバーよりも
大きく設定するようにしてもよい。
【0053】また、上記実施形態では、可変焦点距離タ
イプの撮影レンズ系を用いる場合について説明したが、
本発明は単焦点距離タイプの撮影レンズ系を用いる場合
にも適用することができる。
【0054】(数値実施例)次に、表1には、本発明の
カメラに用いられる撮影光学系の数値実施例を示す。
【0055】ここで、撮影光学系は、図2に示すよう
に、物体側から、固定の第1群レンズL1、バリエータ
としての第2群レンズL2、絞りSP、第3群レンズ
(振れ補正レンズ)L3、フレアストッパーFS、フォ
ーカスレンズ・コンペンセータとしての第4群レンズL
4およびフェースプレートやフィルタ等のガラスブロッ
クGが順に配置されて構成された4群リヤーフォーカス
方式のズームレンズである。
【0056】なお、同図に第4群レンズL4の下に示し
た実線4aは、無限遠物体にフォーカスしているときの
広角端から望遠端への変倍に伴う像面変動を補正するた
めの第4群レンズL4の移動軌跡を示し、点線4bは近
距離物体にフォーカスしているときの広角端から望遠端
への変倍に伴う像面変動を補正するための第4群レンズ
L4の移動軌跡を示している。
【0057】また、図2には上から順に、撮影光学系の
焦点距離fw(動画撮影時の広角端),fsw(静止画
撮影時の広角端),fm(ミドル)およびft(望遠
端)での光学断面図を示している。また、図3および図
4には、上記各焦点距離での収差図を示している。
【0058】表1において、riは物体側より順にi番
目の面の曲率半径、diは物体側より順にi番目の面と
(i+1)番目の面の間隔(空気換算値)、Niとνi
(表ではviと記す)はそれぞれ物体側より順にi番目
の光学部材のガラスの屈折率とアッベ数である。
【0059】また、14番目の非球面形状は、光軸方向
にX軸、光軸直交方向にH軸、光の進行方向を正とし、
Rを近軸曲率半径、各非球面係数をK,A,B,C,
D,Eとしたとき、
【0060】
【数1】
【0061】なる式で表している。また、例えば「e−
Z」の表示は「10-Z」を意味する。
【0062】
【表1】
【0063】また、本数値実施例では、いわゆる4群ズ
ームレンズにおいて第1群を繰り出してフォーカスを行
う場合に比べて、前述のようなリヤーフォーカス方式を
採ることにより、第1群の偏心誤差による性能劣化を防
止しつつ、第1群のレンズ有効径の増大化を効果的に防
止している。
【0064】そして、絞りSPを第3群の直前又は第3
群中に配置することにより、可動レンズ群による収差変
動を少なくし、絞りSPより前方のレンズ群の間隔を短
くして第1群レンズ径の縮小化を容易に達成している。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光学素子を光軸直交方向に変位させて振れ補正(防振)
を行う際において、動画撮影時に撮像素子により撮影す
るイメージサイズを、静止画撮影時のイメージサイズよ
り小さくするようにしているので、防振に伴って光量ア
ンバランスが生じ易い周辺部よりも内側の撮像エリアで
動画撮影を行うことができ、周辺光量のアンバランスを
動画撮影時に目立たないようにすることができる。した
がって、撮影光学系を大型にすることなく動画撮影でも
十分な防振を行うことができる。
【0066】しかも、静止画撮影のイメージサイズを大
きくすることで、CCDやCMOS等の微小な受光画素
の繰り返し配列を有する撮像素子を用いる場合に、静止
画撮影時の画素数を動画撮影時よりも多くすることがで
き、静止画画像の画質を向上させることもできる。
【0067】また、撮影光学系の焦点距離が同じである
場合に、静止画撮影時における最大絞りのFナンバーを
動画撮影時における最大絞りのFナンバーよりも大きく
設定するようにすれば、静止画撮影時に最大絞りで撮影
するときの防振時の周辺光量のアンバランスを改善する
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるカメラの構成を示す概
略図である。
【図2】上記カメラに用いられる撮影レンズの数値実施
例の光学断面図である。
【図3】上記撮影レンズの数値実施例の収差図であり、
上からレンズ全系の焦点距離fwでの動画撮影時の収差
図および焦点距離fswでの静止画撮影時の収差図であ
る。
【図4】上記撮影レンズの数値実施例の収差図であり、
上からレンズ全系の焦点距離fswでの動画撮影時の収
差図および焦点距離ftでの静止画撮影時の収差図であ
る。
【図5】上記カメラでの焦点距離と最大絞りのFno.
との関係を示す図である。
【図6】上記カメラにおける撮影レンズのイメージサイ
ズの説明図である。
【図7】無収差理想レンズのFno.による性能を示す
周波数特性図である。
【図8】上記カメラの動作シーケンスを示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 撮影レンズ系 2 振れ補正レンズ 3 撮像素子 4 モード切換えスイッチ 5 ズーム制御回路 6 防振制御回路 7 絞り制御回路 8 撮像エリア制御回路 9 カメラ制御回路 SP 絞り FS フレアストッパー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月14日(2000.12.
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】
【数1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動画撮影と静止画撮影とを共通の撮影光
    学系および撮像素子を用いて行うカメラであって、 前記撮影光学系の一部を構成する光学素子を光軸直交方
    向に変位させて振れ補正を行う際に、動画撮影時に前記
    撮像素子により撮影するイメージサイズを、静止画撮影
    時のイメージサイズよりも小さくすることを特徴とする
    カメラ。
  2. 【請求項2】 前記撮影光学系の焦点距離が同じである
    場合に、静止画撮影時における最大絞りのFナンバーを
    動画撮影時における最大絞りのFナンバーよりも大きく
    設定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 前記撮影光学系が可変焦点距離のカメラ
    であり、 焦点距離の可変範囲のうち少なくとも一部の焦点距離に
    おいて、静止画撮影時における最大絞りのFナンバーを
    動画撮影時における最大絞りのFナンバーよりも大きく
    設定することを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
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