JP2002129136A - 湿気硬化型接着剤組成物 - Google Patents
湿気硬化型接着剤組成物Info
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Abstract
するのに適した湿気硬化型接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 この湿気硬化型接着剤組成物は、(a)
成分:分子鎖に不飽和二重結合を有する湿気硬化型ポリ
マー、(b)成分:ヒンダードフェノール系酸化防止剤
及びヒンダードアミン系酸化防止剤の少なくともいずれ
か一方、(c)成分:チオエーテル系酸化防止剤及びフ
ォスファイト系酸化防止剤の少なくともいずれか一方、
を含有してなるものである。(a)成分としては、特に
ブタジエンに由来する不飽和二重結合を有する湿気硬化
型ウレタン系ポリマーであるのが好ましい。(b)成分
と(c)成分との量的割合は、(b)成分1質量部に対
して、(c)成分を1〜20質量部であるのが好まし
い。また、湿気硬化型接着剤組成物中において、(b)
成分及び(c)成分の合計含有量は0.01〜5質量%
であるのが好ましい。
Description
着機能を発揮する湿気硬化型接着剤組成物に関し、特に
床暖房に用いる発熱パネルと床材とを接着するのに適し
た湿気硬化型接着剤組成物に関するものである。
製温水管等の暖房配管が、基材上面に敷設又は一部埋設
されてなるものである。この発熱パネルは、基材上面に
露出している暖房配管を被覆するように、アルミニウム
箔等の伝熱層を設け、更に伝熱層上に床材を設置するこ
とによって、床暖房装置が得られる。このとき、伝熱層
と床材とは、硬化型樹脂を主成分とする接着剤によって
接着される。
面)には、発泡体が設けられていることがある。これ
は、主として遮音の目的で設けられ、また、床材の不陸
を防止すると共に歩行感の良好にするために設けられる
ものである。そして、発泡体としては、ポリオレフィン
系発泡体を用いることが多いが、ポリオレフィン系発泡
体は、一般的な硬化型樹脂を主成分とする接着剤では、
伝熱層との接着が不十分であるという欠点があった。従
って、床材がずれたり、剥がれやすいということがあっ
た。
エンポリオール等の分子鎖に不飽和二重結合を有する化
合物を原料の一つとして採用された湿気硬化型ポリマー
を使用することが行われている。このような湿気硬化型
ポリマーは、ブタジエン由来の不飽和二重結合の存在に
よって、ポリオレフィン系発泡体に対して良好な接着力
を示し、好ましいものである。しかし、その一方、この
不飽和二重結合の存在ゆえに、熱によってラジカルが発
生しやすいということがあった。そして、このラジカル
が、暖房配管に作用し、暖房配管を劣化させるというこ
とがあった。つまり、暖房配管は、伝熱層によって覆わ
れているが、発熱パネルの端部における配管のつなぎ目
や、伝熱層に破れが生じている場合には、配管が露出し
ており、この箇所における暖房配管が劣化するというこ
とがあった。そして、暖房配管として温水管を用いた場
合には、その劣化により水漏れが生じる恐れがあり、重
大な欠陥となる。
が生じないようにするには、劣化しにくい素材よりなる
暖房配管を用いれば良いと考えられる。しかるに、暖房
配管の素材としては、その可撓性や軽量性等の観点か
ら、合成樹脂製の暖房配管、特にポリエチレン製管が多
用されている。ポリエチレン製管の場合、特に上記した
ラジカルによる攻撃を受けやすく、劣化しやすいという
ことがある。このため、ポリエチレン製材料中に、ラジ
カルを捕捉する酸化防止剤を混入すれば良いのではない
かと考えた。しかしながら、暖房配管の素材自体を変更
することは、以下のような不合理がある。即ち、暖房配
管の劣化が問題となるのは、床材の裏面にポリオレフィ
ン系発泡体が用いられ、且つ接着剤を用いて、床材を施
工する場合だけであり、その他の場合、例えば、接着剤
を用いずにくぎ打ちのみで床材を施工する場合や、床材
裏面にポリオレフィン系発泡体が用いられていない場合
には、問題とならないのである。従って、特に限定され
た場合のためのみに、暖房配管の素材自体を変更するこ
とは、不経済であり不合理である。
止剤を混入しておけば、接着剤から生じたラジカルが、
混入した酸化防止剤に捕捉され、ポリエチレン製管の劣
化を防止しうるのではないかと考えた。この考えのも
と、種々実験を重ねたところ、二種の特定の酸化防止剤
を併用すると、接着剤中に混入した酸化防止剤によっ
て、特にポリエチレン製管の劣化を防止しうることを見
出し、本発明を完成した。
成分:分子鎖に不飽和二重結合を有する湿気硬化型ポリ
マー、(b)成分:ヒンダードフェノール系酸化防止剤
又はヒンダードアミン系酸化防止剤、及び(c)成分:
チオエーテル系酸化防止剤又はフォスファイト系酸化防
止剤、を含有することを特徴とする湿気硬化型接着剤組
成物に関するものである。
飽和二重結合を有する湿気硬化型ポリマーであり、接着
成分として機能するものである。代表的には、ポリブタ
ジエンポリオールに、ポリイソシアネートを反応させて
得られる、湿気硬化型ウレタン系ポリマーが挙げられ
る。また、ポリブタジエンポリオールと、ポリエーテル
ポリオールやポリエステルポリオールとの混合物に、ポ
リイソシアネートを反応させて得られる、湿気硬化型ウ
レタン系ポリマーも好ましい。更に、ポリブタジエンポ
リオールに代えて、ブタジエンと、イソプレン,スチレ
ン,アクリロニトリル等の他の単量体とのブタジエン系
共重合体であって、分子末端等に水酸基を含有している
共重合体を用いても良い。また、ブタジエンに由来する
不飽和二重結合を有する分子骨格の末端に、加水分解性
ケイ素官能基を含有している変成シリコーン系の湿気硬
化型ポリマーを用いても良い。要するに、ブタジエンに
由来する不飽和二重結合を分子鎖中に含有している湿気
硬化型ポリマーであれば、使用しうるものである。
イソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート、2,
4' −ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポ
リイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシ
アネート;3−イソシアナートメチル−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4' −ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポ
リイソシアネート;キシリレンジイソシアネートなどの
アリール脂肪族ポリイソシアネート;およびこれらのカ
ルボジイミド変性またはイソシアヌレート変性ポリイソ
シアネートなどが挙げられ、これらは単独または2種以
上を組合せて用いることができる。これらの中でも、特
に4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネートやトリ
レンジイソシアネートを用いるのが好ましい。
るポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールと
しては、以下のようなものを用いることができる。ポリ
エーテルポリオールとしては、(i)ポリオキシエチレ
ングリコール,ポリオキシプロピレングリコール,ポリ
オキシブチレングリコール等やこれらの共重合体よりな
るポリオキシアルキレンジオール、(ii)グリセリンや
トリメチロールプロパン等に、エチレンオキシド,プロ
ピレンオキシド,ブチレンオキシド,スチレンオキシド
等を付加重合させたポリオキシアルキレントリオール、
(iii )ビスフェノール,シュガー類、アミン類等に、
エチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレン
オキシドを付加させたポリオキシアルキレンポリオー
ル、(iv)テトラヒドロフランの開環重合により得られ
るポリオキシテトラメチルグリコール、等を用いること
ができる。ポリエステルポリオールとしては、(i)ア
ジピン酸やフタル酸等の多価カルボン酸と、グリコール
やトリオール等の多価アルコールとを脱水縮合して得ら
れる縮合系ポリエステルポリオール、(ii)ε−カプロ
ラクトンの開環重合により得られるラクトン系ポリエス
テルポリオール、(iii )ポリオールのホスゲン化又は
ジフェニレンカーボネートによるエステル交換反応によ
り得られるポリカーボネートジオール、(iv)ポリカル
ボン酸無水物とジエポキシドとの重付加反応による得ら
れるポリエステルポリオール、(v)分子鎖内部にウレ
タン基等を導入したウレタン変性ポリエステルポリオー
ル、等を用いることができる。
いては、上記した(a)成分以外の湿気硬化型ポリマー
を更に混合してもよい。(a)成分以外の湿気硬化型ポ
リマーとしては、従来公知の湿気硬化型ポリマーであれ
ば、どのようなものでも用いることができる。例えば、
上記したポリエーテルポリオール又はポリエステルポリ
オールに、上記したポリイソシアネートを反応させて得
られる、湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用いることが
できる。また、従来公知の変成シリコーン系樹脂も、湿
気硬化型ポリマーとして用いることができる。
フェノール系酸化防止剤及びヒンダードアミン系酸化防
止剤の少なくともいずれか一方である。ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデ
シロキシフェノール、ジステアリル(3,5−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリエチ
レングリコール−ビス−3−(t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル) プロピオネート、1,6−
ヘキサンジオール−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル) プロピオネート、ペンタ
エリスリチル−テトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル) プロピオネート、2,
2−チオ−ジエチレンビス−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル) プロピオネート、2,2−チオビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール) 、2,2' −メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(2,6−
ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)
イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4-ヒドロキシベ
ンジル) ベンゼン等を用いることができる。また、市販
品としては、イルガノックス1076,イルガノックス
1010,イルガノックス3114(以上、チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ社製),トプノールCA(ゼネ
カ社製),GA−80(住友化学社製),アデカスタブ
AO−60シリーズ,アデカスタブAO−20,アデカ
スタブAO−40,アデカスタブAO−30,アデカス
タブAO−50シリーズ,アデカスタブAO−70,ア
デカスタブAO−80,アデカスタブAO−330(以
上、旭電化工業社製)等を用いることができる。
4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)セバケート、トリス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロアセ
テート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)エステル、コハク酸−ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エス
テル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク
酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮
合物、N,N' −ビス(3−アミノプロピル)エチレン
ジアミン−2,4−ビス[ N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]
−6−クロロ−1,3,5トリアジン縮合物、1,6,
11−トリス[ {4,6−ビス(N−ブチル−N(1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)
アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル}アミ
ノ] ウンデカン、テトラキス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸エステル、テトラキス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸エステル、1,1' −(1,2
−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチル
ピペリジノン)、N−2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジニル−N−アミノオキザアミド、ポリメチ
ルプロピル−3−オキシ−[ 4(2,2,6,6−テト
ラチル)ピペリジニル] シロキサン、ポリメチルプロピ
ル−3−オキシ−[ 4(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル)ピペリジニル)] シロキサン、N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−3−[
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
アミノ] −プロパナミド等を用いることができる。ま
た、市販品としては、チナビン770,チマソーブ94
4(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製),
サイアソーブ3346,サイアソーブUV−500(以
上、サイテック社製),LA−57(旭電化工業社製)
等を用いることができる。
ル系酸化防止剤及びフォスファイト系酸化防止剤の少な
くともいずれか一方である。チオエーテル系酸化防止剤
としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデ
シルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピ
オネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のチオ
ジプロピオネート類、テトラキス(メチレン−3−ドデ
シルメルカプトプロピオネート)メタン、4,4' −チ
オビス(2−t−ブチル−5−メチルフェニル)−ビス
(3−ドデシルメルカプトプロピオネート)等の3−ア
ルキルメルカプトプロピオン酸エステル類、ペンタエリ
スリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピ
オネート)、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダ
ゾール、等を用いることができる。また、市販品として
は、アデカスタブAO−23,アデカスタブAO−41
2S,アデカスタブAO−503A(以上、旭電化工業
社製)等を用いることができる。
リス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) フォスファイ
ト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル) ペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス
(ノニルフェニル) フォスファイト、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン
ジフォスフォナイト等を用いることができる。また、市
販品としては、ウエストン399,ウルトラノックスシ
リーズ(以上、ジェネラルエトクトリック社製),アデ
カスタブPEPシリーズ(旭電化工業社製)等を用いる
ことができる。
成分を混合して併用する点に特徴がある。(b)成分と
(c)成分の混合比は、(b)成分1質量部に対して、
(c)成分を1〜20質量部用いるのが好ましい。
(c)成分が1質量部未満になると、接着剤組成物が付
着したポリエチレン製の暖房配管等の劣化防止が不十分
になることもある。また、(c)成分が20質量部を超
えても、接着剤組成物が付着したポリエチレン製の暖房
配管等の劣化防止を更に向上させにくくなる。従って、
(c)成分を20質量部を超えて混合することは、不経
済である。
おいて、(b)成分及び(c)成分の合計含有量は、
0.01〜5質量%程度で良い。合計含有量が0.01
質量%未満であると、接着剤組成物が付着したポリエチ
レン製の暖房配管等の劣化防止が不十分になる傾向が生
じる。また、合計含有量が5質量%を超えても、接着剤
組成物が付着したポリエチレン製の暖房配管等の劣化防
止を更に向上させにくくなる。従って、合計含有量を5
質量%を超える量にするのは、不経済である。
は、上記した(a),(b)及び(c)成分の他に、従
来公知の任意成分が含有されていても良い。例えば、重
質炭酸カルシウム,表面処理炭酸カルシウム,カオリ
ン,クレー,タルク,珪砂,シリカ等の充填剤、酸化チ
タン,カーボンブラック,染料等の顔料、アルコール
類,ケトン類,芳香族炭化水素,脂肪族炭化水素等の有
機溶剤乃至は希釈剤、増粘剤、シランカップリング剤、
顔料分散剤、消泡剤、チタンカップリング剤、紫外線吸
収剤等の各種添加剤が配合されていても良い。
従来の湿気硬化型接着剤と同様の手法で用いることがで
きる。特に、床暖房を施工する際、発熱パネルと、ポリ
オレフィン系発泡体が裏打ちされた床材とを接着するの
に好適に用いることができる。本発明に係る湿気硬化型
接着剤組成物は、発熱パネルに使用されているポリエチ
レン製管に付着しても、ポリエチレンの劣化を防止でき
るからである。
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、二種の特定の酸化防止剤を接着剤中に混入させてお
くと、接着剤の付着により劣化するポリエチレン等の物
質に対して、その劣化を防止しうるという発見に基づく
ものとして、解釈されるべきである。
ラブルフラスコに、予め脱水した、分子量2000の2
官能ポリプロピレングリコール950質量部及び分子量
2000の2官能ポリブタジエンポリオール(商品名
「G−2000」;日本曹達社製)50質量部を仕込
み、更に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)をNCO含有率が7%になるよう添加した。
そして、90℃で3時間、窒素気流下にて攪拌しながら
ウレタン化反応を行い、その後室温まで冷却して、分子
鎖に不飽和二重結合を有し、分子末端にイソシアネート
基を有する湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。
ーPLM5」;井上製作所製)に、上記した湿気硬化型
ウレタン系ポリマー500質量部、脱水した重質炭酸カ
ルシウム(充填剤)550質量部、シリカ系増粘剤10
質量部を加えて減圧下で固練りした。その後、これに、
イソパラフィン系希釈剤150質量部、予めトルエン3
0質量部にイルガノックス1010(ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤;チバ・スペシャルティ・ケミカル社
製)を3質量部溶解させたトルエン溶液33質量部、及
びアデカスタブAO−503A(チオエーテル系酸化防
止剤;旭電化工業社製)17質量部を仕込み、減圧下に
て攪拌混合して、湿気硬化型接着剤組成物を得た。
タブAO−503Aを1.7質量部とする他は、実施例
1と同様にして、湿気硬化型接着剤組成物を得た。
Aを配合しない他は、実施例1と同様にして、湿気硬化
型接着剤組成物を得た。
カスタブAO−503Aを配合しない他は、実施例1と
同様にして、湿気硬化型接着剤組成物を得た。
湿気硬化型接着剤組成物を、ポリエチレン製試験片に付
着させ、以下のような耐熱老化性試験を行った。そし
て、この結果を表1に示した。 〔ポリエチレン製試験片の準備〕三菱化学産資社製架橋
ポリエチレン管(内径7mm)を用いて、ダンベル3号
形の試験片を準備した。即ち、10cmの長さに切った
ポリエチレン管を、軸方向に半裁し、それぞれダンベル
3号形(JIS K 6301)に打ち抜いて、ポリエ
チレン製試験片を準備した。 〔湿気硬化型接着剤組成物の塗布〕ポリエチレン製試験
片の標線間部(ダンベル3号形の中央部分)の表裏全面
に、湿気硬化型接着剤組成物を塗布した。 〔加熱暴露〕そして、23℃で1日以上養生した後、1
40℃で空気置換率5回/分に設定した強制通風循環式
オーブン(商品名「ギア・オーブンSTD−45」;東
洋精機製作所製)に、ポリエチレン製試験片を1200
時間放置した。 〔引張試験〕試験片をオーブンから取り出し、室温中に
放置して23℃まで冷却させた後、引張速度50mm/
分の条件で、破断伸びの測定を行った。なお、以上の試
験は、同一の湿気硬化型接着剤組成物を塗布したものに
ついて5点行い、破断伸びの最大値と最小値を除く3点
の平均値を、当該湿気硬化型接着剤組成物を塗布した場
合の破断伸びとした。 〔保持率の測定〕リファレンス(湿気硬化型接着剤組成
物を塗布せず、加熱暴露しなかったポリエチレン製試験
片)の破断伸び(L0)に対して、湿気硬化型接着剤組
成物を塗布し加熱暴露した試験片の破断伸びを(L1)
としたとき、(L1/L0)×100なる式で保持率
(%)を測定した。保持率の値が大きいほど、ポリエチ
レン製試験片の劣化が少ないということであり、耐熱老
化性に優れているということである。
係る湿気硬化型接着剤組成物は、いずれも、比較例に係
る湿気硬化型接着剤組成物よりも、耐熱老化性試験の保
持率が高かった。なお、床暖房に使用するポリエチレン
製管については、その保持率の実用的レベルは、60%
以上とされている。従って、実施例1及び2に係る湿気
硬化型接着剤組成物は、床暖房施工用の接着剤として十
分に使用可能なものであるのに対し、比較例1及び2に
係る湿気硬化型接着剤組成物は、実用的レベル以下であ
る。
硬化型接着剤組成物は、(a)成分である分子鎖に不飽
和二重結合を有する湿気硬化型ポリマーを含有するもの
であるので、床暖房施工の際、この接着剤組成物を用い
て、裏面にポリオレフィン系発泡体が裏打ちされている
床材と、発熱パネルとを接着した場合、良好な接着性を
発揮する。また、(a)成分は、発熱パネルに敷設され
ているポリエチレン製管の如き、合成樹脂製材の劣化を
促進するものであるが、本発明に係る湿気硬化型接着剤
組成物は、(b)及び(c)成分をも含有しているた
め、この合成樹脂製材の劣化を防止することができると
いう効果を奏する。
物は、床暖房施工の際に、床材と発熱パネルとの接着に
好適に使用しうるものであるが、その他、任意の材料同
士を接着する場合にも、用いうることは言うまでもな
い。
Claims (5)
- 【請求項1】 以下の(a)成分、(b)成分及び
(c)成分を含有することを特徴とする湿気硬化型接着
剤組成物。 (a)成分:分子鎖に不飽和二重結合を有する湿気硬化
型ポリマー (b)成分:ヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒ
ンダードアミン系酸化防止剤 (c)成分:チオエーテル系酸化防止剤又はフォスファ
イト系酸化防止剤 - 【請求項2】 湿気硬化型ポリマーが、湿気硬化型ウレ
タン系ポリマーである請求項1記載の湿気硬化型接着剤
組成物。 - 【請求項3】 (b)成分1質量部に対して、(c)成
分を1〜20質量部用いた請求項1記載の湿気硬化型接
着剤組成物。 - 【請求項4】 (b)成分及び(c)成分の合計含有量
が0.01〜5質量%である請求項1記載の湿気硬化型
接着剤組成物。 - 【請求項5】 暖房配管としてポリエチレン製管を備え
た発熱パネルと、ポリオレフィン系発泡体が裏打ちされ
た床材とを、請求項1乃至4のいずれか一項に記載され
た湿気硬化型接着剤組成物で接着することを特徴とする
床暖房施工法。
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---|---|---|---|
JP2000321242A JP4658239B2 (ja) | 2000-10-20 | 2000-10-20 | 湿気硬化型接着剤組成物 |
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