JP2002128983A - 潤滑・防錆用樹脂エマルション組成物 - Google Patents

潤滑・防錆用樹脂エマルション組成物

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JP2002128983A
JP2002128983A JP2000361913A JP2000361913A JP2002128983A JP 2002128983 A JP2002128983 A JP 2002128983A JP 2000361913 A JP2000361913 A JP 2000361913A JP 2000361913 A JP2000361913 A JP 2000361913A JP 2002128983 A JP2002128983 A JP 2002128983A
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resin
resin emulsion
wax
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
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JP2000361913A
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Noriyuki Kikuchi
紀行 菊池
Shiro Tsuruoka
紫郎 鶴岡
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属、無機材料、フイルム等の各種コーティ
ング剤、粘接着用バインダー、インキ・塗料用バインダ
ーなどに応用することが出来る、潤滑性、防錆性を有
し、強い膜強度と密着強度、耐薬品性、さらに滑らかさ
と塗工性に優れた水系樹脂エマルションを得る。 【解決手段】 本発明は潤滑・防錆力に優れた樹脂エマ
ルション組成物に関する。主要樹脂成分としてα、β−
エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂を用い、潤滑・防
錆力の改質に酸価を有するワックスを溶解又はα、β−
エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂中に微分散させ、
更に改質用樹脂エマルションを必要に応じ配合し無機化
合物及び有機化合物系架橋剤を単独又は併用し架橋する
ことにより実用上有益な樹脂エマルションを得ることが
出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はα、β−エチレン不
飽和カルボン酸共重合樹脂の乳化物の改質技術に関す
る。潤滑・防錆成分としてワックスを使用し改質した、
α、β−エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂の乳化物
と改質用樹脂エマルションを無機化合物及び有機化合物
系架橋剤を単独又は併用し架橋することにより得られ
る、安全性に優れ、潤滑性・防錆性・耐水性・強靭性・
密着性に優れた樹脂エマルションの組成物に関する。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明では潤滑・防錆性を有し強
靭な塗膜物性、塗膜密着性、柔軟性、塗膜形成性、塗膜
の耐溶剤性、塗膜の耐水性・耐透水性などに優れた水系
樹脂を提供することが出来、得られた水系樹脂は各種金
属用のみならず・無機材料、各種プラスチック類、紙・
繊維・木材類に使用することが出来る。塗工又は含浸な
どにより改質、保護,防錆塗膜などを目的とした、各種
用途向けの水系コーティング剤用基材として、又粘接着
用バインダー、インキ・塗料用バインダー、記録剤用水
系樹脂バインダー、フロアーポリシュ用樹脂などとし
て、さらには離型目的、塩化ビニリデン代替用途など、
それぞれの使用目的・方法により新たな水系樹脂材料と
して又改質用水系樹脂として多くの分野で使用すること
が出来る。
【0003】
【従来の技術と課題】これまで各種金属・無機材料、各
種プラスチック類、紙・繊維・木材類には各種塗工剤が
使用され機能が付与されてきた。従来から多くの溶剤系
が使用されているなど環境汚染の問題から水系への移行
が進んでおり、そのためより性能の優れた水系樹脂が望
まれてきた。従来より水系樹脂として各種天然・合成ゴ
ム系、アクリル系、ウレタン系、オレフィン系、スチレ
ン系など代表される様に、多くの水系樹脂が用途・目的
に合わせて選択的に使用されてきた。このため、多機能
・高機能に対応する手段として、一般的に水系樹脂材料
を併用して使われているが、使用する水系樹脂の持つい
ずれかの欠点がそのまま現われてしまい、水系樹脂のバ
ランスの取れた改良を可能とする段階に至っておらず、
塗工後の後架橋のみでの性能改良に腐心している。さら
に従来のカルボン酸基を持つ類似種類の樹脂を架橋する
だけの水系樹脂では膜強度、密着性などの性能的な面で
幅広い性能を発現するには不十分であり、従来の性能を
上回る造膜性に優れた水系樹脂の合成は極めて困難であ
った。
【0004】α、β−エチレン不飽和カルボン酸共重合
樹脂を用いたエマルションは金属表面の改質、紙加工、
皮革、木材等の被覆などや、バインダー、接着剤、塗料
など多岐にわたり使用されてきた。このように使用され
てきたのはエチレン系の特徴である柔軟性、滑性、低い
水蒸気透過性、耐溶剤性、カルボン酸の存在による接着
力、また非結晶性部分が多いため透明性がある、等が良
好であることに起因する。これらは他の樹脂系では得ら
れない機能付与・広く応用を可能とした水系樹脂で、特
に潤滑・防錆性付与を検討し本発明に至った。従来技術
によると、α、β−エチレン不飽和カルボン酸共重合樹
脂のエマルションは金属、ポリエチレン類などへの接着
にすぐれているが、ポリプロピレン系、ポリエステル系
には接着性が弱い欠点がある。またα、β−エチレン不
飽和カルボン酸共重合樹脂エマルションの皮膜強度向上
にナトリウムアイオノマー化したエマルションがあるが
耐水性に劣るという問題があった。この耐水性向上のた
めに例えば、特開平2−219863、特開昭57−1
17552など、亜鉛化合物を使って架橋したエマルシ
ョンが塗料の技術分野などで公知であるが、製造工程な
どの廃水処理に関し環境面で問題があった。カルシウム
を添加したエマルション製造技術は特開平6−2559
3などがあるが、保存中にカルシウム化合物が沈降して
しまう問題があった。カルシウムの沈降を防ぐためカル
シウムの反応温度を樹脂のガラス転移温度付近に設定し
た特開平5−5083の例もあるがこの技術では乳化剤
の存在が不可欠であり、環境面を配慮すれば全く乳化剤
を使用しないのが望ましい。本発明では各種金属化合物
の性質に合わせ活用し、また各物性を向上することがで
き、さらに環境汚染上問題のない組成物を得ることが出
来る。さらにこれら樹脂系の特徴である耐水性、潤滑
性、防錆性をさらに向上させ、しかも他の樹脂系による
変性で各種用途での被塗布材料との密着性又は上塗り材
料との密着性等を向上・調整する事の出来る水系樹脂で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水系で環境に安全な物
質を用いたオレフィン系水系樹脂の改質技術であり、得
られるエマルションは、優れた潤滑性・防錆性・耐水性
・強靭性の性能を有し、しかも塗工面との優れた密着
性、上塗り材料との密着性、実用上必要な塗膜の乾燥性
・造膜性等、などの必要性能を得る事の出来る、樹脂エ
マルションが求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は水系樹脂エマル
ションの成分としてα、β−エチレン不飽和カルボン酸
共重合樹脂に潤滑・防錆成分として酸価を有するワック
スを0.3〜30質量%相溶させ改質し乳化後、二価以
上の金属炭酸化物、金属水酸化物、金属酸化物又はアジ
リジン化合物を単独又は併用し架橋させた潤滑性エマル
ション組成物であり、特に被塗布材質との密着性、上塗
り材料等との密着性の改質などの目的で他のカルボキシ
ル基を有する樹脂エマルション、特にアクリル、ウレタ
ン系樹脂エマルションを同時に架橋することにより得る
ことが出来る。使用される架橋剤としては2価金属の炭
酸化物、水酸化物、酸化物及びアジリジン化合物であ
る。樹脂の有するカルボキシル基に対し0.001〜
2.0等量モルの範囲で単独又は併用で架橋させた、潤
滑・防錆性樹脂エマルション組成物である。 さらに
α、β−エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂は平均酸
価で5〜100mgKOH/mgを有するワックスで改
質し得ることが出来る。樹脂改質成分としては、カルボ
キシル基を有する変性用樹脂エマルションを、α、β−
エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂に対し70質量%
以下で架橋して得られる水系樹脂で、目標とする性能を
得ることが出来る。得られた樹脂エマルションは塗工
性、造膜性、乾燥性を必要とされる事から、得られる樹
脂エマルションの平均粒子径が10nm以上1ミクロン
以下である潤滑・防錆性エマルション組成物である。
【0007】従って、本発明はα、β−エチレン不飽和
カルボン酸共重合樹脂の乳化物の改質技術に関し、潤滑
・防錆成分にワックスを使用し改質した、α、β−エチ
レン不飽和カルボン酸共重合樹脂の乳化物を、改質用樹
脂エマルションを含め無機化合物及び有機化合物系架橋
剤を単独又は併用し架橋することにより得られる。安全
性に優れ潤滑性・防錆性・耐水性・強靭性・密着性に優
れた樹脂エマルションの組成物に提供することにある。
【0008】本発明に使用されるα、β−エチレン不飽
和カルボン酸共重合樹脂は60〜99質量%のエチレン
と1〜40質量%のエチレン性不飽和カルボン酸とから
なるエチレン不飽和カルボン酸共重合体で、ランダム共
重合体、ブロック共重合体、不飽和共重合体、不飽和カ
ルボン酸がグラウトした共重合体、更にはターポリマー
としたものなどが挙げられる。これらの不飽和カルボン
酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イ
ソクロトン酸などの不飽和カルボン酸を、またジカルボ
ン酸としては例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などを挙げることが出来,一般に高温高圧重合で得るこ
とが出来る。
【0009】本発明に使用されるエチレン不飽和カルボ
ン酸共重合体は水分散とするために又後の反応基として
用いるために不飽和カルボン酸の共重合比率は1質量%
以上,好ましくは8質量%以上必要であり、又40質量
%以下,好ましくは30質量%以下である、40質量%
以上ではブロッキング性が強く実用的でなくなる。これ
らの共重合体を水分散系とするにはその使用目的に応じ
て界面活性剤を使用する方法、自己乳化させる方法、さ
らには機械的な分散方法などがとられる。界面活性剤に
は通常アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、
又はこれらの併用、さらに必要に応じカチオン系界面活
性剤、両性界面活性剤、反応性界面活性剤なども使用さ
れる。一般的にはこれら界面活性剤と塩基性物質との併
用が多く使用ざれる。この際不飽和カルボン酸の共重合
比率が約8質量%以上含有すれば自己乳化の方法もとら
れる。この自己乳化に使用する塩基として例示すると水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、な
どのアルカリ金属類、アンモニア、モルホリン、トリエ
チルアミン、アミノアルコールなどのアミン類を例示出
来るがこれらに限定されるものではない。機械的な方法
では不飽和カルボン酸の共重合比率が約8質量%以下の
場合多くが界面活性剤を補助的に使用し、乳化すること
が出来るがこれらの乳化方法に限定されるものではな
い。
【0010】本発明で改質に使用される潤滑性・防錆性
を向上させるワックスは従来より公知のいずれのワック
スでも使用することができ、単独でも又2種以上の混合
でも使用することが出来る。この時の使用比率、界面活
性剤との使用比率などは使用の目的、乳化の状態、用途
から要求される効果などにより選定使用される。通称ワ
ックスの表現で市販されているもの以外、平均分子量の
大きい樹脂類も樹脂の変性に用いることの出来る樹脂で
あれば良い。使用されるワックス類を例示すると天然ワ
ックス、及び合成ワックス等があげられる。天然ワック
スとしては例えばカルナバワックス、ライスワックス、
キャンデリラワックス、モンタン系ワックス及びその誘
導体、鉱油系ワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、パラフィンワックスなどと、これらにカルボキシル
基を付与した誘導体を使用できる。
【0011】合成ワックスとしてはポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックスなどの酸化物、これらのカ
ルボキシル基を付与した誘導体などの変性ワックスも含
まれる。更にエチレンやプロピレンとの共重合系ワック
ス、エチレン系共重合ワックスの酸化ワックスがある。
この系統は共重合相手の変化でターポリマー系も含め多
種使用することができる。更にマレイン酸の付加ワック
ス、脂肪酸エステル系など例示できる、工業的に好まし
いのは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス、変性ワックス、エチレンやプロピレンとの共重合系
ワックス、エチレン系共重合ワックス、でこれらの酸化
物、及びカルボキシル基を付与した誘導体など、また酸
価を付与したパラフィン系ワックス、カルナバワックス
などである。酸価のない又は相溶性のないワックスにつ
いては、エマルションが不安定、又はエマルションを塗
布した時の塗装外観が劣り、またワックスのブリードな
どの現象がおきる事から少量の添加に限られる。
【0012】金属架橋剤として用いられる金属はBa、
Fe、Ca、Mg、Cu、Zn及びMnなどの二価の金
属を基にして作られたMgCO、CaCO、FeC
、BaCO、ZnCO、CuCOなどの金属
炭酸化物類、さらにMg(OH)、Ca(OH)
Zn(OH)、Fe(OH)、Fe(OH)、B
a(OH)、などの金属水酸化物、ZnO、MgO及
びCaOなどの金属酸化物等である。これらは必要に応
じ選定し使用されまた混合使用される。又一価の金属類
例えばNa、K、Liなどは中和剤目的で必要に応じて
併用される。この他カルシウム化合物で例示すると、乳
酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルボキシメ
チルセルロースカルシウム、ステアロイル乳酸カルシウ
ム、プロピオン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グ
リセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、ピロ
リン酸二水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リ
ン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、など必要
に応じ併用される他の金属系も同様である。
【0013】これらの架橋共重合体を水分散系で安定化
させる目的で界面活性剤を使用することは一般に行われ
る方法で特に限定はしない、また塩基性物質を使用する
事も一般的に行われる。不飽和カルボン酸の共重合比率
が約8質量%以下の場合、又はワックス変性率の高い場
合は機械的な乳化・分散法では界面活性剤類を必要に応
じて用い塩基性物質を補助的に用いることが多い。また
不飽和カルボン酸と架橋剤として用いられた金属は金属
塩として親水基の役割も果たす場合もある。
【0014】架橋に使用する活性基を有するアジリジン
化合物としては、平均分子中に1.5〜3.5個の一般
式 (1) (R、R、R、Rは水素あるいは炭素数1〜4
のアルキル基を示す)で表される活性基を有するアジリ
ジン化合物である。本発明で使用されるアジリジン化合
物の例を記載すると エチルイミン トリアジニジルホスフィンオキサイド アジリジニルエチルメタクリレート ヒドロキシエチルアジリジン ヘキサメチレンビスアジリジンカルボキシアマイド ジフェニールメタンビスアジリジンカルボキシアマイド トリメチロールプロパンアジニジルプロピオネート テトラメチロールプロパンアジニジルプロピオネート トルエンビスアジリジンカルボキシアマイド ビスフタロイルメチルアジリジン トリメチロールプロパンメチルアジニジンプロピオネー
ト など又これらの誘導体なども加えられ、これらは単独又
は併用が好ましく乳化状に更には他の物質との併用など
で使用するが上記化合物に限定されるものではない。
【0015】改質に使用される水系樹脂は一般的に、そ
れぞれの特徴から例えば天然ゴム系の粘・接着力、合成
ゴム系の弾性・混和性、アクリル系の耐候性・汎用性
能、スチレン系の硬度、ウレタン系の柔軟性、オレフィ
ン系の耐水性、塗工性、合成ゴムラテックスなど、基材
の樹脂特性を活用し使用される。本発明ではカルボキシ
ルキを含有している水系樹脂エマルションであり巾広い
調整が可能な樹脂エマルションとしてアクリル系樹脂エ
マルション、ウレタン系樹脂エマルションで良好な性能
を得た。樹脂中の平均酸価は3〜150mgKOH/m
gを有する必要がある。平均酸価として3mgKOH/
mg以下では目的とする改質効果を期待できない、15
0mgKOH/mg以上では得られた樹脂の耐薬品性に
劣る結果となる。
【0016】本発明による潤滑・防錆用樹脂エマルショ
ンは、得られた樹脂エマルション中の樹脂含有量が5質
量%から60質量%でありその平均粒子径が10nm以
上1ミクロン以下の水系樹脂エマルションである。エマ
ルションの平均粒子径は主に乳化方法及び中和に用いる
アルカリ性化合物の種類と量、架橋比率、改質に使用す
る樹脂エマルションなどで調整することができる。一般
に樹脂の中和度が20mol%以下の場合には樹脂の親
水性が不足しエマルションが凝集するか、1ミクロン以
上の分散状になり、平均粒子径が大きくなることから
紙、金属などに塗工しても造膜性、光沢などが著しく劣
る。また、平均粒子径が大きいエマルションより小さい
エマルションの方が造膜性、乾燥性に優れることから塗
膜の物性、耐水性等性能に優れる結果を得ることができ
る。
【0017】
【発明実施の形態】製造方法は樹脂の融点以上に温度上
昇が可能で加圧下でも乳化・分散できる装置、高剪断力
を得られる装置にα、β−エチレン不飽和カルボン酸共
重合樹脂、ワックスを仕込み、必要に応じて若干量のア
ルカリ水溶液を仕込み、例えば70〜250℃で溶解・
ワックス分散させる。溶解後、さらに所定量の水、アル
カリなどを高温下で圧入し、乳化・分散を行なう。必要
に応じて高圧ホモジナイザー装置、他の機械装置などを
循環させる。60℃〜室温まで冷却を行った後、ニ価金
属の炭酸化物、酸化物、水酸化物など、又は有機架橋剤
を加え必要とする温度に昇温し架橋反応を行う。改質用
の樹脂エマルションはワックスを乳化後又は架橋の工程
で、求める性能を得るための構造・使用量を加え架橋す
る。架橋剤及び改質用樹脂エマルションの工程上の使用
手順は一括使用・段階使用など選定した条件で行われ、
本発明の樹脂エマルションを得る。
【0018】また消泡効果を求めるために、エマルショ
ン塗布時の界面張力低下機能発現のため有機溶剤を配合
することができる。好ましい有機溶剤としてはメチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール類、ヘキサノール、2−エチルヘキサノ
ール、エチレングリコールのエチルやブチルエーテル、
ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどがあ
げられる。さらに本発明で得られるエマルションは単独
使用以外、公知のエマルション又はポリビニルアルコー
ルのような水溶性高分子等を配合することができる。使
用時さらに架橋剤を塀用する方法、着色剤、可塑剤、増
粘剤など定法に従い使用され、各種金属・無機材料、各
種プラスチック類、紙・繊維・木材類へ各種塗工剤とし
て使用される。これらは用途目的に応じて一般に行なわ
れるが、これらにより使用を限定されるものではない。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。ただし
本発明は、これらの実施例及び比較例によって何ら制限
されるものではない。 製造例−樹脂−1(オレフィン系水系分散体の製造例)
60〜99質量%のエチレンと1〜40質量%のエチレ
ン性不飽和カルボン酸とからなる共重合体とこれらの樹
脂分に対するワックスの比率が99.7〜70.0質量
%:0.3〜30.0質量%の水系分散体製造例。−攪
拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量0.
8Lの乳化設備のオートクレイブにエチレン系(アクリ
ル酸:20質量%、メルトインデクス表1)共重合体2
00g、ポリエチレンワックス(以下PEワックス表
1)6.0g、25%安水10g及び軟水50gを加え
て密封し180℃、7気圧で5時間の高粘度攪拌で溶解
・乳化分散した。更に加熱水25%アンモニア水12g
を加えた水480gを圧入し、乳化を継続した。乳化終
了後40℃に冷却して不揮発分オレフィン系水系分散体
ワックスタイプ−樹脂−1(25%樹脂分散液)を得
た。各種のワックスを用いた樹脂乳化物を表1にまとめ
る。
【0020】
【表1】 酸価:mgKOH/mg 満点:ワックス類の軟化点表示法℃ AA:アクリル酸、MA:メタクリル酸 MI:メルトインデックスの略
【0021】製造例−U−1(カルボキシル基を含有す
るポリカーボネート系ウレタン樹脂の水系分散体の製造
例)。 攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量
0.8Lの合成設備にポリオール成分としてポリカーボ
ネート系ジオール80g、ネオペンチルグリコール3.
0g、ジメチロールプロピオン酸15g、を仕込みさら
に反応溶媒としてメチルピロリドンを加えた。イソシア
ネート成分としてMDIを70g仕込み昇温し11時間
反応させた。得られてプレポリマーのNCO%は1.8
2であった。さらにトリエチルアミン8.0g加え中和
の後、架橋反応させ鎖延長させたウレタン樹脂溶液に水
210g加え2時間で乳化し、ウレタンエマルション樹
脂−U−1を得た(樹脂分29%、酸価30.1であっ
た)。他の樹脂は以下を用いた。 U−2 市販品ポリカーボネート樹脂 ゼネカ社製 ネ
オレッツ R−9603(樹脂分33%、酸価32) U−3 市販品芳香族ポリエーテル樹脂 ゼネカ社製
ネオレッツ R−940(樹脂分33%、酸価36)
【0022】製造例−AC−1:(アクリレート系樹脂
の水系分散体の製造例)。 攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量
0.8Lの合成設備にアクリレート成分として2−エチ
ルヘキシルアクリレート150g、メチルメタクリレー
ト180g及びアクリル酸をそれぞれ30gを仕込み、
100℃まで加熱してからさらに反応触媒として過硫酸
カリウム5.0g、重炭酸アンモニウム5.0g及び水
を600g加えて6時間の反応と乳化を行い、アクリル
エマルション樹脂−AC−1を得た(樹脂分39.9
%、酸価45であった)。 製造例−AC−2:アクリルエマルションDP−2(未
架橋)酸価70、ローム&ハース社製
【0023】実施例−1 攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量
2.0Lの攪拌釜を用いて水系オレフィン樹脂製造例−
樹脂−1のワックス改質タイプ、1000gに所定量の
無機系架橋剤を加え昇温し架橋後、冷却し樹脂エマルシ
ョン及び25%のDZ:4,4−ビス(エチレンイミノ
カルボニルアミノ)ジフェニルメタン水分散液を加えて
100℃で6時間の反応を行なった。40℃に冷却、水
分を調製してからこれを150メッシュでろ過した。こ
れを本発明による水系樹脂エマルションE−1とした。
【0024】同様な要領で水系樹脂エマルションを得
た。実施例処方は表2に示す。
【0025】比較製造例E−1 攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量
0.8Lの乳化設備のオートクレイブにエチレンアクリ
ル酸共重合体200g、アンモニア水溶液25g及び軟
水581.6gを加えて密封し150℃、5気圧で4時
間の高速攪拌を行ない乳化した、40℃に冷却して比較
例サンプル−EX−1を得た。
【0026】表2に処方例を示す。(モル比はカルボキ
シル基に対するモル比)
【表2】
【0027】 注−1:ワックス量はエチレン共重合樹脂100に対する使用量(樹脂換算) 注−2:改質樹脂エマルションはエチレン共重合樹脂100に対する質量%(樹 脂換算)。 注−3:DZ:日本触媒社製DZ−22E、AG:トリメチロールプロパンメチ ルアジニジンプロピオネート 注−4:比較例でワックスエマルションを配合:配−1 三井化学製; ケミパ ール W−200:滴点113℃、PH9,NV40% (樹脂分で配合) 配−2 東邦化学社製;HYT ECE−5000:滴点135℃、PH9,NV40% 結果を表3、表4に記載する。
【0028】評価結果−1 得られた樹脂エマルション
の性状、粒子系、安定性
【表3】
【0029】評価結果−2
【表4】
【0030】評価結果1の試験法は不揮発分;加熱残
分、PH;PHメーター、粘度;B型粘度計にて測定。
粒子径はコールター社製;ND−SD機で測定した。
【0031】塗膜試験は以下の方法により測定した。 1.乾燥性:PETフイルムにNo.20のバーコータ
ーで塗布し80℃×1分での透明性、残タックを指触比
較し〇、△、×とした。 2.透明性:PETフイルムにNo.20のバーコータ
ーで塗布し100℃×1分での塗膜の透明性を比較し
た。 3.樹脂の膜物性試験;30ミクロンの膜厚のフイルム
を作成し引っ張り強度試験機で破断強度、伸び率を測定
した。単位強度Kg/cm、伸び %。 4.密着試験は軟鋼板、アルミ板にNo.12のバーコ
ーターで塗布、105℃2分乾燥後、剥離強度を翌日測
定。密着性は1mm角の碁盤目を切り、セロテープ(登
録商標)剥離で測定した(剥離なし;100とした)。 5.ブリスター(表面状態)は沸騰水に5分浸漬後、目
視観察した(異状なし:100とした)。 6.摩擦係数測定;キシレン/エタノール混合溶剤で洗
浄し、乾燥させたアルミ板に各サンプルをバーコーダー
で塗布し、120℃で2分間乾燥させた。半日間常温で
放置してからこれを用いて測定を行った。測定機はHE
IDONの14DR型機にて測定した。 7.防錆性:軟鋼板にNo20のバーコーターで塗布、
105℃2分乾燥後、クロスカットで0.3%食塩水に
浸漬し比較評価した(目視)。 8.塗膜の耐水性、耐溶剤性 テスト;バーコーターN
o20で塗膜を形成し105℃2分乾燥、翌日スポット 5分後にろ紙にてラビングテスト20回で観察した。 〇異常なし、△塗膜の白化又は膨順で剥離、×塗膜溶解
で判定した。
【0032】
【発明の効果】本発明は潤滑・防錆力に優れた、α、β
−エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂を改質した系で
の乳化物であり、改質用樹脂エマルションを含め無機化
合物及び有機化合物系架橋剤を単独又は併用し架橋する
ことにより、従来にない潤滑性、防錆性を有し、強い膜
強度と密着強度、耐薬品性、さらに滑らかさを持った水
系樹脂を得ることが出来る。従って本水系樹脂は金属、
無機材料、フイルム等の各種コーティング剤、粘接着用
バインダー、インキ・塗料用バインダーなどに応用する
ことにより最終製品の価値を向上することができ、関連
産業界の発展及び利益に寄与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 33/02 (C08L 33/02 91:06) 91:06) Fターム(参考) 4J002 AE032 AE042 BB032 BB122 BG003 BG011 CK023 DE076 DE086 DE106 DE116 DE236 DE246 EU017 EW147 FD146 FD147 GH01 GK01 GK04 HA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系樹脂エマルションの成分としてα、β
    −エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂に酸価を有する
    ワックスを0.3〜30質量%で相溶後、改質目的で他
    のカルボキシル基を有する樹脂エマルションと同時に二
    価以上の金属炭酸化物、金属水酸化物、金属酸化物又は
    アジリジン化合物を単独又は併用し架橋させた樹脂エマ
    ルション組成物。
  2. 【請求項2】架橋剤として2価金属の炭酸化物、水酸化
    物、酸化物又はアジリジン化合物を樹脂の有するカルボ
    キシル基に対し0.001〜2.0等量モルの範囲で単
    独又は併用で架橋させた、請求項1に記載の樹脂エマル
    ション組成物。
  3. 【請求項3】 酸価を有するワックスを0.3〜30質
    量%で相溶させ改質した、α、β−エチレン不飽和カル
    ボン酸共重合樹脂に、さらに樹脂改質成分としてカルボ
    キシル基を有する変性用樹脂エマルションを、α、β−
    エチレン不飽和カルボン酸共重合樹脂に対し、70質量
    %以下の量で架橋し得られる請求項1、2に記載の樹脂
    エマルション組成物。
  4. 【請求項4】α、β−エチレン不飽和カルボン酸共重合
    樹脂の樹脂改質成分としてカルボキシル基を有する変性
    用樹脂エマルションにアクリル系樹脂又はウレタン系樹
    脂エマルションを使用する請求項1、2、3に記載の樹
    脂エマルション組成物。
  5. 【請求項5】 酸価を有するワックスが酸価として5〜
    100mgKOH/mgである請求項1、2、3、4に
    記載の樹脂エマルション組成物。
  6. 【請求項6】 得られる樹脂エマルションの平均粒子径
    が10nm以上1ミクロン以下である請求項1、2、
    3、4、5に記載の潤滑・防錆用樹脂エマルション組成
    物。
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