JP2002128923A - プロピレン重合体フィルムおよびプロピレンランダム共重合体 - Google Patents

プロピレン重合体フィルムおよびプロピレンランダム共重合体

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JP2002128923A JP2000327459A JP2000327459A JP2002128923A JP 2002128923 A JP2002128923 A JP 2002128923A JP 2000327459 A JP2000327459 A JP 2000327459A JP 2000327459 A JP2000327459 A JP 2000327459A JP 2002128923 A JP2002128923 A JP 2002128923A
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哲哉 札場
Shinji Hikuma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ブロッキング性、ヒートシール性に優れ、
また特に印刷適性、蒸着適性に優れたプロピレン重合体
フィルムおよびその製造に好適なプロピレンランダム共
重合体を提供する。 【解決手段】 (a)メチル基が隣接したプロピレンの
2,1−挿入に基づく位置不規則性単位の割合Pが0.
05〜1.50モル%の範囲にあるプロピレン重合体か
らなるフィルムにコロナ処理が施されたプロピレン重合
体フィルムおよびプロピレンおよびエチレンからなり、
(a)メチル基が隣接したプロピレンの2,1−挿入に
基づく位置不規則性単位の割合Pが0.15〜0.65
モル%の範囲にあり、(b)エチレン含量CEが2.6
〜6.2モル%の範囲にあり、(c)前記位置不規則性
単位の割合Pとエチレン含量CE(モル%)が0.48
≦P+0.058CE≦0.83の関係を満たすプロピ
レンランダム共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートシール性、
耐ブロッキング性に優れ、かつ、印刷適性、蒸着適性に
優れたプロピレン重合体フィルムおよびその製造に好適
なプロピレンランダム共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性プロピレン重合体からなるフィル
ムは、強度、耐熱性、剛性、透明性などに優れることか
ら、食品包装用のフィルムや容器などの分野で使用され
ている。しかし、結晶性プロピレン重合体からなるフィ
ルムは、ヒートシール可能な温度が高く、またその適用
温度範囲も狭い。そのため、従来よりヒートシール性を
改良する様々な方法が提案されている。
【0003】このようなヒートシール性を改良する方法
の1つとして、プロピレンとエチレン及び/又はその他
のα−オレフィンといったコモノマーを共重合させたプ
ロピレンランダム共重合体を用いることが知られてい
る。このようなプロピレンランダム共重合体において
は、プロピレンに他のコモノマーが共重合されることに
よってその融点が低下し、得られるフィルムのヒートシ
ール性が改良される。しかし、他方で、共重合による融
点の低下に伴い、耐ブロッキング性の低下といった問題
が発生する。
【0004】また、このようなフィルムにおいては、印
刷適性、蒸着適性を付与するために、フィルム表面にコ
ロナ処理を施し、フィルムの濡れ性を向上させることが
行なわれている。しかしながら、プロピレンランダム共
重合体より得られるフィルムにおいては、コロナ処理後
のフィルムを保存中に、経時変化で濡れ性の低下が起こ
るという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐ブロッキ
ング性、ヒートシール性に優れ、また特に印刷適性、蒸
着適性に優れたプロピレン重合体フィルムおよびその製
造に好適なプロピレンランダム共重合体を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
如き従来技術の現状に鑑み鋭意検討した結果、メチル基
が隣接したプロピレンの2,1−挿入に基づく位置不規
則性単位が特定の範囲にあるプロピレン重合体、特に前
記位置不規則性単位とエチレン含量CEが特定の関係を
満たすプロピレンランダム共重合体からなるフィルムに
コロナ処理を施したフィルムが、上記課題の解決に有効
なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 1)(a)メチル基が隣接したプロピレンの2,1−挿
入に基づく位置不規則性単位の割合Pが0.05〜1.
50モル%の範囲にあるプロピレン重合体からなるフィ
ルムにコロナ処理が施されたプロピレン重合体フィル
ム、 2)プロピレン重合体が、プロピレンおよびエチレンか
らなり、(a)メチル基が隣接したプロピレンの2,1
−挿入に基づく位置不規則性単位の割合Pが0.05〜
1.50モル%の範囲にあり、(b)エチレン含量CE
が0.5〜10.0モル%の範囲にあるプロピレンラン
ダム共重合体である、前記1)のプロピレン重合体フィ
ルム、 3)プロピレン重合体が、プロピレンおよびエチレンか
らなり、(a)メチル基が隣接したプロピレンの2,1
−挿入に基づく位置不規則性単位の割合Pが0.15〜
0.65モル%の範囲にあり、(b)エチレン含量CE
が2.6〜6.2モル%の範囲にあり、(c)前記位置
不規則性単位の割合Pとエチレン含量CE(モル%)が
下記式(1) 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) の関係を満たすものである、前記1)または2)のプロ
ピレン重合体フィルム、 4)プロピレンおよびエチレンからなり、(a)メチル
基が隣接したプロピレンの2,1−挿入に基づく位置不
規則性単位の割合Pが0.15〜0.65モル%の範囲
にあり、(b)エチレン含量CEが2.6〜6.2モル
%の範囲にあり、(c)前記位置不規則性単位の割合P
とエチレン含量CE(モル%)が下記式(1) 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) の関係を満たすプロピレンランダム共重合体からなるプ
ロピレン重合体フィルム、および 5)プロピレンおよびエチレンからなり、(a)メチル
基が隣接したプロピレンの2,1−挿入に基づく位置不
規則性単位の割合Pが0.15〜0.65モル%の範囲
にあり、(b)エチレン含量CEが2.6〜6.2モル
%の範囲にあり、(c)前記位置不規則性単位の割合P
とエチレン含量CE(モル%)が下記式(1) 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) の関係を満たすプロピレンランダム共重合体を提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるプロピレン重合体は、プロピレンの
単独重合体であってもよく、プロピレンとエチレンや他
のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。前記他
のα−オレフィンとしては、炭素数4〜20の直鎖状、
分枝状または環状のα−オレフィンを用いることがで
き、具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1―デセン等の直鎖状オレフィン
や、4―メチル1―ブテン、4―メチル1―ペンテン等
の分枝状オレフィン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノ
ルボルネン等の環状オレフィンを例示することができ
る。
【0009】これらの他のα−オレフィンの含有量は、
通常0.5〜30モル%の範囲、特に1.0〜25モル
%の範囲であるのが好ましい。本発明で使用されるプロ
ピレン重合体は好ましくは、プロピレンとエチレンから
なるプロピレンランダム共重合体であり、そのエチレン
含量CE(モル%)は0.5〜10.0モル%の範囲で
ある。エチレン含量CEの好ましい範囲は、1.0〜
8.0モル%、より好ましくは2.0〜7.0モル%、
さらに好ましくは2.6〜6.2モル%、よりさらに好
ましくは2.9〜6.1モル%、特に好ましくは3.2
〜6.0モル%、最も好ましくは3.5〜5.8モル%
の範囲である。エチレン含量CEが上記範囲外では、ヒ
ートシール性、耐ブロッキング性、印刷適性が低下する
ことがある。
【0010】プロピレンの重合時において、プロピレン
モノマーは1,2−挿入(メチレン側が触媒と結合)す
るが、まれに2,1−挿入することがある。2,1−挿
入したモノマーは連鎖中で下記の構造で示されるような
メチル基が隣接した位置不規則単位を形成する。
【0011】
【化1】
【0012】本発明で使用されるプロピレン重合体は、
このようなメチル基が隣接したプロピレンの2,1−挿
入に基づく位置不規則単位の割合Pが0.05〜1.5
0モル%の範囲にある。本発明で使用されるプロピレン
重合体がプロピレン単独重合体である場合、前記位置不
規則単位の割合Pは、好ましくは0.10〜1.30モ
ル%、より好ましくは0.20〜1.30モル%、さら
に好ましくは0.30〜1.20モル%、よりさらに好
ましくは0.40〜1.20モル%、特に好ましくは
0.50〜1.15モル%、もっとも好ましくは0.6
0〜1.10モル%の範囲である。
【0013】また、本発明で使用されるプロピレン重合
体がプロピレンランダム共重合体である場合、前記位置
不規則単位の割合Pは、好ましくは0.10〜1.00
モル%、より好ましくは0.15〜0.80モル%、さ
らに好ましくは0.15〜0.65モル%、よりさらに
好ましくは0.25〜0.65モル%、特に好ましくは
0.25〜0.60モル%、もっとも好ましくは0.3
0〜0.55モル%の範囲である。この位置不規則単位
の割合Pが上記範囲外では、ヒートシール性、耐ブロッ
キング性、印刷適性、蒸着適性が低下する。
【0014】なお、メチル基が隣接したプロピレンの
2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合P(モル
%)は、13C−NMRの測定結果をもとに求めることが
できる。上記(a)のメチル基に由来するピークはテト
ラメチルシラン基準で16.5〜18.0ppmに出現
(複数出現することがある)する。従って、この範囲に
出現する全ピークの面積と、全メチル基に由来するピー
ク(17.0〜22.5ppmの範囲に現れる)の面積
から、下記式(2)に従って算出することができる。な
お、メチル基が隣接した2,1−挿入に基づく位置不規
則単位が1単位形成されると、上記(a)に由来するピ
ークは2単位形成されることに注意を要する。従って、 P=(0.5×Ia/It)×(100−CE) (2) Ia:(a)のメチル基に由来するピークの面積 It:全メチル基に由来するピークの面積 CE:エチレン含量(モル%) 本発明のプロピレンランダム共重合体は、前記位置不規
則単位Pとエチレン含量CE(モル%)が、下記式
(1)の関係を満たすものである。
【0015】 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) 前記位置不規則単位Pとエチレン含量CE(モル%)が
上記の関係を満たさない場合には、ヒートシール性、耐
ブロッキング性および印刷適性、蒸着適性が低下する。
EとPは好ましくは下記式(3)を満たし、 0.53≦P+0.058CE≦0.80 (3) さらに好ましくは下記式(4)を満たし、 0.57≦P+0.058CE≦0.78 (4) 特に好ましくは下記式(5)を満たす。
【0016】 0.60≦P+0.058CE≦0.76 (5) 本発明で使用されるプロピレン重合体において、重量平
均分子量Mwは、通常、100,000〜1,000,
000の範囲である。重量平均分子量Mwは、好ましく
は150,000以上であり、さらに好ましくは19
0,000以上であり、よりさらに好ましくは195,
000以上、最も好ましくは200,000以上であ
る。さらに、重量平均分子量Mwは、好ましくは50
0,000以下、さらに好ましくは385,000以
下、より好ましくは370,000以下、よりさらに好
ましくは350,000以下、さらには340,000
以下、特に好ましくは330,000以下、最も好まし
くは320,000以下である。重量平均分子量Mwが
上記範囲外では成形性が不良となることがある。
【0017】また、重量平均分子量Mwと数平均分子量
Mnの比Mw/Mnは、通常1.90以上であり、好ま
しくは2.00〜10.00の範囲、より好ましくは
2.50〜9.00の範囲、さらに好ましくは2.70
〜8.50、よりさらに好ましくは2.90〜8.00
の範囲、特に好ましくは3.05〜7.50の範囲、最
も好ましくは3.20〜7.00の範囲である。重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.
90未満では成形性が不良となることがある。
【0018】本発明で使用されるプロピレン重合体にお
いて、25℃におけるキシレン可溶分量Xsは通常3.
0重量%以下であり、好ましくは2.5重量%以下、さ
らに好ましくは2.0重量%以下、よりさらに好ましく
は1.5重量%以下、特に好ましくは1.0重量%以
下、最も好ましくは0.8重量%以下である。Xsが上
記範囲外ではヒートシール性、耐ブロッキング性および
印刷適性、蒸着適性が低下したりすることがある。
【0019】本発明で使用されるプロピレン重合体がプ
ロピレン単独重合体である場合、その示差走査型熱量計
により測定した融点Tmは、通常120.0〜165.
0℃の範囲にあり、好ましくは130.0〜165.0
℃、より好ましくは140.0〜165.0℃、よりさ
らに好ましくは145.0〜160.0℃の範囲、最も
好ましくは148.0〜155.0℃の範囲にある。
【0020】また、本発明で使用されるプロピレン重合
体がプロピレンランダム共重合体である場合、その示差
走査型熱量計により測定した融点Tmは、通常100.
0〜145.0℃の範囲にあり、好ましくは110.0
〜140.0℃、より好ましくは115.0〜137.
0℃、さらに好ましくは118.5〜135.0℃、よ
りさらに好ましくは118.5〜132.0℃の範囲、
最も好ましくは120.0〜132.0℃の範囲にあ
る。融点Tmが100.0℃未満では、耐ブロッキング
性、印刷適性、蒸着適性が低下することがある。また、
145.0℃を超えると、ヒートシール性が低下するこ
とがある。
【0021】さらに、本発明で使用されるプロピレン重
合体が、プロピレンとエチレンからなるプロピレンラン
ダム共重合体である場合、その融点Tmとエチレン含量
Eが下記式(6)を満たすことが好ましく、 145.0<Tm+5.5×CE<156.0 (6) さらに好ましくは下記式(7)を満たし、 148.0<Tm+5.5×CE<155.0 (7) 特に好ましくは下記式(8)を満たす。
【0022】 148.0<Tm+5.5×CE<153.0 (8) Tm+5.5×CEの値が145.0以下では、耐ブロ
ッキング性や印刷適性、蒸着適性が低下することがあ
る。また、156.0以上ではヒートシール性が不十分
となることがある。本発明で使用されるプロピレン重合
体は、メルトフローレート(以下、MFRと略すること
がある)が通常0.001〜1000g/10分の範囲
にあり、好ましくは0.01〜100g/10分の範
囲、より好ましくは0.1〜50g/10分の範囲、さ
らに好ましくは0.5〜20.0g/10分の範囲、よ
りさらに好ましくは1.0〜15.0g/10分の範
囲、特に好ましくは2.0〜10.0g/10分の範
囲、最も好ましくは3.0〜9.0g/10分の範囲に
ある。MFRが上記範囲外ではヒートシール強度が低下
したり、印刷適性、蒸着適性が低下することがある。
【0023】次に、本発明で使用されるプロピレン重合
体の製造方法について説明する。本発明で使用されるプ
ロピレン重合体は、メタロセン化合物および助触媒、好
ましくは非配位性イオン含有化合物が微粒子担体上に化
学結合した助触媒からなるメタロセン触媒によりプロピ
レンを単独重合もしくはプロピレンとエチレンおよび/
または前記他のα−オレフィンを共重合することにより
製造される。
【0024】本発明において使用可能なメタロセン化合
物は、プロピレンを立体規則的に重合、好ましくはアイ
ソタクチックに重合させるものであれば特に制限はな
く、より具体的に示すとビス(2,3−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジメチルシランジルコニウムジクロラ
イド、ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス(2,
3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペンタ
ジエニル)(1−インデニル)ジメチルシランジルコニ
ウムジクロライド、(3−t−ブチルシクロペンタジエ
ニル)(1−インデニル)ジメチルシランジルコニウム
ジクロライドなどである。
【0025】また、(3−t−ブチルシクロペンタジエ
ニル)〔4−t−ブチル−(1−インデニル)〕ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペ
ンタジエニル)(9−フルオレニル)ジメチルシランジ
ルコニウムジクロライド、(3−t−ブチルシクロペン
タジエニル)(9−フルオレニル)ジメチルシランジル
コニウムジクロライド、ビス(1−インデニル)ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、ビス(2−メチル
−1−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロ
ライド、ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニ
ル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス
(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジメチルシラン
ジルコニウムジクロライド、ビス(2−エチル−1−イ
ンデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
ビス(2−i−プロピル−1−インデニル)ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライドなども使用可能である。
【0026】さらには、特開平6−184179号公
報、特開平6−345809号公報などに記載のインデ
ニル骨格にさらに環が縮合した構造を有するメタロセン
化合物、すなわち、ビス(2−メチル−4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロ
ライド、ビス(2−メチル−α−アセナフト−1−イン
デニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビ
ス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)メ
チルフェニルシランジルコニウムジクロライド、ビス
(2−メチル−α−アセナフト−1−インデニル)メチ
ルフェニルシランジルコニウムジクロライド、1,2−
ビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)
エタンジルコニウムジクロライド、ビス(4,5−ベン
ゾ−1−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジク
ロライドなども使用可能である。
【0027】特開平6−100579号公報、特開平9
−176222号公報などに記載されている、インデニ
ル骨格の4位にアリール基を有するメタロセン化合物、
すなわち、ビス(2−メチル−4−フェニル−1−イン
デニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル
−4−(1−ナフチル)−1−インデニル]ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル−4
−(2−ナフチル)−1−インデニル]ジメチルシラン
ジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル−4−
(9−アントラセニル)−1−インデニル]ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル−4
−(9−フェナントリル)−1−インデニル]ジメチル
シランジルコニウムジクロライド、ビス[2−メチル−
4−(3,5−ジ−i−プロピル−フェニル)−6−i
−プロピル−1−インデニル]ジメチルシランジルコニ
ウムジクロライド、ビス(2−メチル−4−フェニル−
6−i−プロピル−1−インデニル)ジメチルシランジ
ルコニウムジクロライドなども使用可能である。
【0028】また、特開平10−226712号公報、
特開平10−279588号公報などに記載のアズレン
骨格を有するメタロセン化合物、すなわち、ビス(2−
メチル−4−フェニル−4−ヒドロ−1−アズレニル)
ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス(2−
エチル−4−フェニル−4−ヒドロ−1−アズレニル)
ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス[2−
メチル−4−(クロロフェニル)−4−ヒドロ−1−ア
ズレニル]ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
ビス[2−メチル−4−(フルオロフェニル)−4−ヒ
ドロ−1−アズレニル]ジメチルシランジルコニウムジ
クロライド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒ
ドロ−1−アズレニル)(クロロメチル)メチルシラン
ジルコニウムジクロライドなども使用可能である。
【0029】また、ビス[2−メチル−(η5−1−イ
ンデニル)]メチルフェニルシランジルコニウムジクロ
ライド、1,2−ビス(η5−1−インデニル)エタン
ジルコニウムジクロライド、1,2−ビス[2−メチル
−(η5−1−インデニル)]エタンジルコニウムジク
ロライド、1,2−ビス[2,4−ジメチル−(η5
1−インデニル)]エタンジルコニウムジクロライド、
1,2−ビス[2,4,7−トリメチル−(η5−1−
インデニル)]エタンジルコニウムジクロライド、1,
2−ビス[2−エチル−(η5−1−インデニル)]エ
タンジルコニウムジクロライド、1,2−ビス[2−n
−プロピル−(η5−1−インデニル)]エタンジルコ
ニウムジクロライド、[2−エチル−(η5−1−イン
デニル)[2−メチル−(η5−1−インデニル)]エ
タンジルコニウムジクロライド、1,2−ビス(η5
9−フルオレニル)エタンジルコニウムジクロライド、
2−(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−
(η5−1−インデニル)プロパンジルコニウムジクロ
ライド、2−(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)
−2−[4−t−ブチル−(η5−1−インデニル)]
プロパンジルコニウムジクロライド、2−(3−メチル
シクロペンタジエニル)−2−(η5−9−フルオレニ
ル)プロパンジルコニウムジクロライド、2−(3−t
−ブチルシクロペンタジエニル)−2−(η5−9−フ
ルオレニル)プロパンジルコニウムジクロライドなどが
使用可能である。
【0030】なかでも、特開平6−100579号公報
や特開平9−176222号公報などに記載されている
インデニル骨格の4位にアリール基を有するもの、特開
平6−184179号公報や特開平6−345809号
公報などに記載されているインデニル骨格にさらに環が
縮合した構造を有するメタロセン化合物、および特開平
10−226712号公報や特開平10−279588
号公報などに記載のアズレン骨格を有するメタロセン化
合物が好ましく、特にビス[2−メチル−4,5−ベン
ゾ(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニ
ウムジクロライド、ビス[2−メチル−4−フェニル−
(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジルコニウ
ムジクロライド、ビス[2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)−(η5−1−インデニル)]ジメチルシランジル
コニウムジクロライド、ビス(2−メチル−4−フェニ
ル−4−ヒドロ−1−アズレニル)ジメチルシランジル
コニウムジクロライドが好ましい。
【0031】なお、これらのメタロセン化合物のジルコ
ニウムをチタンやハフニウム等の他の金属に置き換えた
もの、塩素原子を他のハロゲンや水素原子、アミド基、
アルコキシ基、メチル基やベンジル基などの炭化水素基
に置き換えたものも何ら制限無く使用することができ
る。非配位性イオン含有化合物が微粒子担体上に化学結
合した助触媒は、メタロセン触媒の助触媒として有効な
非配位性イオン含有化合物が、共有結合やイオン結合等
の化学結合により微粒子担体上に結合したものであり、
例えば、WO96/41808、WO97/1995
9、特表平7−501573号公報、特開平10−12
0727号公報などに記載されている。より具体的に
は、N,N−ジメチルアニリニウム[4−(トリクロロ
シリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル]
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N−
ジメチルアニリニウム[4−(ジクロロメチルシリル)
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル]トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N−ジメチ
ルアニリニウム[4−(クロロジメチルシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル]トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート等の特開平10−1207
27号公報などに記載の化合物とシリカ等の水酸基など
の官能基を有する微粒子担体を接触させることにより調
製することができる。
【0032】前記微粒子担体としては、金属酸化物、金
属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属アルコキシド、炭
酸塩、硫酸塩、酢酸塩、珪酸塩や有機高分子化合物等が
挙げられる。これらは、必要に応じて単独で、あるいは
複数を組み合わせて用いることができる。上記金属酸化
物としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、マ
グネシア、ジルコニア、カルシア、酸化亜鉛等が挙げら
れる。上記金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化マ
グネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ナト
リウム等が挙げられる。上記金属水酸化物としては、例
えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙
げられる。上記金属アルコキシドとしては、例えば、マ
グネシウムエトキシド、マグネシウムメトキシド等が挙
げられる。
【0033】また、上記炭酸塩としては、例えば、炭酸
カルシウム、塩基性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げら
れる。上記硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。上記
酢酸塩としては、例えば、酢酸カルシウム、酢酸マグネ
シウム等が挙げられる。珪酸塩としては、例えば、雲
母、タルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム、珪
酸ナトリウム等が挙げられる。これらのうちで好ましい
ものは、シリカ、アルミナ、雲母やタルク等の珪酸マグ
ネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウムなどの珪酸
塩である。
【0034】また、上記有機高分子化合物としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、
エチレン−ビニルエステル共重合体の部分もしくは完全
鹸化物等のポリオレフィンおよびその変性物;ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱可塑性樹
脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0035】これらの有機高分子化合物のうちでも好ま
しいのは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド
基等の極性基を有するものであり、具体的には水酸基含
有不飽和化合物、不飽和カルボン酸等でグラフト変性し
た変性ポリオレフィン、エチレン−ビニルエステル共重
合体の部分もしくは完全鹸化物等が挙げられる。これら
の微粒子担体の平均粒子径は、特に制限はないが、通常
0.1〜2,000μmの範囲であり、好ましくは1〜
1,000μm、さらに好ましくは5〜100μmの範
囲である。また、比表面積は、特に制限はないが、通常
0.1〜2,000m2 /gの範囲であり、好ましくは
10〜1,500m2 /gであり、さらに好ましくは1
00〜1,000m2 /gの範囲である。
【0036】メタロセン触媒の調製は、前記成分を任意
の方法で接触させることで達成可能であり、有機溶剤の
非存在下で直接接触させてもよく、有機溶剤中で接触を
行ってもよい。ここで用いられる有機溶剤としては、例
えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素やこれらの混合物等
が使用可能である。また、接触は任意の温度で可能であ
り、通常−80℃〜+200℃の範囲で行われる。
【0037】メタロセン化合物に対する助触媒の使用量
は、特に制限はなく、通常助触媒中に含有される非配位
性イオンの1モルに対し、メタロセン化合物中に含有さ
れるジルコニウム等の遷移金属が0.01〜100モル
であり、好ましくは0.10〜10モル、さらに好まし
くは0.15〜2モル、特に好ましくは0.20〜1モ
ルの範囲である。
【0038】また、上記メタロセン触媒には、メタロセ
ン化合物の活性化や重合系内の不純物を除去する目的
で、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物を使用
することができる。有機アルミニウム化合物としては、
例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブ
チルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、ト
リ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルア
ルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロ
ライド等のジアルキルアルミニウムハライドやアルキル
アルミニウムジハライド、ジイソブチルアルミニウムヒ
ドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、ジエチル
アルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノ
キシドなどが挙げられる。なかでも、トリアルキルアル
ミニウムが好ましい。これらは、必要に応じて単独で、
あるいは複数を組み合わせて用いることができる。
【0039】本発明で使用されるプロピレン重合体は、
上記の触媒を用いて、任意の重合方法によりプロピレン
を単独重合もしくは共重合することにより製造可能であ
り、具体的には液体プロピレン中で行うバルク重合、不
活性溶剤の存在下に液相中で行う溶液重合やスラリー重
合、気相モノマー中で行う気相重合により製造可能であ
る。重合温度は、特に制限はないが、通常20℃〜95
℃の範囲であり、好ましくは40℃〜85℃の範囲、特
に好ましくは50℃〜80℃の範囲である。重合温度が
上記範囲外では、本発明で使用されるプロピレン重合体
を得ることが困難となる場合がある。重合時の圧力は、
液相中の重合においては常圧〜7MPaの範囲、気相中
では常圧〜50MPaの範囲が一般的であり、得ようと
するプロピレン重合体の性質や生産性などを考慮して適
当な範囲を選択できる。また、重合時には、水素の導入
や温度、圧力の選定などの任意の手段により分子量を調
節することが可能である。
【0040】本発明で使用されるプロピレン重合体は、
高い軟化温度を有し、これより得られるフィルムはホッ
トタック性、ヒートシール性、耐ブロッキング性に優れ
る。このためキャストフィルムや一軸もしくは二軸延伸
フィルムといったフィルムの製造に好適であり、ヒート
シーラントなどの包装材料として好適に使用可能であ
る。さらには、フィルム以外にもシートや繊維、その他
の分野でも使用可能である。
【0041】本発明のフィルムは、上記プロピレン重合
体をフィルム成形してなるものであり、無延伸フィル
ム、延伸フィルムのいずれであってもよい。また、延伸
フィルムとしては、一軸または二軸延伸のいずれであっ
てもよい。本発明のフィルムの厚さに制限はないが、通
常は3〜150μmの範囲である。また、本発明のフィ
ルムには、他のフィルムが積層されていてもよい。
【0042】本発明のフィルムの製造方法には、特に制
限はなく、公知の方法を何ら制限なく採用することがで
きる。例えば、無延伸フィルムの場合、プロピレン重合
体に酸化防止剤等の所定の添加剤などを加えて、単軸押
出機等で混練し、Tダイ等を取り付けた押出機によりフ
ィルム状に成形する。また、延伸フィルムの場合、プロ
ピレン重合体に酸化防止剤等の所定の添加剤などを加
え、ついで単軸押出機等で混練してペレットを作製し、
このペレットより押出機等を用いてフィルム原反を作製
し、このフィルム原反をテンター式、パンタグラフ式な
どの延伸装置を用い、連続的に逐次もしくは同時に二軸
延伸を行うことにより製造される。
【0043】本発明のフィルムには、前記フィルムにさ
らにコロナ処理を施すことが可能である。コロナ処理の
方法に特に制限はなく、公知の方法が採用可能である。
本発明のフィルムは、コロナ処理を施すことにより印刷
的性等が付与され、さらに特定のプロピレン重合体を使
用しているため、コロナ処理後の印刷的性の経時変化が
極めて小さい。このためコロナ処理後に長期間保存して
も印刷的性の低下がほとんど認められず、有利なもので
ある。
【0044】本発明のコロナ処理が施されたプロピレン
重合体フィルムの印刷的性は、ぬれ張力を測定すること
により評価できる。ぬれ張力の測定は、JIS K67
68に準拠して行われ、通常39mN/m以上、好まし
くは40mN/m以上、より好ましくは41mN/m以
上、さらに好ましくは42mN/m以上、よりさらに好
ましくは43mN/m以上、特に好ましくは44mN/
m以上、もっとも好ましくは45mN/m以上である。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 融点Tmの測定 PERKIN−ELMER社製の示差走査型熱量計DC
S7を用いた。まず230℃まで昇温後5分間保持し、
ついで20℃/分で−30℃まで冷却後5分間保持し
た。その後、再度20℃/分で昇温したときの融解ピー
クを融点とした。
【0046】13C−NMRの測定 日本電子(株)製JNM−GSX400により以下の条
件で測定した(測定モード:プロトンデカップリング
法、パルス幅:8.0μs、パルス繰り返し時間:3.
0s、積算回数:20000回、測定温度:120℃、
内部標準:ヘキサメチルジシロキサン、溶媒:1,2,
4−トリクロロベンゼン/ベンゼン−d6(容量比 3
/1)、試料濃度:0.1g/ml)。
【0047】プロピレンの2,1−挿入にもとづく位置
不規則単位の割合の測定13 C−NMRの測定結果をもとに前記(2)式により算
出した。 エチレン含量CEの測定13 C−NMRの測定結果をもとに、Macromolecules,1
1,592(1978)を参考にピークを帰属し、その結果より
算出した。
【0048】メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K7210に準拠し、230℃、2.16kg
荷重で測定した。 重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)の測
定 1)検量線の作製 0.1重量%のBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール)を含む1,2,4−トリクロロベン
ゼン10mlに、分子量の異なる3種の標準ポリスチレ
ン試料(昭和電工(株)製)をそれぞれ2mg入れ、室
温、暗所で1時間溶解し、その後GPC測定によりピー
クトップの溶出時間の測定を行なった。この測定を繰り
返し、計12点(分子量580〜850万)の分子量と
ピークトップの溶出時間より、3次式近似で検量線を作
製した。
【0049】2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子
量(Mn)の測定 試験管に0.1重量%のBHTを含む5mlの1,2,
4−トリクロロベンゼンを取り、これにポリプロピレン
(試料)約2.5mgを投入した。この試験管に栓をし
た後、160℃の恒温槽で2時間かけて試料を溶解させ
た。得られた溶液を焼結フィルターで濾過した後、濾液
をWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー装置150Cを用いて測定し、得られたクロマト
グラムからMwおよびMnを求め、これらの分子量の比
(Mw/Mn)を算出た。なお、GPCのその他の測定
条件は以下のとおりである。 ・検出器:示差屈折率計 ・カラム:昭和電工(株)製Shodex HT−G(1
本)および昭和電工(株)製Shodex HT−80
6M(2本)を直列に接続したもの ・カラム温度:140℃ ・溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン(BHT0.
1重量%を含む) ・サンプル注入量:0.5ml ・溶媒流量:1ml/分 ・装置内でのサンプル注入待ち時間:30分(ポリスチ
レンは5分) キシレン可溶分Xsの測定 プロピレン重合体約2gを正確に秤量し(これをW
(g)とする)、これを窒素気流下で250mlの沸騰
キシレンに溶解させた。その後、この溶液を25℃まで
冷却し、30分間放置し、生成した沈殿を速やかに濾過
した。得られた濾液の100mlを採取して恒量を求め
たアルミ容器に入れ、これを窒素気流下で加熱すること
によりキシレンを蒸発させた。蒸発残分の重量を求め
(これをm(g)とする)、下記式(9)よりプロピレ
ン重合体のキシレン可溶部Xsを求めた。
【0050】Xs(重量%)=m×250/W (9) 実施例1 1)助触媒成分の製造 ジクロロメタン2.0リットルにシリカ(グレイス・ダ
ビソン社製SMR49、窒素気流下110℃で4時間乾
燥したもの)300gを加えたスラリーに対し、N,N
−ジメチルアニリニウムトリス(ペンタフルオロフェニ
ル)[4−(クロロジメチルシリル)−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニル]ボラートを100ミリモル
含むジクロロメタン溶液300mlを10分かけて添加
した。室温で1時間撹拌し、環流下に3時間撹拌した。
この混合物を室温まで冷却し、トリメチルクロロシラン
180mlを注射器により添加し、さらに撹拌下に3時
間環流させた。その後、室温まで冷却して上澄み液を除
去し、あらたにジクロロメタン2.0リットルを加えて
室温で10分攪拌し、洗浄した。その後、上澄み液を除
去し、この洗浄操作をさらに3回繰り返した後、減圧乾
燥することにより、白色の微粒子担体上に担持された助
触媒成分を289gを得た。
【0051】2)プロピレン重合体の製造 150リットルのループ型重合反応器(第1の重合反応
器)にプロピレンを140リットル/時間の速度で供給
した。ついで、メタロセン化合物としてビス(2−メチ
ル−4−フェニル−1−インデニル)ジメチルシランジ
ルコニウムジクロライド、助触媒成分および0.5Mの
トリ−n−ブチルアルミニウムの混合物を30リットル
/時間のヘキサンにより供給(それぞれ0.025ミリ
モル/時間、0.5g/時間、および0.3リットル/
時間の速度に相当)し、25℃で予備重合を行った。第
1の重合反応器を排出された反応混合物は70℃に設定
された290リットルの第2のループ型重合反応器に供
給された。第2の重合反応器にはプロピレンを100リ
ットル/時間、エチレンを3.5kg/時間で供給し
た。第2の重合反応器を排出された反応混合物は、脱ガ
ス装置により未反応のプロピレンおよびエチレンが除去
され、プロピレンランダム共重合体が21kg/時間で
得られた。
【0052】3)プロピレン重合体フィルムの調製 得られたプロピレンランダム共重合体にハイドロタルサ
イト0.05重量部およびフェノール系酸化防止剤とし
てテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
0.1重量部を加え、単軸押出機により200℃で混練
した。混練後、Tダイを取りつけた単軸押出機により、
ダイス温度230℃、チルロール温度30℃で約30μ
m厚のフィルムを製造した。得られたフィルムを以下の
試験に供した。
【0053】4)ヒートシール性評価 前記3)で得たフィルムを2枚重ねて、幅5mmのシー
ルバーを用い、1.5kg/cm2の圧力で1.0秒間、所
定の温度(両面加熱)でヒートシールした。この試料か
ら幅15mmの試験片を切り取り、剥離速度200mm
/分、T型剥離で剥離強度を測定した。この時の剥離強
度が300g/15mmとなるときのシールバーの温度
をヒートシール開始温度とした。
【0054】5)耐ブロッキング性評価 前記3)で得た積層フィルムを2枚重ねてプレス成形機
にはさみ、50℃、10kgGの圧力で24時間保持し
た。その後、この積層フィルムを100×100mm幅
に切り取り、200mm/分で剥離試験を行った。その
時の剥離強度を耐ブロッキング性の指標とした。この値
が小さいほど耐ブロッキング性が良好なことを示す。
【0055】6)フィルムのぬれ性評価 上記3)に従ってフィルムを成形した直後に、カスガ電
機(株)製のオフライン式コロナ処理装置により、ぬれ
張力が45dyneとなるようにフィルムの片面にコロ
ナ処理を行った。このフィルムに40℃で24時間エー
ジングを行い、常温で所定時間保管した後(1日後、7
日後、14日後、30日後)ぬれ張力を測定した。ぬれ
張力の測定は、JIS K6768に準拠し、濡れ指数
標準液(36〜48mN/m)を用いて行った。
【0056】上記により得られたプロピレン共重合体お
よびフィルムの特性を表1に示す。 実施例2 プロピレン重合体の製造において、エチレンの供給量を
2.8kg/時間とした以外は実施例1と同様に行い、
プロピレンランダム共重合体を得た。得られたプロピレ
ン共重合体の特性を表1に示す。また、これより実施例
1と同様にフィルムを調製し、評価した。その結果を同
じく表1に示す。
【0057】実施例3 プロピレン重合体の製造において、エチレンの供給量を
2.1kg/時間とした以外は実施例1と同様に行い、
プロピレンランダム共重合体を得た。得られたプロピレ
ン共重合体の特性を表1に示す。また、これより実施例
1と同様にフィルムを調製し、評価した。その結果を同
じく表1に示す。
【0058】実施例4 プロピレン重合体の製造においてエチレンを使用せずに
水素の存在下で重合を行った以外は実施例1と同様に行
った。得られたプロピレン単独重合体の特性を表1に示
す。また、これより実施例1と同様にフィルムを調製
し、評価した。その結果を同じく表1に示す。
【0059】比較例1 チタンを塩化マグネシウム上に担持した固体触媒成分、
トリエチルアルミニウムおよびシクロヘキシルメチルジ
メトキシシランからなる触媒を用い、エチレン供給量を
0.4kg/時間とし、水素の存在下で重合した以外は
実施例1と同様に行った。
【0060】実施例1と同様にして測定したポリプロピ
レン共重合体およびフィルムの特性を表1に示す。 比較例2 チタンを塩化マグネシウム上に担持した固体触媒成分、
トリエチルアルミニウムおよびシクロヘキシルメチルジ
メトキシシランからなる触媒を用い、エチレン供給量を
0.6kg/時間とし、水素の存在下で重合した以外は
実施例1と同様におこなった。
【0061】実施例1と同様にして測定したポリプロピ
レン共重合体およびフィルムの特性を表1に示す。 比較例3 予備重合 1リットルのオートクレーブに精製ヘキサン200ミリ
リットル、ジエチルアルミニウムクロライド50ミリモ
ル、および丸紅ソルベー(株)社製三塩化チタン3.5
gを添加した後、プロピレンを三塩化チタン1gあたり
3gとなるように15℃で30分間連続してオートクレ
ーブに導入した。その後、オートクレーブを窒素置換
し、得られた固体をヘキサンで4回洗浄した。
【0062】本重合 2000リットルのオートクレーブに、プロピレン54
5kg、1−ブテン55kg、ジエチルアルミニウムク
ロライド0.6モルを導入し、60℃に昇温した。つい
でエチレンを導入した後、上記の予備重合した固体触媒
を圧入した。続いて70℃まで昇温し、エチレンガス濃
度を一定に保つようにエチレンを供給しながら2時間重
合を行った。未反応のモノマーをパージした後、得られ
た重合体をイソブチルアルコールにより洗浄し、2時間
乾燥した。
【0063】実施例1と同様に測定したプロピレン共重
合体およびフィルムの特性を表1に示す。 比較例4 3Lのオートクレーブにヘキサン3.0リットル、トリ
エチルアルミニウム4.4ミリモル、およびシクロヘキ
シルエチルジメトキシシラン0.33ミリモルを仕込
み、水素を分圧が100mmHgとなるよう加えた。つ
いで120gのプロピレンと160gの1−ブテンを加
え、オートクレーブを50℃に昇温した。チタンを塩化
マグネシウム上に担持した固体触媒27mgを圧入し、
圧力が4.0kg/cm2を維持するようプロピレンガ
スをフィードしながら、50℃で2時間重合を行った。
重合終了後、未反応モノマーをパージし、i−ブチルア
ルコール20ミリリットルを加え、15分攪拌した。さ
らにプロピレンオキサイド3.0ミリリットルを加え、
15分間攪拌した。オートクレーブの内容物を4.0リ
ットルのエタノールに投入し、析出した重合体を60℃
で4時間減圧乾燥した。
【0064】実施例1と同様に測定したプロピレン共重
合体およびフィルムの特性を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、耐ブロッキング性、ヒ
ートシール性に優れ、かつ、印刷適性、蒸着適性に優れ
たプロピレン重合体フィルムが提供され、またそのよう
なフィルムの製造に好適なプロピレンランダム共重合体
が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 日隈 新次 大分県大分市大字中ノ洲2番地 モンテ ル・エスディーケイ・サンライズ株式会社 大分リサーチセンター内 (72)発明者 藤石 博士 神奈川県川崎市川崎区夜光2丁目3番2号 モンテル・エスディーケイ・サンライズ 株式会社川崎ディベロップメントセンター 内 Fターム(参考) 4F073 AA01 AA05 BA08 BA09 BB01 CA21 4J100 AA02Q AA03P CA04 CA10 DA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)メチル基が隣接したプロピレンの
    2,1−挿入に基づく位置不規則性単位の割合Pが0.
    05〜1.50モル%の範囲にあるプロピレン重合体か
    らなるフィルムにコロナ処理が施されたプロピレン重合
    体フィルム。
  2. 【請求項2】 プロピレン重合体が、プロピレンおよび
    エチレンからなり、(a)メチル基が隣接したプロピレ
    ンの2,1−挿入に基づく位置不規則性単位の割合Pが
    0.05〜1.50モル%の範囲にあり、(b)エチレ
    ン含量CEが0.5〜10.0モル%の範囲にあるプロ
    ピレンランダム共重合体である、請求項1記載のプロピ
    レン重合体フィルム。
  3. 【請求項3】 プロピレン重合体が、プロピレンおよび
    エチレンからなり、(a)メチル基が隣接したプロピレ
    ンの2,1−挿入に基づく位置不規則性単位の割合Pが
    0.15〜0.65モル%の範囲にあり、(b)エチレ
    ン含量CEが2.6〜6.2モル%の範囲にあり、
    (c)前記位置不規則性単位の割合Pとエチレン含量C
    E(モル%)が下記式(1) 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) の関係を満たすものである、請求項1または2記載のプ
    ロピレン重合体フィルム。
  4. 【請求項4】 プロピレンおよびエチレンからなり、
    (a)メチル基が隣接したプロピレンの2,1−挿入に
    基づく位置不規則性単位の割合Pが0.15〜0.65
    モル%の範囲にあり、(b)エチレン含量CEが2.6
    〜6.2モル%の範囲にあり、(c)前記位置不規則性
    単位の割合Pとエチレン含量CE(モル%)が下記式
    (1) 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) の関係を満たすプロピレンランダム共重合体からなるフ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 プロピレンおよびエチレンからなり、
    (a)メチル基が隣接したプロピレンの2,1−挿入に
    基づく位置不規則性単位の割合Pが0.15〜0.65
    モル%の範囲にあり、(b)エチレン含量CEが2.6
    〜6.2モル%の範囲にあり、(c)前記位置不規則性
    単位の割合Pとエチレン含量CE(モル%)が下記式
    (1) 0.48≦P+0.058CE≦0.83 (1) の関係を満たすプロピレンランダム共重合体。
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