JP2002127833A - スピーカーグリル一体型内装トリム及びその成形用金型 - Google Patents

スピーカーグリル一体型内装トリム及びその成形用金型

Info

Publication number
JP2002127833A
JP2002127833A JP2000326174A JP2000326174A JP2002127833A JP 2002127833 A JP2002127833 A JP 2002127833A JP 2000326174 A JP2000326174 A JP 2000326174A JP 2000326174 A JP2000326174 A JP 2000326174A JP 2002127833 A JP2002127833 A JP 2002127833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speaker grill
speaker
porous
interior trim
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000326174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4612170B2 (ja
JP2002127833A5 (ja
Inventor
Hiroshi Fujita
廣 藤多
Kazuhiko Shinohara
一彦 篠原
Yasushi Hattori
靖 服部
Masanori Kanooka
正徳 叶岡
Toshio Daigo
利雄 醍醐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissen Chemitec Corp
Original Assignee
Nissen Chemitec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissen Chemitec Corp filed Critical Nissen Chemitec Corp
Priority to JP2000326174A priority Critical patent/JP4612170B2/ja
Publication of JP2002127833A publication Critical patent/JP2002127833A/ja
Publication of JP2002127833A5 publication Critical patent/JP2002127833A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4612170B2 publication Critical patent/JP4612170B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、薄肉且つ高強度で、小孔
が密集した高級感のあるスピーカーグリル一体成形型内
装トリムの開発を目的とする。 【解決手段】 所定箇所に多孔状スピーカーグリル
(2)が一体成形されてなる内装トリム(1)において、スピ
ーカーグリル(2)の小孔(2a)の孔径(D)が2.0mm以下で
あり、隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)が0.4〜1mmに設
定されており、成形用樹脂材料としてメルトフローレー
トが10〜35[g/10min]のポリプロピレン樹脂を用
いて成形されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔状スピーカーグリ
ルが一体成形されてなる内装トリム及びその成形用金型
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等車両の車載オーディオ装
置のスピーカを車室内に配置する場合、スピーカを内装
トリムの背面に配置するのが一般的である。例えば、左
右一対のスピーカを車室の前部座席側と後部座席側とに
配置した4スピーカタイプのオーディオシステムでは、
一般に、前部座席用スピーカが左右の前部座席ドアのド
アトリムの背面側に設けられる。一方、後部座席用スピ
ーカは後部ドアトリムまたは後部座席後方の後部座席パ
ッケージトリムの背面側に配置される。
【0003】上記のように内装トリムの背面にスピーカ
を配置する場合には、合成樹脂製の内装トリム自体にス
ピーカーグリルを設ける必要がある。この場合、内装ト
リムとは別途に単独で成形されたスピーカーグリルを用
意しておき、このスピーカーグリルを内装トリムの所定
箇所に設けられたスピーカーグリル用の開口部分に取り
付けて一体化するのが一般的であったが、最近ではスピ
ーカーグリル一体型内装トリムも出現している。
【0004】ところが、上記スピーカーグリル一体型内
装トリムの成形にあっては、スピーカーグリルの多孔部
分における成形性が非常に問題となっている。即ち、ス
ピーカーグリルの成形性を確保するために、小孔間の肉
厚を0.4mm以上確保する必要があるが、あまり小孔間
の肉厚が大きく(1.0mm以上)なると十分な高級感が
得られないというデザイン上の問題点があった。また、
孔径を大きくすると、孔からスピーカ内部にゴミ・塵埃
等の異物が混入し易くなり、スピーカの特性や耐久性に
悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0005】そこで、スピーカーグリル一体型内装トリ
ムにあっては、孔径を小さくする事、孔数を増やして開
口率を高める事が求められているが、そのようにする場
合、スピーカーグリル部分の金型構造の関係から溶融P
P樹脂の通路が細かくて複雑なものとなり、スピーカー
グリル部分で樹脂が流れにくくなる。それ故、溶融PP
樹脂をキャビティに射出した場合、トリム全体、特にス
ピーカーグリル部分全体に渡って溶融PP樹脂を十分に
行き渡らせることが難しくこの部分で欠肉を招き易くな
る。
【0006】加えて、スピーカーグリル部分にはスピー
カが装着され、スピーカーグリルの孔を通ってスピーカ
の音が車室内に流れ込んで来るため、スピーカーグリル
部分の肉厚は内装トリム本体部分に肉厚に比べて薄くし
たいという要求もあり、溶融PP樹脂の流れがより悪く
なり欠肉を招き易くなる。この欠肉の発生を防止するた
めに溶融PP樹脂の注入圧力を高く設定すると、スピー
カーグリルの多孔部分でバリが生じ易くなる。
【0007】そこで、1つの解決策として取られたの
が、メルトフローレートが45[g/10min]以上のポリ
プロピレン樹脂を用いて成形するという事である。この
ように高いメルトフローレートのポリプロピレン樹脂を
使用すると殊更高い射出圧をかけなくても金型内での樹
脂流れが非常に良いため、複雑な構造となっており樹脂
流れが悪くなるスピーカーグリル部分でも欠肉を生じる
事なく綺麗に成形出来る。しかしながら、メルトフロー
レートの高いポリプロピレン樹脂を使用すると一般的に
成形体の機械強度が低下するので、樹脂厚をそれだけ厚
くしなければならなくなるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】省エネのために車両重
量の軽量化が叫ばれている現在にあっては重量化に繋が
る樹脂厚の増大は避けなければならない。本発明は、前
記問題点を解決するためになされたもので、薄肉にする
事が出来、小孔が密集した高級感のあるスピーカーグリ
ルを一体成形する事ができ、軽量且つ高強度の内装トリ
ム及びその成形用金型の開発を目的とする。
【0009】なお、射出成形時、射出樹脂のキャビティ
への充填に合わせてキャビティ内の空気を抜く必要があ
るが、スピーカーグリル部分は樹脂が最終的に回り込
み、この回り込み樹脂に押されたキャビティ内の空気が
最終的に集まる部分であるためにこの部分の裏面形成用
多孔性金型部材全体を焼結金属等の多孔性部材で形成
し、ここから集合したキャビティ内の空気を抜くように
していた。その場合、このスピーカーグリル裏面形成用
多孔性金型部材は常時ガスが通過するため、目詰まりし
易く頻繁に清掃する必要があり、清掃部分が広いとその
分だけ清掃時間が長くなり作業効率が低下するという問
題点がある他、成形中に成形条件が何らかの原因で変化
してスピーカーグリル部分の何れかに欠肉が発生した場
合、欠肉発生箇所が一定しないため不良原因が分かりず
らいという成形上の問題もあったが、合わせてこれらの
問題を解決する事もその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】「請求項1」は本発明に
係るスピーカーグリル一体型内装トリム(1)に関し、
「所定箇所に多孔状スピーカーグリル(2)が一体成形さ
れてなる内装トリム(1)において、スピーカーグリル(2)
の小孔(2a)の孔径(D)が2.0mm以下であり、隣接する小
孔(2a)間の肉厚(P)が0.4〜1mmに設定されており、成
形用樹脂材料としてメルトフローレートが10〜35[g
/10min]のポリプロピレン樹脂を用いて成形されてい
る」ことを特徴とする。
【0011】「請求項2」は所定箇所に多孔状スピーカ
ーグリル一体成形型内装トリムの成形用金型(6)(7)であ
って、「 スピーカーグリル形成用型窩間隙(h)が内
装トリム本体形成用間隙(H)よりは薄く設定され、スピ
ーカーグリル(2)の小孔(2a)の孔径が2.0mm以下であ
り、隣接する小孔間の肉厚が0.4〜1mmに設定されて
おり、成形用樹脂材料としてメルトフローレートが10
〜35[g/10min]以上のポリプロピレン樹脂を用いて
成形されるものであり、スピーカーグリル(2)の裏面形
成用金型(6)の、スピーカーグリル(2)の中央部分にガス
抜き用の多孔性裏面金型部(5)が設けられている」事を
特徴とする。
【0012】上記スピーカーグリル(2)の小孔(2a)の孔
径の上限値を2.0mmとしたのは、孔径(D)がこの値を越
えると、スピーカーグリル(2)の小孔群が粗いものとな
り、スピーカーグリル(2)としての外観性が低下して高
級感が損なわれるとともに、スピーカ内部にゴミ・塵埃
等の異物が混入し易くなり、スピーカの特性や耐久性に
悪影響を及ぼすからである。
【0013】隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)の下限値を
0.4mmとしたのは、この肉厚(P)が0.4mm未満になる
と、上記多孔状スピーカーグリル(2)部分での溶融PP
樹脂の流れが悪くなって欠肉が生じるおそれがあるから
であり、また、上限値を1mmとしたのは、この肉厚が1
mmを越えると、スピーカーグリル(2)としては、小孔群
が粗いものとなってデザイン性が低下し、高級感が損な
われるからである。
【0014】また、スピーカーグリル(2)の小孔(2a)の
孔径、隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)を上記のように設
定し、ポリプロピレン樹脂を用いて射出成形した場合、
メルトフローレートが10[g/10min]未満では、構造
が複雑な上記多孔状スピーカーグリル(2)部分における
溶融PP樹脂の流動性が悪くなり、十分な成形性を確保
することが難しいからであり、上限値を35[g/10mi
n]としたのは、これ以上では溶融PP樹脂の流動性が過
大になり過ぎ、バリが発生し易くなるからである。
【0015】なお、PP樹脂は、上記メルトフローレー
トを阻害しない範囲内において、機械強度耐熱性を向上
させる等の目的で、タルクやゴム(エラストマ)等を適
宜添加することができる。
【0016】また、スピーカーグリル形成用型窩間隙
(h)が内装トリム本体形成用間隙(H)よりは薄く設定され
ているので、スピーカーグリル(2)の背部にスピーカを
設置した場合、スピーカからの音が小孔(2a)内で反射す
ることなく車室内まで良く透過し、音質を損なう事がな
い。
【0017】更に、スピーカーグリル(2)の裏面形成用
金型(6)の、スピーカーグリル(2)の中央部分にガス抜き
用の多孔性裏面金型部(5)を設ける事で、射出された溶
融PP樹脂に押されてスピーカーグリル(2)に集まった
キャビティ内の空気は最終的にスピーカーグリル(2)の
中央部に集まるが、この部分に設けられた多孔性裏面金
型部(5)からガス抜きされ、スピーカーグリル(2)での欠
肉発生が防止される。また、この場合において、何らか
の成形条件の予期しない変化により、スピーカーグリル
(2)で欠肉が発生したとしても、欠肉発生箇所はスピー
カーグリル(2)中央の多孔性裏面金型部(5)の狭い範囲に
限定される事になり、欠肉対策が立てやすい。
【0018】なお、ガス抜きピンを用いてガス抜きを行
うことも可能であるが、金型設計上、スピーカーグリル
多孔部にガス抜きピンを設定することは困難であり、ピ
ンを設定するとすれば、亀甲型のリブ上に設定せざるを
得ない。この場合、リブ部より、より流動性に劣る多孔
部のガス抜きが十分に行えず、成型不良をおこしやすい
ので不適切である。
【0019】
【発明の実施の態様】以下、この発明の実施例を図示実
施例に従って説明する。図1は本実施例に係る自動車の
右側前部座席ドアのドアトリム(1)の斜視図で、その前
部(図1における左側部分)には、その背面側に配設され
る車載スピーカ(図示せず)のスピーカーグリル(2)が一
体成形されている。上記ドアトリム(1)はポリプロピレ
ン樹脂を射出成形して成形されたものである。なお、車
窓側表面に化粧材を貼り付ける等で加飾しても良い。
【0020】本実施例では、上記ドアトリム(1)を射出
成形するに際して、図2に示すように、ドアトリム(1)
の長手方向の中心(CL)「長手方向の全長を(L)とする
と、(1/2)Lの部分」からスピーカーグリル(2)の反対側
によった範囲(S)「中心(CL)から0.2Lの範囲」に対応す
る金型部分にゲート(3)が設けられており、キャビティ
へはこのゲート(3)を通じて溶融PP樹脂が供給される
ようになっている。なお、本例では用いないが、溶融P
P樹脂の流動性を確保するために発熱体(図示せず)が設
置されたホットランナー方式を使用することが好まし
い。
【0021】また、図3は上記多孔状スピーカーグリル
(2)の背面には補強のために六角状のリブ(4)が設けられ
ており、このリブ(4)内にスピーカーグリル(2)用の小孔
(2a)が穿設されている。前記小孔(2a)は、図5に示す多
孔状スピーカーグリル(2)に対応する表・裏面形成側金
型(6)(7)のパーティング面に断面歯形状で型締時に互い
に当接する孔形成突部(9)(10)によって形成される。
【0022】この多孔状スピーカーグリル(2)の裏面側
を形成する金型部分の中央部に焼結金属の多孔性物質で
形成した多孔性裏面金型部(5)がドアトリム(1)の裏面形
成側金型(6)に取り付けられており、この多孔性裏面金
型部(5)の背面側に設けたガス抜き通路(8)から、キャビ
ティ内のガスを排出するようになっている(図4のガス
抜き機構を示す断面図参照)。この場合、上記ガス抜き
通路(8)に負圧ポンプ(図示せず)などを接続してガス抜
きを行うことができる。
【0023】なお、多孔質部分の孔つまりを回避するた
め、例えば10ショットに1回といった割合で、多孔部
分に、エアの吸引または噴射による通気機構を設けるこ
とも可能である。
【0024】本実施例では、スピーカーグリル一体成形
型ドアトリム(1)の成形に際して、高強度を保持しつつ
且つドアトリム(1)全体を出来る限り肉薄とし、スピー
カーグリル(2)の開口率を高め、高級感に優れると共に
ドアトリム本体よりも更に肉薄に出来、且つ欠肉等の不
具合を生じることなく(或いは、欠肉が発生してもその
原因を特定し易い)成形することができるようにするた
めに、上記スピーカーグリル(2)の小孔(2a)について、
孔径(D)及び隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)、ポリプロピ
レン樹脂のメルトフローレートの範囲、多孔性裏面金型
部(5)の設置位置等を最適範囲に設定している。以下、
これらの設定値について説明する。
【0025】スピーカの音量の透過特性は、スピーカー
グリル(2)の小孔(2a)群の開口率、即ち、スピーカーグ
リル(2)における単位面積当たりの開口孔の総開口面積
の比率、及びスピーカーグリル(2)の肉厚によって影響
を受ける。良好な音量の透過性を得るためには、開口率
が大きい方が好ましく、グリル部分の小孔(2a)部分の肉
厚は薄い方が好ましいが、成形性を考慮し1.0mmが限
度であると思われる。隣接する小孔(2a)間の肉厚は、値
が大きいほど成形性を確保する上では有利であるが、ポ
リプロピレン樹脂を用いた場合には、肉厚が1mmを越え
ると、通常の射出成形でも、欠肉等の不具合は生じず支
障なく成形を行うことができるのであるが、スピーカー
グリル(2)としては、小孔(2a)群が粗いものとなって外
観性が低下し高級感が損なわれる。逆に、上記肉厚(P)
の値を小さくするほど、小孔(2a)が多くなりきめ細かな
ものとなって高級感が得られるが、ポリプロピレン樹脂
を用いた場合には、0.4mm未満になると、溶融PP樹
脂の流れが非常に悪くなり、成形に支障を来しがちとな
る。そこで、本実施例では、上記隣接する小孔(2a)間の
肉厚(P)の値が0.4〜1mmの範囲となるように設定し
た。
【0026】また、小孔間の距離が同じ場合、孔径(D)
はその値が大きいほど開口率が大になり透音性を確保す
る上では有利であるが、孔径(D)が一定値を越えて大き
くなると、スピーカーグリル(2)としては、小孔(2a)群
が粗いものとなって外観性が低下し、高級感が損なわれ
るだけでなく、スピーカ内部にゴミ・塵埃等の異物が混
入し易くなり、スピーカの特性や耐久性に悪影響を及ぼ
す。本実施例では、きめの細かい多孔状スピーカーグリ
ル(2)を得ることができ、高級感が得られる範囲とし
て、上記孔径(D)を2.0mm以下に設定した。具体的に
は、この孔径(D)を例えば1.5mmとした。
【0027】また、本実施例では成形用樹脂材料とし
て、メルトフローレート(以下、MFRと略称する。)が
10〜35のポリプロピレン樹脂を用いた。このMFR
は溶融PP樹脂材料の流動性を評価し得る一つの指標で
あり、この値が大きいほど流動性に富んでいることを示
している。
【0028】MFR値が10[g/10min]以下の場合
は、溶融ポリプロピレン樹脂の流動性が非常に悪く成形
出来ない。MFR値が35[g/10min]以上の場合は、
スピーカーグリル(2)の多孔部分における溶融ポリプロ
ピレン樹脂の流動性が過大でありバリが出やすくなる。
従って、ポリプロピレン樹脂としては、MFR値が10
〜35[g/10min]の範囲のものを採用する事とした。
【0029】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、ドアトリム(1)と一体成形されるスピーカーグリル
(2)の多孔部分について、孔径(D)及び隣接す小孔(2a)間
の肉厚(P)を上記のように設定したので、スピーカ内部
へのゴミ・塵あい等の異物の混入を有効に抑制でき、し
かも、きめ細かで高級感のあるスピーカーグリル(2)を
一体成形することができる。
【0030】また、上記多孔部分の開口率を十分確保し
たので、スピーカーグリルの音量の透過性を良好に確保
することができる。この場合において、成形用樹脂材料
としてメルトフローレートが10〜35[g/10min]以
上のポリプロピレン樹脂を用いるようにしたので、スピ
ーカーグリル(2)をドアトリム(1)と一体成形するに際し
て、十分な成形性を確保して欠肉等の不具合を生じるこ
となく成形することができるのである。また、上記多孔
状スピーカーグリル(2)に対応する裏面側形成用金型(6)
にガス抜き用の多孔性裏面形成金型部(5)を設けたの
で、上記多孔状スピーカーグリル(2)に対応する孔形成
突部(9)(10)間に流入したエアは、この孔形成突部(9)(1
0)に溜まることなく円滑に多孔性裏面形成金型部(5)か
ら外部に排出され、欠肉を生じる事なく確実な成形を確
保することができる。
【0031】上記表・裏面成形用金型(6)(7)における射
出作業について簡単に説明する。ゲート(3)からキャビ
ティ内に射出された溶融PP樹脂はゲート(3)からキャ
ビティ空間内を扇状に広がっていく。ゲート(3)は前述
のようにスピーカーグリル(2)から遠い位置に設けられ
ているので、まずスピーカーグリル(2)の反対側が溶融
PP樹脂で充填され、次第にスピーカーグリル(2)方向
に向かう。この溶融PP樹脂の流れに合わせてキャビテ
ィ内の空気は押されてスピーカーグリル(2方向に移動す
る。
【0032】ドアトリム(1)の本体部分の肉厚(H)は、ス
ピーカーグリル(2)部分の肉厚(h)より大であるので、本
体部分の樹脂流れはスピーカーグリル(2)部分より高
く、それ故、概ね本体部分の充填が完了した後にスピー
カーグリル(2)部分に全周から溶融PP樹脂が流れ込む
事になる。スピーカーグリル(2)部分に流れ込む溶融P
P樹脂は金型(6)(7)に接触して温度が幾分低下する事
と、スピーカーグリル(2)部分は多数の孔形成突部(9)(1
0)やリブ(4)形成用の凹凸(図示せず)、間隙(h)が小さい
事並びに溶融PP樹脂のメルトフローレートが低い事な
ど樹脂流れを阻害する要因が多いため、射出速度とその
射出温度を高めに設定している。
【0033】スピーカーグリル(2)の周囲から中心部に
集まってきた溶融PP樹脂に押されて中心部に集まった
空気は、スピーカーグリル(2)の中心部に設けられてい
る多孔性裏面金型部(5)から外部に抜け欠肉を発生させ
ない。なお、多孔性裏面金型部(5)に設置位置はスピー
カーグリル(2)の中央部から若干ゲート(3)から離間した
偏心位置に設けてもよい。何故ならば溶融PP樹脂はゲ
ート(3)に近い位置から先にスピーカーグリル(2)最終的
に溶融PP樹脂が集結するのはスピーカーグリル(2)の
中央部から若干ゲート(3)から離間した偏心位置になる
からである。
【0034】なお、多孔性裏面金型部(5)は使用に連れ
て次第に目詰まりして来るため、掃除を行う必要がある
が、多孔性裏面金型部(5)はスピーカーグリル(2)の中心
部に設けられているだけでスピーカーグリル(2)の全体
に設けられていないので、掃除する範囲が少なく、従っ
て保守時間を短くする事が出来る。
【0035】また、成形中に成形条件が何らかの原因で
変化してスピーカーグリル(2)部分に欠肉が発生したと
しても、欠肉発生箇所が一定しないため不良原因が分か
り易く、問題解消にさほど時間が掛からない。
【0036】尚、上記実施例は、スピーカーグリル(2)
を前部座席ドアのドアトリム(1)に設ける場合について
のものであったが、本発明は、かかる場合に限らず、他
の内装トリム、例えば、後部座席パッケージトリム(3)
についても適用することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、スピーカーグリルの多
孔部分について、孔径、隣接する孔間の肉厚及び成形用
ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート、スピーカー
グリルの肉厚条件、多孔性裏面金型部の設置位置を規定
したので、スピーカーグリルを内装トリムと一体成形す
るに際して、十分な成形性や強度を確保して欠肉等の不
具合を生じることなく成形することができ、しかも、装
着されたスピーカ内部への異物の混入を有効に抑制する
とともに、多孔性スピーカーグリルの高級感のあるもの
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカーグリル一体型内装トリ
ムの斜視図
【図2】本発明に係るスピーカーグリル一体型内装トリ
ムのキャビティ内での樹脂の挙動想像正面図
【図3】図2のスピーカーグリル部分の拡大図
【図4】図3の直角方向の中央断面図
【図5】図4の部分拡大図
【図6】図1のスピーカーグリルにおける小孔と孔径と
小孔間の肉厚との寸法関係を示す拡大図
【符号の説明】
(1) スピーカーグリル一体型内装トリム (2) 多孔状スピーカーグリル (2a) 小孔 (D) 孔径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 靖 愛媛県新居浜市西原町2丁目4番34号 日 泉化学株式会社内 (72)発明者 叶岡 正徳 愛媛県新居浜市西原町2丁目4番34号 日 泉化学株式会社内 (72)発明者 醍醐 利雄 愛媛県新居浜市西原町2丁目4番34号 日 泉化学株式会社内 Fターム(参考) 3D020 BB01 BC06 BD03 BD05 3D023 BA01 BB08 BC01 BD03 BE03 BE25 BE31 4F202 AA11 AG21 AH26 AJ10 AM33 CA11 CB01 CC04 CP02 5D017 AE11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定箇所に多孔状スピーカーグリルが一
    体成形された内装トリムにおいて、 スピーカーグリルの孔径が2.0mm以下であり、隣接す
    る孔間の肉厚が0.4〜1mmに設定されており、 成形用樹脂材料としてメルトフローレートが10〜35
    [g/10min]のポリプロピレン樹脂を用いて成形されて
    いることを特徴とするスピーカーグリル一体型内装トリ
    ム。
  2. 【請求項2】 所定箇所に多孔状スピーカーグリルが一
    体成形された内装トリムの成形用成形用金型において、 スピーカーグリル形成用型窩間隙が内装トリム本体形成
    用間隙よりは薄く設定され、 スピーカーグリルの孔径が2.0mm以下であり、隣接す
    る孔間の肉厚が0.4〜1mmに設定されており、 成形用樹脂材料としてメルトフローレートが10〜35
    [g/10min]以上のポリプロピレン樹脂を用いて成形さ
    れるものであり、 スピーカーグリルの裏面形成用金型の、スピーカーグリ
    ルの中央部分にガス抜き用の多孔性裏面金型部が設けら
    れていることを特徴とするスピーカーグリル一体型内装
    トリム用成形用金型。
JP2000326174A 2000-10-25 2000-10-25 スピーカーグリル一体型内装トリムの成形用金型 Expired - Lifetime JP4612170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000326174A JP4612170B2 (ja) 2000-10-25 2000-10-25 スピーカーグリル一体型内装トリムの成形用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000326174A JP4612170B2 (ja) 2000-10-25 2000-10-25 スピーカーグリル一体型内装トリムの成形用金型

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002127833A true JP2002127833A (ja) 2002-05-09
JP2002127833A5 JP2002127833A5 (ja) 2004-09-09
JP4612170B2 JP4612170B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=18803405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000326174A Expired - Lifetime JP4612170B2 (ja) 2000-10-25 2000-10-25 スピーカーグリル一体型内装トリムの成形用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4612170B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007221250A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Honda Motor Co Ltd スピーカグリル
JP7508872B2 (ja) 2020-06-05 2024-07-02 ヤマハ株式会社 スピーカシステムおよび車両ドア

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0284494U (ja) * 1988-12-19 1990-06-29
JPH08118407A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Daikyo Inc 樹脂製スピーカーグリル一体型の内装トリム及びその成形用型
JP2001260184A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0284494U (ja) * 1988-12-19 1990-06-29
JPH08118407A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Daikyo Inc 樹脂製スピーカーグリル一体型の内装トリム及びその成形用型
JP2001260184A (ja) * 2000-03-17 2001-09-25 Kasai Kogyo Co Ltd 樹脂成形体の成形方法並びに成形金型装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007221250A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Honda Motor Co Ltd スピーカグリル
JP4676896B2 (ja) * 2006-02-14 2011-04-27 本田技研工業株式会社 スピーカグリル
JP7508872B2 (ja) 2020-06-05 2024-07-02 ヤマハ株式会社 スピーカシステムおよび車両ドア

Also Published As

Publication number Publication date
JP4612170B2 (ja) 2011-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4976147B2 (ja) クリップ取付座、および、内装材
JP3043580B2 (ja) 樹脂製スピーカーグリル一体型の内装トリム及びその成形用型
JP2008037026A (ja) 内装用パネル及び射出成形方法
WO2014054299A1 (ja) シート用バックパッド及びその製造方法
US9493124B2 (en) Method for manufacturing an interior trim component
JP2003335183A (ja) 自動車用モールディング部材およびその製造方法
JP2002127833A (ja) スピーカーグリル一体型内装トリム及びその成形用金型
WO2017158644A1 (ja) 車両用樹脂成形品及び車両用樹脂成形品の製造方法
JP4046281B2 (ja) 樹脂部品の超音波接合方法
US6322865B1 (en) Hollow plastic article formed by a gas-assisted injection molding system
KR100452225B1 (ko) 자동차용 에어토출 그릴장치
JP2020125069A (ja) 車両用ルーフパネル
JP2007160685A (ja) 成形パネル及び成形型
US20080030048A1 (en) Automotive interior material and method of manufacturing the same
JPH06254915A (ja) スピーカグリル一体成形法
JP7463617B2 (ja) 自動車用内装トリム取付けブラケット
JP2005199896A (ja) 車両用インストルメントパネル
JP3240986B2 (ja) エアバッグ用内装部材およびその製造方法
JP3523024B2 (ja) スライディングルーフ装置におけるスライドパネルのシール部材取付構造及びその製造方法
JP4174784B2 (ja) 車両内装部材
JPH08164739A (ja) ドアトリムの構造
JPH01141145A (ja) 樹脂製ニープロテクターおよびその製造方法
JPH0811611A (ja) 自動車用内装部品
JP7397725B2 (ja) ウェザストリップ
JPH0939610A (ja) 自動車用フロントデフ構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101015

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4612170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term