JP2002126459A - 内圧式膜処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜の開口端を閉塞した固形物を簡単に
除去することができる内圧式膜処理装置を提供する。 【解決手段】 内圧式膜モジュールの原水流入室に、中
空糸膜開口端を閉塞している固形物を中空糸膜開口端か
ら除去するための水流を発生させる水流発生手段を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内圧式膜処理装置
に関し、詳しくは、中空糸膜の内側に原水を供給してろ
過操作を行う内圧式膜処理装置であって、特に下水処理
設備に設けられる内圧式膜処理装置に適した目詰まり防
止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】内圧式膜処理装置は、膜モジュールを形
成する中空糸膜の内側に原水を供給してろ過操作を行う
ものであって、原水を循環ポンプで中空糸膜内に循環さ
せ、中空糸膜を透過した膜処理水（膜ろ過水）を外部に
取出すクロスフローろ過方式で運転している。このよう
な内圧式膜処理装置では、定期的に中空糸膜の透過水側
（外側）に逆洗水を供給して膜の原水側（内側）に付着
した汚れを除去する逆洗処理を行うようにしている。ま
た、一般的な内圧式膜処理装置では、原水の流入経路に
フィルター（ストレーナー）を設置して過大なゴミなど
の固形物が膜モジュールに侵入するのを防止するように
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、下水処理設備
のように、固形物、特に毛髪のような繊維質の含有量が
多い原水を処理する場合は、原水の流入経路に目幅の小
さなストレーナーを設置すると、該ストレーナーが短時
間で目詰まりし、また、ストレーナーに多大な負荷がか
かるため、ストレーナーの清掃や交換の頻度が高くなる
という問題があった。一方、ストレーナーを設置しない
と、比較的大きな固形物が膜モジュールの入口部まで原
水と共に流入するため、中空糸膜の開口端が固形物によ
って閉塞されてしまい、これが蓄積すると膜の運転、即
ちろ過処理に支障を来すことがある。

【０００４】そこで本発明は、中空糸膜の開口端を閉塞
した固形物を簡単に除去することができる内圧式膜処理
装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の内圧式膜処理装置は、内圧式膜モジュール
の中空糸膜の内側に原水を供給してろ過操作を行う内圧
式膜処理装置において、前記内圧式膜モジュールの原水
入口部に、中空糸膜開口端を閉塞している固形物を中空
糸膜開口端から除去するための水流を発生させる水流発
生手段を設けたことを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の内圧式膜処理装置
の一形態例を示す要部の系統図、図２は水流の発生例を
示す原水入口部の断面平面図である。この内圧式膜処理
装置１０は、従来の一般的な内圧式膜処理装置と同様
に、原水供給ポンプ１１から所定圧力で供給される原水
を、弁１２，原水流入経路１３から原水流入室１４に供
給し、該原水流入室１４に設けられている膜モジュール
１５の原水入口部から中空糸膜内部側に流入させ、中空
糸膜を透過した膜ろ過水を処理水流出経路１６から弁１
７を通して処理水槽１８に流出させるとともに、中空糸
膜内部側を通過して原水出口部から原水流出室１９に流
出した濃縮水を弁２０，循環経路２１を通して原水供給
ポンプ１１の上流側に循環させることにより、原水のろ
過処理を行うように形成されている。

【０００７】膜モジュール１５の逆洗は、弁１２，１
７，２０を閉じ、弁２２，２３，２４，２５を開くとと
もに、逆洗ポンプ２６と洗浄ポンプ２７とを作動させる
ことによって行う。逆洗ポンプ２６からは、処理水槽１
８内の処理水（膜ろ過水）が昇圧されて中空糸膜の外部
側に供給され、中空糸膜を原水とは逆方向に透過するこ
とにより、ろ過面に付着した汚れを除去し、膜モジュー
ル１５の両端から原水流入室１４及び原水流出室１９に
流出し、排出経路２８，２９を通ってそれぞれ排出され
る。

【０００８】この逆洗と同時に、洗浄ポンプ２７から洗
浄水供給経路３０を通って原水流入室１４に洗浄水が送
込まれる。この洗浄水は、膜モジュール１５の原水入口
部に付着して中空糸膜の開口を閉塞している固形物を中
空糸膜開口端から除去するための水流を発生させるもの
であって、例えば、図２に示すように、円筒形の原水流
入室１４に対して洗浄水供給経路３０の洗浄水流入口３
０ａを接線方向に設けることにより、原水流入室１４内
に旋回流Ｒを発生させることができる。

【０００９】なお、洗浄水には原水や処理水を任意に使
用することができる。洗浄水に原水を用いる場合は、図
１に破線で示すように、原水供給ポンプ１１と弁１２と
の間から洗浄水供給経路３０を分岐させて原水流入室１
４に接続し、弁１２と弁２３とを切換開閉することによ
り、原水を洗浄水として原水流入室１４に供給すること
ができる。この場合は、洗浄ポンプ２７及びこれに付随
する設備を省略できる。

【００１０】このように、原水流入室１４内に旋回流の
ような水流を発生させることにより、中空糸膜開口端に
付着したゴミ等の固形物を除去して膜モジュール１５の
原水入口部を洗浄することができる。中空糸膜開口端か
ら除去された固形物は、洗浄水や逆洗水と共に、原水流
入室１４から原水流入経路１３の開口１３ａを通って流
出し、排出経路２８から排出される。また、中空糸膜内
の原水を全て排出する操作を組合わせることにより、固
形物の除去、排出を更に効果的に行うことができる。

【００１１】このような洗浄操作、すなわち、膜モジュ
ール１５の原水入口部を洗浄する操作を、逆洗操作と同
時に定期的に行うことにより、中空糸膜開口端を閉塞し
た固形物を簡単に除去することができるので、固形物に
よる中空糸膜開口端の閉塞が蓄積されてろ過処理に支障
を来すことを未然に防止することができる。なお、洗浄
操作は、逆洗操作と同時に行うことが望ましいが、洗浄
操作だけを随時行うようにしてもよい。

【００１２】原水流入室１４内に発生させる水流は、原
水流入室１４の形状等に応じて任意に設定であるが、中
空糸膜の軸線に対して直行する方向の水流を形成するこ
とにより、開口端に付着した固形物を効果的に除去する
ことができる。また、上述のような旋回流を発生させる
場合も、洗浄水の供給を間欠的に行ったり、流速を変化
させたりすることにより、原水流入室１４内に乱流等を
発生させることが可能であり、膜モジュール１５の原水
入口部全体を効率よく洗浄することができる。

【００１３】さらに、原水流入室１４の適当な位置に、
異なる方向に洗浄水を噴出する複数の洗浄水流入口を設
置し、各洗浄水流入口から同時に、あるいは順次切換え
て洗浄水を噴出させることも可能であり、洗浄水と共に
空気（気泡）を導入するようにしてもよい。

【００１４】また、洗浄水の導入に代えて、原水流入室
１４内に撹拌翼等を設置して原水流入室１４内の水（原
水、逆洗水）を撹拌することにより、前記同様の水流を
発生させることもできる。さらに、原水流入室１４の形
状を、膜モジュール１５の原水入口部の洗浄を効果的に
行える形状とすることもできる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の内圧式膜
処理装置によれば、膜モジュールの原水入口部がゴミ等
の固形物によって閉塞されるのを簡単な操作で解消する
ことができるので、膜の能力を生かしたろ過運転を行う
ことができる。また、原水の流入経路に設けるストレー
ナーの目幅を大きくすることができ、ストレーナーの負
荷を軽減することができる。さらに、ストレーナーを省
略することも可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の内圧式膜処理装置の一形態例を示す
要部の系統図である。

【図２】 水流の発生例を示す原水流入室の断面平面図
である。

【符号の説明】

１０…内圧式膜処理装置、１１…原水供給ポンプ、１３
…原水流入経路、１４…原水流入室、１５…膜モジュー
ル、１６…処理水流出経路、１８…処理水槽、１９…原
水流出室、２１…循環経路、２６…逆洗ポンプ、２７…
洗浄ポンプ、２８，２９…排出経路、３０…洗浄水供給
経路、３０ａ…洗浄水流入口、Ｒ…旋回流

フロントページの続き Ｆターム(参考） 4D006 GA06 JA14A JA38Z JA39Z JA53Z JA57Z JA58Z JA63Z KA41 KB14 KC03 KC12 KC20 MA01 MB02 PB08

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内圧式膜モジュールの中空糸膜の内側に
   原水を供給してろ過操作を行う内圧式膜処理装置におい
   て、前記内圧式膜モジュールの原水入口部に、中空糸膜
   開口端を閉塞している固形物を中空糸膜開口端から除去
   するための水流を発生させる水流発生手段を設けたこと
   を特徴とする内圧式膜処理装置。