JP2009202063A - 逆浸透膜モジュールの洗浄方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】逆浸透膜エレメント11が直列に複数個装填される筒状ベッセル13からなる逆浸透膜モジュール5において、隣接配置される筒状ベッセル13内のエレメント11上流側の給水部23を連結する洗浄ライン35と、該洗浄ライン35を介してエレメント11の前端表面Fに液体または気体と気体の混合物を流入する洗浄液ポンプ(洗浄液供給手段)60とを備え、前記エレメント11への原水の供給を遮断して洗浄ライン35に洗浄液を供給してエレメント11の前端表面Fを洗浄するように構成したこと。
【選択図】図1
Description
そして、洗浄方法としては、円筒状の逆浸透膜エレメントに対して原水の流れ方向に流入して洗浄する方法や、出口側から逆洗する方法が知られている。
このような、モジュールの奥への圧送を回避して、汚れを回収する提案が特許文献1(特開2004−202409号公報)でなされている。
そして、エレメント02、03、04の連結部05、06毎からフラッシング時に、該連結部の周辺に滞留している濁質を除去できるようにして、効率的な濁質の除去を行うことが示されている。
さらには、1本の円筒ベッセル07から濁質を除去するには、それぞれの濁質除去配管09、010のバルブを開いて排出する必要があるため排出除去作業においても作業者の労力を要し効率的な除去作業ができない。
さらに、特許文献1の構造において、従来からの洗浄液を入口側から通流し洗浄する基本的な洗浄手法と変わるところがなく、上流から洗浄液を、圧力を掛けて透過させると汚れが浸透膜内に詰まり汚染を引き起こすおそれがある。また、洗浄液は、付着物が少なく、抵抗が低い部分のみを流れるため、実質的な洗浄効果は得られない。
さらに、汚れを取り除くために物理的な力を作用させて、即ちエレメントの表面に圧縮空気や流体を噴射して衝撃を与えて取り除く手法については示されていない。
その結果、定期メンテナンス期間を延長でき、定期的メンテナンス時に行うアルカリ性洗浄の頻度を減らすことで膜の寿命を延ばすことができる。すなわち、膜自体も有機物のためアルカリ性の洗浄液で劣化するからである。
さらに、エレメントの前端表面部分のみを浄化するため、従来技術のような上流から洗浄液に圧力を掛けて流通させる洗浄では濾過膜内に汚れ等が詰まり汚染を引き起こす問題があったが、かかる発明ではこのような問題も解消される。
このように、洗浄ラインから給水部に流入する洗浄液が逆浸透膜エレメントの前端表面に向かうため、表面に付着した有機物を洗浄液の衝撃力を利用して物理的な力を作用させて除去できるため、洗浄薬品だけによる浄化作用よりも効果的である。
このように、洗浄ラインから給水部に流入する洗浄液が、エレメント表面の凹状部またはベッセル内の凸状部の裾部に向かうため、汚れが集中しやすい個所を集中して洗浄でき、効率よく洗浄できる。
すなわち、洗浄ラインによる洗浄液による浄化に加えて、長期間の使用によって洗浄しきれなくなった場合には、逆浸透膜エレメントを全て交換するとコストがかかるため、特に淡水化プラントにおいてはモジュールの本数が膨大となるため、該逆浸透膜エレメントの先端部だけを交換可能にすることによって、保守コストを低減できる。特に、逆浸透膜と同様の流水抵抗を有するエレメント部材によって構成されることによって、保守コストを一層低減できる。
また、前記給水部の水を外部へ排出した後に、給水部に面するエレメント表面を圧縮空気の噴射または圧縮液体で洗浄し、その後前記洗浄液を供給するとよく、これによって、圧縮空気または圧縮液体の衝撃によって物理的衝撃を一層効果的に得ることができる。
また、前記給水部の水を外部へ排出した後に、給水部に面するエレメント表面を温水または温風で付着物を変質させた後に、前記洗浄液を供給するとよく、この温水、温風によって付着物を変質させて、その後の洗浄液の流れによって汚れが除去しやすいようになる。また熱による殺菌作用も有している。
海水等の原水1が、入口管2のバルブ3を介して逆浸透膜モジュール5に図示しないポンプによって加圧供給され、逆浸透膜モジュール5の逆浸透膜を通過することによって原水1に含まれる不純物がろ過されて、淡水化された透過水が生成され、出口管6のバルブ7を介して透過水タンク9に貯留されるようになっている。
逆浸透膜エレメント11は、水の分子だけを通し、不純物を通さない、例えば酢酸セルロース製や芳香族ポリアミド製の逆浸透膜を中空糸型やスパイラル型に構成した逆浸透膜15から構成され、該逆浸透膜15でろ過された透過水が中心部の集合管17に集合されて、下流側の集合管17を通って送出口19から排出されるように構成されている。
また、筒状ベッセル13の後端部には逆浸透膜エレメント11の逆浸透膜15を通過せずに下流側に押し流された不純物を含む濃縮水を筒状ベッセル13から排出する排出口25が設けられている。
そして、各筒状ベッセル13内の給水部23は洗浄ライン35によってそれぞれ連結し連通している。
逆浸透膜モジュール5では、前記した逆浸透膜15の逆浸透作用により前記原水1を前記逆浸透膜15を透過した透過水37と、前記逆浸透膜15を透過することなく不純物濃度が高められた濃縮水39に分離する。前記透過水37は淡水として透過水タンク9に貯留され、前記濃縮水39は排出口25と外部に排出される。
図1に示すように、本実施形態における逆浸透膜モジュール5の洗浄は、洗浄液を逆浸透膜エレメント11の上流側から下流側に向けて通流して洗浄する第1洗浄システム42と、逆浸透膜エレメント11の前面だけを洗浄液で洗浄する第2洗浄システム44を有している。
汚染物に応じて酸又はアルカリ等による薬品洗浄を行う。洗浄液の生成については前記第1洗浄システム42と同様であり、調整された洗浄液を洗浄液タンク58内に貯留し、または前記洗浄液タンク46内の洗浄液を利用してもよい。
そして、洗浄液ポンプ60を用いて洗浄液タンク58→洗浄液ポンプ60(洗浄液供給手段)→逆浸透膜モジュール5の給水部23→隣の逆浸透膜モジュール5の給水部23→洗浄液タンク58の順に、洗浄液を洗浄ライン35を循環させて逆浸透膜の洗浄を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態は図4に示すように、隣接配置される筒状ベッセル13内の逆浸透膜エレメント11の上流側の給水部23を、洗浄ライン35で連結して、該エレメント11の前端表面Fに洗浄液を流すように構成している。
そして、逆浸透膜エレメント11への原水1の供給の際には、バルブ3(3a、3b)、7(7a、7b)によって遮断して、筒状ベッセル13内に洗浄液が通流しないようにし、その後のエレメント11の上流側の給水部23に洗浄ライン35から洗浄液を流入してエレメント11の前端表面Fを洗浄する。
また、洗浄ライン35を筒状ベッセル13の端部に形成される給水部23を連結して繋ぐように設けるだけでよいため、配管作業容易になり特許文献1に示されるようなエレメント毎に複数の濁質除去配管を設けなくてすく装置が簡単化され、製造組み立コストが低減する。
第2実施形態は、図5に示すように、洗浄ライン35の筒状ベッセル13への連結部が該筒状ベッセル13内に突入すると共に、先端開口部62が逆浸透膜エレメント11の前端表面Fに指向して設けられている。その他は第1実施形態と同様である。
かかる第2実施形態によれば、洗浄ライン35から給水部23に流入する洗浄液が逆浸透膜エレメント11の前端表面Fに向かうため、表面に付着した有機物を洗浄液の衝撃力を利用して物理的な力を作用させて除去できるため、洗浄薬品だけによる浄化作用よりも一層洗浄効果を得ることができる。
第3実施形態は、図6に示すように、給水部23に面するエレメント11の前端表面Fが凹状または凸状に形成され、該凹状部64または凸状部の裾部66に向けて洗浄ライン35の先端開口部62が指向している。裾部66に指向する場合には、洗浄ライン35の先端開口部62が複数方向に枝分かれしており、それぞれの枝部が裾部66に向かっている。その他は第1実施形態と同様である。
第4実施形態は、図7に示すように、給水部23に面するエレメント11の前端表面Fの部分を構成する最上流部分が交換可能な交換エレメント68によって構成されている。
この交換エレメント68は、逆浸透膜15同様の浸透機能を有していなくてもよく、原水1に対して逆浸透膜15の流水抵抗と同様の抵抗を有する部材で構成されていてもよい。その他は第1実施形態と同様である。
しかも、先端部分だけを逆浸透膜機能を有せず、逆浸透膜15と同様の流水抵抗を有するエレメント部材によって構成すれば、保守コストを一層低減できる。
第5実施形態は、図8に示すように、洗浄ライン35から給水部23に流入した洗浄液を外部に排出する排出ポンプ70を備え、給水部23の洗浄液を外部へ排出して空にした後に、給水部23内に、洗浄液ポンプ60で洗浄液を流入させて供給するようにする。
なお、制御装置72によって排出ポンプ70、洗浄液ポンプ60、さらに切換バルブ74の制御が行われる。
第6実施形態を図8、図9を参照して説明する。
図8に示すように、給水部23への洗浄ライン35以外に高圧洗浄ライン76を設けて、高圧洗浄ポンプ78によって、洗浄液タンク79から洗浄液を、洗浄液ポンプ60による洗浄液より高圧で噴出するようになっている。
排出ポンプ70によって洗浄ライン35から給水部23に流入した洗浄液を外部に排出して、給水部23を空にし、その後に、高圧洗浄ポンプ78を作動させて給水部23内に高圧の洗浄液を噴射する。なお、これら制御は、制御装置72によって行われるようになっている。
かかる第6実施形態によれば、高圧洗浄液による物理的衝撃によって洗浄作用を効果的に得ることができる。
第7実施形態を図8、図9を参照して説明する。
第7実施形態は、前記第6実施形態の高圧洗浄ポンプ78に代えて、空気圧縮機88および圧縮空気を給水部23へ供給する圧縮空気ライン90を設けている。
排出ポンプ70によって洗浄ライン35から給水部23に流入した洗浄液を外部に排出して、給水部23を空にし、その後に、空気圧縮機88による圧縮空気を給水部23内に噴射する。制御装置72によって制御される。
かかる第7実施形態によれば、高圧洗浄液による物理的衝撃によって洗浄作用を効果的に得ることができる。
(第8実施形態)
第8実施形態を、図8を参照して説明する。
空気圧縮機88によって圧縮され供給される空気に対して、ヒータ92によって50℃前後まで加熱する。または、高圧洗浄ポンプ78によって加圧される高圧の洗浄液に対してヒータ94によって50℃前後まで加熱する。
かかる第8実施形態によれば、この温水、温風によって付着物を変質させて、その後の洗浄液の流れによって汚れが除去しやすいようになる。また熱による殺菌作用も有することができる。
5 逆浸透膜モジュール
9 透過水タンク
11 逆浸透膜エレメント
13 筒状ベッセル
15 逆浸透膜
23 給水部
35 洗浄ライン
60 洗浄液ポンプ
62 先端開口部
64 凹状部
66 裾部
68 交換エレメント
76 高圧洗浄ライン
90 圧縮空気ライン
F 逆浸透膜エレメントの前端表面
Claims (15)
- 逆浸透膜エレメントが直列に複数個装填される筒状ベッセルからなる逆浸透膜モジュールの洗浄装置において、
隣接配置される筒状ベッセル内のエレメント上流側の給水部を連結する洗浄ラインと、該洗浄ラインを介してエレメント表面に液体または気体と気体の混合物を流入する洗浄液供給手段とを備え、前記エレメントへの原水の供給を遮断して前記洗浄ラインに洗浄液を供給してエレメント表面を洗浄するように構成したことを特徴とする逆浸透膜モジュールの洗浄装置。 - 前記洗浄ラインの筒状ベッセルへの連結部が該筒状ベッセル内に突入すると共に、先端開口部が前記エレメントの表面に指向して設けられることを特徴とする請求項1記載の逆浸透膜モジュールの洗浄装置。
- 前記給水部に面するエレメント表面が凹状または凸状に形成され、該凹状部または筒内の凸状部の裾部に向けて前記洗浄ラインの先端開口部が指向していることを特徴とする請求項1記載の逆浸透膜モジュールの洗浄装置。
- 前記給水部に面するエレメントの最上流部分が交換可能な交換エレメントによって構成されることを特徴とする請求項1記載の逆浸透膜モジュールの洗浄装置。
- 前記洗浄液が塩濃度の高い洗浄液であることを特徴とする請求項1記載の逆浸透膜モジュールの洗浄装置。
- 前記洗浄液の供給に対して定期的な加圧空気を含めることを特徴とする請求項1記載の逆浸透膜モジュールの装置。
- 逆浸透膜エレメントが直列に複数個装填される筒状ベッセルからなる逆浸透膜モジュールの洗浄方法において、
前記エレメントへの原水の供給を遮断した後に、前記筒状ベッセル内のエレメント上流側の給水部を連結して設けられた洗浄ラインを介して、前記給水部に面するエレメント表面に液体または液体と気体の混合物からなる洗浄液を流入して該エレメント表面を洗浄することを特徴とする逆浸透膜モジュールの洗浄方法。 - 前記洗浄ラインからの洗浄液をエレメント表面の汚れが集中しやすい部分に指向して噴射することを特徴とする請求項7記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記給水部の水を外部へ排出した後に、前記洗浄液を供給することを特徴とする請求項7記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記給水部の水を外部へ排出した後に、さらに前記給水部内を減圧し減圧状態を保持し、その後前記洗媒液を供給することを特徴とする請求項9記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記給水部の水を外部へ排出した後に、給水部に面するエレメント表面を圧縮空気を噴射し、その後前記洗浄液を供給することを特徴とする請求項9記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記給水部の水を外部へ排出した後に、給水部に面するエレメント表面を圧縮液体で洗浄し、その後前記洗浄液を供給することを特徴とする請求項9記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記給水部の水を外部へ排出した後に、給水部に面するエレメント表面を温水または温風で付着物を変質させた後に、前記洗浄液を供給することを特徴とする請求項9記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記洗浄液が塩濃度の高い洗浄液であることを特徴とする請求項7記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
- 前記洗浄液の供給に対して定期的な加圧空気を含めることを特徴とする請求項7記載の逆浸透膜モジュールの洗浄方法。
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