JP2002126458A - 金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方法、及び膜分離装置 - Google Patents

金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方法、及び膜分離装置

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JP2002126458A
JP2002126458A JP2000330317A JP2000330317A JP2002126458A JP 2002126458 A JP2002126458 A JP 2002126458A JP 2000330317 A JP2000330317 A JP 2000330317A JP 2000330317 A JP2000330317 A JP 2000330317A JP 2002126458 A JP2002126458 A JP 2002126458A
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hydride complex
hydrogen
membrane
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Masanori Nakamura
雅則 中村
Hitoshi Nakao
整 中尾
Kazuo Tsuchiyama
和夫 土山
Seijiro Suda
精二郎 須田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Materials and Energy Research Institute Tokyo MERIT Ltd
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Materials & Energy Res Inst To
Sekisui Chemical Co Ltd
Materials and Energy Research Institute Tokyo MERIT Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境負荷を与えずに、アルカリ性溶液中に共
存する金属水素化錯化合物とその酸化体を分離できる、
安全かつ簡便な分離方法、及び膜分離装置を提供。 【解決手段】 アルカリ性溶液中に共存する金属水素化
錯化合物とその酸化体を分離するに際し、特定の食塩阻
止率を有する微多孔膜を用いることにより提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微多孔膜を用いる
金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方法、膜分離装
置、及びこれらを利用した水素発生システムに関し、さ
らに詳しくは、環境負荷を与えずに、アルカリ性溶液中
に共存する金属水素化錯化合物とその酸化体を分離でき
る、安全かつ簡便な分離方法、膜分離装置、及びこれら
を利用した水素発生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、酸素と水素とを反応させて
電気を取り出す、いわば発電装置の1種であるが、内燃
機関等を使用せずに化学エネルギーをそのまま電気に変
換するため、発電効率を非常に高くすることができ、ま
た、副生成物としては水しか発生しないことから、環境
負荷の小さなエネルギー源であるともいえる。省エネル
ギー、環境負荷の低減が益々重要となる今後の社会情勢
を考えると、燃料電池は、非常に優れた発電装置であ
り、今後の発展が望まれる技術分野である。
【0003】しかしながら、燃料電池本体、あるいはそ
の周辺機器には多くの技術的課題が残されており、決定
的な解決方法が提案されないままになっているものもあ
る。中でも、特に大きな課題の1つとして、水素の貯蔵
・供給方法が挙げられている。燃料電池の発電に必要な
燃料のうち、酸素は、大気中の酸素を取り込むことによ
って特に貯蔵することなく供給可能であるが、水素は、
大気中には存在しないので、何らかの手段を用いて貯蔵
して長期的、安定的に燃料電池へ供給する必要がある。
【0004】ところで、現在までに主に実施されてきた
水素の貯蔵・供給方法としては、以下のものが挙げられ
る。 (1)高圧ボンベ内に貯蔵する高圧水素ボンベ方式 (2)水素を液化してボンベに貯蔵する液体水素ボンベ
方式 (3)水素吸蔵合金内に水素を貯蔵する水素吸蔵合金方
式 (4)天然ガス等を改質して水素を取り出すガス改質方
式 しかしながら、これらは、以下のようにいずれも何らか
の問題を抱えている。 (1)高圧水素ボンベ方式は、純粋な水素を貯蔵してお
ける長所を持つが、ボンベの重量を加味すると質量当た
りの水素吸蔵量は小さく、また、純水素の形で貯蔵する
ために非常に危険である。 (2)液体水素ボンベ方式は、上記高圧水素ボンベ方式
と同様な欠点を持っており、さらに、貯蔵の際には気化
しないように常に冷却する必要があるため、余分なエネ
ルギーを消費する。 (3)水素吸蔵合金方式は、水素を合金中に貯蔵できる
ので比較的安全であるが、合金中に貯蔵する際に、及び
燃料電池に供給する際に加熱する必要があるため、始動
性が悪く、始動までに数分〜数十分かかる。また、質量
当たりの水素吸蔵量も少なく、実質1〜2%である。さ
らに、合金が非常に高価であることも欠点の1つであ
る。 (4)ガス改質方式は、天然ガス等を改質して水素を取
り出し、燃料電池に供給する方式であり、燃料が比較的
安価で、すでにインフラが整っている等の長所は有する
ものの、燃料の改質器が必要である、供給される水素の
純度が低い、供給される水素ガス中に燃料電池内の触媒
を被毒する一酸化炭素が含まれる等の問題を抱えてい
る。
【0005】一方、これら従来方式に対し、本発明者ら
は、先の特願平11−190208号において、金属水
素化錯化合物が酸化される過程で発生する水素を利用し
た水素の貯蔵・供給方式を開示した。即ち、次の一般式
(I): MIII4−n ・・・・(I) または次の一般式(II): MII(MIII4−n ・・・・(II) (式中、Mはアルカリ金属、MIIはアルカリ土類金
属または亜鉛、MIIIは硼素、アルミニウムまたはガ
リウム、Rはアルキル基、アルコキシル基、またはアシ
ルオキシ基、nは0〜3の整数である。)で表される化
合物から選ばれる少なくとも1種の金属水素化錯化合物
を溶解した溶液、及び水素発生触媒能を有する金属、水
素吸蔵能を有する合金及びそれらのフッ化処理物の中か
ら選ばれる少なくとも1種の水素吸蔵合金との組合せか
らなる水素発生剤を水素貯蔵方式とし、必要に応じて、
該水素発生剤から水素を発生させて供給することを特徴
とする水素貯蔵・供給方式である。
【0006】また、上記一般式中の物質としては、以下
のようなものが例示されている。 M:リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等 MII:マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
亜鉛等 MIII:硼素、アルミニウム、ガリウム等 R:エチル基、ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブ
トキシ基、tert−ブトキシ基、2−メトキシエトキ
シ基、2−エトキシメトキシ基等のアルコキシル基、ま
たはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等のアシルオ
キシ基等
【0007】即ち、一般式(I)で表わされる金属水素
化錯化合物の例としては、水素化硼素ナトリウム(Na
BH)、水素化アルミニウムリチウム(LiAl
)、トリメトキシ水素化硼素ナトリウム(NaBH
(OCH))、トリアセトキシ水素化硼素ナトリウム
(NaBH(OCOCH))、水素化トリエチル硼素
リチウム(Li(CBH)、水素化トリ−S
−ブチル硼素カリウム(K(s−CBH)、
トリメトキシ水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
(OC))、モノエトキシ水素化アルミニウム
リチウム(LiAlH(OC))、トリ−te
rt−ブトキシ水素化アルミニウムリチウム、水素化ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等
を挙げることができる。
【0008】また、一般式(II)で表わされる金属水
素化錯化合物の例としては、水素化硼素亜鉛(Zn(B
)、水素化硼素カルシウム(Ca(B
)、テトラメトキシ水素化硼素亜鉛(Zn[B
(OCH])、ヘキサエトキシ水素化硼素カ
ルシウム(Ca[B(OCH])等を挙げ
ることができる。尚、これらの金属水素化錯化合物は公
知であり、選択的水素化用試薬として市販されている。
【0009】上記の金属水素化錯化合物を溶解する溶媒
としては、該化合物を安定に維持しうるアルカリ性条件
を満たして実現できるものであれば良く、特に制限はな
いが、水が最も好ましく、メチルアルコール、エチルア
ルコール等のアルコール類、これらアルコールと水との
混合物、また、必要に応じて、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコールのような水混和性溶剤と水またはアルコー
ル類との混和溶剤を用いることができる。
【0010】次に、アルカリ性溶媒を形成するのに用い
るアルカリ性物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化
物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシドのような第4アルキルア
ンモニウム化合物を用いることができる。これらのアル
カリ性物質は、5〜30wt%の濃度で所定の溶剤に溶
解され、アルカリ性溶媒が調整される。アルカリ性物質
の濃度が、5wt%未満であると金属水素化錯化合物を
安定的に溶解できず、一方、30wt%を超えると金属
水素化錯化合物を溶解しにくくなる。
【0011】上記方式の特徴としては、水素を安定的に
貯蔵できる、純水素の形では貯蔵しないので安全であ
る、常温常圧下でほぼ純水素の形で容易に水素を取り出
すことができる、質量当たりの水素吸蔵量が大きい(理
論値:約10wt%)といった点が挙げられ、非常に優
れた水素貯蔵・供給方式であるといえる。
【0012】しかしながら、上記方式においても、金属
水素化錯化合物とその酸化体の分離という課題が存在す
る。即ち、水素発生後の溶液中には金属水素化錯化合物
とその酸化体が共存することになるが、未反応の金属水
素化錯化合物をさらに反応させて水素を取り出そうとす
る場合、酸化体の影響で水素発生速度が低下するという
問題がある。また、酸化体を金属水素化錯化合物へ再生
する場合、反応効率や反応時間を考慮すると、これらが
共存する溶液に対して再生処理を施すよりも、酸化体と
金属水素化錯化合物をあらかじめ分離し、酸化体のみに
再生処理を施す方が好ましい。
【0013】ところで、金属水素化錯化合物とその酸化
体の分離に関しては、例えば、特開昭50−15950
0には、水素化硼素ナトリウムのみを溶解するイソプロ
ピルアミン溶媒を用いて、水素化硼素ナトリウム、水素
化ナトリウム、ホウ酸等を含有する水酸化ナトリウム水
溶液から水素化硼素ナトリウムを抽出・分離する方法が
開示されているが、この方法にも以下のような問題があ
る。 (1)抽出・分離操作にイソプロピルアミンを用いるた
め、環境負荷が大きい。イソプロピルアミンは人体や他
の生物に対して有害なため、イソプロピルアミンが系外
へ流出しないような厳重な設備が必要となる。 (2)抽出・分離操作は、イソプロピルアミンと相溶性
のない溶媒を用いた溶液にしか適用できない。例えば、
上記水素化硼素ナトリウムの溶媒として水が用いられて
いる場合、イソプロピルアミンと水は相溶性があるた
め、本溶剤で抽出・分離するには第3成分を大量に投入
する等の工夫が必要となる。 (3)溶媒がイソプロピルアミン以外である水素化硼素
溶液を得たい場合には、抽出、晶出、さらに再溶解とい
った煩雑なプロセスが必要となる。 そのため、アルカリ性溶液中に共存する金属水素化錯化
合物とその酸化体とを分離するに際し、上記した問題点
の起きない効率的で且つ実用的な分離方法の開発が求め
られていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来方法の問題点を解決するために、環境負荷を与えず
に、アルカリ性溶液中に共存する金属水素化錯化合物と
その酸化体を分離できる、安全かつ簡便な分離方法、及
び膜分離装置、さらにはこれらを利用した水素発生シス
テムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み、鋭意研究を行った結果、アルカリ性溶液中に
共存する金属水素化錯化合物とその酸化体を分離するに
際し、特定の食塩阻止率を有する微多孔膜を用いること
により、本課題が解決されることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0016】即ち、本発明の第1の発明によれば、次の
一般式(I): MIII4−n ・・・・(I) または、次の一般式(II): MII(MIII4−n ・・・・(II) (式中、Mはアルカリ金属、MIIはアルカリ土類金
属または亜鉛、MIIIは硼素、アルミニウムまたはガ
リウム、Rはアルキル基、アルコキシル基、またはアシ
ルオキシ基、nは0〜3の整数である。)で表される化
合物から選ばれる少なくとも1種の金属水素化錯化合物
と、その酸化体とが共存するアルカリ性溶液から、金属
水素化錯化合物のみを選択的に分離するに際し、食塩阻
止率が70%以上の微多孔膜を用いることを特徴とする
金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方法が提供され
る。
【0017】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、上記微多孔膜は、膜厚が0.1〜1μ
mであることを特徴とする金属水素化錯化合物とその酸
化体の分離方法が提供される。
【0018】また、本発明の第3の発明によれば、第1
の発明において、上記アルカリ性溶液は、加圧されてい
ることを特徴とする金属水素化錯化合物とその酸化体の
分離方法が提供される。
【0019】さらに、本発明の第4の発明によれば、第
1の発明において、上記微多孔膜は、電位差を印加され
ていることを特徴とする金属水素化錯化合物とその酸化
体の分離方法が提供される。
【0020】一方、本発明の第5の発明によれば、第1
〜第4のいずれかの分離方法に使用されることを特徴と
する膜分離装置が提供される。
【0021】また、本発明の第6の発明によれば、第5
の発明の膜分離装置がシステムの一部に組み込まれてい
ることを特徴とする水素発生システムが提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0023】1.微多孔膜 本発明においては、金属水素化錯化合物とその酸化体と
が共存する溶液から、金属水素化錯化合物を分離するに
際し、食塩阻止率が70%以上、より好ましくは75%
以上98%未満の微多孔膜を用いる。食塩阻止率が70
%未満であると、酸化体が膜を通過するために両者の分
離が困難となり、98%以上であると、処理速度がかな
り低下する。
【0024】本発明者らは、金属水素化錯化合物とその
酸化体は、溶液中、主に水溶液中に共存する場合、両者
の水和状態の違いに起因して、イオンサイズが相当に異
なることを見出した。この両者のイオンサイズの違いに
着目し、種々検討した結果、例えば、食塩阻止率が70
%以上の微多孔膜を用いた場合、水和状態のイオンサイ
ズが小さい金属水素化錯化合物のみが微多孔膜を通過す
る、換言すれば、該微多孔膜により金属水素化錯化合物
のみを選択的に分離できることが見出された。因みに、
食塩阻止率が70%以上の微多孔膜の平均孔径は、10
Å以下と推定される。また、上記の食塩阻止率は、以下
の式で定義される。 ・食塩阻止率(%)=(1−透過液濃度/元液濃度)×
100
【0025】本発明に用いる微多孔膜の膜厚としては、
通常は0.1〜1μm、好ましくは0.3〜0.8μm
である(ご記入願います)。膜厚が0.1μm未満であ
ると、耐久性が劣り、1μmを超えると、処理速度が極
端に低下する。該微多孔膜の材質としては、特に制限さ
れないが、ピペラジン、m−テレフタロイルクロリドの
縮合アミド系膜や、ポリエチレンイミン、トリメソイル
クロリド縮合膜等が好適に用いられる。
【0026】また、本発明に用いる微多孔膜には、特に
制限されないが、その強度を高めるために、20〜30
0μmの多孔質膜を支持体として裏打ちすることが望ま
しい。該支持体の材質としては、腐食に強いテフロン
(登録商標)、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイ
ミド等が好ましい。
【0027】さらに、微多孔膜の処理速度を増加させる
ため、金属水素化錯化合物とその酸化体とが共存する溶
液から、金属水素化錯化合物を分離するに際し、該溶液
を、通常は10〜200kg/cm、好ましくは30
〜100kg/cmに加圧しても良い。加圧が10k
g/cm未満であると、処理速度を増加させる効果が
ほとんど認められず、200kg/cmを超えると、
膜の選択性が低下して透過液中の金属水素化錯化合物の
濃度が大きく低下する。
【0028】また、微多孔膜の処理速度を増加させるた
め、金属水素化錯化合物とその酸化体とが共存する溶液
から、金属水素化錯化合物を分離するに際し、該微多孔
膜に、通常は1〜10V、好ましくは3〜7Vの電位差
を印加しても良い。電位差が1V未満であると、処理速
度を増加させる効果がほとんど認められず、10Vを超
えると、膜の選択性が低下して透過液中の金属水素化錯
化合物の濃度が大きく低下する。
【0029】 2.金属水素化錯化合物とその酸化体を含む溶液 本発明の分離方法において、分離の対象となる金属水素
化錯化合物とその酸化体を含む溶液は、前述の一般式
(I)、(II)で表される化合物から選ばれる少なく
とも1種の金属水素化合物とその酸化体がアルカリ性溶
媒に溶解しているものである。
【0030】前述したように、一般式(I)で表わされ
る金属水素化錯化合物の例としては、水素化硼素ナトリ
ウム(NaBH)、水素化アルミニウムリチウム(L
iAlH)、トリメトキシ水素化硼素ナトリウム(N
aBH(OCH))、トリアセトキシ水素化硼素ナト
リウム(NaBH(OCOCH))、水素化トリエチ
ル硼素リチウム(Li(CBH)、水素化ト
リ−S−ブチル硼素カリウム(K(s−C
H)、トリメトキシ水素化アルミニウムリチウム(Li
AlH(OC))、モノエトキシ水素化アルミ
ニウムリチウム(LiAlH(OC))、トリ
−tert−ブトキシ水素化アルミニウムリチウム、水
素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリ
ウム等を挙げることができる。
【0031】また、一般式(II)で表わされる金属水
素化錯化合物の例としては、水素化硼素亜鉛(Zn(B
)、水素化硼素カルシウム(Ca(B
)、テトラメトキシ水素化硼素亜鉛(Zn[B
(OCH])、ヘキサエトキシ水素化硼素カ
ルシウム(Ca[B(OCH])等を挙げ
ることができる。
【0032】一方、上記金属水素化錯化合物を溶解する
溶媒としては、該化合物を安定に維持しうるアルカリ性
条件を満たして実現できるものであれば良く、特に制限
はないが、水が最も好ましく、メチルアルコール、エチ
ルアルコール等のアルコール類、これらアルコールと水
との混合物、また、必要に応じて、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような水混和性溶剤と水またはアル
コール類との混和溶剤を用いることができる。
【0033】 3.金属水素化錯化合物を用いた水素発生システム 金属水素化錯化合物とその酸化体とが共存する溶液か
ら、金属水素化錯化合物を分離するに際し、微多孔膜を
用いる本発明の膜分離装置が適用された例として、金属
水素化錯化合物を用いた水素発生システムの流れ図を図
−1に示す。図中、水素発生剤貯蔵槽には、金属水素化
錯化合物の水溶液が貯蔵されており、水溶液は、微多孔
膜がセットされた膜分離装置を経由して、水素発生装置
に送られる。水素発生装置には、水素発生触媒がセット
されており、金属水素化錯化合物が酸化されて水素が発
生する。次いで、水素発生後の水溶液は、未反応の金属
水素化錯化合物と共に多分の酸化体が存在する状態とな
るので、冷却槽に送られて冷却され、溶解度の低い酸化
体は部分的に沈殿除去される。冷却槽で酸化体が部分的
に除去された水溶液は、水素発生剤貯蔵槽に送られ、膜
分離装置において酸化体が除去された後、水素発生装置
に循環される。尚、本発明の膜分離装置は、通常は、か
かる水素発生システムに一部に組み込まれて使用される
が、使用形態に特に制限はなく、例えば、酸化体の再生
処理システム等に使用することができる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に
より限定されるものではない。尚、実施例、比較例に用
いた微多孔膜及び試験・評価方法は、以下の通りであ
る。
【0035】(1)微多孔膜 ・微多孔膜1:ポリアミド系微多孔膜(商品名:ナノマ
ックス95 日本ミリポア(株)製)、食塩阻止率94
% ・微多孔膜2:フッソ系微多孔膜(厚み200μmのポ
リエーテルスルホン膜の表面にフッ化ビニリデンモノマ
ーを厚み約1μmになるように薄膜重合した膜(試作
品))、食塩阻止率77% ・微多孔膜3:ポリ塩化ビニル系イオン交換膜(商品
名:ACSA0037 トクヤマ(株)製)、食塩阻止
率98% ・微多孔膜4:ポリアミド系微多孔膜(商品名:ナノマ
ックス50 日本ミリポア(株)製)、食塩阻止率50
【0036】(2)評価・試験方法NaBH/(B全量)の測定方法 NaBH4濃度の測定方法 NaBH4濃度は、ヨードメトリー法で測定した。原理
を以下に示す。 3BH + 4IO → 4I + 3B
(OH) at pH=4.5 IO + 5I + 6H → 3I
3HO 上記反応により生成したヨウ素をクロロホルムに抽出す
る。この溶液は紫色に呈色しており、λ=511nmに
て測定した吸光度によりヨウ素を定量する。定量された
ヨウ素量からBH イオンを定量する。 B全量の測定方法 溶液には、NaBHとNaBO2が共存するため、先
ず、溶存しているNaBHを全て酸化してNaBO2
へと反応させる。 NaBH + 2HO → NaBO + 4H
その後に以下の反応を行わせる。 NaBO + 2HO → NaB(OH)
t pH=5.5NaB(OH) + 2HOCH
(CHOH)CHOH→ [C1224
14]H(強酸) この反応で得られた[C1224BO14]H(強
酸)を強アルカリ溶液で中和滴定し、全硼素量を定量す
る。
【0037】実施例1、2、比較例1、2 室温下で、NaBHの重量濃度が8.6%、NaBO
の重量濃度が4.5%となる水溶液を調整した。ま
た、NaBHの安定性を考慮して、NaOHを用い
て、溶液のpHを12に調整した(元液)。この水溶液
を、表1に示す微多孔膜を用いて、圧力35kg/cm
で加圧濾過した。実験は、逆浸透実験装置(ROシス
テムレモリーノ 日本ミリポア(株)製)を用いて、平
膜濾過の簡易実験で行った。次に、元液及び透過液のN
aBH濃度、B全量の濃度を前記分析法で定量した。
結果を表1に示す。
【0038】実施例3 濾過を行う際に、膜の両側に電極を配置し、膜の両側の
電位差を4Vにとって電圧印加した。膜を流れる電流密
度は、40mA/cmであった。この電圧印加以外
は、実施例1と同様にして水溶液を濾過し、透過液のN
aBH濃度、B全量の濃度を前記分析法で定量した。
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明の分離方
法は、環境負荷を与えない、安全かつ簡便な分離方法に
も拘わらず、高い透過液NaBH濃度を与え、分離効
果にも優れている。
【0041】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、少なくと
も1種の金属水素化錯化合物と、その酸化体とが共存す
るアルカリ性溶液から、前者の金属水素化錯化合物のみ
を選択的に分離するに際し、食塩阻止率が70%以上の
微多孔膜を用いることにより、環境負荷を与えない、安
全かつ簡便な金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方
法、及び膜分離装置、さらにこれらを利用した水素発生
システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の膜分離装置を適用した水素発
生システムを例示する説明図である。
【符号の説明】
1 膜分離装置 2 水素発生装置 3 冷却槽(分離装置) 4 水素発生剤貯蔵槽
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月22日(2000.12.
22)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 金属水素化錯化合物とその酸化体の分
離方法、及び膜分離装置
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微多孔膜を用いる
金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方法、及び膜分
離装置に関し、さらに詳しくは、環境負荷を与えずに、
アルカリ性溶液中に共存する金属水素化錯化合物とその
酸化体を分離できる、安全かつ簡便な分離方法、及び膜
分離装置に関する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来方法の問題点を解決するために、環境負荷を与えず
に、アルカリ性溶液中に共存する金属水素化錯化合物と
その酸化体を分離できる、安全かつ簡便な分離方法、及
び膜分離装置を提供することにある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【発明の実施の形態】
【0022】以下に、本発明を詳細に説明する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、少なくと
も1種の金属水素化錯化合物と、その酸化体とが共存す
るアルカリ性溶液から、前者の金属水素化錯化合物のみ
を選択的に分離するに際し、食塩阻止率が70%以上の
微多孔膜を用いることにより、環境負荷を与えない、
全かつ簡便な金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方
法、及び膜分離装置が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 整 茨城県つくば市和台32 積水化学工業株式 会社内 (72)発明者 土山 和夫 茨城県つくば市和台32 積水化学工業株式 会社内 (72)発明者 須田 精二郎 東京都新宿区西新宿1−24−1 株式会社 水素エネルギー研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA02 KA31 KB01 KB30 MA06 MA31 MB06 MC27 MC28 MC51 MC54 MC61 PC80 4H006 AA02 AD19 5H027 AA02 BA01 BA13 BA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I): MIII4−n ・・・・(I) または、次の一般式(II): MII(MIII4−n ・・・・(II) (式中、Mはアルカリ金属、MIIはアルカリ土類金
    属または亜鉛、MIIIは硼素、アルミニウムまたはガ
    リウム、Rはアルキル基、アルコキシル基またはアシル
    オキシ基、nは0〜3の整数である。)で表される化合
    物から選ばれる少なくとも1種の金属水素化錯化合物
    と、その酸化体とが共存するアルカリ性溶液から、金属
    水素化錯化合物のみを選択的に分離するに際し、食塩阻
    止率が70%以上の微多孔膜を用いることを特徴とする
    金属水素化錯化合物とその酸化体の分離方法。
  2. 【請求項2】 上記微多孔膜は、膜厚が0.1〜1μm
    であることを特徴とする請求項1に記載の金属水素化錯
    化合物とその酸化体の分離方法。
  3. 【請求項3】 上記アルカリ性溶液は、加圧されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属水素化錯化合物
    とその酸化体の分離方法。
  4. 【請求項4】 上記微多孔膜は、電位差を印加されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の金属水素化錯化合
    物とその酸化体の分離方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分
    離方法に使用されることを特徴とする膜分離装置。
  6. 【請求項6】 請求項5項に記載の膜分離装置がシステ
    ムの一部に組み込まれていることを特徴とする水素発生
    システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110467191A (zh) * 2018-05-09 2019-11-19 上海核工程研究设计院有限公司 一种用于放射性含硼废液中硼和核素分离的装置和方法

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US8557456B2 (en) 2003-02-10 2013-10-15 Panasonic Corporation Fuel cell system
CN110467191A (zh) * 2018-05-09 2019-11-19 上海核工程研究设计院有限公司 一种用于放射性含硼废液中硼和核素分离的装置和方法
CN110467191B (zh) * 2018-05-09 2023-12-26 上海核工程研究设计院股份有限公司 一种用于放射性含硼废液中硼和核素分离的装置和方法

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