JP2002124754A - 回路基板及びその製造方法並びに該回路基板を用いた電子部品の実装体 - Google Patents

回路基板及びその製造方法並びに該回路基板を用いた電子部品の実装体

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JP2002124754A
JP2002124754A JP2000317758A JP2000317758A JP2002124754A JP 2002124754 A JP2002124754 A JP 2002124754A JP 2000317758 A JP2000317758 A JP 2000317758A JP 2000317758 A JP2000317758 A JP 2000317758A JP 2002124754 A JP2002124754 A JP 2002124754A
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electrode
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conductive
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Tsutomu Mitani
力 三谷
Hiroteru Takezawa
弘輝 竹沢
Yukihiro Ishimaru
幸宏 石丸
Takashi Kitae
孝史 北江
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異方性導電性フィルム或いは異方性導電性接
着剤を用いた場合に比べて、低コストで且つ簡素な工程
で電子部品を実装できる回路基板およびその製造方法、
並びにかかる回路基板を用いた電子部品の実装体を提供
する。 【解決手段】 電子部品C1の部品電極D1が接合され
るべき所定の基板電極B1が支持基体A1s上の所定部
位に設けられた回路基板A1であって、上記支持基体の
少なくとも上記所定の基板電極上に、該基板電極側から
順に、絶縁性接着剤層E1a,導電性フィラー層F1,
絶縁性接着剤層E1bが形成されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品が搭載さ
れるべき回路基板およびその製造方法、並びに、かかる
回路基板を用いた電子部品の実装体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への認識の高まりから、
エレクトロニクス実装の分野においても、はんだに含ま
れる鉛に対する規制が検討されつつあり、電子部品の実
装に鉛を用いない接合技術(所謂、「鉛フリー」実装技
術)の確立が急務となっている。この鉛フリー実装技術
としては、主として鉛フリーはんだ或いは導電性接着剤
などを用いる方法が挙げられるが、これらのうちでは、
接合部の柔軟性や実装温度の低温化等の点でメリットが
期待でき、また、有機溶剤の使用や特別な洗浄工程の必
要性も無くすることができる、導電性接着剤を用いる方
法がより注目されている。
【0003】周知のように、導電性接着剤は、一般に樹
脂系接着成分中に導電フィラーを分散させたものであ
り、接着剤を介在して電子部品の接続端子と回路基板の
接続端子を接続した後に樹脂を硬化させ、接着剤中の導
電フィラー同士の接触により接続部分の電気的接続を確
保するものである。従って、この導電性接着剤を用いて
接合した場合には、接続部分が樹脂で接着されている関
係上、熱や外力による変形に対して柔軟に対応でき、接
続部分が合金であるはんだによる接合と比較して、接続
部分に亀裂が発生しにくいというメリットを有している
ことから、従前の鉛を含んだはんだの代替材料として期
待されている。
【0004】かかる導電性接着剤として、異方性導電性
接着剤(所謂、ACP)は、従来、公知である。また、
フィルム状に形成された異方性導電性フィルム(所謂、
ACF)も知られている。かかる異方性導電性の接着剤
を用いて接合した場合、特定方向(つまり、接着の方
向:接合時に圧着力を作用させる方向、)に導電性を有
し、他の方向(例えば、特に、上記特定方向と直角な方
向)には電気的に絶縁性を有する接合部が得られる。す
なわち、異方性導電性フィルム(ACF)を用いて接着
した場合、その接合部は、フィルムと直角な方向には導
電性を有するが、フィルム面と平行または略平行なフィ
ルム面内方向には電気的に絶縁性となる。
【0005】図10は、上記異方性導電性フィルム(A
CF)を用いた従来例に係る電子部品の実装体の要部
(電子部品の回路基板への接合部分)を拡大して模式的
に示した断面説明図である。この図に示すように、本従
来例に係る電子部品の実装方法では、まず、回路基板A
21の支持基体A21s上の電子部品C21を搭載すべ
き所定位置、つまり、支持基体A21s上の所定部位に
対を成して設けられた基板電極(導体電極)B21上
に、異方性導電性フィルムG21が仮貼り付けされる。
この異方性導電性フィルムG21は、絶縁性接着剤層E
21中に導電性フィラーF21を分散させてなるもので
あり、その基板電極B21上への仮貼り付けは、図示し
ない専用の貼り付け機(所謂、ACF貼り付け機)を用
いて行われる。
【0006】そして、加圧加熱ヘッドを備えた部品マウ
ンタ(図示せず)を用いて、電子部品C21の電極(部
品電極)D21が基板電極B21に対応するように、電
子部品C21を回路基板A21に対して位置合わせした
上で、電子部品C21を(つまり、各部品電極D21
を)対応する各基板電極B21に対して圧着させること
により、各部品電極D21が絶縁性接着剤層E21によ
って基板電極B21上に接着され、これを硬化させるこ
とにより、電子部品C21が回路基板A21上に実装さ
れる。
【0007】このとき、部品電極D21と基板電極B2
1との接合部では、基板電極B21と部品電極D21と
の間に導電性フィラーF21が介在し、これにより部品
電極D21と基板電極B21との間の電気的導通が確保
される。一方、異方性導電性フィルムG21の面内方向
については、部品電極D21を基板電極B21に対して
圧着させる際に押しのけられた絶縁性接着剤E21が導
電性フィラーF21の側縁部を覆っており、この絶縁性
接着剤E21によって異方性導電性フィルムG21の面
内方向については電気的に絶縁される。これにより、隣
り合う部品電極D21と基板電極B21との接合部間で
ショートが生じることが防止される。また、回路基板A
21と電子部品C21との機械的接続は、異方性導電性
フィルムG21の絶縁性接着性剤E21によって達成さ
れるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように異方性導電性フィルムG21を用いて電子部品C
21を回路基板A21上に実装しようとした場合、工程
が煩雑となり、また、実装コストも高くなるという難点
があった。すなわち、異方性導電性フィルムは、接着性
樹脂フィルム中に導電性フィラーを分散させて構成され
ているが、この導電性フィラーとしては、ニッケル或い
は金などの金属粉末の導電性フィラー、または樹脂製ビ
ーズの表面に金をコーティングした導電性フィラー等が
多用されている。これらフィラーは、例えば液晶ドライ
バ(LCD)のドライバICの実装においても一般的で
あるように、部品電極と基板電極との接続部において、
通常、導電性フィラーが接続部の厚み方向に1個介在し
て部品と基板との導通が確保されるようになっている。
【0009】このとき、仮に、各導電性フィラーの大き
さ(直径もしくは太さ)が不均一で大小さまざまにバラ
ツキを有していれば、部品電極と基板電極との距離も大
小さまざまにバラツキが生じることとなり、両電極間に
位置する導電性フィラーの電極との接触状態が一定せ
ず、良好な導通が実現できなくなる。従って、導電性フ
ィラーは、その直径もしくは太さが均一であることが重
要であるが、このような直径もしくは太さが均一な導電
性フィラーを揃える必要がある関係上、異方性導電性フ
ィルム自体が必然的に高価なものとなっている。
【0010】尚、異方性導電性フィルム或いは異方性導
電性接着剤を用いた場合には、上述のように、通常、電
子部品の部品電極と基板電極との接続部において、導電
性フィラーが接続部の厚み方向に1個介在して部品と基
板との導通が確保されるようになっているので、例え
ば、回路基板と電子部品との熱膨脹差に基づく歪が生じ
た場合には、両者の電極間の間隔が大きくなり、電気的
な導通を安定して確保することが困難になる可能性があ
る。
【0011】また、上記異方性導電性フィルムでは専用
の部品実装設備として、前述のACF貼り付け機や加熱
加圧ヘッド装着マウンタをはじめとした高価な設備も必
要であるため、回路基板に電子部品をマウウントして電
子機器を製造する場合のコストを低減することが難し
く、また、その工程も複雑なものであった。
【0012】そこで、本発明は、異方性導電性フィルム
或いは異方性導電性接着剤を用いた場合に比べて、低コ
ストで且つ簡素な工程で電子部品を実装できる回路基板
およびその製造方法、並びにかかる回路基板を用いた電
子部品の実装体を提供することを、基本的な目的として
なされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本願発明に係
る回路基板は、電子部品の電極(つまり、部品電極)が
接合されるべき所定の基板電極が支持基体上の所定部位
に設けられた回路基板であって、上記支持基体の少なく
とも上記所定の基板電極上に、少なくとも1層の絶縁性
接着剤層と少なくとも1層の導電性媒体層とが順次積層
されていることを特徴としたものである。本願発明の回
路基板では、電子部品の電極と回路基板の基板電極との
電気的導通は導電性媒体によって確保され、また、両者
間の機械的な接続は絶縁性接着剤によって達成される。
【0014】絶縁性接着剤層と導電性媒体層とを順次積
層する際には、基板電極側から順に、1)絶縁性接着剤
層と、2)導電性媒体層と、3)絶縁性接着剤層と、を
形成することが好ましい。この場合には、電子部品の電
極と回路基板の基板電極との電気的導通は1層の導電性
媒体によって確保され、また、両者間の機械的な接続は
2層にわたって形成された絶縁性接着剤によって達成さ
れる。
【0015】また、絶縁性接着剤層と導電性媒体層とを
順次積層する際には、基板電極側から順に、1)導電性
媒体層と、2)絶縁性接着剤層と、を形成するようにし
ても良い。この場合には、電子部品の電極と回路基板の
基板電極との電気的導通は1層の導電性媒体によって確
保され、また、両者間の機械的な接続は1層の絶縁性接
着剤によって達成される。
【0016】更に、絶縁性接着剤層と導電性媒体層とを
順次積層する際には、基板電極側から順に、1)絶縁性
接着剤層と、2)導電性媒体層と、を形成するようにし
ても良い。この場合にも、電子部品の電極と回路基板の
基板電極との電気的導通は1層の導電性媒体によって確
保され、また、両者間の機械的な接続は1層の絶縁性接
着剤によって達成される。
【0017】また、更に、積層された上記絶縁性接着剤
層は半硬化状態(所謂、Bステージ状態)であってもよ
い。この場合には、回路基板の基板電極上に電子部品の
部品電極を位置決めして搭載した後に行われる接着剤層
の硬化工程を簡略化することが可能になる。
【0018】また、更に、上記導電性媒体層は導電性粉
末および導電性繊維鱗の少なくともいずれか一方を導電
性フィラーとして含んだものであり、該導電性媒体層は
回路基板と平行または略平行な面内方向には電気的に絶
縁性であることが好ましい。この場合には、導電性媒体
層が回路基板と平行または略平行な面内方向には電気的
に絶縁性であることにより、隣り合う部品電極と基板電
極との接合部との距離が比較的短い場合でも、隣り合う
接合部との間でショートが生じることが確実に防止され
る。
【0019】また、本願発明に係る回路基板の製造方法
は、電子部品の電極が接合されるべき所定の基板電極が
支持基体上の所定部位に設けられた回路基板の製造方法
であって、上記支持基体の少なくとも上記所定の基板電
極上に、少なくとも1層の絶縁性接着剤層と少なくとも
1層の導電性媒体層とを積層状態に順次形成し、上記導
電性媒体層を形成する際に、該導電性媒体層に含まれる
導電性フィラーが、スプレー法により上記絶縁性接着剤
層または上記基板電極上に堆積されることを特徴とした
ものである。本願発明の回路基板の製造方法では、電子
部品の電極と回路基板の基板電極との電気的導通を確保
するための導電性媒体と、両者間の機械的な接続を達成
するための絶縁性接着剤とが順次積層される。また、導
電性媒体層に含まれる導電性フィラーは、スプレー法に
より比較的簡単に絶縁性接着剤層または上記基板電極上
に堆積される。
【0020】更に、本願発明に係る電子部品の実装体
は、上述の回路基板のいずれかを用いた電子部品の実装
体であって、上記電子部品の電極と上記回路基板の基板
電極との接続部においては、上記導電性媒体層の導電性
フィラーが上記接続部の厚み方向に2個以上介在してお
り、これら導電性フィラーが互いに接触あるいは部分的
に融合して上記接続部の厚み方向に連結した構造である
ことを特徴としたものである。この場合には、導電性媒
体層の導電性フィラーが接続部の厚み方向に2個以上
(つまり、複数個数)介在しており、これらが互いに接
触あるいは部分的に融合して上記接続部の厚み方向に連
結した構造であることにより、電子部品の電極と回路基
板の基板電極との電気的導通を確保する上で、より信頼
性の高い接続部が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明の第1の
実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係
る回路基板の構成を模式的に示す縦断面説明図、図2は
この回路基板上の基板電極を拡大して示す模式的な部分
拡大縦断面説明図である。図1から良く分かるように、
上記回路基板A1の基体A1s(支持基体)上には、例
えば薄膜状とされた複数の基板電極B1がそれぞれ所定
の部位に設けられている。少なくとも各基板電極B1
(本実施の形態では、各基板電極B1及びその近傍の基
板部分)は、図2に示されるように、基板電極B1側か
ら順に、第1絶縁性接着剤層E1a,導電性媒体層とし
ての導電性フィラー層F1,第2絶縁性接着剤層E1b
が順次積層されてなる積層体で覆われている。
【0022】上記第1および第2の絶縁性接着剤層E1
a及びE1bは、例えば、エポキシ系バインダにアミン
系硬化剤を混合させた絶縁性接着剤で構成され、各層の
厚さは例えば約30μmにそれぞれ設定されている。ま
た、導電性フィラー層F1は、例えば、平均粒径が約7
μmの銀粉を用いて、かさ厚みが約20μmとなるよう
に設定されている。尚、上記回路基板A1の基体A1s
(支持基体)としては、例えばガラスエポキシ基板を用
いることができ、各基板電極B1は、例えば銅箔で支持
基体A1s上に導電性の回路パターンとして形成するこ
とができる。
【0023】次に、図3を参照しながら、上記回路基板
A1の製造法について説明する。まず、各基板電極B1
が形成された回路基板A1を基板ホルダ(不図示)に位
置決め状態で保持させる。次に、少なくとも各基板電極
B1に(本実施の形態では、各基板電極B1及びその近
傍の基板部分に)対応する開口部Mhを備えたメタルマ
スクMを、上記回路基板A1の上方に対向するように配
置する。そして、各開口部Mhが各基板電極B1に対応
するように上記メタルマスクMを位置決めする。更に、
このメタルマスクMの上方に、少なくとも該メタルマス
クMに対し平行に移動可能なスプレーノズルNを配置す
る。このスプレーノズルNには、上記第1絶縁性接着剤
層E1aを形成する絶縁性接着剤を充填しておく。
【0024】かかる後に、まず、上記絶縁性接着剤をス
プレーノズルNのノズル口部Npから吐出させつつ、該
スプレーノズルNをメタルマスクMに沿って平行に所定
方向(図3における一点鎖線の矢印方向)へ移動させ
る。上述の第1絶縁性接着剤層E1aの厚さは、このス
プレーノズルNの吐出量と移動速度の設定によって定ま
るものである。このようにして、回路基板A1上の各基
板電極B1上及びその近傍の基板部分上に第1絶縁性接
着剤層E1aを形成した後、スプレーノズルNを導電性
フィラーF1を充填したものに交換し、上述の第1絶縁
性接着剤層E1aを形成した工程と同様な手順で、この
第1絶縁性接着剤層E1a上に導電性フィラー層F1を
形成する。
【0025】そして、導電性フィラー層F1を形成した
後、更に、スプレーノズルNを上記第2絶縁性接着剤層
E1b形成用の第2絶縁性接着剤を充填したものに交換
し、上述の第1絶縁性接着剤層E1aや導電性フィラー
層F1を形成した工程と同様な手順で、この導電性フィ
ラー層F1上に第2絶縁性接着剤層E1bを形成する。
以上のような各工程を経ることにより、図1及び図2に
示されるように、各基板電極B1及びその近傍の基板部
分が、基板電極B1側から順に、第1絶縁性接着剤層E
1a,導電性フィラー層F1及び第2絶縁性接着剤層E
1bが順次積層されてなる積層体で覆われた回路基板A
1が完成する。
【0026】以上のようにして製造した回路基板A1を
用いて、電子部品の実装体を製作した。図4はかかる回
路基板を用いた電子部品の実装体の構成を模式的に示す
縦断面説明図、図5はこの実装体の電子部品実装部分を
拡大して模式的に示した縦断面説明図である。上記回路
基板A1上に実装される電子部品C1は、その基体部C
y1の左右両端部に一対の部品電極D1が設けられて構
成されており、これら各部品電極D1が、回路基板A1
上の所定の基板電極B1にそれぞれ接合されることによ
り、電子部品C1が回路基板A1に対して実装される。
尚、本実施の形態では、この電子部品C1として、例え
ば、3216サイズの0(ゼロ)オーム[Ω]のチップ
抵抗を用いた。
【0027】電子部品C1の実装に際しては、当該電子
部品C1の通常の実装工程で一般的に用いられる部品マ
ウンタ(不図示)を用いて、上記基板電極B1に接合さ
れるべき部品電極D1を対応させた上で位置決めが行わ
れる。そして、電子部品C1を上方から加圧すると、図
5から良く分かるように、導電性フィラー層F1に比し
て硬度や粘度が低い第1及び第2絶縁性接着剤層E1a
及びE1bは、基板電極B1と部品電極D1との間で側
方に押しのけられて、部品電極D1及び基板電極B1と
導電性フィラー層F1とが直接に接触するようになり、
両電極間の導通が得られる。
【0028】このとき、基板電極B1と部品電極D1と
の間で側方に押しのけられた第1及び第2絶縁性接着剤
層E1a及びE1bの両者が入り混じった絶縁性接着剤
層E1が、部品電極D1及び基体部Cy1の下部周縁な
らびに導電性フィラー層F1及び基板電極B1の周縁部
を覆うようにして広がる。すなわち、上記導電性フィラ
ー層F1は、基板電極B1と部品電極D1の接着方向
(つまり、両者間に圧着力が作用する方向)には導電性
であるが、回路基板A1と平行または略平行な面内方向
には電気的に絶縁性であると言える。従って、隣り合う
部品電極D1と基板電極B1との接合部との距離が比較
的短い場合でも、隣り合う接合部との間でショートが生
じることを確実に防止することができるのである。
【0029】この後、例えば、約150℃に温度調整さ
れた熱風循環炉(不図示)内に上記電子部品C1を配置
した回路基板A1を配設し、約30分間の加熱によって
絶縁性接着剤層E1を硬化させることにより、この絶縁
性接着剤層E1によって電子部品C1の回路基板A1に
対する機械的な接合が得られ、電子部品C1の実装体が
完成する。以上のようにして得られた実装体について、
電子部品C1の部品電極D1と回路基板A1の基板電極
B1との接合部を縦方向に切断してミクロ観察を行った
ところ、該接合部では、導電性フィラー層F1の導電性
フィラーが接合部の厚み方向に2個以上(つまり、複数
個数)介在しており、これらが互いに接触あるいは部分
的に融合して上記接合部の厚み方向に連結された構造と
なっていることが確かめられた。
【0030】従って、例えば、回路基板と電子部品との
熱膨脹差に基づく歪が生じて両者の電極間の間隔が大き
くなった場合でも、導電性フィラーF1と各電極間D1
及びB1との電気的接続状態が確保し易くなる。すなわ
ち、従来の異方性導電性フィルム(ACF)或いは異方
性導電性接着剤(ACP)を用いた場合のように、通
常、1個の導電性フィラーが接続部の厚み方向に介在し
て部品と基板との導通が確保される場合に比べて、電子
部品C1の部品電極D1と回路基板A1の基板電極B1
との間の電気的な導通を確保する上で、より信頼性の高
い接続構造が得られるのである。
【0031】以上、説明したように、本実施の形態によ
れば、回路基板A1の支持基体A1sの少なくとも所定
の基板電極B1(電子部品C1の電極D1が接合される
べき基板電極)上に、少なくとも1層の絶縁性接着剤層
と少なくとも1層の導電性媒体層(本実施の形態では、
1層の導電性フィラー層F1を上下に挟んで2層の絶縁
性接着剤層E1b,E1a)とが順次積層されているの
で、電子部品C1の部品電極D1と回路基板A1の基板
電極B1との電気的導通は上記導電性フィラーF1によ
って確保され、また、両者間の機械的な接続は絶縁性接
着剤E1b,E1aによって達成される。この場合、従
来の異方性導電性接着剤(ACP)や異方性導電性フィ
ルム(ACF)を用いる場合のように、絶縁性接着剤層
中に導電性フィラーを均一に分散させる必要は無いの
で、絶縁性接着剤層E1b,E1aの形成が極めて容易
である。しかも、導電性フィラーのサイズ(特に、直径
もしくは太さ)を均一に揃える必要も無いので、低コス
ト化が達成できる。また、この場合、導電性フィラー層
F1に含まれる導電性フィラーは、スプレー法により比
較的簡単に絶縁性接着剤層E1a(第1絶縁性接着剤
層)上に堆積される。
【0032】更に、本実施の形態では、前述の異方性導
電性フィルム(ACF)の場合のように、ACF貼り付
け機や加熱加圧ヘッド装着マウンタなどの高価な専用の
部品実装設備は不要であり、汎用の部品実装機を用いて
電子部品を回路基板上に搭載し汎用の加熱装置で加熱す
るだけで、電子部品C1の部品電極D1と回路基板A1
の基板電極B1との電気的導通および機械的接続が得ら
れる。すなわち、従来、異方性導電性フィルム或いは異
方性導電性接着剤を用いていた場合に比べて、低コスト
で且つ簡素な工程で電子部品を実装できるのである。
【0033】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。この第2の実施の形態は、回路基板の基板電
極を覆う積層体の積層構造が、上述の第1の実施の形態
と異なるものである。尚、以下の説明において、第1の
実施の形態における場合と同様の構成を備え同様の作用
をなすものについては、適宜、同一の符号を付してそれ
以上の説明は省略する。
【0034】図6は本第2の実施の形態に係る回路基板
の構成を模式的に示す縦断面説明図、図7はこの回路基
板上の基板電極を拡大して示す模式的な部分拡大縦断面
説明図である。図6から良く分かるように、上記回路基
板A2の支持基体A2s上には、第1の実施の形態にお
ける場合と同様の複数の基板電極B2がそれぞれ所定の
部位に設けられている。少なくとも各基板電極B2(本
実施の形態では、各基板電極B2及びその近傍の基板部
分)は、図7に示されるように、基板電極B2側から順
に、導電性フィラー層F2及び絶縁性接着剤層E2が順
次積層されてなる積層体で覆われている。
【0035】上記絶縁性接着剤層E2及び導電性フィラ
ー層F2並びに回路基板A2の構成は、第1の実施の形
態における場合と同様のものを採用することができる。
すなわち、上記絶縁性接着剤層E2は、例えば、エポキ
シ系バインダにアミン系硬化剤を混合させた絶縁性接着
剤で構成され、層の厚さは例えば約30μmにそれぞれ
設定されている。また、導電性フィラー層F2は、例え
ば、平均粒径が約7μmの銀粉を用いて、かさ厚みが約
20μmとなるように設定されている。尚、上記回路基
板A2の基体A2s(支持基体)としては、例えばガラ
スエポキシ基板を用いることができ、各基板電極B2
は、例えば銅箔で支持基体A2s上に導電性の回路パタ
ーンとして形成することができる。
【0036】上記回路基板A2は、第1の実施の形態に
おける場合と同様の手法(スプレー法:図3参照)を用
いて製造することができる。すなわち、回路基板A2を
基板ホルダ(不図示)に位置決め状態で保持させた上
で、開口部Mhを備えたメタルマスクMを、回路基板A
2の上方に対向配置し、各開口部Mhが各基板電極B2
及びその近傍の基板部分に対応するようにメタルマスク
Mを位置決めする。また、このメタルマスクMの上方に
スプレーノズルNを配置する。このスプレーノズルNに
は、導電性フィラーF2を充填しておく。
【0037】そして、まず、上記導電性フィラーF2を
スプレーノズルNのノズル口部Npから吐出させつつ、
該スプレーノズルNをメタルマスクMに沿って平行に所
定方向(図3における一点鎖線の矢印方向)へ移動さ
せ、回路基板A2上の各基板電極B2上及びその近傍の
基板部分上に導電性フィラー層F2を形成した後、スプ
レーノズルNを絶縁性接着剤E2を充填したものに交換
し、導電性フィラー層F2を形成した工程と同様な手順
で、この導電性フィラー層F2上に絶縁性接着剤層E2
を形成する。これにより、図6及び図7に示すような回
路基板A2が得られる。
【0038】尚、本実施の形態の場合には、導電性フィ
ラー層F2の形成時に、接着性樹脂成分を導電性フィラ
ーに混合してスプレー法を適用するようにしても良い。
あるいは、予め回路基板の表面に接着性樹脂層を形成し
ておくことにより、導電性フィラーのタッキング性を向
上させるようにしても良い。
【0039】以上のようにして製造した回路基板A2を
用いて、第1の実施の形態における場合と同様の手法で
電子部品の実装体を製作した(図4及び図5参照)。
尚、本実施の形態では、この電子部品C1として、例え
ば、3216サイズの0(ゼロ)オーム[Ω]のチップ
抵抗を用いた。基板電極B2に対して、当該基板電極B
2に接合されるべき部品電極D1を対応させ位置決めし
た上で、電子部品C1を上方から加圧することにより、
導電性フィラー層F2に比して硬度や粘度が低い絶縁性
接着剤層E2が部品電極D1と基板電極B2との間で側
方に押しのけられて、部品電極D1と導電性フィラー層
F2とが直接に接触するようになり、両電極間の導通が
得られる。このとき、絶縁性接着剤層E2が、部品電極
D1及び基体部Cy1の下部周縁ならびに導電性フィラ
ー層F2及び基板電極B2の周縁部を覆うようにして広
がる。
【0040】この後、例えば、約150℃に温度調整さ
れた熱風循環炉(不図示)内に上記電子部品C2を配置
した回路基板A2を配設し、約30分間の加熱によって
絶縁性接着剤層E2を硬化させることにより、この絶縁
性接着剤層E2によって電子部品C1の回路基板A2に
対する機械的な接合が得られ、電子部品C1の実装体が
完成する。
【0041】この第2の実施の形態によれば、基本的に
は、第1の実施の形態における場合と同様の作用効果が
得られる。特に、絶縁性接着剤層と導電性媒体層(導電
性フィラー層)とを順次積層するに際して、具体的に
は、基板電極B2側から順に、導電性フィラー層F2と
絶縁性接着剤層E2とを形成するようにしたことによ
り、電子部品の部品電極と回路基板の基板電極との電気
的導通は1層の導電性フィラーF2によって確保され、
また、両者間の機械的な接続は1層の絶縁性接着剤E2
によって(つまり、第1の実施の形態における場合より
も少ない層数で)達成される。
【0042】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。この第3の実施の形態は、回路基板の基板電
極を覆う積層体の積層構造が、上述の第1及び第2の実
施の形態と異なるものである。図8は本第3の実施の形
態に係る回路基板の構成を模式的に示す縦断面説明図、
図9はこの回路基板上の基板電極を拡大して示す模式的
な部分拡大縦断面説明図である。図8から良く分かるよ
うに、上記回路基板A3の支持基体A3s上には、第1
及び第2の実施の形態における場合と同様の複数の基板
電極B3がそれぞれ所定の部位に設けられている。少な
くとも各基板電極B3(本実施の形態では、各基板電極
B3及びその近傍の基板部分)は、図9に示されるよう
に、基板電極B3側から順に、絶縁性接着剤層E3及び
導電性フィラー層F3が順次積層されてなる積層体で覆
われている。
【0043】上記絶縁性接着剤層E3及び導電性フィラ
ー層F3並びに回路基板A3の構成は、第1の実施の形
態における場合と同様のものを採用することができる。
また、上記回路基板A3は、第1及び第2の実施の形態
における場合と同様の手法(スプレー法:図3参照)を
用いて製造することができる。すなわち、回路基板A3
を基板ホルダ(不図示)に位置決め状態で保持させた上
で、開口部Mhを備えたメタルマスクMを、回路基板A
3の上方に対向配置し、各開口部Mhが各基板電極B3
及びその近傍の基板部分に対応するようにメタルマスク
Mを位置決めする。また、このメタルマスクMの上方に
スプレーノズルNを配置する。このスプレーノズルNに
は、絶縁性接着剤E3を充填しておく。
【0044】そして、まず、上記絶縁性接着剤E3をス
プレーノズルNのノズル口部Npから吐出させつつ、該
スプレーノズルNをメタルマスクMに沿って平行に所定
方向(図3における一点鎖線の矢印方向)へ移動させ、
回路基板A3上の各基板電極B3上及びその近傍の基板
部分上に絶縁性接着剤E3を形成した後、スプレーノズ
ルNを導電性フィラーF3を充填したものに交換し、絶
縁性接着剤層E3を形成した工程と同様な手順で、この
絶縁性接着剤E3上に導電性フィラー層F3を形成す
る。これにより、図8及び図9に示すような回路基板A
3が得られる。尚、本実施の形態の場合には、導電性フ
ィラー層F2の形成時に、接着性樹脂成分を導電性フィ
ラーに混合してスプレー法を適用するようにしても良
い。
【0045】以上のようにして製造した回路基板A3を
用いて、第1及び第2の実施の形態における場合と同様
の手法で電子部品の実装体を製作した(図4及び図5参
照)。尚、本実施の形態では、この電子部品C1とし
て、例えば、3216サイズの0(ゼロ)オーム[Ω]
のチップ抵抗を用いた。基板電極B3に対して、当該基
板電極B3に接合されるべき部品電極D1を対応させ位
置決めした上で、電子部品C1を上方から加圧すること
により、導電性フィラー層F3に比して硬度や粘度が低
い絶縁性接着剤層E3が部品電極D1と基板電極B3と
の間で側方に押しのけられて、基板電極B3と導電性フ
ィラー層F3とが直接に接触するようになり、両電極間
の導通が得られる。このとき、絶縁性接着剤層E3が、
部品電極D1及び基体部Cy1の下部周縁ならびに導電
性フィラー層F3及び基板電極B3の周縁部を覆うよう
にして広がる。
【0046】この後、例えば、約150℃に温度調整さ
れた熱風循環炉(不図示)内に上記電子部品C1を配置
した回路基板A3を配設し、約30分間の加熱によって
絶縁性接着剤層E3を硬化させることにより、この絶縁
性接着剤層E3によって電子部品C1の回路基板A3に
対する機械的な接合が得られ、電子部品C1の実装体が
完成する。
【0047】この第3の実施の形態によれば、基本的に
は、第1の実施の形態における場合と同様の作用効果が
得られる。特に、絶縁性接着剤層と導電性媒体層(導電
性フィラー層)とを順次積層するに際して、具体的に
は、基板電極B2側から順に、絶縁性接着剤層E3と導
電性フィラー層F3とを形成するようにしたことによ
り、電子部品C1の部品電極D1と回路基板A3の基板
電極B3との電気的導通は1層の導電性フィラーF3に
よって確保され、また、両者間の機械的な接続は1層の
絶縁性接着剤E3によって(つまり、第1の実施の形態
における場合よりも少ない層数で)達成される。
【0048】尚、以上の実施の形態では、導電性フィラ
ーには銀粉を用いたが、この導電性フィラーの形状は、
例えば繊維状あるいは樹枝形状のものを用いても良い。
また、導電性フィラーの材質は銀に限られるものではな
く、例えば、金,銅,パラジウム或いはタングステン等
の各種金属およびその合金、更には、カーボンなども用
いることが可能である。
【0049】また、回路基板上に形成する絶縁性接着剤
層は半硬化状態(所謂、Bステージ状態)であっても良
い。この場合には、絶縁性接着剤層が半硬化状態(所
謂、Bステージ状態)であることにより、回路基板の基
板電極上に電子部品の部品電極を位置決めして搭載した
後に行われる絶縁性接着剤層の硬化工程を簡略化するこ
とが可能になる。
【0050】更に、導電性フィラー層の形成において
は、導電性フィラーと接着性樹脂成分とを同時にスプレ
ーで形成してもよい。この場合には、例えば接着性樹脂
成分に溶剤を混合することにより、スプレーし易いよう
に粘度を調整することが、好ましい。
【0051】このように、本発明は、以上の実施態様に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて、種々の改良あるいは変更を加えることができる
ものであることは言うまでも無い。
【0052】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明によれば、回
路基板の支持基体の少なくとも所定の基板電極(電子部
品の電極が接合されるべき基板電極)上に、少なくとも
1層の絶縁性接着剤層と少なくとも1層の導電性媒体層
とが順次積層されているので、電子部品の電極と回路基
板の基板電極との電気的導通は導電性媒体によって確保
され、また、両者間の機械的な接続は絶縁性接着剤によ
って達成される。この場合、従来の異方性導電性接着剤
(ACP)や異方性導電性フィルム(ACF)を用いる
場合のように、絶縁性接着剤層中に導電性フィラーを均
一に分散させる必要は無いので、絶縁性接着剤層の形成
が極めて容易である。しかも、導電性フィラーのサイズ
(特に、直径もしくは太さ)を均一に揃える必要も無い
ので、低コスト化が達成できる。更に、前述の異方性導
電性フィルム(ACF)の場合のように、ACF貼り付
け機や加熱加圧ヘッド装着マウンタなどの高価な専用の
部品実装設備は不要であり、汎用の部品実装機を用いて
電子部品を回路基板上に搭載し汎用の加熱装置で加熱す
るだけで、電子部品の電極と回路基板の基板電極との電
気的導通および機械的接続が得られる。すなわち、従
来、異方性導電性フィルム或いは異方性導電性接着剤を
用いていた場合に比べて、低コストで且つ簡素な工程で
電子部品を実装できる。
【0053】また、本願の請求項2に係る発明によれ
ば、請求項1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、絶縁性接着剤層と導電性媒体層とを順次積層
するに際して、具体的には、基板電極側から順に、1)
絶縁性接着剤層と、2)導電性媒体層と、3)絶縁性接
着剤層と、を形成するようにしたことにより、電子部品
の電極と回路基板の基板電極との電気的導通は1層の導
電性媒体によって確保され、また、両者間の機械的な接
続は2層にわたって形成された絶縁性接着剤によって達
成される。
【0054】更に、本願の請求項3に係る発明によれ
ば、請求項1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、絶縁性接着剤層と導電性媒体層とを順次積層
するに際して、具体的には、基板電極側から順に、1)
導電性媒体層と、2)絶縁性接着剤層と、を形成するよ
うにしたことにより、電子部品の電極と回路基板の基板
電極との電気的導通は1層の導電性媒体によって確保さ
れ、また、両者間の機械的な接続は1層の絶縁性接着剤
によって達成される。
【0055】また更に、本願の請求項4に係る発明によ
れば、請求項1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、絶縁性接着剤層と導電性媒体層とを順次積層
するに際して、具体的には、基板電極側から順に、1)
絶縁性接着剤層と、2)導電性媒体層と、を形成するよ
うにしたことにより、電子部品の電極と回路基板の基板
電極との電気的導通は1層の導電性媒体によって確保さ
れ、また、両者間の機械的な接続は1層の絶縁性接着剤
によって達成される。
【0056】また更に、本願の請求項5に係る発明によ
れば、請求項1〜4の発明のいずれか一と同様の効果を
奏することができる。特に、上記絶縁性接着剤層は半硬
化状態(所謂、Bステージ状態)であることにより、回
路基板の基板電極上に電子部品の部品電極を位置決めし
て搭載した後に行われる絶縁性接着剤層の硬化工程を簡
略化することが可能になる。
【0057】また更に、本願の請求項6に係る発明によ
れば、請求項1〜5の発明のいずれか一と同様の効果を
奏することができる。特に、上記導電性媒体層は導電性
粉末および導電性繊維鱗の少なくともいずれか一方を導
電性フィラーとして含んでおり、また、特に、該導電性
媒体層は回路基板と平行または略平行な面内方向には電
気的に絶縁性であることにより、隣り合う部品電極と基
板電極との接合部との距離が比較的短い場合でも、隣り
合う接合部との間でショートが生じることを確実に防止
することができる。
【0058】また、本願の請求項7の発明に係る回路基
板の製造方法によれば、回路基板の支持基体の少なくと
も所定の基板電極(電子部品の電極が接合されるべき基
板電極)上に、電子部品の電極と回路基板の基板電極と
の電気的導通を確保するための導電性媒体と、両者間の
機械的な接続を達成するための絶縁性接着剤とが順次積
層される。従って、従来の異方性導電性接着剤(AC
P)や異方性導電性フィルム(ACF)を用いる場合の
ように、絶縁性接着剤層中に導電性フィラーを均一に分
散させる必要は無いので、絶縁性接着剤層の形成が極め
て容易である。しかも、導電性フィラーのサイズ(特
に、直径もしくは太さ)を均一に揃える必要も無いの
で、低コスト化が達成できる。この場合、導電性媒体層
に含まれる導電性フィラーは、スプレー法により比較的
簡単に絶縁性接着剤層または上記基板電極上に堆積され
る。更に、こうして得られた回路基板を用いた場合、前
述の異方性導電性フィルム(ACF)の場合のように、
ACF貼り付け機や加熱加圧ヘッド装着マウンタなどの
高価な専用の部品実装設備は不要であり、汎用の部品実
装機を用いて電子部品を回路基板上に搭載し汎用の加熱
装置で加熱するだけで、電子部品の電極と回路基板の基
板電極との電気的導通および機械的接続が得られる。す
なわち、従来、異方性導電性フィルム或いは異方性導電
性接着剤を用いていた場合に比べて、低コストで且つ簡
素な工程で電子部品を実装できる。
【0059】更に、本願の請求項8に係る発明によれ
ば、実装体に用いる回路基板について請求項1〜6の発
明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。そ
の上、電子部品の電極と回路基板の基板電極との接続部
には、導電性媒体層の導電性フィラーが接続部の厚み方
向に2個以上(つまり、複数個数)介在しており、これ
らが互いに接触あるいは部分的に融合して上記接続部の
厚み方向に連結されていることにより、例えば、回路基
板と電子部品との熱膨脹差に基づく歪が生じて両者の電
極間の間隔が大きくなった場合でも、導電性フィラーと
各電極間との電気的接続状態が確保し易くなる。すなわ
ち、従来の異方性導電性フィルム(ACF)或いは異方
性導電性接着剤(ACP)を用いた場合のように、通
常、1個の導電性フィラーが接続部の厚み方向に介在し
て部品と基板との導通が確保される場合に比べて、電子
部品の電極と回路基板の基板電極との間の電気的な導通
を確保する上で、より信頼性の高い接続構造が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る回路基板を
模式的に示す断面説明図である。
【図2】 上記回路基板の基板電極が積層体で覆われた
状態を模式的に示す部分拡大断面説明図である。
【図3】 上記回路基板の基板電極上への積層体の形成
方法を模式的に示す断面説明図である。
【図4】 上記回路基板の基板電極上に電子部品が実装
された状態を模式的に示す断面説明図である。
【図5】 上記電子部品の回路基板への接合部分を模式
的に示す部分拡大断面説明図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に係る回路基板を
模式的に示す断面説明図である。
【図7】 上記第2の実施の形態に係る回路基板の基板
電極が積層体で覆われた状態を模式的に示す部分拡大断
面説明図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態に係る回路基板を
模式的に示す断面説明図である。
【図9】 上記第3の実施の形態に係る回路基板の基板
電極が積層体で覆われた状態を模式的に示す部分拡大断
面説明図である。
【図10】 異方性導電性フィルムを用いた従来例に係
る電子部品の実装体の要部(電子部品の回路基板への接
合部分)を模式的に示す拡大断面説明図である。
【符号の説明】
A1,A2,A3…回路基板 A1s,A2s,A3s…回路基板の支持基体 B1,B2,B3…基板電極 C1…電子部品 D1…部品電極 E1,E1a,E1b,E2,E3…絶縁性接着剤層 F1,F2,F3…導電性フィラー層
フロントページの続き (72)発明者 石丸 幸宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 北江 孝史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E319 AC14 BB11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品の電極が接合されるべき所定の
    基板電極が支持基体上の所定部位に設けられた回路基板
    であって、 上記支持基体の少なくとも上記所定の基板電極上に、少
    なくとも1層の絶縁性接着剤層と少なくとも1層の導電
    性媒体層とが順次積層されていることを特徴とする回路
    基板。
  2. 【請求項2】 上記支持基体の少なくとも上記所定の基
    板電極上に、該基板電極側から順に、 1)絶縁性接着剤層、 2)導電性媒体層、 3)絶縁性接着剤層、 が形成されていることを特徴とする請求項1記載の回路
    基板。
  3. 【請求項3】 上記支持基体の少なくとも上記所定の基
    板電極上に、該基板電極側から順に、 1)導電性媒体層、 2)絶縁性接着剤層、 が形成されていることを特徴とする請求項1記載の回路
    基板。
  4. 【請求項4】 上記支持基体の少なくとも上記所定の基
    板電極上に、該基板電極側から順に、 1)絶縁性接着剤層、 2)導電性媒体層、 が形成されていることを特徴とする請求項1記載の回路
    基板。
  5. 【請求項5】 上記絶縁性接着剤層は半硬化状態である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記
    載の回路基板。
  6. 【請求項6】 上記導電性媒体層は導電性粉末および導
    電性繊維鱗の少なくともいずれか一方を導電性フィラー
    として含んでおり、該導電性媒体層は回路基板と平行ま
    たは略平行な面内方向には電気的に絶縁性であることを
    特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の回
    路基板。
  7. 【請求項7】 電子部品の電極が接合されるべき所定の
    基板電極が支持基体上の所定部位に設けられた回路基板
    の製造方法であって、 上記支持基体の少なくとも上記所定の基板電極上に、少
    なくとも1層の絶縁性接着剤層と少なくとも1層の導電
    性媒体層とを積層状態に順次形成し、 上記導電性媒体層を形成する際に、該導電性媒体層に含
    まれる導電性フィラーが、スプレー法により上記絶縁性
    接着剤層または上記基板電極上に堆積される、ことを特
    徴とする回路基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6のいずれか一に記載
    の回路基板を用いた電子部品の実装体であって、 上記電子部品の電極と上記回路基板の基板電極との接続
    部においては、上記導電性媒体層の導電性フィラーが上
    記接続部の厚み方向に2個以上介在しており、これら導
    電性フィラーが互いに接触あるいは部分的に融合して上
    記接続部の厚み方向に連結した構造であることを特徴と
    する電子部品の実装体。
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