JP2002124711A - ジョセフソン素子のバリア層評価方法 - Google Patents

ジョセフソン素子のバリア層評価方法

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JP2002124711A
JP2002124711A JP2000313327A JP2000313327A JP2002124711A JP 2002124711 A JP2002124711 A JP 2002124711A JP 2000313327 A JP2000313327 A JP 2000313327A JP 2000313327 A JP2000313327 A JP 2000313327A JP 2002124711 A JP2002124711 A JP 2002124711A
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film
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superconductor film
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JP2000313327A
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English (en)
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Yoshiyasu Ishimaru
喜康 石丸
Osami Horibe
修身 堀辺
Yoshinobu Taruya
良信 樽谷
Keiichi Tanabe
圭一 田辺
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International Superconductivity Technology Center
Fujitsu Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
International Superconductivity Technology Center
Fujitsu Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IEJ法によって作製される酸化物超電導体
ジョセフソン素子の特性の均一化を可能とするジョセフ
ソン素子のバリア層評価方法を提供する。 【解決手段】 ランプエッジ型ジョセフソン素子又は積
層型ジョセフソン素子を作製する際に、超電導体膜21
を有する検査用基板20を用意し、この検査用基板20
を素子形成用基板の近傍に配置して、これらの基板に同
時にアモルファス層形成工程及びアニール工程を実施し
て、バリア層22を形成する。そして、検査用基板22
のバリア層の結晶性をRHEED又はLEEDによって
調べ、その結果によって素子作製用基板のバリア層の結
晶性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IEJ(Interfac
e Engineered Junction )法によって作製される酸化物
超電導体ジョセフソン素子のバリア層評価方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、酸化物超電導体を用いたジョ
セフソン素子として、種々の構造のものが作製されてい
る。これらの多くはMgO,SrTiO3 又はLSAT
(LaSrAlTaOx )などの酸化物単結晶基板の上
に酸化物超電導体薄膜を堆積して形成され、ランプエッ
ジ接合又は積層接合などのジョセフソン効果を示す接合
(ジョセフソン接合)を実現している。
【0003】ランプエッジ接合及び積層接合では、2つ
の超電導体薄膜の間に極めて薄いバリア層(トンネル障
壁層)を形成する。図14は従来のランプエッジ型ジョ
セフソン素子の作製方法を示す断面図である。この種の
ジョセフソン素子では、基板50上に下部超電導体膜5
1及び絶縁膜52を形成し、これらを斜め方向からエッ
チング(イオンミリング)して傾斜面を形成している。
そして、この傾斜面の上にバリア層53として絶縁膜又
は常電導膜(金属膜)を形成し、このバリア層53を挟
んで下部超電導体膜51の反対側に上部超電導体膜54
を形成している。
【0004】上記の方法では、バリア層53として極め
て薄い絶縁膜又は金属膜を成膜する必要があり、超電導
電流密度等の特性のばらつきの原因となっている。絶縁
膜や金属膜を成膜することなくバリア層を形成する方法
としてIEJ(Interface Engineered Junction )法が
知られている(Appl. Phys. Lett.71(1997) 2526)。
図15は、IEJ法によるジョセフソン素子の作製方法
を示す断面図である。なお、図15において、図14と
同一物には同一符号を付して、その詳しい説明は省略す
る。
【0005】IEJ法では、下部超電導体膜51をイオ
ンミリングして傾斜面を形成した後、イオン照射処理
(イオンミリング処理)又はECRプラズマ処理を施し
て傾斜面にダメージを与える。ダメージが与えられた部
分はアモルファス状態になり、その後のアニール処理で
再結晶化してバリア層55となる。このようにして、バ
リア層55を形成した後、上部超電導体膜54を形成す
ることにより、ジョセフソン素子が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、上述し
た従来技術には以下に示す問題点があると考えている。
図15に示すジョセフソン素子は、図14に示すジョセ
フソン素子に比べれば特性の均一性はよいものの、未だ
十分とはいえない。特に、製造ロット間での特性のばら
つきをより一層小さくする必要がある。
【0007】従来は、アニール処理時の条件や、上部超
電導体膜形成時の基板温度を厳密に制御してバリア層の
再現性を確保しようとしているが、それだけでは満足で
きる結果は得られていない。以上から、本発明の目的
は、IEJ法によって作製される酸化物超電導体ジョセ
フソン素子の特性の均一化を可能とするジョセフソン素
子のバリア層評価方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、超電導
体膜を有する基板を用意し、前記超電導体膜にダメージ
を与えて表面にアモルファス層を形成し、その後アニー
ル処理を施し前記アモルファス層を再結晶化してバリア
層を形成し、該バリア層の結晶性をRHEED(反射高
速電子線回折)又はLEED(低速電子線回折)によっ
て調べ、その結果によってジョセフソン素子のバリア層
の結晶性を評価することを特徴とするジョセフソン素子
のバリア層評価方法により解決する。
【0009】例えば、ランプエッジ型ジョセフソン素子
又は積層型ジョセフソン素子を作製する際に、超電導体
膜を有する検査用基板を用意し、この検査用基板を素子
形成用基板の近傍に配置して、これらの基板に同時にア
モルファス層形成工程及びアニール工程を実施して、バ
リア層を形成する。そして、検査用基板のバリア層の結
晶性をRHEED(Reflective High Energy Electron
Diffraction :反射高速電子線回折)又はLEED(Lo
w Energy Electron Diffraction :低速電子線回折)に
よって調べ、その結果によって素子作製用基板のバリア
層の結晶性を評価する。
【0010】従来は、アニール処理時の条件や上部超電
導体膜形成時の基板温度を厳密に制御してバリア層の再
現性を確保しようとしていたが、ジョセフソン素子の特
性のばらつきを十分に小さくすることはできない。本願
発明者らは、IEJ法では、酸化物超電導体膜の組成、
イオン照射処理又はECRプラズマ処理時の条件、アニ
ール条件、及び上部超電導体膜形成時の基板温度等によ
りバリア層の結晶性が大きく変化するとの観点から、バ
リア層の結晶性を直接的に調べる必要があると考えた。
そして、種々実験検討を行った結果、酸化物超電導体ジ
ョセフソン素子のバリア層の結晶性の評価には、RHE
ED又はLEEDが最適であるとの知見を得た。
【0011】しかし、ランプエッジ型ジョセフソン素子
では、バリア層は極めて微細であるため、ジョセフソン
素子のバリア層の結晶性を直接RHEED又はLEED
によって調べることは困難である。そこで、本発明にお
いては、上記したように超電導体膜を有する検査用基板
を用意しておき、この検査用基板を素子作製用基板の近
傍に配置しアモルファス層形成工程及びアニール工程を
実施して、バリア層を形成する。そして、この検査用基
板の上のバリア層の結晶性をRHEED又はLEEDで
調べ、その結果を基にジョセフソン素子のバリア層の結
晶性を評価する。
【0012】これにより、ジョセフソン素子のバリア層
の結晶性をより正確に評価することが可能になり、特性
の均一化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)以下、本発明の第1の実施の形態
について説明する。本実施の形態では、超電導体膜を有
する検査用基板を用意し、ジョセフソン素子作製用基板
(以下、単に「素子作製用基板」という)とともにアモ
ルファス層形成処理(イオン照射処理又はECRプラズ
マ処理等)及びアニール処理を施してバリア層を形成
し、そのバリア層の構造をRHEEDによって調べ、そ
の結果を素子作製工程にフィードバックすることによっ
て、バリア層の再現性を確保し、ジョセフソン素子の特
性の均一化を図るものである。
【0014】まず、ジョセフソン素子の作製方法につい
て説明する。図1,図2はランプエッジ型ジョセフソン
素子の作製方法を示す断面図である。図1(a)に示す
ように、素子作製用基板であるLSAT基板10の上
に、レーザーアブレーション法によってc軸配向のYB
CO(YBa2 Cu3 7-x )からなる下部超電導体膜
11を約200nmの厚さに形成する。このとき、例え
ば成膜時の雰囲気は酸素雰囲気とし、圧力は約400mT
orr 、基板温度は約780℃とする。
【0015】次に、下部超電導体膜11の上に、レーザ
ーアブレーション法によってLSATからなる層間絶縁
膜膜12を約500nmの厚さに形成する。このとき、
例えば成膜時の雰囲気は酸素雰囲気とし、圧力は約10
0mTorr 、基板温度は約780℃とする。次に、図1
(b)に示すように、フォトレジスト法により層間絶縁
膜12の上に所定のパターンでフォトレジスト膜13を
形成する。そして、このフォトレジスト膜13をマスク
にして斜め方向からArイオンを照射し、層間絶縁膜1
2及び下部超電導体膜11をイオンミリング(エッチン
グ)して傾斜面を形成する。その後、アッシングにより
フォトレジスト膜13を除去する。
【0016】次に、図1(c)に示すように、下部超電
導体膜11の傾斜面にアモルファス層11aを形成す
る。すなわち、素子作製用基板10に対し、ECRプラ
ズマ処理を施して、下部超電導体膜11の傾斜面にダメ
ージを与える。これにより、下部超電導体膜11の傾斜
面の結晶性が破壊されて、アモルファス層11aが形成
される。なお、ECRプラズマ処理に替えて、イオンを
照射するイオン照射処理を行ってもよい。また、傾斜面
に与えるダメージの大きさは、イオン照射の場合は加速
電圧、ECRプラズマ処理の場合は酸素とArとの比率
を変化させることにより調整することができる。
【0017】次に、素子作製用基板10をアニール処理
してアモルファス層11aを再結晶化し、図2(a)に
示すようにバリア層14を形成する。このときのアニー
ル温度は、例えば650〜700℃の温度範囲内で適宜
設定する。次に、図2(b)に示すように、素子作製用
基板10の上側全面に、レーザーアブレーション法によ
ってc軸配向のYBCOからなる上部超電導体膜15を
約200nmの厚さに形成する。
【0018】次いで、図2(c)に示すように、フォト
リソグラフィにより上部超電導体膜15を所定の形状に
パターニングする。このようにして、ランプエッジ型酸
化物超電導体ジョセフソン素子が形成される。次に、検
査用基板の製造方法について、図3の断面図を参照して
説明する。まず、図3に示すように、LSAT基板20
の上に、レーザーアブレーション法によってa軸配向の
YBCOからなる超電導体膜(検査用超電導体膜)21
を約200nmの厚さに形成する。このとき、例えば成
膜時の雰囲気は酸素雰囲気とし、圧力は約200mTorr
、基板温度は約580℃とする。このような条件で成
膜することによって、a軸配向YBCO膜が得られるこ
とがX線回折パターンで確認されている。また、このY
BCOからなる超電導体膜膜21のRHEEDパターン
を調べたところ、図6に示すようにa軸配向に特有な3
倍周期パターンであった。
【0019】本実施の形態では、上述のようにして形成
した検査用基板20を、図1(c),図2(a)に示す
工程で素子作製用基板10の近傍に配置し、同時にEC
Rプラズマ処理(又は、イオン照射処理)して表面にア
モルファス層を形成した後、更に素子作製用基板10と
同時にアニール処理を施して、超電導体膜21の表面に
バリア層(検査用バリア層)を形成する。例えば図4の
模式図に示すように、同一のホルダ30に素子作製用基
板10と検査用基板20とを相互に近接して配置し、E
CRプラズマ処理及びアニール処理を施して、検査用基
板20の上にもバリア層を形成する。
【0020】その後、検査用基板20のバリア層の結晶
性をRHEEDによって調べ、その結果から素子作製用
基板10上のバリア層の結晶性を評価する。図5はRH
EEDによる結晶性の検査方法を示す模式図である。R
HEEDでは、真空中で電子源31から放出された20
keV程度の高速電子を、超電導体膜21の表面のバリ
ア層22に浅い角度で照射し、スクリーン32に投影さ
れた回折パターンによってバリア層22の表面の結晶性
を調べる。
【0021】例えば、検査用基板20の上に、上記の条
件でYBCOからなる超電導体膜21を形成し、この超
電導体膜21に高速電子線を照射してRHEEDパター
ンを調べると、図6に示すようなa軸配向に特有の3倍
周期パターンが観測される。また、この超電導体膜21
にイオン照射処理又はECRプラズマ処理を施してダメ
ージを与えた後、RHEEDパターンを調べると、アモ
ルファスに固有のハローパターンが観測される。
【0022】本願発明者らの実験では、YBCO膜の表
面に700Vの電圧で加速したArイオンを照射してア
モルファス層を形成し、その後700℃の温度でアニー
ルしたときは、図8に示すような、a軸配向に特有な3
倍周期パターンが復活した。またYBCO膜の表面に5
00Vの電圧で加速したArイオンを照射してアモルフ
ァス層を形成し、その後660℃の温度でアニールした
ときは、a軸配向に特有の3倍周期パターンは現れず、
図7に示すようなパターンが現れた。この図7に示すよ
うなパターンを示す層は、アモルファス層が改質してで
きた層であり、ジョセフソン素子のIEJバリア層とし
て機能することが判明している。従って、このようなパ
ターンが現れるような条件でECRプラズマ処理(又
は、イオン照射処理)及びアニール処理時の条件を決め
ればよい。
【0023】本実施の形態では、上述したように、素子
作製用基板10の近傍に、a軸配向のYBCO超電導体
膜を有する検査用基板20を配置して、ECRプラズマ
処理(又は、イオン照射処理)及びアニール処理を施
し、その後、検査用基板のバリア層の構造をRHEED
によって調べ、その結果により検査用基板のバリア層を
評価する。従って、本実施の形態では、バリア層の結晶
性をより正確に評価することが可能であり、その結果を
ジョセフソン素子の作製工程にフィードバックすること
によって、超電導電流密度等の特性のばらつきが少ない
ジョセフソン素子の作製が可能になる。
【0024】以下、検査用基板20に形成する超電導体
膜21をa軸配向とした理由について説明する。Cu酸
化物を含む超電導体膜ではCuO2 面の層状構造が重要
である。素子作製用基板10に形成する下部超電導体膜
11のバリア層14では、図9(a)に示すようにCu
2 面に交差する。仮に、検査用基板20の超電導体膜
21をc軸配向とすると、超電導体膜21の表面のバリ
ア層がCuO2 面と平行になり、ジョセフソン素子のバ
リア層14と異なった構造となる。しかし、a軸配向の
超電導体膜では、図9(b)に示すように、バリア層2
2がCuO2 面に対し交差した構造となり、ジョセフソ
ン素子のバリア層14と略同一の構造となる。従って、
検査用基板20の超電導体膜21は、a軸配向であるこ
とが好ましい。
【0025】上記の実施の形態ではRHEEDによる回
折パターンによりバリア層の結晶性を評価する場合につ
いて説明したが、LEED(低速電子線回折)による回
折パターンによってバリア層の結晶性を評価してもよ
い。図10はLEED法による結晶性の検査方法を示す
模式図である。LEED法では、真空中で、電子源35
から放出された数10〜数100eVのエネルギーの電
子をバリア層に対し垂直方向から照射し、スクリーン3
6に投影されたパターンによってバリア層の表面の原子
の配列を調べる。
【0026】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発
明を積層型ジョセフソン素子の作製方法に適用した例を
示している。まず、積層型ジョセフソン素子の作製方法
について説明する。図11〜図13は積層型ジョセフソ
ン素子の作製方法を示す断面図である。
【0027】図11(a)に示すように、素子作製用基
板であるLSAT基板40の上に、レーザーアブレーシ
ョン法によってc軸配向のYBCOからなる下部超電導
体膜41を約200nmの厚さに形成する。このとき、
例えば成膜時の雰囲気は酸素雰囲気とし、圧力は約40
0mTorr 、基板温度は約700℃とする。次に、図11
(b)に示すように、下部超電導体膜41の表面にアモ
ルファス層41aを形成する。すなわち、素子作製用基
板40に対しECRプラズマ処理(又は、イオン照射処
理)を施して、下部超電導体膜41の表面にダメージを
与える。これにより、下部超電導体膜41の表面の結晶
性が破壊されて、アモルファス層41aが形成される。
【0028】次に、所定の温度でアニールしてアモルフ
ァス層41aを再結晶化し、図11(c)に示すように
バリア層42を形成する。このときのアニール温度は、
例えば650〜700℃の範囲内で適宜設定する。次
に、図12(a)に示すように、素子作製用基板40の
上側全面に、レーザーアブレーション法によってc軸配
向のYBCOからなる上部超電導体膜43を約100n
mの厚さに形成する。
【0029】その後、図12(b)に示すように、上部
超電導体膜43の上にフォトレジスト膜44を選択的に
形成する。そして、Arイオンによって下部超電導体膜
41の途中までイオンミリングして、メサ構造を作製す
る。その後、レジスト44を除去する。次に、図12
(c)に示すように、レーザーアブレーション法によっ
て素子作製用基板40の上側全面にLSATからなる層
間絶縁膜45を約300nmの厚さに形成する。その
後、フォトリソグラフィによって、図13(a)に示す
ように層間絶縁膜45に上部超電導体膜43に到達する
コンタクトホール45aを形成する。
【0030】次いで、スパッタ法又は蒸着法によって素
子作製用基板40の上側全面にAu(金)を約150n
mの厚さに形成した後、パターニングして、図13
(b)に示すようにAu電極46を形成する。これによ
り、積層型酸化物高温超電導体ジョセフソン素子が完成
する。本実施の形態では、図3に示す検査用基板20
を、図11(a),(b)に示す工程で素子作製用基板
40の近傍に配置し、同時にECRプラズマ処理(又
は、イオン照射処理)して表面にアモルファス層を形成
した後、更にアニール処理して、超電導体膜21の表面
にバリア層を形成する。
【0031】その後、第1の実施の形態と同様に、RH
EED又はLEEDによって検査用基板のバリア層の結
晶性を調べ、その結果から素子作製用基板40上のバリ
ア層42の結晶性を評価する。本実施の形態において
も、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。なお、
上記の第2の実施の形態では,検査用基板の上にバリア
層を形成し、該バリア層の結晶性をRHEED又はLE
EDによって調べる場合について説明したが、素子作製
用基板40の上のバリア層42の結晶性をRHEED又
はLEEDにより調べて、ジョセフソン素子のバリア層
の結晶性を評価してもよい。
【0032】また、上記の第1及び第2の実施の形態で
は超電導体膜がいずれもYBCOにより形成されている
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではない。例えば、超電導体膜をNBCO(NdBa
CuO7-x )又はその他の酸化物超電導体材料で形成し
た場合にも、本発明を適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
超電導体膜を有する基板を用意し、この超電導体膜にダ
メージを与えて表面にアモルファス層を形成し、その後
アニール処理を施しアモルファス層を再結晶化してバリ
ア層を形成し、該バリア層の結晶性をRHEED又はL
EEDによって調べ、その結果によってジョセフソン素
子のバリア層の結晶性を評価する。このように本発明に
おいては、バリア層の結晶性を直接的に調べるので、単
にアニール処理時の条件や上部超電導体膜形成時の基板
温度を管理していた従来方法に比べ、バリア層の結晶性
をより正確に評価することができる。これにより、超電
導電流密度等の特性が均一なジョセフソン素子の作製が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はランプエッジ型ジョセフソン素子の作製
方法を示す断面図(その1)である。
【図2】図2はランプエッジ型ジョセフソン素子の作製
方法を示す断面図(その2)である。
【図3】図3は検査用基板の製造方法を示す断面図であ
る。
【図4】図4は素子作製用基板の近傍に配置された検査
用基板を示す模式図である。
【図5】図5はRHEEDによる結晶性の検査方法を示
す模式図である。
【図6】図6はa軸配向に特有の3倍周期パターンを示
す図である。
【図7】図7はジョセフソン素子に適したバリア層のR
HEEDパターンを示す図である。
【図8】図8は高温のアニールで復活したa軸配向に特
有な3倍周期パターンを示す図である。
【図9】図9(a)は素子作製用基板のc軸配向した下
部超電導体膜のCuO2 面を示す模式図、図9(b)は
検査用基板のa軸配向した超電導体膜のCuO2 面を示
す模式図である。
【図10】図10はLEED法による結晶性の検査方法
を示す模式図である。
【図11】図11は積層型ジョセフソン素子の作製方法
を示す断面図(その1)である。
【図12】図12は積層型ジョセフソン素子の作製方法
を示す断面図(その2)である。
【図13】図13は積層型ジョセフソン素子の作製方法
を示す断面図(その3)である。
【図14】図14は従来のランプエッジ型ジョセフソン
素子の作製方法を示す断面図である。
【図15】図15はIEJ法によるジョセフソン素子の
作製方法を示す断面図である。
【符号の説明】
10,40…LSAT基板(素子作製用基板)、 11,41,51…下部超電導体膜、 11a,41a…アモルファス層、 12,45,52…層間絶縁膜、 13,44…フォトレジスト膜、 14,42,53…バリア層、 15,43,54,55…上部超電導体膜、 20…LSAT基板(検査用基板)、 21…超電導体膜(検査用超電導体膜)、 22…バリア層(検査用バリア層)、 31,35…電子源、 32,36…スクリーン、 46…Au電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石丸 喜康 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団法 人国際超電導産業技術研究センター超電導 工学研究所内 (72)発明者 堀辺 修身 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団法 人国際超電導産業技術研究センター超電導 工学研究所内 (72)発明者 樽谷 良信 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団法 人国際超電導産業技術研究センター超電導 工学研究所内 (72)発明者 田辺 圭一 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団法 人国際超電導産業技術研究センター超電導 工学研究所内 Fターム(参考) 2G001 AA03 BA14 BA18 CA03 JA12 KA08 MA05 RA03 RA04 4M113 AA06 AA16 AA25 AA37 AD36 AD67 AD68 BA04 BA29 BB07 BC04 BC08 CA34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導体膜を有する基板を用意し、前記
    超電導体膜にダメージを与えて表面にアモルファス層を
    形成し、その後アニール処理を施し前記アモルファス層
    を再結晶化してバリア層を形成し、該バリア層の結晶性
    をRHEED(反射高速電子線回折)又はLEED(低
    速電子線回折)によって調べ、その結果によってジョセ
    フソン素子のバリア層の結晶性を評価することを特徴と
    するジョセフソン素子のバリア層評価方法。
  2. 【請求項2】 素子作製用基板上に下部超電導体膜を形
    成する工程と、前記下部超電導体膜の上に層間絶縁膜を
    形成する工程と、前記下部超電導体膜及び前記層間絶縁
    膜に傾斜面を形成する工程と、前記下部超電導体膜の傾
    斜面にダメージを与えてアモルファス層を形成するアモ
    ルファス層形成工程と、前記アモルファス層をアニール
    し再結晶化してバリア層を形成するアニール工程と、前
    記バリア層の上に上部超電導体膜を形成する工程とを経
    て作製されるランプエッジ型ジョセフソン素子のバリア
    層評価方法において、 検査用超電導体膜を用意し、前記アモルファス形成工程
    で前記検査用超電導体膜にダメージを与えて前記検査用
    超電導体膜の表面にアモルファス層を形成し、 前記アニール工程で前記検査用超電導体膜の表面のアモ
    ルファス層を再結晶化して検査用バリア層を形成した
    後、 前記検査用バリア層の結晶性をRHEED(反射高速電
    子線回折)又はLEED(低速電子線回折)によって調
    べ、その結果によって前記ランプエッジ型ジョセフソン
    素子のバリア層の結晶性を評価することを特徴とするジ
    ョセフソン素子のバリア層評価方法。
  3. 【請求項3】 素子作製用基板上に下部超電導体膜を形
    成する工程と、前記下部超電導体膜の表面にダメージを
    与えてアモルファス層を形成するアモルファス層形成工
    程と、前記アモルファス層をアニールし再結晶化してバ
    リア層を形成するアニール工程と、前記バリア層の上に
    上部超電導体膜を形成する工程と、前記上部超電導体
    膜、前記バリア層及び前記下部超電導体膜をエッチング
    してメサ構造を作製する工程と、前記基板の上側全面に
    層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜にコンタ
    クトホールを形成し、前記上部超電導体膜に電気的に接
    続する電極を形成する工程とを経て作製される積層型ジ
    ョセフソン素子のバリア層評価方法において、 検査用超電導体膜を用意し、前記アモルファス形成工程
    で前記検査用超電導体膜にダメージを与えて前記検査用
    超電導体膜の表面にアモルファス層を形成し、 前記アニール工程で前記検査用超電導体膜の表面のアモ
    ルファス層を再結晶化して検査用バリア層を形成した
    後、 前記検査用バリア層の結晶性をRHEED(反射高速電
    子線回折)又はLEED(低速電子線回折)によって調
    べ、その結果によって前記積層型ジョセフソン素子のバ
    リア層の結晶性を評価することを特徴とするジョセフソ
    ン素子のバリア層評価方法。
  4. 【請求項4】 前記検査用超電導体膜は、前記素子作製
    用基板と異なる検査用基板の上に作製し、該検査用基板
    を前記素子作製用基板の近傍に配置して前記アモルファ
    ス工程及び前記バリア層形成工程を実施することを特徴
    とする請求項2又は3に記載のジョセフソン素子のバリ
    ア層評価方法。
  5. 【請求項5】 前記検査用超電導体膜がa軸配向した酸
    化物超電導体からなることを特徴とする請求項2又は3
    に記載のジョセフソン素子のバリア層評価方法。
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