JPH05211355A - ジョセフソン集積回路の製造方法 - Google Patents

ジョセフソン集積回路の製造方法

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JPH05211355A
JPH05211355A JP3210728A JP21072891A JPH05211355A JP H05211355 A JPH05211355 A JP H05211355A JP 3210728 A JP3210728 A JP 3210728A JP 21072891 A JP21072891 A JP 21072891A JP H05211355 A JPH05211355 A JP H05211355A
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layer
superconducting
integrated circuit
nitrogen
film
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JP3210728A
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Tetsuyoshi Shioda
哲義 塩田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ジョセフソン集積回路の製造方法
に関し、CF4 を用いたドライ・エッチングを行なった
後に窒素ガスのスパッタリング環境下に曝すなどの方法
に比較し、極めて簡単な手段でNb層表面の酸化を防止
できるように、また、Nb層内部への酸素の拡散を防止
できるようにし、安定な超伝導Nb配線や超伝導Nb層
をもつジョセフソン集積回路を実現して、その特性向上
に寄与することを目的とする。 【構成】 成膜室中で超伝導Nb層12を形成してか
ら、或いは、所要厚さの超伝導Nb層12を形成する最
後の段階に於いて、該成膜室の気密を破ることなしに窒
素など不活性ガスのプラズマ処理或いはイオン照射処理
を行なって該超伝導Nb層12の表面を変質層12Aで
覆う工程が含まれるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Nbからなる配線など
をもつジョセフソン集積回路を製造する方法の改良に関
する。
【0002】現在、超伝導技術は目ざましい発展を遂げ
つつあるが、その一分野を占めるジョセフソン素子につ
いても著しい進歩が見られる。ジョセフソン素子は、高
速、高感度、高精度、低消費電力などの優れた特性を期
待されて実用化が進展しているが、今日、なお多くの研
究課題を抱えていて、特に、集積回路の場合、半導体の
場合と同様、配線などについては解決しなければならな
い大きな問題がある。
【0003】
【従来の技術】図6はジョセフソン集積回路の要部切断
側面図を表している。図に於いて、1は例えばSiから
なる基板、2はNbからなる基部電極、3はAl−Al
x からなるトンネル・バリヤ膜、4はNbからなる対
向電極、5はSiO2 からなる絶縁層、6はNbからな
る配線層をそれぞれ示している。
【0004】図から明らかなように、、このジョセフソ
ン集積回路では、Nb/AlOx /Nb接合をもち、ト
ンネル・バリヤ膜3を作成するには、基部電極2上にA
l膜を形成し、酸化雰囲気中に放置することでAlOx
を生成させたものであり、また、接合間を結ぶ役割を果
たしているNbからなる配線層6の層厚として、例えば
400〔nm〕〜800〔nm〕程度が採用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、Nbは容易に
酸化されるので、図6に見られるようなジョセフソン集
積回路の場合、大気に曝されている配線層6の表面には
酸化膜が生成される。通常、ジョセフソン集積回路を製
造する場合には、温度が上昇する工程が必ず存在し、そ
れが原因となって、前記酸化膜から配線層6中に酸素が
拡散する現象が起こる。そのようになると、配線層6の
臨界電流密度が低下し、回路誤動作の原因になる。実験
に依れば、温度を300〔℃〕とし、また、時間を30
〔分〕としてアニールを行った場合、臨界電流密度Ic
は80〔%〕も低下する。
【0006】このような問題を解消する為、Nb層上に
NbN層を積層成膜し、二層構造の配線層を形成するこ
とが考えられている(要すれば、特願昭62−2045
95号を参照)。この先行技術に於いては、Nbに比較
して不活性なNbNを用いることに依って、Nbからな
る配線層内部に酸素が拡散されるのを防止しようとして
いる。然しながら、この先行技術に依った場合、製造工
程が煩雑化することは避けられず、そして、臨界電流に
影響を与えるNb層とNbN層との層厚比を制御するの
にも問題があり、最適化はされていない。
【0007】加えて、Nbが酸化される問題は、前記し
たように大気に曝される最上層の配線層6に限って発生
するものではなく、ジョセフソン集積回路の製造工程
中、例えば、基部電極2や対向電極4についても酸化さ
れる虞がある。
【0008】また、Nb層を堆積してから、フッ化炭素
ガス(CF4 )をエッチング・ガスとしてドライ・エッ
チングを行ない、その後、窒素ガスのスパッタリング環
境下に曝す技術が提案されている(要すれば、特開昭6
1−278180号公報を参照)。
【0009】然しながら、CF4 を用いてドライ・エッ
チングを行なう技術では、その処理を行なった際にNb
−Cなる結合状態をとる化合物或いはそのフッ化物が生
成されてしまう。このNb−Cからなる物質は、その
後、窒素ガスに依る処理を行なってNb−Nなる化合物
を生成させる際の妨げになる。
【0010】また、高集積化されたジョセフソン集積回
路を製造する場合には、熱処理に依って素子が温度上昇
する工程が必ず存在する。従って、Nb配線を含む各回
路要素は、特性が良好であることは勿論のこと、その特
性が熱処理に依って劣化しないことが望ましい。然しな
がら、実験したところに依れば、CF4 を用いてドライ
・エッチングを行なう技術を適用してから、温度を30
0〔℃〕、そして、時間を30〔分〕としてアニールを
行なった場合、幅が2〔μm〕、厚さが200〔nm〕
であるNb配線の臨界電流IC は50〔%〕減少した。
この値は、何も処理しない場合と比較して改善されては
いるが、到底十分な値とは言えない。
【0011】本発明は、CF4 を用いたドライ・エッチ
ングを行なった後に窒素ガスのスパッタリング環境下に
曝すなどの方法に比較し、極めて簡単な手段でNb層表
面の酸化を防止できるように、また、Nb層内部への酸
素の拡散を防止できるようにし、安定な超伝導Nb配線
や超伝導Nb層をもつジョセフソン集積回路を実現し
て、その特性向上に寄与しようとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理を説
明する為のジョセフソン集積回路の要部切断側面図を表
している。図に於いて、11はSi等からなる基板、1
2はNbからなる層、12Aはプラズマ処理に依るNb
変質層をそれぞれ示している。
【0013】図から明らかなように、本発明では、Nb
からなる層12の表面にNb変質層12Aを形成するも
のであり、このNb変質層12Aは、窒素或いはArな
どの不活性ガスを用いたプラズマ処理をすることで得ら
れるものであり、その内容については、現在、明確には
判っていないが、窒素或いはArなどがNb中に取り込
まれることで生成されるダメージ層であろうと考えら
れ、この変質層12AはNbからなる層12表面の酸化
を有効に遮断する。
【0014】従って、この変質層はNbを材料とする層
の表面に生成させることは、超伝導Nb配線を安定化さ
せたり、回路の重要な部分の特性、例えば、ジョセフソ
ン接合の特性をアニールに対して安定化させたり、他の
材料が不都合に拡散されるのを阻止するなどしてジョセ
フソン集積回路の性能や品質を向上させるのに有効な手
段となる。
【0015】このようなことから、本発明に依るジョセ
フソン集積回路の製造方法に於いては、 (1)成膜室中で超伝導Nb層(例えばNbからなる配
線層12)を形成してから該成膜室の気密を破ることな
く引き続いて窒素など不活性ガスのプラズマ処理を行っ
て該超伝導Nb層の表面を変質層(例えば変質層12
A)で覆う工程が含まれてなることを特徴とするか、或
いは、
【0016】(2)成膜室中で超伝導Nb層を形成しつ
つ且つその所定厚さの形成が終了に近い段階で窒素など
不活性ガスのプラズマ処理を併用して該超伝導Nb層の
表面に変質層を生成させる工程が含まれてなることを特
徴とするか、或いは、
【0017】(3)成膜室中で超伝導Nb層を形成して
から該成膜室の気密を破ることなく引き続いて窒素など
不活性ガスのイオン照射処理を行って該超伝導Nb層の
表面を変質層で覆う工程が含まれてなることを特徴とす
るか、或いは、
【0018】(4)成膜室中で超伝導Nb層を形成しつ
つ且つその所定厚さの形成が終了に近い段階で窒素など
不活性ガスのイオン照射処理を併用して該超伝導Nb層
の表面に変質層を生成させる工程が含まれてなることを
特徴とするか、或いは、
【0019】(5)前記(1)或いは(2)或いは
(3)或いは(4)に於いて、超伝導Nb層の表面に変
質層を生成させてから更に超伝導Nb層を積層形成する
工程が含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0020】(6)前記(1)或いは(2)或いは
(3)或いは(4)に於いて、超伝導Nb層の形成並び
にその表面への変質層の生成を繰り返して複数層を積層
する工程が含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0021】(7)前記(1)或いは(2)或いは
(3)或いは(4)或いは(5)或いは(6)に於い
て、前記超伝導層を形成する工程が超伝導Nb層を形成
する工程であることを特徴とする。
【0022】
【作用】前記手段を採ることに依って、酸化される可能
性があるNbからなる層や配線は、変質層で覆われてし
まうので、大気中で取り扱っても酸化膜の生成は抑えら
れ、また、製造途中に温度が上昇する工程があっても、
Nbからなる層中やNb配線中に酸素は拡散され難く、
従って、超伝導臨界電流が著しく少なくなるようなこと
は起こらず、安定に動作する。また、Nb層上にNbN
層を堆積させる方法、或いは、CF4 を用いたドライ・
エッチングを行なった後に窒素ガスのスパッタリング環
境下に曝すなどの方法に比較すると、その実施は格段に
容易であると共に例えばNb−Cのような化合物などは
生成されないから窒素を用いた処理の効果を十分に享受
することができる。
【0023】
【実施例】本発明一実施例として、本発明の原理を説明
する為に用いた図1に見られるジョセフソン集積回路を
製造する場合について説明する。 (1) DCマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依り、Si基板11上に厚さが例えば200
〔nm〕のNb層を成膜する。 (2) 大気中に取り出す前にNb層表面を窒素プラズ
マ処理を行ってNb変質層12Aを生成させる。この場
合に於ける窒素プラズマ処理の主要な条件を例示すると
次の通りである。 窒素ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:3〔分〕
【0024】(3) フォト・リソグラフィ技術に於け
るレジスト・プロセスを適用することに依り、フォト・
レジスト膜のパターンを形成する。 (4) エッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とする反応性イオン・エッチング(reactive
ion etching:RIE)法を適用することに
依り、Nb変質層12A及び下地のNb層のパターニン
グを行う。この工程を経ることで、Nbからなる層12
が形成されるのであるが、その表面は、勿論、層12と
同形状にパターニングされたNb変質層12Aで覆われ
ている。この場合、Nbからなる層12の幅は1〔μ
m〕〜2〔μm〕、また、長さは2.4〔mm〕であっ
た。
【0025】このようにして形成したジョセフソン集積
回路に於けるNbからなる層12の超伝導臨界電流を測
定した。ここでは、製造してから直ちに測定を行って得
られた超伝導臨界電流値をICOとし、また、窒素中で温
度を300〔℃〕、時間を30〔分〕としてアニールし
た後に測定して得た超伝導臨界電流値をIC としてデー
タをとったところ、IC/ICOは図2に見られる通りで
あった。
【0026】図2はIC /ICOと窒素プラズマ処理時に
於ける印加電圧との関係を表す線図であり、縦軸にはI
C /ICOを、横軸には窒素プラズマ処理時に於ける印加
電圧をそれぞれ採ってある。図に於いて、○印はNb層
幅が2.0〔μm〕、□印はNb層幅が1.5〔μ
m〕、△印はNb層幅が1.0〔μm〕の場合のデータ
であり、また、印加電圧が0〔V〕の場合は窒素プラズ
マ処理を行っていない場合の値である。
【0027】図から明らかなように、窒素プラズマ処理
を行わないNbからなる層の場合、前記アニールに依っ
て、臨界電流値はアニール前の20〔%〕以下になって
しまうことが判る。然しながら、窒素プラズマ処理を行
ったNbからなる層の場合、アニール後の臨界電流値は
30〔%〕〜70〔%〕であって、アニールに依る劣化
は抑えられていることが理解できよう。尚、このデータ
を得たアニール温度である300〔℃〕は若干過酷な温
度であって、ジョセフソン集積回路の製造工程中では1
50〔℃〕程度の温度しか加わらない。
【0028】図3は本発明に於ける第二実施例を説明す
る為のジョセフソン集積回路の要部切断側面図を表し、
以下、この図を参照しつつ説明する。 (1) DCマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依り、Si基板21上に厚さ30〜200〔n
m〕のNbからなる基部電極膜、厚さ2〜10〔nm〕
のAl膜を形成する。 (2) 酸素雰囲気中に30〔分〕間放置することでA
l膜の表面にAlOx 膜が生成される。ここでは、Al
膜+AlOx 膜をトンネル・バリヤ膜23と呼ぶことに
する。
【0029】(3) DCマグネトロン・スパッタリン
グ法を適用することに依り、トンネル・バリヤ膜23上
に厚さ30〜200〔nm〕のNbからなる対向電極膜
を形成する。 (4) フォト・リソグラフィ技術に於けるレジスト・
プロセスを適用することに依り、対向電極用のフォト・
レジスト膜パターンを形成する。
【0030】(5) エッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、Nbからなる対
向電極膜のパターニングを行って対向電極24を形成す
る。 (6) Arガス雰囲気中でプラズマ・エッチング法を
適用することに依って、トンネル・バリヤ膜23を対向
電極24と同形状にパターニングする。
【0031】(7) フォト・リソグラフィ技術に於け
るレジスト・プロセス及びエッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、Nbからなる基
部電極膜のパターニングを行って基部電極22を形成す
る。 (8) RFマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依り、厚さ例えば200〜400〔nm〕のS
iO2 からなる絶縁膜25を形成する。
【0032】(9) フォト・リソグラフィ技術に於け
るレジスト・プロセス並びにエッチング・ガスをCHF
3 とするRIE法を適用することに依り、絶縁膜25の
選択的エッチングを行って配線コンタクト窓を形成し、
その配線コンタクト窓内に対向電極24の一部を表出さ
せる。 (10) 対向電極24に於ける表出された部分をAr
でスパッタ・クリーニングする。この場合、 Arガス圧:10〔mTorr〕 印加電圧:200〜400〔V〕 時間:1〜5〔分〕 である。
【0033】(11) DCマグネトロン・スパッタリ
ング法を適用することに依り、前記配線コンタクト窓内
を含む全面に厚さが500〔nm〕乃至800〔nm〕
のNb層を形成する。 (12) 大気中に取り出す前にNb層表面を窒素プラ
ズマ処理を行ってNb変質層26Aを生成させる。この
場合に於ける窒素プラズマ処理の主要な条件を例示する
と次の通りである。 窒素ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:3〔分〕
【0034】(13) フォト・リソグラフィ技術に於
けるレジスト・プロセスを適用することに依り、フォト
・レジスト膜のパターンを形成する。 (14) エッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、Nb変質層26
A及び下地のNb層のパターニングを行う。この工程に
依ってNbからなる配線層26が形成され、その表面は
配線層26と同形状にパターニングされたNb変質層2
6Aで覆われている。
【0035】ところで、図1並びに図2について説明し
た第一実施例は、平坦で、且つ、薄いNbからなる配線
層に適用した場合であって、実際のジョセフソン集積回
路に於けるNbからなる配線層は、図3について説明し
た第二実施例に見られるように、かなり厚さ、例えば5
00〔nm〕〜800〔nm〕程度であり、従って、配
線層の平坦部分ではアニール時に於ける酸素拡散による
超伝導臨界電流IC の劣化は起こり難い。
【0036】然しながら、そのような場合であっても、
実際のジョセフソン集積回路には種々な段差が存在し、
配線層が段差を乗り越える部分では厚さが1/2〜1/
3になっている。従って、この層厚が薄くなっている段
差部分に於いては、アニールに依る超伝導臨界電流IC
の劣化が当然に発生するので、本発明を適用することは
大変有効である。
【0037】図4は本発明に於ける第三実施例を説明す
る為のジョセフソン集積回路の要部切断側面図を表し、
以下、この図を参照しつつ説明する。尚、図3に於いて
用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を
持つものとする。本実施例は、図3について説明した実
施例に於ける工程(1)〜(10)までは全く同じであ
るから、その次の段階から説明する。
【0038】 DCマグネトロン・スパッタリング法
を適用することに依り、前記配線コンタクト窓内を含む
全面に厚さが250〔nm〕乃至400〔nm〕のNb
層を形成する。 Nb層表面を窒素プラズマ処理を行ってNb変質層
27Aを生成させる。この場合に於ける窒素プラズマ処
理の主要な条件を例示すると次の通りである。 窒素ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:3〔分〕
【0039】 DCマグネトロン・スパッタリング法
を適用することに依り、全面に厚さが250〔nm〕乃
至400〔nm〕のNb層を形成する。 フォト・リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロ
セスを適用することに依り、フォト・レジスト膜のパタ
ーンを形成する。 エッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、最上層のNb
層、Nb変質層27A、下地のNb層のパターニングを
行う。
【0040】この工程に依ってNbからなる配線層27
及び28が形成され、その中間には配線27及び28と
同形状にパターニングされたNb変質層27Aが介在し
ている。尚、本実施例に於いて配線層28の表面にもN
b変質層を生成させても良いことは勿論であり、また、
配線層及び変質層からなる構成を繰り返して形成し、複
数層にするなどは任意である。
【0041】図5は本発明に於ける第四実施例を説明す
る為のジョセフソン集積回路の要部切断側面図を表し、
以下、この図を参照しつつ説明する。 (1) DCマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依り、Si基板31上に厚さ100〜400
〔nm〕のNbからなるグランド・プレーン32を形成
する。 (2) グランド・プレーン32を形成した際の真空を
引き続いて維持しつつ、窒素プラズマ処理を行なうこと
に依って、グランド・プレーン32の全表面にNb変質
層32Aを生成させる。この場合に於ける窒素プラズマ
処理の主要な条件を例示すると次の通りである。 窒素ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:1〜5〔分〕
【0042】(3) RFマグネトロン・スパッタリン
グ法を適用することに依って、Nb変質層32A上に厚
さ例えば100〜400〔nm〕程度のSiO2 からな
る絶縁層33を形成する。 (4) DCマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依って、絶縁層33上に厚さが30〜200
〔nm〕のNbからなる基部電極膜を形成する。
【0043】(5) 前記基部電極膜を形成した際の真
空を引き続いて維持しつつ、窒素プラズマ処理を行なう
ことに依って、前記基部電極膜の表面にNb変質層34
Aを生成させる。この場合に於ける窒素プラズマ処理の
主要な条件を例示すると次の通りである。 窒素ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:1〜5〔分〕 (6) DCマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依って、Nb変質層34A上に厚さ2〜10
〔nm〕のAl膜を形成する。
【0044】(7) 酸素雰囲気中に30〔分〕間放置
することでAl膜の表面にAlOx 膜を生成させる。こ
こでは、Al膜+AlOx 膜をトンネル・バリヤ膜35
と呼ぶことにする。 (8) DCマグネトロン・スパッタリング法を適用す
ることに依り、トンネル・バリヤ膜35上に厚さ30〜
200〔nm〕のNbからなる対向電極膜を形成する。
【0045】(9) 前記対向電極膜を形成した際の真
空を引き続いて維持しつつ、窒素プラズマ処理を行なう
ことに依って、前記対向電極膜の表面に変質層36Aを
生成させる。この場合に於ける窒素プラズマ処理の主要
な条件を例示すると次の通りである。 窒素ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:1〜5〔分〕 (10) フォト・リソグラフィ技術に於けるレジスト
・プロセスを適用することに依り、対向電極用のフォト
・レジスト膜パターンを形成する。
【0046】(11) エッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、Nb変質層36
Aをパターニングすると共に下地のNbからなる対向電
極膜のパターニングを行って対向電極36を形成する。 (12) Arガス雰囲気中でプラズマ・エッチング法
を適用することに依り、トンネル・バリヤ膜35を対向
電極36と同形状にパターニングする。
【0047】(13) フォト・リソグラフィ技術に於
けるレジスト・プロセス及びエッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、Nb変質層34
Aをパターニングすると共に下地のNbからなる基部電
極膜のパターニングを行って基部電極34を形成する。 (14) RFマグネトロン・スパッタリング法を適用
することに依り、厚さ例えば200〜400〔nm〕の
SiO2 からなる絶縁膜37を形成する。
【0048】(15) フォト・リソグラフィ技術に於
けるレジスト・プロセス並びにエッチング・ガスをCH
3 とするRIE法を適用することに依り、絶縁膜37
の選択的エッチングを行って配線コンタクト窓を形成
し、その配線コンタクト窓内に対向電極36に於ける変
質層36Aの一部を表出させる。 (16) 配線コンタクト窓内に表出された変質層36
AをArでスパッタ・クリーニングする。この場合、 Arガス圧:1.3〔Pa〕 印加電圧:200〜400〔V〕 時間:1〜5〔分〕 である。
【0049】(17) DCマグネトロン・スパッタリ
ング法を適用することに依り、前記配線コンタクト窓内
を含む全面に厚さが500〔nm〕乃至800〔nm〕
のNb層を形成する。 (18) Nb層を形成した際の真空を破ることなく、
Nb層表面の窒素プラズマ処理を行ってNb変質層38
Aを生成させる。この場合に於けるN2 プラズマ処理の
主要な条件を例示すると次の通りである。 N2 ガス圧:2.6〔Pa〕 印加電圧:−80〔V〕〜−250〔V〕 時間:1〜5〔分〕
【0050】(19) フォト・リソグラフィ技術に於
けるレジスト・プロセスを適用することに依り、配線用
のフォト・レジスト膜パターンを形成する。 (20) エッチング・ガスを CF4 +(0〜15〔%〕)O2 とするRIE法を適用することに依り、Nb変質層38
A及び下地のNb層のパターニングを行う。この工程に
依ってNbからなる配線層38が形成され、その表面は
配線層38と同形状にパターニングされたNb変質層3
8Aで覆われている。
【0051】第四実施例に依れば、グランド・プレーン
32はNb変質層32Aで、基部電極34はNb変質層
34Aで、対向電極36はNb変質層36Aで、配線3
8の表面はNb変質層38Aでそれぞれ覆われていて、
集積回路の重要な部分であるジョセフソン接合の特性は
アニールに対して安定化させることができ、そして、ト
ンネル・バリヤ膜35を構成しているAlが基部電極3
4中に拡散するのを有効に阻止することができる。
【0052】また、Nb変質層を生成させる為に窒素を
用いた場合、その程度は判然としないが、変質層にNb
Nが含まれる。基部電極34上に形成したNb変質層3
4AにNbNが含まれていると、例えばギャップ電圧が
大きくなるなど、NbNの性質に起因する接合特性の向
上が期待される。
【0053】本発明に於いては、前記説明した各実施例
の他に多くの改変を行うことができる。例えば、前記各
実施例に於いては、何れも変質層を生成する為のプラズ
マ処理に窒素プラズマを用いたが、他の不活性ガス、例
えばArガスを用いたプラズマで処理しても、全く同様
な結果が得られている。
【0054】また、プラズマ処理だけでなく、窒素やA
rなど不活性ガスのイオンを照射する処理をしても、プ
ラズマ処理の場合と全く同じNb変質層が得られる。こ
の場合の条件を例示すると、 加速電圧:300〜1000〔eV〕 電流密度:0.25〜1〔mA/cm2 〕 時間:1〜10〔分〕 である。尚、前記プラズマ処理或いはイオン照射処理の
何れの場合についても、窒素ガスに他のガス、例えば、
窒素やHeを混合して実験したが、同様な作用及び効果
が得られた。
【0055】更にまた、前記各実施例に於いては、Nb
変質層26Aなどを生成させる際、Nb層を形成するD
Cマグネトロン・スパッタリングを停止してからプラズ
マ処理或いはイオン照射処理を行なうものとして説明し
たが、Nb層が所要の厚さに形成される最終段階でプラ
ズマ処理、或いは、イオン照射処理を併用するかたちで
Nb変質層を生成させても良い。これは、特に、図4に
ついて説明した実施例の場合には有効であり、Nb層の
形成過程に於いて、必要な時点に所要時間のプラズマ処
理或いはイオン照射処理の過程を介在させれば良い。
【0056】
【発明の効果】本発明に依るジョセフソン集積回路の製
造方法に於いては、成膜室中で超伝導Nb層を形成して
から、或いは、所要厚さの超伝導Nb層を形成する最後
の段階で、該成膜室の気密を破ることなく窒素など不活
性ガスのプラズマ処理或いはイオン照射処理を行なって
該超伝導Nb層の表面を変質層で覆う工程が含まれる。
【0057】前記構成を採ることに依り、酸化される可
能性が大きいNbからなる層は、形成後、大気などに触
れる前に直ちに変質層で覆われてしまうので、その後、
大気中で取り扱っても酸化膜の生成は抑えられ、そし
て、製造途中に温度が上昇する工程があっても、Nb層
中に酸素やトンネル・バリヤを構成するAlなどが拡散
されることは殆どなく、超伝導臨界電流が著しく少なく
なるような事態は起こらずに安定に動作する。
【0058】また、Nb層上にNbN層を堆積させる方
法やCF4 を用いたドライ・エッチングを行なった後に
窒素ガスのスパッタリング環境下に曝すなどの方法に比
較すると、その実施は格段に容易であると共に例えばN
b−Cのような化合物などは生成されないから窒素を用
いた処理の効果を十分に享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する為のジョセフソン集積
回路の要部切断側面図である。
【図2】IC /IC0と窒素プラズマ処理時に於ける印加
電圧の関係を表す線図である。
【図3】本発明に於ける第二実施例を説明する為のジョ
セフソン集積回路の要部切断側面図である。
【図4】本発明に於ける第三実施例を説明する為のジョ
セフソン集積回路の要部切断側面図である。
【図5】本発明に於ける第四実施例を説明する為のジョ
セフソン集積回路の要部切断側面図である。
【図6】ジョセフソン集積回路の要部切断側面図であ
る。
【符号の説明】
1 Siからなる基板 2 Nbからなる基部電極 3 Al−AlOx からなるトンネル・バリヤ膜 4 Nbからなる対向電極 5 SiO2 からなる絶縁層 6 Nbからなる配線層 11 Si等からなる基板 12 Nbからなる配線層 12A プラズマ処理で生成させたNb変質層 21 Si基板 22 基部電極 23 トンネル・バリヤ膜 24 対向電極 25 絶縁膜 26 配線層 26A 変質層 27 配線層 27A 変質層 28 配線層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜室中で超伝導Nb層を形成してから該
    成膜室の気密を破ることなく引き続き窒素など不活性ガ
    スのプラズマ処理を行って該超伝導Nb層の表面を変質
    層で覆う工程が含まれてなることを特徴とするジョセフ
    ソン集積回路の製造方法。
  2. 【請求項2】成膜室中で超伝導Nb層を形成しつつ且つ
    その所定厚さの形成が終了に近い段階で窒素など不活性
    ガスのプラズマ処理を併用して該超伝導Nb層の表面に
    変質層を生成させる工程が含まれてなることを特徴とす
    るジョセフソン集積回路の製造方法。
  3. 【請求項3】成膜室中で超伝導Nb層を形成してから該
    成膜室の気密を破ることなく引き続き窒素など不活性ガ
    スのイオン照射処理を行って該超伝導Nb層の表面を変
    質層で覆う工程が含まれてなることを特徴とするジョセ
    フソン集積回路の製造方法。
  4. 【請求項4】成膜室中で超伝導Nb層を形成しつつ且つ
    その所定厚さの形成が終了に近い段階で窒素など不活性
    ガスのイオン照射処理を併用して該超伝導Nb層の表面
    に変質層を生成させる工程が含まれてなることを特徴と
    するジョセフソン集積回路の製造方法。
  5. 【請求項5】超伝導Nb層の表面に変質層を生成させて
    から更に超伝導Nb層を積層形成する工程が含まれてな
    ることを特徴とする請求項1或いは2或いは3或いは4
    記載のジョセフソン集積回路の製造方法。
  6. 【請求項6】超伝導Nb層の形成並びにその表面への変
    質層の生成を繰り返して複数層を積層する工程が含まれ
    てなることを特徴とする請求項1或いは2或いは3或い
    は4記載のジョセフソン集積回路の製造方法。
  7. 【請求項7】前記超伝導Nb層を形成する工程が超伝導
    Nb配線層を形成する工程であることを特徴とする請求
    項1或いは2或いは3或いは4或いは5或いは6記載の
    ジョセフソン集積回路の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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